JP2595700B2 - 食器洗浄機の運転方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は洗浄水の噴射により食器・調理器具等の洗浄
を行う食器洗浄機の運転方法に関し、特に残菜を捕集す
るフィルターの後始末を簡単にするものである。

従来の技術 従来、この種食器洗浄機の一般的な運転方法について
説明する。

洗浄槽に食器・調理器具等の被洗浄物を収納し、洗剤
を投入して運転を開始すると、まず所定量の洗浄水を洗
浄槽に供給する給水工程があり、続いて洗浄ポンプによ
り加圧された洗浄水を洗剤と共に洗浄ノズルから噴射す
る本洗工程が行われる。所定時間の本洗工程を経ると、
次に食器等から洗い落とされた汚れを含む洗浄水を排水
する排水工程に入る。引き続き、新たに洗浄水を供給す
る給水工程と、洗浄水を洗浄ノズルから噴射することで
洗剤や残菜等で汚れた食器等をすすぐためのすすぎ工程
と、洗浄水を機外に排出する排水工程とが連続して４回
繰り返されて終了していた。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、従来の食器洗浄機では洗浄運転終了
後、フィルターの表面のほぼ全面に残菜が多量に残存し
て見栄えが悪い上にその後始末に手間がかかっていた。
また、フィルターの掃除を忘れるとフィルターの目詰ま
りが起こり、洗浄ポンプに必要な洗浄水が供給されずに
洗浄ノズルから噴射する洗浄水の圧力と流量が不足して
洗浄不良になるという問題点があった。

本発明は上記の問題点に鑑み、運転方法の改善により
フィルターのうち特定部分、例えば排水口近傍に残菜を
集中して捕集して、洗浄終了後の残菜の残存状態の見栄
えを良くし清潔感を与えるとともに残菜の後始末が簡単
にできるようにすることを第一の目的とする。

また第二の目的はフィルター表面の残菜の一部、例え
ば飯粒程度の大きさのものを機外に排出して、その残存
量を少なくすることで、衛生的にするとともにフィルタ
ーの目詰まりが起こりにくいようにすることにある。

課題を解決するための手段 上記第一の目的を達成するために本発明は、洗浄水を
洗浄槽に供給する給水工程において、給水開始から所定
時間を経過した後に給水と並行して前記洗浄ポンプを間
欠運転させるものである。

また第二の目的を達成するために、本発明は給水工程
において、給水開始から所定時間を経過した後に給水と
並行して前記洗浄ポンプを間欠運転させるとともに、排
水ポンプを前記洗浄ポンプの停止時間中に給水と並行し
て運転させるものである。

作用 本発明の食器洗浄機の上記運転方法により、給水開始
から所定時間を経過した後に給水と並行して前記洗浄ポ
ンプを間欠運転させることで、フィルター表面に密着し
た残菜を洗浄水の洗浄ポンプへの吸い込みによる水流及
び洗浄ポンプの停止による水流の乱れでかき乱すことが
行われて、フィルター表面から残菜を分離すると同時
に、残菜をフィルターの特定部分、例えば排水口近傍に
集中して捕集させる。しかも、洗浄槽内の水位が増加す
る給水工程中に洗浄ポンプを動作せるので、洗浄ポンプ
内に空気が入り込み、洗浄ポンプの能力が低下すること
を抑制しつつ、空気がみによる洗浄ポンプの騒音増大も
防止できる。

また、給水開始から所定時間を経過した後に給水と並
行して前記洗浄ポンプを間欠運転させるとともに、前記
排水ポンプを前記洗浄ポンプの停止時間中に並行して運
転させることで、洗浄ポンプの吸込みによる水流及び洗
浄ポンプの停止による水流の乱れが発生して、フィルタ
ーの表面に密着した残菜をかき乱すことが行われる。こ
のとき残菜はフィルターから一度分離して、排水口近傍
のフィルターに流れ落ち、さらに引続きこの残菜は、排
水ポンプの吸込みによる洗浄水の水流によりフィルター
を通過し排水ポンプへと送り込まれ機外に排出される。
この運転方法の場合も、上述した運転方法と同様、給水
工程中に洗浄ポンプ及び排水ポンプを動作せるので、ポ
ンプ性能の空気がみによる性能低下及び騒音増大を防止
できる。

