JP2600374B2 - 耐食性および磁気特性に優れた希土類―B―Fe系焼結磁石の製造方法 - Google Patents
耐食性および磁気特性に優れた希土類―B―Fe系焼結磁石の製造方法Info
- Publication number
- JP2600374B2 JP2600374B2 JP1119989A JP11998989A JP2600374B2 JP 2600374 B2 JP2600374 B2 JP 2600374B2 JP 1119989 A JP1119989 A JP 1119989A JP 11998989 A JP11998989 A JP 11998989A JP 2600374 B2 JP2600374 B2 JP 2600374B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- magnetic properties
- corrosion resistance
- rare earth
- sintered magnet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
- Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、耐食性にすぐれ、同時に磁気特性の優れ
た、Yを除く希土類元素のうち少なくとも1種(以下、
Rで示す)、BおよびFeを必須成分とする焼結磁石の製
造方法に関するものである。
た、Yを除く希土類元素のうち少なくとも1種(以下、
Rで示す)、BおよびFeを必須成分とする焼結磁石の製
造方法に関するものである。
〔従来の技術〕 近年、従来のSm−Co系磁石に比較し、より高い磁気特
性を有し、かつ、資源的にも高価なSmやCoを必ずしも含
まないNd−B−Fe系永久磁石が発明された。このNd−B
−Fe系永久磁石の製造方法は、まず原料粉末を溶解、鋳
造し、得られた合金インゴットを粉砕し、必要に応じて
磁界を印加しながらプレス成形し、さらに焼結するもの
である。
性を有し、かつ、資源的にも高価なSmやCoを必ずしも含
まないNd−B−Fe系永久磁石が発明された。このNd−B
−Fe系永久磁石の製造方法は、まず原料粉末を溶解、鋳
造し、得られた合金インゴットを粉砕し、必要に応じて
磁界を印加しながらプレス成形し、さらに焼結するもの
である。
しかし、このNd−B−Fe系永久磁石は、その優れた磁
気特性の一方で、非常に腐食され易く、それに伴う磁気
特性の劣化が大きいという欠点を合わせ持っている。
気特性の一方で、非常に腐食され易く、それに伴う磁気
特性の劣化が大きいという欠点を合わせ持っている。
これらの対策として、特開昭61−185910号公報では、
希土類−B−Fe系永久磁石の表面にZnの薄膜を拡散形成
する方法、特開昭61−270308号公報では希土類−B−Fe
系永久磁石の表面層を除去したのち、Alの薄膜層を被着
させる方法、さらに特開昭63−77104号公報では、希土
類−B−Fe系永久磁石の表面にエポキシ樹脂、熱硬化型
アクリル樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、シリコン
樹脂等の塗装用合成樹脂等の耐酸化性樹脂を塗布する方
法が示されている。
希土類−B−Fe系永久磁石の表面にZnの薄膜を拡散形成
する方法、特開昭61−270308号公報では希土類−B−Fe
系永久磁石の表面層を除去したのち、Alの薄膜層を被着
させる方法、さらに特開昭63−77104号公報では、希土
類−B−Fe系永久磁石の表面にエポキシ樹脂、熱硬化型
