JP2601575Y2 - コンパクトディスクの収納容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、コンパクトディスクの
収納容器に関し、さらに詳しくは、コンパクトディスク
（Compact Disk、以下、ＣＤという）、特に、８ｃｍＣ
Ｄとして知られるＣＤシングル盤を収納するための収納
容器の改良に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種のＣＤシングル盤を収納
するための収納容器については、該ＣＤシングル盤のそ
れ自体が比較的薄く且つ小さい円盤状の形態であること
から、本来的には、小さく収納することを想定した構成
とされるのであろうが、現在では、販売時の店頭におけ
る表示効果等を考慮して、該ＣＤシングル盤の２枚相当
分を並設した大きさ対応の薄い矩形状に設定して構成さ
れており、該矩形状容器内部の表面部には、収納するＣ
Ｄシングル盤に関して、これが音楽盤であれば、歌曲の
タイトルを始めとして、アーティスト、プレィヤー等の
写真とか、内容解説等の印刷物が介入されている。

【０００３】即ち、従来のＣＤシングル盤の収納容器Ａ
の場合、具体的には、図４に示されているように、ＣＤ
シングル盤１０の２枚相当分を収納し得る容積対応の大
きさで比較的偏平に形成された容器本体１１と、該容器
本体１１の長手方向一端部側に開閉、係止可能に枢着さ
れた蓋体１２とで構成されると共に、別に、容器本体１
１内一杯に装着し得てＣＤシングル盤１０を収納するト
レイ部材２１を併有しており、また、前記容器本体１１
の表裏各内面にあっては、前記トレイ部材２１の表裏両
面側対応に印刷物４１が添着されている。

【０００４】ここで、前記トレイ部材２１は、枢着側の
一半部にあって、対象ＣＤシングル盤１０を収納するの
に足りる比較的浅い円形凹陥状に形成された収納凹部２
３、該収納凹部２３の中心部に弾性的に集合突設されて
ＣＤシングル盤１０の中心開口部１０ａを着脱自在に係
止する係止凸部２４、及び該収納凹部２３の枢着側寄り
の一部範囲に切り欠かれた欠截部２５を備える収納部２
２と、それに非枢着側の他半部にあって、該収納部２２
に対して折り取り可能に連接された非収納部２６とで構
成されている。

【０００５】而して、前記トレイ部材２１に対するＣＤ
シングル盤１０の収納は、前記収納部２２の収納凹部２
３内に対して該当ＣＤシングル盤１０を装入させた状態
で、係止凸部２４に中心開口部１０ａを弾性的に係着さ
せて行ない、また、その取り出しは、前記係止凸部２４
の表面を弾性力に抗して指先で軽く押圧することによ
り、収納されているＣＤシングル盤１０を収納凹部２３
内でやや浮き上がらせ、且つこの状態で、該浮き上がら
せたＣＤシングル盤１０に欠截部２５側から指先を掛
け、これを引き起こして取り出すのである。

【０００６】つまり、このように構成される従来のＣＤ
シングル盤の収納容器Ａでは、実質的に利用される収納
部分が、一半部側の収納部２２のみであり、他半部側の
非収納部２６は不要なもので、該非収納部２６について
は、これを折り取ってもよいようになっている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】而して、上記構成によ
る従来のＣＤシングル盤の収納容器の場合、購入者は、
収納容器の内部に添着されている印刷物を切り取ったり
折り込んだりすることを好まず、前記不要とされる他半
部側の非収納部２６を折り取らずに購入時の形態のまま
で利用するのが一般的な傾向である。

【０００８】しかし、このように不要部分をもそのまま
にして利用するのでは、使用枚数の増加に伴って保管に
もまた十分なスペースを確保しなければならず、可及的
効率の良い収納手段を考慮する必要があった。

【０００９】本考案は、このような従来の実情に鑑みて
なされたもので、その目的とするところは、従来、不要
とされていた非収納部についても、これを収納部として
活用し得るようにしたコンパクトディスクの収納容器を
提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本考案に係るコンパクトディスクの収納容器は、容
器本体に対して互いに反対方向の表裏両側から各別の蓋
体を被嵌させ得るようにすると共に、該容器本体に対し
ては、一半部側で表側に向かう収納部を、他半部側で裏
側に向かう収納部を夫々に形成させて、表裏両側からの
各別２枚のＣＤシングル盤の収納を可能にしたものであ
る。

