JP2586034B2 - 無段変速装置 - Google Patents

無段変速装置

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JP2586034B2
JP2586034B2 JP62078847A JP7884787A JP2586034B2 JP 2586034 B2 JP2586034 B2 JP 2586034B2 JP 62078847 A JP62078847 A JP 62078847A JP 7884787 A JP7884787 A JP 7884787A JP 2586034 B2 JP2586034 B2 JP 2586034B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、産業機械や車両等、各種の産業分野で広く
利用可能な無段変速装置に関するものである。
[従来の技術] 流体ポンプ/モータを用いた無段変速装置として、い
わゆる流体圧伝動装置(HST)が知られている。しかし
ながら、このものは、無段変速性に優れてはいるが、効
率が必ずしも良くなく、速度範囲も満足のいくものでは
ない。そのため、かかるHSTと差動歯車機構とを併用
し、動力の伝達をHSTと差動歯車機構とに分担させるこ
とにより、前記HSTの無段変速性と、歯車伝動の高効率
性とを共に発揮させ得るようにした無段変速装置(HM
T)が開発されている{参考文献、油圧工学(石原智男
編 朝倉書房)、ピストンポンプモータの理論と実際
(石原貞男 コロナ社)}。すなわち、この無段変速装
置は、第1、第2、第3の入出力端を有しその第1の入
出力端と第2の入出力端との間を通過する低速側の機械
式伝動系ならびに第1の入出力端と第3の入出力端との
間を通過する高速側の機械式伝動系を形成する差動歯車
機構と、この差動歯車機構の第2の入出力端に一方の流
体ポンプ/モータの入出力軸を接続するとともに前記第
3の入出力端に他方の流体ポンプ/モータの入出力軸を
接続しこれら両ポンプ/モータによって可変速の流体式
伝動系を形成する無段変速機構と、前記低速側の機械式
伝動系の伝動端を入力側または出力側に設けた共通回転
要素に接離させる低速側のクラッチと、前記高速側の機
械式伝動系の伝動端を前記共通回転要素に接離させる高
速側のクラッチとを具備してなり、前記両クラッチを背
反的に切換えることによって、低速モードまたは高速モ
ードのいずれかを選択し得るように構成されている。そ
して、従来、前記クラッチとして、油圧等により切替え
られる乾式あるいは湿式の多板クラッチが使用されてい
る。
[発明が解決しようとする問題点] ところが、多板クラッチは、部品点数が多く嵩高いも
のになりがちである。そのため、かかるクラッチをモー
ド切替部分に組込むと、装置全体の小形、軽量化が難し
くなるという問題がある。また、この種のクラッチは、
面積の大きなクラッチ板同士の滑りを利用して動力の伝
達状態を円滑に切換えるようにしたものであるため、切
換時のエネルギ損失が大きい。そして、このようなもの
ではクラッチ板の摩耗が生じ易いため、メンテナンスに
手間がかかるという不具合もある。
さらに、このようなもので、モード切替時のショック
をなくすためには、高速クラッチおよび低速クラッチ双
方の伝達トルク(コントロール油圧)を相互に時間的に
微妙にコントロールする必要があり、このための試行錯
誤的調整を要する。そして、切替時のハーフクラッチに
よる発熱、摩耗や油湿(粘度)変化による調整ずれなど
の問題が発生する。また、このようなものでは、トルク
やスピードが大巾に変化する走行条件のすべてに対して
最適な条件をみこすことが困難であるという問題もあ
る。
本発明は、以上のような問題点をことごとく解消する
ことを目的としている。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、このような目的を達成するために、次のよ
うな構成を採用したものである。
すなわち、本発明に係る無段変速装置は、第1、第
2、第3の入出力端を有しその第1の入出力端と第2の
入出力端との間を通過する低速側の機械式伝動系ならび
に第1の入出力端と第3の入出力端との間を通過する高
速側の機械式伝動系を形成する差動歯車機構と、この差