アクリル樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、シリコン
樹脂等の塗装用合成樹脂等の耐酸化性樹脂を塗布する方
法が示されている。
ところが、上記従来の技術で述べられているNd−B−
Fe系永久磁石の防食方法は、いずれも上記永久磁石の表
面にZnやAl、合成樹脂等の耐食性のある保護膜を被着さ
せるもので、磁石の製造工程とは別の工程が必要とな
り、工程が複雑化する上にコスト高となり、さらに上記
合成樹脂保護膜は厚さがあるために特に小型磁石製品の
寸法精度を悪くする。いずれにしても上記防食方法は、
上記永久磁石の外部を腐食等に対して保護するにすぎ
ず、上記保護膜がはく離したりまたは亀裂が生じたりし
た場合には、それらの個所から内部に侵食が浸透し、内
部的な腐食は防止できず、それに伴って磁気特性も劣化
するという問題点があった。
Fe系永久磁石の防食方法は、いずれも上記永久磁石の表
面にZnやAl、合成樹脂等の耐食性のある保護膜を被着さ
せるもので、磁石の製造工程とは別の工程が必要とな
り、工程が複雑化する上にコスト高となり、さらに上記
合成樹脂保護膜は厚さがあるために特に小型磁石製品の
寸法精度を悪くする。いずれにしても上記防食方法は、
上記永久磁石の外部を腐食等に対して保護するにすぎ
ず、上記保護膜がはく離したりまたは亀裂が生じたりし
た場合には、それらの個所から内部に侵食が浸透し、内
部的な腐食は防止できず、それに伴って磁気特性も劣化
するという問題点があった。
そこで、本発明者等は、耐食性にすぐれた希土類−B
−Fe系焼結磁石を開発すべく研究を行った結果、Yを除
く希土類元素のうち少なくとも1種(以下、Rとい
う),B,およびFeを必須成分とするR−B−Fe系合金粉
末(以下、R−B−Fe系合金粉末という)に、Zr,Ta,T
i,Nb,V,Hf,Yの水素化物粉末のうち1種または2種以上
を合計で0.0005〜3重量%混合し、得られた混合粉末を
成形し、焼結すると、耐食性および磁気特性に優れた希
土類−B−Fe型焼結磁石を得ることができるという知見
を得たのである。
−Fe系焼結磁石を開発すべく研究を行った結果、Yを除
く希土類元素のうち少なくとも1種(以下、Rとい
う),B,およびFeを必須成分とするR−B−Fe系合金粉
末(以下、R−B−Fe系合金粉末という)に、Zr,Ta,T
i,Nb,V,Hf,Yの水素化物粉末のうち1種または2種以上
を合計で0.0005〜3重量%混合し、得られた混合粉末を
成形し、焼結すると、耐食性および磁気特性に優れた希
土類−B−Fe型焼結磁石を得ることができるという知見
を得たのである。
この発明は、かかる知見にもとづいてなされたもので
あって、 R−B−Fe系合金粉末に、Zr水素化物粉末、Ta水素化
物粉末、Ti水素化物粉末、Nb水素化物粉末、V水素化物
粉末、Hf水素化物粉末およびY水素化物粉末のうち1種
または2種以上を合計で0.0005〜3重量%混合して得ら
れた混合粉末を、成形し、焼結する耐食性および磁気特
性に優れた希土類−B−Fe系焼結磁石の製造方法に特徴
を有するものである。
あって、 R−B−Fe系合金粉末に、Zr水素化物粉末、Ta水素化
物粉末、Ti水素化物粉末、Nb水素化物粉末、V水素化物
粉末、Hf水素化物粉末およびY水素化物粉末のうち1種
または2種以上を合計で0.0005〜3重量%混合して得ら
れた混合粉末を、成形し、焼結する耐食性および磁気特
性に優れた希土類−B−Fe系焼結磁石の製造方法に特徴
を有するものである。
上記焼結して得られた希土類−B−Fe系焼結磁石を、
さらに熱処理することにより磁気特性を一層向上せしめ
ることができる。
