JP2599255B2 - 5α−コレスタ−8(14)−エン−3β−オール−15−オンおよび他の15−酸素化ステロールの合成のための改良方法 - Google Patents

5α−コレスタ−8(14)−エン−3β−オール−15−オンおよび他の15−酸素化ステロールの合成のための改良方法

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JP2599255B2 JP6280727A JP28072794A JP2599255B2 JP 2599255 B2 JP2599255 B2 JP 2599255B2 JP 6280727 A JP6280727 A JP 6280727A JP 28072794 A JP28072794 A JP 28072794A JP 2599255 B2 JP2599255 B2 JP 2599255B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ある種の15−酸素化
ステロール化合物を製造するための改良方法、並びに該
ステロール化合物を製造する時に形成される中間体およ
び副生成物に関する。前記15−酸素化ステロール化合
物は、メバロン酸の生合成を阻害するのに有用であり、
メバロン酸の生合成の阻害から誘導される全ての作用を
包含する。メバロン酸の生合成の阻害から誘導される作
用は、結果として動物におけるコレステロールレベルの
低下を伴うステロールの生合成の抑制、並びに微生物お
よび細胞の増殖の阻害を包含する。15−酸素化ステロ
ールはまた、食欲を抑制するのにも有効であり、この作
用はメバロン酸およびそれから誘導される生成物、特に
コレステロールの生合成におけるそれらの阻害活性に関
連すると思われる。
【0002】
【従来の技術】多くの場合、ステロールの生合成の抑制
が望まれる。例えば、人間を含む動物においてコレステ
ロールの形成を抑制することがしばしば望まれ、これに
より動物中の血清のコレステロールレベルが低下するで
あろう。血清中のコレステロールの濃度は、多数の病
気、特にアテローム性動脈硬化症と関連がある。アテロ
ーム性動脈硬化症は、動脈系中のプラークの形成により
特徴づけられる状態である。コレステロールおよびコレ
ステロールエステルがこれらプラークの主要成分であ
る。この病気の病因は完全には解明されていないが、上
昇した血清のコレステロールレベルが、アテローム性動
脈硬化症をまねくと思われる。
【0003】動物中のコレステロールは2つの源から誘
導され、その1つは食事のコレステロールの摂取および
吸収であり、2つめは体の種々の器官、例えば肝臓、腸
および皮膚の細胞によるアセテートからのコレステロー
ルの生合成である。体内でのアセテートからのコレステ
ロールおよび他のステロールの生合成は複雑な反応の連
鎖を含み、その1つは3−ヒドロキシ−3−メチルグル
タリル補酵素Aのメバロン酸への変換である。この反応
が細胞でのコレステロールの正常な生合成の主な調節点
であると考えられている。もしメバロン酸の生合成が生
体内で阻害され得るならば、ステロールの生産が減少
し、そしてこれにより血清のコレステロールレベルを下
げることができる。
【0004】英国特許第860,303号において、あ
る種のアリールオキシカルボン酸エステル、例えば2−
(4′−クロロ−フェノキシ)−イソ酪酸のメチルエス
テルが血清のコレステロールレベルを抑制する利用のた
めに提案されている。この化合物は人間の臨床的処置に
意義深い重要性を得たが、様々な理由で所望するほどに
は効果的でない。従って、血清のコレステロールレベル
を抑制するのにより有効な化合物に大きな関心と重要性
がある。
【0005】肥満もまた深刻な健康問題である。体重過
剰と多くの病気、特に心血管の病気との間の相関性はよ
く知られている。多くの人々は、心理的または他の理由
で、体重のコントロールまたは体重低下のダイエットを
実行することが困難であるかまたは不可能である。この
ため、食欲を安全に且つ効果的に抑制する方法が非常に
必要とされる。
【0006】米国特許第4,202,891号(この特
許は本明細書中に組み込まれる)から、ある種の15−
酸素化ステロール類がメバロン酸およびステロールの生
合成を抑制するのに有効であることが知られている。動
物中でコレステロールの形成を抑制することを包含す
る、多数の望ましい作用がメバロン酸の生合成の阻害か
ら誘導され得、これにより血清のコレステロールレベル
が低下され得るだろう。
【0007】加えて、高等生物およびある種の微生物、
例えば酵母および真菌の細胞の成長および増殖はステロ
ールの形成を含む。従って、メバロン酸の生合成の阻
害、およびそれによるステロール形成の減少は、正常の
ものと腫瘍のものと両方の細胞の成長を阻害するのに有
効である。さらにステロールの生合成の阻害は、ある種
の微生物の増殖を阻害し、それにより真菌および酵母感
染と戦う作用を有する。
【0008】ステロール生合成における役割に加えて、
メバロン酸は細胞の多数の他の重要な構成要素の前駆体
である。故に、バクテリアは一般にステロールを含有ま
たは要求しないと思われるが、それらの成長および増殖
はメバロン酸およびそれから誘導される生成物の合成を
必要とする。従って、メバロン酸の生合成の阻害がバク
テリアの増殖を阻害するであろう。
【0009】さらに15−酸素化ステロール類およびそ
れらの誘導体が肥満を抑制するのに有効である。15−
酸素化ステロールが肥満を抑制するのに働く機構は知ら
れていないが、この作用は15−酸素化ステロールのメ
バロン酸またはステロール生合成阻害活性に何らかの関
連性があると思われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】米国特許第4,20
2,891号の15−酸素化ステロールは、高度な活性
を表わす望ましい化合物と示されている。しかしなが
ら、15−酸素化ステロールを製造するための今までに
既知の方法は費用と時間がかかるものであった。しばし
ば、ごく少ない収量の所望の生成物しか得られなかった
り、または種々の理由、例えば高価なクロマトグラフィ
ーの必要性のために大スケールでこの方法を行なうこと
が困難であったりした。加えて、7−デヒドロコレステ
ロールからの15−酸素化ステロールの製造における重
要な中間体である、3β−ベンゾイルオキシ−5−コレ
スタ−7,14−ジエンの製造のための既知の方法は、
非常に可変的であるために不十分であった。時折、所望
の生成物を適度な純度で適度な収率で得たけれども、し
ばしば所望したよりも収率および純度が低く、そして未
知の副生成物が観察された。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、大スケールに
おいて、一貫して高収率で高品質の15−酸素化ステロ
ールを製造する方法を提供する。そのような方法は、も
ちろん、相当する有効性および効率を提供する。本発明
によれば、デヒドロコレステロールからの15−酸素化
ステロールの合成のために、新しい4段階法が提供され
る。この方法は、7−デヒドロコレステロールの3β−
ベンゾイルオキシコレスタ−5,7−ジエンへの変換
(段階1)、3β−ベンゾイルオキシコレスタ−5,7
−ジエンの3β−ベンゾイルオキシ−5(αまたはβ)
−コレスタ−7,14−ジエンへの変換(段階2)、3
β−ベンゾイルオキシ−5(αまたはβ)−コレスタ−
7,14−ジエンの3β−ベンゾイルオキシ−14α,
15α−エポキシ−5(αまたはβ)−コレスタ−7−
エンへの変換(段階3)、そして最後に、3β−ベンゾ
イルオキシ−14α,15α−エポキシ−5(αまたは
β)−コレスタ−7−エンの15−酸素化ステロールへ
の変換(段階4)を包含する。
【0012】より詳しくは、本発明は、3β−ベンゾイ
ルオキシ−コレスタ−5,7−ジエンを3β−ベンゾイ
ルオキシ−5(αまたはβ)−コレスタ−7,14−ジ
エンへ変換する(段階2)非常に望ましい方法を提供
し、この方法は(i)高くとも約−55℃の温度の溶媒