動歯車機構の第2の入出力端に一方の入出力端を接続す
るとともに前記第3の入出力端に他方の入出力端を接続
した無段変速機構と、スリーブの嵌脱により前記低速側
の機械式伝動系の伝動端を入力側または出力側に設けた
共通回転要素に接離させる低速側のシンクロメッシュ式
動力断続機構と、スリーブの嵌脱により前記高速側の機
械式伝動系の伝動端を前記共通回転要素に接離させる高
速側のシンクロメッシュ式動力断続機構と前記スリーブ
を実際に作動するまで嵌方向またはは脱方向に押圧し続
けて前記動力断続機構の嵌脱状態を切替える切替機構と
を具備してなることを特徴とするものである。
なお、前記シンクロメッシュ式動力断続機構として
は、例えば、車両用のトランスミッションに使用されて
いるイナーシャロック形のものや、コンスタントロード
形のものが適用可能である。
[作用] このような構成のものであれば、低速モードでは、差
動歯車機構の第1の入出力端と第2の入出力端との間を
通過する低速側の機械式伝動系の伝動端が低速側のシン
クロメッシュ式動力断続機構を介して出力側または入力
側に設けた共通回転要素に接続され、入力される動力の
一部がこの低速側の機械式伝動系を通して直接に出力さ
れる。また、残りの動力は、流体伝動機構により形成さ
れる流体伝動系を通して出力側へ導かれる。
また、高速モードでは、差動歯車機構の第1の入出力
端と第3の入出力端との間を通過する高速側の機械式伝
動系の伝動端が高速側のシンクロメッシュ式動力断続機
構を介して前記共通回転要素に接続され、入力される動
力の一部がこの高速側の機械式伝動系を通して直接に出
力される。また、残りの動力は、流体伝動機構により形
成される流体伝動系を通して出力側へ導かれる。
そして、前記低速モードから前記高速モードへの切替
えは、次のようにして行われる。すなわち、低速側のシ
ンクロメッシュ式動力断続機構のみがつながっている状
態で、高速側の機械式伝動系の伝動端の回転速度が低速
側の機械式動力伝動系の伝動端の回転速度に近付いた際
に、高速側のシンクロメッシュ式動力断続機構に接続す
べき旨の操作を加える。
すなわち、まず、切替機構により高速側の動力断続機
構のスリーブを嵌方向に適度の力で押圧し続け待機す
る。そうすると、動力断続機構のシンクロナイザーリン
グの作用により前記両伝動端の回転速度が等しくなった
瞬間に前記スリーブが嵌方向に移行し、その高速側のシ
ンクロメッシュ式動力断続機構が自動的に接続状態とな
り、高速側の機械式動力伝動系の伝動端が共通回転要素
に連結される。しかる後に、いずれかのシンクロメッシ
ュ式動力断続機構を非接続状態に切替えるには、まず、
脱にすべき動力伝達機構のスリーブを切替機構により脱
方向に適度の力で押圧し続けて待機し、ついで、その動
力断続機構の伝達トルクを減少させる方向に前記無段変
速機構の変速比を補正する。そうすると、当該動力断続
機構の伝達トルクが略零になった瞬間にスリーブが脱方
向に移行しトルクの伝達が断たれる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
本発明に係る無段変速装置は、第1図に概略的に示す
ように、第1、第2、第3の入出力端1、2、3を有
し、その第1の入出力端1と第2の入出力端2との間を
通過する低速側の機械式伝動系aならびに第1の入出力
端1と第3の入出力端3との間を通過する高速側の機械
式伝動系bを形成する差動歯車機構4と、この差動歯車
機構4の第2の入出力端2にギャ5、6を介して一方の
流体ポンプ/モータ7の入出力軸7a(一方の入出力端)
を接続するとともに前記第3の入出力端3に他方の流体
ポンプ/モータ8の入出力軸8a(他方の入出力端)をギ
ャ9、11を介して接続しこれら両ポンプ/モータ7、8
によって可変速の流体式伝動系A、Bを形成する無段変
速機構12と、前記低速側の機械式伝動系aの伝動端を共
通回転要素たるセンターボス13に接離させる低速側のシ
ンクロメッシュ式動力断続機構14と、前記高速側の機械
式伝動系bの伝動端を前記センターボス13に接離させる
高速側のシンクロメッシュ式動力断続機構15とを具備し
ている。そして、センターボス13をギャ16および17を介
して出力軸18に接続している。
差動歯車機構4は、円周方向に等配に設けた複数のプ
