JP2597621B2 - エンジンの点火時期制御装置 - Google Patents

エンジンの点火時期制御装置

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JP2597621B2 JP1150088A JP1150088A JP2597621B2 JP 2597621 B2 JP2597621 B2 JP 2597621B2 JP 1150088 A JP1150088 A JP 1150088A JP 1150088 A JP1150088 A JP 1150088A JP 2597621 B2 JP2597621 B2 JP 2597621B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、V型もしくは水平対向型のエンジンの点火
時期制御装置に関するものである。
〔従来の技術〕
複数の気筒が2つのバンクに分割されて配設されると
ともに、各バンクにそれぞれ装備された吸排気弁開閉用
のカム軸が1つのクランク軸により回転駆動されるV型
もしくは水平対向型のオーバヘッドカムシャフトタイプ
のエンジンにおいては、通常、1つのカム軸に連結され
たディストリビュータに、そのカム軸の回転角を検出す
ることによってクランク角を検出するクランク角センサ
が設けられ、このクランク角センサから与えられるクラ
ンク角信号を基準として点火時期が演算され、これに基
づいて次に点火が行なわれる気筒の点火時期が制御され
る。ところが、この種のエンジンでは、爆発による角速
度変動によってクランク軸および各カム軸の回転速度が
周期的に変動するとともに、クランク軸および各バンク
のカム軸の相対速度も変動することにより、各バンクの
気筒の点火時期にずれが生じる。
このような問題の対策としては、例えば特開昭62−13
9972号公報に示された装置が知られている。この装置
は、クランク角センサの信号に基づいて一方のバンクの
気筒に対する基準クランク角と他方のバンクの気筒に対
する基準クランク角とをそれぞれ調べ、基準クランク角
となったときに点火時期を演算するとともに、クランク
角センサが設けられていない側のバンクに気筒について
は、回転速度の変動量に応じて求めた補正進角値によっ
て点火進角値を補正することにより、上記基準クランク
角以後の各カム軸の相対速度の変動による位相のずれを
見込んだ点火時期の補正を行なうようにしたものであ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来装置のような補正の手段で
は、次に述べるような理由から、各バンクの気筒の点火
時期のばらつきを充分に是正することは困難である。
すなわち、一般にV型もしくは水平対向型のエンジン
では一方のバンクの気筒と他方のバンクの気筒とが交互
に点火されるように点火順序が設定されるとともに、各
気筒の点火時期の制御にあたっては、点火進角値が運転
状態に応じて求められる一方、クランク角センサにより
検出される2点のクランク角間の所要時間によって回転
速度が計測され、この回転速度に基づき、次に点火が行
なわれる気筒の点火時期が、上記点火進角値を基準クラ
ンク角からの時間に換算した値として演算され、それに
応じて1次コイルへの通電開始時期が決定されることに
より点火時期が制御される。この場合、上記従来装置で
は、基準クランク角以後における各カム軸の回転速度差
による位相のずれを考慮して点火進角値を補正している
が、これとは別に、カム軸の回転速度変動に起因して、
点火時期換算のためのベースとなる上記回転速度の計測
値にも気筒毎のずれが生じる可能性がある。例えば、一
方のバンクの気筒に対してはカム軸回転速度が速くなる
区間での回転速度計測値に基づいて点火時期が換算さ
れ、他方のバンクの気筒に対してはカム軸回転速度が遅
くなる区間での回転速度計測値に基づいて点火時期が換
算されるような場合、点火時期を時間に換算するための
値である回転速度計測値のずれにより点火時期の換算に
気筒毎の狂いが生じ、これにより各気筒の点火時期にば