【００１１】即ち、本考案は、（１）コンパクトディス
クを収納するトレイを設ける収納部を２つ形成させた矩
形状の容器本体であって、容器本体を矩形の長手方向に
２つの半部に区切った一方の半部側で表側に開口した表
側収納部、及び他方の半部側で裏側に開口した裏側収納
部を夫々に形成させた容器本体、（２）該容器本体に対
して、表裏両側で各別に開閉、係止可能に枢着された表
側及び裏側の各蓋体、並びに（３）前記容器本体の表側
及び裏側の各収納部内に各別に夫々にコンパクトディス
クを収納するトレイ、を設けることを特徴とするコンパ
クトディスクの収納容器である。

【００１２】

【作用】従って、本考案においては、表側蓋体を開披す
ることで表側収納部に表側対応のコンパクトディスクを
収納でき、同様に、裏側蓋体を開披することで裏側収納
部に裏側対応のコンパクトディスクを収納できるもので
あり、コンパクトディスクの収納容器として、容器内部
に不要部分がなく、コンパクトディスクを効率的に収納
し得る構成が得られる。

【００１３】

【実施例】以下、本考案に係るコンパクトディスクの収
納容器におけるディスク支持装置の一実施例につき、図
１ないし図３を参照して詳細に説明する。

【００１４】図１（ａ）、（ｂ）は、本考案の一実施例
を適用したコンパクトディスクの収納容器を開披状態で
模式的に示す分解斜視図、及び蓋体係止・跳ね上げ機構
部を拡大して模式的に示す部分分解斜視図であり、図２
は、同上収納容器の要部構成を拡大して示す断面図、図
３は、同上表側及び裏側の各収納部に装着されるトレイ
部材を単体で取り出して示す斜視図である。本考案の収
納容器の材料は特に制限はないが、透明なプラスチック
材で構成するのが好ましい。

【００１５】即ち、これらの実施例各図の構成におい
て、本実施例に係るＣＤシングル盤の収納容器Ｂは、Ｃ
Ｄシングル盤１０の２枚相当分を収納し得る容積対応の
大きさで比較的偏平に形成された容器本体５１と、該容
器本体５１に対して互いに反対方向の表裏両側から各別
に開閉、係止可能に被嵌させ得るようにした表側及び裏
側の各蓋体８１ａ、８１ｂとを有している。

【００１６】而して、前記容器本体５１は、一半部側で
底板部５３ａを有して表側に向かう（表側から出し入れ
する）表側収納部５２ａを、同様に、他半部側で底板部
５３ｂを有して裏側に向かう（裏側から出し入れする）
裏側収納部５２ｂを夫々に形成させ、且つ前記各底板部
５３ａ、５３ｂ間の中間点中心部に連結枠５４を設けて
ある。

【００１７】また、前記各収納部５２ａ、５２ｂ内に
は、各側壁５５、５５に独立的に形成されたトレイ抑え
５６ａ、５６ｂで押止される各トレイ部材９１が夫々に
装着されると共に、前記各底板部５３ａ、５３ｂの裏面
側にかけて前記連結枠５４で区分された該当印刷物１０
１ａ、１０１ｂが添着されており、且つ前記夫々の各側
壁５５、５５の両端部外面には、表側用、裏側用の各枢
軸ピン５７ａ、５７ｂが突出され、更に、前記各収納部
５２ａ、５２ｂの各端壁５８ａ、５８ｂについては、夫
々に外側に向けて弯曲膨出された拡大レンズ仕様になっ
ている。

【００１８】一方、前記各側壁５５、５５における表
側、裏側の各収納部５２ａ、５２ｂに対応した夫々に一
方の対向内面には、個別に蓋体係止・跳ね上げ機構部６
１ａ、６１ｂが設けられる。

【００１９】該各蓋体係止・跳ね上げ機構部６１ａ、６
１ｂは、図１（ｂ）に詳細を示した如く、各駒片６２
ａ、６２ｂと、該各駒片６２ａ、６２ｂから夫々に外側
へ突設された各係合片６３ａ、６３ｂ及び上方へ延長さ
れた各跳ね上げバネ片６４ａ、６４ｂと、前記各駒片６
２ａ、６２ｂに対して夫々にバネ片６５ａ、６５ｂを介
して基端部側を連接させた各案内片６６ａ、６６ｂと、
該各案内片６６ａ、６６ｂの外側に夫々案内ピン６７
ａ、６７ｂを介して一体化された各係止解放摘み６８
ａ、６８ｂとを有しており、各係止解放摘み６８ａ、６
８ｂの先端部には、カム傾斜面７０ａ、７０ｂ付きの係
止部６９ａ、６９ｂが形成されている。