ラネタリギャ21の内側にサンギャ22を配設するととも
に、外側にリングギャ23を噛合させてなる遊星歯車式の
ものである。そして、前記各プラネタリギャ21を軸承す
るギャリテーナ24の中心を前記第1の入出力端1とし、
この入出力端1に動力源19に接続される入力軸25を設け
ている。また、前記サンギャ22の支持シャフト22aの先
端を前記第2の入出力端2とし、この入出力端2に前記
ギャ5を固着している。さらに、前記リングギャ23のボ
ス部23aの先端を前記第3の入出力端3とし、この入出
力端3に前記ギャ9を設けている。しかして、前記低速
側の機械式伝動系aは、前記プラネタリギャ21、サンギ
ャ22、ギャ5、ギャ6、ギャ28およびギャ29により構成
されており、最後のギャ29のボス部29aが、該機械式伝
動系aの伝動端としての役割を担っている。一方、前記
高速側の機械式伝動系bは、前記プラネタリギャ21とリ
ングギャ23とから構成されており、前記リングギャ23の
ボス部23aが該機械式伝動系bの伝動端としての役割を
なしている。
また、前記無段変速機構12は、可変容量形の流体ポン
プ/モータ7と、可変容量形の流体ポンプ/モータ8と
を通常のHSTと同様な液圧回路31を介して直列に接続し
たものであり、前記流体ポンプ/モータ7の入出力軸7a
を前記サンギャ22の支持シャフト22aにギャ6、5を介
して接続するとともに、前記流体ポンプ/モータ8の入
出力軸8aをギャ11、9を介して前記リングギャ23に連結
している。なお、32は前記液圧回路31に接続されたブー
ストポンプである。
さらに、低速側のシンクロメッシュ式動力断続機構14
は、いわゆるイナーシャロック形のもので、前記センタ
ーボス13の一端と、前記低速側の機械式伝動系aの伝動
端をなすギャ29のボス部29aとの間に、ドッグギャ41
と、シンクロナイザリング42とを配設している。ドッグ
ギャ41は、前記ギャ29のボス部29aに固着されており、
その外周に尖端部41bを前記センターボス13方向に向け
た歯41aを有している。このドッグギャ41のボス部外周
には、センターボス13に向かって漸次小径となるコーン
クラッチ面41cが形成されており、このコーンクラッチ
面41cに前記シンクロナイザリング42を摺動可能に嵌合
させている。シンクロナイザリング42は、その外周に尖
端部42bをセンターボス13に向けた歯42aを有しており、
その端面複数箇所に凹陥部42cが形成されている。一
方、センターボス13の外周には、前記ドッグクラッチ41
の歯41aおよびシンクロナイザリング42の歯42aと同一の
有効径およびピッチを有したスプライン43が形成されて
おり、このスプライン43にスリーブ44の内周に刻設した
スプライン45を軸心方向に摺動可能に噛合させている。
また、このセンターボス13の前記凹陥部42cに対応する
部位には、その端面に開口する切欠溝46が設けられてお
り、これら各切欠溝46にシンクロナイザキー47がそれぞ
れ係合させてある。なお、シクロナイザキー47の幅寸法
は、前記切欠溝46の周方向の開口幅寸法と略等しい値に
設定されている。したがって、これら各シンクロナイザ
キー47は、センターボス13の軸心方向および径方向にの
み摺動可能となっている。各シンクロナイザキー47は、
スプリング48により外方に付勢されており、その先端は
前記シンクロナイザリング42の凹陥部42cに挿入されて
いる。各シンクロナイザキー47の外面には凸部47aが設
けてあり、その凸部47aが前記スリーブ44のスプライン4
5の内周に設けた浅い凹部45aに弾性的に係合させてあ
る。なお、前記スリーブ44の外周には環状溝44aが形成
されており、この環状溝44aに後述する切替機構61のシ
フタ62が係合させてある。
このシンクロメッシュ式動力断続機構14の作動を説明
すれば次のようである。第2図および第3図に示す解放
位置では、スリーブ44に設けられたスプライン45の凹部
45aとシンクロナイザキー47の凸部47aとが係合してお
り、該シンクロナイザキー47の先端はシンクロナイザリ
ング42の凹陥部42cに遊嵌している。この状態から、ス
リーブ44を後述する低速側の切替機構61により図中右方
(嵌方向)に付勢し続けることにより切替動作を行わせ
