JP2597114B2 - 液圧式倍力装置 - Google Patents

液圧式倍力装置

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JP2597114B2
JP2597114B2 JP62294908A JP29490887A JP2597114B2 JP 2597114 B2 JP2597114 B2 JP 2597114B2 JP 62294908 A JP62294908 A JP 62294908A JP 29490887 A JP29490887 A JP 29490887A JP 2597114 B2 JP2597114 B2 JP 2597114B2
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啓二 中川
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株式会社ナブコ
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両等のブレーキ装置などで使用される液
圧式倍力装置に関する。
〔従来の技術及びその問題点〕
例えば、特開昭60−191865号公報では、液圧源に連絡
される入口及び液圧解放源に連絡される出口に連通して
形成したシリンダを有するシリンダ本体と、シリンダ孔
に摺動自在に挿入したピストンと、前記シリンダ孔内に
区分して形成され前記入口に連絡する入口室と前記出口
に連絡する出口室と前記シリンダ孔内に画成される圧力
室と、前記ピストンに形成される孔と、該孔に設けられ
前記圧力室の前記入口室及び出口室への連通・遮断を制
御する弁装置と、該弁装置を作動可能に前記シリンダ孔
に嵌合する入力部材とを備えた液圧式倍力装置が開示さ
れている。然るに液圧源のポンプ圧が弁装置に常時最高
圧で供給されているため、不作動時弁体に使用する着座
力が大きく、耐久性が悪くなる。
また、上記の従来例ではスプール弁を用いているが、
漏れが生ずるため、この効率の向上しようとするときポ
ペット型の弁装置とすることになる。そして、この場合
上記のような問題が生ずるし、また、弁体としてのボー
ルの着座部分では上記問題がある。更にまた、ポペット
型弁体の着座力が大きくなるということは、作動抵抗の
増大と、ヒステリシスが大きくなるという種々の問題を
生じさせる。
更にまた液圧源に連絡される入口室は何らかの密封手
段で両側でシールされているが、この入口室に常に高い
ポンプ圧が作用しているのでは、これら密封手段の寿命
も短かくしてしまう。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は上記問題に鑑みてなされ、耐久性を向上さ
せ、作動性の良い液圧式倍力装置を提供することを目的
とする。
〔問題点を解決するための手段〕
以上の目的は、液圧源に連絡される入口及び液圧解放
源に連絡される出口に連通して形成したシリンダを有す
るシリンダ本体と、シリンダ孔に摺動自在に挿入したピ
ストンと、前記シリンダ孔内に区分して形成され前記入
口に連絡する入口室と前記出口に連絡する出口室と前記
シリンダ孔内に画成される圧力室と、前記ピストンに形
成される孔と、該孔に設けられ前記圧力室の前記入口室
及び出口室への連通・遮断を制御する弁装置と、該弁装
置を作動可能に前記シリンダ孔に嵌合する入力部材とを
備えた液圧式倍力装置において、前記圧力室の圧力に応
じて前記入口室への前記液圧源からの供給圧力を制御す
る制御弁を設けた液圧式倍力装置によって達成される。
〔作用〕
制御弁により入口室への供給圧力が圧力室の圧力に応
じて制御されるので、装置の不作動時、すなわち圧力室
の圧力が零のときには入口室の圧力を小とすることがで
き、これにより弁装置にかゝる圧力を小として、作動の
開始を円滑にして作動性を良好とし、また不作動時には
各部に液圧源の最高圧が常時、加えられるということは