らつきが生じる。これに対し、点火進角値の補正のみで
は、点火コイルへの通電時間を過不足が生じないように
設定することが難しくなるなるという問題がある。さら
に、上記カム軸回転速度変動は、その周期および位相が
エンジン回転数によって変化し、このエンジン回転数に
応じた変動周期等と回転速度を調べる時期との関係等に
よって上記回転速度計測値のずれの程度が異なってくる
ので、点火進角値の補正ではこれに対処しきれない。
本発明はこのような事情に鑑み、気筒毎の上記回転速
度計測値のずれに起因した気筒毎の点火時期のばらつき
を充分に小さくし、適正に各気筒の点火時期を制御する
ことができるエンジンの点火時期制御装置を提供するこ
とを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、第1図(a),(b)もしくは(c)に示
す構成により、上記目的を達成するものである。すなわ
ち、第1図(a)に示す装置では、複数の気筒が2つの
バンク2a,2bに分割されて配設されるとともに、各バン
ク2a,2bにそれぞれ装備された吸排気弁開閉用のカム軸
が1つのクランク軸7により回転駆動されるエンジンに
おいて、一方のバンクのカム軸の回転角からクランク角
を検出するクランク角センサ13と、このクランク角セン
サ13により検出される2点のクランク角間の回転速度計
測用区間における所要時間によって計測される回転速度
に基づき、次に点火が行なわれる気筒の点火時期を時間
に換算した値で設定する点火時期設定手段Aと、この点
火時期設定手段Aによる設定に従って点火時期を制御す
る点火制御手段Bと、上記回転速度計測用区画を、少な
くともカム軸回転速度の変動周期が大きい運転状態での
カム軸回転速度変動周期の1/2に相当する区間で、か
つ、カム軸回転速度変動の略極大点のクランク角と略極
小点のクランク角との間に設定する回転速度計測用区間
設定手段Cとを備えている。この装置において、さらに
望ましくは、回転速度計測用区間を決める2つのクラン
ク角をエンジン回転数に応じて変更する区間変更手段D
を備える。
第1図(b)に示す装置では、第1図(a)の装置に
おける回転速度計測用区間設定手段C(および区間変更
手段D)の代りに、回転速度計測用区間の長さをカム軸
回転速度変動の周期に対応するようにエンジン回転数に
応じて変更する区間長さ設定手段Eを備えている。
第1図(c)に示す装置では、複数の気筒が2つのバ
ンク2a,2bに分割されて配設されるとともに、各バンク2
a,2bにそれぞれ装備された吸排気弁開閉用のカム軸が1
つのクランク軸7により回転駆動されるエンジンにおい
て、一方のバンクのカム軸の回転角からクランク角を検
出するクランク角センサ13と、このクランク角センサ13
により検出される2点のクランク角間の回転速度計測用
区間における所要時間によって計測される回転速度に基
づき、次に点火が行なわれる気筒の点火時期を時間に換
算した値で設定する点火時期設定手段Aと、この点火時
期設定手段Aによる設定に従って点火時期を制御する点
火制御手段Bと、所定の2点のクランク角間の回転速度
計測用区間における所要時間によって演算される上記回
転速度をカム軸回転速度変動に対応する補正値によって
補正する回転速度補正手段Fとを備えている。
この装置においてさらに望ましくは、回転速度補正手
段Fが、予めエンジン回転数に対して所定の特性に設定
した補正値を記憶する記憶手段Gを含み、この記憶手段
Gに記憶された特性に基づきエンジン回転数に応じて求
めた補正値により回転速度を補正するものとする。
〔作用〕
第1図(a)に示した装置によると、回転速度計測用
区間設定手段Cによって設定された区間において、周期
的に変動するカム軸回転速度の平均値に相当する値が計
測され、これにより、点火時期演算のベースとなる回転
速度計測値に気筒毎のずれが生じることが避けられる。
また、カム軸回転速度変動の位相がエンジン回転数に応
じて変化するので、上記区間変更手段Dを設けておけば
このような位相変化にも対処することができる。
第1図(b)に示した装置によると、カム軸回転速度