ることができる。すなわち、前記切替機構61の付勢力に
よりスリーブ44をシンクロナイザリング42方向に移動さ
せると、まず、シンクロナイザキー47の先端がシンクロ
ナイザリング42の凹陥部42cの端面42dに当接し(第4図
参照)、このシンクロナイザリング42をドッグギャ41の
コーンクラッチ面41cに押付けることになる。その結
果、前記シンクロナイザリング42が摩擦によりドッグギ
ャ41に追従しようとする。その状態からさらに前記スリ
ーブ44が図中右方に移動させられると、前記シンクロナ
イザキー42の凸部47aがこのスリーブ44の内周に設けた
凹部45aから外れ、このシンクロナイザキー47がスリー
ブ44の内周により内方に押圧される。そのため、前記シ
ンクロナイザキー47がさらにドッグギャ41のコーンクラ
ッチ面41cに押付けられることになり、このシンクロナ
イザリング42とドッグギャ41との間に強力な相対摩擦力
が働くことになる。したがって、前記シンクロナイザリ
ング42がセンターボス13に対して最も相対偏位した位
置、すなわち、凹陥部42cの内側面がシンクロナイザキ
ー47の側面に当接する位置にまで付勢される(第5図参
照)。そして、この位置では、スリーブ44のスプライン
45の尖端部45bを形成する斜面と、前記シンクロナイザ
リング42の歯42aの尖端部42bを形成する斜面とが当接
し、スリーブ44がそれ以上図中右方へ前進するのを阻止
している。この状態で、前記ドッグギャ41と前記センタ
ボス13との相対的な回転速度差が減少してくると、この
ドッグギャ41のコーンクラッチ面41cから前記シンクロ
ナイザリング42に作用していた摩擦力が減少することに
なる。そのため、前記ドッグギャ41と前記センタボス13
との回転が略同期してその摩擦力が略消滅した段階で、
前記スリーブ44が尖端部42b、45bの斜面の案内作用によ
ってシンクロナイザリング42を摩擦力により偏位してい
た方向と逆の方向に押退けることが可能となり、スリー
ブ44が前進してそのスプライン45が前記ドッグギャ41の
歯41aに噛合することになる(第6図参照)。
一方、高速側のシンクロメッシュ式動力断続機構15
は、前記センターボス13の他端と、前記高速側の機械式
伝動系bの伝動端をなすリングギャ23のボス部23aとの
間に、ドッグギャ51と、シンクロナイザリング52とを配
設している。ドッグギャ51は、前記リングギャ23のボス
部23aに固着されており、その外周に尖端部51bを前記セ
ンターボス13方向に向けた歯51aを有している。このド
ッグギャ51のボス部外周には、センターボス13に向かっ
て漸次小径となるコーンクラッチ面51cが形成されてお
り、このコーンクラッチ面51cに前記シンクロナイザリ
ング52を摺動可能に嵌合させている。シンクロナイザリ
ング52は、その外周に尖端部52bをセンターボス13に向
けた歯52aを有しており、その端面複数箇所に凹陥部52c
が形成されている。一方、センターボス13の外周には、
前記ドッグクラッチ51の歯51aおよびシンクロナイザリ
ング52の歯52aと同一の有効径およびピッチを有したス
プライン53が形成されており、このスプライン53にスリ
ーブ54の内周に刻設したスプライン55を軸心方向に摺動
可能に噛合させている。また、このセンターボス13の前
記凹陥部52cに対応する部位には、その端面に開口する
切欠溝56が設けられており、これら各切欠溝56にシンク
ロナイザキー57がそれぞれ係合させてある。なお、シン
クロナイザキー57の幅寸法は、前記切欠溝56の周方向の
開口幅寸法と略等しい値に設定されている。したがっ
て、これら各シンクロナイザキー57は、センターボス13
の軸心方向および径方向にのみ摺動可能となっている。
各シンクロナイザキー57は、スプライン58により外方に
付勢されており、その先端は前記シンクロナイザリング
52の凹陥部52cに挿入されている。各シンクロナイザキ
ー57の外面には凸部57aが設けてあり、その凸部57aが前
記スリーブ54のスプライン55の内周に設けた浅い凹部55
aに弾性的に係合させてある。なお、前記スプライン54
の外周には環状溝54aが形成されており、この環状溝54a
に後述する切替機構71のシフタ72が係合させてある。