中、3β−ベンゾイルオキシ−コレスタ−5,7−ジエ
ンを3β−ベンゾイルオキシ−5−コレスタ−7,14
−ジエンに変換するのに十分な時間の間、3β−ベンゾ
イルオキシコレスタ−5,7−ジエンを前記溶媒中少な
くとも約2.0Mの濃度のHClと接触せしめることに
より第一反応混合物を形成せしめ;(ii)有意な量の3
β−ベンゾイルオキシ−5−コレスタ−8,14−ジエ
ンの形成を防ぐために、前記反応混合物を塩基で中和
し;そして(iii)3β−ベンゾイルオキシ−5−コレス
タ−7,14−ジエンを回収する、ことを含んで成る。
【0013】本明細書中で検討する化合物は、それぞれ
参照番号を当てられており、その参照番号は図1および
図3中の対応する構造式と互いに関係がある。本発明
は、7−デヒドロコレステロール()から3β−ヒド
ロキシ−5α−コレスタ−8(14)−エン−15−オ
ン(1a)のような15−酸素化化合物を調製するため
の改良された合成方法に関する。そのような方法は、一
般にParishら、Chemistry and Physics of Lipid
s,18, 233-239,1977; Schroepferら、Journa
l of Biological Chemistry, 252, 8975-8980, 1977 に
おいて開示されている。しかしながら、本発明の改良方
法は、大スケールでの利用により適し、そして高収率の
比較的純粋な生成物を一貫して製造することのできるも
のである。本発明の方法の開発は、特に、種々の段階に
おける中間体および副生成物の単離および同定並びにそ
れら包含物の評価を包含している。
【0014】本発明は、広い態様として、7−デヒドロ
コレステロール()から3β−ベンゾイルオキシコレ
スタ−5,7−ジエン()への変換、3β−ベンゾイ
ルオキシコレスタ−5,7−ジエンの3β−ベンゾイル
オキシ−5−コレスタ−7,14−ジエン()への変
換、3β−ベンゾイルオキシ−5−コレスタ−7,14
−ジエンの3β−ベンゾイルオキシ−14α,15α−
エポキシ−5−コレスタ−7−エン()への変換、そ
して最後に前記3β−ベンゾイルオキシ−14α,15
α−エポキシ−5−コレスタ−7−エンの15−酸素化
ステロール、好ましくは3β−ヒドロキシ−5α−コレ
スタ−8(14)−エン−15−オン(1a)への変換
を包含する。
【0015】本発明の好ましい態様によれば、(i)3
β−ベンゾイルオキシコレスタ−5,7−ジエンを3β
−ベンゾイルオキシ−5−コレスタ−7,14−ジエン
に変換せしめるのに十分な時間の間、高くとも約−55
℃の温度の溶媒中で、3β−ベンゾイルオキシコレスタ
−5,7−ジエンを少なくとも約2.0MのHClと接
触せしめ;(ii)有意な量の3β−ベンゾイルオキシ−
5−コレスタ−8,14−ジエン(9aおよび9b)の
形成を防ぐために、生じた反応混合物を塩基で中和し;
そして(iii)3β−ベンゾイルオキシ−5−コレスタ−
7,14−ジエンを回収する;ことを含んで成る方法に
より、3β−ベンゾイルオキシコレスタ−5,7−ジエ
ンを3β−ベンゾイルオキシ−5−コレスタ−7,14
−ジエンに変換する。
【0016】ベンゾエートの調製(段階1)。7−デヒ
ドロコレステロール()のΔ5,7ベンゾエート(
への変換は、既知の方法、例えば()を塩化ベンゾイ
ルと反応させることにより達成され得る。その反応体を
溶媒、例えばピリジン中で還流し、そして反応混合物を
冷却後、濾過により生成物を回収することができる。洗
浄(例えば、水および希炭酸塩で)および再結晶(例え
ば、熱CHCl3 中で)により、高収率において高純度
生成物を得ることができる。
【0017】ジエンの異性化(段階2)。前記Δ5,7
エン()を5α−Δ7,14異性体(4a)に変換するた
めの従来技術は非常に可変的な結果を生むことがわかっ
た。収率は30%(またはそれより少ない)から70%
まで変化した。さらに、一定の反応条件を維持するため
の試みにもかかわらず、所望の生成物4aはしばしば様
々な量の幾つかの異なる化合物で汚染された。生成物の
組成に関してかなりの複雑性が、最初の再結晶からの生
成物の二次収穫物を得るための試み中に観察された。反
応温度、出発物質および溶媒の純度、反応の時間、並び
に反応のクエンチング温度といったファクターの適度な
変化が、生成物の組成に識別可能な効果を全く又はほと
んど与えなかった。
【0018】反応における主要な中間体および副生成物
の単離および同定は、最適な反応条件を見出すための試
みの中で行われた。低温にて前記Δ5,7 ジエンをHCl
と接触させることによる5α−Δ7,14異性体を調製する
時に、理論上の中間体は少量の種8aおよび9aととも
に3β−ベンゾイルオキシ−6α−クロロ−5α−コレ
スタ−7−エン()であることがわかった。理論上の
副生成物は5β−Δ8, 14異性体9bであることがわかっ
た。3β−ベンゾイルオキシ−5β−コレスタ−7,1
4−ジエン異性体4bも少量の副生成物として単離され
た。これらの構造は当業者にとってよく知られている常
用の分析方法、例えばNMRおよびX−線結晶学により
決定された。
【0019】ステロールのジエン異性化におけるクロロ
中間体はD.H.R.Barton, Journal Chemical Society, 51
2-522(1946) により40年以上も前に提唱されたけれど
も、そのような中間体は未だ単離または同定されていな
い。さらに、5β−異性体はステロールのジエン異性化
において以前に報告されている〔例えば、D.H.R.Barto
n, Journal Chemical Society, 1116-1123(1946) を参
照のこと〕一方、Δ5,7系へのHClの低温添加による
5β−ジエンの生成は未だ報告されていない。
【0020】図1中に記載されたジエンの異性化につい
て提唱される経路(3→4)は、理論上の中間体および
副生成物を指示しながら図2に示される。5β−ジエン
の異性化は5α−ジエンについてのものと同様な経路に
従うと思われる。しかしながら、下記に論じられるよう
に、その反応速度は5α系と5β系では異なるようであ
り、そしてに相当するクロロ中間体が5β−ステロー
ル経路では認められなかった。全体の反応生成物の分析
は、Δ5,7 ジエン系の最初のプロトン化の約20%が5
β−ステロールを与えるように起こることを示した。5
β−ジエンは異性化反応において嵩のある不純物を構成
するので、所望の生成物4aの収率をさらに増加させる
ためのあらゆる試みは、該ステロールのα表面へのHC
lの最初の付加により有利であるような条件の変更を常
に必要としている。
【0021】5α−ステロールを製造するためには、理
論上の副生成物4bを減少せしめることが有利である。
しかしながら、15−酸素化5β−ステロールもステロ
ール生合成の有力なインヒビターである。従って、重要
な中間体4aと副生成物4bの両者の製造が有利であ
る。故に、両者は本発明の範囲内にある。さらに、検討
は5α−ステロールの製造に焦中するが、副生成物4b
からの5β−ステロールの製造方法は4aからの5α
ステロールの製造方法と同じであることは明らかであろ
う。従って、5α−ステロールに関して本明細書中に開
示される方法は、同様に5β−ステロールにも適用さ
れ、そして4aまたは4b中間体のどちらの使用も本発
明の範囲内にある。
【0022】ジエン異性化における様々な種は常法、例
えば 1H−および13C−NMR,TLC並びにHPLC
により一度同定され特徴づけられれば、反応の経路は反
応液のアリコートを定期的に分析することによりたどる
ことができる。この分析の結果は、Δ5,7 異性体が非常
に速く反応してを形成することを示す。Δ5,7 系への
HClのこの1,2−付加はBarton, J.Chem.Soc. 194
6, 512-522 により提唱された1,4−付加およひ優先
されるΔ5 ステロイドへのHClのマルコニコフ付加と
は対照的である。例えば、Barton, Experientia.Suppl.