なくなり、装置の耐久性を向上させることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例による液圧式倍力装置について
図面を参照して説明する。
図において、本実施例の装置は全体として(1)で示
され、そのシリンダ本体(2)内の左方部にはマスタシ
リンダ部(3)が、右方部には倍力装置部(4)が設け
られている。シリンダ本体(2)には段付孔(5)が形
成され、前端は閉塞端となっており、後端開口は蓋体
(6)によって閉塞されている。蓋体(6)はストップ
リング(16)によりシールリング(7)を介在させてシ
リンダ本体(2)に固定され、また図示しないトーボー
ドにこの装置全体が固定されている。
蓋体(6)の中心貫通孔(8)には後端部にシールリ
ング(11)を装着し前端部はカップシール(132)でシ
ールされた軸状の入力部材(9)が摺動自在に嵌合して
おり、図示しないばねにより後方に付勢されている。
(なお、本明細書において前方とは図において左方を、
後方とは右方を意味するものとする。)また、入力部材
(9)の後端部に形成される凹所(15)内には図示しな
いブレーキペダルに結合されている連結部材(12)のロ
ッド部(13)の先端部が受容され、抜け止めリング(15
a)により抜け止めされている。ロッド部(13)と本体
(2)の後端部との間にはブーツ(14)が固着され、防
塵を行なっている。
シリンダ本体(2)の段付孔(5)は蓋体(6)が嵌
着する大径孔部(17)と大部分を占める小径孔部(18)
とから成り、大径孔部(17)と小径孔部(18)にわたっ
て第1ピストン(19)が摺動自在に嵌合しており、小径
孔部(18)の左方部には第2ピストン(20)が摺動自在
に嵌合している。第1ピストン(19)は後端部、中間部
及び前端部にそれぞれ第1大径部(21)、第2大径部
(22)及び第3大径部(23)を有し、シールリング(2
4)(25)、カップシール(26)を装着している。かく
して、第2大径部(22)と第3大径部(23)の間には無
圧室(27)が形成され、第2大径部(22)と第1大径部
(21)との間にはアキュムレータ圧室(28)が形成され
る。また、第1大径部(21)と蓋体(6)との間には倍
力用圧力室(29)が形成される。これら無圧室(27)、
アキュムレータ圧室(28)及び倍力用圧力室(29)のう
ち無圧室(27)だけマスタシリンダ部(3)に属するも
のであり、この無圧室(27)を画成するための第1ピス
トン(19)の前方半部がマスタシリンダ部(3)に属す
るが、以下このマスタシリンダ部(3)の詳細について
説明する。第1ピストン(19)の前端部にはボルト(3
1)が螺着され、このボルト(31)の頭部にはほゞコッ
プ形状のばね受け(33)が係合し、軸部にはリング状の
ばね受け(32)が嵌合しており、これらばね受け(32)
(33)間にばね(34)が圧縮状態で張設され、ばね受け
(33)を第2ピストン(20)の後端に、ばね受け(32)
を第1ピストン(19)の前端に圧接させている。また第
1ピストン(19)の前端部に形成される頭部としての第
3大径部(23)にはこれと当設して上述のカップシール
(26)が装着され、他方第2ピストン(20)の後端大径
部(36)にもカップシール(38)が装着されることによ
り第1ピストン(19)と第2ピストン(20)との間に第
1液圧発生室(40)が形成される。
第2ピストン(20)の前端大径部(35)にもカップシ
ール(37)が装着され、これにより前端大径部(35)と
後端大径部(36)との間に無圧室(39)が形成され、ま
たこのピストン(20)とシリンダ本体(2)の底壁部と
の間に第2液圧発生室(41)が形成される。第2ピスト
ン(20)はその前端部に嵌合するばね受け(48)とシリ
ンダ本体(2)の底壁部との間に張設された戻しばね
(47)によって右方に付勢されている。シリンダ本体
(2)の前端部には第2液圧発生室(41)と連通して出
力口(42)が形成され、これは図示しない管路を介して
前輪のホイールシリンダに接続される。また、図示せず