すなわち、この高速用のシンクロメッシュ式動力断続
機構15も、後述する高速側の切替機構により付勢され、
前記低速用のものと同様な作用を営んで、動力の断続を
行う。
次いで、前述した両切替機構61、71の構成を説明す
る。
まず、低速側の切替機構61は、先端部を低速側のシン
クロメッシュ式動力断続機構14のスリーブ44に係合させ
たシフタ72と、このシフタ72の基端部を保持して前記ス
リーブ44の軸心と平行な方向に進退可能なスライドシャ
フト63と、このスライドシャフト63を図中左方(脱方
向)に付勢するスプリング64と、前記スライドシャフト
63を図中右方(嵌方向)に付勢するための油圧アクチュ
エータ65とを具備してなる。油圧アクチュエータ65は、
前記スライドシャフト63を保持するケーシング壁49に該
スライドシャフト63よりも大径なシリンダボア66を形成
し、このシリンダボア66の内周に前記スライドシャフト
63に一体に形成したピストン67をスライド可能に嵌合さ
せたもので、そのシリンダボア66内に形成される圧力室
68をソレノイドバルブ69を介してタンク91又は定圧油圧
源92に選択的に接続し得るようになっている。
また、高速側の切替機構71は、先端部を高速側のシン
クロメッシュ式動力断続機構15のスリーブ54に係合させ
たシフタ62と、このシフタ62の基端部を保持して前記ス
リーブ54の軸心と平行な方向に進退可能なスライドシャ
フト73と、このスライドシャフト73を図中右方(脱方
向)に付勢するスプリング74と、前記スライドシャフト
73を図中左方(嵌方向)に付勢するための油圧アクチュ
エータ75とを具備してなる。油圧アクチュエータ75は、
前記スライドシャフト73を保持するケーシング壁49に該
スライドシャフト73よりも大径なシリンダボア76を形成
し、このシリンダボア76の内周に前記スライドシャフト
73に一体に形成したピストン77をスライド可能に嵌合さ
せたもので、そのシリンダボア76内に形成される圧力室
78をソレノイドバルブ79を介してタンク91又は定圧油圧
源92に選択的に接続し得るようになっている。
なお、81、82は前記スライドシャフト63、73の端部に
設けたマグネット、83、85はマグネット81、82の接近を
感知して切替わる脱位置検出用のリードスイッチ、84、
86は、同じくマグネット81、82の接近を感知して切替わ
る嵌位置検出用のリードスイッチである。
また、図中87は、低速側の機械式伝動系aの伝動端の
回転速度を検出するための回転速度検出器、88は高速側
の機械式伝動系bの伝動端の回転速度を検出するための
回転速度検出器である。
次いで、この無段変速装置全体の作動を説明する。
スリーブ44を嵌位置に保持して低速用のシンクロメッ
シュ式動力断続機構14を接続状態にし、スリーブ54を脱
位置に保持して高速用のシンクロメッシュ式動力断続機
構15を解放状態にした低速モードでは、前記差動歯車機
構4の第1の入出力端1と第2の入出力端2との間を通
過する低速側の機械式伝動系aを介して入力側と出力側
とが直結され、入力された動力の一部がこの機械式伝動
系aを通して出力軸18に直接に伝達される。このとき、
第7図に示すように、前記一方の流体ポンプ/モータ7
はモータとして機能し、前記他方の流体ポンプ/モータ
8はポンプとして働く。すなわち、前記差動歯車機構4
の第3の入出力端3の回転力が前記両ポンプ/モータ
7、8間に形成される流体式伝動系Aを通して前記出力
軸18に伝えられる。そして、この低速モードにおいて
は、前記他方の流体ポンプ/モータ8のポンプ容量を増
加させていき、その容量が最大になった後は、前記一方
の流体ポンプ/モータ7のモータ容量を漸次減少させて
いくことによって、前記入力軸25の回転に対する前記出
力軸18の回転速度が増大していくことになる。換言すれ
ば、前記他方の流体ポンプ/モータ8の容量が零の場合
には、差動歯車機構4の第3の入出力端3が略空転状態
になるため、該差動歯車機構4の第2の入出力端2に接
続した出力軸18は略停止している。そして、前記流体ポ
ンプ/モータ8の容量を増大させていくのにともなっ
て、前記第3の入出力端3の回転速度が相対的に減少
し、第2の入出力端2の回転速度が相対的に増大してい
くことになる。
