JP2586900B2 - 列車停止制御装置 - Google Patents

列車停止制御装置

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JP2586900B2 JP62068056A JP6805687A JP2586900B2 JP 2586900 B2 JP2586900 B2 JP 2586900B2 JP 62068056 A JP62068056 A JP 62068056A JP 6805687 A JP6805687 A JP 6805687A JP 2586900 B2 JP2586900 B2 JP 2586900B2
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英郎 栗山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、列車の過走を検知し、過走の防止を行なう
列車停止制御装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来においては、地上へ軌道に沿つて多数の地上子を
配設し、車上に設けた車上子からの送信信号を地上子に
より受信し、各地上子の受信出力に基づいて列車速度お
よび列車の先頭位置を求め、これによつて過走を防止す
る方法、軌道回路へ列車検知用信号を送電しておき、複
数の受信器により列車の車軸短絡による検知用信号の変
化を検知し、これによつて前述と同様の制御を行なう手
法、軌道へ車軸検知子を複数設けておき、これによつて
通過列車の各車軸を検知し、各車軸検知子の検出出力相
互間の時間をタイマーにより監視し、前述と同様の制御
を行なう手法等が採用されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、多数の地上子を用いる手法、複数の受電器に
よる手法では、いずれも構成が複雑化し、高価となる問
題を生じ、車軸検知子による手法では、いずれかの車軸
検知子に障害を生ずれば列車速度の検出が不可能になる
等の問題を生じている。
〔問題点を解決するための手段〕
前述の問題を解決するため、本発明はつぎの手段によ
り構成するものとなつている。
すなわち、軌道を構成する軌条に沿つて一定間隔によ
り配された二つの車軸検知器を設け、この各車軸検知器
により軌道上を通過する列車の各車軸を検出し、この検
出出力間の時間に基づいて列車の速度を求めると共に、
検出出力のカウントに基づいて列車の先頭位置を求め、
この先頭位置があらかじめ定めた軌道上の位置へ達しか
つ列車の速度が規定速度を超えたとき列車に対して停止
制御を行なうものとしている。
〔作 用〕
したがつて、各車軸検知器毎の検出出力をカウントし
て通過車軸数に応ずる列車の先頭位置が求められると共
に、各車軸検知器毎のおよび相互における検出出力間の
時間に基づいて列車速度が求められ、これらの効果にし
たがい列車の停止制御が行なわれる。
〔実施例〕
以下、実施例を示す図によつて本発明の詳細を説明す
る。
第2図は全構成のブロツク図であり、終端区間の軌道
RWに対し、これの境界近傍において軌道RWを構成する軌
条に沿い一定間隔dによりかつ所定間隔Dを設け各々二
つの車軸検知器P1a,P2a,P1b,P2bが配設してあり、これ
らには位相検知式車軸検知器(株式会社京三製作所TAC
−7B形等)が用いられ、各々が軌条を介して対向する送
信コイルSLおよび受信コイルRLにより構成されている。
一方、過走防護装置(以下、ORS)1が設けてあり、
各車軸検知器(以下、検知器)P1a〜P2bとORS1との間は
ケーブル等の線路により接続され、検知器P1a〜P2bの各
送信コイルSLに対し、ORS1の送信器(以下、TX)21,22
から互に異なる周波数f1,f2の交流信号が三巻変成器MTT
を介して各個に供給されており、これによつて生ずる各
受信コイルRLの各出力を整合変成器MTを介して受信器
(以下、RX)31〜34の各入力へ各個に与え、ここにおい
て、各々の応答するTX21,22の出力を用い、各受信コイ
ルRLの出力を位相検波し、列車TRの車輪W1,W2が各検知
器P1a〜P2bを通過し、または、これらの部位へ介在した
ことの検知を行なつている。
各RX31〜34の受信出力は、入力回路(以下、I/C)4
を介して分岐され、各々がプロセツサ(以下、CPU)お