とも第1液圧発生室(40)と連通するようにシリンダ本
体(2)にもう一つの出力口が形成され、これは図示し
ない管路を介して後輪のホイールシリンダに接続され
る。
シリンダ本体(2)の前端部分の上壁部にはボス部
(51)が形成され、その液接続孔(52)は通常の図示す
るブレーキ非作動時には戻し孔(50)を介して第2液圧
発生室(41)と連通しており、補給孔(49)を介して無
圧室(39)と常時連通している。また、液接続孔(52)
にはグロメットシール(53)を介してリザーバ(54)の
接続筒部(55)が圧入されている。
リザーバ(54)は公知の構造を有し、筒状の本体(4
3)の上方開口にはキヤップ(44)によって覆われてお
り、内部は液レベル検知室(58)、第1、第2リザーバ
室(45)(46)に画成されている。
シリンダ本体(2)の中間部分の上壁部には上述のボ
ス部(51)より高いボス部(62)が形成され、その液接
続孔(63)は戻し孔(61)を介して第1液圧発生室(4
0)と連通しており、補給孔(60)を介して無圧室(2
7)と常時連通している。また、液接続孔(63)の上部
にはグロメットシール(64)を介してリザーバ(54)の
他方の接続筒部(65)が圧入されている。
次に倍力装置部(4)の詳細について説明する。
第1ピストン(19)は倍力装置部(4)においても主
たる構成の一つであるが、この後側々周部に形成される
上述のアキュムレータ圧室(28)の側方に位置して第2
図に示すようにシリンダ本体(2)にはボス部(83)が
形成され、これに図示しない接続部材が螺着される。通
孔(83a)を介して、接続部材に接続される管路(87)
側はアキュムレータ圧室(28)と連通可能となってい
る。管路(87)には後述する制御弁(108)を介してア
キュムレータ(88)が接続され、管路(89)を介して液
圧ポンプ(91)の吐出口が接続されている。また液圧ポ
ンプ(91)はモータ(84)によって駆動され、その吸込
口は管路(93)を介して上述のリザーバ(54)の接続口
部(43a)に接続される。リザーバ(54)は上述のマス
タシリンダ部(3)及び倍力装置部(4)に対し作動液
の共通のリザーバとして働らく。
第1ピストン(19)の後部には軸方向に段付孔(94)
が形成され、この小径孔部(95)及び中径孔部(96)に
わたって可動弁体(97)が摺動自在に挿入されている。
その前方端側がシールリング(99)を介して小径孔部
(95)に嵌合している。段付孔(94)の小径孔部(95)
と中径孔部(96)との間の段部にシールリング(99)を
当接させるようにばね受けリング(98)が配設され、こ
れと可動弁体(97)の外周部に形成される環状突起部
(97a)との間に弁ばね(100)が張設され、可動弁体
(97)を後方へと付勢している。
第1ピストン(19)の段付孔(94)の後端開口部には
スリーブ(104)がシールリング(103)を装着して嵌着
しており、これはストッパー(105)により抜け止めさ
れている。可動弁体(97)の後端部はスリーブ(104)
の内孔に嵌合して摺動自在となっており、後端面は入力
部材(9)の前端面に形成された凹所(107と通常の図
示する装置非作動時には所定の距離をおいて対向してい
る。すなわち、可動弁体(97)はその環状突起部(97
a)がスリーブ(104)の前端部(104a)と当接すること
により、その第1ピストン(19)に対する相対的な後方
位置が規制される。
段付孔(94)の中径孔部(96)内において可動弁体
(97)の中間部の周りには入力室aが形成され、これは
第1ピストン(19)に形成された通孔(101)を介して
アキュムレータ圧室(28)と常時連通している。またス
リーブ(104)の周りには連絡室bが形成され、これは
ピストン(19)の後端部に形成された通孔(19a)を介
して倍力用圧力室(29)と常時連通している。可動弁体
(97)の環状突起部(97a)とスリーブ(104)の前端部
(104a)とにより供給弁が構成され、図示の状態では閉
じているが、これを開くとスリーブ(104)に形成した
