JP2601361B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2601361B2
JP2601361B2 JP2073201A JP7320190A JP2601361B2 JP 2601361 B2 JP2601361 B2 JP 2601361B2 JP 2073201 A JP2073201 A JP 2073201A JP 7320190 A JP7320190 A JP 7320190A JP 2601361 B2 JP2601361 B2 JP 2601361B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁性層が少なくとも2層以上の重層構成の高
密度記録用の磁気記録媒体に関するものであり、特にそ
の電磁変換特性および走行耐久性が極めて優れた磁気記
録媒体に関するものである。
〔従来の技術およびその課題〕
磁気記録媒体は録音用テープ、ビデオテープ、コンピ
ューターテープあるいはフロッピーディスクなどとして
広く用いられている。磁気記録媒体は基本的には強磁性
微粉末が結合剤中に分散された磁性層が非磁性支持体上
に積層された構造からなる。
基本的に磁気記録媒体は電磁変換特性、走行耐久性及
び走行性能などの諸特性において高いレベルにあること
が必要とされる。特に最近の8ミリビデオ、ハイバンド
8ミリビデオ、S−VHSビデオテープレコーダーなどの
普及に伴いビデオテープは、ビデオ出力が高く、原画再
生能力が優れていることなど特に電磁変換特性が優れて
いるものであることが強く要求されている。
磁気記録媒体の電磁変換特性を向上させる方法には種
々の改良方法があるが、磁気記録物質である強磁性微粉
末の特性を改良する方法が直接的であり、かつ効果的で
ある。従って強磁性微粉末は高密度記録が可能なように
次第に微粉末化され、さらに強磁性微粉末の素材も、酸
化鉄からコバルトなどの異種金属で変性した酸化鉄へと
移行し更に鉄、ニッケル、コバルトのような強磁性の金
属あるいはこれらを含む合金が使用されてきている。
このようにして改良された強磁性微粉末を用いること
により、本質的には電磁変換特性の良好な磁気記録媒体
を得ることが可能であるが、実際には強磁性微粉末の改
良に対応するように電磁変換特性が向上した磁気記録媒
体を製造する事が難しい。これは強磁性微粉末の粒子サ
イズが小さくなるに従って結合剤への分散性が低下する
傾向があり、また強磁性微粉末の特性として、たとえば
γ−酸化鉄、コバルト被着γ−酸化鉄、強磁性金属微粉
末の順に分散性が低下する傾向があるので、強磁性微粉
末を改良することにより逆に磁性層における強磁性微粉
末の分散状態は悪くなるとの事態を生ずることがあり、
従って強磁性微粉末の優れた電磁変換特性が充分に発揮
されないことに起因する。
強磁性微粉末の分散性を向上する試みは多数なされて
いる。例えば、結合剤の改良として、特公昭58−41565
号、特開昭57−44227号、特開昭59−30235号、特開昭60
−238306号、特開昭60−238309号、特開昭60−238371
号、特開昭61−172213号等の各公報には−SO3M、−OSO3
M、−PO3M2、−OPO3M2、−COOM、−NR2、−N R3X
どの極性基を含む結合剤あるいはこれらの極性基とエポ
キシ環とを併せもつ結合剤を用いることが開示されてい
る。これらの結合剤は強磁性微粉末への吸着力が強く、
従来の結合剤に比べ良好な分散性が得られるものであ
る。しかしながら、これらの良好な結合剤を用いても、
高密度記録のために強磁性微粉末の粒子サイズを小さく
すればするほど分散は困難となり、強磁性微粉末の優れ
た電磁変換特性は充分に発揮されない。従って、これら
高分散性結合剤の性能を充分に発揮させる技術の開発が
待ち望まれていた。
また、強磁性微粉末の分散状態を改善するために、磁
性塗液を調整する際の混練分散を長時間行う方法もある
が、混練分散時には強磁性微粉末に相当の剪断力が作用
するので、強磁性微粉末の特性が損なわれる事があり、
更に磁気記録媒体の製造に長時間を要することは製造効
率ひいては製造コスト上問題がある。
一方、これらの問題を解決するために、シランカップ
リング剤のような表面処理剤で表面処理した強磁性微粉
末を用いる方法、脂肪酸、燐酸エステルなどの分散剤を
用いて分散する方法、ビニル系共重合体とウレタンプレ
ポリマーよりなる系に低分子量エポキシ樹脂を加えたも
のを結合剤として用いる方法(特公昭56−23210号)な
ども知られている。
前記のシランカップリング剤を用いた方法や分散剤を
用いた方法により強磁性微粉末を表面処理すると、強磁
性微粉末表面の結合剤との親和性が良化され、分散速度
は速くなる。しかしながら、強磁性微粉末と結合剤を強
く結合させるわけではなく、分散安定性をも含めた分散
性は充分なものではない。
また、低分子量エポキシ樹脂を用いて分散した場合も
分散性の改良は充分ではない。更に、磁性層の力学強度
を向上させ、走行耐久性を向上させるために硬化剤とし
てポリイソシアネート化合物を併用すると、磁性塗液を
調整する際の混練分散中にエポキシ基が開環し、できた
−OH基とポリイソシアネート化合物が反応し、磁性塗液
のポットライフが著しく短くなるという製造上の欠点を
有していた。
従って、粒子サイズの極めて小さい強磁性微粉末をも
高度に分散し、極めて高い電磁変換特性と走行耐久性を
実現できる高密度記録用の磁気記録媒体の開発が強く望
まれていた。
〔発明の目的〕
本発明は、少なくとも2層以上の重層構成の磁性層を
有し、極めて高い電磁変換特性(特に、ビデオ特性)と
走行耐久性を両立させた高密度記録用の磁気記録媒体を
提供することにある。更には磁気記録媒体表面の摩擦係
数(μ値)が低下し、走行性の改良された磁気記録媒体
を提供することでもある。
〔発明の構成〕
本発明の上記目的は、非磁性支持体上に強磁性微粉末
と結合剤とを主体として含有する磁性層を有する磁気記
録媒体において、該磁性層が少なくとも2層以上より成
り、ポリイソシアネート化合物を少なくとも含有する第
一磁性層用塗布液を塗設し、且つ該第一磁性層が湿潤状
態のうちにその上に、同一分子中にエポキシ基を少なく
とも1種以上及び−SO3M、−OSO3M、−OPO(OM)、−
PO(OM)、−COOM(Mはアルカリ金属又はアンモニウ
ムを示す)から選ばれる極性基を少なくとも1種以上有
する分子量2000以下の低分子化合物を少なくとも含有す
る第二磁性層用塗布液を同時または逐次重層塗布方式に
より塗設してなることを特徴とする磁気記録媒体によっ
て達成できる。
本発明の磁気記録媒体は少なくとも2層以上の重層構
成の磁性層を有する。即ち、支持体に近い第一磁性層
(以下、下層ともいう)と該第一磁性層に隣接し且つ支
持体から遠い第二磁性層(以下、上層ともいう)の少な
