JP2586723Y2 - クロスグルーブ型等速ジョイント - Google Patents
クロスグルーブ型等速ジョイントInfo
- Publication number
- JP2586723Y2 JP2586723Y2 JP1992068088U JP6808892U JP2586723Y2 JP 2586723 Y2 JP2586723 Y2 JP 2586723Y2 JP 1992068088 U JP1992068088 U JP 1992068088U JP 6808892 U JP6808892 U JP 6808892U JP 2586723 Y2 JP2586723 Y2 JP 2586723Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ball
- outer ring
- constant velocity
- velocity joint
- groove
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この考案は、自動車用駆動軸等に
用いられるクロスグルーブ型等速ジョイントの改良に関
する。
用いられるクロスグルーブ型等速ジョイントの改良に関
する。
【０００２】
【従来の技術】プロペラシャフトやドライブシャフト用
に用いられる等速ジョイントの１つとしてボールタイプ
のクロスグルーブジョイント（ＶＬ）が知られており、
例えば自動車前輪用のインボードや後輪用のインボード
及びアウトボード又はそのいずれか一方に摺動式等速ジ
ョイントとして使用されることがある。
に用いられる等速ジョイントの１つとしてボールタイプ
のクロスグルーブジョイント（ＶＬ）が知られており、
例えば自動車前輪用のインボードや後輪用のインボード
及びアウトボード又はそのいずれか一方に摺動式等速ジ
ョイントとして使用されることがある。
【０００３】上記等速ジョイントの一例として、取付部
の形状がクローズドエンド形のものを図４に示す。１は
内輪、２はケージ（保持器）、３はボール、４は外輪で
ある。この等速ジョイントをシャフト５に取り付けて使
用する場合、シャフト５の端を止め輪６で内輪１に固定
し、シャフト５の外周にはブーツアダプタ７とブーツ８
が装着される。ブーツアダプタ７は外輪４の開放側外周
端に加締めにより取り付けられている。９はＯ−リング
などのシール部材である。
の形状がクローズドエンド形のものを図４に示す。１は
内輪、２はケージ（保持器）、３はボール、４は外輪で
ある。この等速ジョイントをシャフト５に取り付けて使
用する場合、シャフト５の端を止め輪６で内輪１に固定
し、シャフト５の外周にはブーツアダプタ７とブーツ８
が装着される。ブーツアダプタ７は外輪４の開放側外周
端に加締めにより取り付けられている。９はＯ−リング
などのシール部材である。
【０００４】
【考案が解決しようとする課題】ところで上記ブーツア
ダプタは、等速ジョイントとして組立てた後、角度θを
必要以上に大きくとった時でもボールが外輪ボール溝や
内輪ボール溝から脱落しないように設けられている。図
５にθを大きくした時の状態を示し、図６に角度スライ
ド線図を示す。Ａは内輪とケージの干渉線、Ｂはボール
の脱落線、Ｅはボールとアダプタとの干渉線、Ｆはアダ
プタとシャフトとの干渉線である。
ダプタは、等速ジョイントとして組立てた後、角度θを
必要以上に大きくとった時でもボールが外輪ボール溝や
内輪ボール溝から脱落しないように設けられている。図
５にθを大きくした時の状態を示し、図６に角度スライ
ド線図を示す。Ａは内輪とケージの干渉線、Ｂはボール
の脱落線、Ｅはボールとアダプタとの干渉線、Ｆはアダ
プタとシャフトとの干渉線である。
【０００５】しかし、上述した従来のブーツアダプタ
は、形状が複雑でかつ寸法精度が厳しく、耐食性確保の
ための表面処理をしたり、あるいはこれに適する材質を
使用する必要があるためコスト高の要因となっている。
又、外輪との結合に加締めが必要なため専用設備が必要
であると共に作業工数も増大する。さらに、グリース油
分の漏洩を防止するためのＯ−リング等のシール部材も
必要である等のため増々コストがかかっている。
は、形状が複雑でかつ寸法精度が厳しく、耐食性確保の
ための表面処理をしたり、あるいはこれに適する材質を
使用する必要があるためコスト高の要因となっている。
又、外輪との結合に加締めが必要なため専用設備が必要
であると共に作業工数も増大する。さらに、グリース油
分の漏洩を防止するためのＯ−リング等のシール部材も
必要である等のため増々コストがかかっている。
【０００６】又、ブーツアダプタは鋼板製のものをプレ
ス成形で仕上げたものであり、シャフトとの干渉による
ストッパ機能を有しており、設計上は自動車等での使用
