JP2600811B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP2600811B2
JP2600811B2 JP15496388A JP15496388A JP2600811B2 JP 2600811 B2 JP2600811 B2 JP 2600811B2 JP 15496388 A JP15496388 A JP 15496388A JP 15496388 A JP15496388 A JP 15496388A JP 2600811 B2 JP2600811 B2 JP 2600811B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は触媒コンバータの上流側および下流側に空燃
比センサ(本明細書では、酸素濃度センサ(O2セン
サ))を設けたタブル空燃比センサシステムにおける領
域別(ブロック)学習制御の改良に関する。
〔従来の技術〕
単なる空燃比フィードバック制御(シングルO2センサ
システム)では、酸素濃度を検出するO2センサをできる
だけ燃焼室に近い排気系の箇所、すなわち触媒コンバー
タより上流である排気マニホールドの集合部分に設けて
いるが、O2センサの出力特性のばらつきのために空燃比
の制御精度の改善に支障が生じている。かかるO2センサ
の出力特性のばらつきおよび燃料噴射弁等の部品のばら
つき、経時あるいは経年的変化を補償するために、触媒
コンバータの下流に第2のO2センサを設け、上流側O2
ンサによる空燃比フィードバック制御に加えて下流側O2
センサによる空燃比フィードバック制御を行うダブルO2
センサシステムが既に提案されている(参照:特開昭58
−72647号公報)。このダブルO2センサシステムでは、
触媒コンバータの下流側に設けられたO2センサは、上流
側O2センサに比較して、低い応答速度を有するものの、
次の理由により出力特性のばらつきが小さいという利点
を有している。
(1)触媒コンバータの下流では、排気温が低いので熱
的影響が少ない。
(2)触媒コンバータの下流では、種々の毒が触媒にト
ラップされているので下流側O2センサの被毒量は少な
い。
(3)触媒コンバータの下流では排気ガスは十分に混合
されており、しかも、排気ガス中の酸素濃度は平衡状態
に近い値になっている。
従って、上述のごとく、2つのO2センサの出力にもと
づく空燃比フィードバック制御(ダブルO2センサシステ
ム)により、上流側O2センサの出力特性のばらつきを下
流側O2センサにより吸収できる。実際に、第2図に示す
ように、シングルO2センサシステムでは、O2センサの出
力特性が悪化した場合には、排気エミッション特性に直
接影響するのに対し、ダブルO2センサシステムでは、上
流側O2センサの出力特性が悪化しても、排気エミッショ
ン特性は悪化しない。つまり、ダブルO2センサシステム
においては、下流側O2センサが安定な出力特性を維持し
ている限り、良好な排気エミッションが保証される。
上述のダブルO2センサシステムにおいては、フィード
バック制御時の空燃比補正にかかわる要求レベル(以
下、空燃比要求レベル)が、非フィードバック制御時と
大きく離れることがあり、特に非フィードバック制御時
から前述の2つのO2センサによるフィードバック制御に
入るようなフィードバック開始時点には次のような問題
が発生する。すなわち、この場合、通常、下流側O2セン
サによる空燃比フィードバック制御速度は上流側O2セン
サによる空燃比フィードバック制御速度に比較して小さ
く設定されているので、下流側O2センサによる空燃比フ
ィードバック制御で制御される空燃比制御量たとえばス
キップ量RSR,RSLが要求スキップ量レベルに到達するの
に時間を要し、延いては、空燃比フィードバック制御に
より空燃比が要求制御レベルに到達するのに時間を要
し、この結果、補正不足が生じて、燃費の悪化、ドライ
バビリティの悪化、エミッションの悪化等を招く。
また、空燃比フィードバック制御中にあっても、機関
の状態が異なる運転領域に遷移したときには、やはり空
燃比制御レベルが空燃比要求レベルからずれることがあ
り、この場合にも、補正不足が生じて、燃費の悪化、ド
ライバビリティの悪化、エミッションの悪化等を招く。
たとえば、触媒のO2ストレージ効果に起因し高負荷域
に比べて低負荷域はガス量が小さくなり触媒内に蓄えら
れたO2消費量が少なく、下流側O2センサはリーンを示す
時間が長くなり、この結果、高負荷域と低負荷域とで空
燃比制御量RSR,RSLの値がずれる。これは特にO2ストレ
ージ効果が大きい新品触媒を用いた場合に顕著である。
従って、低負荷域から高負荷域に変化した場合、下流側
O2センサの空燃比フィードバック周期は比較的長い時間
であるため、下流側O2センサによるフィードバック制御
遅れが生じ、空燃比がオーバリッチとなり、燃費、エミ
ッションの悪化等を招く。
このため、本願出願人は、機関の負荷状態たとえば吸
入空気量、吸入空気圧、スロットル弁開度、回転速度、
車速、あるいは上流側O2センサの出力の反転周期等が複
数の区分に分割された運転領域のいずれかに属するかを
判別し、機関の負荷状態が同一の運転領域に属し且つ機
関が学習条件を満足しているときに、空燃比制御量の中
心値を演算し、空燃比制御量の中心値を運転領域毎に記
憶し、そして機関が空燃比フィードバック条件を満足し
ていないときもしくはその後に機関の状態が異なる運転
領域に遷移した時点では、空燃比制御量を現在の運転領
域に記憶された空燃比制御量の中心値に初期化するブロ