さらに熱処理することにより磁気特性を一層向上せしめ
ることができる。
この発明の希土類−B−Fe系焼結磁石の製造方法で用
いる混合粉末、成形法、焼結法および熱処理を以下に記
述する。
いる混合粉末、成形法、焼結法および熱処理を以下に記
述する。
(1) 混合粉末 上記R−B−Fe系合金粉末は、溶解し、鋳造して得ら
れたインゴットを粉砕する方法、溶解しアトマイズする
方法、または希土類酸化物を出発原料とする還元拡散法
のいずれで作製してもよい。
れたインゴットを粉砕する方法、溶解しアトマイズする
方法、または希土類酸化物を出発原料とする還元拡散法
のいずれで作製してもよい。
上記Rは、Nd,Prまたはそれらの混合物が好ましく、
その他にTb,La,Ce,Sm,Gd,Ybなどの希土類元素を含んで
よく、総量で8〜30原子%とするのがよい。8原子%未
満では十分な保磁力が得られず、30原子%を越えると残
留磁束密度が低下するためである。
その他にTb,La,Ce,Sm,Gd,Ybなどの希土類元素を含んで
よく、総量で8〜30原子%とするのがよい。8原子%未
満では十分な保磁力が得られず、30原子%を越えると残
留磁束密度が低下するためである。
上記Bは、2〜28原子%とするのが好ましい。2原子
%未満では十分な保磁力が得られず、28原子%を越える
と残留磁束密度が低下し、優れた磁気特性が得られない
ためである。
%未満では十分な保磁力が得られず、28原子%を越える
と残留磁束密度が低下し、優れた磁気特性が得られない
ためである。
上記R−B−Fe系合金粉末に、Zr水素化物粉末、Ta水
素化物粉末、Ti水素化物粉末、Nb水素化物粉末、V水素
化物粉末、Hf水素化物粉末およびY水素化物粉末のうち
1種または2種以上を合計で0.0005〜3重量%混合し
て、混合粉末を作製するが、上記水素化物粉末として
は、下記の分子式を有する水素化物粉末を用いることが
できる。
素化物粉末、Ti水素化物粉末、Nb水素化物粉末、V水素
化物粉末、Hf水素化物粉末およびY水素化物粉末のうち
1種または2種以上を合計で0.0005〜3重量%混合し
て、混合粉末を作製するが、上記水素化物粉末として
は、下記の分子式を有する水素化物粉末を用いることが
できる。
ZrHx粉末(x=1.5〜2)、 TaHx粉末(x=1〜2)、 TiHx粉末(x=0.7〜2)、 NbHx粉末(x=0.8〜2)、 VHx粉末(x=0.8〜2)、 HfHx粉末(x=1.7〜2)、および YHx粉末(x=1.8〜3) 上記R−B−Fe系合金粉末に混合される水素化物は、
総量で0.0005〜3重量%が好ましい。総量が0.0005重量
%未満では耐食性の効果が十分に表われず、一方、3重
量%を越えると磁気特性が不十分となることによるもの
である。
総量で0.0005〜3重量%が好ましい。総量が0.0005重量
%未満では耐食性の効果が十分に表われず、一方、3重
量%を越えると磁気特性が不十分となることによるもの
である。
(2) 成形法 上記方法で得られた混合粉末を圧縮プレスなどにて成
形、圧密化を行なう。この時の圧力は0.5〜10t/cm2の成
形圧力が良好で、必要に応じて成形時に磁界(5KOe以
上)を印加することにより磁気特性は向上する。一連の
成形は湿式あるいは乾式でもよく、雰囲気は非酸化性雰
囲気がより望ましく、例えば、真空中、不活性ガス中あ
るいは還元性ガス中にて行うとよい。成形時において、
必要であれば成形助剤(結合剤、潤滑剤等)を加えても
よい。これらには、パラフィン、障脳、ステアリン酸、
ステアリン酸アミド、ステアリン酸塩等が使用でき、そ
の添加量は0.001〜2重量%が好ましい。上記成形助剤
の添加量が0.001重量%未満では成形時に必要な潤滑性