【００２０】そして、前記各駒片６２ａ、６２ｂから突
設された夫々の各係合片６３ａ、６３ｂは、前記各側壁
５５、５５の該当部分に穿設された各係合孔７１ａ、７
１ｂに係合させると共に、前記各収納部５２ａ、５２ｂ
内に装着される各トレイ部材９１によって抜け出さない
ように押止されており、また、前記各案内片６６ａ、６
６ｂの先端部を前記各端壁５８ａ、５８ｂの該当部分に
穿設された各案内孔７２ａ、７２ｂに内側から係合させ
た上で、その各案内ピン６７ａ、６７ｂを同様に該当部
分に穿設させた各Ｌ型案内溝７３ａ、７３ｂに係合させ
てある。

【００２１】次に、前記表側及び裏側の各蓋体８１ａ、
８１ｂは、基部側に前記表側用、裏側用の各枢軸ピン５
７ａ、５７ｂに枢支される軸孔８２ａ、８２ｂを穿孔す
ると共に、リブ８３ａ、８３ｂを延出した両側部の先端
側に夫々挟持片８４ａ、８４ｂ及び８５ａ、８５ｂを形
成させてあり、且つ該一方の挟持片８４ａ、８４ｂに
は、前記各係止解放摘み６８ａ、６８ｂの先端側での係
止部６９ａ、６９ｂに係止される係止凹欠部８６ａ、８
６ｂを形成してある。

【００２２】また、前記表側、裏側の各収納部５２ａ、
５２ｂに収装されるトレイ部材９１ａ、９１ｂは、収納
対象のＣＤシングル盤１０を収納するのに足りる比較的
浅い円形凹陥状に形成された収納凹部９２ａ、９２ｂ
と、該収納凹部９２ａ、９２ｂの中心部に弾性的に集合
突設されてＣＤシングル盤１０の中心開口部１０ａを着
脱自在に係止する係止凸部９３ａ、９３ｂを形成させた
ものであってよい。

【００２３】従って、上記構成による収納容器Ｂにおい
ては、従来の場合と変わらない大きさ形状であるが、表
裏の各蓋体８１ａ、８１ｂの開閉操作により、表裏の各
収納部５２ａ、５２ｂの各トレイ部材９１ａ、９１ｂ内
に対して各別のＣＤシングル盤１０を収納させることが
できる。

【００２４】そして、このように夫々収納させた状態で
は、係止部６９ａ、６９ｂが係止凹欠部８６ａ、８６ｂ
に係合すると共に、表裏の各蓋体係止・跳ね上げ機構部
６１ａ、６１ｂの各跳ね上げバネ片６４ａ、６４ｂが各
蓋体８１ａ、８１ｂに押圧されることで付勢された状態
に撓められており、夫々の各係止解放摘み６８ａ、６８
ｂをバネ片６５ａ、６５ｂの弾力に抗して作動させるこ
とにより、該各蓋体８１ａ、８１ｂを開く方向へ押し上
げて、その開披を容易にし、また、各蓋体８１ａ、８１
ｂを閉じる方向へ押圧すると、一方の挟持片８４ａ、８
４ｂの端部がカム傾斜面７０ａ、７０ｂに当接して、各
係止解放摘み６８ａ、６８ｂを押し退けながら閉蓋し、
再度、係止部６９ａ、６９ｂが係止凹欠部８６ａ、８６
ｂに係合されて該閉蓋状態を維持するのである。

【００２５】この実施例では収納部と各蓋体の係合、開
放に際しバネ片を補助的に用いるようにしたが、本考案
はこれに制限されるものではなく、通常の市販品にみら
れる、バネ片を用いない単なる係合方式を用いてもよい
ことはもちろんである。