変動の周期がエンジン回転数によって変化した場合に、
それに応じて回転速度計測用区間の長さが変えられ、常
に回転速度計測用区間がカム軸回転速度変動の周期に対
応するように調整されることにより、この場合も回転速
度計測値のずれを避ける作用が得られる。
第1図(c)に示した装置によると、回転速度計測値
の気筒毎のずれが、補正値によって是正される。この場
合、予めエンジン回転数に対して所定の特性に設定した
補正値を記憶しておけば、容易かつ適正に補正が行なわ
れる。
〔実施例〕
本発明の装置をV型6気筒エンジンに適用した場合の
実施例を第2図以降の各図に示す。
第2図はV型6気筒エンジンとその点火系の概略を示
し、この図において、エンジン本体1はV型に連結され
た左右バンク2a,2bを備え、各バンク2a,2bに3つずつの
気筒(図示せず)が配設されている。また、左右各バン
ク2a,2bにはそれぞれ吸気カム軸3a,3bおよび排気カム軸
4a,4bが配備されており、これらのカム軸に、図外の吸
気弁を開閉する吸気カムおよび図外の排気弁を開閉する
排気カムが配設されている。これらのカム軸3a,3b,4a,4
bは、それぞれの軸端に取付けられたカムプーリ5a,5b,6
a,6bと、クランク軸7に取付けられたクランクプーリ8
と、これらのプーリに掛け渡されたタイミングベルト9
と、適宜数のアイドラ10とからなるベルト伝動機構を介
し、もしくはチェーン伝動機構を介し、クランク軸7に
連動連結されている。
上記各カム軸のうちのいずれか1つ、例えば右バンク
2bの排気カム軸4bには、ディストリビュータ11の軸12が
連結されており、ディストリビュータ11にはクランク角
センサ13が設けられている。上記クランク角センサ13
は、クランク軸7に連動したカム軸4bの回転に伴うディ
ストリビュータ11の軸12の回転角を検出することによ
り、クランク角を検出するもので、一定クランク角毎に
検出信号を出力するようになっている。このクランク角
センサ13からの信号はイグナイタ15およびコントロール
ユニット(ECU)16にそれぞれ入力される。
上記イグナイタ15には、点火コイルを備えた点火回路
17が接続され、この点火回路17の出力側に、上記ディス
トリビュータ11を介して各気筒の点火プラグ18が接続さ
れている。また、上記コントロールユニット16は、上記
クランク角センサ13からの検出信号に加えてスロットル
開度等の運転状態に関する検出信号19を受け、クランク
角の所定区間(回転速度計測用区間)の所要時間に基づ
くエンジン回転速度の計測および運転状態に応じた点火
進角値の演算等を行なうとともに、上記回転速度および
点火進角値に基づき、次に点火が行なわれる気筒の点火
時期を、後記の点火用タイマ22にセットする時間に換算
した値として求め、この点火時期についてのデータをイ
グナイタ15に出力するようにしている。
第3図は点火系、とくにイグナイタ15の具体的構成を
示しており、上記イグナイタ15には、通電開始演算回路
21と、点火タイマ22と、フリップフロップ23とが含まれ
ている。上記通電開始演算回路21は、クランク角センサ
13からの信号に応じ、所定のクランク角となった時に通
電開始用の信号(High信号)を出力するものである。ま
た、上記点火タイマ22は、クランク角センサ13からの信
号とコントロールユニット19から与えられる点火時期の
データとに基づき、上記データによって定められた時点
で通電停止用の信号(High信号)を出力するものであ
る。上記フリップフロップ23は、通電開始演算回路21の
出力をS(セット)端子に、点火用タイマ22の出力をR
(リセット)端子にそれぞれ入力し、S端子にHigh信号
が与えられてからR端子にHigh信号があたえられるまで
の期間だけ、Q端子から点火回路17へHigh信号を出力し
て1次コイルへの通電を行なわせるようになっており、
この通電の終期に点火が行なわれる。従って、このイグ
ナイタ15により、第1図の点火制御手段Bが構成されて
いる。
第4図は、横軸をクランク角として、エンジン本体の
各気筒に対する吸気カムの作動(吸気行程)と排気カム