等が不十分で好ましくなく、一方、2重量%を越えると
焼結後、焼結体の磁気特性の劣化が著しい。
形、圧密化を行なう。この時の圧力は0.5〜10t/cm2の成
形圧力が良好で、必要に応じて成形時に磁界(5KOe以
上)を印加することにより磁気特性は向上する。一連の
成形は湿式あるいは乾式でもよく、雰囲気は非酸化性雰
囲気がより望ましく、例えば、真空中、不活性ガス中あ
るいは還元性ガス中にて行うとよい。成形時において、
必要であれば成形助剤(結合剤、潤滑剤等)を加えても
よい。これらには、パラフィン、障脳、ステアリン酸、
ステアリン酸アミド、ステアリン酸塩等が使用でき、そ
の添加量は0.001〜2重量%が好ましい。上記成形助剤
の添加量が0.001重量%未満では成形時に必要な潤滑性
等が不十分で好ましくなく、一方、2重量%を越えると
焼結後、焼結体の磁気特性の劣化が著しい。
(3) 焼結法 得られた成形体を温度:900〜1200℃にて焼結する。温
度:900℃未満では残留磁束密度が十分でなく、温度:120
0℃を越えると残留磁束密度と角型性が低下するため好
ましくない。焼結は酸化防止のため非酸化性雰囲気中に
て行なうことが望ましい。すなわち真空、不活性ガスま
たは還元性ガスの雰囲気がよい。焼結時の昇温速度は、
1〜2000℃/min.の間であればよい。
度:900℃未満では残留磁束密度が十分でなく、温度:120
0℃を越えると残留磁束密度と角型性が低下するため好
ましくない。焼結は酸化防止のため非酸化性雰囲気中に
て行なうことが望ましい。すなわち真空、不活性ガスま
たは還元性ガスの雰囲気がよい。焼結時の昇温速度は、
1〜2000℃/min.の間であればよい。
また成形助剤を用いた場合は、昇温速度を1〜1.5℃/
min.程度に小さくし、昇温中に上記成形助剤を取り除い
た方が磁気特性的に望ましい。焼結時の保持時間は、0.
5〜20時間の間でよく、0.5時間より短かい時間では焼結
密度にバラツキを生じ、20時間より長い時間では結晶粒
の粗大化等の問題が生ずるためである。焼結後の冷却速
度は、1〜2000℃/min.の間でよいが、あまり早すぎる
と焼結体中に亀裂を生じたりする可能性が高く、逆にゆ
っくりだと工業生産的な効率の面で問題があるので上記
範囲に定めた。
min.程度に小さくし、昇温中に上記成形助剤を取り除い
た方が磁気特性的に望ましい。焼結時の保持時間は、0.
5〜20時間の間でよく、0.5時間より短かい時間では焼結
密度にバラツキを生じ、20時間より長い時間では結晶粒
の粗大化等の問題が生ずるためである。焼結後の冷却速
度は、1〜2000℃/min.の間でよいが、あまり早すぎる
と焼結体中に亀裂を生じたりする可能性が高く、逆にゆ
っくりだと工業生産的な効率の面で問題があるので上記
範囲に定めた。
(4) 熱処理法 以上の焼結後、さらに磁気特性を向上せしめるため
に、温度:400〜700℃で熱処理を行なう。上記熱処理は
焼結と同じく非酸化性雰囲気が望ましい。この熱処理の
昇温速度は10〜2000℃/min.で行ない、上記温度:400〜7
00℃で0.5〜10時間保持し、冷却速度:10〜2000℃/min.
で行なうとよい。上記熱処理は基本的には昇温、保持、
冷却というパターンでよいが、必要に応じてこれをくり
返えすことや段階的に温度を変化させるパターンでも同
様の効果を得ることができる。
に、温度:400〜700℃で熱処理を行なう。上記熱処理は
焼結と同じく非酸化性雰囲気が望ましい。この熱処理の
昇温速度は10〜2000℃/min.で行ない、上記温度:400〜7
00℃で0.5〜10時間保持し、冷却速度:10〜2000℃/min.
