JP2593504B2 - パワープラント制御装置 - Google Patents

パワープラント制御装置

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JP2593504B2
JP2593504B2 JP63031160A JP3116088A JP2593504B2 JP 2593504 B2 JP2593504 B2 JP 2593504B2 JP 63031160 A JP63031160 A JP 63031160A JP 3116088 A JP3116088 A JP 3116088A JP 2593504 B2 JP2593504 B2 JP 2593504B2
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vehicle
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本願発明は自動車用パワープラントの制御装置に関す
るものである。
(従来技術) 自動車の運転に際しドライバーが要求する自動車の挙
動特性は、市街地走行時と非市街地走行時とでは全く異
なる。即ち、中速でしかも加・減速操作が頻繁に繰り返
されることの多い市街地走行時においては、ドライバー
の加・減速要求に対して比較的高度の応答性(加・減速
性)が要求されるが、高速でしかも加・減速操作が行な
われる頻度の少ない非市街地走行時においては市街地走
行時ほど加・減速操作に対する加・減速性能は要求され
ずむしろ車両をほぼ一定の車速で走行させる等の運転性
という点からは加・減速性能が低い方が望ましい。即
ち、市街地走行には非市街地走行よりもより高い加・減
速性が要求されるものである。
しかるに、このような自動車の走行状態と加・減速操
作時における応答性(即ち加・減速性能)との相互関連
性に立脚した技術は従来提案されておらず、僅かに、例
えば特開昭59−197650号公報に開示される如く自動変速
機の変速点を定常走行時と渋滞走行時とで別々に設定す
ることにより渋滞走行時における燃費性能の向上を図っ
たものがある程度である。
(発明の目的) 本発明はこのような従来の技術背景に鑑み、市街地走
行時における加・減速性の向上と非市街地走行時におけ
る運転性の維持とを両立させ得るようにしたパワープラ
ントの制御装置を提供することを目的とするものであ
る。
(目的を解決するための手段) 本願発明では上記の目的を達成するための手段として
次のような構成を採用している。
本願の請求項1に記載の発明では、第1図に示すよう
に、パワープラントを備えた自動車において、ドライバ
ーから出されるパワープラントの出力要求量を検出する
出力要求量検出手段51と、該出力要求量検出手段51の検
出結果に応じて所定の制御特性に基きパワープラントの
出力制御を行なう出力制御手段52と、自動車の走行状態
が市街地走行状態か否かを判別する走行状態判別手段54
と、該走行状態判別手段54により市街地走行状態と判別
された時、上記出力制御手段52における制御特性を非市
街地走行状態よりも出力要求量の変化に対するパワープ
ラントの出力変化割合が高くなるように変更する制御特
性変更手段53とを備えたことを特徴としている。
また、本願の請求項2に記載の発明では、請求項1に
記載の発明にかかるパワーブラント制御装置において、
上記出力要求量検出手段をアクセルペダルの操作量を検
出するアクセルペダル操作量検出手段とし、上記出力制
御手段をアクセルペダルの操作量に応じてスロットル開
度を制御するスロットル開度制御手段とするとともに、
上記走行状態判別手段により市街地走行状態と判別され
た時、上記スロットル開度制御手段における制御特性
を、非市街地走行状態よりもアクセルペダル操作量の変
化に対するスロットル開度の変化割合が大きくなるよう
に変更する制御特性変更手段を備えたことを特徴として
いる。
本願の請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の
発明にかかるパワープラント制御装置において、上記出
力要求量検出手段をブレーキペダルの操作量を検出する
ブレーキペダル操作量検出手段とし、上記出力制御手段
をブレーキペダルの操作量に応じて制動力を制御する制
動力制御手段とするとともに、上記走行状態判別手段に
より市街地走行状態と判別された時、上記制動力制御手
段における制御特性を、非市街地走行状態よりもブレー
キペダル操作量の変化に対する制動力の変化割合が大き