ック学習制御を提案している(参照:特開昭62−60941
号公報、特願昭61−241484号、特願昭63−14614号)。
これによれば、下流側O2センサによる空燃比フィードバ
ック制御開始時には、記憶された空燃比制御量の中心値
から開始し、さらに、その後に機関の状態が異なる運転
領域に遷移したときにも、各運転領域毎に記憶された空
燃比制御量の中心値から開始する。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述の運転領域によるブロック学習制
御にあっては、機関の状態が異なる運転領域に遷移後た
だちに当該運転領域の学習値が空燃比制御量として用い
られる。この結果、下流側O2センサの出力がリッチを示
している場合にあって運転領域遷移後の学習値たとえば
リッチスキップ量RSRの学習値RSRG(n)が運転領域遷
移前の学習値RSRG(n0)より大きい場合、触媒がリッチ
状態で移行するために制御空燃比はすぐには理論空燃比
とならず、従って、燃費、HC,COエミッションの悪化を
招く。他方、下流側O2センサの出力がリーンを示してい
る場合にあって運転領域遷移後の学習値RSRG(n)が運
転領域遷移前の学習値RSRG(n0)より小さい場合、触媒
がリーン状態で移行するために制御空燃比はすぐには理
論空燃比とならず、従ってドライバビリティ、NOXエミ
ッションの悪化を招く。
本発明の目的は、運転領域遷移後にあっても、燃費の
悪化、ドライバビリティの悪化、エミッションの悪化等
を十分防止したブロック学習制御システムを提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
上述の課題を解決するための手段は第1図に示され
る。すなわち、内燃機関の排気通路に設けられた三元触
媒CCROと、前記三元触媒CCROの上流側の排気通路に設け
られ、前記機関の空燃比を検出する上流側空燃比センサ
と、前記三元触媒CCROの下流側の排気通路に設けられ、
前記機関の空燃比を検出する下流側空燃比センサと、前
記下流側空燃比センサの出力V2に応じて空燃比制御量を
演算する空燃比制御量演算手段と、前記上流側空燃比セ
ンサの出力V1および前記空燃比制御量に応じて前記機関
の空燃比を調整する空燃比調整手段と、前記機関が前記
空燃比制御量の学習条件を満足しているか否かを判別す
る学習条件判別手段と、前記機関の運転状態が複数の区
分に分割された運転領域のいずれに属するかを判別する
運転領域判別手段と、前記機関が前記学習条件を満足し
ているときに前記機関の運転状態の属する運転領域毎に
前記空燃比制御量の中心値を演算し、該空燃比制御量の
中心値を前記運転領域毎に学習値として記憶する学習手
段と、を備えた内燃機関の空燃比制御装置において、さ
らに、前記機関の運転状態がある運転状態から異なる運
転領域に遷移したときには前記空燃比制御量を遷移後の
運転領域に対応する学習値に初期化するとともに、前記
下流側空燃比センサの現在の出力V2がリッチでありかつ
遷移後の運転領域に対応する学習値が現在の空燃比をリ
ッチ側に制御するものであるときには該初期化を前記下
流側空燃比センサの出力V2がリーンとなるまで遅延させ
る学習値移行手段を、または、前記機関の運転状態があ
る運転領域から異なる運転領域に遷移したときには前記
空燃比制御量を遷移後の運転領域に対応する学習値に初
期化するとともに、前記下流側空燃比センサの現在の出
力V2がリーンでありかつ遷移後の運転領域に対応する学
習値が現在の空燃比をリーン側に制御するものであると
きには該初期化を前記下流側空燃比センサの出力V2がリ
ッチとなるまで遅延させる学習値移行手段を具備するも
のである。
〔作用〕
上述の手段によれば、下流側空燃比センサの出力V2
リッチの場合であれば制御空燃比はリーン状態に移行す
るように制御されるが、このとき、運転領域が遷移して
遷移後の運転領域に対応する学習値が現在の空燃比をリ
ッチ側に制御するものであるときには空燃比制御量の遷
移後の運転領域に対応する学習値への初期化を下流側空
燃比センサの出力V2がリーンとなるまで遅延させる。こ
の結果、運転領域の遷移に伴う空燃比制御量のリッチ側
への補正が防止され、制御空燃比の理論空燃比への収束
を早めることができる。
他方、下流側空燃比センサの出力V2がリーンの場合で
あれば制御空燃比はリッチ状態に移行するように制御さ
れるが、このとき、運転領域が遷移して遷移後の運転領
域に対応する学習値が現在の空燃比をリーン側に制御す
るものであるときには空燃比制御量の遷移後の運転領域
に対応する学習値への初期化を下流側空燃比センサの出
力V2がリッチとなるまで遅延させる。この結果、運転領
域の遷移に伴う空燃比制御量のリーン側への補正が防止
され、制御空燃比の理論空燃比への収束を早めることが
できる。
〔実施例〕
第3図は本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置の一
実施例を示す全体概要図である。第3図において、機関
本体1の吸気通路2にはエアフローメータ3が設けられ
ている。エアフローメータ3は吸入空気量を直接計測す
るものであって、ポテンショメータを内蔵して吸入空気
量に比例したアナログ電圧の出力信号を発生する。この
出力信号は制御回路10のマルチプレクサ内蔵A/D変換器1
01に供給されている。ディストリビュータ4には、その
軸がたとえばクランク角に換算して720゜毎に基準位置
検出用パルス信号を発生するクランク角センサ5および
