JP2587702B2 - 近赤外域光線吸収材料 - Google Patents

近赤外域光線吸収材料

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JP2587702B2 JP1248636A JP24863689A JP2587702B2 JP 2587702 B2 JP2587702 B2 JP 2587702B2 JP 1248636 A JP1248636 A JP 1248636A JP 24863689 A JP24863689 A JP 24863689A JP 2587702 B2 JP2587702 B2 JP 2587702B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は太陽光線中の750〜2500nmの近赤外域光線を
選択的に吸収する材料、例えば熱線遮断フイルム、赤外
線カツトフイルター、偽造防止用の印刷物、カモフラー
ジ用塗装及び各種感熱増感剤に関する。
「従来の技術」 太陽エネルギーの約1/2を占める近赤外光(750〜2500
nm)は太陽熱として又有害光として、我々人類の生活に
大きく関与して来ている。
此の有効利用、調節は従来から種々検討されて来たが
未だ充分ではない。代表的な熱線吸収剤であるカーボン
ブラツクは、可視光の透過が零に近い黒色顔料であり其
の用途は著しく制限される。又従来より使用されている
ニグロシン、ナフトールグリーンや近時、近赤外線吸収
剤として開発されている染料、キレート化合物は耐光
性、耐熱性に問題を残している。
一方金属フタロシアニンは従来から鮮明且つ堅牢な色
材として広く使用されており、近年其の機能特性から酸
化・還元触媒、光電変換素子、脱臭剤、電子写真用感光
体、有機半導体素子、気体検出素子等、種々の用途に検
討されて来た。特に700〜800nmに吸収能を有する金属フ
タロシアニンは、光情報記録媒体として多くの特許が提
出されている。
しかしながら軸配位の鉄フタロシアニン化合物が750
〜2500nmの近赤外域の光線を選択的に吸収するかどうか
に関しては殆ど知られていなかつた。
「発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段」 本発明は場合によつては有害光として知られている近
赤外域の熱線を吸収できる材料を提供しようとするもの
であり、本発明者等は各種金属フタロシアニンの機能特
性を検討している内、鉄フタロシアニンの前駆体として
の軸配位塩化化鉄フタロシアニンが、高い耐熱、耐光性
を持ち且つ優れた近赤外線(750〜2500nm)吸収能を持
つ事を見い出したもので、本発明は一般式Fe(Cl)Pc
(式中Pcはフタロシアニン残基を示し、一分子中塩素を
3.0〜5.9wt%好ましくは4.5〜5.9wt%を含有する)で表
される軸配位鉄フタロシアニン化合物を含有することを
特徴とする近赤外域光線吸収材料である。
本発明の軸配位塩素化鉄フタロシアニンの構造式を次
に示す。
本発明の軸配位鉄フタロシアニン化合物の塩素の理論
含有量は5.9wt%であり、塩素の一部が水酸基となつて
いてもよい。
「作用」 本発明に基づく鉄フタロシアニン化合物を含有する合
成樹脂着色フイルムは、特に太陽光線中に含まれる近赤
外線領域の熱線を吸収、遮断し、葉焼け、葉落ちを防止
する為に使用される寒冷紗に代り、半陰性植物例えば山
葵、朝鮮人参及びミツバ等若芽を食する緑黄色野菜の栽
培に好適なハウスを提供する為に用いる事が出来る。
又本発明に基づく鉄フタロシアニン化合物を使用し塗
料を作ると、近赤外線(熱線)を吸収し赤外線反射を防
止する偽装用塗料として使用出来る。
即ち従来のカモフラージ用に使用される草色、カーキ
色等の塗料は熱線(近赤外線)の吸収能なく殆ど透過
し、其の被塗装物体に当り反射する為、肉眼的には迷彩
色に見えても赤外カメラ、赤外探知機等の使用により、
容易に周囲の植物から区別されてしまう欠点がある。赤
外反射率を周囲の草木に近似させる為に赤外吸収能のあ
る物質の添加が必要である。此の為には余り着色力の高
くない熱線吸収剤が必要でありFe(Cl)Pcは若干緑がか
つた青色をしているが、余り着色力もなく此の用途に適
している。
一方、カーボンブラツクは黒色の為、このような用途
には使用範囲が制限されている。
又熱線吸収剤として各種の感熱増感剤及び偽造防止用
インクに使用出来る。
偽造防止用インクとは肉眼的に近似色に調色しても、
其の赤外吸収率(反射率)の差で偽造を確認出来るイン
クをいう。
「実施例、比較例」 以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。
製造例1 軸配位塩素化鉄フタロシアニンFe(Cl)Pcの合成 反応容器にフタルイミド113重量部、尿素156重量部、
塩化第一鉄(含水塩)47重量部、モリブデン酸アンモン
0.5重量部、トリクロルベンゾール500重量部を仕込み13
0〜135℃、1時間、185〜195℃、7時間反応させた後、
減圧蒸溜により溶剤を溜去、回収する。
得られた粗成物を湿式粉砕した後70℃、10%の硫酸溶
液2000重量部で3時間処理した後冷却した後、別、水
洗、乾燥、粉砕する事により、塩素分5.79重量%、平均
分子径1.31μmのFe(Cl)Pc100重量部を得た。
このものの示差熱分析の結果では360℃まで安定であ
り、360℃前後で若干の発熱を伴つて分解した。
実施例1 Fe(Cl)Pc0.6重量部及びポリアミド/ニトロセルロ
ースインク30.0重量部をガラスビーズ100重量部と共に
ペイントコンデイシヨナー中で30分分散処理した後、ガ
ラスビーズを別し得られたインクをバーコーターを用
いてOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フイルム上に16μ
m厚に展色し展着フイルムを得た。
比較例1 実施例1と同様にしてFe(Cl)Pcに代えて代表的金属
フタロシアニン及び市販の近赤外線吸収、調整用顔料を
用いてインクを調製し、得られたインクをバーコーター
を用いてOPPフイルム上に展色し、分光光度計(島津マ
ルチパーパス自記分光光度計MPS−5000)で波長750〜26
00nmの近赤外部の透過率を測定した。
プラニメーターで平均透過率を算出した結果は下記の
通りである。
Fe(Cl)Pc使用インキは近赤外線を吸収し優れた遮断
効果を示した。
製造例2 製造例1にて得られたFe(Cl)Pcは平均粒子径が1.31
μmであり、通常の顔料に比し稍大きいので顔料の微粒
子化に一般的に行われるソルト−ミリング(Salt−mill
ing)処理を行つてみた。
1.31μmのFe(Cl)Pc100重量部を無水芒硝850重量部
及びエチレングリコール200重量部と共にニーダー混和
機中に投入し、80℃、7時間処理した後10000重量部の
水中に排出後、充分分散させた後、過、水洗、乾燥し
た。
得られた微粉末は平均粒子径0.55μm、塩素含有量4.