そして、前記低速側の機械式伝動系aの伝動端に接続
されたドッグギャ41と、高速側の機械式伝動系bの伝動
端に接続されたドッグギャ51との速度が略等しくなった
時点で、後述するような切替動作が実行され高速モード
に切替わる。
この高速モードでは、前記差動歯車機構4の第1の入
出力端1と第3の入出力端3との間を通過する機械式伝
動系bが形成され、入力された動力の一部がこの機械式
伝動系bを通して出力軸18に直接に伝達される。このと
き第7図に示すように、前記一方の流体ポンプ/モータ
7はポンプとして機能し、前記他方の流体ポンプ/モー
タ8はモータとして働く。すなわち、前記差動歯車機構
4の第2の入出力端2の回転力が前記一方の流体ポンプ
/モータ7と前記他方の流体ポンプ/モータ8との間に
形成される流体式伝動系Bを通して前記出力軸18に伝え
られる。そして、この高速モードにおいては、前記一方
の流体ポンプ/モータ7のポンプ容量を漸増させ、その
容量が最大になった後は他方の流体ポンプ/モータ8の
モータ容量を漸減させていくことによって、前記入力軸
25の回転速度に対する前記出力軸18の回転速度が増大し
ていくことになる。
ここで、低速モードから高速モードへ切替わる際の作
動を説明する。ソレノイドバルブ69を励磁位置Iにして
スライドシャフト63を嵌位置に保持するとともに、ソレ
ノイドバルブ79を非励磁位置IIにしてスライドシャフト
73を脱位置に保持している場合には、低速側のシンクロ
メッシュ式動力断続機構14が接続状態にあり、高速側の
シンクロメッシュ式動力断続機構15が解放状態にある。
このような低速モードにおいて、低速側のドッグギャ41
の回転速度R1が高速側のドッグギャ51の回転速度R2に近
くなってその差が設定値R0よりも小さくなったのを回転
速度検出器87、88により検出した場合に、ソレノイドバ
ルブ79を励磁位置Iに切替えて油圧アクチュエータ5の
圧力室78内に圧液を導入し、スリーブ54を嵌方向(図中
左方)に押圧したままで待機する。それによって、前述
した同期作用が営まれ、低速側のドッグギャ41と一体に
回転するセンターボス13に、前記高速側のドッグギャ51
が同期した時点で、高速側のスリーブ54のスプライン55
が高速側のドッグギャ51の歯51aに噛合する。すなわ
ち、高速側のシンクロメッシュ式動力断続機構15が接続
状態となる。この状態をリードスイッチ86が閉じること
により検知する。そして、前記両動力断続機構15が双方
共に嵌であるのをリードスイッチ84、86により確認し、
しかる後に、ソレノイドバルブ69を非励磁位置IIに切替
えて油圧力を消勢させ、スプライン64の付勢力によりス
リーブ44を脱方向(図中左方)に押圧して待機する。こ
の状態で流体ポンプ/モータ7の押し除け容積を増方向
に補正する。その結果、スリーブ44とドッグギャ41との
間の伝達トルクが減少し、その値が略零になった瞬間に
スプリングの付勢力がスリーブ44とドッグギャ41との契
合力に打勝つことになる。そのため、スリーブ44が脱方
向(図中左方)に移動し、低速側のシンクロメッシュ式
動力断続機構14が解放状態となる。これにより第3図に
示すように、高速側のシンクロメッシュ式動力断続機構
15のみが接続状態となり、高速モードとなる。そして、
これをリードスイッチ83の閉動作により感知することが
できる。
高速モードから低速モードに移行する際には、以上の
経過を逆にたどればよい。すなわち、まず、ソレノイド
バルブ69を励磁位置Iに切替えてスリーブ44を嵌方向
(図中右方)に押圧し待機する。そうすると、スリーブ
44とドッグギャ41との速度が一致した瞬間にスリーブ44
が嵌位置まで移行し低速側のシンクロメッシュ式動力断
続機構14が接続状態となる。それに伴って、リードスイ
ッチ84が閉となる。動力断続機構14、15が双方共に接続
状態であるのをリードスイッチ84、86により確認した後
に、ソレノイドバルブ79を非励磁位置に切替えて待機す
る。そして、流体ポンプ/モータ7の容積を減方向に補
正する。その結果、スリーブ51とドッグクラッチ51との
間のトルクが減少し、その値が略零になった瞬間にスプ
リング74の付勢力によりスリーブ54が脱方向(図中右
方)に移行し、高速側のシンクロメッシュ式動力断続機