クランク角に換算して30゜毎に基準位置検出用パルス信
号を発生するクランク角センサ6が設けられている。こ
れらクランク角センサ5,6のパルス信号は制御回路10の
入出力インターフェイス102に供給され、このうち、ク
ランク角センサ6の出力はCPU103の割込み端子に供給さ
れる。
さらに、吸気通路2には各気筒毎に燃料供給系から加
圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴射弁7が設
けられている。
また、機関本体1のシリンダブロックのウォータジャ
ケット8には、冷却水の温度を検出するための水温セン
サ9が設けられている。水温センサ9は冷却水の温度TH
Wに応じたアナログ電圧の電気信号を発生する。この出
力もA/D変換器101に供給されている。
排気マニホールド11より下流の排気系には、排気ガス
中の3つの有害成分HC,CO,NOXを同時に浄化する三元触
媒を収容する触媒コンバータ12が設けられている。
排気マニホールド11には、すなわち触媒コンバータ12
の上流側には第1のO2センサ13が設けられ、触媒コンバ
ータ12の下流側の排気管14には第2のO2センサ15が設け
られている。O2センサ13,15は排気ガス中の酸素成分濃
度に応じた電気信号を発生する。すなわち、O2センサ1
3,15は空燃比が理論空燃比に対してリーン側かリッチ側
かに応じて、異なる出力電圧を制御回路10でA/D変換器1
01に発生する。
また、吸気通路2のスロットル弁16には、スロットル
弁16が全閉か否かを検出するためのアイドルスイッチ17
が設けられており、この出力信号は制御回路10の入出力
インターフェイス102に供給される。
18は車速センサ、たとえば永久磁石とリードスイッチ
より構成されたものであって、その出力は制御回路10の
車速形成回路111に送出される。
制御回路10は、たとえばマイクロコンピュータとして
構成され、A/D変換器101、入出力インターフェイス102,
CPU103、車速形成回路111の外にROM104,RAM105、バック
アップRAM106、クロック発生回路107等が設けられてい
る。
また、制御回路10において、ダウンカウンタ108、フ
リップフロップ109、および駆動回路110は燃料噴射弁7
を制御するためのものである。すなわち、後述のルーチ
ンにおいて、燃料噴射量TAUが演算されると、燃料噴射
量TAUがダウンカウンタ108にプリセットされると共にフ
リップフロップ109もセットされる。この結果、駆動回
路110が燃料噴射弁7の付勢を開始する。他方、ダウン
カウンタ108がクロック信号(図示せず)を計数して最
後にそのキャリアウト端子が“1"レベルとなったとき
に、フリップフロップ109がリセットされて駆動回路110
は燃料噴射弁7の付勢を停止する。つまり、上述の燃料
噴射量TAUだけ燃料噴射弁7は付勢され、従って、燃料
噴射量TAUに応じた量の燃料が機関本体1の燃焼室に送
り込まれることになる。
なお、CPU103の割込み発生は、A/D変換器101のA/D変
換終了時、入出力インターフェイス102がクランク角セ
ンサ6のパルス信号を受信した時、クロック発生回路10
7からの割込信号を受信した時、等である。
エアフローメータ3の吸入空気量データQおよび冷却
水温データTHWは所定時間毎に実行されるA/D変換ルーチ
ンによって取込まれてRAM105の所定領域に格納される。
つまり、RAM105におけるデータQおよびTHWは所定時間
毎に更新されている。また、回転速度データNeはクラン
ク角センサ6の30゜CA毎に割込みによって演算されてRA
M105の所定領域に格納される。
第4図は上流側O2センサ13の出力にもとづいて空燃比
補正係数FAFを演算する第1の空燃比フィードバック制
御ルーチンであって、所定時間たとえば4ms毎に実行さ
れる。
ステップ401では、上流側O2センサ13による空燃比の
閉ループ(フィードバック)条件が成立しているか否か
を判別する。たとえば、冷却水温が所定値以下の時、機
関始動中、始動後増量中、暖機増量中、パワー増量中、
触媒過熱防止のためOTP増量中、上流側O2センサ13の出
力信号が一度も反転していない時、燃料カット中等はい
ずれも閉ループ条件が不成立であり、その他の場合が閉
ループ条件成立である。閉ループ条件が不成立のときに
は、ステップ427に進んでFAFを閉ループ制御終了直前値
とする。なお、一定値たとえば1.0としてもよい。他
方、閉ループ条件成立の場合はステップ402に進む。
ステップ402では、上流側O2センサ13の出力V1をA/D変
換して取込み、ステップ403にてV1が比較電圧VR1たとえ
ば0.45V以下か否かを判別する、つまり、空燃比がリッ
チかリーンかを判別する。空燃比がリーン(V1≦VR1
であれば、ステップ404にてディレイカウンタCDLYが負
か否かを判別し、CDLY>0であればステップ405にてCDL
Yを0とし、ステップ406に進む。ステップ406では、デ
ィレイカウンタCDLYを1減算し、ステップ407,408にて
ディレイカウンタCDLYを最小値TDLでガードする。この
場合、ディレイカウンタCDLYが最小値TDLに到達したと
きにはステップ409にて第1の空燃比フラグF1を“0"
(リーン)とする。なお、最小値TDLは上流側O2センサ1
3の出力においてリッチからリーンへの変化があっても
リッチ状態であるとの判断を保持するためのリーン遅延
状態であって、負の値で定義される。他方、リッチ(V1
>VR1)であれば、ステップ410にてディレイカウンタCD