よびメモリ等からなるマイクロコンピユータ(以下、μ
CP)51,52へ与えられ、ここにおいて過走検知処理がな
された後、この結果が出力回路(以下、O/C)6を介し
過走検知出力ORDとして送出され、図上省略したATC(Au
tomatic Train Control.)装置またはATS(Automatic T
rain Stop.)装置等へ与えられるものとなつており、こ
れらの装置が検知出力ORDに応じ、終端区間の軌道RWに
対し停止信号の送信を行なうものとなつている。
なお、各検知器P1a〜P2bおよびRX31〜34の詳細は、本
出願人の別途出願による実願昭56−31567号により、I/C
4の詳細は、同様の特開昭61−13363号公報により、各々
が開示されている。
ここにおいて、各検知器P1a〜P2bの部位へ車輪W1,W2
が至れば、これの介在による各コイルSL,RL間の磁束流
通方向変化により車輪W1,W2が検出され、これによつて
車軸検知がなされ、これに応じてRX31〜34が検出出力を
生じ、この出力がμCP51,52へ同時に与えられるものと
なり、μCP51,52が互に同期して同一処理を行なうもの
となる。
第3図は、二つの検知器P1,P2による車軸の検出状況
を示し、(A)のとおり、列車TRに対し停止制御を行な
う軌道RW上の特定位置をP0としたとき、検知器P1および
P2との拒離はLs1およびLS2として定められ、列車TRにお
いては、各車輛の車端と車端側各車軸との間隔l1,同一
台車の車軸間隔L2,台車間の車軸間隔l3等が定まつてお
り、検知器P1,P2の間隔dは車軸間隔l2より短く定めて
ある。
このため、検知器P1からP2の方向へ列車TRが進行する
と、同図(B)のとおり検出々力を生じ、車輪W1により
検出出力D1,D2が順次に生じてから、車輪W2により検出
出力D3,D4が同様に生ずるものとなり、以下、後続各車
輪の通過に応じ同様の検出出力が順次に生ずる。
したがつて、各検知器P1,P2毎のおよび相互間におけ
る検出出力間の各時間t1〜t4を計測すれば、これに基づ
いて列車TRの各時点における速度が求められる一方、各
検知器P1,P2毎の検出出力をカウントすれば、通過した
車軸数が求められ、これに基づいて通過台車数および通
過車輛数を算出することができると共に、同図(A)の
車輛寸法を逐次加算することにより、各検知器P1,P2を
基準とする列車TRの先頭位置L1,L2が求められ、L1=Ls1
or L2=Ls2のとき、各時間t1〜t4に基づいて求めた速
度V1〜V4が、規定速度Vsを超えれば、列車TRの過走と判
断することができる。
第1図は、以上の判断処理を行なうCPUの動作を示す
フローチヤートであり、μCP51,52中のCPUがメモリ中へ
あらかじめ格納されている第3図(A)の各データに基
づき、かつ、必要とするデータをメモリに対しアクセス
しながら第1図の動作を実行するものとなつている。
なお、μCP51,52の各出力は、O/C6において一致検出
を行ない、不一致のときにはμCP51,52中のいずれかの
異常であり、図と省略した経路により障害発生を報知す
るものとなつている。
第1図においては、まず、「イニシヤライズ」101に
より各部のクリアおよび初期状態の設定を行ない、検知
器「P1検出?」111がY(YES)となれば、時間「T1計測
開始」112をCPUにより構成したカウンタによるクロツク
パルスのカウント等によつて開始し、ついで同様に時間
「t2計測開始」113を行ない、CPUにより構成した別途の
カウンタによるカウント値C1を「C1=C1+1」121によ
り登算し、車軸数のカウントを行なつてから、メモリ中
のデータを用い「C1によりL1演算」122を行なう。
ついで、検知器「P2検出?」131がYとなるのに応
じ、時間「t1計測終了」131によりステツプ112のカウン
トを停止し、この値をメモリへ格納してから、ステツプ
112,113と同様に時間「t3計測開始」133を行ない、ステ
ツプ121と同様の他のカウントによるカウント値C2を「C
2=C2+1」141により登算し、ステツプ132の値および
メモリ中のデータを用い「t1によりV1演算」142を行な
うと共に、ステツプ122と同様に「C2によりL2演算」143
を行ない、これらの結果をメモリへ格納し、列車TRの先
頭が所定位置P0へ達したか否かを「L1<Ls1?」151およ
