JP2599426Y2 - プレストレストコンクリート用緊張材 - Google Patents

プレストレストコンクリート用緊張材

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JP2599426Y2
JP2599426Y2 JP1993056385U JP5638593U JP2599426Y2 JP 2599426 Y2 JP2599426 Y2 JP 2599426Y2 JP 1993056385 U JP1993056385 U JP 1993056385U JP 5638593 U JP5638593 U JP 5638593U JP 2599426 Y2 JP2599426 Y2 JP 2599426Y2
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concrete
tension
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章夫 小野寺
知史 下村
淳 福原
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宇部日東化成株式会社
西松建設株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ポストテンション方式
によりコンクリートに圧縮応力を導入するプレストレス
トコンクリート用緊張材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高強度を有するガラス繊維、炭素
繊維、アラミド繊維などにより一方向に強化したFRP
ロッドを利用したプレストレスト緊張材は防蝕性に勝れ
ているため、プレストレストコンクリート用緊張材とし
て注目されている。
【0003】ところで、コンクリートに圧縮応力(プレ
ストレス)を導入するには、プレテンション方式とポス
トテンション方式の2通りがある。
【0004】前者の方式は、緊張材に引張り応力を掛け
た状態でコンクリートを打設し、固化させた後、緊張材
の両端末を解放するものであり、この方式ではコンクリ
ート使用中の長年に亘り、緊張材とコンクリートとが確
実に密着している必要がある。
【0005】これに対し後者の方式は、従来はコンクリ
ート打設時に、シース管のみを埋め込んでおき、コンク
リート固化後にシース管の中にPC鋼材などの緊張材を
通し所定の引張り応力を導入して両端をコンクリート部
材端に固定する。したがって、この方式では緊張材の両
端末部分のみによって引張り応力を把持するため、定着
具により高度な信頼性が必要とされる。本発明は、後者
のポストテンション方式のプレストレストコンクリート
用緊張材に係るものである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】また、従来のポストテ
ンション方式において、前述のごとくシース管を使用す
るのは緊張材に応力を導入する際にコンクリート部材に
引張り応力がかからないよう両者の間に空間を設けるた
めである。この空間には緊張材が固定された後にモルタ
ルやセメントミルクなどを充填し、コンクリート部材の
強度低下を防止するとともに、PC鋼材の防蝕を行う。
したがって、この空間が存在することによりコンクリー
ト部材をその分厚くする必要がある。
【0007】これらを解決するためのFRP製緊張材と
して特開昭63−277350号公報にシース管一体型
のプレストレストコンクリート用緊張材が開示されてい
る。
【0008】しかしながら、この公報に記載された発明
に係るFRPロッドは、緊張材の断面形状が円形であり
コンクリート部材の厚さに対するFRP断面形状につい
て考慮されていないことに加え、一方向のみに強化され
たものであるから、これを一般に用いられている圧縮摩
擦式原理を利用した定着具を用いて緊張定着すると引張
り応力と同時に厚さ方向の圧縮応力も発生し、この圧縮
応力によりロッドの特定部分に剪断応力が集中する結
果、定着具内部またはその近傍でFRPロッドが破断す
る、すなわちチャック切れを生ずる惧れがあった。
【0009】本考案は以上の問題を解決するものであっ
て、その目的は、ポストテンション方式のプレストレス
トコンクリート用緊張材としてFRPロッドを用いる上
で、コンクリート部材の厚さを低減できる構成でありな
がら、端末の緊張定着を行うときにチャック切れを生じ
にくくしたプレストレスコンクリート用緊張材を提供す
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この考案は、ポストテンション方式によりコンクリ
ート部材に圧縮応力を導入するためのプレストレストコ