の作動(排気行程)と点火の時期とをそれぞれ示すとと
もに、エンジン回転数が異なった各種運転状態における
クランク角速度の変動を示している。この図のように、
右バンク2bに属する第1(#1),第3(#3),第5
(#5)気筒および左バンク2aに属する第2(#2),
第4(#4),第6(#6)気筒は、#1〜#6の順に
120゜CA(CAはクランク角を意味する)ずつの位相差を
持って吸,排気および点火を行ない、従って、右バンク
2bの気筒と左バンク2aの気筒とが交互に点火を行なうよ
うになっている。また、ベルトもしくはチェーンを介し
てカム軸がクランク軸により駆動される場合に、爆発に
よるクランク角変動を加振源として各カム軸が周期的な
回転変動を起こし、その変動特性は伝動機構の共振特性
等により異なるが、第2図に示したV型6気筒エンジン
の場合、第4図中に示したような変動が生じ、その変動
の周期および位相がエンジン回転数によって変化する。
つまり、各気筒の爆発のサイクルと回転慣性等の関係
で、低速域でのカム軸回転速度変動(図示のデータでは
1000rpmでのカム軸回転速度変動)はその周期が120゜CA
となるが、高速域でのカム軸回転速度変動(図示のデー
タでは4500rpmおよび6000rpmでのカム軸回転速度変動)
はその周期が240゜CAとなり、また、例えば4500rpmと60
00rpmとではカム軸回転速度変動の位相が異なって、ピ
ーク点のクランク角がずれる。
第5図は、第1気筒のTDC(上死点)を基準にしたク
ランク角と、クランク角センサ13により検出されるクラ
ンク角信号P30と、コントロールユニット16に内蔵され
たクランク角信号識別用のカウンタの値と、特定運転状
態におけるカム軸回転速度変動とを示している。この図
のように、上記クランク角センサ13は、30゜CA毎にクラ
ンク角信号P30を出力するようになっている。また上記
カウンタは、クランク角信号P30を受ける毎にインクリ
メントされるが、各気筒のTDCで0にリセットされる。
また、この図において、T120はクランク角が120゜CAだ
け変化する間の所要時間を意味する。
また、第6図は点火タイマ22の状態および点火回路17
の1次コイルの通電状態を示している。この図において
θigはコントロールユニット16により運転状態に応じて
求められる点火進角値であり、上記コントロールユニッ
ト16は、上記点火進角値θigと、特定の2点のクランク
角間の所要時間から演算されるエンジン回転速度とに基
づき、BTDC(上死点前)30゜CAからの時間Tsに換算した
点火時期を求め、そのデータをイグナイタ15に与える。
そしてイグナイタ15の点火タイマ22は、上記時間Tsのデ
ータをクランク角センサ13のBTDC30゜CAの信号に同期し
て減算し、これが0となったとき、点火回路17の1次コ
イルへの通電を停止させ、点火を行なわせるようになっ
ている。
第7図(a)(b)はコントロールユニット16による
演算、制御の一実施例をフローチャートで示しており、
このフローチャートでは、第1図(a)の構成における
点火時期設定手段A、回転速度計測用区間設定手段Cお
よび区間変更手段Dの機能が達成されるようになってい
る。
第7図(a)のルーチンは各気筒毎に所定のタイミン
グでスタートし、まずステップS1で運転状態を検出し、
ステップS2で上記運転状態に応じて点火進角値θigを演
算する。続いてステップS3で、120゜CAの範囲の回転速
度計測用区間の所要時間をもって計測したエンジン回転
速度の相当値T120(第7図(b)のルーチンで計測)を
サンプリングするとともに、上記回転速度計測用開始タ
イミングiocを設定する。この開始タイミングiocは、予
め調べられたカム軸回転速度の変動特性に基づき、カム
軸回転速度が極大ないし極小となる点でのカウンタCtの
値に設定する。例えばカム軸回転速度変動の特性が第5
図中に示すような特性となるエンジン回転数域ではioc
=2とし、また、より高回転の運転域ではカム軸回転速
度変動の位相が遅角側にずれる(第4図参照)ので、そ
れに応じて開始タイミングiocを3あるいは0と変更す