くとも2層の磁性層を有する。
本発明の第二磁性層に用いたエポキシ基と極性基含有
低分子化合物は、この極性基が強磁性微粉末表面に吸着
・反応することにより、この低分子化合物が強磁性微粉
末の分散剤として働き、強磁性微粉末の分散性を改良す
る。この結果、強磁性微粉末の極めて優れた電磁変換特
性が充分に発揮される。更に、残りのエポキシ基が結合
剤と強く結合することにより、磁性層の力学強度を極め
て高くし、ヘッドの摺動にたいして高い走行耐久性が発
揮される。
すなわち、本発明においては、直接記録用ヘッドと接
触しかつ短波長の信号が記録される第二磁性層に含有さ
せたエポキシ基と極性基含有低分子化合物が強磁性微粉
末と結合剤の間を強く結合させることにより、きわめて
高い分散性、充填性、平滑性を実現させるとともに磁性
層の力学強度をきわめて高くし、ヘッドの摺動にたいし
て高い走行耐久性を実現するものである。
更には、前記第二磁性層用塗布液を、強磁性微粉末、
前記エポキシ基と極性基含有低分子化合物及び結合剤と
溶剤との一部を加えて混練した後、残りの結合剤と溶剤
とを加えて分散して得られたものとするか、もしくは、
前記エポキシ基と極性基含有低分子化合物で表面処理し
た強磁性微粉末を結合剤中に分散して得られたものとす
ることにより、第二磁性層の強磁性微粉末の分散性が更
に良化し、高い電磁変換特性と走行耐久性とを両立させ
る上で更に好ましい。
更に、磁性層の力学強度を高めるために従来から用い
られているポリイソシアネート化合物を硬化剤として併
用することは、本発明でも有効である。
強磁性微粉末の表面に極性基の部分で結合した低分子
化合物はその外側にエポキシ基を向ける。このため強磁
性微粉末の表面は親水性から親油性にかわり結合剤との
親和性が高くなり混練、分散速度は速くなる。更に混
練、分散中にこのエポキシ基が結合剤のOH基等と反応し
結合するため結合剤の強磁性微粉末への結合量は飛躍的
に多くなりその結果分散性、分散安定性は著しく向上す
る。またこのときエポキシ基は系内の水分と反応し開環
してOH基を生成し、これがポリイソシアネート化合物と
結合するため、硬化後の磁性層の力学強度は著しく向上
する。
しかしながらエポキシ化合物から生成したOH基とポリ
イソシアネート化合物のイソシアネート基(−NCO基)
との反応は非常に速く、磁性塗液を調整する際の混練分
散中に反応するため、従来の製造方法では磁性塗液のポ
ットライフが極めて短くなるという欠点を有していた。
このため事実上このような素材の組合せでは磁気記録媒
体の製造はほとんど不可能であった。
そこで本発明では第二磁性層用塗布液にはポリイソシ
アネート化合物を実質的に含ませず、第一磁性層塗布液
にのみポリイソシアネート化合物を含ませて、第一磁性
層が湿潤状態のうちに第二磁性層を逐次あるいは同時に
重層塗布する。湿潤状態の第一磁性層中のポリイソシア
ネート化合物は第二磁性層がその上に塗設されると極め
て短時間で溶剤が乾燥する前に第二磁性層中に拡散し、
第二磁性層中のエポキシ化合物から生成したOH基と反応
することにより、磁性層の力学強度は著しく向上する。
また、極めて短い磁性塗液のポットライフの問題も解消
された。すなわち、本発明では硬化剤の塗布直前添加を
極限まで追求したものである。
本発明において、第二磁性層塗布液はポリイソシアネ
ート化合物を実質的に含まない。「実質的に含まない」
とは、塗布液の粘度が上昇しない範囲内の微量のポリイ
ソシアネート化合物を含んでもよいことを意味する。好
ましくは、全く含まないことである。また同様に、第一
磁性層塗布液はエポキシ化合物を実質的に含まない。
上述したように、従来の単層磁性層型の磁気記録媒体
では決して実現出来なかった高度の電磁変換特性と走行
耐久性をかねそなえた高密度記録用の磁気記録媒体が本
発明によって初めて達成できた。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるエポキシ基及び極性基を含む低分子化
合物は同一分子内にエポキシ基と、極性基として−SO
3M、−OSO3M、−OPO(OM)、−PO(OM)、−COOM
(ここでMはアルカリ金属又はアンモニウム)のいずれ
か1種を含むことを特徴とする。
ここで塩としてこれらの基を導入するのはフリーの酸
とした場合、表面処理あるいは結合剤との混練の際、増
粘する場合があるからである。
エポキシ基を導入する方法としては、一般に市販され
ている各種のエポキシ化合物を使用することができる。
また脂肪族アルコールあるいは芳香族フェノール、脂肪
族アミンおよび芳香族アミンにエピハロルヒドリンを反
応させて合成する方法が知られている。
これらの化合物に−SO3M、−OSO3M、−OPO(OM)
−PO(OM)を導入する方法としては、一般に知られて
いるスルホン酸、ホスホン酸の塩を合成する方法が採用
できる。これらの方法をエポキシ基を導入する前の脂肪
族アルコールあるいは芳香族フェノール、脂肪族アミ
ン、芳香族アミン成分に適用し前もって極性基を導入し
ておくこともできる。これらの化合物の分子量は2,000
以下、望ましくは1,000以下である。分子量が2,000を超
えると強磁性粉末の分散性改良の効果は小さくなる。
本発明において使用される上記化合物の化学構造を以
下に一般式で示す。
〔R1、R2及びR3は各々脂肪族または芳香族の基、Xは極
性基(例えば−SO3M、−OSO3M、−OPO(OM)、−PO
(OM)、−COOM)を示す。〕 また各種のビニルモノマーをエポキシ基を含むビニル
化合物、−SO3M、−SO4M、−OPO(OM)、−PO(OM)
を含むビニル化合物と共重合してもよい。
各種のビニルモノマーとしては またエポキシ基を含むビニルモノマーとして、 を用いることができる。
−SO3Mを含むビニルモノマーとしては、 が挙げられる。
−OSO3Mを含むビニルモノマーとしては、 が挙げられる。
また、−OPO(OM)を含むビニルモノマーとしては が挙げられる。
−PO(OM)を含むビニルモノマーとしては が挙げられる。
−COOMを含むビニルモノマーとしては が挙げられる。
これらの低分子化合物は第二磁性層の強磁性微粉末10
0重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で用いられる。
本発明の第一磁性層に用いられるポリイソシアネート
化合物は、通常ポリウレタン樹脂の硬化剤成分として用
いられるポリイソシアネート化合物のなかから選択でき
る。たとえばトリレンジイソシアネート3モルとトリメ
チロールプロパン1モルとの反応生成物、キシリレンジ
イソシアネートあるいはヘキサメチレンジイソシアネー
ト3モルとトリメチロールプロパン1モルとの反応生成
物、ヘキサメチレンジイソシアネート3モルのビュウレ
ット付加化合物、トリレンジイソシアネート5モルのイ