び「L2<Ls2?」152により判断し、これらがN(NO)で
あれば所定位置P0へ達したため、「V1>Vs?」153の判断
を更に行ない、これがYのときは規定速度Vsを超えた場
合であり、過走検知出力「ORDN送出」161を行ない、こ
れによつて列車TRに対する停止制御を行なう。
また、ステツプ151,152がいずれもY、または、ステ
ツプ153がNであれば、検知器「P1検出?」211をチエツ
クし、これのYに応じてステツプ132と同様に時間「l2
計測終了」を行なうと共に、ステツプ112と同様に時間
「t4計測開始」213を行ない、ステツプ121と同じく「C1
=C1+1」221を行なつてから、ステツプ142と同様に
「t2によりV2演算」222を行なうと共に、ステツプ122と
同じく「C1によりL1演算」223を行ない、これの値によ
りステツプ122によるメモリ中の値を更新した後、ステ
ツプ223のL1を用いて「L1<Ls1?」231を判断し、これが
Nであればステツプ153と同様に「V2>Vs?」232を更に
判断し、これがYのときはステツプ161へ移行して列車T
Rに対する停止制御を行なう。
これに対し、ステツプ231がY、または、ステツプ232
がNであれば、検知器「P2検出?」241のYにしたが
い、ステツプ132と同様に時間「t3,t4計測終了」242お
よびステツプ141と同じく「C2=C2+1」251を行ない、
ステツプ142と同様に「t3,t4によりV3,V4演算」252、お
よび、ステツプ143と同じく「C2によりL2演算」253を行
ない、これの値によりメモリ中のステツプ143による値
を更新してから、ステツプ253のL2を用いて「L2<Ls2
?」261を判断し、これがNであれば「V3>Vs?」262、
「V4>Vs?」263を順次に判断し、いずれかのYに応じて
ステツプ161へ移行する一方、ステツプ261のYまたはス
テツプ262,263双方のNに応じては、「RET」を介しステ
ツプ111以降を反復する。
したがつて、ステツプ151〜153、231〜232、261〜263
のいずれかにおいて、列車TRの先頭位置が所定位置P0へ
達し、かつ、列車TRの速度が規定速度Vsを超えたものと
判断されれば、ステツプ161により停止制御がなされ、
より以上の過走が阻止される。
なお、μCP51,52は、検知器P1a,P2aの各検出出力に応
じて通常停止指令を送出する一方、検知器P1b,P2bの各
検出出力によつては絶対停止指令を送出するものとして
いる。
また、ステツプ111,131,211,241がNのときは、判断
を除く関連ステツプが除外されるため、各二つの検知器
P1a,P2aとP1b,P2bとの中、いずれか一方の検知器に障害
を生じても他方の検出出力によつて過走の検知がなされ
るものとなり、高信頼性が得られる。
すなわち、いずれか一方の検出出力のみによつても車
軸数のカウントがなされ、L1またはL2が求められると共
に、時間t1〜t4の計測に関しては次表のとおりになり、
速度V2またはV3を確実に求めることができる。
なお、ステツプ111,131,211,241がNのときタイマー
をスタートさせ、一定時間後にも同一状態が継続する場
合、関連するカウンタ、メモリの内容等をクリアするも
のとすれば好適である。
以上のとおり、簡単かつ高価な構成により、列車TRの
過走を光信頼性により確実に検知し、過走の防止を行な
うことができるため、終端区間のみならず、駅の構内区
間、操車場等にも適用して同様の効果が得られる。
また、μCP51,52の使用によれば、列車の在線検知、
前後進検知等の処理もほゞ同時に行なうことが任意とな
り、若干の回路を付加するのみにより多目的な検知を同
一構成により行なうことができる。
たゞし、検知器P1a〜P2bとしては、位相検知式のみな
らず、他の電気的車軸検知手段または機械的車軸検知手
段を用いてもよく、検知器P1a〜P2b中いずれか一方の二
つのみを用いても同様であり、μCP51,52の代りに、各
種演算回路、論理回路の組み合せによるものを用いるこ
とも任意である。
また、各時間t1〜t4を対応する規定時間と対比して速
度をチエツクし、各速度V1〜V4の演算を省略してもよ
く、d≪Ls1 or Ls26の関係であれば、dを無視し、L1
=L2=L、Ls1=Ls2=Lsとして各演算および判断を行な