II , 1955, 121-136 を参照のこと。この遅い反応の段
階は、の脱ハロゲン化水素であると思われ、これは
ュード−エカトリアル塩素を生成する。低温では、この
脱離はかなり高濃度のHClを必要することがわかり、
このことはシュード−アキシャル6β−エピマーの
介在を示唆する。低いレベルの5α−Δ6,8(14) 異性体
が反応が進行するにつれて観察され、このことは5α−
Δ7,14ジエン4aへの8aの変換がの脱ハロゲン化水
素よりもかなり速いことを示唆する。5α−Δ8,14異性
9aへの4aの異性化は、の脱ハロゲン化水素より
も幾らか遅いと思われる。何故なら、は完全に反応し
たが少量の9a異性体だけが形成した適当な時にその反
応をクエンチングできることが発見されたからである。
【0023】これらの知見に基づき、該異性化反応にお
いて良好な収率および高い生成物純度を一貫して得るた
めの方法、即ち4aの調製方法を開発した。一般に、そ
の反応は低温(約−55℃よりも低く、そして好ましく
は−65℃〜−75℃)で行った。低い温度は溶媒中の
HClの溶解度を高めそして5α−Δ8,14異性体9a
形成を遅くするため、反応の最適なクエンチングの時間
が短かすぎない。CHCl3 溶媒へのCH2 Cl2 の添
加によって、Δ5,7 異性体の溶解度に不利に影響する
ことなく、凝固点を低くすることが可能である。重量比
で約3:1のCHCl3 とCH2 Cl2 との溶媒混合物
が満足であることが示され、もちろん、低い凝固点並び
にHClおよびΔ5,7 異性体に対して良好な溶解度を有
する他の溶媒または溶媒混合物を使用してもよい。
【0024】出発物質が低温において晶出する傾向を阻
止するために、好ましくは約2.0−2.5Mの濃度が
得られるまでHClガスを迅速に導入する。HClの流
れを止めた後に、4aへの変換が可能になり−55
℃以下、好ましくは−65℃〜−70℃において進行す
る。その反応を定期的に反応混合物のアリコートについ
てクロマトグラフィー(例えばTLC)によってモニタ
ーして最適なクエンチング時間を決定することができ
る。
【0025】Δ5,7 ジエン()がΔ7,14中間体(
)に異性化した後、ただし幾らか有意な量のΔ8,14
生成物(9a)の生成前に、その反応液をNH4 OHの
ような塩基でクエンチング(中和)する。クエンチング
および生成物の抽出に続いて、ピリジンのようなさらな
る塩基をCHCl3 溶液に添加しての脱ハロゲン化水
素から遊離される追加のHClを中和し、こうして5α
−Δ8,14異性体9aへの5α−Δ7,14異性体4aのHC
l−触媒される異性化を防ぐことができる。
【0026】CHCl3 抽出液の部分的蒸発に続くアセ
トンのような極性溶媒の添加は、約90%の4a並びに
約10%の9aおよび9b(合わせて)から成る沈澱物
を生ぜしめる。この方法を使うと、12回の逐次的な反
応(700−1000gのスケール)が83−91%
(平均88%)の純度の4aの77−84%(平均82
%)の収率を与えた。
【0027】5α−異性体と一緒に製造される5β−異
性体は、CHCl3 −アセトン(1:2)からの再結晶
により5α−異性体から容易に分離され得るが、5α−
異性体間、特に5α−Δ7,14と5α−Δ8,14の異性体
4aおよび9a)とは、分取スケールで再結晶または
クロマトグラフィーにより容易に分割されない。13C−
NMRは、全て既知成分が分解することなく解析できる
ので、HClでのΔ5,7 ジエンの処理から導かれる反
応混合物の組成分析に最も有用なアプローチを提供す
る。ほとんどのジエン種は 1H−NMR、キャピラリー
GCおよび逆相HPLCにより解析できた;しかし、ク
ロロ中間体はクロマトグラフィーにおいて不安定であ
った。ジエンのあらゆるペアの混合物(を包含する)
の組成分析は、3α−H、ビニルまたはメチルのいずれ
かの 1H−NMR共鳴の考察により 1H−NMRによっ
て行うことができたが、より複雑な混合物ではそれらの
ピークの重なりが定量を妨害した。ステロールベンゾエ
ートの分解がキャピラーGCによる定量にとって主要な
妨害であった。この問題は非常にきれいなカラムを使う
ことにより解決できる。しかしながら、これらの条件下
でさえも、5α−Δ7,14と5α−Δ8,14のピーク(4a
9aに相当)はほとんど分離しない。逆相HPLCは
4aおよび9aを除く全てのジエンのかなり良好な分離
を与えた。ステロールベンゾエートの順相HPLCは、
過剰なピークテーリングのために不満足である。
【0028】5β−ジエンの単離は低温でのΔ5,7 ジエ
ンの異性化について未だ報告されていない。5β−Δ
6,8(14) アセテートの異性化から、Windausら、
JustusLiebigs Ann.Chemistry, 536 , 204-216(1938)
が新しいジエンを単離し、これは後にD.H.R.Barton, Jo
urnal Chemical Society, 1946, 1116-1123 により5β
−Δ8,14ジエンアセテート9fとして同定された。5β
−Δ8,149bのけん化およびアセチル化は、融点、U
Vスペクトルおよび旋光度がWindausのジエンと
事実上全く等しいジエンアセテート9fを与えた。
【0029】5β−ジエンのより最近の例は、5β−Δ
6,8(14) ジエンのエルゴステロール類の単離に関する報
告であり、これは水性HCl/エタノールを用いた還流
下で他のジエンへの酸異性化に対し意外にも耐性であっ
た。J.Andrieux, D.H.R.Barton, H.Patin, Journal of
the Chemical Society , Perkin Transactions 1, 359
-363(1977)を参照のこと。驚くべきことに、エルゴステ
ロールをフィーザーの条件〔Fieserら、Journal
American Chemical Society , 74, 5397-5403(1952) を
参照のこと〕にさらした時に、5β−Δ8,14種が全く観
察されなかった。
【0030】CHCl3 中でジエンの異性化の主な副
生成物は9bであるが、CH2 Cl 2 中でのこの反応の
主な副生成物は5β−Δ7,144bであった。明らかに
4bはCHCl3 /CH2 Cl2 (4:1)中よりもC
2 Cl2 中でより遅く5β−Δ8,14種に変換された。
CH2 Cl2 中でのこの反応の主な副生成物は3β−ベ
ンゾイルオキシ−5α−コレスタ−8(14)−エン−
7α−オール(10a)であることがわかった。10a
の構造は、既知のジオール10bへの加水分解により立
証された。化合物10aは、おそらく5α−Δ6,8(14)
または5α−Δ 7,14種のどちらか(8aまたは4a)の
プロトン化または水の付加により形成されるカチオン性
中間体またはクロロ中間体からの作成の間に生じた。