くなるように変更する制御特性変更手段を備えたことを
特徴としている。
請求項4に記載の発明では、請求項1にかかるパワー
プラント制御装置において、上記出力要求量検出手段を
エンジン負荷に関する値を検出するエンジン負荷検出手
段とし、上記出力制御手段を予め車速に関する値とエン
ジン負荷に関する値とに応じて設定されている変速特性
と、該両値の検出値とに基づき変速機のギヤ比を変更す
るギヤ比変更手段とし、該ギヤ比変更手段が、上記変速
特性として車速が第一の所定値以上になったとシフトア
ップを行う第一の変速特性と、車速が上記第一の所定値
よりも大きな第二の所定値以上になったとき上記シフト
アップを行う第二の変速特性とを備えているとともに、
上記走行状態判別手段が市街地走行状態であることを判
別している時には上記第二の変速特性を用いてギヤ比を
変更する一方、非判別時には上記第一の変速特性を用い
てギヤ比を変更するように上記ギヤ比変更手段で用いら
れる変速特性を変更する制御特性変更手段を備えたこと
を特徴としている。
請求項5に記載の発明では、車速が所定値以上になっ
たときシフトアップを行うように自動変速機を制御する
パワープラント制御装置において、自動車の走行状態が
市街地走行状態か否かを判別する走行状態判別手段を備
え、該走行状態判別手段により市街地走行状態であるこ
とが判別された時の上記所定値が比判別時の所定値に比
べて大きくなるように設定されていることを特徴として
いる。
(発明の作用・効果) 本願発明では上記の手段によりそれぞれ次のような作
用・効果が奏せられる。
本願の請求項1に記載の発明にかかるパワープラン
ト制御装置によれば、市街地走行状態と判別された時に
はドライバーから出される出力要求量の変化に対するパ
ワープラントの出力変化割合が、非市街地走行状態より
も高くなるように変更されるので、例え出力要求量が同
じであったとしても、市街地走行時においては、非市街
地走行時よりもパワープラントの出力が大きく変化する
ことになり、この結果、市街地走行時には非市街地走行
時に比べてドライバーの加・減速要求に対する応答性
(加・減速性)が高くなり、これにより、市街地走行時
における加・減速性の向上と非市街地走行時における運
転性の維持との両立が可能ならしめられるものである。
本願の請求項2に記載の発明にかかるパワープラン
ト制御装置によれば、市街地走行状態と判別された時に
は、非市街地走行状態よりもアクセルペダル操作量の変
化に対するスロットル開度の変化割合が大きくなるよう
に制御特性が変更されるので、例えアクセルペダル操作
量が同じであったとしても、市街地走行時には非市街地
走行時よりもスロットル開度が大きく設定される。従っ
て、市街地走行時には、非市街地走行時に比べてドライ
バーの加速要求に対する応答性(加速性)が高くなり、
この結果、市街地走行時における加速性の向上と非市街
地走行時における運転性の維持との両立が可能ならしめ
られるものである。
本願の請求項3に記載の発明にかかるパワープラン
ト制御装置によれば、市街地走行状態と判別された時、
制動力制御手段における制御特性が、市街地走行状態よ
りもブレーキペダル操作量の変化に対する制動力の変化
割合が大きくなるように変更されるので、例えブレーキ
ペダル操作量が同じであったとしても、市街地走行時に
は非市街地走行時よりも制動力が大きく設定される。従
って、市街地走行時には、非市街地走行時に比べてドラ
イバーの減速要求に対する応答性(減速性)が高くな
り、これにより、市街地走行時における加速性の向上と
非市街地走行時における運転性の維持との両立が可能な
らしめられるものである。
請求項4に記載の発明にかかるパワープラント制御
装置によれば、車速が第一の所定値以上になったとシフ
トアップを行う第一の変速特性と、車速が上記第一の所
定値よりも大きな第二の所定値以上になったとき上記シ
フトアップを行う第二の変速特性とを備え、市街地走行
状態と判別されている時には上記第二の変速特性を用い
てギヤ比が変更され、非判別時には上記第一の変速特性
を用いてギヤ比が変更されるので、市街地走行時におい
ては、非市街地走行時よりも高速側でシフトアップが行
われることから、非市街地走行時に比べてドライバーの
加速要求に対する応答性(加速性)が高くなり、この結
果、市街地走行時における加速性の向上と非市街地走行
時における運転性の維持との両立が可能となるものであ
る。
請求項5に記載の発明にかかるパワープラント制御
装置によれば、車速が所定値以上になったときシフトア
ップを行うように構成したものにおいて、自動車の走行