LYが正か否かを判別し、CDLY<0であればステップ411
にてCDLYを0とし、ステップ412に進む。ステップ412で
はディレイカウンタCDLYを1加算し、ステップ413,414
にてディレイカウンタCDLYを最大値TDRでガードする。
この場合、ディレイカウンタCDLYが最大値TDRに到達し
たときにはステップ415にて第1の空燃比フラグF1を
“1"(リッチ)とする。なお、最大値TDRは上流側O2
ンサ13の出力においてリーンからリッチへの変化があっ
てもリーン状態であるとの判断を保持するためのリッチ
遅延時間であって、正の値で定義される。
ステップ416では、第1の空燃比フラグF1の符号が反
転したか否かを判別する、すなわち遅延処理後の空燃比
が反転したか否かを判別する。空燃比が反転していれ
ば、ステップ417にて、第1の空燃比フラグF1の値によ
り、リッチからリーンの反転か、リーンからリッチへの
反転かを判別する。リッチからリーンへの反転であれ
ば、ステップ418にてFAF←FAF+RSRとスキップ的に増大
させ、逆に、リーンからリッチへの反転であれば、ステ
ップ419にて、FAF←FAF−RSLとスキップ的に減少させ
る。つまり、スキップ処理を行う。
ステップ416にて第1の空燃比フラグF1の符号が反転
していなければ、ステップ420,421,422にて積分処理を
行う。つまり、ステップ420にて、F1=“0"か否かを判
別し、F1=“0"(リーン)であればステップ421にてFAF
←FAF+KIRとし、他方、F1=“1"(リッチ)であればス
テップ422にてFAF←FAF−KILとする。ここで、積分定数
KIR,KILはスキップ量RSR,RSLに比して十分小さく設定し
てあり、つまり、KIR(KIL)<RSR(RSL)である。従っ
て、ステップ421はリーン状態(F1=“0")で燃料噴射
量を徐々に増大させ、ステップ422はリッチ状態(F1=
“1")で燃料噴射量を徐々に減少させる。
ステップ418,419,421,422にて演算された空燃比補正
係数FAFはステップ423,424にて最小値たとえば0.8にて
ガードされ、また、ステップ425,426にて最大値たとえ
ば1.2にてガードされる。これにより、何らかの原因で
空燃比補正係数FAFが大きくなり過ぎ、もしくは小さく
なり過ぎた場合に、その値で機関の空燃比を制御してオ
ーバリッチ、オーバリーンになるので防ぐ。
上述のごとく演算されたFAFをRAM105に格納して、ス
テップ427にてこのルーチンは終了する。
第5図は第4図のフローチャートによる動作を補足説
明するタイミング図である。上流側O2センサ13の出力に
より第5図(A)に示すごとくリッチ、リーン判別の空
燃比信号A/Fが得られると、ディレイカウンタCDLYは、
第5図(B)に示すごとく、リッチ状態でカウントアッ
プされ、リーン状態でカウントダウンされる。この結
果、第5図(C)に示すごとく、遅延処理された空燃比
信号A/F′(フラグF1に相当)が形成される。たとえ
ば、時刻t1にて空燃比信号A/Fがリーンからリッチに変
化しても、遅延処理された空燃比信号A/F′はリッチ遅
延時間TDRだけリーンに保持された後に時刻t2にてリッ
チに変化する。時刻t3にて空燃比信号A/Fがリッチから
リーンに変化しても、遅延処理された空燃比信号A/F′
はリーン遅延時間(−TDL)相当だけリッチに保持され
た後に時刻t4にてリーンに変化する。しかし空燃比信号
A/Fが時刻t5,t6,t7のごとくリッチ遅延時間TDRより短い
期間で反転すると、ディレイカウンタCDLYが最大値TDR
に到達するのに時間を要し、この結果、時刻t8にて遅延
処理後の空燃比信号A/F′が反転される。つまり、遅延
処理後の空燃比信号A/F′は遅延処理前の空燃比信号A/F
に比べて安定となる。このように遅延処理後の安定した
空燃比信号A/F′にもとづいて第5図(D)に示す空燃
比補正係数FAFが得られる。
次に、下流側O2センサ15による第2の空燃比フィード
バック制御について説明する。第2の空燃比フィードバ
ック制御としては、第1の空燃比フィードバック制御定
数としてのスキップ量RSR,RSL、積分定数KIR,KIL、遅延
時間TDR,TDL、もしくは上流側O2センサ13の出力V1の比
較電圧VR1を可変にするシステムと、第2の空燃比補正
係数FAF2を導入するシステムとがある。
たとえば、リッチスキップ量RSRを大きくすると、制
御空燃比をリッチ側に移行でき、また、リーンスキップ
量RSLを小さくしても制御空燃比をリッチ側に移行で
き、他方、リーンスキップ量RSLを大きくすると、制御
空燃比をリーン側に移行でき、また、リッチスキップ量
RSRを小さくしても制御空燃比をリーン側に移行でき
る。従って、下流側O2センサ15の出力に応じてリッチス
キップ量RSRおよびリーンスキップ量RSLを補正すること
により空燃比が制御できる。また、リッチ積分定数KIR
を大きくすると、制御空燃比をリッチ側に移行でき、ま
た、リーン積分定数KILを小さくしても制御空燃比をリ
ッチ側に移行でき、他方、リーン積分定数KILを大きく
すると、制御空燃比をリーン側に移行でき、また、リッ
チ積分定数KIRを小さくしても制御空燃比をリーン側に
移行できる。従って、下流側O2センサ15の出力に応じて
リッチ積分定数KIRおよびリーン積分定数KILを補正する
ことにより空燃比が制御できる。リッチ遅延時間TDRを
大きくもしくはリーン遅延時間(−TDL)を小さく設定
すれば、制御空燃比はリッチ側に移行でき、逆に、リー