で行なうとよい。上記熱処理は基本的には昇温、保持、
冷却というパターンでよいが、必要に応じてこれをくり
返えすことや段階的に温度を変化させるパターンでも同
様の効果を得ることができる。
なお、R−B−Fe系合金粉末と水素化物粉末の混合粉
末を成形し焼結してこの発明のR−B−Fe系焼結磁石が
作製されるが、この発明のR−B−Fe系焼結磁石の一部
を他の元素で置換することや不純物を含んでもこの発明
の効果は失われない。
末を成形し焼結してこの発明のR−B−Fe系焼結磁石が
作製されるが、この発明のR−B−Fe系焼結磁石の一部
を他の元素で置換することや不純物を含んでもこの発明
の効果は失われない。
すなわち、Feの代りに50原子%以下のCoで代替しても
よい。Coが50原子%を越えると高いiHcが得られないた
めである。上記以外の元素として下記の所定の原子%以
下の元素の1種以上(但し、2種以上含む場合の元素の
総量はこれらの元素のうち最大値を有するものの値以
下)をFe元素と置換してもこの発明の効果は失なわれな
い。これら元素を下記する(単位は原子%)。
よい。Coが50原子%を越えると高いiHcが得られないた
めである。上記以外の元素として下記の所定の原子%以
下の元素の1種以上(但し、2種以上含む場合の元素の
総量はこれらの元素のうち最大値を有するものの値以
下)をFe元素と置換してもこの発明の効果は失なわれな
い。これら元素を下記する(単位は原子%)。
Ti:4.7,Ni:0.8,Bi:5.0,W:8.8,Zr:5.5,Ta:10.5,Mo:8.7,C
a:8.0,Hf:5.5,Ge:6.0,Nb:12.5,Mg:8.0,Cr:8.5,Sn:3.5,A
l:9.5,Sr:7.5,Mn:8.0,Sb:2.5,V:10.5,Be:3.5,Ba:2.5,C
u:3.5,S:2.5,P:3.3,C:4.0,O:1.5,Ga:6.0, 一般に、R−B−Fe系焼結磁石の腐食原因は、主相の
周囲に形成されるRリッチ相が最も腐食されやすい相で
あるために、上記Rリッチ相を介して磁石内部に粒界腐
食が進行すると言われているが、この発明の水素化物粉
末を添加混合して焼結すると、上記Rリッチ相は上記水
素化物粉末と反応し、腐食しにくいRリッチ相となり、
さらに上記腐食しにくいRリッチ相は焼結過程でも結晶
粒の成長を抑制し、高密度化させる作用を有し、そのた
め耐食性および磁気特性が共に優れたR−B−Fe系焼結
磁石が得られるものと考えられる。
a:8.0,Hf:5.5,Ge:6.0,Nb:12.5,Mg:8.0,Cr:8.5,Sn:3.5,A
l:9.5,Sr:7.5,Mn:8.0,Sb:2.5,V:10.5,Be:3.5,Ba:2.5,C
u:3.5,S:2.5,P:3.3,C:4.0,O:1.5,Ga:6.0, 一般に、R−B−Fe系焼結磁石の腐食原因は、主相の
周囲に形成されるRリッチ相が最も腐食されやすい相で
あるために、上記Rリッチ相を介して磁石内部に粒界腐
食が進行すると言われているが、この発明の水素化物粉
末を添加混合して焼結すると、上記Rリッチ相は上記水
素化物粉末と反応し、腐食しにくいRリッチ相となり、
さらに上記腐食しにくいRリッチ相は焼結過程でも結晶
粒の成長を抑制し、高密度化させる作用を有し、そのた
め耐食性および磁気特性が共に優れたR−B−Fe系焼結
磁石が得られるものと考えられる。
つぎに、この発明を実施例にもとづいて一層具体的に
説明する。
説明する。
まず、15%Nd−8%B−残Fe(但し%は、原子%)と
なるように溶解し、合金インゴットを作製し、この合金
インゴットを粉末して、平均粒径:3.5μmの微粉末を用
意した。
なるように溶解し、合金インゴットを作製し、この合金
インゴットを粉末して、平均粒径:3.5μmの微粉末を用
意した。
一方、水素化物粉末として、 平均粒径:1.3μmのZrH2粉末、 平均粒径:1.5μmのTaH2粉末、 平均粒径:1.3μmのTiH2粉末、 平均粒径:1.3μmのNbH2粉末、 平均粒径:1.5μmのVH粉末、 平均粒径:1.3μmのHfH2粉末 平均粒径:1.1μmのYH3粉末、 を用意し、これら粉末を第1表に示される割合となるよ
うにそれぞれ配合し、混合して原料粉末とした。
