JP2600912B2 - モータ・ドライブ・システム - Google Patents

モータ・ドライブ・システム

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JP2600912B2 JP1183937A JP18393789A JP2600912B2 JP 2600912 B2 JP2600912 B2 JP 2600912B2 JP 1183937 A JP1183937 A JP 1183937A JP 18393789 A JP18393789 A JP 18393789A JP 2600912 B2 JP2600912 B2 JP 2600912B2
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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、産業用ロボット、加工機械等に使用される
モータ・ドライブ・システムに関するものである。
〈従来の技術〉 モータ・ドライブ・システムには、モータの回転位置
のフィードバック制御と、モータの回転速度のフィード
バック制御と、モータの転流制御とを行うものがあっ
た。また、モータの回転を検出するセンサとしては、磁
気レゾルバと光学式エンコーダがあった。一般に、光学
式エンコーダは高精度かつ高分解能であるが高価であ
り、磁気レゾルバは安価である精度と分解能は光学式エ
ンコーダよりも悪い。
従来、このようなモータ・ドライブ・システムでは、
位置制御のための信号と、速度制御のための信号と、転
流制御のための信号とがそれぞれ別々の回路から得られ
る構成になっていた。このため、回路構成が複雑になる
という問題点があった。
また、精度を優先するか、価格を優先するかによって
光学式エンコーダと磁気レゾルバとを使い分けようとす
ると、位置制御のための信号と、速度制御のための信号
と、転流制御のための信号とを得るための回路を、光学
式エンコーダ用と磁気レゾルバ用とについてそれぞれ設
けなければならなくなり、回路構成はさらに複雑にな
る。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明は上述した問題点を解決するためになされたも
のであり、磁気レゾルバと光学式エンコーダをモータ・
ドライブ・システムに接続するセンサインタフェイスに
改良を施すことにより、センサとして光学式エンコーダ
と磁気レゾルバを使い分けても、モータの位置制御のた
めの信号と、速度制御のための信号と、転流制御のため
の信号とを簡単な回路構成で得られるモータ・ドライブ
・システムを実現することを目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、 モータの回転位置のフィードバック制御と、モータの
回転速度のフィードバック制御と、モータの転流制御と
を行うモータ・ドライブ・システムにおいて、 磁気レゾルバまたは光学式エンコーダが選択され、前
記磁気レゾルバは、位相変調型で、ロータは前記モータ
のロータと結合されていて歯数はモータのロータの歯数
と同数で、ロータの回転に応じて位相変調された検出信
号と、位相変調されない基準信号とを出力する磁気レゾ
ルバであり、前記光学式エンコーダは、位相変調型のロ
ータリーエンコーダであって、符号板は前記モータのロ
ータと結合され、この符号板の円周方向に沿って2列に
透光スリット列が形成され、外側の列にある透光スリッ
トと内側の列にある透光スリットとの個数差はモータの
ロータの歯数と同数で、各スリット列に対向する位置に
スリットの1ピッチ内に複数個のフォトダイオードが配
列されたフォトダイオードアレイがそれぞれ配置され、
各列に設置されたフォトダイオードの光検出信号を走査
することによって2つの回転検出信号を得る光学式エン
コーダであるセンサと、 前記磁気レゾルバまたは光学式エンコーダが選択的に
接続され、前記光学式エンコーダで得られた2つの回転
検出信号を取り出す光学式エンコーダ用IDカードと、前
記磁気レゾルバが出力した検出信号と基準信号とを取り
出す磁気レゾルバ用IDカードと、センサとして光学式エ
ンコーダが接続された場合は前記光学式エンコーダ用ID
カードで取り出した2つの回転検出信号の位相差をカウ
ントし、磁気レゾルバが接続された場合は前記磁気レゾ
ルバ用IDカードで取り出した検出信号と基準信号との位
相差をカウントする位相差カウンタと、センサとして光
学式エンコーダが接続された場合は光学式エンコーダ用
IDカードで取り出した回転検出信号の周期をカウント
し、磁気レゾルバが接続された場合は前記磁気レゾルバ
用IDカードで取り出した検出信号の周期をカウントする
周期カウンタとを有するセンサインタフェイス部と、 位相変調されない信号の周期と、前記周期カウンタで
カウントした位相変調された信号の周期との差を一定周
期毎に求め、求めた差を積算してモータの回転位置を算
出する位置演算手段と、 前記磁気レゾルバ用IDカードまたは光学式エンコーダ
用IDカードで取り出した位相変調された信号の周波数か
らモータの回転速度を検出する速度検出手段と、 前記位相差カウンタのカウントからモータのロータと
ステータの歯の位相ずれを求めこの位相ずれから転流制
御のための信号を算出する転流制御手段と、 を具備したことを特徴とするモータ・ドライブ・システ
ムである。
〈実施例〉 以下、図面を用いて本発明を説明する。
第1図は本発明にかかるモータ・ドライブ・システム
の一実施例の概略構成図である。
図で、1はモータ、2はモータ1の回転を検出するセ
ンサである。
3はフィードバック制御の指令信号を与える上位コン
トローラ、4は上位コントローラ3からの指令信号とセ
ンサ2からフィードバックされた信号をもとにモータ1
をフィードバック制御するドライバボックス、6はモー
タ1を制御するダイナミックブレーキである。
ここで、各ブロックの具体的構成を説明する。
センサ2は位相変調型のセンサであって、光学式エン
コーダまたは磁気レゾルバが用いられる。
上位コントローラ3において、31はRS232Cの通信回線
によりモータの起動と停止の指令を送出するパソコン、
32はアナログ信号の指令信号を発生するとともにモータ
1の回転速度をフィードバック制御するサーボコントロ
ーラ、33はシリアルパルスの指令信号を発生する位置決
めコントローラ、34は8ビットバスに指令信号を送出す
るロボットコントローラである。このように上位コント
ローラには様々な方式のものが設けられている。
ドライバボックス4において、41,42,43,44は1軸イ
ンタフェイス(以下、インタフェイスをI/Fとする)、
速度・トルクI/F、シリアルパルスI/F、8ビットマイコ
ンバスI/Fであり、これらはそれぞれパソコン31、サー
ボコントローラ32、位置決めコントローラ33、ロボット
コントローラ34をドライバボックス4に接続するもので
ある。
45と46はセンサ2をドライバボックス4に接続する光
学式I/FとレゾルバI/Fである。センサに光学式エンコー
ダを用いるときはI/F45を使い、磁気レゾルバを用いる
ときはI/F46を使う。I/F45と46は光学式エンコーダ45と
磁気レバルバ46の検出信号を信号処理した信号を出力す
る。
47は主制御部であり、I/F41〜44からの指令信号と、I
/F45,46からの検出信号をともにモータ1の回転位置、
回転速度及び発生トルクをフィードバック制御し、パル
ス幅変調(PWM)信号で制御信号を出力する。また、主
制御部47はモータを転流制御する機能も有する。
48は電力制御部であり、主制御部47からのPWM信号に
従って電力増幅するインバータ型のモータ駆動回路であ
る。電力制御部48は高速タイプのもの481と低速タイプ
のもの482が設けられている。
49は供給された交流電圧を直流電圧にして出力する主
電源であり、供給電圧と出力電圧に応じて3種類のもの
491〜493が設けられている。使用する主電源491〜493
応じてモータ駆動回路481と482が使い分けられる。
50は主電源49の出力から主制御部47の駆動電圧を発生
する制御電源である。
I/F41〜44からなる外部I/F部400と、I/F45,46からな
るセンサI/F部401と、主制御部47と、電力制御部48によ
り最小限システムが構成される。そして、この最小限シ
ステムはモジュール構成になっている。
第2図は本発明にかかるモータ・ドライブ・システム
の一実施例の具体的構成図である。第2図で第1図と同
一のものは同一符号を付ける。以下、図において同様と
する。
第2図では全体構成を(a)〜(c)の3つの図に分
けて示している。各図の間では、信号線T1〜T13の中で
同一符号のものどうしがつながる。
第2図で、外部I/F部400には複数種類、例えば3種類
のI/Fが設けられている。センサI/F部401は、磁気レゾ
ルバおよび光学式エンコーダがそれぞれ接続される磁気
レゾルバ用IDカード402および光学式エンコーダ用IDカ
ード403と、これらのカードで取り出した信号のパルス
数をカウントする計数回路404からなる。
主制御部47は、モータの回転位置と回転速度をフィー
ドバック制御する位置制御部470と速度制御部490からな
る。
7はスイッチまたは上位コントローラにより各種の設
定を行う設定部である。
第2図のシステムの各構成要素の具体的構成を項目に
分けて説明する。
(1)モータ 第3図はモータ1の具体的構成例を示した図である。
第3図の(A)はモータ部の正面図、(B)は同断面
図である。
このモータでは、ロータの半径を大きくとるために、
ロータを外側にステータを内側に配置するとともに、静
磁石をステータ側に配置した構成になっている。
101は内側ステータで、2枚の磁性体101a,101b及び両
者を接続する静磁石(永久磁石や電磁石など)102及び
後述の励磁コイルとから構成される。
各磁性体101aと101bには6個ずつの突極103a1〜105
a1,103a2〜105a2と103b1〜105b1,103b2〜105b2があ
り、各突極の先端にはピッチPの歯が設けられている。
隣り合う突極同志の各歯例えば103a1と104a2の各歯は互
いに1/3ピッチ(P/3)位相ずれが設けられており、2枚
の磁性体101a,101bの相対する突極同志例えば突極103a1
と103b1は同一位相になっている。106a〜106c及び107a
〜107cは前記各突極部分に設けられ、それぞれの2個ず
つすなわち106aと107a、106bと107b、106cと107c)が直
列に接続された励磁コイル、108は磁性体で構成され内
側にピッチPで歯が設けられたロータである。ロータ10
8は108aと108bからなりそれぞれの歯は1/2ピッチずれて
いる。
このように構成したモータにおいて、励磁コイル106a
と107a、106bと107b、106cと107cに互いに120°位相の
ずれた電流(正弦波,パルス波など)を流せば回転す
る。回転方向はこの位相の進み、遅れによって切換える
