JP2599745B2 - 農業用透明ポリビニルアルコールフイルム - Google Patents

農業用透明ポリビニルアルコールフイルム

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、農業用透明ポリビニルアルコールフイルム
に関するものであり、更に詳しくは、膨潤倍率が小さ
く、かつ機械的特性に優れ、かつ可視光線に対しては実
質的に透明であり、赤外線に対しては実質的に不透明と
なるように構成された農業用透明ポリビニルアルコール
フイルムに関するものである。
B.従来の技術 従来農業用ハウス、トンネルハウス等に用いられる農
業用フイルムとしては、ガラス、ポリ塩化ビニルフイル
ム、ポリエチレンフイルムが主として用いられている。
ガラスは耐久性、透明性、保温性共にすぐれており、温
室用被覆材としては理想的ともいうべき特性を有するの
であるが、残念なことにガラスはもろくてこわれ易く、
作業性が悪いという欠点を有する。又、厚みを薄くする
ことが出来ないため、単位被覆面積当りの重量が大とな
り、施設費も高価となる。ポリ塩化ビニルフイルムは光
線透過率、耐久性、強靱性、作業性、経済性等にすぐれ
ており、保温性に関してもガラスには及ばないが後述の
ポリエチレンフイルムにくらべすぐれているため、農業
用ハウスやトンネルの被覆材として近時最も多用されて
いる。
しかしながらポリ塩化ビニルフイルムは、その大部分
は、強靱性、作業性、経済性等の点から、可塑剤を含む
いわゆる半硬質または軟質ポリ塩化ビニルフイリムであ
る。この塩化ビニルフイルムは、初期の光線透過性はす
ぐれており、また保温性はすぐれているものの、長期間
使用すると可塑剤がフイルム表面に移行する為、光線透
過性の低下、ほこりの付着による汚れが著しい上に、フ
イルムを農地や家屋の近くで焼却すると有害ガスを発生
するという問題がある。
ポリエチレンフイルムは初期の光線透過性に関して
は、ポリ塩化ビニルフイルムに若干劣るが、フイルム中
に低分子可塑剤の如き滲出性の物資を含まず、従つて上
述のポリ塩化ビニルフイルムの如き障害は起らず、フイ
ルムの光線透過性はかなりの程度持続するが、逆に帯電
による塵埃の吸着による光線透過性の低下がある。さら
に、ポリエチレンフイルムの農業用フイルムとしての重
大な欠点は、ガラスやポリ塩化ビニルフイルムに比し、
保温性が悪いという点にある。この欠点は、農家の段階
において経験的に明確に確認されておるものであり、ポ
リエチレンフイルムが、前述の如き光線透過性が持続す
るという長所やコスト的に有利である点をもちながら
も、従来あまり温室被覆用フイルムとして利用されなか
つた最大の理由である。このように、農業用フイルムに
おいて、保温性はきわめて重要な特性である。
一般に、室温被覆材の保温性とは、広義にはグリーン
ハウスエフエクト(温室効果)の大きさを意味するもの
であり、昼間、太陽の放射するエネルギーの主要な部分
を占める可視光線に対しては透明で、従つてなるべく多
くのエネルギーを温室内の植物体及び大地に供給し、吸
収させ、逆に植物体や大地の放射する赤外線(ほぼ黒体
放射とみなしうるので、室温附近においては、波長10μ
m前後にピークを有するプランクの黒体放射の法則に従
うものとみなしうる。)に対しては不透明で、赤外線の
放射エネルギーを外部に散逸することを阻止する能力が
大きいほど、温室効果が大であるといえる。
一般に、室温用被覆材として用いられるものは、可視
光線の透過率が30〜100%の範囲であることが常識的で
あり、透明フイルムの場合には、50%以上であることが
普通である。従つて、上記温室効果の内容のうち、可視
光線の透過エネルギーに関しては、被覆材の種類による
差異は高々2〜3倍である。一方、放射赤外線の透過率
に関しては、被覆材の種類によるちがいがきわめて大き
く、例えば通常のガラスとポリエチレンフイルムの透過
率は100倍以上もちがうのである。とくに、夜間におい
ては、太陽エネルギーの流入はなく、植物体及び大地か
らの赤外線放射のみが起こる(もちろん、温室内の空気
への伝熱、空気の対流による熱の移動、水の蒸発による
熱の移動、被覆材その他の資材を通しての外部への伝熱
等は並行して起こっているが、赤外線放射による熱の移
動が最も重要である。)。従って、夜間の温室内の冷え
