JP2593384B2 - 連続鋳造法 - Google Patents
連続鋳造法Info
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Description
心部に見られる不純物元素、即ち鋼鋳片の場合には硫
黄、燐、マンガン等の偏析を防止し、均質な金属を得る
ことのできる連続鋳造法に関するものである。
ス運搬用鋼管、ならびに抗張力線材などの材質特性に対
する要求は厳しさを増しており、均質な鋼材を提供する
ことが重要課題になっている。元来鋼材は断面内におい
て均質であるべきであるが、鋼は一般に硫黄、燐、マン
ガン等の不純物元素を含有しており、これらが鋳造過程
において偏析し、部分的に濃化するため脆弱となる。特
に近年、生産性や歩留り向上および省エネルギー等の目
的のために連続鋳造法が一般的に普及しているが、連続
鋳造により得られる鋳片の厚み中心近傍には、通常顕著
な成分偏析が観察される。この成分偏析は最終成品の均
質性を著しく損ない、成品の使用過程や線材の線引き工
程等で鋼に作用する応力により亀裂が発生するなど重大
欠陥の原因となるため、その低減が切望されている。
固収縮力等により流動し、固液界面近傍の濃化溶鋼を洗
い出し、残溶鋼が累進的に濃化していくため発生すると
考えられ、従って、成分偏析を防止するには残溶鋼の流
動原因を取り除くことが肝要であると考えられてきた。
起因する流動のほか、ロール間の鋳片バルジングやロー
ルアライメント不整に起因する流動等があるが、これら
のうち最も重大な原因は凝固収縮であり、偏析を防止す
るためにはこれを補償する量だけ鋳片を圧下することが
必要である。
試みは従来より行われており、連続鋳造工程において鋳
片中心部温度が液相線温度から固相線温度にいたるまで
の間、鋳片の凝固収縮を補償する量以上の一定割合で圧
下する方法が知られている。しかしながら従来の連続鋳
造法は、条件によっては偏析改善が殆ど認められなかっ
たり、場合によっては偏析がかえって悪化する等の問題
があり、成分偏析を充分に改善することは困難であっ
た。
片の中心部が固相率0.1〜0.3に相当する温度にな
る時点から流動限界固相率に相当する温度となる時点ま
での領域を単位時間当り0.5mm/分以上2.5mm
/分未満の割合で連続的に圧下し、鋳片中心部が流動限
界固相率に相当する温度となる時点から固相線温度とな
るまでの領域は実質的に圧下を加えないようにする特願
昭62−27556号に係る方法が良く知られている。
0295号において提示したごとく、濃化溶鋼が激しく
鋳片の中心部に集積する凝固時期が存在し、この濃化溶
鋼の集積時期の流動を防止することが偏析改善にとって
最も効果的であり、また濃化溶鋼の集積量が特に多い凝
固時期は凝固組織によって異なる。この結果に基づき偏
析をさらに改善する軽圧下法について研究した結果、凝
固末期に少なくとも一対のロールにより鋳片を圧下しつ
つ引き抜く溶融金属の連続鋳造法において、上面等軸晶
率0〜5%の場合、鋳片中心部の温度が固相率0.2
5、好ましくは0.35に相当する位置から流動限界固
相率に相当する位置までの凝固時期範囲の任意の位置、
好ましくは該凝固時期範囲内の上流側に少なくとも一対
のロールを設置して、該凝固時期範囲内の全凝固収縮量
を補償する量を圧下し、また上面等軸晶率が5%以上の
場合、鋳片中心部の温度が固相率0.1、好ましくは
0.15に相当する位置から流動限界固相率に相当する
位置までの凝固時期範囲の任意の位置、好ましくは該凝
固時期範囲内の上流側に少なくとも一対のロールを設置
して該凝固時期範囲内の全凝固収縮量を補償する量を圧
下する圧下範囲を小さくすることが可能な簡便で効率的
な軽圧下を提案した。
造作業において鋳造速度の減速は避けることができず、
この鋳造速度減速の結果、偏析が悪化する鋳片が存在す
ることが多くの実験から明らかになってきた。このよう
に軽圧下による偏析改善効果が不充分な鋳片を出発材と
する線材のトラブルを防止するためには、偏析が最も悪
い部位においてもトラブルの発生を避けるため分塊加熱
条件を高温、長時間にする必要がある。このため、偏析
が良好な定常部鋳片に対しオーバーアクションとなり、
また高温加熱においては加熱炉における鉄ロスおよび脱
炭層の発生などの歩留りの低減や、作業性の悪化などの
問題が発生し、これらの解決が重要課題である。
りである。
つつ引き抜く溶融金属の連続鋳造法において、鋳造速度
の減速に起因した偏析悪化鋳片であるか否かを鋳造速度
が減速した時の鋳片の凝固時期と当該鋳片が圧下帯に到