ソシアヌレート化合物、トリレンジイソシアネート3モ
ルとヘキサメチレンジイソシアネート2モルのイソシア
ヌレート付加化合物、イソホロンジイソシアネート及び
ジフェニルメタンジイソシアネートのポリマーなどが好
ましい。
第一磁性層に用いられる上記ポリイソシアネート化合
物は、強磁性微粉末100重量部に対して2〜10wt重量部
の範囲で用いられる。
本発明に使用される強磁性微粉末はγ−FeOx(x=1.
33〜1.5)、Co変性γ−FeOx(x=1.33〜1.5)、二酸化
クロム微粉末、Fe、Co、Niなどを含む強磁性金属微粉
末、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライトな
ど公知の強磁性微粉末である。これらの強磁性微粉末に
は所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、
Y、Mo、Rh、Pd、Mg、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、A
u、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、N
i、Sr、Bなどの原子を含んでも構わない。強磁性粉末
の形状に特に制限はないが通常は、針状、粒状のものな
どが使用される。この強磁性微粉末のサイズは第一磁性
層用としては、BET法による比表面積が45m2/g以下、結
晶子サイズ290Å以上、第二磁性層用の強磁性微粉末の
サイズはBET法による比表面積が30m2/g以上、結晶子サ
イズ400Å以下であり、第一磁性層の強磁性微粉末のBET
法による比表面積が第二磁性層の強磁性微粉末のBET法
による比表面積より小さくその差が5m2/gより大きいこ
とが好ましい。
第二磁性層の強磁性微粉末として本発明が特に効果的
であるのは結晶子サイズが350Å以下、更に効果的であ
るのは250Å以下である。
強磁性微粉末のpHは酸性側、塩基性側にかかわらず効
果があるが、とくにpHが8以上の場合に効果が大きい。
本発明に用いられる結合剤としては通常の結合剤から
選ぶことができる。結合剤の例としては、塩化ビニル系
共重合体(共重合モノマーとしては酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリ
ル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル等のアルキル(メタ)アクリ
レート、塩化ビニリデンなどは溶剤溶解性を上げる効果
があり好ましい。OH基含有の共重合モノマーとしてビニ
ルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシラウリル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシステアリル(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシプロ
ピルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテ
ル、等はポリイソシアネート化合物やエポキシ基と極性
基を含む低分子化合物と結合し力学強度が向上し好まし
い。その他マレイン酸、(メタ)アクリル酸、アクリロ
ニトリル、エチレン、スチレンなど必要に応じて共重合
できる。); ポリメチルメタクリレートに代表されるアクリル系樹
脂(共重合モノマーとして上記塩化ビニル系共重合体に
用いられるものと同様のものが挙げられる。); ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネ
ート、セルロースアセテートブチレート等の繊維素系樹
脂; ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステルポリ
ウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリエ
ーテルエステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポ
リウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹
脂、各種ゴム系樹脂等を挙げることができる。
これらの中で好ましいものは塩化ビニル系樹脂、アク
リル系樹脂、繊維素系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリエーテル樹脂である。
分散性・耐久性を更に高めるために以上列挙の結合剤
分子中に、極性基〔−COOM、−SO3M、−SO4M、−PO
3M2、−OPO3M2、アミノ基、アンモニウム塩基、−OH、
−SH、エポキシ基(但し、Mは水素原子、アルカリ金属
またはアンモニウムを示し、一つの基の中に複数のMが
あるときは互いに同じでも異なっていてもよい)〕を導
入したものが好ましい。
極性基の含有量としては−COOM、−SO3M、−SO4M、−
PO3M2、−OPO3M2、アミノ基、アンモニウム塩基の場合
はポリマー1グラム当り10-7〜10-3当量が好ましく、さ
らには0.5×10-5〜60×10-5当量が好ましい範囲であ
る。−OH、−SH、エポキシ基の場合は5×10-5〜200×1
0-5当量が好ましい。この範囲より極性基の含有量が少
ないと効果がなく、多すぎると溶剤溶解性が悪くなり分
散性は低下する。
これらの結合剤の好ましい分子量は重量平均分子量で
1万〜10万、さらに好ましくは2万〜6万である。
これら極性基含有の結合剤として特に好ましくは、
OH基を分子内に3個以上と極性基を0.5×10-5eq/g〜60
×10-5eq/g有するポリウレタン樹脂、OH基を5×10-5
〜200×10-5eq/g及びエポキシ基を0.5×10-5〜100×10
-5eq/g及び極性基を0.5×10-5〜60×10-5eq/g含み重合
度が200〜600である塩化ビニル系あるいはアクリル系樹
脂が挙げられる。
これらの結合剤は単独でも複数混合して用いてもよ
い。第一磁性層用と第二磁性層用の結合剤は同じものを
用いても良いし、必要に応じて異なるものを組み合わせ
て用いることも可能である。
本発明の磁気記録媒体の磁性層中の全結合剤の含有量
は、通常は強磁性粉末100重量部に対して10〜100重量部
であり、好ましくは15〜40部である。
本発明には更に、カーボンブラック、研磨剤、添加剤
を用いることが好ましい。
本発明に使用されるカーボンブラックはゴム用ファー
ネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレン
ブラック、等を用いることができる。
使用されるカーボンブラックの比表面積は5〜500m2/