ことができる。静磁石102による磁束と励磁コイル106a
による磁束はギャップ109a及び109bにおいて交互に加算
または減算され、パルスモータが高分解能で回転する。
静磁石102による磁束は、この回転に必要な磁束の半分
を発生しているので、電力の消費が少なくてすみ、効率
がよくなる。ここで静磁石として用いた永久磁石をステ
ータ側に設けてあるのは、磁石の表面磁束密度がたかだ
か1T(テスラ)と小さいため、ある程度の大きさが必要
となり、ロータ側におくと半径方向の厚みが大きくなる
ためである。なお、突極の数は6以外の3の倍数であれ
ば任意に選ぶことができる。
このような構成のモータは同一外径、同一シャフト径
のモータに比べて格段に大きなトルクを発生できる。
なお、第3図ではモータのロータとステータはそれぞ
れ2枚の磁性体が設けられたダブルコア構造の例を示し
たが、これに限らずロータとステータはそれぞれ1枚の
磁性体が設けられたシングルコア構造であってもよい。
モータ1の他の構成例を第4図に示す。この図はモー
タが磁気レゾルバと結合されてアクチュエータになった
状態を示している。
図で、1はアウタロータ形のダイレルト・ドライブ・
モータ(以下、ダイレクト・ドライブ・モータをDDモー
タとする)、2はモータ1の回転を検出する磁気レゾル
バである。
モータ1で、11はステータ、12はロータ、13はロータ
12をステータ11に回転可能に支持する軸受である。
ステータ11で、111は円筒状のステータフランジ、112
は非磁性体材料で構成されていてステータフランジ111
の外周面に固定されたシールドリング、113はシールド
リング112の外周面に固定されたステータコアである。
ステータコア113積層鋼板で構成され、先端に一定ピッ
チの歯が形成された突極が設けられている。114はステ
ータコア113に巻かれたコイル、115はステータコア113
のスタック間に挟み込まれた永久磁石である。ステータ
コア113はコイル114と永久磁石115が発生する磁界の磁
気回路を構成する。116はステータフランジ111が固定さ
れた下部フランジ、117は軸受13を一端側から挟み込む
クランプである。
ロータ12で、121は円筒状のロータフランジ、122はロ
ータフランジ121の内周面に固定されていてロータの磁
気回路を構成するロータコア、123と124はロータフラン
ジ121の両端が固定された上部フランジと支持フラン
ジ、125は軸受13を一端側から挟み込むクランプであ
る。122は積層鋼板で構成されていて、ステータコア113
の歯と対向する位置に一定ピッチで歯が形成されてい
る。
ステータコア113とロータコア122の固定は溶接により
行う。
磁気レゾルバ2は、ステータ11とロータ12にぞれぞれ
一体に固定されたステータ部21とロータ部22からなる。
ステータ部21において、211は非磁性リング、212は磁
性材料を積層したコア、213は絶縁材料214を介してコア
212に巻かれたコイルである。非磁性リング211とコア21
2は接着剤で互いに固定されている。コア212には先端に
一定ピッチで歯が形成された突極が設けられている。
ロータ部22において、221は非磁性リング、222は磁性
材料を積層したコアで、これらもステータ部と同様に接
着剤で固定されている。コア222にはステータコアの歯
と対向する位置に一定ピッチで歯が形成されている。
ロータ部、ステータ部ともコア崎と非磁性リングは同
心円上になるように加工されている。
軸受13はクロスローラ軸受であり、モータ1のロータ
と磁気レゾルバ2のロータを片持支持している。
第5図は第4図のモータの分解図である。
分解された各要素はモジュールを構成している。モジ
ュールになった上部フランジ123と、下部フランジ116
と、支持フランジ124はユーザがモータの仕様によって
構成を変えられる。また、ロータフランジ121とステー
タフランジ111に長いものを用いると、上部フランジ123
と、下部フランジ116と、支持フランジ124を共通にして
コア部の長いモータを構成できる。
各モジュールを溶接で固定することによってモータが
構成される。
このように、モータの各構成部品は所定のまとまり毎
に組み立てが完成したモジュール構成になっている。
次に、このようなモジュールを利用したモータの使用
例を説明する。
第6図は上部フランジ123を円筒形にしたもの、第7
図は支持フランジ124をフランジ構造にしたもの、第8
図はロータフランジ121とステータフランジ111を長くし
てコア部を延長したもの、第9図は上部フランジ123に
ロボットアームを取付けたものである。
このようにモータの構成要素をモジュール化すること
によって、ユーザはモジュールになったフランジを仕様
に応じた任意の構成にすることができる。これによっ
て、モータの結合構造に融通性をもたせることができ
る。また、モータのロータの構成部品が外部との結合部
品になっているため、部品点数の削減とコストダウンが
可能になる。
なお、第10図に示すようにモータが完成したところで
モジュール化した磁気レゾルバをアクチュエータに組み
込んでもよい。組み込みは、非磁性リング211がフラン
ジ116に篏合され、非磁性リング221がフランジ124に篏
合されて、しかも装着されることによって行なわれる。
磁気レゾルバは外部応力に弱いため、篏合と接着を併
用して固定している。
第11図はモータの他の構成例を示した図である。
このモータでは、ロータとステータのフランジは上方
に延ばされていて、この部分に磁気レベルバが固定され
ている。このように構成すると、磁気レゾルバの固定位
置はモータの上部と底部が選択可能になり、仕様の幅が
広がる。
第12図はモータの他の構成例を示した図である。
図で、130はアクチュエータであり内部構成が第4図
のようになったものである。
131はアクチュエータ130の外周面に形成されたフラン
ジである。このフランジ131が形成されている位置は、
アクチュエータ内にある軸受の長さ方向の中心線Lの近
傍である。中心線Lを第4図にも示す。中心線Lの付近
は、モータと磁気レゾルバの間に位置しているため、こ
の部分にフランジを形成しても磁気抵抗の変化分は小さ
く、またこの部分ではロータの肉厚が厚く強度が大きい
ことから、フランジを形成するのに最適である。
132はフランジ131に形成された段付部、133は断面が
L字形に形成され段付部132にねじで固定されたリング
ケースである。
134は固定部に取付けられたフォトカップラ、135はリ
ングケース133に取付けられアクチュエータの回転位置
が原点にきたときにフォトカップラの光を遮る光遮断部
材である。フォトカップラ134と光遮断部材135により原
点センサが構成される。
136は固定部に取付けられた部材、137はリングケース
133に取付けられていて部材136に当たることによってア
クチュエータの回転範囲を規制する部材である。部材13
6と137によりストッパが構成されている。
138はリングケース133の先端にあって磁気流体により
ステータと接触しているダストシールである。
なお、原点センサやストッパ等の周辺機器をフランジ
に取付ける部材としては、リングケースに限らず、O形
のリング部材であってもよい。このリング部材に複数の
でねじ穴を設け、周辺機器を取り付けるねじ穴を選択す
ることによって周辺機器が作動する範囲を任意に設定で
きる。
また、周辺機器はフランジに直接取り付けてもよい。
第13図はモータの他の構成例を示した図である。
このモータでは、下部フランジ116のみならずステー
タフランジ111も一部がロータ12から突出している。
このようなモータでは、モータの組立時には、下部フ
ランジ116の中心軸L1と、ステータフランジ111の中心軸
L2と、上部フランジ123の中心軸L3の軸合せを同時に行
う。これによって、互いに逆面にある上部フランジ123
と下部フランジ116は同時に軸合せされる。
なお、上述した軸合せには支持フランジ124の中心軸
を加えてもよい。
このようなモータでは、互いに逆面にあるロータの上
部フランジとステータの下部フランジの間で良好な同軸
度が得られ、ロータに固定した駆動対象物のぶれを低減
できる。
第14図はモータの他の構成例を示した図である。
ステータコア113を構成する積層鋼板の各鋼板にはス
テータの歯の位相を合せるための切欠きが形成されてい
る。鋼板は切欠きを一致させて積層されるため、ステー
タコアを構成した状態では切欠きにより溝118が形成さ
れる。第14図のモータは、この溝を利用している。
119は磁性体材料例えば鉄系材料でシャフト状に構成
された突起部材である。突起部材119は、一端は第15図
に示すように溝118内に溶接で固定され、他端はステー
タフランジ111に溶接で固定されている。これによっ
て、ステータコア113はステータフランジ111に固定され
る。固定した状態を第16図に示す。
突起部材119の長さは、突起部材の他端を溶接すると
きに、溶接のトーチが永久磁石115の磁界で曲げられな
い距離までトーチを離す長さになっている。溶接は例え
ばTIG溶接により行う。
ここで、もし、第17図に示すように突起部材119を用
いないでaの部分で溶接してステータコア113をステー
タフランジ111に固定する場合は、溶接棒bから出るト
ーチtは永久磁石115から十分に離れていないため、永
久磁石の磁界によりトーチtは破線のように曲げられ
る。このため、aの部分を溶接するのが難しくなる。
これに対して、本願では第18図のように、突起部材11
9の長さによりトーチtを永久磁石115から離してcの部
分で溶接しているため、トーチは磁界の影響で曲がるこ
とはない。これによって、溶接作業が容易になる。ま
た、積層鋼板の位置合せ用切欠きをそのまま利用して突
起部材を固定しているため、加工の工数を増やすことな
く突起部材を固定できる。
なお、突起部材はピンによらず磁性体板を折り曲げ加
工して作ったものであってもよい。
ここで、シールドリング112の両側をステータフラン
ジ111とステータコア113で挟んだサンドイッチ構造部分
の熱膨脹係数について説明する。
第19図はシールドリングを挟んだサンドイッチ構造部
分の構成図である。
図で、各記号は次に示すものである。
α:ステータフランジ111の熱膨脹係数 α:シールドリング112の熱膨脹係数 α:ステータコア113の熱膨脹係数 r1:シールドリング112の内径 =ステータフランジ111の外径 r2:シールドリング112の外径 =ステータコア113の内径 温度が変化してもシールドリング112が両側の部材か
ら離れないようにするために、シールドリング112の熱
膨脹係数は次のように設定する。
αr2ΔT−αr1ΔT =α(r2−r1)ΔT αr2−αr1=α(r2−r1) α=(αr2−αr1)/(r2−r1) これによって、サンドイッチ構造にするだけの簡単な
構成で、ステータコアと異質材のシールドリングの間で
温度変化により隙間が生じるのを防止できる。
(2)センサ (2−1)センサが磁気レゾルバである場合 第20図はセンサとして用いる磁気レゾルバの構成例を