る。
次にステップS4で、上記エンジン回転速度の相当値T1
20と点火進角値θigとに基づき、 Ts=(T120/120)×(30−θig) と演算することにより、BTDC30゜CAからの時間Tsに換算
した点火時期を求め、ステップS5でTsのイグナイタ15に
出力する。
第7図(b)はエンジン回転速度の相当値T120を計測
するためのルーチンであり、このルーチンでは、まずス
テップS11〜S13で、カウンタCtの値が前記のステップS3
で設定された開始タイミングiocとなった時点におい
て、コントロールユニット16内のタイマを起動させると
ともに、計数値nを0とする。次に、ステップS14〜S16
で、クランク角信号P30が“H"となる毎(30゜CA毎)に
計数値nをインクリメントする処理を、計数値nが4と
なるまで繰返す。そして、計数値が4となった時点(開
始タイミングiocから120゜CAだけ経過した時点)で、そ
のときの上記タイマの値、つまり120゜CAの区間の所要
時間をエンジン回転速度の相当値T120として記憶すると
ともに(ステップS17)、タイマをリセットしてから
(ステップS18)リターンする。このルーチンの処理と
前記のステップS3の処理とにより、上記回転速度計測用
区間が、カム軸回転速度変動の周期が大きい(240゜CA
となる)運転域でのその周期の1/2で、かつ、そのカム
軸回転速度変動における極大点と極小点との間となるよ
うに設定され、この区間の所要時間をもって回転速度が
計測される。
この実施例によると、回転速度計測用区間の所要時間
をもって計測したエンジン回転速度の相当値T120と点火
進角値θigとに基づいて前記のステップS4での演算によ
り、次に点火が行なわれる気筒の点火時期が時間Tsに換
算された値として演算され、これに従ってイグナイタ15
により点火時期が制御され、このような点火時期の制御
が左バンク2aの気筒と右バンクの気筒とに対して交互に
行なわれる。この場合に、上記回転速度計測用区間は、
カム軸回転速度変動の周期が240゜CAとなる運転状態
(比較的高回転側の運転域)においてその軸回転速度変
動の極大点と極小点との間の半周期分の区間となるよう
に設定されているため、この区間で計測された値T120
は、周期的なカム軸回転速度変動の平均値に対応する値
となり、エンジン回転速度の計測値に気筒毎のずれが生
じることがさけられる。これにより、各バンクの気筒の
点火時期のばらつきが小さくされることとなる。
また、点火時期制御の応答性の面からはできるだけ上
記回転速度計測用区間を短くすることが要求されるが、
上記の区間設定によれば、カム軸回転速度変動周期の半
周期分の区間で適正な計測を行なうことができるので、
制御の応答性も良好に保たれる。
なお、上記のような区間設定の際に、ステップS3での
処理によりエンジン回転数に応じて回転速度計測用区間
の位置を変更すれば、エンジン回転数が異なる運転状態
によってカム軸回転速度変動周期の位相が変化しても
(第4図中の4500rpmと6000rpmとでのカム軸回転速度変
動参照)、その位相の変化に対処することができる。ま
た、カム軸回転速度変動の周期が120゜CAとなる低回転
の運転状態では、上記回転速度計測用区間がカム軸回転
速度変動の1周期分となって、このときにも上記値T120
がカム軸回転速度の平均値に対応することになり、点火
時期のばらつきを小さくする作用が得られる。
第8図はコントロールユニット16による演算、制御の
別の実施例をフローチャートで示しており、このフロー
チャートでは、第1図(b)の構成における点火時期設
定手段Aおよび区間長さ設定手段Eの機能が達成される
ようになっている。
このフローチャートでは、先ずステップS21で運転状
態を検出し、ステップS22で運転状態に応じた点火進角
値θigを演算する。続いてステップS23で、120゜CAの区
間の所要時間をもって求められるエンジン回転速度の相
当値T120(i)を計測する。この計測の区間は第1の実
施例のようにカム軸回転速度変動における極大点と極小