g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5mμ〜300m
μ、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1
〜1g/cc、が好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例と
してはキャボット社製のBLACKPEARLS 2000、1300、100
0、900、800、700、VULCAN XC−72、旭カーボン社製の
#80、#60、#55、#50、#35、三菱化成工業社製の#
2400B、#2300、#900、#1000、#30、#40、#10B、
コロンビアカーボン社製のCONDUCTEX SC、RAVEN 150、5
0、40、15などがあげられる。カーボンブラックを分散
剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用し
ても、表面の一部をグラファイト化したものを使用して
もかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料に添
加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。
カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低
減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これら
は用いるカーボンブラックにより異なる。従って本発明
に使用されるこれらのカーボンブラックは第一磁性層、
第二磁性層でその種類、量、組合せを変え、粒子サイ
ズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもと
に目的に応じて使い分けることはもちろん可能である。
例えば、第一の磁性層の導電性の高いカーボンブラック
を用いることにより帯電を防止し、第二磁性層に粒子径
の大きいカーボンブラックを用い摩擦係数を下げるなど
があげられる。
本発明で使用できるカーボンブラックは例えば「カー
ボンブラック便覧」カーボンブラック協会編を参考にす
ることができる。
第一磁性層に含まれるカーボンブラックの平均粒子径
は20nm未満で強磁性粉末100重量部に対し1〜20重量部
含むことが好ましく、第二磁性層に含まれるカーボンブ
ラックの平均粒子径が40〜80nmで強磁性粉末100重量部
に対し0.1〜10重量部含むことが好ましい。
本発明に用いられる研磨剤としてはα化率90%以上の
α−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロ
ム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイ
アモンド、窒化珪素、炭化珪素チタンカーバイト、炭化
チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース
硬度6以上の公知の材料が単独または組合せで使用され
る。また、これらの研磨剤同士の複合体(研磨剤を他の
研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これら
の研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれる
場合もあるが主成分が90%以上であれば効果に変りはな
い。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μmが好まし
いが、必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合
わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の
効果を持たせることもできる。タップ密度は0.3〜2g/c
c、含水率は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30
m2/g、が好ましい。
本発明に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サイ
コロ状、のいずれでも良いが、形状の一部に角を有する
ものが研磨性が高く好ましい。
本発明に用いられる研磨剤の具体的な例としては、住
友化学社製のAKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT−50、日
本化学工業社製のG5、G7、S−1、戸田工業社製の100E
D、140ED等が挙げられる。
本発明に用いられる研磨剤は第一磁性層、第二磁性層
で種類、量および組合せを変え、目的に応じて使い分け
ることはもちろん可能である。例えば、磁性層表面の耐
久性を向上させる場合は第二磁性層の研磨剤量を、磁性
層端面の耐久性を向上させる場合は第一磁性層の研磨剤
量を多くするなどの工夫をおこなうことができる。又第
一磁性層中にモース硬度7未満の研磨剤を含み、第二磁
性層中にモース硬度7以上の研磨剤を含むことが好まし
い。
これらの研磨剤はあらかじめ結合剤で分散処理した後
磁性塗料中に添加してもかまわない。
本発明の磁気記録媒体の磁性層表面および磁性層端面
に存在する研磨剤は5個/100μm2以上が好ましい。
本発明に使用される、添加剤としては潤滑効果、帯電
防止効果、分散効果、可塑効果、などをもつものが使用
される。二酸化モリブデン、二酸化タングステン、グラ
ファイト、窒化ホウ素、弗化黒鉛、シリコーンオイル、
極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、弗素
含有シリコーン、弗素含有アルコール、弗素含有エステ
ル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エ
ステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステ
ルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、
弗素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属
塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含ん
でも、また分岐していてもかまわない)、およびこれら
の金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または、炭素数12〜22
の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール(不