示した図である。図で、(a)は平面図、(b)は
(a)図のX−X部分の断面図である。
図において、231は円筒形状で内周に一定ピッチPrの
歯232が形成されたロータであり、2311と2312の2個が
重ねて設けられている。
233はロータ231の内側に配置されたステータである。
ステータ233には4N個(Nは整数)例えば16個の突極234
1〜23416が設けられている。これらの突極の先端には歯
232と対向する歯235が設けられている。また、各突極に
はコイル2361〜23616が巻かれている。図では突極2341
に巻かれたコイル2361のみを示しているが、他の突極に
も同様にコイルが巻かれている。
このようなステータ233は2331と2332の2個が絶縁部
材237を介して重ね合せて設けられている。
また、ロータ231とステータ233は鋼板を積層して構成
したものである。
2381と2382はステータ2331と2332のコイルに、Ec=Vc
osωtとEs=Vsinωtなる交流電圧(Vは電圧振幅)を
与える信号源である。
ロータとステータの詳細な構成を第21図に示す。
この図はロータとステータを展開して示したものであ
る。
図で、1つの突極内にはns個の歯が形成されている
(図の場合はns=4)。また、突極2341,2342,2343
2344はロータ231の歯232に対して、それぞれ位相が0,
(1/4)Pr,(2/4)Pr,(3/4)Prずつずれている。
突極は全部で16個設けられ、各位相の突極は4個ずつ
設けられている。そして、同一位相にある突極に巻かれ
たコイルで1相を形成する。
位相のずれが0,(1/4)Pr,(2/4)Pr,(3/4)Pr
突極に巻かれたコイルをそれぞれA相,B相,C相,D相のコ
イルとする。
突極の歯235のピッチPsは、 Ps=Pr−(Pr/3ns) になっている。これによって、突極の歯235は、配列方
向に従ってPr/3nsずつ位相がずれていく。このため、歯
235をバーニアとして用いることができる。
ロータ2311と2312は歯232の位相を同一位相にして重
ね合せられている。また、ステータ2331と2332は歯235
の位相をPr/4ずらして重ね合せられている。
ステータの各コイルは第22図に示すように接続されて
いる。
第22図で、L1はA相とB相のコイルを直列接続したコ
イル、L2はC相とD相のコイルを直列接続したコイルで
ある。これらのコイルにステータ2331ではVcosωtが、
ステータ2332ではVsinωtなる電圧が印加されている。
そして、コイルに発生する電圧が抵抗、アンプ及び減算
器を介して検出される。
次に、このような装置の動作を説明する。
A相、B相、C相、D相のコイルにそれぞれ発生する
電圧s1,s2,s3,s4は次のようになる。
l:歯の順番、E:振幅電圧 m1,m2,…mn:定数 これらの電圧を加減算した電圧 s1+s2−s3−s4は次のようになる。
(5)式から、2n1と次3n2次(n1,n2は整数)の高調
波成分が除去される。5次以上の高調波は影響が少ない
ため、無視できる。従って、検出電圧は次のようにな
る。
S1+S2−S3−S4=Aosin(θ+) ここで、Aoは定数、は初期位相で、(5)式の に相当する。
第23図に各電圧s1〜s4のベクトル図を示す。この図に
示すように、電圧s1とs2の合成ベクトルと電圧s3とs4
合成ベクトルの差をとって2次高調波成分を消去し、突
極に設けられた歯をバーニアにして3次の高調波成分を
消去している。
これによって、ステータ2331で検出される電圧は、 Vs=Ec(s1+s2−s3−s4) =Vcosωt・Asin(θ+) となる。第22図の検出信号Vs1とVs2は、それぞれs1+s2
とs3+s4に相当する。
また、ステータ2332で検出される電圧は、 Vs=Es(s1+s2−s3−s4) =Vsinωt・Acos(θ+) となる。第22図の検出信号Vc1とVc2は、s1+s2とs3+s4
に相当する。
このことより、第22図の回路で検出される信号は、 VT=Vs−Vc =Vcosωt・Asin(θ+) −Vsinωt・Acos(θ+) =AVsin(θ+−ωt) となり、ロータの回転角度θによって検出信号の位相が
変調される。よって、この位相を読み取れば回転角度を
検出できる。
なお、実施例では4相コイルを用いた場合を説明した
が、コイルの相数はこれ以外であってもよい。例えば3
相コイルを用いた場合は、隣合う突極の歯の位相はロー
タの歯に対してPr/3ずつずらして3次の高調波成分を除
去し、突極の歯はロータのピッチに対してPr/2nsずらし
たバーニア構成にして2次の高調波成分を除去する。
また、実施例ではステータ2331と2332の両方でs1+s2
−s3−s4の信号を検出して高調波成分を除去する場合に
ついて説明したが、これ以外の加減算で高調波成分を除
去してもよい。例えば、ステータ2331ではs1+s2−s3
s4で高調波成分を除去し、ステータ2332ではs2+s3−s4
−s1で高調波を除去してもよい。この場合は、ステータ
2332では、B相とC相のコイルを直列接続するととも
に、A相とD相のコイルを直列接続する。
また、突極の歯のピッチは Pr−(Pr/3ns)に限らず Pr+(Pr/3ns)であってもよい。
また、ステータ2332の突極の歯はステータ2331の突極
の歯と同位相でもよい。
このように構成した磁気レゾルバよれば、多相コイル
と、ステータの歯に対してバーニアになった突極の歯を
用いて、コイルの検出電圧に発生する2次高調波と3次
高調波を除去しているため、検出信号の誤差が少なくな
り、角度検出の直線性が良好になる。
第24図は磁気レゾルバの他の構成例を示した図であ
る。
図で、241は円筒状のロータ、242はロータ241の内部
に配置されたステータである。
ロータ241は円筒の中心Oを回転中心にしている。
ステータ242の中心O1はロータ241の回転中心Oからδ
だけずらして配置されている。ステータ242には90°の
角度を隔てた位置毎に突極2431〜2434が形成されてい
る。各突極の先端はロータ241の内周面と対向してい
る。このような配置により、突極先端とロータ内周面の
間のギャップはロータの回転角によって変化する。
この磁気レゾルバではロータと突極には歯は形成され
ていない。
2441〜2444は突極2431〜2434に巻かれたコイルであ
る。
245は互いに向かい合った位置にある一対のコイル244
1と2443をAsinωtなる交流信号(A:電圧または電流の
振幅、ω:角速度、t:時間)で駆動し、他の一対のコイ
ル2442と2444をAcosωtなる交流信号で駆動する信号源
である。
246は各コイルに流れる電流をもとにロータの回転検
出信号を算出する演算部である。演算部246の回路構成
例を第25図に示す。
このように構成した磁気レゾルバの動作を説明する。
ステータ242の中心はロータの回転中心に対して偏心
させられているため、各コイル2441〜2444のインダクタ
ンスL1〜L4は次のとおりになる。
L1=L0(1+msinθ) L2=L0{1+msin(θ+90°)} L3=L0(1−msinθ) L4=L0{1+msin(θ−90°)} L0,m:定数、θ:回転角 コイル2441と2443は信号Asinωtで励磁され、コイル
2442と2444は信号Acosωtで駆動されているため、各コ
イル2441〜2444に流れる電流I1〜I4は次のとおりにな
る。
I1=K(1+msinθ)sinωt I2=K(1+mcosθ)cosωt I3=K(1−msinθ)sinωt I4=K(1−mcosθ)cosωt K:定数 これらの電流から、演算部246は次の演算を行う。
(I1−I3)+(I2−I4) =2mKsinθsinωt +2mKcosθcosωt =2mKsin(ωt−θ+90°) (6) (6)式で与えられる信号はロータが1回転すると位
相が360°変調されるため、第25図の位相差カウンタC
で駆動信号との位相差を計測すれば1回転の絶対角度を
検出できる。また、位相の変動速度を計測すれば回転速
度を検出できる。
なお、実施例では突極が4個設けられた場合について
説明したが、実施例のステータ部材をn枚重ねて(nは
整数)突極を4n個設けた構成にし このように構成した磁気レゾルバによれば次の効果が
得られる。
コイルの巻き方は特別な巻き方にする必要がないた
め、コイルの巻き作業を自動化することができ、コスト
ダウンが可能になる。
演算部で算出した信号と信号源の駆動信号の位相差か
ら回転位置と回転速度を検出する構成になっているた
め、S/N比が良好で、デジタル・インタフェイスにしや
すい。
回転位置の原点を複数個有するインクリメント型の高
分解能磁気レゾルバと組合せると、本発明にかかる磁気
レゾルバにより原点復帰動作で検出した原点を特定し、
高分解能の磁気レゾルバで特定した原点から回転位置ま
でのずれを精度よく検出することにより、高精度のアブ
ソリュート型位置検出装置を構成できる。
ステータコアや回路部はnX型の磁気レゾルバ(ロータ
が1回転すると検出信号の位相がn周期変化する磁気レ
ゾルバ)のものと共用できる。
磁気レゾルバの他の構成例を第26図に示す。
図で、モータ1はステータコアの積み上げ個数が異な
るが、第4図のモータと同一構成のものである。
磁気レゾルバ2は、高分解能の磁気レゾルバ21(多極
レゾルバ)と、磁気レゾルバ21よりも検出分解能が小さ
い磁気レゾルバ22(単極レゾルバ)からなるものであ
る。
ここで、検出分解能はモータが1回転したときに磁気
レゾルバが発生するパルス数が多いほど高くなる。
磁気レゾルバ21と22で、21と25はステータ、22と26は
ロータである。ステータ21と25はステータ11と結合さ
れ、ロータ22と26はロータ12と結合されている。これに
よりロータ22と26は軸受13により片持支持されている。
磁気レゾルバ21は、複数の回転位置を原点としてい
る。また、磁気レゾルバ22は磁気レゾルバ21で検出した
原点が何番目の原点であるかを判別するものである。
273は外部から与えられたパルスに応じてモータ1を
駆動する駆動回路である。
274は前述した複数の原点について、第27図のよう
に、原点番号、原点の基準位置からの位相差(以下、絶
対位置データとする)、回転位置を原点に位置決めする
ためにモータに与えるパルス数のデータが対応して格納
されたメモリである。基準位置としては複数の原点の中
の1つを選ぶ。
275は原点が検出されたときに、磁気レゾルバ22が検
出した絶対位置データをもとに、メモリ274の格納デー
タからパルス数を求める位置算出回路である。このパル
ス数を基準にしてパルスの増減により絶対回転位置が求
められる。
駆動回路273は第2図の磁気レゾルバ用IDカード402に
設けられ、メモリ274と位置検出回路275は位置制御部47
0に設けられている。
このように構成した装置の動作を説明する。
例えば、原点の個数を10個、モータ1を1回転させる