実施例 以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について説
明する。第１図は第一の実施例を示すものであり、１は
洗浄槽、２は洗浄ポンプ、３は洗浄ポンプ２により加圧
された洗浄水を噴射する洗浄ノズル、４は洗浄水を機外
に排出する排水ポンプ、５は残菜を捕集するフィルタ
ー、６は排水ホースである。フィルター５は洗浄槽１の
内底部に搭載されており、その下部には洗浄ポンプ２の
吸込口７と排水ポンプ４の吸込口に連通した排水口８が
ある。またフィルター５は図に示すように開孔の細かい
部分（本実施例では直径1mmの丸孔で形成されており、
以下メインフィルター5aと呼ぶ）と、開孔のやや粗い部
分（本実施例では直径6mmの丸孔で形成されており、以
下サブフィルター5bと呼ぶ）とからなっており、サブフ
ィルター5bは排水口８に近接して構成されている。９は
洗浄水を洗浄槽１に供給するための給水弁、10は食器等
の被洗浄物を洗浄槽１内に収納する食器かご、11は前記
洗浄ポンプ４、給水弁９等の運転を制御する制御装置
で、洗浄水を洗浄槽１に供給する給水工程において、給
水開始から所定時間を経過した後に給水と並行して前記
洗浄ポンプ２を間欠運転させるものである。

上記構成において以下その動作について説明する。所
定量の洗剤を投入し、食器等の被洗浄物を洗浄槽１内の
食器かご10に収納して運転を開始する。まず給水弁９に
通電することで洗浄水が供給されると、洗浄ポンプ２に
より洗浄水を加圧して洗浄ノズル３から噴射する予洗工
程が行なわれ、被洗浄物に付着した汚れは一部洗い落と
される。この工程で汚れを含む洗浄水は、フィルター
５、主としてメインフィルター5aでろ過されながら吸込
口７より洗浄ポンプ２へ送られて、洗浄ノズル３から再
び噴射されることを繰り返す。次に汚れた洗浄水を排水
する排水工程が行なわれ、洗浄槽１内の洗浄水はフィル
ター５、主としてサブフィルター5bでろ過されながら排
水口８から排水ポンプ４へ送られて、排水ホース６から
機外へ排出される。続いて、新たな洗浄水が供給され、
洗浄槽１に流れ込んだ洗剤を含む洗浄水の噴射により洗
浄する本洗工程が行なわれる。この給水工程において、
第４図に示すように給水開始（図において給水弁ON）か
ら所定時間を経過した後に給水と並行して前記洗浄ポン
プ２が間欠運転する（図において洗浄ポンプON、OFFの
繰り返し）。この運転方法により洗浄ポンプ２の吸い込
みによる吸込口７へ向かう洗浄水の水流（本実施例では
洗浄ポンプの循環流量が約60l/minであり、吸込口７に
おける洗浄水の流速は約2m/secである）、及び洗浄ポン
プ２の停止によりこの洗浄水の水流に乱れが発生して、
フィルター５の表面の主としてメインフィルター5aに密
着した残菜12をかき乱すことが行われる。この動作によ
り残菜12をフィルター５から分離することが行われると
同時に、残菜12の一部は洗浄水の吸込口７に向かう水流
によってサブフィルター5bに流し落とされる。この給水
工程に続いて所定時間の本洗工程を経ると、次に食器等
から洗い落とされた汚れを含む洗浄水を排水する工程が
行われる。

引き続き、新たに洗浄水を供給する給水工程と、洗浄
水を洗浄ノズル３から噴射することで洗剤や残菜等で汚
れた食器等をすすぐためのすすぎ工程と、洗浄水を機外
に排出する排水工程とが連続して４回繰り返されて終了
する。このすすぎ工程に先立つ給水工程においても上記
と同様に、第３図に示すように給水開始から所定時間を
経過した後に給水と並行して前記洗浄ポンプ２が間欠運
転することで、メインフィルター5aに密着した残菜12を
かき乱して、メインフィルター5aから分離することが行
われると同時にサブフィルター5b内に集められる。

しかも１回の洗浄運転において、上記の動作が合計５
回繰り返されており、残菜12は確実にサブフィルター5b
に集中して捕集される。従って洗浄運転終了後フィルタ
ー５を見ると残菜はほぼ１箇所に集中して残存してお
り、見栄えがよくてしかも後始末が簡単となる。