ンクリート用緊張材であって、該緊張材は、ABS,A
AS,AES,変性PPEから選択された熱可塑性樹脂
からなる被覆樹脂により引張り剪断接着強度が50kgf
/cm 2 以上で被覆一体化された帯板状の連続繊維強化プ
ラスチックの表面を、塑性流動物質を介して耐アルカリ
プラスチック被膜で覆ってなることを特徴とする。
【0011】
【作用】以上の構成において、緊張材の断面形状を帯板
状とすることによってコンクリート部材厚みに適合した
断面形状に出来る。FRP周囲を覆う被覆樹脂によって
端末を定着具にチャックした時の破断が防止される。
【0012】コンクリート部材固化後に引張り応力を加
えたときに、FRPとコンクリート間は、塑性流動物質
を介して相対的に滑りを生じ、テンションをかけた際の
コンクリート部材側に引張り応力が加わるのが防止され
る。
【0013】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面を用いて詳細
に説明する。
【0014】図1は本考案に係るFRP製緊張材Aを示
すもので、この緊張材Aは、熱可塑性樹脂からなる被覆
樹脂1により外周を被覆一体化された帯板状の連続繊維
強化プラスチック(以下FRPと称する)2の表面を、
塑性流動物質3を介して耐アルカリ性プラスチック被膜
4で覆ったものである。
【0015】前記FRP2は、ガラス繊維、炭素繊維、
アラミド繊維など(ポリパラフェニレンテレフタルアミ
ド繊維、芳香族ポリエーテルアミド繊維など)の長繊維
を一方向に配列し、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、ビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート樹脂
など)で例えばプルトルージョン法などにより帯板状に
成形する際、前記被覆樹脂1を表面に被覆して製造され
る。
【0016】この帯板状FRP2内における繊維の体積
含有率(Vf)は、30〜70容積%が好ましい。ま
た、帯板状FRP2の長さ方向に垂直な断面は実質的に
矩形であり、厚さ対幅の比率は、1:2〜1:20の範
囲とする。なお、1:5より大きくなった場合、コンク
リート部材厚さ低減の効果が円形断面場合と比較して大
差がなくなってしまい、1:20より小さくなった場
合、端末部での定着力が小さくなってしまう。それゆえ
好ましくは1:5〜1:20の範囲の平板状をなした断
面に成形されことが望ましい。
【0017】被覆樹脂1の厚さは0.5mm未満では定着
切れの防止効果が十分でなくなってしまう。また2mmを
越えると定着時に厚さ方向の圧縮応力が働いたとき、樹
脂層で破壊を生じるようになり、FRPロッドの強力を
十分に利用できなくなるため、0.5〜2mmが好ましい
値となる。
【0018】また、この被覆樹脂1は、帯板状FRP2
と十分に接着していることが重要であり、(引張り剪断
接着強度で50〜100Kg/cm2 )、この接着強力が不
十分であると端末定着性が低下してしまう。さらに、こ
の被覆樹脂1は、帯板状FRP2と後述する定着具との
間でクッション材の役割を果たすことが重要であり、こ
のためゴム弾性を示す必要がある。
【0019】以上の条件により、被覆樹脂1は、ABS
(アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン)、AAS
(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン)、AE
S(アクリロニトリル−EPDMゴム−スチレン)、変
性PPE(ポリフェニレンエーテルをポリスチレンで変
性させたもの)などが例示できる。なお、塑性流動性物
質3に対する耐油性の点から被覆樹脂1は、ABSより
もAAS、AES、変性PPEが望ましい。
【0020】塑性流動性物質3は、主としてFRPロッ
ドに応力を導入する際、この引張り応力が外側のプラス
チック被膜4を介して周囲のコンクリートCに伝わるの
を阻止するものである。この塑性流動物質としては、シ
リコンオイル、グリース、ワックス、パラフィン、パー
ム油、油性ペイント、グリセリン、アスファルトなど流
動性を有しながらもロッドと外側被膜の間に止どまって
流れ出てしまわない物質を用いる。
【0021】但し、前記熱可塑性樹脂1の耐油性(ケミ
カルストレスクラック現象による割れが発生する)の点
からリン酸エステル系、耐火性油などの合成油、植物製
油(サラダ油)、ジオクチルフタレート(エステル化合
物で可塑材として使用される)などが混合されていない
油を用いる必要がある。
【0022】さらに最外周のプラスチック被膜4にはエ
ポキシ、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩ビ、ナイロ
ン、アクリルなどの加水分解を受けずにコンクリート養
生時の熱履歴(60℃8時間程度)に耐える樹脂を用い
る。
【0023】またこのプラスチック被膜4の被膜厚さは
0.5〜1.0mmの範囲であることが好ましい。0.5
mm未満ではハンドリングの際に物質的損傷を受けたとき
の保護効果及びコンクリート養生時の耐熱性が十分でな
くなり、1.0mmを越えると緊張材全体の剛性が上が
り、施工時の作業性が悪くなってしまうからである。
【0024】次に、以上の構成の緊張材Aを用いたプレ
ストレストコンクリートの製造手順を図2を用いて説明
する。
【0025】先ず、図2(a)に示すように、型枠5内
に緊張材Aを配置する。このとき緊張材Aの両側端末部
A1 は後述の定着具に対するチャックしろ分だけ型外に
突出させた状態とする。次に図2(b)に示すようにコ
ンクリートCを型枠5内に打設し、これを固化させる。
【0026】コンクリートCの固化後脱型し、図2
(c)に示すように端末部A1 におけるプラスチック被
膜4を除去し。この部分を定着具6にチャックし、一方
の定着具6を所要のテンションで引張り、コンクリート
Cの端面で反力を取った状態で定着具6を端末部A1 に
固定し、この状態に保持することによりコンクリートC
には所要の圧縮応力が加わることになる。したがって、
定着具6のチャック力に対しては被覆樹脂1が受けるた
め、定着切れを防止することになる。
【0027】また、図の一部に拡大して示すように、プ
ラスチック被膜4はコンクリートC側に接着した状態で
あり、被覆樹脂1及びFRP2の引張り方向に対しては
塑性流動物質3を介して相対的に滑りを生じ、この引張
り力FはそのままコンクリートCに対する圧縮力Fとし
て働くため、プレストレスをかけることが出来る。
【0028】
【考案の効果】以上実施例によって詳細に説明したよう
に、本考案にかかるプレストレストコンクリート用緊張
材は以下の利点がある。
【0029】緊張材の断面形状を帯板状とすることによ
ってコンクリート部材厚みに適合した断面形状とするこ
とができ、コンクリート部材の厚さを減少することがで
きる。
【0030】被覆樹脂によって端末を定着具にチャック
した時の破断を防止し、末端定着性を十分に確保でき
る。
【0031】コンクリート固化後に引張り応力を加えた
ときに、FRPとコンクリート間は、相対的に滑りを生
じ、テンションを掛けた際のコンクリート部材側に引張
り応力が加わるのが防止され、確実にコンクリート部材
にプレストレスをかけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案にかかるプレストレストコンクリート用
緊張材の断面斜視図である。
【図2】(a)〜(c)同緊張材を用いたプレストレス
トコンクリートの製造手順を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
A 緊張材 A1 端末 1 被覆樹脂 2 帯板状の連続繊維強化プラスチック 3 塑性流動物質 4 プラスチック被膜 C コンクリート 6 チャック部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 福原 淳 岐阜県岐阜市薮田西2丁目1番1号 宇 部日東化成株式会社 岐阜研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−277350(JP,A) 特開 昭61−284416(JP,A) 特開 平4−31542(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04C 5/00 - 5/10

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポストテンション方式によりコンクリー
    ト部材に圧縮応力を導入するためのプレストレストコン
    クリート用緊張材であって、該緊張材は、ABS,AA
    S,AES,変性PPEから選択された熱可塑性樹脂か
    らなる被覆樹脂により引張り剪断接着強度が50kgf/c
    m 2 以上で被覆一体化された帯板状の連続繊維強化プラス
    チックの表面を、塑性流動物質を介して耐アルカリ
    ラスチック被膜で覆ってなることを特徴とするプレスト
    レストコンクリート用緊張材。
JP1993056385U 1993-10-19 1993-10-19 プレストレストコンクリート用緊張材 Expired - Fee Related JP2599426Y2 (ja)

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