ために与えるパルス数を10000個とする。このときは、3
6°毎に原点が設けられ、モータは1000個のパルスが与
えられると原点間隔分だけ回転する。
電源の投入後、原点復帰動作が行なわれ、モータ1は
最大36°回転したところで原点を検出して停止する。こ
のとき、磁気レゾルバ22は検出した原点の絶対位置デー
タを検出する。この絶対位置データが180°であれば、
位置算出回路275は第27図に示すデータをもとに、検出
した原点は6番目の原点すなわちモータは5000個のパル
スが与えられた位置に停止していることを検出する。従
って、その後は5000個のパルスが与えられた位置を基準
にしてパルス数の増減からモータの絶対回転位置を検出
する。
駆動回路273は検出した絶対回転位置からフィードバ
ック制御によりもーた1の回転位置を決める。
このように構成した磁気レゾルバによれば、高分解能
と低分解能の位置検出手段を設け、モータの回転位置は
高分解能の位置検出手段で検出し、原点番号の判別は低
分解能の位置検出手段で検出している。これによって、
原点を複数設けることができ、原点復帰動作では、モー
タの回転角は最大でも原点間隔になるため、原点復帰動
作にかかる時間を短縮できる。
磁気レゾルバの他の構成例を第28図に示す。図で、
(a)は正面図、(b)は(a)図のZ1−Z1部分の断面
図である。
図において、281,282は磁性体材料で構成された2枚
の円板状のステータ部材である。ステータ部材281と282
には、90°の回転角を隔てた位置ごとに突極2831〜2834
と2841〜2844が形成されている。これらの突極の先端に
は一定ピッチpbで歯285が形成されている。
同一ステータ部材で、隣り合う突極の歯の位相は(1/
2)pbずつずれている。
ステータ部材281と282は非磁性体部材286を挿入して
積み重ねられてステータ287を構成している。このと
き、ステータの隣り合う突極の歯の位相が(1/4)pb
けずれるように積み重ねらている。例えば、突極2831
2841の歯の位相は(1/4)pbずれている。
2881は突極2832と2833に巻かれたコイル、2882は突極
2832と2834に巻かれたコイルである。コイル2881と2882
により、1相のコイルを構成している。ステータ部材28
2にも同様にコイル2891と2892が巻かれている。
290はステータ部材281,282の外側に配置されたロータ
である。ロータ290には、歯285と対向していて、この歯
とほぼ同一ピッチの歯291が形成されている。
第29図は本発明にかかる磁気レゾルバが接続されるセ
ンサインタフェイス部の構成例を示した図である。
図で、280は第28図に示した磁気レゾルバ部分であ
る。
441は磁気レゾルバのコイルの駆動信号源となってい
るクロック発生器、442はクロック発生器441の発生クロ
ックを分周する分周器、411は分周したクロックの低周
波成分を抽出するローパスフィルタ(以下、LPFとす
る)、412は抽出した信号を波形整形するコンパレータ
である。整形された信号はEsinωtなる交流電圧(E:電
圧の振幅、ω:角速度、t:時間)となってコイル2881
2882を駆動する。
413は位相調整手段であり、交流電圧Esinωtの位相
を90°ずらしてEcosωtなる交流電圧にするとともに、
ステータ部材281と282(sinコアとcosコア)の取り付け
位置の機械的誤差を電気的に補正する。交流電圧Ecosω
tによりコイル2891と2892が励磁される。
414と415は交流電圧Esinωtの振幅と位相を調整する
振幅調整手段と位相調整手段である。このような調整に
より、交流電圧Esinωtのキャリア成分がキャンセルさ
れる。
416はコイル2881と2882に流れる電流の差をとり差に
比例した電圧を出力する減算器、417はコイル2891と289
2に流れる電流の差をとり差に比例した電圧を出力する
減算器である。
418は減算器416と417でとった減算値を加え、この加
算信号に位相調整手段415を通過した信号を加算して加
算信号を補正する加算器である。ここで、補正した加算
信号は位相が磁気レゾルバのロータの回転角度θで変調
される信号Ksin(ωt+θ)である(K:定数)。
419は加算器418の補正信号の特定周波数成分を取り出
すバンドパスフィルタ(以下、BPFとする)、420,421は
分周器442とBPF419の出力を波形整形するコンパレータ
である。
443はコンパレータ420と421で整形した信号の位相差
をクロック発生器441のクロックでカウントする位相差
カウンタである。
444はコンパレータ421による整形信号の周期をクロッ
ク発生器441のクロックで計測する周期カウンタであ
る。
471位置演算手段であり、周期カウンタ444で計測した
周期をもとにロータ290の1回転中の回転位置を算出す
る。
以上説明した構成要素で、411〜420は第2図のレゾル
バ用IDカード402に設けられ、441〜444は係数回路404に
設けられ、471は位置制御部470に設けられている。
このような磁気レゾルバの動作を説明する。
交流信号EsinωtとEcosωtの間には総対的な電気角
の誤差が含まれているため、コイル2881,2882と2891
2892は交流電圧Esin(ωt+Δ)とEcosωtで駆動さ
れる(Δは電気角の誤差)。
ロータ290がθだけ回転したときは、コイル2881,288
2,2891,2892に流れる電流I81,I82,I91,I92は次の
とおりになる。
I81=I0{1+mcos(θ+δ)} ×sin(ωt+Δ) (7) I82=I0{1−mcos(θ+δ)} ×sin(ωt+Δ) (8) I91=I0{1+msinθ)cosωt (9) I92=I0{1−msinθ)cosωt (10) m:定数 ここで、δはsinコアとcosコアの取り付け位置の総
対的な機械誤差である。
減算器416,417と加算器418により、(7)式−(8)
式+(9)式−(10)式の演算を行って次式に示す演算
値V1を算出する。
ここで、esinωt交流電圧Esinωtに含まれたキャリ
ア成分である。
位相調整手段413は、(11)式の電気角を調整して、 Δ=δ にすることにより、(11)式の右辺第2項を0にする。
更に、この信号に交流電圧Esinωt振幅と位相を調整
した信号−esinωtを加算することにより、残留キャリ
ア成分を打ち消す。
位相差カウンタ443は、キャリア成分を打ち消した信
号θと励磁信号θの位相差をクロック発生器441の
発生クロックで計測する。励磁信号θの360°の電気
角はロータ290の1歯ピッチ分に相当するため、位相差
カウンタ443で計測した位相差はロータ290の1歯ピッチ
内の回転位置に相当する。計測した位相差をアドレスポ
インタとしてsin値が格納されたROMの値を読み出し、読
み出しデータにより磁気レゾルバが回転を検出している
モータの転流制御を行う。
周期カウンタ444は、信号θの周期をクロック発生
器441の発生クロックで計測する。
位置演算手段471は、周期カウンタ444の計測周期をも
とに、位相が変調された信号θと励磁信号θの周期
の差を一定周期ごとにとる。
ロータ290の回転角θはvtになるため(v:定数)、変
調された信号はEsin(ω+v)tの形になる。このた
め、変調された信号の周期は回転角θによって変わる。
従って、変調された信号Esin(ω+v)tと励磁信号Es
inωtの周期の差をとって積算するとロータ290の1回
転中の回転位置が求められる。
例えば、励磁信号θの1周期の計測カウントに要す
るクロック数が4096、磁気レゾルバのロータの歯数が12
4の場合は、位置演算手段471は、次式から回転位置を算
出する。
この場合は、ロータが1回転すると、 124×4096=507904 の個数のクロックが検出される。
このように構成した磁気レゾルバによれば、信号検出
方式が位相変調方式であるため、容易にデジタル・イン
タフェイスを構成でき、また位置検出とモータの転流制
御が可能になる。
(2−2)センサが光学式エンコーダである場合 第30図はセンサとして用いる光学式エンコーダの構成
例を示した図である。
図で、301は円板状の符号板であり、円周方向に所定
のピッチで透光スリットが配列された2段の透光スリッ
ト列が設けられている。外側のスリット列にはm1個の透
光スリット302が設けられ、内側の透光スリット列にはm
2個の透光スリット303が設けられている。
内側と外側の透光スリットの個数差はモータ1のロー
タの歯数と同数になっている。
符号板1の回転位置の検出用のスリットとして、スリ
ット302の外側に原点検出用のスリットSが設けられて
いる。この符号板301はモータの出力軸と一体に回転す
るものである。
304,305は光源、306,307は光源304,305からの光ビー
ムを平行にビームにするためのレンズである。
レンズ306を通過した光はスリット302とSに、レンズ
307を通過した光はスリット303にそれぞれ当たる。
308は透光スリット302を通った光(スリット像)を受
光するイメージセンサであり、例えば8個のフォトダイ
オード3081〜3088をアレイ状に配列したものである。
G1,G2は透光スリットSを通った光を検出するフォトダ
イオードである。
309は透光スリット303を通過した光(スリット像)を
受光するイメージセンサであり、例えば8個のフォトダ
イオード3091〜3098がアレイ状に配列されたものであ
る。
これらのフォトダイオードは第31図に示すように透光
スリットの1ピッチP′内に配列されている。
310は信号処理回路であり、フォトダイオード3081〜3
088と3091〜3098の検出信号をもとにしてモータのロー
タとステータの歯の位置関係を算出する。
このような制御装置の具体的な構成例を第32図に示
す。
第32図で、SW1〜SW8はフォトダイオード3081〜3088
3091〜3098からの信号を一定のタイミングで順次取出し
ていくスイッチである。
311,312はOPアンプであり、各スイッチSW1〜SW8を介
して印加される信号を増幅する。OPアンプ311,312の出
力は階段状の波形になる。波形の高さは光を検出したフ
ォトダイオードの個数に相当する。
第33図は本発明にかかるシステムに用いる回転検出部
の他の構成例を示した図である。
この回転検出部は、正弦波形状になった位置検出用透
光スリットの列を2段設けたエンコーダを用いたもので
ある。
外側のスリット列にはm1個の透光スリット331が設け
られ、内側の透光スリット列にはm2個の透光スリット33
2が設けられている。
このエンコーダでも、内側の透光スリットと外側の透
光スリットの個数差はモータ1のロータの歯数と同数に
設定されている。
SR1とSR2はスイッチSW1〜SW8を順次に展開させてフォ
トダイオード3081〜3088と3091〜3098の出力を一定タイ
ミングで取出すシフトレジスタである。
430は第2図でも出ているが光学式エンコーダ用IDカ
ードである。
このカードで、431,432はOPアンプ311,312の出力の低