状態が市街地走行状態か否かを判別する走行状態判別手
段を備え、該走行状態判別手段により市街地走行状態で
あることが判別された時の上記所定値が非判別時の所定
値に比べて大きくなるように設定しているので、市街地
走行時においては、非市街地走行時よりも高速側でシフ
トアップが行われることから、非市街地走行時に比べて
ドライバーの加速要求に対する応答性(加速性)が高く
なり、これにより、市街地走行時における加速性の向上
と非市街地走行時における運転性の維持との両立が可能
ならしめられるものである。
(実施例) 以下、第2図ないし第15図を参照して本願発明の好適
な実施例を説明する。
第2図には本願発明の実施例に係るパワープラント制
御装置を備えた自動車用パワープラント1が示されてい
る。このパワープラント1は、エンジン2とその出力軸
に結合された自動変速機3とから構成されている。エン
ジン2は、その吸気通路2aにスロットルバルブ4を設け
ている。そして、このスロットルバルブ4はコントロー
ラ7からのスロットル制御信号A1を受けて作動するアク
チュエータ5により開閉されるようになっている。
また、自動変速機3は、3個の変速用ソレノイド6A,6
B,6Cを有している。そして、コントローラ7からの変速
信号A2を受けてこの各ソレノイド6A,6B,6CのON,OFFを適
宜に組合わせることにより複数の変速要素が選択的に締
結され、変速機構が複数の変速段に切換えられるように
なっている。
また、この自動車には、油圧コントロールユニット8
により制御されるブレーキ装置9が設けられている。こ
の油圧コントロールユニット8は、前後左右4輪にそれ
ぞれ設けられた4個の油圧式ブレーキ装置9の制動力を
個別に制御し得るようにしたものであり、第3図に示す
ように、オイルポンプ11からの圧油を4本の圧油供給路
12,12・・を介して各輪のブレーキ装置9に供給するよ
うになっている。そして、各圧油供給路12には、該圧油
供給路12を開閉するソレノイド式の第1切換弁13とマシ
ターシリンダ15と圧力センサ16が設けられている。ま
た、このマスターシリンダ15と第1切換弁13の間から分
岐してタンク18側に接続される戻油路17には、ソレノイ
ド式の第2切換弁14が設けられている。そして、この2
つの切換弁13,14のON,OFF制御を上記コントローラ7か
ら出力されるブレーキ制御信号A3に基いて行なうことに
よりブレーキ装置9のブレーキ圧(即ち、ブレーキ装置
9のブレーキ力)を調整するようになっている。
尚、コントローラ7には、後述する三つの制御、即
ち、「スロットル制御」と「変速制御」及び「ブレーキ
制御」のそれぞれを行なうために、アクセルペダルの踏
込量に対応したアクセル開度信号A4と、ブレーキペダル
の踏込量に対応したブレーキ踏込量信号A5と、車速に対
応した車速信号A6と、上記圧力センサ16から出力される
ブレーキ圧に対応したブレーキ圧信号A7がそれぞれ入力
される。
パワープラントの出力制御 次に、このコントローラ7によるパワープラント1の
出力制御を説明するが、それに先立って、このパワープ
ラント1の「出力制御」の定義をしておくと、ここでい
うパワープラント1の「出力制御」とは、パワープラン
ト1から自動車側に伝達される出力の制御という広義の
意味でのパワープラント1の出力制御であり、スロット
ル制御によるエンジン2の出力制御は言うに及ばず、ブ
レーキ制御による外的制動力制御及び自動変速機3の変
速制御によりエンジンブレーキを作動させるという内的
制動力制御をも含むものであり、これら各制御における
制御手段がそれぞれ特許請求の範囲中の「出力制御手
段」に該当するものである。そして、この実施例におい
てはこの「出力制御手段」として上記三つの制御手段を
全て備えているが、本願発明の構成においては上記三つ
の制御手段のうち少なくともいずれか一つを備えていれ
ばその目的を達成することができるものである。
以下、このコントローラ7によるパワープラント1の
出力制御の実際を第4図ないし第15図を参照して説明す
る。
A:出力制御の基本思想 先ず、この出力制御の基本思想であるが、この実施例
においては、市街地走行時にはドライバーの出力要求量
の変化、即ちアクセルペダルの踏込量の変化とかブレー
キペダルの踏込量の変化に対するパワープラント1の出
力変化割合を高めてその応答性を向上させもって自動車
の加・減速性能の向上を図る一方、非市街地走行時には
上記パワープラント1の出力変化割合を低めに設定して
自動車の加・減速性能よりも運転性の向上を図るように