ン遅延時間(−TDL)を大きくもしくはリッチ遅延時間
(TDR)を小さく設定すれば、制御空燃比はリーン側に
移行できる。つまり、下流側O2センサ15の出力に応じて
遅延時間TDR,TDLを補正することにより空燃比が制御で
きる。さらにまた、比較電圧VR1を大きくすると制御空
燃比をリッチ側に移行でき、また、比較電圧VR1を小さ
くすると制御空燃比をリーン側に移行できる。従って、
下流側O2センサ15の出力に応じて比較電圧VR1を補正す
ることにより空燃比が制御できる。
これらのスキップ量、積分定数、遅延時間、比較電圧
を下流側O2センサによって可変とすることはそれぞれに
長所がある。たとえば、遅延時間は非常に微妙な空燃比
の調整が可能であり、また、スキップ量は、遅延時間の
ように空燃比のフィードバック周期を長くすることなく
レスポンスの良い制御が可能である。従って、これら可
変量は当然2つ以上組み合わされて用いられ得る。
次に、空燃比フィードバック制御定数としてのスキッ
プ量を可変にしたダブルO2センサシステムについて説明
する。
第6図は下流側O2センサ15の出力にもとづいてスキッ
プ量RSR,RSLを演算する第2の空燃比フィードバック制
御ルーチンであって、所定時間たとえば512ms毎に実行
される。
ステップ601では、車速形成回路111より車速データSP
Dを取込み、 n←SPD/ΔSPD ただし、ΔSPDは一定値 を演算する。なお、nは整数であり、SPD/ΔSPDの小数
点以下は切捨てられるものとする。このようにして、車
速SPDが のいずれに属するか否かを判別する。なお、ステップ60
1における車速SPDはそのなまし値としてもよい。
ステップ602〜606では、下流側O2センサ15による閉ル
ープ条件か否かを判別する。たとえば、上流側O2センサ
13による閉ループ条件の不成立(ステップ602)に加え
て、冷却水温THWが所定値(たとえば70℃)以下のとき
(ステップ603)、スロットル弁16が全閉(LL=“1")
のとき(ステップ604)、下流側O2センサ15が活性化し
ていないとき(ステップ605)、軽負荷のとき(Q/Ne≦X
1)(ステップ606)、等が閉ループ条件が不成立であ
り、その他の場合が閉ループ条件成立である。閉ループ
条件がなければステップ622に進む。
閉ループ条件が満たされていれば、ステップ607に進
む。すなわち、今回の運転領域nと前回の運転領域n0
が同一か否かを判別する。この結果、車速SPDの領域n
が遷移したときにはステップ608にて学習値移行フラグF
D1をセットし、ステップ617に進む。また、車速SPDの領
域nが同一であれば(n=n0)、ステップ609にて学習
値移行フラグFD1が“1"か否かを判別し、FD1が“1"であ
ればやはりステップ617に進み、他の場合、すなわち、
車速SPDが同一領域(n=n0)且つ学習値移行フラグFD1
が“0"のときのみ、ステップ610〜616に進む。
ステップ610では、下流側O2センサ15の出力V2をA/D変
換して取込み、ステップ611にてV2が比較電圧VR2たとえ
ば0.55V以下か否かを判別する。つまり、空燃比がリッ
チかリーンかを判別する。なお、比較電圧VR2は触媒コ
ンバータ12の上流、下流で生ガスの影響による出力特性
が異なることおよび劣化速度が異なること等を考慮して
上流側O2センサ13の出力の比較電圧VR1より高く設定さ
れる。この結果、V2≦VR2(リーン)であれば、ステッ
プ612にて第2の空燃比フラグF2を“0"とし、他方、V2
>VR2(リッチ)であればステップ613にて第2の空燃比
フラグF2を“1"とする。次に、ステップ614では、第2
の空燃比フラグF2が反転したか否かを判別する。この結
果、反転していれば、ステップ615にて学習条件が成立
しているか(学習実行フラグFG=“1")か否かを判別
し、学習条件が成立していればステップ616にて学習制
御を行う。なお、学習実行フラグFGおよび学習ステップ
616については後述する。
学習値移行ステップ617は、遷移後の領域nの学習値R
SRG(n)をリッチスキップ量RSRとして移行(初期化)
するものであるが、下流側O2センサ15の出力V2、および
遷移前の領域n0の学習値RSRG(n0)、遷移後の領域nの
学習値RSRG(n)の値に応じてその移行をたとえば下流
側O2センサ15の出力V2の反転まで遅延させるものであ
る。なお、ステップ617についても後述する。ステップ6
18〜620は積分制御を行う。すなわち、ステップ618にて
下流側O2センサ15の出力V2がリーンかリッチかを判別す
る。この結果、リーンであれば(F2=“0")、ステップ
619にてリッチスキップ量RSRを比較的小さい値ΔRSだけ
増加させ、他方、リッチであれば(F2=“1")ステップ
620にてリッチスキップ量RSRを値ΔRSだけ減少させる。
なお、ステップ619,620での積分量ΔRSは異ならせても
よく、可変としてもよい。ステップ621、上述のごとく
演算さたRSRのガード処理を行うものであり、たとえば
最小値MIN=2.5%、最大値MAX=7.5%にてガードする。
なお、最小値MINは過渡追従性がそこなわれないレベル
の値であり、また、最大値MAXは空燃比変動によりドラ
イバビリティの悪化が発生しないレベルである。
ステップ623では、リーンスキップ量RSLを、 RSL→10%−RSR にて演算する。つまり、RSR+RSL=10%である。
ステップ624では次の実行に備え、領域nをn0とす
る。