周波成分を抽出するLPF、433,434はLPF431,432の出力を
波形整形するコンパレータである。
404は第2図にも出ている係数回路である。
係数回路404で、444,445はコンパレータ433,434の出
力波形の周期をカウントする周期カウンタ、443はコン
パレータ433と434の出力波形の位相差をカウントする位
相差カウンタである。
次に、このような回路の動作について説明する。
スイッチSW1〜SW8のスキャン周波数は8fs(fsはLPF4
31,432の出力波形の周波数)に設定されている。
外側の透光スリット331を通過した光はフォトダイオ
ードアレイ308で検出し、内側の透光スリット332を通過
した光はフォトダイオードアレイ309で検出する。これ
らフォトダイオードアレイの検出信号を8fsの周波数で
走査すると、LPF431,432を通過した信号 f1(t),f2(t)は次のようになる。
f1(t)=A1sin(ωt+M1θ) (12) f2(t)=A2sin(ωt+M2θ) (13) A1,A2:定数、θ:符号板の回転角 ω=2πfs 両方の信号の位相差φは、 φ=(M1−M2)θ (14) なる。
ここで、位相差φと符号板の回転角θの関係について
説明する。
例えば、外側のスリット数M1が8個で内側のスリット
数M2が6個の場合について説明する。
この場合、モータの歯数Mは8−6から2個に設定す
る。
この場合のフォトダイオードアレイ308と309の検出信
号とモータの回転角の関係は第34図(a)と(b)のよ
うになる。
図に示すように、これらの検出信号のずれ(電気角)
は符号板301の実際の回転角θ(機械角)に比例してφ
,φ…と増えていく。
符号板がθだけ回転したときの両方の検出信号のずれ
φは、(14)式より、次のようになる。
φ=(8−6)θ 一方、符号板301が機械角でθだけ回転するとモータ
のロータも機械角でθだけ回転する。モータの歯数は2
個であることから、モータのロータとステータの歯は電
気角にして2θだけ角度がずれたことになる。すなわ
ち、位相差カウンタ443で検出された位相差φがモータ
のロータとステータの歯の電気角のずれそのものにな
る。これによって、モータのロータとステータの歯の位
相ずれが直接検出され、これをもとにモータが転流制御
される。
このようなエンコーダでは、スリットが正弦波形状に
なっているため、フォトダイオードアレイに当たる光も
正弦波形状になる。フォトダイオードは光が当たる面積
に応じて連続的に変化するアナログ検出信号を発生する
ため、エンコーダの検出信号は、第35図に示すようにフ
ォトダイオード3081〜3088の配列に沿って基本波を表わ
す正弦波に近い段階状に変化する。これによって、変異
変換器の検出信号は高調波成分を含まない高精度の信号
になる。
このようなエンコーダをモータの回転速度の制御に用
いると、モータを滑らかに回転させることができる。
磁気レゾルバと光学式エンコーダは一方が選択的にモ
ータ・ドライブ・システムに接続される。
(3)センサI/F部 センサI/F部の構成は、第29図と第33図のセンサの構
成を説明したときに合わせて説明したが、第2図を用い
て補足説明する。
第2図のせんさI/F部401で、磁気レゾルバ用IDカード
402は、位相変調された磁気レゾルバの検出信号と、位
相変調されない基準信号をそれぞれSIG0とSIG1として取
り出す。
光学式エンコーダ用IDカード403は、符号板の外側ス
リットと内側スリットに対向配置したフォトダイオード
アレイの光検出信号をそれぞれSIG0とSIG1として取り出
す。
係数回路404で、位相差カウンタ443は、SIG0とSIG1の
位相差をカウントする。周期カウンタ444と445はSIG1と
SIG0の周期をカウントする。
クロック発生器441の発生クロックは、分周器442で分
周されて磁気レゾルバのコイルの励磁信号および基準信
号として用いられる。
位相差カウンタ443のカウントによりモータのロータ
とステータの歯の位相ずれが検出され、この位相ずれを
もとに転流制御が行なわれる。また、位相ずれを積算す
ることにより、モータの回転位置が算出され、これをも
とにモータの回転位置の制御が行なわれる。さらに、位
相変調されたセンサの検出信号の周波数からモータの回
転速度が検出され、これをもとにモータの回転速度の制
御が行なわれる。
このように、センサI/F部では、位置制御、速度制御
および転流制御のための信号が同時に検出される。しか
も、磁気レゾルバと光学式エンコーダの2種類のセンサ
についてこれら3つの制御に用いる信号を検出できる。
磁気レゾルバ用IDカードの402の他の構成例を第36図
に示す。
このIDカードは1枚の基板で構成されている。
図で、422と423はIDカードを計数回路404と磁気レゾ
ルバにそれぞれ接続するコネクタである。
424はクロック発生器441から与えられるクロックを分
周し、バンドパスフィルタを通して正弦波信号とし、こ
の正弦波信号をもとに生成した励磁信号をコネクタ423
を介して磁気レゾルバに与える励磁信号発生回路であ
る。この励磁信号は基準信号SIG1として計数回路404に
も与えられる。基準電圧Vrefは励磁信号の振幅を決める
のに用いられる。
425はディップスイッチとバッファからなり、ディッ
プスイッチにより設定された転流角のデータを計数回路
404に与える転流角設定回路である。チップセレクト信
号CSにより転流角設定回路の中のI/F回路が選択され
る。
426はネクタ423を介して与えられる磁気レゾルバの検
出信号を正弦波信号にし波形整形し検出信号SIG0として
計数回路404に与える信号検出回路である。
第37図は光学式エンコーダ用IDカード403の構成例を
示した図である。
このIDカードも1枚の基板で構成されている。
第37図において、コネクタ423は光学式エンコーダに
接続される。
435は計数回路404から与えられるクロックCLKで駆動
されてクロックを発生するクロックドライバである。発
生クロックは光学式エンコーダへ与えられて、このクロ
ックのタイミングでフォトダイオードアレイの各フォト
ダイオードの検出信号をスキャンする。
436は光学式エンコーダの外側スリットと内側スリッ
トに対向配置したフォトダイオードの光検出信号を正弦
波信号SIG0とSIG1にして計数回路404へ送る信号処理回
路である。
コネクタ422を経由する信号の中で、次の信号は磁気
レゾルバ用IDカードでも光学式エンコーダ用IDカードで
も電気的仕様は全く同じである。
クロックCLK 磁気レゾルバ用IDカードでは励磁信号の発生に使わ
れ、光学式エンコーダ用IDカードではフォトダイオード
のスキャン信号に使われる。
信号SIG0とSIG1 正弦波信号でこれらの位相差からモータの回転角が求
められる。
転流角のデータとチップセレクト信号CS 磁気レゾルバ用IDカード、光学式エンコーダ用IDカー
ドとも同一構成の転流角設定回路4に対して入出力す
る。
また、電源とグラウンドも両IDカードで共用できる。
一方、各IDカードで独自に利用する信号は次のとおり
である。
基準電圧Vref 磁気レゾルバの励磁信号の振幅を定めるために用い
る。
リセット信号RST 光学式エンコーダのフォトダイオード出力のスキャン
のイニシャライズに用いる。
以上のことから、30ピン程度のコネクタを用いると磁
気レゾルバ用IDカードと光学式エンコーダ用IDカードで
コネクタ422を共通化できる。これによって、コネクタ4
22と接続される計数回路404も共通化される。
モータの交換により転流角が変わったときは、変更後
の転流角に設定されたIDカードと交換することによっ
て、計数回路404のボードを交換することなく転流角を
設定できる。
このように構成したIDカードによれば、転流角のデー
タの設定機能がIDカード上にあるため、転流角が異なる
モータに交換する時はIDカードのみを交換すればよく、
システム全体を交換する必要がなくなる。
また、光学式エンコーダ用IDカードと磁気レゾルバ用
IDカードは、計数回路への接続コネクタは仕様が同じも
のを用いている。従って、センサの種類を変えてもIDカ
ードを交換するだけで、モータ・ドライブ・システムの
他の部分は共通に使える。
(4)外部I/F部 第2図で、外部I/F部には3種類のI/Fが設けられてい
る。
速度・トルクI/F42には、アナログ速度指令信号はア
ナログトルク指令信号を送出する上位コントローラが接
続される。
シリアルパルスI/F43には、シリアルパルスで位置指
令信号を送出する上位コントローラが接続される。ま
た、このI/Fはセンサ2の検出信号をフィードバックパ
ルスとして上位コントローラに与える。フィードバック
パルスは、アップパルスとダウンパルス、またはA相パ
ルスとB相パルスの形態をとる。上位コントローラは、
送出する位置指令信号と、受け取るフィードバックパル
スをもとにモータをフィードバック制御する。
8ビットバスI/F44には、8ビットマイコンバスによ
り位置指令を与える上位コントローラが接続される。こ
のI/Fで、441は与えられた8ビットデータに応じた数の
パルスを発生する{パルス発生器}である。442はセン
サ2からのフィードバックパルスのパルス数をカウント
し、カウントに応じたデータを8ビットマイコンバスを
介して上位コントローラに与えるフィードバックパルス
カウンタである。
このようなシリアルパルスI/F43と8ビットバスI/F44
により、上位コントローラでモータをフィードバック制
御することもできる。
(5)位置制御部 第2図の位置制御部470で、471は位相差カウンタ443
のカウントからモータのロータとステータの歯の位相ず
れを求め、この位相ずれを積算してモータの回転位置を
算出する位置演算手段である。演算結果は位置フィード
バック信号となる。
472は位相差カウンタ443のカウントからモータのロー
タとステータの歯の位相ずれを算出して転流制御のため
の信号を生成する転流演算手段である。
473は位相ずれの値とsin値が対応して格納されてい
て、転流演算手段472の演算結果に応じたsin値の信号を
出力するsinテーブルである。
474は回転位置の原点検出信号を処理する原点処理回
路である。この回路には、光学式エンコーダの原点検出
用スリットにより検出した信号等が与えられる。
475はシリアルパルスI/F43または8ビットバスI/F44
から与えられる位置指令パルスのパルス数をカウントす
るカウンタである。
476はセンサ2からのフィードバックパルスを均等間
隔でパルスを配列した滑らかなパルス信号にしてI/F43,
44に与えるスムーザ機能を有したパルス発生回路であ
る。
477は位置カウンタ475のカウントで与えられる位置指
令またはテスト信号発生手段478の出力で与えられる位
置指令の一方を選択するスイッチである。テスト信号
は、位置指令を与える所定の周波数のテストパルス信号
で、テストモードで位置制御部のサーボ系を調整すると
きにこの信号を選択する。