している。具体的には、パワープラント1の出力変化割
合の変更を、「スロットル制御」と「ブレーキ制御」と
「変速制御」の三者により行なうようにしている。即
ち、第4図のフローチャートに示すように、制御開始
後、先ず現在の自動車の走行状態が市街地走行状態であ
るのかそれとも非市街地走行状態であるのかを判別する
走行状態判別制御を実行し(ステップS1)、その後、判
別された走行状態に応じて順次スロットル制御(ステッ
プS2)とブレーキ制御(ステップS3)と変速制御(ステ
ップS4)を行なうようにしている。以下、これら各制御
をそれぞれ個別に説明する。
B:走行状態判別制御 走行状態判別制御は、第5図に示すフローチャートに
従って行なわれる。先ず、現在の車速を入力(ステップ
P1)するとともに、一定時間内(例えばこの実施例では
2分間)における平均車速とその間における車速変動率
を算出する(ステップP2)。
次に、上記ステップで算出した平均車速に対応する市
街地走行時における車速変動率を、第9図に示す制御マ
ップから読み出す(ステップP3)。即ち、制御マップに
は、平均車速と車速変動率に対応して市街地走行判別ラ
インl1が設定されている。具体的には、平均車速が中速
域で且つ車速変動率が大きい領域(市街地走行判別ライ
ンl1より上方の領域)を市街地走行領域として設定して
いる。従って、例えば現在の平均車速が(Vo)である場
合には、市街地走行の判別基準となる車速変動率のマッ
プ値は(αo)となる。
次に、この制御マップより求めたマップ値と上記ステ
ップP2で求めた現在の車速変動率の計算値とを比較する
(ステップP4)。そして計算値がマップ値より大きい場
合(例えば、第9図において計算値が(α)である場
合)には、現在は市街地走行状態であると判断し、この
場合には市街地走行フラグをセットする(ステップ
P5)。一方、計算値がマップ値より小さい場合(例え
ば、第9図において計算値が(α)である場合)に
は、現在は非市街地走行状態であると判断し、この場合
には市街地走行フラグをリセットする(ステップP6)。
尚、ステップP4〜P6は、特許請求の範囲中の「走行状態
判別手段」を構成する。
以下のスロットル制御、ブレーキ制御及び変速制御に
おいては、この市街地走行フラグの「セット」、「リセ
ット」により市街地走行状態かそれとも非市街地走行状
態かを判断することになる。
C:スロットル制御 次に、スロットル制御であるが、このスロットル制御
においては、アクセル開度に対するスロットル開度の変
化特性として、第10図に示す市街地走行時用の特性図と
第11図に示す非市街地走行時用の特性図との両者をも
ち、この2つの特性図を走行状態に応じて選択使用する
ようにしている。
即ち、市街地走行時用特性図と非市街地走行時用特性
図とを比較した場合、市街地走行時用の特性図の方が非
市街地走行時用特性図よりもアクセル開度に対するスロ
ットル開度の値が大きくなるように設定されている。従
って、市街地走行時用の特性図に基いてスロットル制御
を行なった場合には、ドライバーのアクセル操作(加・
減速操作)に対するエンジン出力の応答性は、非市街地
走行時用の特性図に基いてスロットル制御を行なう場合
に比して良好となる。即ち、このスロットル制御は加速
時と減速時の双方においてそれぞれ有効に作用するもの
である。
このスロットル制御は次のように行なわれる。即ち、
第6図のフローチャートに示すように、先ずステップQ1
において現在の走行状態を上記市街地走行フラグから判
別する。そして、現在は市街地走行状態であると判別さ
れた場合には、第10図の市街地走行時用特性図に基いて
現在のアクセル開度に対応する目標スロットル開度を読
み出し、実際のスロットル開度をこの目標スロットル開
度になるように上記アクチュエータ5を操作する(ステ
ップQ2,Q3)。
これに対して、現在は非市街地走行状態であると判別
された場合には、第11図に示す非市街地走行時特性図か
ら現在のアクセル開度に対応する目標スロットル開度を
読み出し、これに基いてアクチュエータ5を操作する
(ステップQ4,Q3)。
尚、ステップQ2,Q3は特許請求の範囲中の「制御特性
変更手段」を構成し、またステップQ3は特許請求の範囲
中の「スロットル開度制御手段」を構成する。
D:ブレーキ制御 次に、ブレーキ制御を説明すると、この実施例におい
ては、ブレーキペダル踏込量に対するブレーキ圧の変化
特性として、第12図に示す市街地走行時間特性図と第13
図に示す非市街地走行時用特性図の双方をもち、この二