時にシャフトが所定以上の角度で作動しないように設計
されるが、万一オーバアングルで作動し強い力で干渉す
るとブーツアダプタの変形が生じ、ブーツとブーツアダ
プタの結合が不十分となりシール性を損なう可能性があ
る。
ス成形で仕上げたものであり、シャフトとの干渉による
ストッパ機能を有しており、設計上は自動車等での使用
時にシャフトが所定以上の角度で作動しないように設計
されるが、万一オーバアングルで作動し強い力で干渉す
るとブーツアダプタの変形が生じ、ブーツとブーツアダ
プタの結合が不十分となりシール性を損なう可能性があ
る。
【０００７】この考案は、上記のような従来のクロスグ
ルーブ型等速ジョイントにおける種々の問題に留意し
て、従来のブーツアダプタを省略してコスト低減を図
り、外輪にボール抜止手段を設けてボールの脱落を防止
すると共にシャフト作動角度範囲を広くして利用の便を
図った極めて汎用性に富むクロスグルーブ型等速ジョイ
ントを提供することを課題とする。
ルーブ型等速ジョイントにおける種々の問題に留意し
て、従来のブーツアダプタを省略してコスト低減を図
り、外輪にボール抜止手段を設けてボールの脱落を防止
すると共にシャフト作動角度範囲を広くして利用の便を
図った極めて汎用性に富むクロスグルーブ型等速ジョイ
ントを提供することを課題とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】この考案は、上記課題を
解決する手段として、内輪の外周に沿って設けた溝に嵌
合するボールを保持器で保持し上記溝とクロスする溝を
開口の内側周面に沿って設けてボールを案内する外輪と
を備え、内輪に連結されるシャフト外周を保護するブー
ツの端を外輪に取り付け、外輪の開口内の入口側内周に
サークリップをボール抜止手段として設けると共に外輪
奥側内周面上に肉盛部を設け、この肉盛部と上記サーク
リップをシャフト角度制限手段として成るクロスグルー
ブ型等速ジョイントの構成としたのである。
解決する手段として、内輪の外周に沿って設けた溝に嵌
合するボールを保持器で保持し上記溝とクロスする溝を
開口の内側周面に沿って設けてボールを案内する外輪と
を備え、内輪に連結されるシャフト外周を保護するブー
ツの端を外輪に取り付け、外輪の開口内の入口側内周に
サークリップをボール抜止手段として設けると共に外輪
奥側内周面上に肉盛部を設け、この肉盛部と上記サーク
リップをシャフト角度制限手段として成るクロスグルー
ブ型等速ジョイントの構成としたのである。
【０００９】
【作用】上記のように構成したこの考案の等速ジョイン
トでは、回転トルクの伝達は従来と同様にシャフトの軸
方向にスライド自在位置で行なわれる。しかし、ブーツ
アダプタは省略されているからコスト低減が図られ、構
成がシンプルとなっている。ブーツアダプタを省略した
代りにボール抜止手段が外輪に設けられているからボー
ルが脱落することはない。しかもその取付位置を限界位
置に設けることによってシャフト作動角度は従来より広
くなり、シャフト作動角度の設定範囲が拡大される。
又、シャフト角度制限手段としての肉盛部とサークリッ
プによって設定範囲を制限するようにしているから、作
動の確実性が得られる。
トでは、回転トルクの伝達は従来と同様にシャフトの軸
方向にスライド自在位置で行なわれる。しかし、ブーツ
アダプタは省略されているからコスト低減が図られ、構
成がシンプルとなっている。ブーツアダプタを省略した
代りにボール抜止手段が外輪に設けられているからボー
ルが脱落することはない。しかもその取付位置を限界位
置に設けることによってシャフト作動角度は従来より広
くなり、シャフト作動角度の設定範囲が拡大される。
又、シャフト角度制限手段としての肉盛部とサークリッ
プによって設定範囲を制限するようにしているから、作
動の確実性が得られる。
【００１０】
【実施例】以下この考案の実施例について図面を参照し
て説明する。図１は実施例のクロスグルーブ型等速ジョ
イントの主要断面図である。この等速ジョイントの基本
的な構成は従来と同様であり、同じ機能部材には同じ符
号を付して説明は省略する。
て説明する。図１は実施例のクロスグルーブ型等速ジョ
イントの主要断面図である。この等速ジョイントの基本
的な構成は従来と同様であり、同じ機能部材には同じ符
号を付して説明は省略する。
【００１１】しかし、この実施例では、従来のブーツア
ダプタは省略されており、ブーツ８の端は外輪４の開放
側外周端に直接装着されている。８ａはブーツバンドで
ある。その代わり、外輪４の内側の開口入口付近に設け
た溝にサークリップ１０が取り付けられている。又外輪
４の奥側内周面には肉盛部４ｘが設けられている。４ａ
は外輪ボール溝、４ｂは外輪ポケット部、４ｃは外輪内
径面である。