斜孔(109)を介して入力室aと連絡室b、すなわち倍
力用圧力室(29)とは連通する。また、可動弁体(97)
の後端面と入力部材(9)の前端の凹所(107)とによ
り排出弁が構成され、図示の状態では開いて、入力部材
(9)の軸方向通孔(9a)、径方向通孔(9b)、液室
(66)、蓋体(6)の斜孔(67)及び通路(70)を介し
てリザーバ側と倍力用圧力室(29)側とは連通している
が、これが閉じるとこれらの間の連通は遮断される。入
力部材(9)は上述したように図示しないばねにより後
方へと付勢されているが、第1ピストン(19)の後端開
口部に止着されたストッパー(105)により、その後方
位置が規制されている。なお、入力部材(9)とスリー
ブ(104)との間には反力用ゴム(10)が介在してい
る。
また、シリンダ本体(2)のフランジ部には斜孔(10
6)が形成され、これは接続孔(78)及び管路(79)を
介して後述する制御弁(108)に接続される。斜孔(10
6)は常時、倍力用圧力室(29)と連通している。
次に上述のアキュムレーター(88)と倍力装置部
(4)との間に接続される制御弁(108)の詳細につい
て第3図を参照して説明する。
制御弁(108)の本体(111)は、ほゞ逆L字形状を呈
し、左右に延びる第1シリンダー孔(112)及び上下方
向に延びる第2シリンダー孔(114)を備えている。第
1シリンダー孔(112)の右端開口部はシールリングを
備えた蓋体(113)により閉塞されている。また第2シ
リンダー孔(114)は蓋体(115)により閉塞されてい
る。本体(111)の上壁部には上述の管路(87)及びア
キュムレーター(88)側の管路(106)と接続される接
続孔(116)及び(117)が形成されている。また、蓋体
(113)に上述の管路(79)を接続するための接続孔(1
18)が形成されている。
第1シリンダー孔(112)内にはシールリングを備え
た筒体(119)が嵌着しており、また、これと係合する
ように右側に筒状のガイド部材(121)がシールリング
を備えて嵌着している。筒体(119)及びガイド部材(1
21)の内孔にはシールリング(129)を備えたプランジ
ャー(120)が摺動自在に嵌合している。プランジャー
(120)はまたその右端部においてガイド部材(121)と
の間にカップシール(126)を介在させている。
プランジャー(120)の中央部の両側には、ばね受け
(124)、(125)が嵌合しており、この間にばね(12
3)が張設されている。またばね(123)を張設させてい
るプランジャー(120)の中央部の周囲の環状のポンプ
圧室(130)は筒体(119)に形成された小孔(119a)を
介して常時、上記接続孔(116)と連通している。この
ポンプ圧室(130)は通常は図示する如くプランジャー
(120)の周壁部に形成された通孔(120b)及びプラン
ジャー(120)に形成された軸方向通路(133)及び筒体
(119)の周壁部に形成された通孔(131)を介して上述
の接続孔(117)と連通している。プランジャー(120)
の左端部には弁座形成部材(120a)が一体的に固定され
ており、この中心孔に液通路を形成するように弁体(12
7)の軸部が挿通しており、その頭部(127a)とプラン
ジャー(120)の内壁の一部との間にばね(128)が張設
し、弁体(127)を図示するように左方へと付勢して通
常はその軸部を筒体(119)の底壁部に当接させてい
る。すなわち図示する状態が開弁状態であって、ポンプ
圧室(130)と接続口(117)側とを連通させている。弁
座形成部材(120a)の右端開口部が弁座として働らき、
後述するようにプランジャー(120)が右方へと移動す
るときには弁体(127)の頭部(127a)がこれに着座す
ることによりポンプ圧室(130)側と接続孔(117)側と
を遮断するようにしている。
第2シリンダー孔(114)内には蓋体(115)とシール
リング(136)を備えたピストン(137)との間に、ばね
(134)を張設させており、これによりピストン(137)