つの特性図を自動車の走行状態に応じて選択使用するよ
うにしている。
即ち、この市街地走行時用特性図と非市街地走行時用
特性図とを比較した場合、市街地走行時用特性図の方が
非市街地走行時用特性図よりもブレーキペダル踏込量に
対するブレーキ圧の値が大きくなるように設定されてい
る。従って、市街地走行時用特性図に基いてブレーキ制
御を行なった場合には、非市街地走行時用特性図に基い
てブレーキ制御を行なう場合に比してドライバーのブレ
ーキ操作(減速操作)に対する制動力が大きくなり、そ
れだけドライバーの減速操作に対する減速応答性が良好
に作用する。即ち、このブレーキ制御は減速時において
有効に作用するものである。
このブレーキ制御は次のようにして行なわれる。即
ち、第7図に示すように、ステップR1において現在の走
行状態を上記市街地走行フラグから判別する。そして、
現在の走行状態が市街地走行状態である場合には市街地
走行時用の特性図に基いて、また非市街地走行状態であ
る場合には非市街地走行時用の特性図いて、それぞれ現
在のブレーキペダル踏込量に対応する目標ブレーキ圧を
読み出し(ステップR2,R4)、この目標ブレーキ圧と実
際のブレーキ圧との差が「0」になるようにフィードバ
ック制御により上記切換弁13,14を操作するものである
(ステップR3)。
尚、ステップR2,R3は、特許請求の範囲中の「制御特
性変更手段」を構成する。
D:変速制御 最後に、変速制御であるが、この実施例においては、
自動変速機3の変速特性として、第14図に示す市街地走
行時用特性図(特許請求の範囲中の「第二の変速特性」
に該当する)と第15図に示す非市街地走行時用特性図
(特許請求の範囲中の「第一の変速特性」に該当する)
の二つの変速特性をもち、この二つ変速特性を走行状態
に応じて選択使用するようにしている。
即ち、非市街地走行時用の変速特性はこれを従来一般
に採用されているように各変速ライン(シフトアップラ
イン及びシフトダウンラインとも)を車速の上昇につれ
てスロットル開度が増大する構成としているが、市街地
走行時用の変速特性はこれを従来とは異なった構成とし
ている。具体的には、2−3シフトダウンラインと3−
4シフトダウンラインを低スロットル開度側において高
速段側に屈曲させている。このようにすると、例えば4
速走行状態でアクセルペダルの踏込みが解除されスロッ
トル開度が急速に低下する場合、非市街地走行時であれ
ば変速段は4速のまま保持されるが、市街地走行時にお
いては低スロットル開度域において4速から3速へシフ
トダウンされる。従って、市街地走行時には非市街地走
行時よりもエンジンブレーキのききが良くなり、それだ
けドライバーの減速操作に対する減速応答性が良好とな
る。即ち、この変速制御は、減速時において有効に作用
するものである。
また、市街地走行時用の変速特性は、非市街地走行用
の変速特性に比して、各変速点が高速側に設定されてお
り、比較的高い車速まで低ギヤ段で加速でき、加速応答
性も良好となる。
この変速制御は次のようにして行なわれる。即ち、ス
テップT1において現在の走行状態を上記市街地走行フラ
グから判別する。そして、現在の走行状態が市街地走行
状態である市街地走行時用の変速特性をセットし、また
非市街地走行状態である場合には非市街地走行時用の変
速特性をセットし(ステップT2,T4)、それぞれ走行状
態に応じた変速段を設定すべく上記変速用ソレノイド6
A,6B,6Cに制御信号を出力する(ステップT3)。
尚、ステップT2,T4は、特許請求の範囲中の「ギヤ比
変更手段」を構成する。
このようにして、スロットル制御とブレーキ制御と変
速制御とが行なわれることにより、市街地走行時にはよ
り加・減速性能の高い運転特性が得られ、また非市街地
走行時には比較的加・減速性能の低い扱い易い運転特性
が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願発明の機能ブロック図、第2図は本願発明
の実施例に係るパワープラント制御装置の全体システム
図、第3図はブレーキ装置のシステム図、第4図はパワ
ープラント制御装置の基本制御フローチャート図、第5
図は第4図のフローチャートに示した走行状態判別制御
のフローチャート図、第6図は第4図に示したスロット
ル制御のフローチャート図、第7図は第4図に示したブ
レーキ制御のフローチャート図、第8図は変速制御のフ
ローチャート図、第9図は市街地走行判別用特性図、第
10図及び第11図はスロットル制御用特性図、第12図及び
第13図はブレーキ制御用特性図、第14図及び第15図は変