【0031】クロロ中間体の5β−エピマーは全く検
出されなかった。もしシン方式においてHClの1,2
−付加が起こったならば、生じる6β−クロロ置換体は
シュード−アキシャルであって、そして5β−Δ
6,8(14) 8bへの脱離を促進することのできるでは
なかったろう。ジエン8bは中間体であると思われ、不
純な形で単離される。
【0032】酢酸エチルまたはベンゼン中の希(1%)
溶液において、は12日間の間安定であることが証明
された。メタノールもしくはエタノールまたは濃CHC
3溶液においては、はジエン8aおよびおそら
く3β−ベンゾイルオキシ−5α−コレスタ−6,8−
ジエン(11)で表わされる成分の混合物に5時間以内
に分解した。CHCl3 中または10%トリエチルアミ
ンまたはピリジンを含むCHCl3 中のの2%溶液に
ついて、3時間後にわずかな脱ハロゲン化水素が観察さ
れた。キャピラリーチューブ中でのゆっくりした加熱
(10分)を行うと、は135℃くらい低温で融解し
た。融点測定のための通常の加熱速度では、は154
−155℃で融解した。これらを合わせた観察は、HC
lがの分解を促進し;次いで遊離されたHClがさら
にその分解を加速させることを示唆している。アルコー
ル中でのの迅速を分解は、アルコールによる求核的置
換によるHClの触媒的脱離から生ずる。
【0033】ケトン1へのエポキシ化および加水分解
(段階3および4)。Δ7,14ジエン4aは、Paris
hら、Chem.Phys.Lipids, 18, 233-239(1977) により示
された既知の改良法、即ち−クロロ過安息香酸(MC
PBA)での4aの処理に従って5aにエポキシ化され
得る。この既知の方法は、エーテル中での4aの限られ
た溶解度のために簡単にはスケールアップすることがで
きなかった。
【0034】この既知のエポキシ化法は、反応混合物中
に固体のNaHCO3 を添加して3−クロロ安息香酸
−クロロ過安息香酸中の不純物としておよびエポキ
シ化反応の生成物としての両方で存在する)を中和し、
そしてエポキシ化生成物の酸触媒−分解を防ぐことによ
り改善され得る。加えて、出発物質の沈澱形成を防ぐた
めに、Parish(前掲)により示されたものよりも
高い温度で反応混合物にMCPBAを添加するのが望ま
しいことがわかった。
【0035】164のエポキシ化反応を140gスケー
ルで行い、57−68%(平均63%)の収率が得ら
れ、または出発のジエン4aについて88%の純度と仮
定すると65−81%(平均72%)の収率が得られ
た。このエポキシドの純度は融点(mp)により判定
した。というのは、 1H−NMR,TLCおよびHPL
Cのような方法では、211℃の標準mpより12℃下
で融解するの試料について全く不純物を示さなかった
からである。の低−融点試料は、次なるへの変換に
おいて有意に低い収率(65%に対して50%)を与え
た。
【0036】エポキシドは、5gスケールでちょうど
5分でに加水分解され得、82%の収率を与えた。し
かしながら、200gスケールでは中間体の精製が多
くの時間および溶媒の量を消耗し、そして典型的な収率
はわずか約50%であった。に変換する現存の方
法をスケールアップすることも、加水分解溶媒中への
の限られた溶解度により妨げられる;5lのフラスコを
使った時、この反応は30−40gスケールでしか実施
できなかった。
【0037】既知の方法によれば、中間体はその後
に加水分解される。しかしながら、2つの段階のための
試薬は有機溶媒中の無機酸であり(初めの段階ではより
穏和な条件を用いる)、そしてその2つの段階が組み合
わされ得ることがわかった。特に、に変換する条
件がに変換するのにも十分であることがわかっ
た。5lのフラスコ中で120gスケールの反応を行う
ために、反応を大量の溶解されていないを使って開始
し、これは反応が進行するにつれて溶液となった。2段
階反応では、第1段階は一般的によりも極性の低い副
生成物を与え、そして第2段階はよりも極性の大きい
副生成物を与えた。ワンポット反応では、は極性の大
きい副生成物からも小さい副生成物からも分離されなけ
ればならなかった。この分離は、ヘキサン/メタノール
/水からの二相の再結晶を使うことにより達せられた:
極性の不純物はメタノール/水の相に残り、非極性の不
純物はヘキサン相に残り、そしてどちらの相にも難溶で
あるは、長い大きな針状晶において界面のところに晶
出した。
【0038】2回のこのような再結晶の後、の試料は
1%未満の非極性不純物および約5%の極性不純物を含
有した。比較的非極性の溶媒(CH2 Cl2 またはCH
Cl 3 )を使ったシリカゲルを通す濾過が、99%より
高い純度のを与えた。本発明の方法を使って、120
−140スケールでのの101回の加水分解が、58
−71%(平均65%)の収率で99%より高い純度の
を与えた。ワンポットでのからへの変換の主要な
副生成物は、ベンゾエートエステルおよび芳香族環C
のステロール12であった。12のC−17の位置の立
体配置は、12およびそれのC−17でのエピマーにつ
いて報告されたものとのNMR化学シフト(17−Hお
よび21−H3 )の比較により、17α(H)であると
確定された。3つの少量の副生成物も単離され、およ
の9α−ヒドロキシ誘導体(13aおよび13b
並びにケト−ジオールであった。
【0039】およびを、に変換する加水分解
条件にかけた時、回収されたは幾つかの不純物を含む
ことがわかった。この反応をアルゴン下で行うと、空気
中での反応と比べていくらか不純物の量が減少した。こ
れらの不純物の中に12が無いことは、12
形成における中間体ではないことを示す。α,β−不飽
和ステロールエポキシドからの12の形成は、既に研究
されており、そして7,9(11),14−トリエン中
間体を含むらしい。
【0040】要約すれば、過度に短い時間に大スケール
で反応を行うことができるように、7−デヒドロコレス
テロールからのケトンの合成について意味深い改良
法を記載してきた。この合成は4段階に短縮され、この
ため各段階の平均収率は97%、82%(純度88
%)、63%および65%であった。7−デヒドロコレ
ステロールのへの変換の平均の全収率は33%であっ
た。各段階で最高の収率は97%、84%、68%およ
び71%であり、最高の全収率39%を与え、これは
の合成について報告されたものよりも少なくとも40%
高い。本発明は、の合成だけでなく多数の他の15−
酸素化ステロールの合成における重要な中間体であるエ
ポキシドの非常に改良された大スケールの合成のため
の方法も提供する。
【0041】この合成スキームの各段階での条件を最適
化する過程で、これらの反応の主な副生成物を単離しそ
して同定した。加えて、ジエンの異性化反応において新
しい中間体および副生成物を発見し、この反応のメカニ