上方に付勢されて、図示するようにシリンダー本体(11
1)の隔壁部に当接している。よって、このピストン(1
37)とシリンダー本体(111)との隔壁部との間にアキ
ュムレータ圧室(140)を画成している。ピストン(13
7)と蓋体(115)との間にはばね(134)を張設させて
いるが、この張設させている室は空気室(135)となっ
ている。アキュムレータ圧室(140)はシリンダー本体
(111)の隔壁部に形成された通孔(111a)を介して常
時、接続孔(117)側と連通している。またプランジャ
ー(120)の右端部とガイド部材(121)との間にはサー
ボ圧室(150)が画成され、これが上述の接続孔(118)
と常時連通している。すなわち、管路(79)を介して倍
力用圧力室(29)と常時連通している。
本発明の実施例は以上のように構成されるが、次にこ
の作用、効果などについて説明する。
まず、制御弁(108)の作用について説明する。制御
弁(108)において、プランジャー(120)のシールリン
グ(129)によりシールされる大径部の断面積をD1、こ
のプランジャー(120)のカップシール(126)によりシ
ールされる右側小径部の断面積をD2及び弁体(127)の
シール面積をD3とし、ばね(123)のばね力をF1、弁体
(127)を付勢する弁ばね(128)のばね力をF2及びプラ
ンジャー(120)の摺動抵抗をfとし、アキュムレータ
(88)、すなわち液圧ポンプ(91)のポンプ圧をP1、液
圧式倍力装置(1)の倍力装置部(4)のアキュムレー
タ圧室(28)の液圧をP2及び倍力用圧力室(29)の液圧
をP3とし、まず、通常の状態、すなわち電動機(84)が
駆動され、液圧ポンプ(91)が液圧P1を発生させている
が、装置(1)は非作動状態であって、第1図の各部は
図示の位置にあり、倍力用圧力室(29)の圧力P3が“0"
の場合には、液圧ポンプ(91)の圧力P1とアキュムレー
タ圧室(28)の圧力P2は第4図に示すように最初は45度
の角度で、すなわち等しい大きさで上昇していく。すな
わち、接続口(116)を介して伝達されるポンプ圧P
1は、ポンプ圧室(130)、プランジャー(120)の軸方
向通路(133)、開弁している弁体(127)とプランジャ
ー(120)の内壁に形成される弁座との間の隙間を通っ
て、そのまゝ装置(1)のアキュムレータ圧室(28)に
伝達される。そして、以下の第(1)式 により定められる値までアキュムレータ圧室の圧路P2
増大すると、以後、ポンプ圧P1の上昇と共に角度θの傾
斜でアキュムレータ圧室(28)の液圧P2が上昇してい
く。この開始点におけるポンプ圧P1の液圧▲P ▼、
アキュムレータ圧室(28)の液圧を▲P ▼とすれ
ば、第(1)式で示されるような関係がある。そして以
後、第(2)式 で示されるような関係で上昇していき、ポンプ圧が▲P
▼におけるアキュムレータ圧室(28)の液圧▲P
▼は上記(2)式で示されるようになる。傾斜角θと
D1D2、D3との間には、第(3)式 で示されるような関係がある。以上は、倍力用圧力室
(29)の圧力が“0"のときであり、液圧ポンプ(91)の
定常状態においては、すなわちその液圧▲P ▼にお
いては、これが減圧されて▲P ▼としてアキュムレ
ータ圧室(28)に加えられている。なお、ポンプ圧P1
▲P ▼と▲P ▼の間では、小さな傾斜角θでア
キュムレータ圧室(28)の液圧P2が上昇していくのであ
るが、この間には制御弁(108)においては、公知のプ
ロポーショニングバルブと同様な働きをしている。
次に、後述するように、装置(1)を作動させ、倍力
用圧力室(29)の液圧P3が上昇してくると、これに応じ
てアキュムレータ圧室(28)の液圧も第5図に示すよう
に上昇していく。そして、倍力用圧力室(29)の圧力が
▲P ▼に達すると、以後アキュムレータ圧室の圧力
は一定となる。これまではこの倍力用圧力室(29)の液
圧P3と共にアキュムレータ圧室(28)の圧力はθ′の角
度で上昇していくのであるが、このときの関係は第