479はスイッチ478で選択した位置指令と位置演算手段
471で算出した検出位置の偏差をとる減算器である。
480は減算器479でとった偏差をもとに、モータ1の回
転位置をフィードバック制御する位置制御手段である。
この位置制御手段480はソフトウェアによりI−PD(積
分、比例、微分)動作を行う3次のサーボ系を構成して
いる。
481は位置制御手段480が出力する制御信号をデジタル
・アナログ変換するD/A変換器である。
482は例えば第38図に示すようにモータの位置制御系
の固有振動数fn、DCゲインGDCおよび積分リミッタ値ILI
Mとこれらの値に応じた最適な制御パラメータx11
x12,x13等を対応して格納したゲインテーブルである。
位置制御手段480は、ゲインテーブル482から読み出され
た制御パラメータを用いて制御を行う。DCゲインGDC
積分リミッタ値ILIMについては設定部7の構成の説明に
おいて説明する。
ゲインテーブルは、積分動作用、比例動作用、微分動
作用のものが設けられていて、制御動作の種類によって
使い分けられる。
(6)速度制御部 第2図の速度制御部490で、491はセンサの回転検出信
号SIG0の周波数に応じたアナログ電圧信号を出力するF/
V変換器である。この出力が速度フィードバック信号に
なる。
492は位置制御を行うときはD/A変換器488の出力端側
に接続され、速度制御を行うときは速度・トルクI/F42
側に接続されるスイッチである。
493はスイッチ492で選択した指令信号とF/V変換器491
を介して与えられる速度フィードバック信号の偏差をと
る減算器である。
494はマルチプライニング・デジタル・アナログ変換
器(以下、MDAとする)であり、デシタル信号でゲイン
が設定され、アナログ入力信号を増幅する。MDA494のア
ナログ入力信号は減算器493から与えられる偏差信号で
あり、デジタルのゲイン設定信号は位置制御手段480ま
たはチューニング部7により与えられる。例えば、ゲイ
ン設定信号が8ビット信号である場合は、MDA494のゲイ
ンは256段階に設定される。
495はMDA494の出力電圧を所定の上限値または下限値
以内に抑えることによて電力制御部48に与える電流指令
値を制限するリミッタである。
496,497はリミッタ495によって制限された電流振幅I
をアナログ入力信号、sinテーブル473から読み出したsi
nθeとsin(θe+120°)の値をゲイン設定信号とし
てIsinθeとIsin(θe+120°)なる電流指令値を出
力するMDAである。ここで、2つの指令値の位相が120°
ずれているのはモータが3相モータであるためであり、
相数が異なる場合は位相ずれは他の値になる。
(7)電力制御部 第2図の電力制御部48で、501,502はモータ1の2つ
の相のコイルに流れる電流をそれぞれ検出する電流検出
回路である。
503,504はMDA496,497からの電流指令信号と電流検出
回路501,502の検出電流信号の偏差をとる減算器であ
る。
505はこれらの偏差をもとにモータコイルの励磁電流
をフィードバック制御するためのパルス幅変調信号(以
下、パルス幅変調をPWMとする)を生成して出力するPWM
回路である。
506はトランジスタを用いて構成され、PWM回路505か
らのPWM信号によりトランジスタを駆動してモータ1の
コイルに励磁電流を流す駆動回路である。
第39図は駆動回路506の構成例を示した図である。
この回路はブリッジ型のインバータ回路であり、図は
ブリッジ回路の半分を示したものである。
図で、Q1,Q2はブリッジ回路を構成するスイッチング
素子、Lはモータのコイル、E1,E2はコイルLに電流を
流すための電圧を供給する電源である。
G1とG2はスイチング素子Q1とQ2をPWM信号で駆動する
ゲート駆動回路、DD1はスイッチング素子Q1とQ2の駆動
電圧のもとになる電圧を供給する電源である。
Dは電源DD1により流れる電流の経路に設けられたダ
イオード、RはダイオードDと直列に接続された抵抗、
Cはコンデンサである。
抵抗Rと、ダイオードDと、コンデンサCとでブート
ストラップ回路Bが構成されている。
A1,A2はゲート駆動回路G1,G2に定電圧を与える定電圧
回路である。
この装置で、電源DD1によりコンデンサCを充電して
電圧VBS1を作る。この電圧を定電圧回路A1で安定化して
ゲート回路G1の駆動用電圧VBS2を得る。電圧VBS1は、 VBS1=VDD1−VF−VDSON (15) VDD1:電源DD1の発生電圧 VF:ダイオードDの順方向の電圧降下分 VDSON:Q2がオンのときの電圧降下分 で与えられる。
ここで、第39図の装置の各信号のタイムチャートは第
40図のようになる。
第40図で、Q1とQ2が交互にオンになるため、モータの
コイルLに流れる電流IOUTは(a)図のように変化す
る。これによって、Q2の両端電圧VDSONは(b)図のよ
うに変化する。
すなわち、Q2がオンのときはVDSONはIOUT・RONに従っ
て変化し(RONはQ2がオンのときの抵抗)、Q1がオンの
ときは−VFに保持される。
このようなVDSONの変化から、コンデンサCにかかる
電圧VBS1は(c)図のようになる。
ここで、電圧VBS1の最小値が、定電圧回路A1の定電圧
値V1と電圧降下分VDFの和よりも大きく設定されている
と、すなわち、 VBS1>V1+VDF (16) であると、定電圧回路A1の出力の一定性が保たれてVBS2
は(d)図に示すように一定値になる。
これを満足するためのVDD1は、(15)式を(16)式に
代入し、ブートストラップ動作によるリップル分を考慮
して、 VDD1>V1+VDF+VF+VDSON+VRP (17) VRp:リップル電圧 となる。リップル電圧VRPはコンデンサCの静電容量に
反比例している。
(17)式を満たすように電源DD1の発生電圧を設定す
る。
本考案にかかる装置を3相モータに適用した例を第41
図に示す。この図は3相のハーフブリッジを示してい
る。
図で、VD1は下側にあるスイッチング素子の駆動電
源、VD2はブートストラップ回路用電源、VD3はモータの
コイルに電流を流すための電源である。
このように構成した駆動回路によれば、Q2がオンにな
ってブートストラップ回路にかかる電圧が最小になった
ときでも、定電圧回路の定電圧値が保持されるように電
源DD1の発生電圧が設定されている。これによって、Q2
がVDSONが大きいスイッチング素子であってもよく、ス
イッチング素子の自由度が広がる。
また、電源DD1の電圧は十分に高く設定されているた
め、コンデンサCの放電時間が長くなり、Q2をオフにす
る時間を長くできる。これによって、動作条件の自由度
が広がる。
(8)設定部 第2図の設定部7で、71〜73はサーボチューニングス
イッチである。
71は所定の範囲内で位置制御系の固有振動数fnを複数
段階に設定する固有振動数設定スイッチである。
72はMDA494のDCゲインGDCを複数段階に設定するDCゲ
イン設定スイッチである。DCゲインを最適値に設定する
ことにより、モータが回転し始めてから等速度に達した
ときの整定時間を小さくすることができる。
73は位置制御手段480のソフトウェアサーボ中にある
デジタル積分器の出力のリミッタ値ILIMを複数段階に設
定する積分リミッタ設定スイッチである。リミッタ値を
最適値に設定することにより、モータが目標位置に達し
たときの整定時間を小さくすることができる。
これらのスイッチ71〜73により、fn,GDCおよびILIM
の値が設定されると、ゲインテーブル482から設定値に
対応した最適な制御パラメータ値が読み出される。位置
制御手段480は読み出した制御パラメータ値をもとに、M
DA494のゲインを設定する。
なお、fn,GDC,ILIMの設定はスイッチによらず外部の
コントローラで行うようにしてもよい。
また、制御パラメータはfn,GDC,ILIMの全てではなく
少なくとも1つが設定されると読み出されるようにして
もよい。
74,75は上位コントローラ3と接続された入出力ポー
ト(以下、I/Oポートとする)である。
I/Oポート74では位置制御手段480の制御を積分動作ま
たは比例動作に切換える積分/比例切換信号が転送され
る。
I/Oポート75ではMDA494のゲインを直接設定するゲイ
ン設定信号が転送される。
(1)〜(8)に分けて説明した各構成要素で、複数
の構成要素にまたがる部分の具体的構成例について説明
する。
(9)原点検出装置 第42図はモータの回転位置の原点を検出する装置の構
成例を示した図である。
図で、磁気レゾルバ2は、モータの回転により位相が
変調された信号θと位相が変調されない基準信号θ
を出力する。各信号は次式で与えられる。
θ=Ksin(ωt+n1θ) θ=Esinωt E:電圧の振幅、K:定数 n1:磁気レゾルバのロータの歯数 これらの信号θ,θは、LPF419,422とコンパレー
タ421,420を通過して波形整形されてから、位相差カウ
ンタ443に与えられる。
位相差カウンタ443は、与えられた2つの信号の位相
差をクロック発生器441の発生クロックで計測する。位
相差カウンタ443はモータ1のロータの歯のnピッチ
(nは整数)の回転角度に相当する位相差をカウントし
たところで桁上がりを生じる構成になっている。また、
位相差カウンタ443には計測値がロードされる出力レジ
スタ4431が設けられている。
4741はマイクロプロセッサであり、出力レジスタ4431
から位相差を読取り、位相差のカウントの桁上がりから
モータ1の回転位置の原点を検出する。ここでいう原点
は、モータ1のロータとステータの歯の位相が一致する
回転位置である。
4742は出力信号ポートであり、マイクロプロセッサ47
41の原点検出に応じて、オンまたはオフの原点信号を出
力する。
マイクロプロセッサ4741と出力信号ポート4742は第2
図の原点処理手段4474に設けられている。
このように構成した装置の動作を説明する。
第43図は各信号のタイムチャートである。
磁気レゾルバ2からは(a)図と(b)図に示すよう
な信号θとθが出力される。位相差カウンタ443は
これらの信号の位相差(t1−t0)を(c)図に示すクロ
ク発生器441のクロックで計測し、計測値mを出力レジ
スタ4431に格納する。このとき、出力レジスタ4431のセ
ット値は(d)図のように変化する。
マイクロプロセッサ4741は定周期で出力レジスタ4431
のセット値を読取り、第44図に示す処理をして磁気レゾ
ルバ2の回転位置の原点を検出する。
ここで、第44図の処理を説明する。
位相差カウンタ443は、磁気レゾルバ2のロータの1
歯ピッチ分の位相差をカウントしたところでMSBへの桁
上がりが生じる構成になっている。
マイクロプロセッサ4741は、読取った出力レジスタ44
31のセット値から、MSBの内容が1であるときは原点信
号をオンにし、0であるときは原点信号をオフにする。
このような原点信号は出力信号ポート4742から発生す
る。マイクロプロセッサの処理と原点信号のタイムチャ