上述のごとく演算されたRSRはRAM105に格納された後
に、ステップ625にてこのルーチンは終了する。
他方、ステップ622では、リッチスキップ量RSRをバッ
クアップRAM106の該当領域nの学習値RSRG(n)とす
る。
第7図は第6図の学習値移行ステップ617の詳細を示
すルーチンである。なお、フラグFD2は下流側O2センサ1
5の出力V2がリーンを継続する方向にある場合に学習値R
SRG(n)のリッチスキップ量RSRへの移行(初期化)を
遅延させるためのものであり、また、フラグFD3は下流
側O2センサ15の出力V2がリッチを継続する方向にある場
合に学習値RSRG(n)のリッチスキップ量RSRへの移行
(初期化)を遅延させるためのものであり、共に、図示
しないイニシャルルーチンでリセットされているものと
する(FD2=FD3=“0")。
ステップ701では、下流側O2センサ15の出力V2をA/D変
換して取込み、ステップ702にてV2が比較電圧VR2以下か
否かを判別する。この結果、V2≦VR2(リーン)であれ
ば、ステップ703にて第3の空燃比フラグF3を“0"と
し、他方、V2>VR2(リッチ)であればステップ704にて
第3の空燃比フラグF3を“1"とする。
ステップ705では、第3の空燃比フラグのF3により下
流側O2センサ15の出力V2がリーンを示しているかリッチ
を示しているかを判別する。この結果、リーンであれば
FD3="0"であるのでステップ706を介してステップ707に
進み、他方、リッチであればFD2=“0"であるのでステ
ップ709を介してステップ710に進む。
ステップ707では、遷移後の領域nの学習値RSRG
(n)が遷移前の領域n0の学習値RSRG(n0)より小さい
か否か、すなわち、下流側O2センサ15の出力V2がリーン
を示しているにも係わらず、さらに、下流側O2センサ15
の出力V2がリーン傾向となるか否かを判別する。この結
果、下流側O2センサ15の出力V2のリーン傾向が維持され
る方向にあればステップ708にて学習値RSRG(n)の移
行を遅延させるために遅延フラグFD2をセットする。こ
れにより、下流側O2センサ15の出力V2のリーン化傾向を
阻止する。他方、下流側O2センサ15の出力V2がリッチに
反転する方向にあればステップ712に進み、ただちにリ
ッチスキップ量RSRを学習値RSRG(n)に移行(初期
化)する。すなわち、 RSR←RSRG(n) とする。そして、各フラグFD1,FD2,FD3をステップ713に
てクリアして車速SPDの領域遷移に伴う学習値移行を終
了する。
ステップ708にて遅延フラグFD2がセットされた後に、
この遅延フラグFD2のリセットはステップ713によって行
われる。すなわち、下流側O2センサ15の出力V2がリーン
からリッチへ反転したことによって行われ、ステップ71
2にて学習値への移行(初期化)が実行される。
また、ステップ709では、遷移後の領域nの学習値RSR
G(n)が遷移前の領域n0の学習値RSRG(n0)より大き
いか否か、すなわち、下流側O2センサ15の出力V2がリッ
チを示しているにも係わらず、さらに、下流側O2センサ
15の出力V2がリッチ傾向となるか否かを判別する。この
結果、下流側O2センサ15の出力V2のリッチ傾向が維持さ
れる方向にあればステップ711にて学習値RSRG(n)の
移行を遅延させるために遅延フラグFD3をセットする。
これにより、下流側O2センサ15の出力V2のリッチ化傾向
を阻止する。他方、下流側O2センサ15の出力V2がリーン
に反転する方向にあればステップ712に進み、ただちに
学習値RSRG(n)を移行させる。すなわち、 RSR←RSRG(n) とする。そして、各フラグFD1,FD2,FD3をステップ713に
てクリアして車速SPDの領域遷移に伴う学習値移行を終
了する。
ステップ711にて遅延フラグFD3がセットされた後に、
この遅延フラグFD3のリセットはステップ713によって行
われる。すなわち、下流側O2センサ15の出力V2がリッチ
からリーンへ反転したことによって行われ、ステップ71
2にて学習値への移行(初期化)が実行される。
そして、ステップ714にてこのルーチンは終了する。
第7図のルーチンを第8図によって補足説明すると、
時刻t1において、車速SPDの領域がn0からnへ遷移した
場合を想定する。このとき、第6図のステップ608によ
って学習値移行フラグFD1がセットされ、以後、移行
(初期化)が完了するまでは、ステップ617である第7
図のルーチンが実行されることになる。この場合、下流
側O2センサ15の出力V2はリッチであり、また、遷移後の
学習値RSRG(n)は遷移前の学習値RSRG(n0)より大き
く、従って、学習値RSRG(n)をただちに移行すると、
下流側O2センサ15の出力V2はさらにリッチ側に制御され
る方向にある。従って、ステップ701,709,710を介して
ステップ711にて遅延フラグFD3をセットし、学習値RSRG
(n)の移行を下流側O2センサ15の出力V2のリッチから
リーンへの反転時期t2まで遅延する。これにより、下流
側O2センサ15の出力V2のリッチ側への制御すなわち触媒
下流の空燃比のリッチ継続(触媒の酸素欠乏状態)が阻
止される。この結果、制御空燃比は迅速に理論空燃比に
向かうことになる。
次に、第6図の学習実行フラグFGおよび学習制御ステ
ップ616について説明する。
第9図は学習実行フラグFGを設定するためのルーチン
であって、所定時間たとえば512ms毎にもしくは所定ク
