JP2600302B2

JP2600302B2 - 雨水浸透桝

Info

Publication number: JP2600302B2
Application number: JP16212588A
Authority: JP
Inventors: 宣雄日向
Original assignee: Mitsubishi Plastics Inc
Current assignee: Mitsubishi Plastics Inc
Priority date: 1988-06-29
Filing date: 1988-06-29
Publication date: 1997-04-16
Anticipated expiration: 2012-04-16
Also published as: JPH0213622A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、落葉、土砂等が混在した雨水を浄化して地
下に浸透させるための雨水浸透桝に関する。

（従来技術およびその課題）この種雨水浸透桝としては、例えば実公昭58−33193
号公報に提案されたものがある。

ところが、この浸透桝は集水桝の底部に長孔浸透層を
形成した構成からなっているために、装置全体が大がか
りとなり、一般家庭用としての使用には付向きであっ
た。また、当該浸透桝は雨水を下水本管にバイパスさせ
るための排水口にフイルターが装着されていなかったの
で、集中豪雨の際には落葉、土砂等がバイパス配管内に
流れ込んで通水不良となることがあった。

本発明はかかる浸透桝の欠点を解消したものであっ
て、装置全体をコンパクトな構成とすることによって一
般家庭でも好適に使用でき、また集中豪雨の際にも落
葉、土砂等が流れ込むことがなく、浄化した雨水を下水
本管にバイパスさせることがきるようにした雨水浸透桝
を提供するものである。

（課題を解決するための手段）本発明の雨水浸透桝は、有底筒状の桝本体の底板に小
孔を穿設すると共に、該底板の上面または下面に過フ
イルターを張設する。一方、桝本体内に該桝本体を上下
に二分する平板状フイルターを配設して該フイルターの
下面側に第１貯溜室と、その上面側に第２貯溜室を形成
し、前記平板状フイルターには上下方向に貫通する竪管
を垂設する。そして、前記第２貯溜室の側壁には浸透孔
を穿設すると共に該側壁の外面または内面に過フイル
ターを張設し、該浸透孔より上方の側壁には雨水流入口
と流出口を設ける。また、雨水流入口と前記竪管の上端
側面とを流入管で接続し、該竪管内には袋状フイルター
を垂下させたことを特徴とするものである。

（実施例）以下、本発明の具体的構成を実施例に基づき、図面に
て詳細に説明する。

第１図は本発明の一実施例を示す雨水浸透桝の縦断面
図であって、図中符号１は有底筒状をなす桝本体、２は
桝本体１の上端開口部を閉塞する蓋である。

桝本体１は塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂等の合
成樹脂、あるいはセメント等で形成される。この桝本体
１の底板13の多数の小孔130を穿設し、該底板13の上下
両面、あるいは上面または下面のいずれか片面に過フ
イルター９を張設する。過フイルター９としては、有
機繊維、無機繊維からなる織布、不織布、その他適宜の
材を使用することができる。

一方、桝本体１の側壁には、底板13と蓋２との中間位
置に突起15が設けられており、該突起15に平板状フイル
ター７を係止する。桝本体１内は前記フイルター７によ
って上下に二分され、フイルター７の下面側に第１貯溜
室Ａが形成されると共にその上面側に第２貯溜室Ｂが形
成される。このとき、第１貯溜室Ａと第２貯溜室Ｂの容
積比率は桝本体１の形状、大きさ等に応じて適宜決定す
ることができるが、一般家庭用としては第１図に例示し
た如く、1:2程度に設定するとよい。また、平板状フイ
ルター７は前記過フイルター９と同様な材から形成
され、その上下両面が金網等によって補強されている。
該フイルター７のほぼ中央部には貫通孔が設けられてお
り、該孔に竪管４を貫通させて固定する。

前記第２貯溜室Ｂの側壁の下方寄りに多数の浸透孔14
を穿設し、該浸透孔14の側壁の外周面、または内周面に
前記過フイルター９と同様な材からなる過フイル
ター８を張設する。また、前記浸透孔14より若干上方の
側壁に雨水流入口11と流出口12とを設け、該流入口11に
流入管３を接続すると共に、該流入管３の他端部を前記
竪管４の上方側面に接続する。

