JP2594297B2 - 焼塊冷却装置 - Google Patents

焼塊冷却装置

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JP2594297B2 JP62303715A JP30371587A JP2594297B2 JP 2594297 B2 JP2594297 B2 JP 2594297B2 JP 62303715 A JP62303715 A JP 62303715A JP 30371587 A JP30371587 A JP 30371587A JP 2594297 B2 JP2594297 B2 JP 2594297B2
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信夫 仁井田
保雄 和田
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バブコツク日立株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高温の焼塊の冷却装置に係り、特にロータリ
ーキルンから排出された焼塊を効率よく冷却するととも
に、低温部でのグレートの摩耗を低減することのできる
焼塊冷却装置に関する。
〔従来の技術〕 セメント製造工程において、ロータリーキルンにて焼
成された高温のクリンカ焼塊を一定距離移送する間に、
空気を用いてこの焼塊を所定の温度まで冷却する焼塊冷
却装置がある。第4図と第5図は、この焼塊冷却装置を
示す。第4図は、冷却装置の側面図、第5図は第4図の
A−A矢視図を示す。図においてバーナ2により焼成さ
れた高温の焼塊(クリンカ)はロータリーキルン1から
冷却装置本体3に落下する。装置本体3内には装置幅い
っぱいに帯状に配置されたチエングレート4が駆動用鎖
車5と従動用ホイール6、複数のガイドローラ7によっ
て受けられ、ベルトコンベヤのような運動によりクリン
カは徐々に排出端8側に移動し、この間のチエングレー
ト下部の空気室9から送風機10により供給される冷却用
空気11によりクリンカは所定の温度まで冷却される。装
置本体3内にはキルン1よりのクリンカ落下衝撃を吸収
する目的で水冷壁12が装置幅方向に配列されている。ま
た高温クリンカと熱交換された高温空気13はキルン側に
回収され、その熱量をバーナ2の燃焼用に利用し、燃料
の節減を図っている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このような装置においてキルン1から落下した高温の
クリンカ中央部に集中落下し、符号20で示すように中高
状となり、その両側はクリンカ層が薄くなる。クリンカ
とチエングレートとは相対運動がないために、落下時に
形成されたクリンカ層の形状がそのまま移送される。冷
却室から送入された空気によりクリンカを移送しつつ冷
却する原理の冷却装置にとっては、クリンカ層の不均一
は致命的な欠陥となる。すなわち層の薄いところから多
量の空気が流れ、層の厚い部分からは通気抵抗が大きい
ためにほとんど空気が流れない。このため冷却が不均一
となりクリンカが溶着状態となり、充分に冷却されない
まま排出端に移送される。したがって排出端でのクリン
カ温度は高く、また高温側で高温クリンカとの熱交換が
なされないため回収空気温度は低く、冷却装置の目的で
もある燃料節減を図ることができない欠点があった。さ
らに、クリンカ層厚の大きい部分のグレートが焼損し易
いという問題があった。また、水冷壁があるためにクリ
ンカが保有する熱量が奪われ、回収効率の低下を助長さ
せていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記問題点を解決するためになされたもの
で、ロータリーキルンで焼成された高温の焼塊を受入
れ、該焼塊を上流吹から下流部へと移動させながら冷却
空気により冷却する焼塊冷却装置において、上流部を前
記焼塊を移送すると同時に撹拌、拡散する冷却装置と
し、下流部を前記焼塊を移送体と相対運動させないまま
移送する冷却装置としたことを特徴とする焼塊冷却装置
である。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例につき具体的に説明する。
第1図は、グレート式形とチエングレート式形の焼塊
冷却装置を組合わせた説明図である。チエングレート式
焼塊冷却装置3の機能は前述してあるので省略し、グレ
ート式焼塊冷却装置14について説明する。
グレート式冷却装置本体14内には1つの段について複
数の火格子(グレート)が幅方向に設けられ、かれが多
段に配置されている。このグレートの配置に際しては可
動グレート15の段と固定グレート16の段が交互に位置し
ている。可動グレート15は揺動ビーム17により往復運動
がされクリンカは徐々に移動し、この間に第2図に示す
ように送風器10から空気室9に送り込まれた空気11によ
りクリンカは所定の温度まで冷却される。
第2図は、グレート式冷却装置の断面図である。グレ
ートの往復運動はクリンカを移送するのと同時に相対運
動によりグレート上のクリンカを撹拌、拡散する効果が
あり、第2図に示すごとくキルンから落下したクリンカ
の層は直ちに21のように均一化され、冷却空気11の流れ
を常に均一な状態に保つことができる。このためクリン
カ層を通過した空気は、高温のクリンカと充分な熱交換
がなされ高熱量の空気が回収できる。グレート式の冷却
装置の各グレート15、16は強固な格子染に保持されてい
るためキルンから直接グレート上にクリンカを落下させ
ることができる。このためチエングレート式冷却装置に
付属している水冷壁は不要となり、さらに熱交換の効率
は向上させる。しかしながら、クリンカは冷却されると
摩耗性が非常に高くなるためグレート式冷却装置のクリ
ンカ低温域ではグレートとクリンカの相対運動による摩
耗現象が起こり、装置の安定運転を妨げる欠点もあっ
た。その点チエングレート式ではクリンカはチエン移送
体と相対運動しないまま移送されるため摩耗による不具
合がない長所がある。このことからグレート式冷却装置
とチエングレート式冷却装置を組合わせることにより、
それぞれの利点を生かした理想的な焼塊冷却装置が提供
できる。
以下に本発明の実施例の1つとして従来設備を改造し
て組合わせる方法について具体的に説明する。第1図を
用いて説明すると、チエングレート式焼塊冷却装置3内
の従動用ホイール6の移設、ガイドローラ7の削減によ
りチエングレート式冷却装置本体を短くして使用し、そ
の短くした高温部に当たる範囲にグレート式焼塊冷却装
置14を配して構成するものである。このような配置にす
ることによりチエングレート式冷却装置の高温部での欠
点がグレート式を採用することにより改良され高熱量の
空気が回収できるようになる。
ちなみに能力2500T/Dの冷却能力を有する焼塊冷却装
置においては、このような組合わせの冷却装置とするこ
とにより回収空気の熱量にして23kcal/kg・クリンカ熱
量の回収向上となり、1年間300日の運転とすると 約1790kl/年の重油節減が図れる。そのほか、組合わせ
方式にすることにより冷却能力の増加が図れる。
チエングレート式冷却装置ではクリンカ容量を増加さ
せても中央部での堆積が増長するのみで冷却効率の向上
は図れなく、グレート単位面積当たりのクリンカ量は28
t/m2が限界であった。
このような中でチエングレート式の冷却装置の高温側
を一部改造し、プラント設備全体の長さをかえることな
く、グレート式冷却装置を配置することにより、グレー
ト単位面積当たりのクリンカ量を34〜39t/m2に増加させ
ることができる。これはクリンカ冷却装置の能力をチエ
ングレート式冷却装置単体のみに比較し21〜39%の能力
上昇が図れるものである。これはグレート式冷却装置は
グレートとクリンカの間にクリンカの移動による相互運
動があり、クリンカ層が平均的に均一となる。この結果
空気とクリンカの熱交換係数が向上し、グレート上のク
リンカ層の平均厚さを600〜700mmに厚くすることがで
き、冷却能力の向上が図れるものである。
第3図は、本発明の実施例であるグレート式冷却装置
14と従来形のチエングレート式冷却装置3との接続部で
ある。可動グレート15と固定グレート16上の冷却された
クリンカ23は、境界部に設けられたウエアリングシュ22
を滑りチエングレート4上に乗る。この際、チエングレ
ート式冷却装置とグレート式冷却装置とはグレート上で
段差24を有しているためクリンカは滑り落ちながら反転
し、温度が高い表面がチエングレート4に接するように
なり、さらに冷却効果は増す。チエングレート式冷却装
置3内のチエングレートは、グレートがチエンにより帯
状に連結され従動用ホイール6、ガイドローラ7等によ
りベルトコンベヤのごとく運動している。したがって、
チエングレート上のクリンカとチエングレートの間には
グレート式冷却装置のような相互運動がないためグレー
トの摩耗が少なく交換するメンテナンス費用の大幅な低
減となる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、焼塊冷却装置の冷却能力を大幅に向
上することができ、また焼塊からの熱回収効率を大きく
向上させることが可能である。さらに、グレート式冷却
装置に比較してグレートの摩耗が少なく、グレートの取
りかえによる装置の保守経費を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明になる焼塊冷却装置の実施例説明図、
第2図は、第1図のB−B部での断面図、第3図は、本
発明の焼塊冷却装置において、グレート式冷却部とチエ
ングレート式冷却部との接続部の説明図、第4図は、従
来のチエングレート式焼塊冷却装置の説明図、第5図
は、第4図のA−A部での断面図である。 1……キルン、2……バーナ、3……チエングレート式
冷却装置、4……チエングレート、5……駆動用鎖車、
6……従動用ホイール、7……ガイドローラ、14……グ
レート式冷却装置、15……可動グレート、16……固定グ
レート、17……揺動ビーム。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−139451(JP,A) 特開 昭60−155889(JP,A) 特開 昭55−28369(JP,A) 特公 昭55−44872(JP,B2) 特公 昭57−7097(JP,B2) 特公 昭56−710(JP,B2) 特公 昭57−19358(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロータリーキルンで焼成された高温の焼塊
    を受入れ、該焼塊を上流部から下流部へと移動させなが
    ら冷却空気により冷却する焼塊冷却装置において、上流
    部を前記焼塊を移送すると同時に撹拌、拡散する冷却装
    置とし、下流部を前記焼塊を移送体と相対運動させない
    まま移送する冷却装置としたことを特徴とする焼塊冷却
    装置。
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