点との間に設定する必要はなく、一定の120゜CAの区間
であればよい。
次にステップS24で、カム軸回転速度変動の周期が120
゜CAとなるような低回転域かカム軸回転速度変動の周期
が240゜CAとなるような高回転域かを調べるため、エン
ジン回転速度の相当値T120(i)が6.7ms以上(エンジ
ン回転数が約3000rpmより低回転)か否かを調べる。そ
してこの判定がYESとなる低回転域では、ステップS
25で、T120(i)を最終的なエンジン回転速度の相当値
T120とし、一方、上記判定がNOとなる高回転域では、ス
テップS26で、前回の120゜CAの区間での値T120(i−
1)と今回の120゜CAの区間での値T120(i)との平均
値を最終的なエンジン回転速度の相当値T120とする。従
って、回転速度計測用区間の長さを、低回転域では120
゜CAとするが、高回転域では実質的に240゜CAとするよ
うに、エンジン回転数に応じて変更する。
そして上記の最終的なエンジン回転速度の相当値T120
と点火進角値θigとに基づき、BTDC30゜CAからの時間Ts
に換算した点火時期を求めてこれもイグナイタ15に出力
する(ステップS27,S28)。
この実施例によると、カム軸回転速度変動の周期が12
0゜CAとなる低回転域とカム軸回転速度変動の周期が240
゜CAとなる高回転域のいずれにおいても、カム軸回転速
度変動の1周期分に相当する区間が回転速度計測用区間
とされることにより、最終的な回転速度相当値T120がカ
ム軸回転速度の平均値に対応する値となる。従って、第
1の実施例と同様に、気筒毎の点火時期のばらつきが小
さくなる。また、カム軸回転速度変動の周期の変化に応
じ、低回転域では高回転域よりも回転速度計測用区間が
短くされるので、この区間が不必要に長くなることがな
く、制御の応答性の低下が防止される。
第9図はコントロールユニット16による演算、制御の
別の実施例をフローチャートで示しており、このフロー
チャートでは、第1図(c)の構成における点火時期設
定手段Aおよび回転速度補正定手段Fの機能が達成され
るようになっている。
このフローチャートでは、先ずステップS31で運転状
態を検出し、ステップS32で運転状態に応じた点火進角
値θigを演算する。続いてステップS33で、120゜CAの一
定の区間(回転速度計測用区間)の所要時間をもって求
められるエンジン回転速度の相当値T120を計測する。
次にステップS34で、上記値T120に応じた補正値Tcを
設定する。この補正値Tcは、例えば予めエンジン回転数
に対して所定の特性に設定されて、記憶手段としてのメ
モリに記憶される。この補正値Tcの特性は第10図のよう
に設定され、つまり、エンジン低回転域では補正値Tcが
0とされ、エンジン高回転側では補正値Tcがエンジン回
転数に応じた正の値とされる。
続いてステップS35で、左バンク2aの気筒に対しては
エンジン回転速度の相当値T120を上記補正値Tcだけ減少
させた値T120Lに補正し、右バンク2bの気筒に対しては
エンジン回転速度の相当値T120を上記補正値Tcだけ増加
させた値T120Rに補正する。さらにステップS36で、左バ
ンク2aの気筒の点火時期を定める時間Ts(L)と左バン
ク2bの気筒の点火時期を定める時間Ts(R)とを Ts(L)=(T120L/120)×(30−θig) Ts(R)=(T120R/120)×(30−θig) とそれぞれ演算する。
そしてステップS37で次に点火を行なわせる気筒が右
バンクか否かを調べ、その判定がYESの場合はステップS
38でTs(R)を点火タイマにセットする時間Tsとし、上
記判定がNOの場合はステップS39でTs(L)を点火タイ
マにセットする時間Tsとする。それから、ステップS40
で上記時間Tsをイグナイタ15に出力する。
この実施例によると、一定の区間に計測されたエンジ
ン回転速度の相当値T120が補正値Tcによって補正される
ことにより、エンジン回転速度の相当値T120のばらつき
が是正される。つまり、一定の120゜CAの区間で計測さ
れた上記値T120は、カム軸回転速度変動周期が120゜CA