達した時の凝固時期により判定して偏析レベルに応じた
分塊加熱条件を選択することを特徴とする連続鋳造法。
つつ引き抜く溶融金属の連続鋳造法において、予め鋳造
速度減速試験を行い、偏析圧下鋳片の鋳造速度を減速し
ている間の凝固時期と圧―に到達した時の凝固時期を定
量化し、この結果を用いて偏析悪化鋳片であるか否かを
判定して偏析レベルに応じた分塊加熱条件を選択するこ
とを特徴とする連続鋳造法。
の一部あるいは全部が予め測定し決定した偏析悪化鋳片
の凝固時期の範囲にあり、圧下帯に到達した時の凝固時
期が予め測定し決定した偏析悪化鋳片の凝固時期の範囲
にある偏析悪化鋳片の分塊加熱条件を高温長時間とし、
その他の偏析良好鋳片の分塊加熱条件を低温短時間とす
る前記の連続鋳造法。
ある。しかしながら、この偏析改善効果は鋳造速度の減
速により小さくなり、減速の影響を受けた鋳片の中には
定常部と比べ偏析が悪化する鋳片が見られる。このよう
な鋳造速度の減速による偏析の悪化を防止するための第
一の対策は、鋳造速度一定の操業を実現することであ
る。しかし、連鋳操業において鋳造速度一定の操業を確
実に実現することは非常に困難である。この様な実態を
踏まえた第二の対策は、鋳造速度が減速した場合の偏析
悪化鋳片を正確に選択、分離して、偏析良好な鋳片の分
塊加熱条件を低温、短時間とし、偏析悪化鋳片の分塊加
熱条件を従来と同じように高温、長時間にすることであ
る。この技術を実現するためには、鋳造速度の減速に伴
う偏析悪化鋳片を選択する方法の確立が重要課題とな
る。
図1に示す鋳造速度の減速パターンで鋳造した場合の偏
析の悪化機構を試験研究した結果、図2に示すように、
鋳造速度の減速に伴う偏析悪化鋳片は、鋳造速度の減速
時に連鋳機内に位置した鋳片の中で特定な凝固時期にあ
った鋳片(偏析悪化部)と、モールドから圧下帯入口
の間に位置していた鋳片(偏析悪化部)であることを
知見した。この偏析悪化鋳片の凝固履歴を研究した結
果、偏析が悪化した鋳片は図3に示すように鋳造速度を
減速している間に、凝固時期の一部あるいは全部が中心
固相率0.18〜0.32の範囲にある鋳片と、図4に
示すように圧下開始の中心固相率が0.21以上の鋳片
であることを知見し本発明を成し遂げた。本発明による
と偏析悪化鋳片は図5のように分離することができる。
この方法によれば、鋳造速度の減速に伴う偏析悪化鋳片
を複雑な計算をせずに鋳片の凝固履歴等により、簡単に
判定することが可能である。
造速度減速の偏析に及ぼす影響を研究した結果、鋳造速
度の減速により偏析が悪化する鋳片の凝固時期範囲は、
表1に示すように凝固組織や鋼種、鋳片形状により異な
っていることを知見した。従って、鋳造速度の減速に伴
い発生する偏析悪化鋳片を精度良く分離するためには、
偏析悪化鋳片の判定指標である凝固時期範囲を、対象と
する鋼種、凝固組織、鋳片形状別に予め鋳造速度減速試
験により測定、決定しておくことが好ましい。このよう
に判定した偏析悪化鋳片を分離して、偏析悪化鋳片の分
塊加熱条件を高温長時間とし、偏析良好な鋳片の分塊加
熱条件を低温短時間にすることにより使用エネルギーお
よび鉄歩留りの大幅な節約が可能となり、品質の良い成
品を安定して生産できる。
たのは、樹間等の濃化溶鋼の集積が始まるのは鋳片中心
部の通液抵抗が増大する凝固時期と推定され、この通液
抵抗増大に対し、中心部の固相の割合を示す中心固相率
が最も影響を及ぼすと考えられているためで、中心固相
率は偏析発生の凝固時期を示す指標として最も適切と考
えられる。中心固相率は(1)式数1に示すように、鋳
片中心部の温度の関数として算出する。鋳片中心部の温
度は冷却条件や鋳造速度等の操業条件に基づき伝熱計算
により予め計算するか、または鋳造中の冷却や鋳造速度
等の条件に基づき計算する。この中心固相率は、冷却条
件、鋳片サイズ、鋼種が決まれば凝固時間の関数であ
り、同じ凝固時間の関数であるシェル厚、未凝固厚、未
凝固率に容易に換算することができる。このように、本
発明でいう凝固時期とは中心固相率、シェル厚、未凝固
厚、未凝固率、凝固時間等で、凝固の進行状況を示す指
標である。
鋳造した溶鋼組成の代表例を表2に示す。図1に示す鋳
造速度パターンで、鋳造速度減速の偏析に及ぼす影響を
調査した。凝固組織は上面等軸晶率が30%であった。
偏析が悪化している鋳片は、図3に示すように鋳造速度
減速中に、凝固時期の一部あるいは全部が中心固相率で
0.18〜0.32の範囲にあった鋳片と、図4に示す
ように当該鋳片の圧下開始凝固時期が中心固相率で0.