こみの度合は、主として被覆材の赤外線放射阻止能力に
よって決定されるものである。このような論理に基き、
温室用被覆材の保温性を10μm附近の波長の赤外線透過
度と相関させて考えることができる。
夜間の赤外線放射を完全に阻止するためには、鏡面金
属板を用いて赤外線を完全に反射することが最も有効で
あるが、昼間の可視光線透過性を失なわせるので用いら
れない。次善の方法として、透明樹脂フイルム表面の金
属蒸着薄膜を形成せしめ、可視光線透過性をある程度保
持しながら赤外線不透過性を付与することが提案されて
いる。しかし、この方法では、可視光線の透過率がどう
しても50%以下に低下してしまうこと、真空蒸着を広い
面積にわたつて均一に行なうことが困難である等の問題
点がある。さらには、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等
の樹脂フイルム中に赤外線吸収能の高い無機化合物の微
粉末を分散させることにより、保温性を高めようとする
提案がある。しかしこの方法は、保温性を必要な程度に
まで高めようとする無機粉末をかなり多量に添加する必
要があり、そのため可視光線透過性が低下してしまう。
又、粉末を超微細化して、透明性を向上させようとして
も、無機物微粉末は疎水性樹脂中で凝集して粗大化する
傾向をもち、可視光線透過性と赤外線不透過性とを同時
に満足させることは出来ない。
また、従来のポリビニルアルコール(以下ポリビニル
アルコールをPVAと略記する)フイルムは、光線透過率
や光沢度などの光学的性質が優れていることや、赤外線
に対しては実質的に不透明であることから、温室の夜間
の冷え込みに対して優れた保温性を有し、また従来の該
フイルムが持つ強靱性、作業性、経済性をも併せて有す
る。
しかしながら従来のPVAフイルムにおいては膨潤倍率
が大きく、また風雨にさらされた時の吸水に伴う機械的
特性が低い為に、PVAフイルムを温室ハウス等に展張し
たあと、フイルム自体の吸水、吸湿によるたるみが生
じ、大きな問題となつている。
以上詳述した様に、従来公知の農業用フイルムには、
それぞれ一長一短があり、これまで、膨潤倍率が小さ
く、機械的特性に優れた、しかも可視光線に対しては透
明で、赤外線に対しては不透明な光学的性質を有する農
業用フイルムは知られていなかつた。
C.発明が解決しようとする課題 本発明者等は、膨潤倍率が小さく、機械的特性に優
れ、可視光線に対しては実質的に透明であり、赤外線に
対しては実質的に不透明となるフイルムを開発する為に
鋭意検討した結果、上記諸目的に適う農業用透明PVAフ
イルムを見出すに到つた。
D.課題を解決する為の手段 すなわち本発明の要旨は、ケン化度99.0モル%以上、
平均重合度2500以上、好ましくは4000以上のPVA樹脂組
成物を製膜してなるPVAフイルムであり、下記の式によ
り定義する膨潤倍率が3倍以下であり、引張り強度が2k
g/mm2以上、ヤング率が1.0kg/mm2以上であるPVAフイル
ム単独、あるいは該PVAフイルムを一構成要素とする積
層フイルム構造物からなり、可視光線に対しては実質的
に透明であり、かつ赤外線に対しては実質的に不透明と
なる様に構成された農業用透明PVAフイルムにある。
ここで、膨潤倍率は、40℃で水中下に16時間浸漬した
時の試料の重量(W1)と、同試料を105℃で2時間乾燥
を行つた時の乾燥重量(W0)を測定し、次式により求め
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるPVAは、その重合度が2500以上、好ま
しくは4000以上、より好ましくは7500以上、とりわけ好
ましくは9000以上が必要であり、従来のPVAフイルムに
使用されているPVAの重合度が2000以下であるのに比べ
て大きく相違している。このような高い重合度を有する
ために、本発明のPVAフイルムは、すぐれた耐膨潤性、
及び機械的性質が発現される。
また、ここにおいて、重合度2500以上のPVAは通常の
重合法(例えば特開昭61−148209号公報記載の方法)に
よつて得られ、またPVAは重合度が高い程、耐水性が向
上するが、さらに直接風雨にさらされる農業用PVAフイ
ルムとして用いた場合には、水に対する膨潤を小さくす