ズムおよび利用に関して重要なかかわり合いを有するこ
とを見出した。例えば、低温でのジエンの異性化に高い
HCl濃度が要求される故は、から4aへの変換の中
で遅い段階である、クロロ中間体の脱ハロゲン化水素
を促進するためである。さらに、本明細書中で開示され
た条件下では、5α−Δ7,14ジエン4aは、ごく少量の
5α−Δ8,14異性体9aだけを伴って得ることができ
る;観察される5−15%のΔ8,14混入物は主として5
β−Δ8,14異性体9bであり、これは再結晶により除去
され得る。
【0042】
【実施例】次の例において、本発明はより詳細に記載さ
れるだろう。下記の例は例示を目的としたものであり、
決して本発明の精神および範囲を限定する意図のもので
はない。例 1 3β−ベンゾイルオキシコレスタ−5,7−ジエン
(3)。
【0043】5lの丸底フラスコに、1000.0g
(2.60モル)の7−デヒドロコレステロール(Ch
emical Dynamics、3.3%メタノール
含有)、2.4lの乾燥ピリジン(Aldrich G
old Label、0.05%水)、および500ml
(4.74モル)の塩化ベンゾイル(Aldrich、
99%)を入れる。この内容物を簡単に混合し、迅速に
(15min )加熱して沸騰させ、そして5分間還流させ
る。少量(約200ml)の下層の塩化ピリジンに( 1
−および13C−NMRによる組成分析)が通常生成し、
そして反応混合物を冷却すると凝固する。空気中で30
分冷却後、暗色の反応混合物を氷上に注ぎ、撹拌し、そ
して20℃で1−2時間放置しておく。形成する沈澱物
を吸引濾過により集める。その濾過ケークを7lの水、
4lの希炭酸ナトリウム、7lの水、および500mlの
アセトンで4回十分に洗浄する。その濾過ケークを微粉
砕し、そして空気中で一晩乾燥させておく。粗生成物
(収率97−105%)は、TLC(シリカゲルをトル
エン/ヘキサン1:1で溶出、Rf 0.58)により単
一スポットを示し、そして140−144℃で融解し1
91℃で透明になった。微量(1モル%未満)の安息香
酸メチルを除いて 1H−および13C−NMRにより純粋
であるように思われる。幾つかの試料の過剰な質量(8
%まで)は明らかに水である。
【0044】この粗生成物は、次のジエン異性化に満足
できる結果を与えるが、この物質は通常、2lの熱CH
Cl3 中にそれを溶解せしめ(形成する少量の水相は無
視する)そして5lのアセトンの添加によって該ステロ
ールを沈澱せしめることにより再結晶される。冷却およ
びそれに続く−20℃での一晩の保存の後、結晶を濾過
し、300mlの冷アセトンで2回洗い、そして一定の質
量まで乾燥する。白色結晶の収量は1193g(収率9
7%)であった。この操作で、 1H−または13C−NM
Rにより1%レベルで不純物が全く検出されず、そして
TLCでRf 0.58(溶媒、トルエン/ヘキサン1:
1)に単一スポットが観察された。
【0045】熱アセトン/CHCl3 からのこの物質
5.00gの2回の再結晶は、分析試料(2.7gの無
色針状晶)を与えた。標準的な分析方法により得られた
値は、以前に報告された値とよく一致する。700gス
ケールで行った4回の逐次反応は、836,838,8
36および827gの収量(平均834g;収率97
%、出発の7−デヒドロコレステロール中の3.3%メ
タノールを基にして)および実質上等しい物理定数を伴
う結果を与えた。
【0046】この反応について達成されたステロール物
質の均衡はアセトン洗浄液がピリジンおよび安息香酸メ
チルだけを含有しそして再結晶からの濾液がステロール
の混合物(全ステロール質量の1.9%)を含有するこ
とを示した。例 2 3β−ベンゾイルオキシ−5α−コレスタ−7,14−
ジエン(4α)、大スケールでの調製。
【0047】CHCl3 (3000ml)およびCH2
2 (800ml)の混合物中1000gのの溶液を、
温度計、ガス分散用チューブ、流出口および機械的撹拌
機を備えた5lの丸底フラスコ中で調製する。このフラ
スコを素早く−55℃に冷却し、そして部分的に晶出し
ている反応混合物にGilmontのサイズ2の流量計
(Gilmont Instruments, Great Neck, NY)で50の流速
においてHClガスをバブリングさせる。その反応混合
物をできるだけ迅速に−65°〜−70℃に次の30−
60分に渡ってさらに冷却し、そしてHCl流を前記流
量計で100の流速まで増加させる。HCl濃度が2.
0−2.5Mに達するまで(標準塩基で反応液のアリコ
ートを滴定して測定する)、この流速と温度条件を維持
する。次いでHCl流を止め、そして反応を15−30
分ごとにTLCでモニターする(中和し洗浄した反応混
合物のアリコートをシリカゲルにスポットしそしてトル
エン/ヘキサン1:1で展開する)。Rf 0.50,
0.55および0.60の3つの重なったスポットの代
わりにRf 0.55に単一のスポットが観察された時、
反応が完全であるとみなす。次にHClの大部分を、水
流アスピレーターを使って水酸化ナトリウムのトラップ
を通してHCl蒸気を引くことにより、次の40−60
分間で真空蒸発させる。
【0048】冷却した暗色の反応混合物の600ml部分
を、500gの氷および150mlの濃縮NH4 OHを含
む2lのアーレンマイヤーフラスコの中に注ぎ入れるこ
とにより中和する。中和された混合物を6lの分液漏斗
中に一緒にし、水相を捨て、有機相を2.5lの水で洗
浄し、そしてすぐに下の相を120mlのピリジン中に流
し出す。濁った有機相は数分後に透明になり、そしてこ
の溶液をロータリーエバポレーターの連続供給チューブ
の中に流し込み、典型的に少量の水相を残す。(しばし
ば濁った)溶液は、約5lから3lに濃縮され、そして
これを2つの部分に分ける。次いでアセトン(全量3.
0l)を撹拌しながら添加す。数分間結晶化を進行させ
ておき、さらに3lのアセトンを添加し、そしてその混
合物を4℃で一晩保存する。吸引濾過により結晶を集
め、100mlのアセトンで2回洗い、押しつぶして乾燥
させ、微粉砕し、そして一定の質量まで乾燥させる。
【0049】83−88%の純度でΔ7,14ジエン4a
含む白色粉末(815−841g)が得られた。不純物
はステロールベンゾエート(理論上9aおよび9b)の
混合物である。前者(後者は不可)の不純物は前述のよ
うにアセトン/CHCl3 (2:1)からの再結晶によ
り除去され得る。上記に示された収率および純度は、6
回の1000gスケールの反応に基づく。最良の反応は
88%の純度で分析された物質836g(粗収率84
%)を与えた。(濾過の濃縮から得られた二次収穫物は
1:4の比で4aおよび4bから成る。) この88%純度の生成物を 1H−NMR(δ5.76お
よびδ5.52でのΔ 7,14ビニルピークの強度をδ5.