速制御用特性図である。 1……パワープラント 2……エンジン 3……自動変速機 4……スロットルバルブ 5……アクチュエータ 6A〜6D……ソレノイド 7……コントローラ 8……油圧コントロールユニット 9……ブレーキ装置 13,14……切換弁 15……マスターシリンダ 16……圧力センサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 312 F02D 45/00 312M

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パワープラントを備えた自動車において、 ドライバーから出されるパワープラントの出力要求量を
    検出する出力要求量検出手段と、 該出力要求量検出手段の検出結果に応じて所定の制御特
    性に基きパワープラントの出力制御を行なう出力制御手
    段と、 自動車の走行状態が市街地走行状態か否かを判別する走
    行状態判別手段と、 該走行状態判別手段により市街地走行状態と判別された
    時、上記出力制御手段における制御特性を非市街地走行
    状態よりも出力要求量の変化に対するパワープラントの
    出力変化割合が高くなるように変更する制御特性変更手
    段と、 を備えたことを特徴とするパワープラント制御装置。
  2. 【請求項2】上記出力要求量検出手段が、アクセルペダ
    ルの操作量を検出するアクセルペダル操作量検出手段で
    あり、 上記出力制御手段が、アクセルペダルの操作量に応じて
    スロットル開度を制御するスロットル開度制御手段であ
    るとともに、 上記走行状態判別手段により市街地走行状態と判別され
    た時、上記スロットル開度制御手段における制御特性
    を、非市街地走行状態よりもアクセルペダル操作量の変
    化に対するスロットル開度の変化割合が大きくなるよう
    に変更する制御特性変更手段を備えたことを特徴とする
    請求項1に記載のパワープラント制御装置。
  3. 【請求項3】上記出力要求量検出手段が、ブレーキペダ
    ルの操作量を検出するブレーキペダル操作量検出手段で
    あり、 上記出力制御手段が、ブレーキペダルの操作量に応じて
    制動力を制御する制動力制御手段であるとともに、 上記走行状態判別手段により市街地走行状態と判別され
    た時、上記制動力制御手段における制御特性を、非市街
    地走行状態よりもブレーキペダル操作量の変化に対する
    制動力の変化割合が大きくなるように変更する制御特性
    変更手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のパ
    ワープラント制御装置。
  4. 【請求項4】上記出力要求量検出手段が、エンジン負荷
    に関する値を検出するエンジン負荷検出手段であり、 上記出力制御手段が、予め車速に関する値とエンジン負
    荷に関する値とに応じて設定される変速特性と、該両値
    の検出値とに基づく変速機のギヤ比を変更するギヤ比変
    更手段であり、 該ギヤ比変更手段が、上記変速特性として車速が第一の
    所定値以上になったとシフトアップを行う第一の変速特
    性と、車速が上記第一の所定値よりも大きな第二の所定
    値以上になったとき上記シフトアップを行う第二の変速
    特性とを備えているとともに、 上記走行状態判別手段が市街地走行状態であることを判
    別している時には上記第二の変速特性を用いてギヤ比を
    変更する一方、非判別時には上記第一の変速特性を用い
    てギヤ比を変更するように上記ギヤ比変更手段で用いら
    れる変速特性を変更する制御特性変更手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1に記載のパワープラント制御装
    置。
  5. 【請求項5】車速が所定値以上になったときシフトアッ
    プを行うように自動変速機を制御するパワープラント制
    御装置であって、 自動車の走行状態が市街地走行状態か否かを判別する走
    行状態判別手段を備え、 該走行状態判別手段により市街地走行状態であることが
    判別された時の上記所定値が比判別時の所定値に比べて
    大きくなるように設定されていることを特徴とするパワ
    ープラント制御装置。
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