るため、ケン化度99.0モル%以上、好ましくは99.5モル
%以上、更に好ましくは99.9モル%以上の完全ケン化PV
Aを使用することが望ましい。
あるいは、更に該PVAをフイルムとした後、膨潤度を
小さくするために、従来公知の熱処理および延伸を施し
てもかまわない。
〔延伸及び熱処理により、膨潤度等の耐水性が改良され
るのは、例えば、高分子刊行会発行、「ポバール」、著
者;長野浩一、山根三郎、豊島賢太郎、(昭和45年4月
10日初版発行)の第148頁〜第152頁、特に第100図;熱
処理温度と耐熱水性、および第101図;熱処理温度と膨
潤度、に記載されている。〕 本発明に用いるポリビニルアルコール樹脂としては、
ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールから誘導
されるポリビニルアセタール、ポリビニルホルマール、
ポリビニルブチラール、ポリビニルベンザール、さらに
はポリビニルアルコールの水酸基の1部を化学的に修飾
又は反応させたいわゆる改質ポリビニルアルコール等が
あげられる。
ポリビニルアルコールは通常酢酸ビニルを重合して得
られるポリ酢酸ビニルをケン化することによつて製造さ
れるが、ポリ三弗化酢酸ビニル、ポリギ酸ビニル、ポリ
安息香酸ビニル等をケン化することによつても得られ
る。
また、酢酸ビニルと他のビニル性モノマーとの共重合
物をケン化することにより、ビニルアルコール重合単位
を含む共重合対すなわちポリビニルアルコール共重合体
が得られる。これらのポリビニルアルコール共重合体及
びこのアセタール化物、改質物もまた本発明に用いう
る。
酢酸ビニルと共重合可能であり、従つてポリビニルア
ルコール共重合体の構成成分となしうるビニルモノマー
としては、エチレン、フツ化ビニル、塩化ビニル、スチ
レン、メチルメタアクリレート等があげられる。
上記高分子化合物をすべて包含するポリビニルアルコ
ール樹脂は、本発明の目的に有用であるが、赤外線不透
過性を十分に有するフイルムとするためには、重合体中
におけるビニルアルコール重合単位のモル分率が30%以
上、さらに好ましくは50%以上であることが望ましい。
これらの数値は使用目的及びシート状物の光学的厚みに
より、その好適範囲が変化するので、限界的意味をもつ
ものではない。
又、前記ポリビニルアルコール樹脂をフイルム状に成
型するにあたり、少割合の紫外線吸収剤、着色用顔料、
充填剤、劣化防止剤、可塑剤、他の樹脂成分等の添加剤
を加えることが出来る。さらには、該ポリビニルアルコ
ール樹脂と混合しうる樹脂成分の場合には、目的に応じ
てブレンドフイルムとすることも可能である。
本発明は、前記ポリビニルアルコール樹脂組成物を製
膜してなるポリビニルアルコールフイルム単独又はこれ
を一構成要素とする積層フイルム構造物からなる農業用
透明ポリビニルアルコールフイルムに関するものである
が、本発明における透明フイルムとは、可視光線の透過
率が少くとも30%以上、望ましくは50%以上のフイルム
状物を意味するものであつて、単層フイルム、多層ラミ
ネートフイルムは勿論のこと、光線が適度に透過する程
度にあらい組織に織られた疎布、寒冷紗、カヤ地の如き
もの、不織布、紙等とポリビニルアルコールフイルムと
を接合してなる複合化フイルム、フイルムの内部に短繊
維又は長繊維を存在せしめてなる繊維強化フイルム等が
含まれる。これら積層フイルム構造物中におけるポリビ
ニルアルコールフイルムの存在の態様は任意であつて、
実質的に積層フイルム構造物の全面に存在し、赤外線を
吸収し再放射する作用を有効に奏し得られれば目的を達
しうる。従つて、ポリビニルアルコール樹脂よりなるフ
イルム自体は完全に連続フイルムである必要はなく、不
連続であつてもよい。又所々に穴のあいたものであつて
もよい。ボリビニルアルコールフイルムは、予め単独フ
イルムとして成型されたのち積層フイルム構造物に加工
されるだけでなく、ポリビニルアルコール樹脂の溶液又
は融液を基体にコーテイングすることにより皮膜を形成
させることも出来る。
本発明の可視光線に対しては実質的に透明で赤外線に
対しては実質的に不透過性となるように構成された農業
用透明ポリビニルアルコールフイルムは通常厚さ数十μ
m〜数百μmのシート状物であり、使用目的に応じ常識
的に妥当な厚さが定められるべきものである。例えば、