飽和結合を含んでも、また分岐してもかまわない)、炭
素数12〜22のアルコキシアルコール、炭素数10〜24の一
塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐してい
てもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、
四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結
合を含んでも、また分岐してもかまわない)とからなる
モノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ
脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアル
キルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸
アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用でき
る。これらの具体例としてはラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリ
ン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エ
ライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミ
ル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチ
ル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタ
ンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレ
ート、アンヒドロソルビタントリステアレート、オレイ
ルアルコール、ラウリルアルコール、等が挙げられる。
またアルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシ
ドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加
体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルア
ミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、
複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等のカ
チオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐
酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、などの酸性基を
含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン
酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、
アルキルベタイン型、等の両性界面活性剤等も使用でき
る。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便
覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されてい
る。
これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋
ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、
分解物、酸化物、等の不純分が含まれてもかまわない。
これらの不純分は30重量%以下が好ましく、さらに好ま
しくは10%重量以下である。
本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面活性剤は第
一磁性層、第二磁性層でその種類、量を必要に応じ使い
分けることができる。例えば、第一磁性層、第二磁性層
で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御
する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのに
じみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗
布の安定性を向上させる、潤滑剤の強磁性粉末に対する
量を第一磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなど考
えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではな
い。
また本発明で用いられる添加剤のすべて、またはその
一部は、磁性塗料製造のどの工程で添加してもかまわな
い。例えば、混練工程前に強磁性微粉末と混合する場
合、強磁性微粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加
する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する
場合、塗布直前に添加する場合などがある。
本発明で使用されるこれらの潤滑剤の商品例として
は、日本油脂社製のNAA−102、NAA−415、NAA−312、NA
A−160、NAA−180、NAA−174、NAA−175、NAA−222、NA
A−34、NAA−35、NAA−171、NAA−122、NAA−142、NAA
−160、NAA−173K、ヒマシ硬化脂肪酸、NAA−42、NAA−
44、カチオンSA、カチオンMA、カチオンAB、カチオンB
B、ナイミーンL−201、ナイミーンL−202、ナイミー
ンS−202、ノニオンE−208、ノニオンP−208、ノニ
オンS−207、ノニオンK−204、ノニオンNS−202、ノ
ニオンNS−210、ノニオンHS−206、ノニオンL−2、ノ
ニオンS−2、ノニオンS−4、ノニオンO−2、ノニ
オンLP−20R、ノニオンPP−40R、ノニオンSP−60R、ノ
ニオンOP−80R、ノニオンOP−85R、ノニオンLT−221、
ノニオンST−221、ノニオンOT−221、モノグリMB、ノニ
オンDS−60、アノンBF、アノンLG、ブチルステアレー
ト、ブチルラウレート、エルカ酸、関東化学社製のオレ
イン酸、竹本油脂社製のFAL−205、FAL−123、新日本理
化社製のエヌジェルブLO、エヌジェルブIPM、サンソサ
イザーE4030、信越化学社製のTA−3、KF−96、KF−96
L、KF96H、KF410、KF420、KF965、KF54、KF50、KF56、K
