JP2589151B2 - 透過式消波堤 - Google Patents

透過式消波堤

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JP2589151B2 JP15126688A JP15126688A JP2589151B2 JP 2589151 B2 JP2589151 B2 JP 2589151B2 JP 15126688 A JP15126688 A JP 15126688A JP 15126688 A JP15126688 A JP 15126688A JP 2589151 B2 JP2589151 B2 JP 2589151B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は港湾の静穏度を維持するための防波堤、沖合
の海域制御施設等に利用される透過式消波堤に係るもの
である。
(従来の技術) 従来の固定式の透過型枠消波構造物としては、1枚ま
たは2枚の透水壁を具え、同透水壁間に遊水部を設けた
いわゆるジヤルラン式ケーソン堤と呼称される透過堤が
使用され、水粒子が透水壁を通過する際の急縮、急拡に
伴なうエネルギー損失、及び入射波と不透水壁を含む複
数の壁体からの反射波との位相差を利用して消波効果を
挙げていた。
(発明が解決しようとする課題) この場合、波浪の反射率及び透過率の特性は遊水長に
強く依存していて、或る特定の波周期の入射波に対して
は効果があるものの、一般に特定周期以外の長周期また
は短周期の波浪に対して効果が少ないという問題点があ
った。
本発明は前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案さ
れたもので、その目的とする処は、入射波浪の広い範囲
の周期に対して反射率、透過率を大幅に低減するととも
に、堤体に作用する最大水平力を大幅に低減しうる透過
式消波堤を提供する点にある。
(課題を解決するための手段) 前記の目的を達成するため、本発明に係る透過式消波
堤は、前面が凹曲面に形成され、且つ波浪透過用空隙を
有する1次消波構造体及び2次消波構造体を、中間に遊
水部が介在するように堤体本体の前後に立設し、波浪入
射側の前記1次消波構造体の下部に、後端部が前記遊水
部に連通し、前端部が前記1次波構造体の前面水域に開
口するダクトを設けて構成されている。
(作用) 本発明は前記したように構成されているので、堤体本
体の前後に立設された1次消波構造体及び2次消波構造
体に設けられた空隙を波浪が通過する際における流体の
急縮、急拡によって渦流、乱流が発生し、波浪のエネル
ギー損失による消波効果が発揮されるとともに、前記各
消波構造体の前面が、入射する進行波の水粒子の運動軌
跡に近い凹曲面に形成されているので、波浪の反射率が
低減される。
また前記1次消波構造体の下部に設けられたダクトを
介して、前記1次、及び2次両消波構造体間の遊水部、
及び第1次消波構造体の前面水域間に流体が流出、流入
することにより、入射波の水位変動を打消し、波浪の反
射率及び透過率が大幅に減少される。更にダクトの存在
により前記遊水部の水位が上下に振動する固有周期が長
くなり、更にまた固有周期は一点ではなく複数の固有周
期を持つこととなる。この結果、従来非常に困難とされ
た長周期の入射波浪に対する消波効果及び広い範囲の入
射波浪の周期に対する消波効果が挙げられる。
更に前記遊水部がダクトを介して1次消波構造体の前
面水域に連通していることにより、消波堤全体に作用す
る水平波力の最大値が時間的に分散されることとなり、
このため消波堤全体に作用する水平波力の最大値は従来
の消波堤に比較して大幅に低減される。
(実施例) 以下本発明を図示の実施例について説明する。
(1)は海底地盤(2)上に構築されたマウンド
(3)上に着座する、透過式消波堤の堤体本体を構成す
るケーソン本体で、その前後に、前面が凹曲面(4a)
(5a)に形成され、波浪透過用空隙(4b)(5b)を有す
る1次消波構造体(4)及び2次消波構造体(5)が一
体に立設され、横壁(6)で連結されるとともに、前記
両消波構造体(4)(5)間に遊水部(7)が設けられ
ている。
前記1次消波構造体(4)の下部には、前記遊水部
(7)に連通し、且つ1次消波構造体(4)の前面水域
(8)に開口するダクト(9)が設けられている。
図示の実施例は前記したように構成されているので、