(4)式 で示される。以上の第(3)式より第(5)式 が導かれる。
第(2)、第(5)式を第(4)式に代入すると、 ▲P ▼=▲P ▼+▲P ▼・(1−tan θ) 以上のようにして、倍力用圧力室(29)の圧力に応じ
た圧力が、制御弁(108)を介してアキュムレータ圧室
(28)に供給されることになる。
なお、制御弁(108)のポンプ圧室(130)に何らかの
原因で急激に増大する液圧が加えられたときには制御弁
(108)のアキュムレータ圧室(140)にこれが加えられ
るのでピストン(137)が低下し、衝げきを緩和するよ
うになっている。
ブレーキ非作動時には、各部分は図示する状態にあ
る。この状態で運転手が図示しないブレーキペダルを踏
み込むと、連結部材(12)は前進し、入力部材(9)を
押動させる。入力部材(9)の先端の凹所(107)が可
動弁体(97)の先端に着座する。すなわち排出弁が閉じ
倍力用圧力室(29)とリザーバ(54)側とは非連通の状
態におかれる。入力部材(9)が更に前進すると可動弁
体(97)は弁ばね(100)の弾性力に抗して第1ピスト
ン(19)に対し相対的に左方へ移動し、その環状突起部
(97a)はスリーブ(104)の前端部(104a)から離座す
る。すなわち、供給弁が開き、入力室aから圧液が連絡
室bを通って圧力室(29)内に流入する。これにより第
1ピストン(19)はその第1大径部(21)の右端面で液
圧力を受圧して左方への移動力が生ずる。なお、車両の
走行開始と共に、またはブレーキの作動開始と共にモー
タ(84)が駆動し、液圧ポンプ(91)を作動させている
ものとする。アキュムレータ(88)には所定の圧力で圧
液が蓄圧される。圧液は制御弁(108)を介してアキュ
ムレータ圧室(28)内に供給されている。入力室aには
通孔(101)を介してアキュムレータ圧室(28)の圧力P
2が常時加えられているのであるが、上述したようにこ
の圧力P2は倍力用圧力室(29)の液圧と共に第4図に示
すように上昇して行く。
第1ピストン(19)の前進と共に入力部材(9)も前
進し、排出弁は閉じたまゝである。第1ピストン(19)
の第3大径部(23)に装着されたカップシール(26)及
び第2ピストン(20)の大径部に装着されたカップシー
ル(37)がそれぞれ戻し孔(61)(50)を通過すると、
第1、第2液圧発生室(40)(41)はリザーバ側に対し
て密閉状態となり、以後、ピストン(19)(20)の前進
と共に第1、第2液圧発生室(40)(41)の液圧は同等
に上昇して行く。かくして車両に所望のブレーキがかけ
られる。
所望のブレーキがかけられている状態では入力部材
(9)に連結部材(12)を介して加えられている入力F
と圧力室(29)に導入された液圧Paが入力部材(9)に
及ぼす力とが釣り合い、また、液圧Paが第1ピストン
(19)の右端面に及ぼす力と第1液圧発生室(40)の発
生液圧Pmが第1ピストン(19)の左端面に及ぼす力とが
釣合って、第1ピストン(19)は停止し、供給弁も閉じ
るに至っている。すなわち、可動弁体(97)の環状突起
部(97a)はスリーブ(104)の前端部(104a)に当接し
ており、圧力室(29)には上述の一定の液圧Paが導入さ
れている。これにより倍力作用が得られている。
ブレーキをゆるめるべき運転手がブレーキペダルを元
に戻すと、入力部材(9)は圧力室(29)の液圧及び図
示しないばねのばね力を受けて右方へと復動する。これ
により先端の凹所(107)が可動弁体(97)の先端面か
ら離座する。すなわち、排出弁が開く。圧力室(29)の
圧液は入力部材(9)の通孔(9a)(9b)、液室(66)
及び通路(70)を通ってリザーバ側へと戻される。
圧力室(29)の圧力の減少と共に、第1液圧発生室
(40)の液圧及びリターンスプリング(47)のばね力を
受けて第1ピストン(19)及び第2ピストン(20)は右
方へと移動し、図示の位置をとりブレーキがゆるめられ
る。
本発明の実施例は以上のような作用を行うのである
が、更に次のような効果を奏するものである。