トンネル栽培用被覆材としては、20〜50μmの厚さで充
分であり、中大型ハウス栽培用には100〜200μmの厚さ
が必要となる。これらの厚さは主として力学的性質(強
度)の要求レベルによつて定められているもので、複合
化フイルムや強力フイルムの場合には又異なる値とな
る。
フイルムの成型方法、ラミネート方法、複合化方法等
は、従来公知の技術を用いればよい。
本発明思想の基本であるところの、ポリビニルアルコ
ールフイルムの高い赤外線吸収能及び赤外線再放射能を
利用して、可視光線に対しては実質的に透明であり、赤
外線に対しては実質的に不透過性となるように構成され
た、保温性の良い農業用フイルムを製造するという原理
に排反しない範囲において、種々の実施形態をとりう
る。
E.作用及び発明の効果 本発明のPVAフイルムは従来のPVAフイルムと比べて膨
潤倍率が小さく、機械的特性がすぐれているという性質
を併せて有していることに加えて、分子中にアルコール
性水酸基を多数有している為、赤外領域、とくに温室用
フイルムの保温性に対し重要な8〜12μmの波長領域に
強い吸収をもつ分子運動のモードを有する。
またPVAフイルムは同一温度における樹脂それ自身か
らの赤外線放射能力も際だつて大であり、透明でありな
がら完全黒体に近い放射係数を有する。その為、一且吸
収した赤外線エネルギーを再び温室内に赤外線として放
射する能力が大きく、従つて保温性が高いのである。
本発明のPVAフイルムのこのような特性は、農業用フ
イルム材料として理想的ともいうべきものである。
本発明の実施例を以下に説明するが、本発明はこれら
の実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例中で用いる部数及び百分率は、とくにこ
とわりのない限りは重量基準による。
なお、実施例中の諸物性値は以下の方法によつて測定
したものである。
〔膨潤倍率〕
40℃で、水中下に16時間浸漬した時の試料の重量
(W1)と、同試料を105℃で2時間乾燥を行なつた時の
絶乾重量(W0)を測定し、次式より求めた。
〔機械的強度〕 引張強度、ヤング率は、島津製作所製オートグラフDC
S100型により20℃で水中下に24時間浸漬した時の試料を
用いて、測定した。
この時、クランプ間の試長は50mmで、引張り速度は10
00%/minとした。
〔光線透過率〕
可視光線透過率は、該フイルムの紫外可視光吸収スペ
クトルチヤート(日立社製自記分光光度計EPS−3T型に
より測定)より、太陽光線のエネルギー分布におけるピ
ークに近い546mμの波長における透過度の値(%)で表
わした。赤外線透過率(%)の値は、日立製自記赤外分
光光度計EPI−G2型により測定した該フイルムの赤外線
吸収スペクトルチヤートより、室温付近の黒体の赤外線
放射エネルギースペクトルのピーク附近の波長の8〜12
μmの範囲の赤外線透過率を積分して平均値を求めたも
のである。
実施例1 重合度9000、ケン化度99.9モル%のPVAの2重量%
(固形分)水溶液を調整し、充分に加熱撹拌を行つて均
一溶液とし、ガラスプレートに流し込み、50℃の加熱乾
燥機で乾燥し、厚さ150μのPVAフイルムを得、これを12
0℃で10分間緊張熱処理した。このフイルムの膨潤倍
率、機械的強度(引張強度およびヤング率)を表−1に
示す。
比較例1 実施例1で用いたPVAのかわりに、重合度9000、ケン
化度98.0モル%のPVAを用い、10重量%の(固形分)水
溶液を調整した以外は実施例1と同様にしてフイルムを
得、同様の熱処理を行つた。このフイルムの膨潤倍率の
結果を表−1に示す。
比較例2 実施例1で用いたPVAのかわりに、重合度1700、ケン
化度99.9モル%のPVAを用い、10重量%の(固形分)水
溶液を調整した以外は実施例1を同様にしてフイルムを
得、同様の熱処理を行つた。このフイルムの機械的性質
(引張り強度、ヤング率)を表−1に示す。
以上から、本発明のPVAフイルムは膨潤倍率が小さ
く、従つて耐水性が良好であり、また引張強度やヤング
率という機械的特性もすぐれていることが判る。
実施例2 実施例1で得たPVAフイルム(No.1)および対照とし
て、ポリエチレンフイルム(住友化学製スミカセン、高
圧法;No.2)、ポリプロピレンフイルム(チツソ製;No.