4での5α−Δ8,14/5β−Δ8,14ピークの高さと比
較)、HPLC(4a9aのピークの強度を9bのピ
ークのものと比較)、キャピラリーGC(一部分離した
4a9aのピークの強度を9bのピークのものと比
較)、TLC(トルエン/ヘキサン1:1で展開したシ
リカゲル上でRf =0.53に単一スポット、およびト
ルエンヘキサン1:1で展開したAgNO3 でコーティ
ングされたシリカゲル上でRf =0.35に単一スポッ
ト)、およびmp(151−153℃;98%純度の
は154.4−156℃で融解する、下記参照)によ
り分析した。
【0050】例 3 3β−ベンゾイルオキシ−5α−コレスタ−7,14−
ジエン(4a)、分析試料。 前述の方法を使って450gスケールでジエンの異性化
を行った。白色固体の269g(収率60%)の一次収
穫物( 1H−NMRにより94%の4aと分析され、主
9bで汚染されていた)を、1mlのピリジンを含む熱
CHCl3 700ml中に溶解しそして1.0lの熱アセ
トンを加えて再結晶した。生成物を24時間後に回収す
ると、純度95%( 1H−NMR)の4aの無色結晶2
20gを与えた。2回のさらなる再結晶は181g(9
8%純度)および127.8g(98%純度)を与え
た。構造と純度は標準的な分析方法により確認された。
HPLC分析によっては全く不純物が検出できなかった
ので、 1H−NMRスペクトルで観察された2%のΔ
8,14不純物は9aであると判断された。反応が進行する時のジエン中間体の濃度。
【0051】120mlのCHCl3 /CH2 Cl
2 (4:1)中20gの4aを使うことを除いて前記と
同じようにジエンの異性化を行った。反応液を−55℃
に冷却し、CHCl3 中のHCl飽和溶液(30ml、−
55℃)を添加し、そして反応混合物にHClを20分
間バブリングしておいた。次いでHClを止め、そして
反応液を−65℃に維持した。様々な時間(2,6,1
7,26,55,75,115,160,220および
300分)で約10mlのアリコートを反応液から取り出
し、そして冷却した濃NH4 OHに注いだ。生じた有機
相を水で洗浄し、オイルまたは固体まで回転蒸発させ、
そして 1H−および13C−NMR分析の直前にCDCl
3 (重水素化クロロホルム、C2 HCl3 )に溶解し
た。NMR分析の結果を第1表に示す。200gスケー
ルで行った類似実験は同様な結果を与えた。
【0052】 第1表 ジエン中間体と生成物の相対濃度 ─────────────────────────────────── 時 間(分) 17 b 26 55 75 115 160 220 330 c 化合物 相 対 濃 度 ─────────────────────────────────── 100 0.5 0.1 0.2 0 0 0 0 0 0 0 0 46 49 24 5 0 0 0 0 0 0 8a 0 2 2 2 3 2 3 2 4 2 2 11 0 1 2 0.5 0 0 0 0 0 0 0 4a 0 27 26 54 76 78 70 75 73 76 34 9a 0 0 0 0 0 0 3 2 2 4 19 8b 0 3 0 5 5 0 0 0 0 0 0 4b 0 15 18 8 0 2 0 0 0 0 0 9b 0 0 0 5 9 14 13 15 14 16 16 d 0 4 2 1 0 -- 6 3 7 2 2 e 0 1 2 2 2 -- 3 2 2 2 2 ─────────────────────────────────── a 1H−および13C−NMRの組合せによりクエンチ
ングされた反応液のアリコートに関して決定された濃度
(≧10%の値については±5%の誤差、<10%の値
については±2%の誤差)。
【0053】b 作業中試料が部分的に分解した。7,
8a4a9a4bおよび9bの測定値は16,1
0,43,11,0および13%であった。表示された
値は、分解中に4aおよび4bが部分的に8a
および9bに変換されたと仮定することにより評価さ
れた。 c 最後の時間の間は反応液を15℃に温めておいた。
生成物は一部のみCDCl3 に溶解性であり、そして幾
つかの少量の不純物を含有した;従って、組成率は9b
が16%の値を与えるように標準化した。
【0054】d δ0.74に 1H−NMRのシングレ
ットのピークを有する未知の物質。 e δ0.69に 1H−NMRのシングレットのピーク
を有する未知の物質。例 4 3β−ベンゾイルオキシ−6α−クロロ−5α−コレス
タ−7−エン(7)。 −65℃のCHCl3 100ml(エタノール不含有)中
の1.6MHCl溶液に、撹拌しながら−58℃のCH
Cl3 (エタノール不含有)100ml中10.0gの
の溶液を添加する。生じたこはく色の溶液を−62℃で
70秒間撹拌し、そして濃NH4 OH50mlおよび氷5
0gの混合物に注ぎ入れる。この中和溶液を激しく撹拌
し、分液漏斗中に入れる。冷却した有機相を5mlのピリ
ジンの中に流し入れ、そして2×150mlの水で洗う。
さらに5mlのピリジンの添加後、湿った固体になるまで
回転蒸発させ、そして真空中で一晩乾燥させる。上記の
方法で得られた生じた固体(10.74g)の試料を 1
H−NMRで分析した。するとを50%、4aを25
%、を5%、そして5β−Δ6,8(14) 異性体8bであ
ると思われる物質を20%含むことがわかった。粗試料
(10.74g)を30mlのCHCl3 に溶解した後、
60mlのアセトンを添加するとゆっくりした沈澱形成が
起こり、これを30分後に吸引濾過により集める。この
生成物(3.38g)の5回のさらなる再結晶を行い、
135℃(遅く加熱)または155℃(速い加熱)の2
°−3°範囲にわたって融解するの分析試料(0.3
7g)を得た。融解時にはガスが発生しそして生成物は
主として8aに分解した( 1H−NMRによる融解物質
の分析)。の構造は、種々の分析方法により確認され
た。
【0055】例 5 様々な条件下での7の安定性 の溶液をEtOAc(1%w/v)、無水エーテル
(1%)、ベンゼン(1%)およびアセトン(0.5
%)中に調製した。これら溶液のアリコートを0.5時
間後、24時間後および12日後に取り出し、窒素流中
で蒸発乾固し、CDCl3 中に溶解し、そしてすぐに 1
H−NMRで分析した。Δ5,7 およびΔ6,8( 14) 不純物
8a8b)のいずれも5%レベルで検出でき、
そしてΔ7,14およびΔ8,14不純物(4a4b9a
9b)が2%レベルで検出できる。どの溶液においても