となる低回転域ではその回転速度の平均値に対応する値
となるが、高回転側の運転域ではカム軸回転速度変動の
周期等の変化に伴って回転速度の平均値からずれ、左バ
ンク2aの気筒と右バンク2bの気筒とでばらつきが生じ
る。これに対し、第10図のように設定された補正値Tcに
に基づくステップS35での演算により、上記値T120が左
バンク2aの気筒と右バンク2bの気筒とに対してそれぞれ
補正され(第11図参照)、この補正によって上記のばら
つきが是正される。従ってこの実施例でも、各バンクの
気筒毎の、エンジン回転速度の計測値のばらつきに起因
した点火時期のばらつきが是正されることとなる。
上記補正値Tcは、カム軸回転速度変動の周期や変動量
に応じて設定すればよいが、上記カム軸回転速度変動は
エンジン回転数に応じて変化し、その特性は予め調べて
おくことができるので、とくに補正値Tcをエンジン回転
数に対応づけたマップとして記憶手段に記憶させておけ
ば、容易かつ適正に補正を行なうことができる。
なお、上記各実施例では、本発明をV型6気筒エンジ
ンに適用しているが、他のV型エンジンあるいは水平対
向型エンジンにも本発明を適用することができる。
〔発明の効果〕
以上のような本発明によれば、次のような効果を奏す
る。
請求項1の装置によると、V型もしくは水平対向型の
エンジンにおいて、クランク角センサにより検出される
2点のクランク角間の所要時間によって計測される回転
速度に基づいて次に点火が行なわれる気筒の点火時期を
時間に換算した値で設定して制御する場合に、回転速度
計測用区間を、少なくともカム軸回転速度の変動周期が
大きい運転状態でのカム軸回転速度変動の周期の1/2に
相当する区間で、かつ、カム軸回転速度変動の略極大点
のクランク角と略極小点のクランク角との間に設定する
構成としている。このため、点火時期換算のための上記
回転速度の計測値に気筒毎のずれが生じることが防止さ
れ、これにより各バンドの気筒の点火時期のばらつきを
小さくすることができる。しかも、上記回転速度計測用
区間は上記回転速度の計測値のばらつきが避けられる範
囲で短くされているので、制御の応答性も良好に保たれ
る。
さらに請求項2の装置によると、上記回転速度計測用
区間の位置がエンジン回転数に応じたカム軸回転速度変
動の位相の変化に対応するように変更されることによ
り、広い回転数域にわたって上記の効果が得られる。
また、請求項3の装置においては、回転速度計測用区
間の長さが、エンジン回転数に応じて変化するカム軸回
転速度変動の周期と対応するようにエンジン回転数に応
じて変えられるため、この構成によっても、回転速度計
測用区間が不必要に長くなることを避けつつ、上記回転
速度の計測値のばらつきを防止し、各バンクの気筒の点
火時期のばらつきを充分に小さくすることができる。
請求項4の装置においては、上記回転速度の計測値を
カム軸回転速度変動に対応する補正値によって補正して
いるため、上記回転速度の計測値のばらつきが是正され
て、この場合も各バンクの気筒の点火時期のばらつきを
充分に小さくすることができる。
さらに請求項5のように、予め上記補正値をエンジン
回転数に対して所定の特性に設定し、これを記憶させて
おくようにすれば、回転速度の計測値の補正を容易かつ
適正に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(c)は本発明の各請求項に示す装置の
構成説明図、第2図は本発明の装置の実施例を示す概略
図、第3図は点火系のブロック図、第4図は各気筒に対
する吸,排気カムの作動および各気筒の点火の時期と、
各種エンジン回転数におけるカム軸回転速度の変動特性
を示す説明図、第5図はクランク角、クランク角信号お
よびクランク角信号識別用のカウンタの値と、カム軸回
転速度変動を対応づけて示す説明図、第6図は点火タイ
マ22の状態および点火回路17の1次コイルの通電状態を
示す説明図、第7図(a)(b)はコントロールユニッ
トによる演算、制御の一実施例を示すフローチャート、
第8図はコントロールユニットによる演算、制御の別の