うにそれぞれ配合し、混合して原料粉末とした。
この原料粉末を、Arガス雰囲気中、成形圧:1.5t/cm2
で磁場中(12KOe)成形し、たて:12mm×横:10mm×高さ:
10mmの成形体を製作した。これら成形体を、圧力:1×10
-5Torrの真空雰囲気中にて、昇温速度:10℃/minにて加
熱し、温度:1090℃、1時間保持したのち、100℃/minの
冷却速度で冷却して焼結体を作製し、これら焼結体を、
さらに上記焼結雰囲気と同一の雰囲気にて、加熱速度:5
℃/minで加熱し、温度:620℃、2時間保持したのち、50
℃/minの冷却速度で冷却の熱処理を行って第1表に示さ
れる本発明R−B−Fe系焼結磁石1〜45および比較R−
B−Fe系焼結磁石1〜18を作製した。
で磁場中(12KOe)成形し、たて:12mm×横:10mm×高さ:
10mmの成形体を製作した。これら成形体を、圧力:1×10
-5Torrの真空雰囲気中にて、昇温速度:10℃/minにて加
熱し、温度:1090℃、1時間保持したのち、100℃/minの
冷却速度で冷却して焼結体を作製し、これら焼結体を、
さらに上記焼結雰囲気と同一の雰囲気にて、加熱速度:5
℃/minで加熱し、温度:620℃、2時間保持したのち、50
℃/minの冷却速度で冷却の熱処理を行って第1表に示さ
れる本発明R−B−Fe系焼結磁石1〜45および比較R−
B−Fe系焼結磁石1〜18を作製した。
上記作製された直後の本発明R−B−Fe系焼結磁石1
〜45および比較R−B−Fe系焼結磁石 1〜17の磁気特性(残留磁束密度:Br,保磁力:iHcおよび
最大エネルギー積:BHmax)を測定したのち、これら焼結
磁石を温度:60℃、湿度:90%の大気中に1000時間放置し
て耐食試験を行い、上記耐食試験後の本発明R−B−Fe
系焼結磁石1〜45および比較R−B−Fe系焼結磁石1〜
17の磁気特性(残留磁束密度:Br,保磁力:iHcおよび最大
エネルギー積:BHmax)を測定し、さらに上記耐食試験後
の焼結磁石表面および内部の錆の発生状況を観察し、そ
れらの結果を第1表に示した。
〜45および比較R−B−Fe系焼結磁石 1〜17の磁気特性(残留磁束密度:Br,保磁力:iHcおよび
最大エネルギー積:BHmax)を測定したのち、これら焼結
磁石を温度:60℃、湿度:90%の大気中に1000時間放置し
て耐食試験を行い、上記耐食試験後の本発明R−B−Fe
系焼結磁石1〜45および比較R−B−Fe系焼結磁石1〜
17の磁気特性(残留磁束密度:Br,保磁力:iHcおよび最大
エネルギー積:BHmax)を測定し、さらに上記耐食試験後
の焼結磁石表面および内部の錆の発生状況を観察し、そ
れらの結果を第1表に示した。
上記錆の発生状況の判定は、耐食試験した焼結磁石を
切断し、目視により、切断面周囲に錆が認められないも
のを「錆なし」、切断面周囲に錆が認められるものを
「錆あり」、さらに切断面周囲に錆が認められ且つ錆が
内部に浸透しているものを「著しい錆あり」とした。
切断し、目視により、切断面周囲に錆が認められないも
のを「錆なし」、切断面周囲に錆が認められるものを
「錆あり」、さらに切断面周囲に錆が認められ且つ錆が
内部に浸透しているものを「著しい錆あり」とした。
第1表の結果から、R−B−Fe系合金粉末単独で作製
した比較R−B−Fe系焼結磁石1は、耐食試験後に表面
に錆が発生し、その錆は内部に浸透して著しい腐食を生
じ、耐食試験後の磁気特性の劣化も著しいが、上記R−
B−Fe系合金粉末に、Zr,Ta,Ti,Nb,V,HfおよびYの水素
化物粉末のうち1種または2種以上を合計で0.0005〜3
重量%で加えた粉末を原料粉末として作製した本発明R
−B−Fe系焼結磁石は、耐食性および磁気特性にすぐ
れ、しかも耐食試験の磁気特性の劣化が生じないことが
わかる。
した比較R−B−Fe系焼結磁石1は、耐食試験後に表面
に錆が発生し、その錆は内部に浸透して著しい腐食を生
じ、耐食試験後の磁気特性の劣化も著しいが、上記R−
B−Fe系合金粉末に、Zr,Ta,Ti,Nb,V,HfおよびYの水素
化物粉末のうち1種または2種以上を合計で0.0005〜3
重量%で加えた粉末を原料粉末として作製した本発明R