1次消波構造体(1)及び2次消波構造体(5)に夫々
設けられた空隙(4b)(5b)を入射波浪(10)の水塊が
通過する際に、通過流体の急縮及び急拡に伴なう波浪の
エネルギー損失を生起し、反射率及び透過率が低減す
る。図中(11)は透過波浪である。
また前記1次及び2次両消波構造体(4)(5)の間
に設けられた遊水部(7)によって、1次消波構造体
(4)の空隙(4a)を通じて入射した波と、2次消波構
造体(5)によって反射した波との位相差により互いに
打ち消しあうことによって、波浪の反射率及び透過率が
低減する。
以上は従来の消波機構であり、入射する波浪の周波特
性に依存し、波浪の反射率が低下するのはある特定の周
期のみとなり、それ以外の周期の波浪に対し、特に長周
期の波浪に対しては反射率が大きくなるという問題点が
あった。
前記実施例に示す消波堤は以下に示す理由によって、
従来にない波浪の反射率、透過率及び最大水平波力の大
幅な低減を可能ならしめたものである。
微小振幅波論理によれば、一定水深hの進行波の水面
波形η(x,t)は次式で表わされる。
ここで H:波高 k:波数 ω:波の角振動数 水底及び自由表面の境界条件及びラプラスの式を満足
する速度ポテンシヤルφ(x,z,t)は次式で与えられ
る。
従って入射波浪の水粒子の水平速度成分u(x,z,t)
及び変動水圧p(x,z,t)が次式で与えられる。
ここで、進行波の水面波形η(x,t)と、水平速度成
分u(x,z,t)及び変動水圧p(x,z,t)の位相を調べて
みると、式(1)(3)(4)より、これらはいずれも
位相が一致していることが判る。即ち、水面波形の峰が
堤体前面に近接したとき、第3図に示すように水粒子の
水平速度分布は最大となり、右に進もうとする。またこ
のときの変動水圧pは正圧で、最大を示す。
同様に水面波形の谷が堤体の前面に近接したとき、第
4図に示すように、水粒子の水平速度分布は最大とな
り、左側に進もうとし、このときの変動圧力pは負圧
で、最大を示す。
以上の事実より1次消波構造体(4)の前面水域
(8)とダクト(9)を介して連通している遊水部
(7)の消波機能を説明する。
第3図に示すように、堤体前面に波の峰が近接した場
合を考えると、このとき水粒子の水平速度分布は右向き
で最大となり、この部分の水塊はダクト(9)を介して
遊水部(7)に流入し、同遊水部(7)の水位(e)を
上昇させて(b)の状態に変化させる。これと同時に堤
体前面水域(8)の水位(d)は前記水塊の流入によっ
て下降し、(a)の状態となる。
前記したように遊水部(7)の水位が(e)より
(b)に変化することによって、遊水部(7)の水位の
変動振幅が小さくなり、2次消波構造体(5)を透過し
て伝えられる水位は(f)より(c)と変動する。
一方、波の谷が堤体前面に近接してきたとき、第4図
に示すように水粒子の水平速度分布は左向きで最大とな
り、遊水部(7)の水塊はダクト(9)を介して1次消
波構造体(4)の前面水域(8)に入り、同水域(8)
の水位(d′)を(a′)に変化させる。このとき同時
に遊水部(7)の高い水位(e′)は前記水域(8)に
対する水塊の流出により(b′)と低下し、遊水部
(7)における変動水位の振幅を減少させる。これに伴
って2次消波構造体(5)背面の水位(f′)より
(c′)と変化する。
かくして堤体前面の水域(8)に面して開口したダク
ト(9)を介して流出及び流入する水塊が、堤体前面の
水位変動振幅を減少させ、即ち反射率を低減させ、更に
遊水部(7)の水位変動振幅をも減少させ、この結果、
波浪の反射率及び透過率の大幅な低減を可能ならしめ
る。
また前記実施例においては、1次消波構造体(4)及
び2次消波構造体(5)の前面が凹曲面(4a)(5a)に
形成されているので、第3図及び第4図に示すように波
の峰、または谷が堤体の前面にある場合、水位の上昇ま
たは下降の際に、前掲の式(2)によって与えられる進
行波の水粒子の運動軌跡と、前記各消波構造体(4)
(5)の前面の凹曲面とが近似しているので、入射波浪
(10)の有する全エネルギー(位置エネルギー+運動エ
ネルギー)が円滑に位置エネルギーに変換され、波浪の
反射率が低減される。
更にまた前記実施例においては、1次消波構造体
(4)の下部に設けられたダクト(9)が、堤体の前面
水域(8)の水塊と、遊水部(7)の水塊とが交互に振
動する際のパイプの用を果す。
更に前記ダクト(9)の今一つの機能は、遊水部
(7)の振動固有周期を増大させる点にある。即ちダク