0.5時間後または24時間後には不純物は全く検出さ
れなかった。12日後、EtOAcまたはベンゼン溶液
については全く分解が観察されなかった。しかし、
エーテル溶液においては完全に8aに、そしてアセトン
溶液においては部分的に8aおよびを含む混合物に分
解していた。
【0056】別の実験において、20℃にて6週間保存
したシクロヘキサン中のの0.13%溶液は、8a
たは他のいかなるステロールにも分解していないことを
示した(2%検出限界)。20℃にて30時間保存した
ヘキサン中のの0.06%溶液(Burdickおよ
びJackson)は、8aへの分解を示した(11
よび各5−10%と混合)。共に0.1mlピリミジン
を含む6mlのCHCl 3 /メタノール(1:1)または
CHCl3 /エタノール(1:1)中50mgのの溶液
は20℃で1時間後8aおよび11の混合物に完全
に分解した。
【0057】CDCl3 中のの20%溶液は迅速に分
解し(1時間後5%の8aを含み、5時間後には9a
未同定のステロールに完全に分解した)、一方CDCl
3 中の希(2%)溶液はよりゆっくりと分解した(11
時間後8aおよび11それぞれ約10%)。−20℃で
は、CDCl3 中のの2%溶液は1ヶ月間安定であっ
た。塩基の非存在下のCHCl3 溶液においては、
9aと少量の未同定物質に分解した。固体のNa2 CO
3 またはピリジンを含むCHCl3 中のの撹拌溶液
は、48時間後、主として11並びに各々20%より少
ない8aおよびから成ることがわかった。10%ピリ
ジンまたはトリエチルアミンを含むCDCl3 中の
2%溶液は、20℃にて3時間後には検出可能な分解生
成物(<10%)を全く示さなかった。固体のAgNO
3 を含むテトラヒドロフラン中のの溶液を撹拌する
と、8aおよび11の混合物を生成する。未封管の
試験管中80−120℃で10分間を加熱すること
は、検出可能な(10%より多い)分解を導かなかった
1H−NMR)。
【0058】例 6 3β−ベンゾイルオキシ−14α,15α−エポキシ−
5α−コレスタ−7−エン(5)。 5.3リットルのジエチルエーテル中140g(0.2
9mol 、純度90%)の4aの溶液を、蒸気浴上での穏
やかな加熱により調製する。この溶液を氷浴中に置き、
24℃まで冷却した時に118g(0.69mol 、純度
80−85%、Aldrich)のMCPBA、60g
(0.60mol )のNaHCO3 および400mlのジエ
チルエーテルの混合物を激しく撹拌しながら3分間で1
00mlの割合で添加する。この撹拌混合物を氷浴中5℃
に1時間保持し、結晶化を促進せしめる。針状晶の
よび固体のNaHCO3 を吸引濾過により一緒に集め、
そして濾過ケークを1lの熱THF中に溶解させる。そ
の溶液を注意深くNaHCO3 からデカンテーション
し、ヘキサン2lを添加し、そしてその溶液を一晩−1
5℃で結晶化させる。濾過により105.0gの無色結
晶が得られる(収率81%)。の構造は、種々の分析
法(mp,IRおよびNMR)により確認された。
【0059】上記の反応と同様であるが、ただし1.0
gのスケール(2.0mmol)においてそして50mlの溶
媒(100mlのジエチルエーテルを除く)を使って次の
溶媒において反応を行い、単離された収率をカッコ内に
示す:ジブチルエーテル(88%)、tert−ブチル
エチルエーテル(83%)、ジイソプロピルエーテル
(86%)、tert−ブチルメチルエーテル(80
%)、シエチルエーテル(76%)、CH2 Cl2 (7
7%)およびCHCl3 (75%)。
【0060】100mlのジエチルエーテルおよび25ml
の0.5MNaHCO3 を使った同様な反応は75%の
収率を与えた。80−85%の純度のMCPBAの代わ
りに99%の純度のMCPBAを使ってもの収率に影
響を及ぼさなかった。1.0gの4a、40mlのter
−ブチルメチルエーテル、0.8gのMCPBAおよ
び0.37gのNaHCO3 を使う一連の反応を、該ジ
エン溶液が28°、24°および20℃に冷却された時
にMCPBA溶液を添加することにより実施した;それ
ぞれ83%、80%および80%の収率か得られた。
【0061】例 7 3β−ヒドロキシ−5α−コレスタ−8(14)−エン
−15−オン(1)。 5lの丸底フラスコ中の120g(0.238mol )の
,3.0lの95%エタノールおよび350mlの水の
混合物を氷浴中5℃に30分間冷却する。濃H 2 SO4
(650ml)を10分間にわたって50mlずつこの混合
物に添加する。懸濁した物質のあらゆる大きなチャンク
を機械的に破壊する。この混合物を還流下20−24時
間加熱する。茶色がかった反応混合物を氷浴を使って2
0℃に冷却し、次いで12lのカーボイ中の7kgの氷に
注ぎ入れる。ペースト様の沈澱物を、ポリプロピレン濾
布(Aldrich)または三層のワットマン♯1濾紙
のどちらかを使ってブフナー漏斗上に集め、濾過を促進
するために時折かき取る。淡黄色のケークを1lの冷水
で3回洗い、そして1lの熱メタノールに溶解し、これ
に1lのヘキサンおよび500mlの熱水を加える。生じ
た二相系を、全て固体物質が溶けるまで蒸気浴上で加熱
する。この混合物を20℃まで2−3時間放冷する;こ
の時点で溶媒の界面に結晶が形成しはじめる。次にこの
混合物を−15℃で一晩冷却して褐色の上層のヘキサン
相、淡黄色の下層の水相および白色の結晶物質を与え
る。結晶(TLCによりおおよそ90%の純度)を吸収
により集め、そして前述したようにメタノール/ヘキサ
ン/水(2:2:1)から再結晶する。
【0062】生じた物質(TLCにより95%以上の純
度)を、中程度の多孔度のガラスフリットを有する3l
のガラスのブフナー漏斗中CHCl3 で溶出することに
より、シリカゲル(200g、60−200メッシュ、
Baker)に通す。そのCHCl3 溶液をロータリー
エバポレーターで乾固し、そして残渣をメタノール/水
から再結晶すると66.6g(70%)の無色針状晶を
与える。
【0063】このような方法により製造された生成物の
構造は、既知の分析法によりと確認された。窒素下で
25°、4°および−17℃において保存されたの試
料は、2年後全く分解を示さなかった(TLCおよびH
PLCによる分析)。(空気とアルゴン中両方と
も)、(アルゴン中)および(空気とアルゴン中両
方とも)の試料を小スケールでの前記の加水分解にかけ
た。粗反応混合物のTLC分析は、Rf 0.70,0.