実施例を示すフローチャート、第9図はコントロールユ
ニットによる演算、制御のさらに別の実施例を示すフロ
ーチャート、第10図は第9図の実施例による場合の補正
値の特性図、第11図は上記補正値による各バンクの気筒
に対する補正状態を示す説明図である。 A……点火時期設定手段、B……点火制御手段、C……
回転速度計測用区間設定手段、D……区間変更手段、E
……区間長さ設定手段、F……回転速度補正手段、G…
…記憶手段、1……エンジン本体、2a,2b……左右バン
ク、3a,3b,4a,4b……カム軸、7……クランク軸、13…
…クランク角センサ、15……イグナイタ、16……コント
ロールユニット。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の気筒が2つのバンクに分割されて配
    設されるとともに、各バンクにそれぞれ装備された吸排
    気弁開閉用のカム軸が1つのクランク軸により回転駆動
    されるエンジンにおいて、一方のバンクのカム軸の回転
    角からクランク角を検出するクランク角センサと、この
    クランク角センサにより検出される2点のクランク角間
    の回転速度計測用区間における所要時間によって計測さ
    れる回転速度に基づき、次に点火が行なわれる気筒の点
    火時期を時間に換算した値で設定する点火時期設定手段
    と、この点火時期設定手段による設定に従って点火時期
    を制御する点火制御手段と、上記回転速度計測用区間
    を、少なくともカム軸回転速度の変動周期が大きい運転
    状態でのカム軸回転速度変動周期の1/2に相当する区間
    で、かつ、カム軸回転速度変動の略極大点のクランク角
    と略極小点のクランク角との間に設定する回転速度計測
    用区間設定手段とを備えたことを特徴とするエンジンの
    点火時期制御装置。
  2. 【請求項2】回転速度計測用区間を決める2つのクラン
    ク角をエンジン回転数に応じて変更する区間変更手段を
    備えたことを特徴とする請求項1記載のエンジンの点火
    時期制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載のエンジンの点火時期制御装
    置において、回転速度計測用区間設定手段に代えて、回
    転速度計測用区間の長さをカム軸回転速度変動の周期に
    対応するようにエンジン回転数に応じて変更する区間長
    さ設定手段を備えたことを特徴とするエンジンの点火時
    期制御装置。
  4. 【請求項4】複数の気筒が2つのバンクに分割されて配
    設されるとともに、各バンクにそれぞれ装備された吸排
    気弁開閉用のカム軸が1つのクランク軸により回転駆動
    されるエンジンにおいて、一方のバンクのカム軸の回転
    角からクランク角を検出するクランク角センサと、この
    クランク角センサにより検出される2点のクランク角間
    の回転速度計測用区間における所要時間によって計測さ
    れる回転速度に基づき、次に点火が行なわれる気筒の点
    火時期を時間に換算した値で設定する点火時期設定手段
    と、この点火時期設定手段による設定に従って点火時期
    を制御する点火制御手段と、所定の2点のクランク角間
    の回転速度計測用区間における所要時間によって演算さ
    れる上記回転速度をカム軸回転速度変動に対応する補正
    値によって補正する回転速度補正手段とを備えたことを
    特徴とするエンジンの点火時期制御装置。
  5. 【請求項5】回転速度補正手段は、予めエンジン回転数
    に対して所定の特性に設定した補正値を記憶する記憶手
    段を含み、この記憶手段に記憶された特性に基づきエン
    ジン回転数に応じて求めた補正値により回転速度を補正
    するものであることを特徴とする請求項4記載のエンジ
    ンの点火時期制御装置。
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