そして、前記竪管４内に袋状フイルター６を垂下さ
せ、該フイルター６の上端に設けた金具61を竪管４の上
端開口部に引っ掛けてフイルター６の開口部が流入管３
の開口より下方位置となるようにセットする。袋状フイ
ルター６としては、ステンレスの金網を袋状に形成した
もの、プラスチックからなる有底筒状容器の底部およご
側壁に無数の小孔を穿設したものが好適に使用できる。

本発明の雨水浸透升は以上の構成からなるものであっ
て、第１図に示す如く地中に埋設した後、雨水流入口11
に配管30の一端部を接続し、その他端部を竪樋等に接続
する。また、流出口12と下水本管（図示せず）とを配管
５とで接続することによって設置工事が完了する。

次に、本発明の雨水浸透桝によって雨水が浄化され、
地下に浸透するまでの過程を説明する。

落葉、土砂等が混在している雨水が配管30から流入管
３を経て竪管４内に流入すると、まず該竪管４内に吊り
下げられているフイルター６によって落葉、土砂等の粗
大ゴミが捕捉される。次に、第１貯溜室Ａでは微細な土
砂等が沈降分離されて底板13上に沈積し、このとき雨水
の一部が底板13に穿設した小孔130から過フイルター
９を通過して地下に浸透する。

そして、第１貯溜室Ａの水嵩が増加したとき、前記袋
状フイルター６を通過した微細な浮遊物が平板状フイル
ター７で捕捉され、該フイルター７を通過した雨水が第
２貯溜室Ｂに流入する。このような浄化過程を経てある
程度浄化された雨水が第２貯溜室に流入し、その側壁に
設けた浸透孔14から過フイルター８を通過して完全に
浄化された雨水が地下に浸透する。他方、集中豪雨の際
には第２貯溜室Ｂの水位が高まり、側壁の上方に設けた
流出口12から下水本管にバイパスされることになる。

（発明の作用および効果）以上に述べた如く、本発明は桝本体内を平板状フイル
ターで上下に二分してフイルターの下側面に第１貯溜
室、その上側面に第２貯溜室を形成し、また前記平板状
フイルターには竪管を貫設して該竪管内に袋状フイルタ
ーを垂下させたコンパクトな構成からなるので、一般家
庭用として好適に使用できる。

また、本発明の雨水浸透桝によれば、まず雨水に混在
している粗大ゴミが袋状フイルターで捕捉され、次に第
１貯溜室では土砂等が沈降分離されると共に微細な浮遊
物が平板状フイルターで捕捉され、最後の第２貯溜室で
は浸透孔から排出される雨水を更に過フイルターで
過するので、完全に浄化された雨水を地下に浸透させる
ことができる。また、集中豪雨の際には第２貯溜室の水
位が高まり、前記浸透孔よりも上方位置に設けた流出孔
から下水本管にバイパスされるので、従来の浸透桝でみ
られたようなバイパス配管が詰まって通水不良となるこ
ともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す縦断面図である。１……桝本体、11……雨水流入口 12……雨水流出口、13……底板 130……小孔、14……浸透孔 15……突起、２……蓋３……流入管、４……竪管、５……配管６……袋状フイルター、７……平板状フイルター８、９……過フイルター

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】有底筒状の桝本体（１）の底板（13）に小
孔（130）を穿設すると共に、該底板（13）の上面また
は下面に過フイルター（９）を張設し、一方桝本体
（１）内に該桝本体（１）を上下に二分する平板状フイ
ルター（７）を配設して該フイルター（７）の下面側に
第１貯溜室（Ａ）とその上面側に第２貯溜室（Ｂ）を形
成し、また該平板状フイルター（７）には上下方向に貫
通する竪管（４）を垂設し、前記第２貯溜室（Ｂ）の側
壁には浸透孔（14）を穿設すると共に該側壁の外面また
は内面に過フイルター（８）を張設し、前記浸透孔
（14）より上方の側壁には雨水流入口（11）と流出口
（12）を設けて該流入口（11）と前記竪管（４）の上端
側面とを流入管（３）で接続し、該竪管（４）内には袋
状フイルター（６）を垂下させたことを特徴とする雨水
浸透桝。