−B−Fe系焼結磁石は、耐食性および磁気特性にすぐ
れ、しかも耐食試験の磁気特性の劣化が生じないことが
わかる。
さらに、上記水素化物が合計で3重量%を越えて添加
された原料粉末により製造された比較R−B−Fe系焼結
磁石3,5,7,9,11,13,15,17および18は、表面に錆の発生
はみられないが、磁気特性が劣化し、一方、上記水素化
物の添加量が0.0005重量%未満の原料粉末から作製され
た比較R−B−Fe系焼結磁石2,4,6,8,10,12,14および16
は、いずれも表面に錆が発生し、耐食試験後の磁気特性
の劣化も著しいことがわかる。
された原料粉末により製造された比較R−B−Fe系焼結
磁石3,5,7,9,11,13,15,17および18は、表面に錆の発生
はみられないが、磁気特性が劣化し、一方、上記水素化
物の添加量が0.0005重量%未満の原料粉末から作製され
た比較R−B−Fe系焼結磁石2,4,6,8,10,12,14および16
は、いずれも表面に錆が発生し、耐食試験後の磁気特性
の劣化も著しいことがわかる。
上述のように、R−B−Fe系合金粉末に上記水素化物
粉末の1種または2種以上を合計で0.0005〜3重量%添
加した原料粉末を用いて製造したR−B−Fe系焼結磁石
は、耐食性に優れ、磁気特性の劣化が改善されるので、
この発明の製造方法で製造されたR−B−Fe系焼結磁石
には表面処理する必要がなく、また焼結磁石の磁気特性
の劣化が少ないので、この磁石を組み込んだ装置の性能
の低下が防止されるという産業上すぐれた効果を奏する
ものである。
粉末の1種または2種以上を合計で0.0005〜3重量%添
加した原料粉末を用いて製造したR−B−Fe系焼結磁石
は、耐食性に優れ、磁気特性の劣化が改善されるので、
この発明の製造方法で製造されたR−B−Fe系焼結磁石
には表面処理する必要がなく、また焼結磁石の磁気特性
の劣化が少ないので、この磁石を組み込んだ装置の性能
の低下が防止されるという産業上すぐれた効果を奏する
ものである。
Claims (1)
- 【請求項1】Yを除く希土類元素のうち少なくとも1種
(以下、Rという),B,およびFeを必須成分とするR−
B−Fe系合金粉末に、Zr,Ta,Ti,Nb,V,Hf,Yの水素化物粉
末のうち1種または2種以上を合計で0.0005〜3重量%
混合して得られた混合粉末を、成形し、焼結することを
特徴とする耐食性および磁気特性に優れた希土類−B−
Fe系焼結磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1119989A JP2600374B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 耐食性および磁気特性に優れた希土類―B―Fe系焼結磁石の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1119989A JP2600374B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 耐食性および磁気特性に優れた希土類―B―Fe系焼結磁石の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02298231A JPH02298231A (ja) | 1990-12-10 |
JP2600374B2 true JP2600374B2 (ja) | 1997-04-16 |
Family
ID=14775150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1119989A Expired - Fee Related JP2600374B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 耐食性および磁気特性に優れた希土類―B―Fe系焼結磁石の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2600374B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6094612B2 (ja) * | 2014-02-28 | 2017-03-15 | 日立金属株式会社 | R−t−b系焼結磁石の製造方法 |
