JP2595834B2 - 低圧鋳造品の個数の計測方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、低圧鋳造品の個数の
計測方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、低圧鋳造機によって鋳造される鋳
造品の個数は、鋳造機本体の金型を開けたときをもって
１個ずつ加算することにより計測していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の計測方法で
は、補修などのときに計測回路をＯＦＦとするのを忘れ
て金型を開けたときには、なんらの鋳造をも行っていな
いにも拘わらず個数が加算されることとなり、計測回路
の出力である鋳造品の個数と現実の鋳造品の個数との不
一致を招くという問題点があった。したがって本発明
は、現実の個数との不一致を招くことがない低圧鋳造品
の個数の計測方法を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、低圧鋳造機の
保持炉に圧入する気体の圧力が、前記鋳造機の金型のキ
ャビティー内に溶湯が充満する状態に対応する圧力を越
えたときをもって、鋳造品の個数を加算することによ
り、上記目的を達成したものである。

【０００５】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図１は本発明方法の一実施例を適用した低圧鋳造機の縦
断面図である。同図において低圧鋳造機１０は保持炉１
１と鋳造機本体１３とを有し、鋳造機本体１３には金型
１４が交換自在に固定されている。しかして保持炉１１
に取付けた乾燥空気圧入口１５より乾燥空気を保持炉１
１内に圧入すると、該空気の圧力によって保持炉１１内
の溶湯１６はストーク１２を経て金型１４内に至り、金
型１４内において固化して鋳造品となり、該鋳造品は金
型１４を開いて鋳造機本体１３外に排出される。

【０００６】乾燥空気圧入口１５には圧力センサー１７
が取付けられており、該圧力センサー１７による圧力Ｐ
は、通常の低圧鋳造では時間ｔと共に図２に示すように
変化する。すなわち先ず圧力 Ｐ₁まで徐々に上昇し、し
かる後圧力Ｐ₂まで急激に上昇し、該圧力Ｐ₂で一定時間
保持して鋳造を終える。圧力Ｐ₁としては例えば０．３
５Ｋｇｆ／ｃｍ²‐ｇとすることができ、圧力Ｐ₂として
は例えば１．０Ｋｇｆ／ｃｍ²‐ｇとすることができ
る。Ｐ₁までの圧力上昇は、金型１４のキャビティー内
への溶湯１６の移動・充満に対応する圧力であり、した
がってその後にいかなる事態が生じようとも、例えば圧
力がその後Ｐ₂にまで上昇しなかったとしても、鋳造品
の品質はともかくとして必ず鋳造品が形として残ること
を意味する。

【０００７】そこで本実施例では圧力センサー１７によ
る圧力Ｐと上記圧力Ｐ₁とを比較し、ＰがＰ₁を越えたと
きをもって（図３のａ、ｂ）、鋳造回数を１回宛て加算
している（同ｃ）。鋳造機の有するストーク１２の本数
が１本のときには、この鋳造回数が鋳造品の個数に他な
らず、ストーク１２の本数が複数本のときには、この鋳
造回数を当該複数倍した値が鋳造品の個数となる。した
がってこうして計測された鋳造品の個数は、現実の鋳造
品の個数と異なることがなくなるから、保持炉に溶湯を
補給すべきか否かの判断（同ｄ）、鋳造品の個数の管理
（同ｅ）などに利用することができ、また鋳造回数は金
型を交換すべきか否かの判断（同ｆ）、塗型をすべきか
否かの判断（同ｇ）などに利用することができる。

【０００８】

【発明の効果】本発明によって、現実の個数との不一致
を招くことがない低圧鋳造品の個数の計測方法が提供さ
れた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法の一実施例を適用した低圧鋳造機の
縦断面図

【図２】該実施例の鋳造機の鋳造圧力の時間変化を示し
た図

【図３】該実施例の制御手法を示したブロック図

【符号の説明】

１０…低圧鋳造機 １１…保持炉 １２…スト
ーク １３…鋳造機本体 １４…金型 １５…乾燥
空気圧入口 １６…溶湯 １７…圧力センサー

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】低圧鋳造機の保持炉に圧入する気体の圧力
   が、前記鋳造機の金型のキャビティー内に溶湯が充満す
   る状態に対応する圧力を越えたときをもって、鋳造品の
   個数を加算する低圧鋳造品の個数の計測方法。