つても同等の結果が得られると共に、通過台車数を求め
て通過車輛数により先頭位置を算出してもよい等、種々
の変形が自在である。
〔発明の効果〕
以上の説明により明らかなとおり本発明によれば、簡
単かつ安価な構成により、列車の過走検知および防止が
高信頼性かつ確実なものとしてなされ、各種鉄道の過走
防止において顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の実施例を示し、第1図は判断処理状況のフ
ローチヤート、第2図は全構成を示すブロツク図、第3
図は車軸の検出状況を示す図である。 21,22……TX(送信器)、31〜34……RX(受信器)、4
……I/C(入力回路)、51,52……μCP(マイクロコンピ
ユータ)、6……O/C(出力回路)、RW……軌道、P1a〜
P2b……車軸検知器、TR……列車、W1,W2……車輪、d…
…一定間隔、t1〜t4……時間。
フロントページの続き (72)発明者 藤岡 裕 横浜市中区港町1丁目1番地 横浜市交 通局内 (72)発明者 石井 宣裕 横浜市鶴見区平安町2丁目29番地の1 株式会社京三製作所内 (56)参考文献 特開 昭61−13363(JP,A) 特開 昭61−232962(JP,A) 特開 昭57−71202(JP,A) 特開 昭63−2766(JP,A) 特開 昭55−125428(JP,A) 特開 昭58−161656(JP,A) 実開 昭57−144759(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の車軸検知器(P1a)と、第2の車軸
    検知器(P2a)と、過走防護装置(ORS)とから構成さ
    れ、 過走防護装置(ORS)は第1の送信器(21)と、第2の
    送信器(22)と、第1の受信器(31)と、第2の受信器
    (32)と判定回路(51)とから構成され、 第1の車軸検知器(P1a)は、予め決められた停止制御
    を行う特定位置(P0)から所定距離手前の軌道を通過す
    る列車の車軸を検出可能な位置に設けられ、列車の車軸
    がそこを通過したとき検出信号を出力し、 第2の車軸検知器(P2a)は列車の車軸がそこを通過し
    たとき検出信号を出力し、第1の車軸検知器(P1a)よ
    りも停止制御を行う特定位置(P0)側に設けられかつ、
    第1の車軸検知器(P1a)と第2の車軸検知器(P2a)は
    列車に設けられた同一台車の車軸間隔よりも短い間隔を
    有する状態で配設され、 第1の送信器(21)は、第1の車軸検知器(P1a)に信
    号を供給し、 第2の送信器(22)は、第2の車軸検知器(P2a)に信
    号を供給し、 第1の受信器(31)は、第1の車軸検知器(P1a)から
    出力された検出信号を受信し、 第2の受信器(32)は、第2の車軸検知器(P2a)から
    出力された検出信号を受信し、 判定回路(51)は、第1の受信器(31)の出力信号が発
    生してから第2の受信器(32)の出力信号が発生するま
    での期間(t1,t4)、第1の受信器(31)の出力信号発
    生間隔(t2)、第2の受信器(32)の出力信号発生間隔
    (t3)のデータが全て得られるとき、列車先頭から車軸
    検知器(P1a、P2a)までの距離が車軸検知器(P1a、P2
    a)から停止制御を行う特定位置(P0)までの距離より
    短く、各車軸検出器を車軸が通過するときの速度(V1、
    V2,V3,V4)のいずれかがが規定速度(Vs)を越えたとき
    過走検知信号を外部装置へ出力し、 第1の受信器(31)の出力信号発生間隔(t2)または第
    2の受信器(32)の出力信号発生間隔(t3)のいずれか
    一方のデータしか得られないときは、列車先頭から車軸
    検知器(P1a、P2a)までの距離が車軸検知器(P1a、P2
    a)から停止制御を行う特定位置(P0)までの距離より
    短く、信号が発生している方の車軸検出器を車軸が通過
    するときの速度(V2,V3)が規定速度(Vs)を越えたと
    き過走検知信号を外部装置へ出力することを特徴とする
    列車停止制御装置。
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