F907、KF851、X−22−819、X−22−822、KF905、KF70
0、KF393、KF−857、KF−860、KF−865、X−22−980、
KF−101、KF−102、KF−103、X−22−3710、X−22−3
715、KF−910、KF−3935、ライオンアーマー社製のアー
マイドP、アーマイドC、アーモスリップCP、ライオン
油脂社製のデュオミンTDO、日清製油社製のBA−41G、三
洋化成社製、プロフアン2012E、ニューポールPE61、イ
オネットMS−400、イオネットMO−200、イオネットDL−
200、イオネットDS−300、イオネットDS−1000、イオネ
ットDO−200等が挙げられる。
尚、第二磁性層に含まれる潤滑剤量は第一磁性層に含
まれる潤滑剤量より多いことが好ましい。
潤滑剤として添加された脂肪酸は、一般に、磁性層表
面にその分子が吸着・配向することにより潤滑剤として
作用する。ところが、潤滑剤の一部は強磁性微粉末表面
の活性点にも吸着するため、添加した脂肪酸全てが潤滑
剤として有効に作用していない。また、脂肪酸の添加量
を過剰にすると、磁性層の強度を低下させる欠点があ
り、添加量は自ずと制限される。ところが、本発明の極
性基とエポキシ基含有の低分子化合物の極性基が吸着す
る強磁性微粉末表面の活性点は、脂肪酸が吸着・配向す
る活性点と同じであるため、本発明によればこの活性点
はこの極性基により封鎖されるため、脂肪酸が吸着する
ことはなく、添加した脂肪酸全てが潤滑剤として有効に
作用し、磁気記録媒体表面の摩擦係数(μ値)を低下さ
せ、磁気記録媒体の走行性が有効に改良されるという効
果を奏する。
本発明で用いられる有機溶媒は任意の比率でアセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テ
トラヒドロフラン等のケトン類、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノー
ル、などのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢
酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グ
リコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテ
ル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、など
のグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳香族炭化水
素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩
化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジク
ロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ヘキサン等のものが使用できる。
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成
分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化
物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これの不
純物は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下
である。
本発明で用いる有機溶媒は必要ならば第一磁性層と第
二磁性層でその種類、量を変えてもかまわない。第一磁
性層に揮発性の高い溶媒を用い表面性を向上させる、第
一磁性層の磁性塗液に表面張力の高い溶媒(シクロヘキ
サノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性をあげ
る、第二磁性層の磁性塗液に溶解性パラメータの高い溶
媒を用い充填度を上げるなどがその例としてあげられる
がこれらの例に限られたものではないことは無論であ
る。
本発明の磁気記録媒体の厚み構成は非磁性支持体が1
〜100μm、好ましくは6〜20μm、第一磁性層が1.0μ
m〜10μm、好ましくは1.5〜5μm、第二磁性層は4.0
μm以下、好ましくは3.5μm以下である。磁性層の厚
みは非磁性支持体の厚みの1/100〜2倍の範囲で用いら
れる。また、非磁性支持体と第一磁性層の間に密着性向
上のための下塗り層、または帯電防止のためのカーボン
ブラックを含む層などの中間層を設けてもかまわない。
これらの厚みは0.01〜2μm、好ましくは0.05〜0.5μ
mである。また、非磁性支持体の磁性層側と反対側にバ
ックコート層を設けてもかまわない。この厚みは0.1〜
2μm、好ましくは0.3〜1.0μmである。これらの中間
層、バックコート層は公知のものが使用できる。
本発明に用いられる非磁性支持体はポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、等のポリエス
テル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテー
ト、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
アミドイミド、ポリスルフォン、などの公知のフィルム
が使用できる。これらの支持体にはあらかじめコロナ放
電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処
理、などを行なってもよい。本発明に用いられる非磁性
支持体は中心線平均表面粗さ(Ra)が0.03μm以下、好
ましくは0.02μm以下、さらに好ましくは0.01μm以下
のものを使用することができる。カットオフ値は0.25mm
である。また、これらの非磁性支持体は単に中心線平均
表面粗さが小さいだけではなく、1μm以上の粗大突起
がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必要に応
じて支持体に添加されるフィラーの大きさと量により自
由にコントロールされるものである。これらのフィラー
としては一例としてはCa、Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩
の他、アクリル系などの有機微粉末が挙げられる。
本発明に用いられる非磁性支持体のテープ走行方向の
F−5値は好ましくは5〜50kg/mm2、テープ幅方向のF
−5値は好ましくは3〜30kg/mm2であり、テープ長手方
向のF−5値がテープ幅方向のF−5値より高いのが一
般的であるが、特に幅方向の強度を高くする必要がある