21より大きい鋳片である。図7は上記鋳片の全量を低
温短時間の分塊加熱条件により圧延した場合の線材偏析
の結果である。全量を低温、短時間の分塊加熱条件で圧
延した場合、線材に偏析が観察される例がある。一方、
図8は鋳造速度の減速中に凝固時期の一部あるいは全部
が中心固相率で0.18〜0.32の範囲にあった鋳片
と、圧下開始の凝固時期が中心固相率で0.21以上の
鋳片を選択、分離して分塊加熱条件を高温、長時間と
し、それ以外の偏析良好な鋳片の分塊加熱条件を低温、
短時間とした場合の線材偏析を示す。線材偏析は全量と
も良好となり、使用エネルギーの節約と歩留りの改善、
および品質の安定化が実現できた。
鋳造速度減速試験を行った。表1に示したように、鋳造
速度減速で偏析が悪化する鋳片は、実施例1と同じ様に
鋳造速度の減速中に特定な凝固時期範囲にあった鋳片
と、圧下帯に到達するのが遅れた鋳片である。このよう
に選択、分離した偏析悪化鋳片の分塊加熱条件を従来通
り高温、長時間とし、また偏析良好な鋳片の分塊加熱条
件を低温、短時間とすることにより、成品偏析は全量と
もに良好となり、使用エネルギーの節約と鉄歩留りの改
善、および品質の安定化が実現できた。
の軽圧下による偏析改善効果が不充分な鋳片を分離する
ことが可能となり、偏析レベルに応じた分塊加熱条件を
選択することにより、従来より少ないエネルギーで鉄歩
留り良好でかつ均質な鋼材を得ることが可能となる。
図である。
ある。
す図である。
化した鋳片の中心固相率を示す図である。
条件で圧延した場合の線材偏析を示す図である。
従来の高温長時間分塊加熱条件とし、偏析良好鋳片の分
塊加熱条件を低温短時間にした場合の線材偏析を示す図
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 1対以上のロールにより鋳片を圧下しつ
つ引き抜く溶融金属の連続鋳造法において、鋳造速度の
減速に起因した偏析悪化鋳片であるか否かを鋳造速度が
減速した時の鋳片の凝固時期と当該鋳片が圧下帯に到達
した時の凝固時期により判定して偏析レベルに応じた分
塊加熱条件を選択することを特徴とする連続鋳造法。 - 【請求項2】 1対以上のロールにより鋳片を圧下しつ
つ引き抜く溶融金属の連続鋳造法において、予め鋳造速
度減速試験を行い、偏析圧下鋳片の鋳造速度を減速して
いる間の凝固時期と圧下帯に到達した時の凝固時期を定
量化し、この結果を用いて偏析悪化鋳片であるか否かを
判定して偏析レベルに応じた分塊加熱条件を選択するこ
とを特徴とする連続鋳造法。 - 【請求項3】 鋳造速度を減速している間に凝固時期の
一部あるいは全部が予め測定し決定した偏析悪化鋳片の
凝固時期の範囲にあり、圧下帯に到達した時の凝固時期
が予め測定し決定した偏析悪化鋳片の凝固時期の範囲に
ある偏析悪化鋳片の分塊加熱条件を高温長時間とし、そ
の他の偏析良好鋳片の分塊加熱条件を低温短時間とする
請求項2記載の連続鋳造法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP4057203A JP2593384B2 (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | 連続鋳造法 |
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JPH05220554A JPH05220554A (ja) | 1993-08-31 |
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Family Applications (1)
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JP4057203A Expired - Fee Related JP2593384B2 (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | 連続鋳造法 |
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---|---|---|---|---|
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-
1992
- 1992-02-12 JP JP4057203A patent/JP2593384B2/ja not_active Expired - Fee Related
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