ートを第43図(e)と(f)に示す(tp:マイクロプロ
セッサの処理時間、tsp:マイクロプッセッサの処理周
期)。
このようにアルゴリズムによる原点信号の操作を行う
には、モータ1の回転数Nは次式を満たさなければなら
ない。
N<1/2np・tsp np:モータのロータの歯数 なお、位相差カウンタ443はモータのロータの歯の1
ピッチ分以外の任意の整数ピッチ分の位相差をカウント
したところでMSBへの桁上がりを生じるものであっても
よい。
また、MSBへの桁上がりに限らず他の桁への桁上がり
をもとに原点信号を操作する構成にしてもよい。
このような原点検出装置によれば、次の効果が得られ
る。
位相差カウンタのMSBへの桁上がりを生じるまでのカ
ウントをC0とすると、1/np・C0の分解能で原点を検出で
き、位相差をカウントするクロックの周波数を大きくす
れば検出分解能を高められる。これによって、高精度で
原点を検出できる。
マイクロプロセッサによる処理が大半であるため、低
コストで原点信号を発生できる。特に、マイクロプロセ
ッサを内蔵したサーボドライバ等に適用した場合に好都
合である。
(10)検出信号の補正装置 第45図は検出したモータの回転位置を補正する装置の
構成例を示した図である。
図で、4711はROMを用いた補正テーブルであり、θ
=Ksin(ωt+nθ)の式の中のθの0°から360°ま
での所定の角度とそれぞれの角度における補正量が対応
して格納されている。この補正量は、360°の雰囲気角
の補正量すなわちロータの歯の1ピッチ分の補正量に相
当する。
4712はマイクロプロセッサであり、出力レジスタ4431
にセットされた位相差を読取り、この位相差をもとに補
正テーブル4711から補正量を読出す。そして、読取った
位相差をもとに算出した回転位置をこの補正量で補正す
る。
4713はマイクロプロセッサ4712で補正した位置の信号
を受取り、これをシリアルパルス信号に変換して出力す
るパルス出力器である。この出力がモータ1の回転位置
の検出信号となる。
補正テーブル4711、マイクロプロセッサ4712およびパ
ルス発生器4713は第2図の位置演算手段471に設けられ
ている。
このように構成した装置の動作を説明する。
第46図は各信号のタイムチャートである。
磁気レゾルバ2からは(a)図と(b)図に示すよう
な信号θとθが出力される。位相差カウンタ443は
これらの信号の位相差(t1−t0)を(c)図に示すクロ
ック発生器441のクロックfCで計測し、計測値mを出力
レジスタ4431に格納する。このとき、出力レジスタ4431
のセット値は(d)図のように変化する。
マイクロプロセッサ4712は定周期で出力レジスタ4431
のセット値を読取り、第47図に示す処理をして補正した
モータの回転位置を算出する。
すなわち、第47図では、モータの回転速度vがvL(定
格回転速度)×0.03よりも小さいか否かを判別し、小さ
い場合は、出力レジスタ4431のセット値をもとに補正テ
ーブル4711から補正量を読出し、出力レジスタ4431のセ
ット値から算出した回転位置をこの補正量で補正する。
vがvLよりも大きい場合は、回転が高速なため、補正
値が算出されたときにモータの回転位置は大きく変わっ
ていて、補正値が有効に生かされないため、補正は行な
わない。
その後、モータの回転位置の1周期間の変化量をパル
ス出力器4713に設定する。パルス出力器4713はこの変化
量をシリアルパルスに変換して出力する。これによっ
て、モータの回転位置が検出される。
このように構成することにより、高精度で位置を検出
できる。
(11)モータ駆動電流の制限装置 第48図はモータコイルに与える電流を制限する装置の
構成例を示した図である。
図で、495は制限値算出部498から与えられた制限値で
電流指令値信号の電圧を制限することによって電流指令
値uinを制限するリミッタである。
48はリミッタ495の出力に応じてモータ1に駆動電流
を供給する電力制御部である。
第2図のような構成にすると、第2図のシステムで
は、センサ2とリミッタ495の間に制限値算出部498を設
けることになる。
制限値算出部498で、4981は電圧制御曲線のパラメー
タが格納された不揮発性メモリ(ROMとする)である。
4982は電圧制限曲線(以下、I−N曲線とする)を最
大電流値とモータの回転数を対応させたテーブルにして
格納する揮発性メモリ(RAMとする)である。I−N曲
線は、第49図のように回転数と制限値すなわち最大電流
値の関係を表わしたものである。
4983は制限値を求めるマイクロプロセッサ(μPとす
る)である。
μP4983で、4984はROM4981から読み出されたパラメー
タPでI−N曲線を選択し、選択したI−N曲線上にお
ける最大電流値Lim(N)とモータの回転数Nを求め、
これらの値を対応させてRAM4982に格納する演算手段で
ある。
4985はセンサ2の出力信号をもとにモータの回転数N
を検出する速度検出器である。検出した回転数Nをもと
にRAM4982から電流制限値Lim(N)が読み出されてリミ
ッタ495へ与えられる。
このように構成した装置の動作を説明する。
電源投入時には、ROM4981からI−N曲線のパラメー
タPを読み出し、このパラメータで制限関数f(P,N)
を選択する。そして、Lim(N)=f(P,N)より各回転
数Nの値における最大電流値Lim(N)を算出し、算出
値をRAM4982に対応させて格納する。このような演算を
するに当たって、関数f(P,N)と回転数の範囲−Nmax
〜+Nmaxは予め与えられている。I−N曲線の一例を第
50図に示す。
通常動作時には、まず、速度検出器4985がセンサ2の
出力信号よりモータの回転数Nを検出する。
次に、検出した回転数Nに対する最大電流値Lim
(N)をRAM4982から読み出し、この値をリミッタ495に
与える。
リミッタ495は電流指令値uinの信号の電圧を次のよう
に制限して電流指令値uoutの信号を出力する。
|uin|≦Lim(N)のとき、 uout=uin |uin|>Lim(N)のとき、 uout=Lim(N) 電力制御部48は、このようにして得た電圧指令値uout
に応じた電流Ioutをモータ1に供給する。
このような制限装置によれば、ROM4981から読み出す
パラメータPを、モータが用いられているアクチュエー
タの仕様に合わせて設定するだけで、制限関数f(P,
N)の形が決まり、仕様にあった特性のI−N曲線が得
られる。これによって、種々の仕様のアクチュエータに
対しても融通がきく。
また、制限関数f(P,N)をμP内で作成しているた
め、複雑な電子回路を新たに設けることなく、安価な手
段で、種々の仕様に対して駆動電流を制限できる。さら
に、μPで制限値を算出しているため、高精度で制限値
が得られる。
(12)絶対回転位置検出システム 第2図のシステムに絶対回転位置の検出機能をもたせ
た構成例について説明する。
第51図は機構部の構成断面図である。
図で、磁気レゾルバとして、モータ1が1/n回転する
毎に検出信号の位相が0°から360°まで変化するnXレ
ゾルバ(nは整数)21と、モータ1が1回転する毎に検
出信号の位相が0°から360°まで変化する1Xレゾルバ2
2が設けられている。
1Xレゾルバ22は1/n回転を分解能としてモータの回転
を検出し、nXレゾルバ21は検出した1/n回転内でのモー
タの回転位置を検出する。
nXレゾルバのロータに形成された歯の数はモータ1の
ロータに形成された歯の数と同数になっている。
その他の機構部の構成は第26図と同一になっている。
第52図に示すように、磁気レゾルバ21と22はモジュー
ル化されていて、組立てが完成した状態でアクチュエー
タに組込まれる。
モータ・ドライブ・システムがインクリメンタル方式
だけのものでよい場合はnXレゾルバのみを取付け、絶対
回転位置の検出機能までも必要な場合はnXレゾルバの他
にオプションとして1Xレゾルバを取付ける。
このような磁気レゾルバの検出信号を用いてモータの
絶対回転位置を検出するシステムの構成例を第53図に示
す。
第53図において、4021と4022はnXレゾルバと1Xレゾル
バがそれぞれ接続されたレゾルバI/F、491はレゾルバI/
F4021からの信号をアナログ電圧の速度検出信号にして
帰還するF/V変換器、4041はnXレゾルバ2の励磁信号SIG
0と出力信号SIG1の位相差からnXレゾルバの検出位相を
計測するnXカウンタ、4042はレゾルバI/F4022から送ら
れてくる1Xレゾルバ3の励振信号AB0と出力信号AB1の位
相差から1Xレゾルバ3の検出位相を計測する1Xカウンタ
である。
4043はnXカウンタ4041と1Xカウンタ4042の計測値を用
いてモータ1の絶対回転位置を算出する合成回路、4700
はnXカウンタ4041または合成回路4043の出力を選択的に
位置検出信号として帰還させるスイッチである。
4041〜4043の構成要素は、第2図の計数回路404内に
設けられている。
476は合成回路4043で算出した絶対回転位置をA相パ
ルスとB相パルスまたはアップパルスとダウンパルスに
して発生するパルス発生回路、3はパルス発生回路476
によって与えられた絶対回転位置を基準としてインクリ
メンタルな位置指令値の信号をアップ/ダウンパルスで
出力する位置指令コントローラである。
475は指令位置コントローラ3の出力パルスのパルス
数を積算する積算カウンタ、479は位置指令値と位置帰
還値の偏差をとる減算器、480は偏差をもとにモータ1
の回転位置をフィードバック制御する位置制御部、481
は位置制御部480の制御信号をデジタル/アナログ変換
するD/A変換器である。
493は速度指令値となったD/A変換器481の出力と速度
帰還値の変化をとる減算器、494は偏差信号を増幅する
増幅器である。
496と497は増幅器494によって振幅Iが与えられ、nX
カウンタ4041の位相差カウントによって正弦波信号sin
θeとsin(θe+120°)が与えられ、これらを乗算し
てIsinθeとIsin(θe+120°)なる電流指令値の信
号を出力するMDAである。
2つき正弦波信号の位相が120°ずれているのは、3
相モータであるため、相数が異なる場合は位相ずれは他
の値になる。
501,502はモータ1のコイルに流れている電流を検出
して帰還する電流検出回路、507は電流指令値と電流帰
還値の偏差をもとに生成されたPWM信号で駆動されて電
流を流し、この電流をモータのコイルに供給するブリッ
ジ回路である。
電流指令値はnXカウンタ4041のカウントをもとに生成
される。これにより、nXレゾルバ21の検出信号によりモ
ータの転流制御が行なわれることになる。
このように構成したシステムの動作を説明する。
まず、絶対回転位置の検出動作を説明する。
第54図は磁気レゾルバの励磁信号と出力信号のタイム
チャートである。
これらの磁気レゾルバは位相変調形であるため、励磁
信号と出力信号の位相差をカウンタで計測することによ
り、nXレゾルバと1Xレゾルバの検出位相φnxとφ1xが求