ト(9)内にある流体質量分だけ遊水部(7)の流体質
量が増大することにより、同遊水部(7)が上下振動す
る固有周期が増大する。更に前記ダクトはN.Ambli他に
よる水柱強振型の波力発電装置のHarberの効果によるMu
ltiresonanceの効果が期待できる。
即ち前記遊水部(7)の固有周期は増大するばかりで
なく、いくつかの固有周期を持つため、広い固有周期範
囲を持つこととなる。
(参考文献 i)N.Ambli and et al.1982: The Kvaerner Multiresonant OWC,The 2nd Internati
onal Symposium on Wave Energy Utilization,Trondhei
m,Norway) 従来の遊水部を有するジヤルラン式ケーソン堤では、
入射波の波長λに対する反射率は遊水長lに強く依存し
ている。
谷本等の文献によれば反射率が最小になるのは、l/λ
が0.15〜0.20である。この事実より遊水部(7)の固有
周期の増大、及びMultiresonance効果は見掛け上の遊水
長lを増大させることになり、大きな消波効果が期待で
きる。(参考文献ii)谷本勝利他.1976:各種ケーソン式
混成堤の反射、越波および波力特性に関する模型実験,
港湾技研資料,No.246) なお前記各消波構造体(4)(5)の空隙部は第2図
に示すように多孔形状の他、横スリツト型、縦スリツト
型のものも適用される。
第5図に示す実施例は、前記各消波構造体(4)
(5)の内部に空間を設けた場合を示し、この場合、流
入する流体が空隙(4b)(5b)を通過する際の急縮によ
るエネルギー損失が更にもう一度行なわれることとな
り、消波効果がより増大する。
図中、前記実施例と均等部分には同一符号が附されて
いる。
(発明の効果) 本発明に係る透過式消波堤によれば前記したように、
波浪透過用空隙を有する1次消波構造体及び2次消波構
造体が、中間に遊水部が介在するように堤体本体の前後
に立設されたことによって、前記各消波構造体の空隙を
流体が通過する際のエネルギー損失による消波効果が挙
げられる。
また前記1次消波構造体の下部には、前記遊水部に連
通し、且つ前記1次消波構造体の前面水域に開口するダ
クトが設けられているので、同ダクトを介しての前記遊
水部と前面水域との間の流体の流出、流入によって、入
射波浪の水位変動が打ち消され、波浪の反射率及び透過
率が大幅に減少され、また前記ダクトによって遊水部の
水位が上下方向に振動する固有周期が長くなり、このた
め従来の透過式消波堤に比して入射波浪の広い範囲の周
期に対して反射率及び透過率の大幅な低減が可能とな
り、特に従来困難視された長周期の入射波浪の消波効果
が大幅に改善される。更にまた前記遊水部がダクトによ
り堤体の前面水域に連通することによって、堤体全体に
作用する水平波力の最大値が時間的に分散され、従って
最大水平波力が低減される。
また本発明によれば前記各消波構造体の前面が、入射
する進行波の水粒子の運動軌跡に近い凹曲面に形成され
ているため、波浪の反射波が低減され、堤体全体の重量
を軽減でき、従って接地圧が小さくなり、マウンドの設
計耐力を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る透過式消波堤の一実施例を示す縦
断側面図、第2図はその部分斜視図、第3図及び第4図
はその作用説明図、第5図は本発明に係る透過式消波堤
の他の実施例を示す縦断側面図である。 (1)……ケーソン本体、(4)……1次消波構造体、 (4a)……凹曲面、(4b)……波浪通過用空隙、 (5)……2次消波構造体、(5a)……凹曲面、 (5b)……波浪透過用空隙、(7)……遊水部、 (8)……前面水域、(9)……ダクト。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前面が凹曲面に形成され、且つ波浪透過用
    空隙を有する1次消波構造体及び2次消波構造体を、中
    間に遊水部が介在するように堤体本体の前後に立設し、
    波浪入射側の前記1次消波構造体の下部に、後端部が前
    記遊水部に連通し、前端部が前記1次消波構造体の前面
    水域に開口するダクトを設けてなることを特徴とする透
    過式消波堤。
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