【００２６】

【考案の効果】以上、実施例によって詳述したように、
本考案によれば、一半部側で表側に向かう表側収納部
を、他半部側で裏側に向かう裏側収納部を夫々に形成さ
せた容器本体と、該容器本体に対し、表裏両側で各別に
開閉、係止可能に枢着された表側及び裏側の各蓋体と、
前記容器本体の表側及び裏側の各収納部内に各別に装着
されて夫々にコンパクトディスクを収納するトレイ部材
とを備えて構成したから、表側蓋体を開披することで表
側収納部に表側対応のコンパクトディスクを収納でき、
同様に、裏側蓋体を開披することで裏側収納部に裏側対
応のコンパクトディスクを収納でき、コンパクトディス
クの収納容器として、容器内部に不要部分がなく、コン
パクトディスクを効率的に収納し得るほか、構造的にも
比較的簡単で容易に実施できる等の優れた特長がある。

【００２７】さらに、購入者は、収納容器の内部に添着
されているきれいな歌手の写真や歌詞カードなどの印刷
物を、切り取ったり折り込んだりせずに買ったままの形
で広げて見ることができる。また容器の両端の端壁を拡
大レンズ仕様とすれば、いずれのコンパクトディスクの
タイトルも非常に見やすくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）、（ｂ）は、本考案の一実施例を適用し
たコンパクトディスクの収納容器を開披状態で模式的に
示す分解斜視図、及び蓋体係止・跳ね上げ機構部を拡大
して模式的に示す部分分解斜視図である。

【図２】同上収納容器の要部構成を拡大して示す断面模
式図である。

【図３】同上表側及び裏側の各収納部に装着されるトレ
イ部材を単体で取り出して示す斜視図である。

【図４】従来のコンパクトディスクの収納容器を開披状
態で模式的に示す斜視説明図である。

【符号の説明】

Ｂ コンパクトディスクの収納容器 １０ ＣＤシングル盤（コンパクトディスク） ５１ 容器本体 ５２ａ、５２ｂ 表裏の収納部 ５３ａ、５３ｂ 底板部 ５４ 連結枠 ５５ 側壁 ５６ａ、５６ｂ トレイ抑え ５７ａ、５７ｂ 枢軸ピン ５８ａ、５８ｂ 端壁 ６１ａ、６１ｂ 蓋体係止・跳ね上げ機構部 ６２ａ、６２ｂ 駒片 ６３ａ、６３ｂ 係合片 ６４ａ、６４ｂ 跳ね上げバネ片 ６５ａ、６５ｂ バネ片 ６６ａ、６６ｂ 案内片 ６７ａ、６７ｂ 案内ピン ６８ａ、６８ｂ 係止解放摘み ６９ａ、６９ｂ 係止部 ７０ａ、７０ｂ カム傾斜面 ７１ａ、７１ｂ 係合孔 ７２ａ、７２ｂ 案内孔 ７３ａ、７３ｂ Ｌ型案内溝 ８１ａ、８１ｂ 蓋体 ８２ａ、８２ｂ 軸孔 ８３ａ、８３ｂ リブ ８４ａ、８４ｂ、８５ａ、８５ｂ 挟持片 ８６ａ、８６ｂ 係止凹欠部 ９１ａ、９１ｂ トレイ部材 ９２ａ、９２ｂ 収納部 ９３ａ、９３ｂ 収納凹部 １０１ａ、１０１ｂ 印刷物

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 （１）コンパクトディスクを収納するト
   レイを設ける収納部を２つ形成させた矩形状の容器本体
   であって、容器本体を矩形の長手方向に２つの半部に区
   切った一方の半部側で表側に開口した表側収納部、及び
   他方の半部側で裏側に開口した裏側収納部を夫々に形成
   させた容器本体、 （２） 該容器本体に対して、表裏両側で各別に開閉、係
   止可能に枢着された表側及び裏側の各蓋体、並びに （３） 前記容器本体の表側及び裏側の各収納部内に各別
   に夫々にコンパクトディスクを収納するトレイを設ける
   ことを特徴とするコンパクトディスクの収納容器。
2. 【請求項２】 前記各トレイが、少なくともコンパクト
   ディスクの収納凹部、該収納凹部内に弾性的に突設され
   て該コンパクトディスクの中心開口部を着脱自在に係止
   する係止凸部を有することを特徴とする請求項１に記載
   のコンパクトディスクの収納容器。
3. 【請求項３】 容器が透明プラスチック材よりなり容器
   の両端の端壁が断面凸状の拡大レンズ仕様となっている
   ことを特徴とする請求項１に記載のコンパクトディスク
   の収納容器。