ダプタは省略されており、ブーツ８の端は外輪４の開放
側外周端に直接装着されている。８ａはブーツバンドで
ある。その代わり、外輪４の内側の開口入口付近に設け
た溝にサークリップ１０が取り付けられている。又外輪
４の奥側内周面には肉盛部４ｘが設けられている。４ａ
は外輪ボール溝、４ｂは外輪ポケット部、４ｃは外輪内
径面である。
【００１２】この実施例の等速ジョイントでは、入口側
のサークリップはボールの脱落を防止し、かつ奥側の肉
盛部４ｘと共にシャフトのスライドイン時の干渉ストッ
パーの役目をする。図２の（ａ）〜（ｃ）に作動状態を
示す。
のサークリップはボールの脱落を防止し、かつ奥側の肉
盛部４ｘと共にシャフトのスライドイン時の干渉ストッ
パーの役目をする。図２の（ａ）〜（ｃ）に作動状態を
示す。
【００１３】（ａ）、（ｂ）に示すようにスライドイン
した状態で角度をとっていくと、肉盛部４ｘにケージ２
が干渉しストッパーとなる。（ｃ）に示すように、スラ
イドアウト側はサークリップとボールが干渉することに
よりストッパーとなっているのが分る。
した状態で角度をとっていくと、肉盛部４ｘにケージ２
が干渉しストッパーとなる。（ｃ）に示すように、スラ
イドアウト側はサークリップとボールが干渉することに
よりストッパーとなっているのが分る。
【００１４】図３にボール脱落、ボールと奥側サークリ
ップの干渉限界などの領域を示す。ケージ２が外輪４の
中心位置にあるときを基準としてスライドイン、スライ
ドアウトしたときのそれぞれの限界領域を示している。
Ａは内輪とケージの干渉線、Ｂはボール脱落限界線、Ｃ
out はボールと入口側サークリップの干渉線、Ｃinはボ
ールと奥側肉盛部の干渉線である。
ップの干渉限界などの領域を示す。ケージ２が外輪４の
中心位置にあるときを基準としてスライドイン、スライ
ドアウトしたときのそれぞれの限界領域を示している。
Ａは内輪とケージの干渉線、Ｂはボール脱落限界線、Ｃ
out はボールと入口側サークリップの干渉線、Ｃinはボ
ールと奥側肉盛部の干渉線である。
【００１５】図から直ちに分るように、実際の車で使用
し得る領域は斜線部分の領域であり、一点鎖線より上の
三角形領域が従来例の場合よりも増加した領域である。
し得る領域は斜線部分の領域であり、一点鎖線より上の
三角形領域が従来例の場合よりも増加した領域である。
【００１６】
【効果】以上詳細に説明したように、この考案のクロス
グルーブ型等速ジョイントは回転トルクを従来と同様に
伝達し、外輪の開口入口側にサークリップをボール抜止
手段として設け、かつ外輪奥側内周面上の肉盛部と入口
側のサークリップをシャフト角度制限手段として設ける
ことによって、シャフトの角度を大きくとったときでも
これによってボールの脱落が防止され、作動範囲が拡大
されかつ作動の確実性が得られると共にブーツアダプタ
を省略できるためコスト低減の可能な等速ジョイントが
得られる。
グルーブ型等速ジョイントは回転トルクを従来と同様に
伝達し、外輪の開口入口側にサークリップをボール抜止
手段として設け、かつ外輪奥側内周面上の肉盛部と入口
側のサークリップをシャフト角度制限手段として設ける
ことによって、シャフトの角度を大きくとったときでも
これによってボールの脱落が防止され、作動範囲が拡大
されかつ作動の確実性が得られると共にブーツアダプタ
を省略できるためコスト低減の可能な等速ジョイントが
得られる。
【図１】実施例の等速ジョイントの主要断面図
【図２】同上の作動の説明図
【図３】作動範囲の説明図
【図４】従来例の等速ジョイントの主要断面図
【図５】作動の説明図
【図６】作動範囲の説明図
１ 内輪 ２ ケージ ３ ボール ４ 外輪 ４ａ 外輪ボール溝 ４ｂ 外輪ポケット部 ４ｃ 外輪内径面 ４ｘ 肉盛部 ５ シャフト ６ 止め輪 ８ ブーツ １０ サークリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−76322（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−272511（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−156722（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−65928（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭44−22842（ＪＰ，Ｂ１) 特公 昭56−48740（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) F16D 3/20 - 3/229
Claims (1)