73重量%であつた。
実施例1と同様な方法によりインク化し、比較例1と
同様な方法により測定を行つた。
微粒子化により色材としての着色力は処理前に比し3
倍になつたが、その近赤外部の透過率は殆ど変らず79.0
%を示した。
実施例2 ベースレンジとしてペトロセン9304(トーソー製低密
度ポリエチレン)を使用した顔料分10重量%マスターバ
ツチを作り、此のマスターバツチを使用して100μm厚
の着色ポリエチレンフイルムをインフレーシヨン工法に
て作成した。
此のフイルムの可視光域及び近赤外域での透過率を分
光光度計で測定した結果は次の通りであつた。
#1 ブランク 顔料使用せず #2 P−26 からのマスターバツチ 7% #3 Fe(Cl)Pc からのマスターバツチ 7% Fe(Cl)Pc使用フイルムは可視部の透過率は比較的高
いが、近赤部は著しく低下し熱線の吸収が塩素含有量の
少ないP−26より高い事を示した。
実施例3 ベースレンジとしてノバテツクF−131−M(三菱化
成製、低密度ポリエチレン)を使用して夫々顔料分10重
量%及び安定化剤10重量%(コハク酸ジメチル系5重量
%、ペンタエリスリトール系酸化防止剤5重量%)のマ
スターバツチを作つた。
此のマスターバツチを使用して80μm厚の着色ポリエ
チレンフイルムをインフレーシヨン工法で作成した。
此のフイルムの可視光域及び赤外域での透過率を島津
マルチパーパス自記分光光度計MPS−5000で測定した結
果は次の通りであつた。
前記各フイルムを使用して高さ1.7m、間口3.0m(東
西)、奥行1.7m(南北)、屋根勾配45度の栽培室を作り
其の環境を測定した。結果は次の通りであつた。
Fe(Cl)Pc使用フイルム(No.4)で作つた栽培室は、
太陽光の熱線を吸収、遮断し地温を低く保ちながら室温
は通常室温並の高い温度を保持する事が出来た。
実施例4 実施例3にて使用した各フイルムを、第1図に示す装
置を用いて粗の吸熱、遮断性を測定した。
測定方法 第1図に示すように、支持具2によつて保持
された40Wクリプトランプを用意し、幅21cm、高さ16c
m、奥行14cmのダンボール箱4の上面中央に直径10cmの
穴5をあけ、その上に前記フイルムを置き、更に前記ク
リプトランプ1の下部を覆う高さ10cm、直径10cmのアル
ミ板製円筒3をその上に置く。一方ダンボール箱4の側
面中央より温度計6を挿入し温度計の先端が前記穴5の
中央真下にくるようにする。ランプ1を点灯した時、5
分後及び10分後の温度を測定した。測定結果を次表に示
す。尚測定終了後に試料(フイルム)及びランプを外
し、ヘアドライヤ(コールド)で5分間装置を冷却し次
の試料をセツトし測定した。
上記より明らかな如くFe(Cl)Pc使用フイルム(No.
4)は、熱線を吸収、遮断している。
「発明の効果」 以上述べた様に本発明の近赤外線吸収剤を用いたフイ
ルム、インキ、塗料は、農業用の熱線遮断フイルム、近
赤外カツトフイルター、偽造防止用の印刷物、カモフラ
ジー用塗装に有効であり、又各種感熱増感剤として利用
される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の効果を測定する方法の一例を示す略図
である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式Fe(Cl)Pc(式中Pcはフタロシアニ
    ン残基を示し、一分子中塩素を3.0〜5.9wt%好ましくは
    4.5〜5.9wt%を含有する)で表される軸配位鉄フタロシ
    アニン化合物を含有することを特徴とする近赤外域光線
    吸収材料。
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