65(と同じRf )および0.31に主要なスポット
を示した。の場合は(は不可)、Rf 0.36
12と同じRf )にさらに主要スポットが観察され
た。GCおよびHPLCも同様な結果を与えた。
【0064】発明の範囲および精神を逸脱することな
く、本発明に様々な変更を行うことができることは、当
業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、相当する構造式と共に本発明に従った
反応式の模式的流れ図を表わす。
【図2】図2は、前記反応式のより詳細な模式的流れ図
であり、本発明の方法により製造された中間体および副
生成物を示している。
【図3】図3は、本明細書中で検討される幾つかの化合
物の詳細な構造式を表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィリアム ケー.ウィルソン アメリカ合衆国,テキサス 77401,ベ ルエア,ニューキャスル ドライブ 6506 (72)発明者 ケー−シ ウァング アメリカ合衆国,バージニア 22209, アーリントン,309,ノース ピアース ストリート 1305 (72)発明者 アレムカ キシク アメリカ合衆国,テキサス 77025,ヒ ューストン,アパートメント 202,ベ ルフォンテイン 2601

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3β−ベンゾイルオキシ−5−コレスタ
    −5,7−ジエンを3β−ベンゾイルオキシ−14α,
    15α−エポキシ−5−コレスタ−7−エンに変換する
    方法であって、 (i)3β−ベンゾイルオキシコレスタ−5,7−ジエ
    ンを、高くても−55℃の温度の溶媒中、前記3β−ベ
    ンゾイルオキシコレスタ−5,7−ジエンを前記3β−
    ベンゾイルオキシ−5−コレスタ−7,14−ジエンに
    変換するのに十分な時間、少なくとも2Mの前記溶媒中
    の濃度のHClと接触させ; (ii)有意な量の3β−ベンゾイルオキシ−5−コレス
    タ−8,14−ジエンの形成を防ぐために、生じた反応
    混合物を塩基で中和し; (iii)3β−ベンゾイルオキシ−5−コレスタ−7,1
    4−ジエンおよびジエチルエーテルの混合物を加熱する
    ことにより、それらの溶液を作成し、そして続いて前記
    溶液を冷却し; (iv)m−クロル過安息香酸(MCPBA)およびNa
    HCO3 を含んで成る混合物を前記溶液に添加すること
    により第二の溶液を作成し、そして前記第二の反応混合
    物を冷却して、前記3β−ベンゾイルオキシ−14α,
    15α−エポキシ−5−コレスタ−7−エンを形成せし
    め;そして (v)前記3β−ベンゾイルオキシ−14α,15α−
    エポキシ−5−コレスタ−7−エンを回収する方法。
  2. 【請求項2】 前記3β−ベンゾイルオキシ−5−コレ
    スタ−7,14−ジエンが3β−ベンゾイルオキシ−5
    α−コレスタ−7,14−ジエンである、請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 前記3β−ベンゾイルオキシ−14α,
    15α−エポキシ−5−コレスタ−7−エンが3β−ベ
    ンゾイルオキシ−14α,15α−エポキシ−5α−コ
    レスタ−7−エンである、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記3β−ベンゾイルオキシ−14α,
    15α−エポキシ−5−コレスタ−7−エンが3β−ベ
    ンゾイルオキシ−14α,15α−エポキシ−5β−コ
    レスタ−7−エンである、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記3β−ベンゾイルオキシ−5−コレ
    スタ−7,14−ジエンが3β−ベンゾイルオキシ−5
    β−コレスタ−7,14−ジエンである、請求項1に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記混合物がジエチルエーテルをさらに
    含んで成る、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 3β−ベンゾイルオキシ−6α−クロロ
    −5α−コレスタ−7−エン。
  8. 【請求項8】 前記第二の反応混合物を5℃に1時間冷
    却して前記3β−ベンゾイルオキシ−14α,15α−
    エポキシ−5−コレスタ−7−エンの結晶を形成せしめ
    る、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 3β−ベンゾイルオキシ−コレスタ−
    5,7−ジエンを3β−ヒドロキシ−5−コレスタ−8
    (14)−エン−15−オンに変換する方法であって、
    次の段階: (i)3β−ベンゾイルオキシ−コレスタ−5,7−ジ
    エンを、溶媒中高くとも−55℃の温度で少なくとも
    2.0Mの前記溶媒中濃度のHClと、前記3β−ベン
    ゾイルオキシ−コレスタ−5,7−ジエンを前記3β−
    ベンゾイルオキシ−5−コレスタ−7,14−ジエンに
    変換するのに十分な時間の間接触せしめることにより第
    一反応混合物を形成せしめ; (ii)有意な量の3β−ベンゾイルオキシ−5−コレス
    タ−8,14−ジエンの形成を防ぐために、前記反応混
    合物を塩基で中和し; (iii)3β−ベンゾイルオキシ−5−コレスタ−7,1
    4−ジエンおよびジエチルエーテルの溶液を形成せし
    め、そして次に前記溶液を冷却し; (iv)前記溶液にm−クロル過安息香酸(MCPBA)
    およびNaHCO3 を含んで成る混合物を添加すること
    により第二反応混合物を形成せしめ、そして前記第二反
    応混合物を冷却して前記3β−ベンゾイルオキシ−14
    α,15α−エポキシ−5−コレスタ−7−エンを形成
    せしめ;そして (v)前記3β−ベンゾイルオキシ−14α,15α−
    エポキシ−5−コレスタ−7−エンを前記3β−ヒドロ
    キシ−5−コレスタ−8(14)−エン−15−オンに
    変換する、 ことを含んで成る方法。
  10. 【請求項10】 前記3β−ベンゾイルオキシ−5−コ
    レスタ−7,14−ジエンが3β−ベンゾイルオキシ−
    5α−コレスタ−7,14−ジエンである、請求項9に
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記3β−ベンゾイルオキシ−5−コ
    レスタ−7,14−ジエンが3β−ベンゾイルオキシ−
    5β−コレスタ−7,14−ジエンである、請求項9に
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記HCl濃度が2.0M〜2.5M
    である、請求項9に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記温度が−65℃〜−75℃であ
    る、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記HClがガスとして2.0〜2.
    5Mの濃度まで前記反応混合物中に導入される、請求項
    9に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記溶媒がCHCl3 およびCH2
    2 の混合物を含んで成る、請求項9に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記溶媒混合物が約3:1の比のCH
    Cl3 およびCH2Cl2 から成る、請求項15に記載
    の方法。
  17. 【請求項17】 前記の中和段階の前に、水酸化ナトリ
    ウムのトラップを通して前記反応混合物からHClを除
    去する段階をさらに含んで成る、請求項9に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 前記塩基が、濃NH4 OHである、請
    求項9に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記3β−ベンゾイルオキシ−14
    α,15α−エポキシ−5−コレスタ−7−エンが3β
    −ベンゾイルオキシ−14α,15α−エポキシ−5α
    −コレスタ−7−エンである、請求項9に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記3β−ベンゾイルオキシ−14
    α,15α−エポキシ−5−コレスタ−7−エンが3β
    −ベンゾイルオキシ−14α,15α−エポキシ−5β
    −コレスタ−7−エンである、請求項9に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記混合物がさらにジエチルエーテル
    を含んで成る、請求項9に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記3β−ベンゾイルオキシ−5−コ
    レスタ−7,14−ジエンを得る前に、前記3β−ベン
    ゾイルオキシ−コレスタ−5,7−ジエンを3β−ベン
    ゾイルオキシ−6α−クロロ−5α−コレスタ−7−エ
    ンに変換する、請求項9に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記反応混合物を中和する時を決定す
    るために前記の最初の反応混合物をモニタリングする段
    階をさらに含んで成る、請求項9に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記モニタリングがクロマトグラフィ
    ーにより達せられる、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記3β−ベンゾイルオキシコレスタ
    −5,7−ジエンが、7−デヒドロコレステロールと塩
    化ベンゾイルとを反応することにより得られる、請求項
    1に記載の方法。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載の方法により得られ
    た前記3β−ベンゾイルオキシ−14α,15α−エポ
    キシ−5−コレスタ−7−エンを有機溶媒中無機酸と反
    応させることにより、前記3β−ベンゾイルオキシ−1
    4α,15α−エポキシ−5−コレスタ−7−エンを5
    −コレスタ−8(14)−エン−3β−オール−15−
    オンに変換する方法。
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