められる。
モータが1回転したときに位相φnxとφ1xは第55図の
ように変化する。図の横軸の回転角は機械角である。
このような関係より、検出位相φ1xの値より、検出位
置が検出位相φnxの何番目の周期に該当するかが検出さ
れる。検出番号iとこのときのφnxの値から次式をもと
に絶対回転位置Aが求められる。
A=(i−1)・P+φnx P:位相が360°のときのnXカウンタのカウント φnx:nXカウンタのカウント 例えば、SIG0とSIG1の周波数が3kHz、カウンタ4041,4
042の位相計測クロックの周波数が3MHzとし、 (位相が360°のときの1Xレゾルバのカウント)=1000 n=20 φ1x=390 φnx=500 とすると、絶対回転位置Aは次のようになる。
(nXレゾルバの1周期分の検出信号による1Xカウンタの
カウントの変化) =1000/20 =50 P=3MHz/3kHz=1000 i=INT[390/50]+1 =8 A=(8−1)×1000+500 =7500[パルス] この演算ではパルス数のカウントが算出されているが、
パルス数は角度に比例しているため、算出値から回転位
置が求められる。
次に、サーボシーケンスは次のとおりになる。
まず、電源投入後、スイッチ4700をS0側に接続し、位
置サーボを駆動して絶対回転位置を算出し、位置指令値
=絶対回転位置とする。
この絶対回転位置の値をA相パルスとB相パルスまた
はアップパルスとダウンパルスにより上位の位置指令コ
ントローラ3へ通信する。
位置指令コントローラ3は、絶対回転位置の値をオフ
セット値としてその後はインクリメンタルな位置指令値
をパルス信号で発生する。
位置サーボはこの位置指令値を受信し、動作している
間はスイッチ4700をS1側へ接続してnXカウンタのカウン
トを位置帰還値として位置をフィードバック制御する。
モータが停止して位置決めされると、スイッチ4700を
S0側に切換えて絶対回転位置を検出する。
このように構成したシステムによれば、次の効果が得
られる。
モータの機構部では、nXレゾルバと1Xレゾルバはモジ
ュール化されていて、モータ・ドライブ・システムがイ
ンクリメンタル方式だけのものでよい場合はnXレゾルバ
のみを取付け、絶対回転位置の検出機能までも必要な場
合はnXレゾルバの他のオプションとして1Xレゾルバを取
付ける構成になっている。このため、インクリメンタル
方式の機構部に簡単な追加を行うだけで絶対回転位置を
検出できるモータ・ドライブ・システムを実現できる。
第53図の破線で囲んだ部分がインクリメンタル方式の
システム構成で、この部分に1Xレゾルバの信号処理回路
と、2つのレゾルバの検出信号の合成回路を追加するだ
けで絶対回転位置を検出できるモータ・ドライブ・シス
テムを実現できる。
また、モータが停止しているときに絶対回転位置を検
出し、モータが回転しているときは検出した絶対回転位
置をオフセットとしてインクリメンタル方式で位置をフ
ィードバック制御しているため、インクリメンタル方式
の位置制御を行いつつ絶対回転位置の検出も行うことも
できる。
本発明にかかるモータ・ドライブ・システムは以上説
明したような構成になっている。
〈効果〉 このようなモータ・ドライブ・システムによれば次の
効果が得られる。
本発明では、センサとして光学式エンコーダと磁気レ
ゾルバを選択でき、これらのセンサは次の構成になって
いる。
光学式エンコーダでは、透光スリットが2列に配列さ
れていて、 (外側の列にある透光スリットと内側の列にある透光ス
リットの個数差) =(モータのロータの歯数) になっている。
磁気レゾルバでは、 (磁気レゾルバのロータの歯数)=(モータのロータの
歯数) になっている。
また、光学式エンコーダ用IDカードは、2つの透光ス
リット列にある透光スリットをそれぞれ通過した光から
得られた2つの回転検出信号を取り出している。磁気レ
ゾルバ用IDカードは、位相変調された検出信号と、位相
変調されない基準信号とを取り出している。
このため、いずれのIDカードでも、取り出した2つの
信号の位相差をカウントすることによって、モータにお
けるロータとステータの歯の位相ずれを検出できる。こ
れによって、共通の位相差カウンタを用いてモータを転
流制御するための信号を得ることができる。
また、位相変調されない信号の周期と、位相変調され
た信号の周期との差を一定周期毎に求め、求めた差を積
算することによりモータの回転位置を算出できる。位相
変調された信号の周期は周期カウンタでカウントでき
る。これによって、共通の周期カウンタを用いてモータ
の回転位置を制御するための信号を得ることができる。
さらに、位相変調された信号の周波数を検出すること
によりモータの回転速度を検出できる。位相変調された
信号の周波数は速度検出手段(F/V変換器)で検出でき
る。これによって、共通の速度検出手段を用いてモータ
の回転速度を制御するための信号を得ることができる。
このことから、本発明では光学式エンコーダと磁気レ
ゾルバを使い分けるときは、IDカードを換えるだけで、
周波数カウンタと位相差カウンタと速度検出手段は共通
に使うことにより、モータの位置制御のための信号と、
速度制御のための信号と、転流制御のための信号とを得
ることができる。すなわち、2種類のセンサを使い分け
るときにIDカードを換えるだけで、3つの制御のための
信号が得られる。
以上のことから、本発明によればセンサとして光学式
エンコーダと磁気レゾルバを使い分けても、モータの位
置制御のための信号と、速度制御のための信号と、転流
制御のための信号とを簡単な回路構成で得られるモータ
・ドライブ・システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかるモータ・ドライブ・システムの
一実施例の概略構成図、第2図は本発明にかかるモータ
・ドライブ・システムの一実施例の具体的構成図、第3
図〜第55図は第2図のシステムの各構成要素の具体的構
成例を示した図である。 1……モータ、108……ロータ、2……センサ、301……
符号板、302,303……透光スリット、304,305……光源、
308,309……イメージセンサ、3081,8088,3091〜3098
……フォトダイオード、401……センサI/F部、402……
磁気レゾルバ用IDカード、403……光学式エンコーダ用I
Dカード、404……計数回路、443……位相差カウンタ、4
44,445……周期カウンタ、470……位置制御部、471……
位置演算手段、472……転流演算手段、490……速度制御
部、491……F/V変換器。
フロントページの続き (72)発明者 菊川 要一 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横 河電機株式会社内 (72)発明者 橋田 茂 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横 河電機株式会社内 (72)発明者 二階堂 光宏 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横 河電機株式会社内 (72)発明者 樋口 治雄 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横 河電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−125153(JP,A) 特開 昭63−190584(JP,A) 実開 平2−17995(JP,U) 特許2547623(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータの回転位置のフィードバック制御
    と、モータの回転速度のフィードバック制御と、モータ
    の転流制御とを行うモータ・ドライブ・システムにおい
    て、 磁気レゾルバまたは光学式エンコーダが選択され、前記
    磁気レゾルバは、位相変調型で、ロータは前記モータの
    ロータと結合されていて歯数はモータのロータの歯数と
    同数で、ロータの回転に応じて位相変調された検出信号
    と、位相変調されない基準信号とを出力する磁気レゾル
    バであり、前記光学式エンコーダは、位相変調型のロー
    タリーエンコーダであって、符号板は前記モータのロー
    タと結合され、この符号板の円周方向に沿って2列に透
    光スリット列が形成され、外側の列にある透光スリット
    と内側の列にある透光スリットとの個数差はモータのロ
    ータの歯数と同数で、各スリット列に対向する位置にス
    リットの1ピッチ内に複数個のフォトダイオードが配列
    されたフォトダイオードアレイがそれぞれ設置され、各
    列に設置されたフォトダイオードの光検出信号を走査す
    ることによって2つの回転検出信号を得る光学式エンコ
    ーダであるセンサと、 前記磁気レゾルバまたは光学式エンコーダが選択的に接
    続され、前記光学式エンコーダで得られた2つの回転検
    出信号を取り出す光学式エンコーダ用IDカードと、前記
    磁気レゾルバが出力した検出信号と基準信号とを取り出
    す磁気レゾルバ用IDカードと、センサとして光学式エン
    コーダが接続された場合は前記光学式エンコーダ用IDカ
    ードで取り出した2つの回転検出信号の位相差をカウン
    トし、磁気レゾルバが接続された場合は前記磁気レゾル
    バ用IDカードで取り出した検出信号と基準信号との位相
    差をカウントする位相差カウンタと、センサとして光学
    式エンコーダが接続された場合は光学式エンコーダ用ID
    カードで取り出した回転検出信号の周期をカウントし、
    磁気レゾルバが接続された場合は前記磁気レゾルバ用ID
    カードで取り出した検出信号の周期をカウントする周期
    カウンタとを有するセンサインタフェイス部と、 位相変調されない信号の周期と、前記周期カウンタでカ
    ウントした位相変調された信号の周期との差を一定周期
    毎に求め、求めた差を積算してモータの回転位置を算出
    する位置演算手段と、 前記磁気レゾルバ用IDカードまたは光学式エンコーダ用
    IDカードで取り出した位相変調された信号の周波数から
    モータの回転速度を検出する速度検出手段と、 前記位相差カウンタのカウントからモータのロータとス
    テータの歯の位相ずれを求めこの位相ずれから転流制御
    のための信号を算出する転流演算手段と、 を具備したことを特徴とするモータ・ドライブ・システ
    ム。
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JP2547623B2 (ja) 1988-09-01 1996-10-23 横河電機株式会社 ダイレクト・ドライブ・モータシステム

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