ときはその限りではない。
また、非磁性支持体のテープ走行方向および幅方向の
100℃30分での熱収縮率は好ましくは3%以下、さらに
好ましくは1.5%以下、80℃30分での熱収縮率は好まし
くは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。破
断強度は両方向とも5〜100kg/mm2、弾性率100〜2000kg
/mm2が好ましい。
つぎに本発明の磁気記録媒体を製造する方法を述べ
る。
本発明の磁性塗液を製造する工程は、少なくとも混練
工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じ
て設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段
階以上に分かれていても構わない。
本発明の目的を達成するためには従来の公知の製造技
術を一部の工程として用いることは勿論であるが、混練
工程ではオープンニーダー、加圧ニーダー、連続ニーダ
ーなど強い混練力をもつものを使用することが好まし
い。
特に、第二磁性層用の磁性塗布液を製造する場合、強
磁性微粉末、エポキシ基と極性基とを含む低分子化合物
及び結合剤の一部あるいは全部と溶剤とを加えて強く混
練するのが好ましい。このときのシェアとそれに伴う発
熱によりエポキシ基と極性基を含む低分子化合物のエポ
キシ基は強磁性微粉末の表面と結合剤に結合する。この
あと残りの結合剤と溶剤を徐々に加えて希釈、分散して
塗布可能な粘度の塗布液を調製する。このような方法で
製造された塗布液はきわめて高い分散性を実現する事が
出来る。
またあらかじめ、強磁性微粉末とエポキシ基と極性基
を含む低分子化合物と溶剤を混合、分散したのち溶剤を
蒸発乾燥させて、エポキシ基と極性基を含む低分子化合
物で表面処理した強磁性微粉末を上記の方法で混練、分
散してもほぼ同様の磁性塗布液を製造することが出来
る。
第一磁性層用の塗布液の製造もエポキシ基と極性基を
含む低分子化合物を加えないこと以外上記と同様の方法
で混練、分散して得ることが出来る。ポリイソシアネー
ト化合物は分散工程のあとで塗布直前に添加混合するの
が好ましい。
その他の原料についてはどの段階で添加しても構わな
い。
本発明の塗布工程は特開昭62−212933に示されるよう
な同時または逐次湿潤(ウェット・オン・ウェット)重
層塗布方式を用いることにより初めて目的を達成出来
る。湿潤状態で重ねられた第一磁性層と第二磁性層のあ
いだを低分子化合物はきわめて短時間で拡散する。この
ため塗布〜乾燥までのあいだに第一磁性層中のポリイソ
シアネート化合物は第二磁性層に拡散、混合する。その
後、第二磁性層はエポキシ基と極性基を含む低分子化合
物、結合剤とポリイソシアネート化合物が結合、硬化し
きわめて力学強度の強い塗膜が形成される。
非磁性支持体上に塗布された磁性層は磁気記録媒体が
テープ状で使用される場合通常、磁性層中の強磁性粉末
を配向させる処理、即ち磁場配向処理を施したあと、乾
燥される。また必要により表面平滑化処理が施される。
表面平滑化処理等が施された磁気記録媒体はつぎに所望
の形に裁断される。
〔発明の効果〕
本発明の磁気記録媒体は優れた電磁変換特性を示し、
走行性、耐久性の極めてすぐれた媒体である。例えばビ
デオテープとして使用した場合には高い再生出力を示
し、高温、高湿の苛酷条件でも良好な走行性、耐久性を
呈する。また従来の単層磁性層型の磁気記録媒体でエポ
キシ基と極性基を含む低分子化合物とポリイソシアネー
ト化合物を併用しようとすると両者を混合させた塗布液
を製造する必要がありいかに塗布直前に一方を添加しよ
うとしても現実の製造工程ではポットライフがきわめて
短く粘度上昇その他の問題のため製造得率が悪くなる。
本発明の磁気記録媒体は製造得率がきわめてよい。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。なお、実施
例中の「部」との表示は「重量部」を示すものとする。
〔実施例1〕 以下の処方で磁性塗布液を調製した。
第一磁性層用塗布液 Co−γ−Fe2O3 (Hc=650 Oe、BET比表面積=30m2/g) 100部 塩化ビニル系共重合体 (SO3Na基=6×10-5eq/g、OH基=40×10-5eq/g、グリ
シジル基=20×10-5eq/g含有、塩化ビニル=86wt%、重
合度=260) 12部 ポリエステルポリウレタン (SO3Na基=8×10-5eq/g、OH基=10×10-5eq/g含有、
重量平均分子量=30000) 8部 メチルエチルケトン 20部 トルエン 20部 シクロヘキサノン 20部 上記のものを森山製作所オープンニーダーを用いて混
練してさらに カーボンブラック(平均粒径80nm) 2部 ステアリン酸 2部 トリデシルステアレート 2部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 150部 シクロヘキサノン 50部 を加えてサンドグラインダーを用いて分散した。
この分散液にポリイソシアネート化合物(日本ポリウ
レタン社製コロネートL)を5重量部とメチルエチルケ
トン20重量部を加えて混合し、第一磁性層用塗布液を得
た。
第二磁性層用塗布液 Co−γ−Fe2O3 (Hc=7000 Oe、BET比表面積=45m2/g) 100部 エポキシ基と極性基を含む化合物(第1表参照) 1部 塩化ビニル系共重合体 (SO3Na基=6×10-5eq/g、OH基=20×10-5eq/g、グリ
シジル基=4×10-5eq/g含有、塩化ビニル=86wt%、重
合度=380) 12部 α−Al2O3(平均粒径0.08μm) 5部 ポリエステルポリウレタン (SO3Na基=8×10-5eq/g、OH基=10×10-5eq/g含有、
重量平均分子量=60000) 8部 メチルエチルケトン 10部 トルエン 10部 シクロヘキサノン 10部 上記のものを加圧ニーダーを用いて混練してさらに ステアリン酸 2部 トリデシルステアレート 2部 カーボンブラック(平均粒径40nm) 2部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 150部 シクロヘキサノン 50部 を加えてサンドグラインダーを用いて分散し、第二磁性
層用塗布液を得た。
得られた第一磁性層用塗布液を乾燥後の厚さ3.0μm
になるように厚さ15μmのポリエチレンテレフタレート
支持体上にリバースロールを用いて塗布した。その後、
第一磁性層が湿潤状態のうちに、第二磁性層用塗布液を
乾燥後の厚さが0.5μmになるようにリバースロールを
用いて塗布し、磁石により配向処理し、乾燥後スーパー
カレンダー処理を行い、1/2インチ幅にスリットし、ビ
デオテープを製造した。
〔実施例2〕 実施例1の第一磁性層用の塩化ビニル系共重合体を