ランク角たとえば180゜CA毎に実行される。ステップ901
〜905は第6図のステップ602〜606にそれぞれ対応して
同一であるが、ステップ902だけ異なる。すなわち、ス
テップ902では冷却水温THWが所定範囲たとえば 70℃<THW<90℃ か否かを判別する。すなわち、安定な冷却水温を判別す
る。
ステップ901〜905の条件がすべて満足された場合のみ
ステップ906に進む。
ステップ906にて吸入空気量データQの時間当りもし
くはクランク角当り変化量ΔQが一定値A未満か否かを
判別し、この結果、ΔQ≧Aのときにはステップ909に
てカウンタCΔQをクリアし、ΔQ<Aのときには、ス
テップ907にてカウンタCΔQをカウントアップし、ス
テップ908にてCΔQ>B(一定値)のときのみステッ
プ910にて学習実行フラグFGを“1"とし、その他の場合
には、ステップ911にて学習実行フラグFGを“0"とす
る。なお、カウンタCΔQはある最大値にてガードされ
る。そして、このルーチンはステップ912にて終了す
る。
このように、上流側O2センサ13による空燃比フィード
バック制御、および下流側O2センサ15による空燃比フィ
ードバック制御が行われている条件のもとで、冷却水温
THWにより条件を限定し、さらに吸入空気量変化ΔQが
一定値より小さい安定な状態が一定時間持続したときの
み、学習実行フラグFGを“1"として、学習制御が実行さ
れることになる。
第10図は第6図の学習ステップ616の詳細なフローチ
ャートである。このルーチンは、上述のごとく、下流側
O2センサ15の出力V2が反転したときにあって、学習条件
が満たされたときに実行される。なお、この学習ステッ
プでは、下表のごとく、各領域n毎に学習値を演算しバ
ックアップRAM106に格納する。
ステップ1001では、今回のリッチスキップ量RSRと前
回のリッチスキップ量RSR0との平均値▲▼を演算
し、すなわち、 ▲▼←(RSR+RSR0)/2 とし、ステップ1002にて、現在の領域nのリッチスキッ
プ量の学習値RSRG(n)を平均値▲▼にてなま
す。すなわち、 とする。そして、ステップ1003にて、学習値RSRG(n)
をバックアップRAM106の該当領域に格納する。
ステップ1004では、次の実行に備え、RSRをRSR0と
し、ステップ1005にてこのルーチンは終了する。
第11図は噴射量演算ルーチンであって、所定クランク
角毎たとえば、360゜CA毎に実行される。ステップ1101
では、RAM105により吸入空気量データQおよび回転速度
データNeを読出して基本噴射量TAUPを演算する。たとえ
ば、TAUP←α・Q/Ne(αは定数)とする。ステップ1102
にてRAM105より冷却水温データTHWを読出してROM104に
格納された1次元マップにより暖機増量値FWLを補間計
算する。この暖機増量値FWLは、図示のごとく、現在の
冷却水温THWが上昇するに従って小さくなるように設定
されている。ステップ1103では、最終噴射量TAUを、TAU
←TAUP・FAF・(FWL+β)+γにより演算する。なお、
β,γは他の運転状態パラメータによって定まる補正量
であり、たとえば図示しないスロットル位置センサから
の信号、あるいは吸気温センサからの信号、バッテリ電
圧等により決められる補正量であり、これらもRAM105に
格納されている。次いで、ステップ1104にて、噴射量TA
Uをダウンカウンタ108にセットすると共にフリップフロ
ップ109をセットして燃料噴射を開始させる。そして、
ステップ1105にてこのルーチンは終了する。なお、上述
のごとく、噴射量TAUに相当する時間が経過すると、ダ
ウンカウンタ108のキャリアウト信号によってフリップ
フロップ109がリセットされて燃料噴射は終了する。
なお、各車速領域は一定値ΔSPDによる等間隔で区分
する必要はなく、不等間隔区分でもよい。また、他のパ
ラメータたとえば吸入空気量、吸入空気圧、スロットル
弁開度、回転速度、一回転当りの吸入空気量(Q/Ne)、
上流側O2センサの出力の反転周期量等により領域分けを
行ってもよい。
さらに、第1の空燃比フィードバック制御は4ms毎
に、また、第2の空燃比フィードバック制御は512ms毎
に行われるのは、空燃比フィードバック制御の応答性の
良い上流側O2センサによる制御を主にして行い、応答性
の悪い下流側O2センサによる制御を従にして行うためで
ある。
また、上流側O2センサによる空燃比フィードバック制
御における他の制御定数、たとえば遅延時間、積分定
数、上流側O2センサの比較電圧(参照:特開昭55−3756
2号公報)等を下流側O2センサの出力により補正するダ
ブルO2センサシステムあるいは第2の空燃比補正係数を
導入したダブルO2センサシステムにも、本発明を適用し
得る。
また、吸入空気量センサとして、エアフローメータの
代りに、カルマン渦センサ、ヒートワイヤーセンサ等を
用いることもできる。
さらに、上述の実施例では、吸入空気量および機関の
回転速度に応じて燃料噴射量を演算しているが、吸入空
気圧および機関の回転速度、もしくはスロットル弁開度
および機関の回転速度に応じて燃料噴射量を演算しても
よい。
さらに、上述の実施例では、燃料噴射量により吸気系
への燃料噴射量を制御する内燃機関を示したが、キャブ
レタ式内燃機関にも本発明を適用し得る。たとえば、エ
レクトリック・エア・コントロールバルブ(EACV)によ
り機関の吸入空気量を調整した空燃比を制御するもの、
エレクトリック・ブリード・エア・コントロールバルブ
によりキャブレタのエアブリード量を調整してメイン系