すなわち本実施例によれば、制御弁(108)の作用で
装置(1)の非作動時、すなわち、倍力用圧力室(29)
の圧力が零のときには、アキュムレータ圧室(28)の液
圧は第3図又は第4図に示すように充分に低い圧力とな
っている。すなわちシールリング(24)(25)にかゝる
液圧は小さく、また可動弁体(97)がスリーブ(104)
の弁座(104a)に着座させる方向に受ける液圧も小さ
い。従って、シールリング(24)(25)の寿命が長くな
り、作動開始も抵抗少なく行われ、作動性は向上する。
弁装置としての可動弁体(97)が閉じているときにアキ
ュムレータ圧室(28)側から受ける圧力が小さく、入力
部材(9)の操作力を小さくして作動開始させることが
できるのでヒステリシス現象も殆どなく操作感も良好で
ある。
第5図は本発明の第2実施例による液圧式倍力装置を
示すものであるが、第1図の第1実施例に対応する部分
については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略す
る。
すなわち、本実施例では排出弁の構成が異なる。第1
実施例では入力部材(9)に軸方向及び径方向の通路
(9a)(9b)が形成され、かつシリンダー本体(2)に
は通路(70)が形成されたが、本実施例ではこれに代え
て、可動弁体(97)に軸方向に貫通孔(97c)が形成さ
れ、排出弁が開いているときには、倍力用圧力室(29)
の圧液はこゝを通り、かつピストン(19)の段付孔の小
径孔部(95)及び径方向通孔(122)及び無圧室(27)
を通ってリザーバ(54)側に戻されるようになってい
る。その他の構成については第1実施例と同様であり、
同様な効果が得られることは明らかであるので、その説
明は省略する。
以上、本発明の各実施例について説明したが、勿論、
本発明はこれらに限定されることなく本発明の技術的思
想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、以上の実施例では制御弁としては機械的な構
成が説明されたが、これに代えて電気的な構成を用いる
ようにしてもよい。例えば、倍力用圧力室(29)の圧力
を電気的に検出し、この検出信号により複数の電磁切換
弁のうちいづれかを開閉してアキュムレータ圧室(28)
への管路抵抗を変えるようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上、述べたように本発明の液圧式倍力装置によれ
ば、装置の耐久性を向上させ、また操作性を良好にする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例による液圧式倍力装置の側
断面図、第2図は第1図におけるII−II線方向断面図、
第3図は第1図における制御弁の詳細を示す断面図、第
4図、第5図は第1図における制御弁の作用を示すグラ
フ及び第6図は本発明の第2実施例による液圧式倍力装
置の部分側断面図である。 なお図において、 (108)……制御弁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液圧源に連絡される入口及び液圧解放源に
    連絡される出口に連通して形成したシリンダを有するシ
    リンダ本体と、シリンダ孔に摺動自在に挿入したピスト
    ンと、前記シリンダ孔内に区分して形成され前記入口に
    連絡する入口室と前記出口に連絡する出口室と前記シリ
    ンダ孔内に画成される圧力室と、前記ピストンに形成さ
    れる孔と、該孔に設けられ前記圧力室の前記入口室及び
    出口室への連通・遮断を制御する弁装置と、該弁装置を
    作動可能に前記シリンダ孔に嵌合する入力部材とを備え
    た液圧式倍力装置において、前記圧力室の圧力に応じて
    前記入口室への前記液圧源からの供給圧力を制御する制
    御弁を設けた液圧式倍力装置。
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