(COOH基=60×10-5eq/g、OH基=100×10-5eq/g含有、
塩化ビニル=86wt%、重合度=300)のものに代えてあ
とは同様にビデオテープを製造した。
〔実施例3〕 実施例1の第二磁性層用の塩化ビニル系共重合体を
(−OPO3H2基=60×10-5eq/g、OH基=100×10-5eq/g含
有、塩化ビニル=86wt%、重合度=200)のものに代え
てあとは同様にビデオテープを製造した。
〔実施例4〕 実施例1の第二磁性層用のポリエステルポリウレタン
をポリエステルポリウレタン(COOH基=5×10-5eq/g、
OH基=20×10-5eq/g含有、重量平均分子量=40000)に
代えてあとは同様にビデオテープを製造した。
〔実施例5〕 実施例1の第一磁性層用のポリエステルポリウレタン
をポリエーテルポリウレタン(極性基なし、重量平均分
子量=30000)に代えてあとは同様にビデオテープを製
造した。
〔実施例6〜7〕 実施例1の第二磁性層用のエポキシ基と極性基を含む
低分子化合物を第1表に示す化合物に代えてあとは同様
にビデオテープを製造した。
〔実施例8〕 実施例1の第二磁性層用のエポキシ基と極性基を含む
低分子化合物を混練前に強磁性微粉末100部に対し500部
のメチルエチルケトンとともに混合攪拌したのち溶剤を
分離、乾燥して強磁性微粉末に表面処理し、あとは混練
時のエポキシ基と極性基を含む低分子化合物をのぞいた
以外は同様にビデオテープを製造した。
〔比較例1〕 実施例1の第二磁性層用のエポキシ基と極性基を含む
低分子化合物をのぞいた以外は同様にビデオテープを製
造した。
〔比較例2〕 実施例1の第一磁性層用のポリイソシアネート化合物
をのぞいた以外は同様にビデオテープを製造した。
〔比較例3〕 実施例1の第二磁性層用塗布液にポリイソシアネート
化合物5部を分散後添加し塗布液粘度のみ調べた。
得られた塗布液とビデオテープを用いて以下のような
測定法により評価しその結果を第2表、第3表に示し
た。
第二磁性層用塗布液のポットライフ 塗布液調製後、23℃で攪拌した状態での粘度の経時変
化をB型粘度計にて測定した。
同時にアプリケーターを用いて乾燥後の厚みが3μm
になるように塗布しその表面を顕微鏡観察し、異常のな
いものを○、ブツ(凹凸)の発生したものを×とした。
ビデオ出力 VTR AG800(松下電気産業(株)製)を用いてRF出力
を求め、比較例1の値を0dBとして示した 出力低下 上記VTRを用いて40℃80%RHの環境で60分長200パス繰
り返し走行させたあとのRF出力の低下分を測定した。
μ値 23℃、70%RHの雰囲気下に、テープサンプルの磁性層
面とステンレスポールとを50gの張力(T1)で巻つけ角1
80゜で接触させ、テープサンプルを3.3cm/secの速度で
走行させるのに必要な張力(T2)を測定した。下式より
μ値を求めた。
第2表、第3表の結果より明らかな如く、本発明の磁
気記録媒体は優れたビデオ特性を示し、繰り返し走行で
の出力低下の極めて少ない媒体である。例えばビデオテ
ープとして使用した場合には高い再生出力を示し、高
温、高湿の苛酷条件でも良好な走行性、耐久性を呈す
る。また従来の単層磁性層型の磁気記録媒体でエポキシ
化合物とポリイソシアネート化合物を併用しようとする
と両者を混合させた塗布液を製造する必要がありいかに
塗布直前に塗布直前に一方を添加しようとしても現実の
製造工程ではポットライフがきわめて短く粘度上昇その
他の問題のため本発明のような磁気記録媒体は得られな
いかあるいは製造得率が悪くなる。
本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
前記結合剤が極性基として−COOM、−SO3M、−SO4M、
−PO3M2、−OPO3M2(Mは水素原子、アルカリ金属また
はアンモニウムを示す)、アミノ基、アンモニウム塩
基、−OH、−SH、エポキシ基のうちから少なくとも1種
以上有する樹脂を含むことを特徴とする磁気記録媒体。
前記結合剤として塩化ビニル系共重合体、アクリル系
樹脂、繊維素系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリエーテル樹脂のうちから少なくとも1種以上
を含むことを特徴とする磁気記録媒体。
前記結合剤としてOH基を分子内に3個以上と極性基を
0.5×10-5eq/g〜60×10-5eq/g有するポリウレタン樹脂
を含むことを特徴とする磁気記録媒体。
前記結合剤としてOH基を5×10-5〜200×10-5eq/g及
びエポキシ基を0.5×10-5〜100×10-5eq/g及び極性基を
0.5×10-5〜60×10-5eq/gを含み重合度が200〜600であ
る塩ビ系あるいはアクリル系樹脂を含むことを特徴とす
る磁気記録媒体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−150225(JP,A) 特開 平2−214574(JP,A) 特開 昭58−199436(JP,A) 特開 平2−189714(JP,A) 特開 昭57−186302(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性微粉末と結合剤と
    を主体として含有する磁性層を有する磁気記録媒体にお
    いて、該磁性層が少なくとも2層以上より成り、ポリイ
    ソシアネート化合物を含有する第一磁性層用塗布液を塗
    設し、且つ該第一磁性層が湿潤状態のうちにその上に、
    同一分子中にエポキシ基を少なくとも1つ以上及び−SO
    3M、−OSO3M、−OPO(OM)、−PO(OM)、−COOM
    (Mはアルカリ金属又はアンモニウムを示す)から選ば
    れる極性基を少なくとも1種以上有する分子量2000以下
    の低分子化合物を含有する第二磁性層用塗布液を同時ま
    たは逐次重層塗布方式により塗設してなることを特徴と
    する磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】前記第二磁性層用塗布液が、強磁性微粉
    末、エポキシ基と極性基とを含有の低分子化合物及び結
    合剤と溶剤との一部を加えて混練した後、残りの結合剤
    と溶剤とを加えて分散してなることを特徴とする請求項
    (1)記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記第二磁性層用塗布液が、前記エポキシ
    基と極性基含有低分子化合物で表面処理した強磁性微粉
    末を結合剤中に分散してなることを特徴とする請求項
    (1)記載の磁気記録媒体。
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