通路およびスロー系通路への大気の導入により空燃比を
制御するもの、機関の排気系へ送りこまれる2次空気量
を調整するもの、等に本発明を適用し得る。この場合に
は、ステップ1101における基本噴射量TAUP相当の基本燃
料噴射量がキャブレタ自身によって決定され、すなわ
ち、吸入空気量に応じた吸気管負圧と機関の回転速度に
応じて決定され、ステップ1103にて最終燃料噴射量TAU
に相当する供給空気量が演算される。
さらに、上述の実施例では、空燃比センサとしてO2
ンサを用いたが、COセンサ、リーンミクスチャセンサ等
を用いることもできる。
さらに、上述の実施例はマイクロコンピュータすなわ
ちディジタル回路によって構成されているが、アナログ
回路により構成することもできる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、運転領域の遷移
後による制御空燃比のリーン、リッチの継続時間を短か
くでき、理論空燃比を迅速に得ることができ、この結
果、燃費の悪化、ドライバビリティの悪化、エミッショ
ンの悪化、等を防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を説明するための全体ブロック
図、 第2図はシングルO2センサシステムおよびダブルO2セン
サシステムを説明する排気エミッション特性図、 第3図は本発明に係る内燃機関の空燃比制御装置の一実
施例を示す全体概略図、 第4図、第6図、第7図、第9図、第10図、第11図は第
3図の制御回路の動作を説明するためのフローチャー
ト、 第5図、第8図は、それぞれ第4図、第7図のフローチ
ャートを補足説明するためのタイミング図である。 1……機関本体、3……エアフローメータ、 4……ディストリビュータ、 5,6……クランク角センサ、 10……制御回路、12……触媒コンバータ、 13……上流側O2センサ、 15……下流側O2センサ、 17……アイドルスイッチ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気通路に設けられた三元触媒
    と、 前記三元触媒の上流側の排気通路に設けられ、前記機関
    の空燃比を検出する上流側空燃比センサと、 前記三元触媒の下流側の排気通路に設けられ、前記機関
    の空燃比を検出する下流側空燃比センサと、 前記下流側空燃比センサの出力に応じて空燃比制御量を
    演算する空燃比制御量演算手段と、 前記上流側空燃比センサの出力および前記空燃比制御量
    に応じて前記機関の空燃比を調整する空燃比調整手段
    と、 前記機関が前記空燃比制御量の学習条件を満足している
    か否かを判別する学習条件判別手段と、 前記機関の運転状態が複数の区分に分割された運転領域
    のいずれに属するかを判別する運転領域判別手段と、 前記機関が前記学習条件を満足しているときに前記機関
    の運転状態の属する運転領域毎に前記空燃比制御量の中
    心値を演算し、該空燃比制御量の中心値を前記運転領域
    毎に学習値として記憶する学習手段と、を備えた内燃機
    関の空燃比制御装置において、 前記機関の運転状態がある運転状態から異なる運転状態
    に遷移したときには前記空燃比制御量を遷移後の運転領
    域に対応する学習値に初期化するとともに、前記下流側
    空燃比センサの現在の出力がリッチでありかつ遷移後の
    運転領域に対応する学習値が現在の空燃比をリッチ側に
    制御するものであるときには該初期化を前記下流側空燃
    比センサの出力がリーンとなるまで遅延させる学習値移
    行手段をさらに具備することを特徴とする内燃機関の空
    燃比制御装置。
  2. 【請求項2】内燃機関の排気通路に設けられた三元触媒
    と、 前記三元触媒の上流側の排気通路に設けられ、前記機関
    の空燃比を検出する上流側空燃比センサと、 前記三元触媒の下流側の排気通路に設けられ、前記機関
    の空燃比を検出する下流側空燃比センサと、 前記下流側空燃比センサの出力に応じて空燃比制御量を
    演算する空燃比制御量演算手段と、 前記上流側空燃比センサの出力および前記空燃比制御量
    に応じて前記機関の空燃比を調整する空燃比調整手段
    と、 前記機関が前記空燃比制御量の学習条件を満足している
    か否かを判別する学習条件判別手段と、 前記機関の運転状態が複数の区分に分割された運転領域
    のいずれに属するかを判別する運転領域判別手段と、 前記機関が前記学習条件を満足しているときに前記機関
    の運転状態の属する運転領域毎に前記空燃比制御量の中
    心値を演算し、該空燃比制御量の中心値を前記運転領域
    毎に学習値として記憶する学習手段と、を備えた内燃機
    関の空燃比制御装置において、 前記機関の運転状態がある運転状態から異なる運転状態
    に遷移したときには前記空燃比制御量を遷移後の運転領
    域に対応する学習値に初期化するとともに、前記下流側
    空燃比センサの現在の出力がリーンでありかつ遷移後の
    運転領域に対応する学習値が現在の空燃比をリーン側に
    制御するものであるときには該初期化を前記下流側空燃
    比センサの出力がリッチとなるまで遅延させる学習値移
    行手段をさらに具備することを特徴とする内燃機関の空
    燃比制御装置。
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