なお、上記の動作は本洗工程後の第１回目のすすぎ工
程のための給水工程で最も効果が大きく、少なくとも１
回実施すれば、従来例よりも清潔感、見栄え、後始末の
点で改善される。

本発明の第二の実施例における食器洗浄機の給水工程
における運転方法を第５図に示す。基本的な機構部品の
構成は第一の実施例と同様のためこれを共用するととも
にその説明を省く。また、この実施例の構成において、
基本的な運転方法は第一の実施例と同様であるのでこれ
を省略するが、以下その特有の構成と動作を説明する。

本実施例においては、第２図に示すように吸込口７と
サブフィルター5b間にリブ状の突起（以下ではバッフル
板13と呼ぶ）を設けたことと、制御装置の制御内容が第
一の実施例と異なるものである。制御装置は、本洗工程
に先立つ給水工程において、第５図に示すように給水開
始（図において給水弁ON）から所定時間を経過した後に
給水と並行して前記洗浄ポンプ３を間欠運転させる（図
において洗浄ポンプON、OFF繰り返し）とともに、前記
排水ポンプ４を前記洗浄ポンプ３の停止時間中に並行し
て運転する（図において排水ポンプON）。

この制御装置による運転により、洗浄ポンプ２の吸込
みにより吸込口７へ向かう洗浄水の水流及び洗浄ポンプ
２の停止による洗浄水の水流の乱れが発生して、フィル
ター５の表面主としてメインフィルター5aに密着した残
菜12をかき乱すことが行われて残菜12をメインフィルタ
ー5aから分離することが行われ、残菜12の一部はサブフ
ィルター5bに流し落とされる。

このとき洗浄ポンプ２の吸込みにより飯粒程度の大き
さの残菜はサブフィルター5bを通過して吸込口７へと送
り込まれるが、サブフィルター5bに相対して設けられた
リブ状の突起（以下ではバッフル板13と呼ぶ）に当り、
サブフィルター5bの下方に落下して堆積する。このバッ
フル板13により飯粒程度の大きさの残菜が洗浄ポンプ２
へ循環することが防止され、残菜12はサブフィルター5b
の下方に堆積している。さらに引続いて、排水ポンプ４
の吸込みにより排水口８へ向かう洗浄水の水流（本実施
例では排水ポンプの排水流量が約7.5l/minであり、排水
口８における洗浄水の流速は約0.5m/secである）によ
り、この残菜12はサブフィルター5bから排水ポンプ４へ
と送り込まれ、排水ホース６を経て機外に排出される。
これにより飯粒程度以下の大きさの残菜は機外に排出さ
れて、洗浄運転終了後サブフィルター5b内には残菜の残
存量は少なく衛生的で、見栄えがよくてしかも後始末が
簡単である。従って、フィルター５の掃除を忘れた場合
にも次の洗浄運転でフィルター５上の残菜による目詰ま
りのため、洗浄ポンプ３に必要な洗浄水が供給されず
に、洗浄ノズル３から噴射する洗浄水の圧力と流量が不
足するために洗浄不良になるという問題は起こらない。
また、残菜の残存量が少なくなることで、フィルター５
上に捕集した残菜が洗浄水と共に循環して食器に再び付
着する、いわゆる再汚染を低減することができる。さら
には、洗浄終了後にフィルター５上の残菜から発生する
においも低減される。

さらに本発明の第三の実施例は、第３図のように第二
の実施例において設けられたバッフル板13に代わるもの
として２次フィルター14（直径1mmの丸孔で形成したも
の）を搭載したものである。基本的な機構部品の構成は
第一及び第二の実施例と同様のためこれを共用するとと
もにその説明を省く。またその運転方法は第二の実施例
と同様のため、２次フィルター14の効果についてのみ説
明する。

給水工程において洗浄ポンプ２の吸込みにより吸込口
７へ向かう洗浄水の水流及び洗浄ポンプ２の停止による
洗浄水の水流の乱れが発生して、フィルター５の表面主
としてメインフィルター5aに密着した残菜12をかき乱す
ことが行われて残菜12をメインフィルター5aから分離す
ることが行われ、残菜12の一部はサブフィルター5bに流
し落とされることは第二の実施例と同様である。

このとき洗浄ポンプ２の吸込みにより飯粒程度の大き
さの残菜及び直径1mm程度の大きさの残菜はサブフィル
ター5bを通過して吸込口７へと流れるが、サブフィルタ
ー5bに相対して設けられた２次フィルター14でろ過され
てサブフィルター5bの下方に落下して堆積する。さらに
引続いて排水ポンプ４の吸込みにより排水口８へ向かう
洗浄水の水流により、この残菜12はサブフィルター5bか
ら排水ポンプ４へと送り込まれて、排水ホース６を経て
機外へ排出される。本実施例では飯粒程度の大きさの残
菜に加えてそれ以下の大きさの残菜も洗浄ポンプ２への
循環が２次フィルター14で防止されているので、残菜は
第二の実施例よりも効率よく排出されるとともに残菜に
よる再汚染やにおいを大幅に低減することができる。

発明の効果 以上のように本発明は、運転方法の改善により、フィ
ルターのうち特定部分、例えば排水口近傍に残菜を集中
して捕集することができるものである。従って、洗浄運
転終了後のフィルターには残菜は、ほぼ１箇所に集中し
て残存しており、見栄えがよくて清潔感を与えることが
できるものであり、しかも後始末が簡単である。また、
給水工程に洗浄ポンプを動かして残菜を集めるようにし
ているので、排水工程に洗浄ポンプを間欠運転して残菜
を集める場合のように、洗浄槽内の水位が低下して洗浄
ポンプが空気がみをしてポンプ性能が低下したり、騒音
が増大するのを防止できる。

また本発明は、フィルター表面の残菜の一部、例えば
飯粒程度以下の大きさのものを機外に排出して、その残
存量を少なくして衛生的にするとともに残菜による再汚
染やにおいを低減することができるものである。また、
見栄えがよくてしかも後始末が簡単である上に、フィル
ターの掃除を忘れた場合にも、次の洗浄運転でフィルタ
ー上の残菜があるために洗浄ポンプに必要な洗浄水が供
給されずに洗浄不良になるという問題は起こらない使い
勝手の良い食器洗浄機を提供することができるものであ
る。また、上述した通り、給水工程中に洗浄ポンプまた
は排水ポンプを動かすので、洗浄ポンプまたは排水ポン
プが空気がみを起こすことがなく、ポンプ性能の低下及
び騒音の増大を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第一の実施例における食器洗浄機の要
部断面図、第２図は第二の実施例における食器洗浄機の
フィルター構成を示す断面図、第３図は第三の実施例に
おける食器洗浄機のフィルター構成を示す断面図、第４
図は第一の実施例における食器洗浄機の運転方法を示す
図、第５図は第二及び第三の実施例における食器洗浄機
の運転方法を示す図である。 １……洗浄槽、２……洗浄ポンプ、４……排水ポンプ、
５……フィルター、９……給水弁、11……制御装置、12
……残菜。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗浄ポンプと、前記洗浄ポンプにより加圧
   された洗浄水を噴射する洗浄ノズルと、洗浄水を洗浄槽
   に供給するための給水弁と、残菜を捕集するフィルター
   と、前記洗浄ポンプ・給水弁等の運転を制御する制御装
   置とを有し、前記制御装置により、洗浄水を洗浄槽に供
   給する給水工程において、給水開始から所定時間を経過
   した後に給水と並行して前記洗浄ポンプを間欠運転させ
   る食器洗浄機の運転方法。
2. 【請求項２】洗浄ポンプと、前記洗浄ポンプにより加圧
   された洗浄水を噴射する洗浄ノズルと、洗浄水を洗浄槽
   に供給するための給水弁と、洗浄水を機外に排出する排
   水ポンプと、残菜を捕集するフィルターと、前記洗浄ポ
   ンプ、排水ポンプ・給水弁等の運転を制御する制御装置
   とを有し、前記制御装置により、洗浄水を洗浄槽に供給
   する給水工程において、給水開始から所定時間を経過し
   た後に給水と並行して前記洗浄ポンプを間欠運転させる
   とともに、前記排水ポンプを前記洗浄ポンプの停止時間
   中に並行して運転する食器洗浄機の運転方法。