3)の計3種のフイルム(厚さ150μ)についての可視光
線透過率および赤外線透過率の測定結果を表−2に示
す。
表−2の結果より、本発明のPVAフイルムは可視光線
透過性および赤外線不透過性にすぐれていることが容易
に理解される。
実施例3 各種フイルムを温室用被覆材として用いた場合の夜間
放射に対する保温性を試験するために、発泡スチロール
製のモデル温室を作成し、上面の開口部に各種被覆材を
はりつけて屋外の日のあたる場所に設置して24時間内の
箱内温度の最高値を測定した。温度測定には最高最低温
度計を用いた。モデル温室の中には、底にカオリンクレ
ーと黒色酸化鉄粉末の混合物を敷いて黒体吸収−放射体
とした。対照として、上面開口部に何ら被覆材をはりつ
けないモデル温室の温度を測定した。最高温度及び最低
温度の絶体値は気象条件により著しく変化するので、対
照との温度差(ΔT)をもつて保温性の尺度とした。実
験は7月下旬〜9月中旬の間の晴の日を選んで行なつ
た。結果を表−3に示す。
なお被覆材としては実施例1で得たPVAフイルム(No.
1)および対照としてポリエチレンフイルム(住友化学
製 スミカセン、高圧法;No.2)、ポリプロピレンフイ
ルム(チツソ製;No.3)、軟質ポリ塩化ビニル(ポリ塩
化ビニル樹脂/ジオクチルフタレート=100重量部/50重
量部;No.4)の計4種について保温性能を調べた。
表中におけるΔT(max)およびΔT(min)の値はそ
れぞれ、該フイルムで被覆したモデル温室の昼間の最高
温度T(max)および夜間の最低温度T(min)と被覆を
施さない温室のそれら〔To(max)およびTo(min)〕と
の温度差を示すものである。すなわち ΔT(max)=T(max)−To(max) ΔT(min)=T(min)−To(min) である。Δ(max)およびΔ(min)は、何日かの測
定値を単純平均した値を意味する。
表−3の結果より、PVA樹脂を用いてなる本発明のPVA
フイルムは、従来の農業用フイルムにくらべきわめて保
温性にすぐれているということができる。
実施例4 実施例1で得たフイルムを、20℃、65%RHに調湿した
部屋に30日間フイルムを一辺を上辺にしてつるして放置
した。このようにして得たフイルムの性質を表−4に示
す。
比較例3 比較例1で得たフイルムを実施例4と同様にして調湿
した。このようにして得たフイルムの性質を表−4に併
せて示す。
比較例4 比較例2で得たフイルムを実施例4と同様にして調湿
した。このようにして得たフイルムの性質を表−4に併
せて示す。
以上から本発明のPVAフイルムは、形態もしつかりし
ており、農業用フイルムとして好適である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−309115(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケン化度99.0モル%以上、平均重合度2500
    以上のポリビニルアルコール樹脂組成物を製膜してなる
    ポリビニルアルコールフイルムであり、下記の式により
    定義する膨潤倍率が3倍以下であり、引張り強度が2kg/
    mm2以上、ヤング率が1.0kg/mm2以上であるボリビニルア
    ルコールフイルム単独、あるいは該ポリビニルアルコー
    ルフイルムを一構成要素とする積層フイルム構造物から
    なり、可視光線に対しては実質的に透明であり、かつ赤
    外線に対しては実質的に不透明となる様に構成された農
    業用透明ポリビニルアルコールフイルム。 ここで、膨潤倍率は、40℃で水中下に16時間浸漬した時
    の試料の重量(W1)と、同試料を105℃で2時間乾燥を
    行つたときの乾燥重量(W0)を測定し、次式より求め
    る。
  2. 【請求項2】ポリビニルアルコール樹脂組成物の平均重
    量度が4000以上である請求項(1)に記載の農業用透明
    ポリビニルアルコールフイルム。
  3. 【請求項3】ポリビニルアルコール樹脂組成物の平均重
    量度が9000以上である請求項(1)に記載の農業用透明
    ポリビニルアルコールフイルム。
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