US20170018342A1 (en) * | 2014-02-28 | 2017-01-19 | Hitachi Metals, Ltd. | R-t-b based sintered magnet and method for producing same |
-
1989
- 1989-05-12 JP JP1119989A patent/JP2600374B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02298231A (ja) | 1990-12-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8317937B2 (en) | Alloy for sintered R-T-B-M magnet and method for producing same | |
EP2133891A1 (en) | Process for producing magnet | |
JP3405806B2 (ja) | 磁石およびその製造方法 | |
EP2797086A2 (en) | R-T-B Rare earth sintered magnet and method of manufacturing the same | |
EP1460653A1 (en) | R-t-b based rare earth element permanent magnet and magnet composition | |
EP0389626B1 (en) | SINTERED RARE EARTH ELEMENT-B-Fe-MAGNET AND PROCESS FOR ITS PRODUCTION | |
JP2012079726A (ja) | R−t−b−m系焼結磁石用合金の製造方法およびr−t−b−m系焼結磁石の製造方法 | |
US20110234350A1 (en) | Modified nd-fe-b permanent magnet with high corrosion resistance | |
JP2018018859A (ja) | R−t−b系焼結磁石 | |
US11915861B2 (en) | Method for manufacturing rare earth permanent magnet | |
JP7247670B2 (ja) | R-t-b系永久磁石およびその製造方法 | |
JP3540438B2 (ja) | 磁石およびその製造方法 | |
JP2891215B2 (ja) | 耐食性および磁気特性に優れた希土類−B−Fe系焼結磁石の製造方法 | |
JP5743458B2 (ja) | R−t−b系希土類永久磁石用合金材料、r−t−b系希土類永久磁石の製造方法およびモーター | |
JP6330254B2 (ja) | R−t−b系焼結磁石 | |
CN111724955A (zh) | R-t-b系永久磁铁 | |
JP2600374B2 (ja) | 耐食性および磁気特性に優れた希土類―B―Fe系焼結磁石の製造方法 | |
JP2586597B2 (ja) | 磁気特性および耐食性の優れた希土類−B−Fe系焼結磁石の製造法 | |
JP2581179B2 (ja) | 耐食性に優れた希土類−B−Fe系焼結磁石の製造法 | |
JP2940623B2 (ja) | 耐食性および磁気特性に優れた希土類―B―Fe系焼結磁石の製造方法 | |
US10256017B2 (en) | Rare earth based permanent magnet | |
JP2581161B2 (ja) | 耐食性に優れた希土類−B−Fe系焼結磁石の製造法 | |
JPH07201545A (ja) | 焼結磁石およびその製造方法 | |
JP2720039B2 (ja) | 耐食性のすぐれた希土類磁石材料 | |
JP7256483B2 (ja) | R-t-b系永久磁石およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |