JP2594072B2 - 地絡故障点探査用送信機 - Google Patents

地絡故障点探査用送信機

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JP2594072B2
JP2594072B2 JP62297105A JP29710587A JP2594072B2 JP 2594072 B2 JP2594072 B2 JP 2594072B2 JP 62297105 A JP62297105 A JP 62297105A JP 29710587 A JP29710587 A JP 29710587A JP 2594072 B2 JP2594072 B2 JP 2594072B2
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幸司 鷲尾
秀 手塚
昌洋 及川
良作 中田
正行 大田
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Nippon Kouatsu Electric Co
Tohoku Electric Power Co Inc
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Nippon Kouatsu Electric Co
Tohoku Electric Power Co Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 本願発明は次に述べる問題点の解決を目的とする。
(産業上の利用分野) この発明は高圧配電線路において生じた地絡故障点を
探査する場合において、上記高圧配電線路に探査信号電
流を送出する為に用いられる地絡故障点探査用送信機に
関するものである。
(従来の技術) 高圧配電線においては接触事故、絶縁破壊事故、表面
漏洩事故などの地絡事故が発生する。そして上記の絶縁
破壊事故の内、特に碍子のキレツ等は云わゆるギャップ
状の地絡故障であって、例えば降雨等によって絶縁抵抗
が変化すると放電して地絡事故に至る形態をとる。その
ため、再閉路成功事故(高圧配電線路に地絡事故が発生
して変電所の地絡リレーが動作し、それによって遮断器
が動作して送電を停止した後、再度、遮断器が閉路して
送電した場合に、地絡事故点の絶縁が自然に回復して地
絡リレーによる地絡故障が検出できず、送電がそのまま
行える状態となって地絡故障点が不明となること)にな
ったりする。このようなキレツ碍子を、点検地のメガー
測定や目視点検で短時間に而も確実に発見することは極
めて困難である。
それ故、近年は、高圧配電線と大地間に接続した送信
機により高圧配電線に対し高圧パルス状の探査信号電流
を繰り返し流し、高圧配電線に予め取り付けた検出器の
表示動作によって地絡故障点を見つける探査方法が行な
われている。
しかしながら、このような探査方法では、高圧配電線
に対し数秒毎に高圧パルスが次々と送出されるため、同
パルスによって例えば、高圧配電線に接続するケーブル
の絶縁被覆等、健全な絶縁物をも劣化させてしまう問題
があった。
また、送信機が高圧パルスを数秒間隔で次々と出力す
る方式のため、送信機より高圧配電線に対し送り込まれ
る高圧信号電流のパワーがどうしても小さくなり、同信
号電流によっては検出器を駆動することができず、検出
器には駆動用の電源が必要になると言う問題があった。
(発明が解決しようとする問題点) この発明は上記従来の問題点を除き、地絡故障がギャ
ップ状のものであっても、そこに探査信号電流を確実に
流すことができ、そしてその探査信号電流によって高圧
配電線に付設された表示器を直接に駆動でき、その上、
高圧配電線に接続するケーブル等の絶縁の劣化も極力防
止できるようにした地絡故障点探査用送信機を提供しよ
うとするものである。
本願発明の構成は次の通りである。
(問題点を解決する為の手段) 本願発明は前記請求の範囲記載の通りの手段を講じた
ものであってその作用は次の通りである。
(作用) 探査信号電流を送出し始める初期においては、直流電
源からの電圧と初期増電圧用のコンデンサからの電圧と
が加算された状態でもって、しかも断続スイッチ回路に
より断続された状態で出力トランスの入力端に加わる。
その結果、出力トランスの出力端に出力される探査信号
電流の電圧は放電誘発用の高電圧となり、そのような高
電圧の探査信号電流が高圧配電線に送出される。続いて
上記コンデンサが放電してしまうと、出力トランスの入
力側に加わる電圧は直流電源からの電圧のみとなり、出
力トランスの出力端に出力される探査信号電流の電圧は
放電維持用の比較的低い電圧となり、そのような電圧の
探査信号電流が高圧配電線に連続的に送出される。
(実施例) 以下本願の実施例を示す図面について説明する。地絡
故障点探査用送信機の回路を示す第1図において、地絡
故障点探査用送信機は探査信号電流出力用の出力トラン
ス101と、復帰信号電流出力用の出力トランス102と、電
源回路103と、断続スイッチ回路104と切替回路105とを
有する。上記断続スイッチ回路104には、そのスイッチ
回路104の動作の開始及び停止を制御するようにした制
御回路106が接続してある。上記電源回路103は直流電源
107と初期増電圧用のコンデンサ108とを備えており、初
期増電圧用のコンデンサ108には、それを充電する為の
充電回路109aと、充電の完了を表示する充電完了表示回
路109bが接続してあり、またバイパス用ダイオードDが
並列に接続してある。上記出力トランス101の出力端に
は、信号電流検出回路110が付設してある。次に上記出
力トランス101は、自体の入力端に与えられる断続状態
の電圧を昇圧して自体の出力端に断続状態の高電圧を出
力するようにしたものであって、111は入力端を示し、
一次巻線112の巻始端子113、中間端子114、巻終端子115
をもって構成されている。116は出力端を示し、二次巻
線117の一方及び他方の端子118,119をもって構成されて
いる。上記出力トランス101の昇圧比は、その入力端111
に上記直流電源107からの直流と初期増電圧用のコンデ
ンサ108からの直流とが加算されて加わった場合には出
力端116には地絡故障点にギャップ放電を誘発させるに
充分な放電誘発用の高電圧が出力され、入力端111に上
記直流電源107からの直流が単独で加わった場合には出
力端116には上記高圧配電線の線路電圧よりも低い放電
維持用の高電圧が出力される比(本例では24V対1900V)
に定めてある。次に120は上記出力トランスの出力を探
査信号電流として高圧配電線に送出する為の出力端子
で、上記出力トランスの出力端116に接続してある。即
ち該端子は、高圧配電線を接続する為のプラス側端子12
1と、大地に接地する為のマイナス側端子122から成り、
上記プラス側端子121は保護抵抗r2を介して上記出力ト
ランスの端子118に接続してあり、マイナス側端子122は
交流電流計A1を介して端子119に接続してある。
次に上記出力トランス102は、自体の入力端に与えら
れる断続状態の電圧を昇圧して自体の出力端に出力する
ようにしたもので、123は入力端を示し、一次巻線124の
巻始端子125、中間端子126、巻終端子127をもって構成
されている。128は出力端を示し、二次巻線129の一方及
び他方の端子130,131をもって構成されている。次に132
は送信機における復帰信号電流出力用の出力端子で、一
対の端子133,134から成る。上記端子133は保護抵抗r3を
介して上記出力トランスの端子130に接続してあり、端
子134は交流電流計A2を介して端子131に接続してある。
次に上記断続スイッチ回路104は探査信号用の周波数
で開閉を繰り返すようにした回路であり、発振部136と
スイッチング部137とを備える。発振部136は、商用周波
電源と異なる例えば、180サイクルの地絡探査用の周波
数の信号を発信するする発振回路138と、商用周波と同
じの例えば50サイクルの復帰作業用の周波数の信号を発
信する発振回路139と、相互に連動する切替スイッチS1
−1,S1−2とから構成されておって、上記各々の周波数
の信号を交換的に出力できるようになっている。スイッ
チング部137はプッシュプル回路構成になっている。こ
のスイッチング部137において、141,142は入力端で発振
部136からの発信信号が入力されるようになっている。1
43は制御端で、制御回路106からの制御信号が入力され
るようになっている。また該スイッチング部137はスイ
ッチング用のトランジスタT1,T2と、その前段に保護抵
抗r4,r5を介して接続したドライブ回路144,145と、その
前段に接続したアンド回路146,147を備えており、上記
入力端141,142及び制御端143の双方に信号の入力がある
とアンド回路146,147から信号を出力する。そしてその
出力信号はドライブ回路144,145に入力されて増幅さ
れ、次段のトランジスタT1,T2のベースに送られるよう
になっている。
次に上記制御回路106は探査作業用(180サイクル信号
送信用)のタイマ回路151と、復帰作業用(50サイクル
信号送信用)のタイマ回路152と、前記発振部136の切替
スイッチと連動する切替スイッチS1−3を有しており、
両タイマ回路からの信号のうちいずれか一方が制御信号
として前記断続スイッチ回路104に送られるようになっ
ている。上記タイマ回路151,152はいずれも動作遅延タ
イマになっており、タイマ回路151の設定時間は例えば3
0秒、またタイマ回路152は10秒に設定される。S2−1,S2
−2は連動のスタートスイッチ、R1a,R2bは夫々後述の
リレーR1,R2の接点を示し、これらはタイマ回路151,152
の各々の電源供給回路151a,152aに図示の如く介設させ
てある。
次に上記切替回路105は前記切替スイッチS1−1〜S1
−3と連動する切替スイッチS1−4,S1−5をもって構成
され、断続スイッチ回路104のスイッチング部137を二つ
の出力トランス101又は102の入力端に交換的に接続する
よう、スイッチング部137と両出力トランス101,102の入
力端との間に図示の如く結線してある。
次に上記直流電源107において、Eは電池(蓄電池又
は乾電池で、電圧は例えば24V)、S3は電源スイッチで
ある。
次に上記初期増電圧用のコンデンサ108としては100V
のチャージが可能で容量が10000μFの電解コンデンサ
が用いてある。
次に充電回路109aにおいて、154はDC−DCコンバータ
で、その入力側は前記切替スイッチS1−1〜S1−5と連
動する切替スイッチS1−7を介して前記電源スイッチS3
に接続してあり、出力側は上記コンデンサ108に対し、
それへの入力を制限するようにした保護抵抗r1を介して
接続してある。
次に上記充電完了表示回路109bは、上記コンデンサ10
8に並列接続した電圧検出回路155と、その出力端に切替
スイッチS1−6を介して接続する表示ランプ156及びリ
レーR1とから成る。上記切替スイッチS1−6は前記切替
スイッチS1−1〜S1−5に連動する。
上記出力トランス101の入力端111と上記直流電源107
との間には、上記断続スイッチ回路104と、初期増電圧
用のコンデンサ108とが、上記直流電源107及び初期増電
圧用のコンデンサ108からの直流が上記断続スイッチ回
路104により断続された状態で上記出力トランス101の入
力端111に加わるよう、直列に接続してある。即ち本例
では初期増電圧用のコンデンサ108はそのプラス端子が
上記出力トランス101の入力端111における端子114に接
続され、マイナス端子が直流電源107に接続してあり、
また、断続スイッチ回路104はそのスイッチング部137に
おけるトラジスタT1,T2のコレクタが前記切替回路105の
スイッチS1−4,S1−5を介して上記出力トランス101の
入力端における端子113,115に接続され、上記トランジ
スタT1,T2のエミッタがアース回路を介して直流電源107
に接続してある。
次にバイパス用ダイオードは上記コンデンサ108の放
電終了時に上記直流電源107からの直流を迂回させて上
記出力トランス101の入力端に通過させる為のものであ
り、上記コンデンサ108に対し図示の如き向きに接続し
てある。
次に上記信号電流検出回路110は上記出力トランス101
の出力端116から上記出力端子120に流れる電流の大きさ
を検出するようにしたもので、端子119と端子122との接
続回路に介設した電流検出用CT161と、全波の整流回路1
62と、整流回路162の出力側に接続した積分(オンディ
レイタイマ)回路163と、同回路163の積分電圧を検出す
る電圧検出回路164と、電圧検出回路164の出力によって
動作するリレーR2とから成り、出力トランス101の出力
端116から出力端子120に所定値以上の探査信号電流が流
れた場合には探査信号電流の送出を停止させるようにし
てある。本例では、リレーR2の接点R2bは前述の如くタ
イマ回路151の電源供給回路151aに介設されて、リレーR
2が動作するとタイマ回路151が電源107より切り離され
て送信機の非常停止がかかるようにしてある。なお上記
積分回路163は抵抗r6とコンデンサC10とにより構成して
ある。
次に上記送信機を用いた地絡故障点の探査について、
第4〜6図及び第2−1、2−2図に基づき説明する。
第4図において、75は変電所CBは遮断器、77は配電線路
(長さは例えば20km)を示し、第6図の如く三相分の架
空の高圧配電線13を備える。尚第6図において、78は電
柱、79は腕金、80は碍子である。次に再び第4図におい
て、SS1〜SS4は区分開閉器で例えば4km毎に設ける。H1
〜H10は配電線路77の電柱毎(約50m毎)に取付けた表示
器の存在を示し、第6図の如く各配電線13に表示器Aが
夫々取付けてある。この表示器Aは第4図から明らかな
ように配電線に対し相互に間隔を隔てて付設されてい
る。
上記のような配電線路において例えば第4図の点P1に
おいて地絡故障が生ずると、変電所75にある周知の地絡
リレーが作動し、区分開閉器SS3とSS4が開いてその区間
が停電状態となる。このような状態となったならば、前
記構成の地絡故障点探査用送信器81を携えて現場に赴
く。
現場においては測定可能な線路亘長に区分した停電状
態の高圧配電線路に対し、第5図の如く送信機の出力端
のプラス側端子121を三相一括にした高圧配電線13に接
続し、また出力端のマイナス側端子122を大地に接続す
る。その後、以下の通り操作する。尚送信機の動作時に
おける第1図の回路の各部(a)〜(t)の波形は第2
−1、2−2図を参照されたい。
先ず送信機に備わっている切替スイッチのつまみを探
査作業の側に倒す。その結果それに連動するスイッチS1
−1〜S1−7がa側(180サイクル側即ち探査作業側)
につながる。次に電源スイッチS3をオンにするとDC−DC
コンバータ154が動作する。動作したDC−DCコンバータ1
54の出力はコンデンサ108に入力され、コンデンサ108が
充電される。コンデンサ108が充電されるとその電圧を
電圧検出回路155が検出し、それが規定値に達すると同
回路155の出力端に出力が生じ、コンデンサ108の充電完
了を知らせる表示ランプ156が点灯する。また同時にリ
レーR1が動作し、そのa接点即ち制御回路106における
接点R1aを閉じる。上記のごとくコンデンサ108の充電が
終わったならば次にスタートスイッチS2−1,S2−2をオ
ンにする。このスタートスイッチのオンによって探査作
業用のタイマ回路151および復帰作業用のタイマ回路152
が電源107とつながり、その瞬時接点が閉じて時間のカ
ウントが開始される。ただしこの場合、前記したように
復帰作業用のタイマ回路152は切替スイッチS1−3がa
側、つまり探査作業側に倒れているため、タイマ回路15
1からのみ断続スイッチ回路104のスイッチング部137に
おけるアンド回路146,147に対し制御信号(ここでは
「1」の信号)を出力する。
また、電源スイッチS3のオンによってすでに動作状態
にある発振回路138からは、アンド回路146とアンド回路
147の入力端に対し「0」または「1」の信号が180サイ
クルの周期でもって交互に入力される。
上記のような信号がアンド回路146,147に入力される
結果、アンド回路147が出力「1」を出力し、その出力
が次段のドライブ回路145に入力されると、ドライブ回
路145の出力がトランジスタT2のベース電流となって流
れるため、トランジスタT2がオンする。このトランジス
タT2のオンによって、すでにコンデンサ108に蓄えてい
た電荷が、コンデンサ108のプラス端子→出力トランス1
01の1次側の中間端子114→1次側の巻終端子115→スイ
ッチS1−5→トランジスタT2→アース回路→電池Eのマ
イナス端子→同プラス端子→電源スイッチS3→コンデン
サ108のマイナス端子の回路で放電される。その結果、
出力トランス101の2次側の出力端116にはコンデンサ10
8の電荷(例えば100V)と電池E(24V)の直列接続の電
圧に見合った高電圧の出力が発生し、端子121から高圧
配電線13に対し送出される。
次に180サイクルの周期でもって、今度はアンド回路1
46が出力「1」を出力し、それがドライブ回路144に入
力されると、ドライブ回路144から出力した信号でもっ
てトランジスタT1が動作し、上記コンデンサ108の電荷
は、コンデンサ108のプラス端子→出力トランス101の入
力端の中間端子114→巻始端子113→スイッチS1−4→ト
ランジスタT1→アース回路→電池Eのマイナス端子→同
プラス端子→電源スイッチS3→コンデンサ108のマイナ
ス端子の回路にて放電される。その結果、出力トランス
101の2次側の出力端116には上記とは逆向きの高電圧が
発生し、端子121から高圧配電線13に対し送出される。
上記のように出力トランス101の入力端111にはコンデ
ンサ108の電荷(100V)と電池E(24V)とが直列になっ
て断続状態で加わるため、その結果として出力トランス
101の2次側の出力端116にはそれに見合う電圧の断続状
態の高電圧が発生する。この出力端の発生電圧は、6KV
級配電線路において一線地絡時に機器に加わる充電部−
大地間の電圧と、碍子のキレツによるギャップ放電の放
電電圧とを想定して決定されており、一例として (波高値p−p)が発生するようになっている。この電
圧を放電誘発用の高電圧と言う。上記のような動作が数
サイクル行なわれ、やがてコンデンサ108の電荷が放電
されてしまうと、その後は電池Eの電圧(24V)のみが
ダイオードDを介して出力トランス101の1次側の入力
端111に印加される。その結果同トランス101の2次側の
出力端116には電池Eの電圧に見合った比較的低い例え
ば約1.9KV(波高値p−p)の高電圧が発生する。この
電圧を放電維持用の高電圧と言う。なお、この2次側の
出力端からの発生電圧1.9KVは、配電線路の線路電圧よ
りも低く、しかも前記放電誘発用の高電圧の印加によっ
て発生したギャップにおける放電を継続維持できる値で
あることと、地絡抵抗が0〜8KΩであって而も線路亘長
が10Kmの場合であっても高圧配電線に取り付けた表示器
を直接駆動できることを想定して決定されている。尚上
記の場合のトランス1次側の通電経路は、コンデンサ10
8の放電時と同様に、電池Eのプラス端子→電源スイッ
チS3→ダイオードD→出力トランス101の1次側の中間
端子114→巻終端子115→スイッチS1−5→トランジスタ
T2→アース回路→電池Eのマイナス端子の回路か、また
は電池Eのプラス端子→電源スイッチS3→ダイオードD
→出力トランス101の1次側の中間端子114→巻始端子11
3→スイッチS1−4→トランジスタT1→アース回路→電
池Eのマイナス端子の回路かが180サイクルの周期でも
って交互に形成され、その度毎に出力トランス101の2
次側の出力端116から前記コンデンサ108の放電時より低
い高電圧が端子121を通して高圧配電線13に対し送出さ
れる。
上記高圧配電線への送信は、スタートスイッチS2−1,
S2−2をオンにしてから連続して行なわれ、例えばタイ
マ回路151の設定時間を30秒間とすれば同時間の経過後
にタイマ回路151が停止して断続スイッチ回路104への制
御信号が途絶え、送信機の1回目の送信が終わる。な
お、信号の送信は通常2〜3回程度行う。
次に高圧配電線の地絡事故が抵抗状の地絡事故であっ
てその地絡抵抗が0Ωあるいはそれに近い場合には、送
信機は短時間送信した後、非常停止となる。すなわち高
圧配電線路には大きな電流が流れ、それに伴って送信機
の断続スイッチ回路104のトランジスタT1,T2、保護抵抗
r4,r5にも過大な電流が流れ、これらを破壊する恐れが
でてくる。しかしこの場合、信号電流検出回路110の作
動によって探査信号電流の送出が停止され、そのような
事故が防止される。即ち、出力トランス101の出力端に
設けたCT161が高圧配電線(送信機の出力端)に流れる
電流を検出してそれに対応する信号を出力する。その出
力信号は整流回路162で整流され、抵抗r6を介してコン
デンサC10に充電される。その充電電圧は電圧検出回路1
64によって検出され、充電電圧が予め定められたレベル
を越えると検出回路164は出力を生じ、その出力によっ
てリレーR2が動作する。その結果、接点R2bが開放する
ため、タイマ回路151が電源107から切り離されて制御信
号が消滅する。これによりスイッチング部137は動作を
停止し、ドライブ回路やスイッチング用のトランジスタ
には電流が流れなくなって探査信号電流の送出が停止す
る。即ちドライブ回路やスイッチング用のトランジスタ
等の回路構成部材の破損が防止される。なお上記の場合
において、整流回路162と電圧検出回路164との間に介在
する抵抗r6とコンデンサC10とからなる積分回路163は、
第3図に示すように高圧配電線の地絡抵抗が小さければ
小さいほどコンデンサC10が早く充電されて、リレーR2
の動作が速くなり、電流の流れを迅速に停止し、部品の
破壊を防止することができる。
尚上記リレーR2によって開放される接点は、第1図に
おいて符号170〜175で示される何れの箇所に介設させて
も、前記説明と同様に探査信号電流の送出を停止させる
ことができる。
上記のようにして高圧配電線路77に高圧の探査信号電
流が送信機81より送出されると、送信機81の側から見て
故障点P1より位置的に前の箇所H7,H8にある表示器A
は、地絡故障点P1に向かって流れ込む探査信号電流によ
って駆動されて表示状態となり、また故障点よりも後の
箇所H9に取り付けた表示器Aは表示状態とならない。つ
まり、地絡故障点は表示した箇所H8の表示器Aと表示し
ない箇所H9の表示器Aとの間に存在することが具体的に
判明する。
次に地絡故障点の探査が終了し、故障品の取り替えを
行ったならば接続を変更する。つまり、送信機81におい
ては、端子121と高圧配電線13との接続を外し、代わり
に復帰用の出力端子132における一方の端子(例えば13
3)を配電線13の三線の内の一線に接続し、他方の端子
(例えば134)を残り二線の内の一線に接続する。また
故障点P1においては三相を一括に接続する。このように
接続を行なった上で以下の操作を行なう。
先ず切替スイッチS1−1〜S1−7を復帰作業側(b
側)に切替える。次に電源スイッチS3がオンであること
を確認し、オンで無い場合にはオンにする。上記のよう
な切替により、断続スイッチ回路104においては発振部1
36における発振回路139からの復帰用の周波数50サイク
ルの信号がスイッチング部137に供給される状態とな
る。また制御回路106から断続スイッチ回路104のスイッ
チング部137へは復帰作業のタイマ回路152から制御信号
が送られる状態となる。更にまた断続スイッチ回路104
は切替スイッチS1−4,S1−5を介して復帰信号電流出力
用の出力トランス102に接続された状態となる。
この状態においてスタートスイッチS2−1,S2−2がオ
ンされるとタイマ回路152が作動し、それからの制御信
号がスイッチング部137における両アンド回路146,147に
与えられる。するとそれらのアンド回路146,147は発振
回路139からの入力信号に対応して出力「1」を交互に
出力する。その結果ドライブ回路144,145が交互に出力
を生じ、トランジスタT1,T2は交互に導通状態となる。
上記トランジスタT2が導通すると、電池Eのプラス端
子→電源スイッチS3→出力トランス102の中間端子126→
巻終端子127→スイッチS1−5→トランジスタT2→アー
ス回路→電池Eのマイナス端子の回路が構成され、一
方、トラジスタT1が導通すると、電池Eのプラス端子→
電源スイッチS3→出力トランス102の中間端子126→巻始
端子125→スイッチS1−4→トランジスタT1→アース回
路→電池Eのマイナス端子の回路が構成され、これらは
50サイクルの周期でもって繰り返される。
上記のような動作の結果、出力トランス102の2次側
の出力端128には50サイクルの復帰用の信号、例えば低
圧(60V程度)が出力され、それが出力端子132から高圧
配電線に出力される。それによって高圧配電線には数A
(線路亘長が10Kmで4A以上)の復帰用信号電流が流れ
る。その結果、高圧配電線13に付設されている表示器A
は正常状態(非表示状態)に復帰する。
上記高圧配電線への復帰用信号電流の送出がタイマ回
路152に設定された時間(本例では約10秒)だけ継続し
て、該タイマ回路152からの制御信号の出力が停止する
と、断続スイッチ回路104のアンド回路146,147の出力は
連続点に「0」となり、上記の如き復帰用信号電流の送
出が終了する。
尚上記のような復帰作業の場合において表示器が復帰
しない場合は、送信機81においてその出力端子133また
は134を配電線から外し、それを残りの一線に接続し直
し、再度送信機81より配電線に信号を送出して表示を復
帰させる。
上記のようにして復帰作業が終了したならば、電源ス
イッチS3を開放し、出力端子132と高圧配電線との接続
を外すことによって全作業を終了する。
次に上記地絡故障探査用の表示器について説明する。
先ずその構造を示す第7図乃至第12図において、1は基
体を示す。これにおいて、2は基板、3は基板2を覆う
覆体で、EPゴム、エポキシ樹脂等の絶縁体で形成され
る。4は基体1に備えさせた取付部を示す。これにおい
て、5は基板2に固定した取付ボルト、6はカラー、7
は取付金具、8は平ワシャ、9はスプリングワシャ、10
はナットを夫々示す。又11は取付金具7に固定した押え
体で、EPゴム等の絶縁体で形成されている。この押え体
は第7図に示すように架空配電線13の受入が可能な凹部
12を有している。14は凹部12の底面と架空配電線13との
間に介在させるようにした押え片で、配電線13の外径に
対応する形状の凹部15を有する。この押え片14は種々の
架空配電線13の直径に応じた凹部15を有するものが種々
準備される。16は覆体3に備えさせた配電線存置用の凹
部を示す。次に18はケースを構成する筒体で、覆体3に
対する筒状の嵌合部19及び鍔20を有し、止付ねじ21で覆
体3に固定してある。22は蓋で、筒体18に螺着してあ
る。この蓋22の底面及び周側面は、第9〜12図に示され
るように内部の透視が可能な透明部23と、不能な不透明
部(黒色)24から成る。
次に29は基体1内に備えさせた作動機構、44はその作
動機構によって作動される表示機構を示す。作動機構29
は後から詳しく述べる電流検出機構、表示用蓄勢コンデ
ンサ、復帰用蓄勢コンデンサ、夫々常開の第1乃至第3
のスイッチ、判別手段、スイッチ制御手段等を含む。30
は電流検出機構における電流検出器を示す。これにおい
て、31は分割型鉄心で、覆体3に埋込んだ鉄心要素32と
押え体11に埋込んだ鉄心要素33とから成る。34は鉄心要
素32に装着した巻枠で、巻線35,36が備えてある。37は
覆体3において鉄心要素32の端面が露出する部分の周囲
に周設した凹部、38は押え体11において鉄心要素33の端
面が露出する部分の周囲に周設した凸部で、両者は相互
に水密的に嵌合する。次に40は支持片で、ボルトをもっ
て構成され、その上端は基板2に固定してある。41は回
路基板で、一例としてプリント配線板が用られ、支持片
40の下端に固定してある。
次に表示機構44は上記基板41に取付けてある。この表
示機構44において、45は取付基板で、取付部材46でもっ
て回路基板41に取付けてある。この取付基板45は上記回
路基板41上の回路と後述のコイル54とを接続する為の回
路導体を備える。47は回転子ケースで、一体に取付けた
取付ねじ48及びナット49で基板45に取付けてある。該ケ
ース47は、2要素を上下に密着嵌合させて構成してあ
る。50はケース47に回動自在に装着した回転軸、51は回
転軸50に固着した回転子で、周囲に磁極を有するフェラ
イト磁石で構成してある。52は回転軸50に固着した表示
体で、底面形状を蝶ネクタイ状に形成され、かつ白色部
52aと赤色部52bとの2色に色分けしてある。それらはい
ずれも夜間反射塗料が塗布されている。53は基板45に取
付けたストッパで、表示体52を正常位置(第9、10図)
及び故障表示位置(第11、12図)で停止させる為のもの
である。54は表示体作動用のコイル(マグサインコイル
が用いてある)で、基板45に機械的に取付け並びに電気
的に接続してある。該コイル54は軸心にステータピン55
を有し、該ピン55は上記回転子51の周面の一部に上記ケ
ース47を介して対向させてある。このような構成の表示
機構44においては、コイル54に表示用の通電方向へ向け
て電流が流されるとステータピン55の極性が、例えばそ
れまでN、SであったものがS、Nと逆になり、それに
よって回転子51が反発ないしは吸引して回転子51が回転
され、表示体52は第9、10図の正常位置から第11、12図
の故障表示位置に向けて回動し、表示状態となる。一
方、表示状態においてコイル54に上記方向とは反対の復
帰用の通電方向へ向けて電流が流されると、ステータピ
ン55の極性が元に戻り、回転子51が復帰回動し、上記故
障表示位置にある表示体52が正常位置に戻る。
次に上記表示器の回路構成について説明する。この表
示器は第13図にブロックで示されるように、上記配電線
に流れる電流を検出しその大きさに対応した大きさの直
流出力を生ずるようにした電流検出機構56と、上記電流
検出機構56の直流出力を蓄えるようにした表示用蓄勢コ
ンデンサC2及び開放用蓄勢コンデンサC7と、夫々常開の
第1乃至第3のスイッチ59〜61と、上記電流検出機構56
が架空配電線の短絡時の大電流及び地絡時の小電流を検
出したときには上記第2のスイッチ60に閉成指令を与
え、架空配電線の正常負荷時の中電流を検出したときに
は第3のスイッチ61に閉成指令を与えるようにした判別
手段62と、上記表示用蓄勢コンデンサC2の充電電圧が前
記表示機構44のコイル54の作動電圧以上となったときに
上記第1のスイッチ59に閉成指令を与えるようにしたス
イッチ制御手段63と、該スイッチ制御手段63の信号電流
検出回路63aとを有している。上記第1と第2のスイッ
チ59,60の直列回路の一端は上記表示用蓄勢コンデンサC
2に接続してあると共に、他端は上記コイル54に対し上
記表示用の通電方向へ向けて通電し得るよう接続してあ
り、一方上記第3のスイッチ61の一端は上記開放用蓄勢
コンデンサC7を介して上記電流検出機構56に接続してあ
ると共に、他端は上記コイル54に対し上記復帰用の通電
方向へ向けて通電し得るよう接続してある。上記電流検
出機構56は前記電流検出器30と、それにおける各巻線3
5,36に夫々接続した半波及び全波の整流回路64,65と、
上記巻線35に付設した共振回路66とから成る。上記電流
検出器30における一方の巻線35は例えば6000ターンで、
それには並列にコンデンサC1が接続されて共振回路66を
形成している。この共振回路66は送信器から配電線を介
して到来する180サイクルの探査用の信号を効率良く検
出して出力し、商用周波の信号の出力は小さくする為の
ものである。他方の巻線36は例えば1500ターンである。
上記判別機構62は地絡電流検出回路67と、正常負荷電流
検出回路68と、短絡電流検出回路69と、抑止回路70から
成る。上記各回路及び各スイッチの構成は第14図に示さ
れる通りであるが、その詳細については後にその作用と
共に説明する。
次に架空配電線13に対する上記表示器Aの取付は、先
ず第15図の如くナット10を緩めて取付金具7を取付ボル
ト5から取り外す。次に配電線13に覆体3の凹部16を添
わせ、押え体11が配電線に被さるようにして取付金具7
を取付ボルト5に装着し、平ワッシャ8、スプリングワ
ッシャ9を介してナット10で締付ける。これにより第6
図の如き取付状態となる。尚この取付状態においては、
必要に応じてカバー74を各表示器Aに被せ付けても良
い。上記の如き地絡電流が流れた場合の表示器Aの動作
を、その回路構成を示す第14図に基づいて説明する。尚
配電線13に流れる電流及び第14図(イ)〜(ホ)各点の
波形は第16図に示す通りである。地絡電流が配電線13に
流れるとその電流は電流検出器30における巻線35によっ
て検出される。この場合、コンデンサC1による共振の
為、巻線35に得られる出力信号は充分大きい。その出力
信号はダイオードD1で整流され、表示用蓄勢コンデンサ
C2に蓄積される。
また上記出力信号は地絡電流検出回路67に入力され
る。該回路67において上記信号コンデンサC5と抵抗R1か
ら成る微分回路57を通り、ダイオードD4を経て電圧検知
素子71に与えられる。電圧検知素子71は、添字aを付し
て示す入力端71aに検知レベルV1以上の入力信号がある
場合に、その信号を添字bを付して示す出力端71bから
出力信号として送出し、その入力信号が無い場合には、
上記出力端に出力信号を生じない特性を有する素子であ
る。このような素子としては例えば市販のC−MOS・850
2ALBがある。以降に述べる他の電圧検知素子についても
同様である。電圧検知素子71の出力信号はパルストラン
スT1に入力され、さらに同トランスT1からSCR92のゲー
トに送出されて同SCR92が導通する。
上記表示用蓄勢コンデンサC2が充分に充電されて表示
機構のマグサインコイル54の動作電圧に達すると、つま
り、電圧検知素子72の検知レベルV2以上になると、電圧
検知素子72はそれを検知し、その出力端72bより信号を
送出してSCR91を導通させる。SCR91が導通すると既にSC
R92が導通状態にあるため、表示用コンデンサC2→SCR91
→SCR92→マグサインコイル54→コンデンサC2の経路に
よって上記コンデンサC2に充電された電荷が放電され
る。この放電により上記コイル54には矢印X方向に励磁
電流が流れる。その結果、表示体52が前述の如く正常位
置から故障表示位置へ向けて移動し、表示器Aは表示状
態となる。尚第14図において信号電流検出回路63aは電
圧検知素子72の保護用のツェナーダイオード(8V)D3
と、電圧検知素子72の検知レベルV2をマグサインコイル
54の動作電圧に合わせるためのツェナーダイオード(6.
2V)D2と、コンデンサC4とから成る。
次に前記復帰作業の場合、上記表示器の表示状態は次
のようにして復帰する。
配電線路(線路)13に所定値例えば4A以上の復帰用信
号電流が流れると、その電流は電流検出器30の巻線36で
検出される。検出された信号はその出力端に接続する全
波整流回路65のブリッジ接続のダイオードD7で整流さ
れ、抵抗R3を介して復帰用蓄勢コンデンサC7に充電され
る。尚上記抵抗R3は後述のリレーRyの動作電圧を確保す
る為の抵抗である。上記のように復帰用コンデンサC7が
電流検出器30からの信号によって充電されて点(ホ)の
電位が上昇し、それが電圧検知素子73の検知レベルV3以
上になると、同素子73の出力端73bよりパルストランスT
2に信号が送られ、さらに同トランスT2よりSCR93のゲー
トにゲート信号が送られてSCR93が導通する。SCR93が導
通すると、復帰用コンデンサC7→マグサインコイル54→
リレー接点Ryb→SCR93→復帰用コンデンサC7の閉路が形
成されて、同コンデンサC7の電荷が放電される。この放
電により、表示機構のコイル54には矢印Yの如く地絡表
示の時とは逆方向に電流が流れる。その結果、表示機構
においてはステータピン55の極性が変わり、表示体52は
逆回転駆動されて正常位置に復帰する。尚上記復帰作業
は、配電線13に商用周波の正常な負荷電流(4A以上)を
流すことによっても上記と同様に行うことができる。
尚D9は電圧検知素子73の入力端73aの電圧を一定値に
制限するためのツェナーダイオード(8V)、D8は点
(ホ)の電圧を一定値にするためツェナーダイオード
(13V)、C8はツェナーダイオードD9に対し並列接続し
たコンデンサである。
上記の復帰動作及びそれに引き続く負荷電流の通電の
場合、抑止回路70の信号を地絡探査信号検出回路67にフ
ィードバックして同回路67の電圧検知素子71が検知動作
を行うのを阻止するようにしている。つまり、線路に負
荷電流が流れている場合において点aの電位を基準の0
電位とすると、点cは−となる。従ってダイオードD7の
一方の端子D7′→点a→ダイオードD5→点(ロ)→ツェ
ナーダイオードD6→抵抗R2→点c→ダイオードD7の他方
の端子D7″の回路でもって電流が流る。この為巻線35が
負荷電流を検出して点bがプラスになっても、点(ロ)
における電位は0となるため電圧検知素子71は不動作と
なる。したがって表示用コンデンサC2が充電されてSCR9
1が導通した状態であっても、上記のごとく電圧検知素
子71は抑止回路70よりの信号によってその検知動作が強
制的に抑止されてSCR92が不導通の状態に維持され、マ
グサインコイル54には電流が流れず、表示機構が表示状
態となることはない。
また復帰後において負荷電流が微弱(例えば1A程度)
な場合には、巻線36の出力が小さい為、上記の如き抑止
の動作はなされず、点(イ)、(ロ)には第16図の負荷
電流時の欄において夫々破線で示されるような信号が現
われる。しかしそのレベルは小さい為、電圧検知素子71
はそれを検知しない。従って誤表示はなされない。
次に上記表示器Aにおいては、第4図の点P2において
短絡故障が発生し、架空配電線に大電流が流れると、変
電所75から点P2までの区間の全ての表示器Aが後述のよ
うにして表示状態となると共に、変電所の遮断器CBが作
動して上記短絡故障に係わる配電線路が停電状態とな
る。そこで作業員は上記停電状態となっている配電線路
に沿って多数の表示器Aの表示状態を順次見ていけば、
H4の箇所までは表示状態であり、H5の箇所では正常状態
であることを見つけることができ、それらの間で短絡が
生じたことを知ることができる。
上記のように配電線13に大電流(例えば800A以上の電
流)が流れた場合の表示器Aの動作は次の通りである。
線路に800A以上の短絡電流が流れると、それは電流検出
器30によって検出され、その巻線36からの出力はダイオ
ードD7,D10を介してリレーRyに与えられてそれが動作
し、接点Ryaが閉じ同時に接点Rybが開く。また電流検出
器30の巻線35からの出力はダイオードD1を介して表示用
コンデンサC2に充電される。そして表示用コンデンサC2
が所定電圧まで充電されると、その電圧は電圧検知素子
72により検知され、その検知信号によってSCR91が導通
する。SCR91が導通すると、表示用コンデンサC2→SCR91
→リレー接点Rya→マグサインコイル54→表示用コンデ
ンサC2の閉路が形成され、同コンデンサC2の電荷が放電
されて表示機構のコイル54に前記地絡故障の場合と同方
向に電流が流れる。その結果表示体52は正常位置から故
障表示位置に向けて移動し、表示状態となる。尚ツェナ
ーダイオードD10はダイオードD7の出力電圧が前記800A
の短絡電流に対応する出力電圧に達すると導通する電圧
値のものが用いてある。またダイオードD11は逆起電力
還流用のダイオードである。
上記の場合、地絡探査信号検出回路67における微分回
路57は、線路に流れる信号(電流)が50サイクルないし
は60サイクルの商用周波でしかも短絡電流のような過大
電流の場合に点(イ)における電位上昇を制限する。つ
まり、上記の信号が商用周波の場合には仮に流れる信号
が過大であっても、共振回路において設定した共振周波
数と相違するため充分な検出信号(出力)が得られず、
而も上記の微分回路でもって点(イ)における電位上昇
が制限されるため、上記第1の電圧検知素子71の検知レ
ベルV1には達せず、同素子は動作しない。次に上記のよ
うに発見された短絡故障点の復旧作業が済めば配電線路
に再び正常の負荷電流を流す。するとこの場合も前記説
明の場合と同様にして表示器における表示状態の復帰が
なされる。
(発明の効果) 以上のように本発明にあっては、地絡故障点の探査の
為に探査信号電流を高圧配電線13に流す場合、地絡故障
がキレツ碍子等のギャップ状の故障であっても、探査信
号電流の流し始めのときに放電誘発用の高電圧でもって
故障点P1に放電を誘発させることができ、その故障点P1
に比較的低電圧の探査信号電流を流す準備をさせられる
特長がある。
しかも上記のような準備をさせることができるから、
それに引き続いては、上記故障点P1に至る高圧配電線に
比較的低電圧の探査信号電流を、高圧配電線に付設した
表示器Aを直接に駆動できるよう連続的に流せる特長が
ある。このことは、上記表示器自信における駆動用電源
の不要化を可能にできることであって、表示器の軽量化
や簡素化を可能にできる効果がある。
その上本願発明は上記のように探査信号電流を高圧配
電線に送る場合、その初期のみ高電圧であって、それに
引き続き連続的に送るときには比較的低電圧で送るか
ら、従来の如き、高圧配電線のケーブル等の絶縁物の絶
縁劣化を未然に防止できる効果もある。
更に本発明にあって信号電流検出回路110を備える場
合には、上記のように探査信号電流を高圧配電線13に流
した場合において、上記地絡故障が抵抗値の極めて小さ
い抵抗地絡であって過大な探査信号電流が流れかけた場
合、即座に上記探査信号電流の送出を止めることのでき
る特長がある。このことは上記過大な探査信号電流に対
応する大電流が前記断続スイッチ回路104に流れること
を防止できることであって、その回路の破損を未然に防
止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
図面は本願の実施例を示すもので、第1図は地絡故障点
探査用送信機の回路図、第2−1図及び第2−2図は送
信機の動作説明用波形図、第3図は信号電流検出回路の
動作説明用グラフ、第4図は配電線路の系統図、第5図
は配電線に対する地絡故障点探査用送信機の接続状態を
示す図、第6図は架空配電線に対する表示器の取付状態
を示す図、第7図は地絡短絡故障探査用表示器の縦断面
図、第8図は表示機構の縦断面図、第9図は表示体が正
常位置にある状態を示す表示器の底面図、第10図は同状
態を示す表示器の下部の側面図、第11図は表示体が故障
表示位置にある状態を示す表示器の底面図、第12図は同
状態を示す表示器の下部の側面図、第13図は表示器のブ
ロック回路図、第14図は表示器の回路図、第15図は配電
線に対する表示器の取付け手順を説明する為の図、第16
図は表示器の動作説明用波形図。 13……高圧配電線、101……出力トランス、104……断続
スイッチ回路、107……直流電源、108……初期増電圧用
のコンデンサ、D……バイパス用のダイオード、110…
…信号電流検出回路。
フロントページの続き (72)発明者 及川 昌洋 宮城県仙台市一番町3丁目7番1号 東 北電力株式会社内 (72)発明者 中田 良作 愛知県大府市長草町深廻間35 日本高圧 電気株式会社技術研究所内 (72)発明者 大田 正行 愛知県大府市長草町深廻間35 日本高圧 電気株式会社技術研究所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の地絡故障点探査用表示器が相互に間
    隔を隔てて付設されている高圧配電線に対し探査信号電
    流を送るようにした地絡故障点探査用送信機であって、
    上記地絡故障点探査用送信機は、自体の入力端に与えら
    れる断続状態の電圧を昇圧して自体の出力端に断続状態
    の高電圧を出力するようにした出力トランスを有すると
    共に、その出力トランスの出力端には、該出力トランス
    の出力を探査信号電流として上記高圧配電線に送出する
    為の出力端子が接続してあり、一方直流電源を有し、上
    記出力トランスの入力端と上記直流電源との間には、探
    査信号用の周波数で開閉を繰り返すようにした断続スイ
    ッチ回路と、初期増電圧用のコンデンサとを、上記直流
    電源及び初期増電圧用のコンデンサからの直流が上記断
    続スイッチ回路により断続された状態で上記出力トラン
    スの入力端に加わるよう、直列に接続すると共に、上記
    初期増電圧用のコンデンサには、該コンデンサの放電終
    了時に上記直流電源からの直流を迂回させて上記出力ト
    ランスの入力端へ向けて通過させる為のバイパス用ダイ
    オードを並列に接続し、しかも上記出力トランスの昇圧
    比は、その入力端に上記直流電源からの直流と初期増電
    圧用のコンデンサからの直流とが加算されて加わった場
    合には出力端には地絡故障点にギャップ放電を誘発させ
    るに充分な放電誘発用の高電圧が出力され、入力端に上
    記直流電源からの直流が単独で加わった場合には出力端
    には上記高圧配電線の線路電圧よりも低い放電維持用の
    高電圧が出力される比に定めたことを特徴とする地絡故
    障点探査用送信機。
  2. 【請求項2】複数の地絡故障点探査用表示器が相互に間
    隔を隔てて付設されている高圧配電線に対し探査信号電
    流を送るようにした地絡故障点探査用送信機であって、
    上記地絡故障点探査用送信機は、自体の入力端に与えら
    れる断続状態の電圧を昇圧して自体の出力端に断続状態
    の高電圧を出力するようにした出力トランスを有すると
    共に、その出力トランスの出力端には、該出力トランス
    の出力を探査信号電流として上記高圧配電線に送出する
    為の出力端子が接続してあり、一方直流電源を有し、上
    記出力トランスの入力端と上記直流電源との間には、探
    査信号用の周波数で開閉を繰り返すようにした断続スイ
    ッチ回路と、初期増電圧用のコンデンサとを、上記直流
    電源及び初期増電圧用のコンデンサからの直流が上記断
    続スイッチ回路により断続された状態で上記出力トラン
    スの入力端に加わるよう、直列に接続すると共に、上記
    初期増電圧用のコンデンサには、該コンデンサの放電終
    了時に上記直流電源からの直流を迂回させて上記出力ト
    ランスの入力端へ向けて通過させる為のバイパス用ダイ
    オードを並列に接続し、しかも上記出力トランスの昇圧
    比は、その入力端に上記直流電源からの直流と初期増電
    圧用のコンデンサからの直流とが加算されて加わった場
    合には出力端には地絡故障点にギャップ放電を誘発させ
    るに充分な放電誘発用の高電圧が出力され、入力端に上
    記直流電源からの直流が単独で加わった場合には出力端
    には上記高圧配電線の線路電圧よりも低い放電維持用の
    高電圧が出力される比に定め、さらに上記出力トランス
    の出力端には、そこから上記出力端子に流れる探査信号
    電流の大きさを検出するようにした信号電流検出回路を
    付設して、所定値以上の探査信号電流が流れた場合には
    探査信号電流の送出を停止させるようにしたことを特徴
    とする地絡故障点探査用送信機。
JP62297105A 1987-11-25 1987-11-25 地絡故障点探査用送信機 Expired - Lifetime JP2594072B2 (ja)

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JP62297105A JP2594072B2 (ja) 1987-11-25 1987-11-25 地絡故障点探査用送信機

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