- 【請求項１】 内輪の外周に沿って設けた溝に嵌合する
ボールを保持器で保持し上記溝とクロスする溝を開口の
内側周面に沿って設けてボールを案内する外輪とを備
え、内輪に連結されるシャフト外周を保護するブーツの
端を外輪に取り付け、外輪の開口内の入口側内周にサー
クリップをボール抜止手段として設けると共に外輪奥側
内周面上に肉盛部を設け、この肉盛部と上記サークリッ
プをシャフト角度制限手段として成るクロスグルーブ型
等速ジョイント。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1992068088U JP2586723Y2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | クロスグルーブ型等速ジョイント |
| KR1019930019848A KR940007396A (ko) | 1992-09-30 | 1993-09-27 | 교차 홈 타입의 등속회전 조인트 |
| DE4333016A DE4333016A1 (de) | 1992-09-30 | 1993-09-28 | Homokinetisches Gelenk mit Rillenverschränkung |
| FR9311603A FR2696218B1 (fr) | 1992-09-30 | 1993-09-29 | Joint homocinetique du type a gorges croisees. |
| GB9320031A GB2271162B (en) | 1992-09-30 | 1993-09-29 | Cross-groove type homokinetic joint |
| US08/680,707 US5632683A (en) | 1992-09-30 | 1996-07-17 | Homokinetic joint having ball retaining structure |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1992068088U JP2586723Y2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | クロスグルーブ型等速ジョイント |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0632756U JPH0632756U (ja) | 1994-04-28 |
| JP2586723Y2 true JP2586723Y2 (ja) | 1998-12-09 |
Family
ID=13363639
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1992068088U Expired - Lifetime JP2586723Y2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | クロスグルーブ型等速ジョイント |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2586723Y2 (ja) |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5648740A (en) * | 1979-09-28 | 1981-05-02 | Hitachi Ltd | Loop-system data transmitter |
| JPS5776322A (en) * | 1980-10-30 | 1982-05-13 | Loehr & Bromkamp Gmbh | Synchronous rotary coupling |
| JPH0165928U (ja) * | 1987-10-20 | 1989-04-27 | ||
| JPH04272511A (ja) * | 1991-02-28 | 1992-09-29 | Toyoda Mach Works Ltd | 抜け止め装置 |
-
1992
- 1992-09-30 JP JP1992068088U patent/JP2586723Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0632756U (ja) | 1994-04-28 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
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| EXPY | Cancellation because of completion of term |