構15が解放状態となる。そして、これをリードスイッチ
85の閉動作により検知することができる。
このようにして、低速モードと高速モードとの切替え
を行うことができるわけであるが、この装置は、その切
替部分に多板クラッチよりも遥かに部品点数が少なく構
造の簡単なシンクロメッシュ式の動力断続機構14、15を
用いている。そのため、装置全体の小形軽量化を図るこ
とができる。また、シンクロメッシュ式動力断続機構1
4、15は多板クラッチよりも部品の摩耗が少なく、メン
テナンスが容易である。そして、多板クラッチのように
多くのクラッチ板同士を滑らせながら接続するというよ
うな微妙な操作が不要である。そのため、スリーブを所
要方向に押圧し続けるようにした簡単な切替機構61、71
により確実に切替えることができるとともに、切替時の
エネルギ損失を効果的に抑制することができる。
しかも、シンクロメッシュ式動力断続機構14、15と前
述した切替機構61、71とを組み合わせたものであれば、
センターボス13と各伝動系の伝動端23a、29aとの回転速
度が接近したのを検出して前記切替機構61、71を作動さ
せ、そのスリーブ44、54を所要方向に付勢し続けている
だけで確実にモードの切替えを行うことができる。その
ため、単なるドッグクラッチを用いた場合のように、流
体ポンプ/モータの容量を高精度に制御してセンターボ
スと各伝動系の伝動端との回転速度が正確に一致した瞬
間に切替操作をしなければならないというような制約も
ない。そのため、比較的精度の低い安価な回転速度検出
器を用いて所望の切替制御を不具合なく行うことができ
るものである。
なお、シンクロメッシュ式動力断続機構の構成は、前
記のものに限定されるものではなく、コンスタントロー
ド形のものを用いる等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲
で種々変形が可能である。
また、差動歯車機構も、前記のような遊星歯車式のも
のに限られない。
さらに、無段変速機構も、前記実施例のようなHST方
式のものに限定されるものではなく、例えば、トラクシ
ョンドライブ方式のものやベルト方式のもの等であって
もよい。
また、前記実施例では、入力側に差動歯車機構を配し
た入力分配方式のものについて説明したが、本発明は、
出力分配方式のものにも同様に適用が可能である。
[発明の効果] 本発明は、以上のような構成であるから、次のような
効果が得られる。
まず、嵩の高い多板ディスク等が不要であるため、小
形軽量化が可能である上にメンテナンスが容易である。
また、ハーフクラッチ的な制御が不要になり、精度の
高い制御機器類を用いることなしに、円滑で無理のない
モード切替えを行うことができる。そのため、試行錯誤
的な調整を要求されることがない上に、油湿等の変化に
起因する調整ずれなどを招くことがない。
さらに、シンクロメッシュ式動力断続機構と、この機
構の特性にマッチした切替機構とを組み合わせて使用し
ているので、高精度の回転速度検出器等を用いることな
しに、モードの切替えを確実に行うことが可能であり、
また、トルクやスピードが大幅に変化する走行条件の下
でも常にショックのない理想的な切替動作を営ませるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示し、第1図は系路説明図、
第2図はシンクロメッシュ式動力断続機構および切替機
構部分を示す断面図、第3図はシンクロメッシュ式動力
断続機構のシンクロナイザキー配設部分を拡大して示す
部分断面図、第4図〜第6図は作用説明図、第7図は制
御パターンを示す説明図である。 1…第1の入出力端、2…第2の入出力端 3…第3の入出力端、4…差動歯車機構 12…無段変速機構 13…共通回転要素(センターボス) 14…シンクロメッシュ式動力断続機構 15…シンクロメッシュ式動力断続機構 23a…伝動端(ボス部) 29a…伝動端(ボス部) 61…低速側の切替機構 71…高速側の切替機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−136570(JP,A) 特開 昭50−22167(JP,A) 特開 昭60−139920(JP,A) 実開 昭61−142946(JP,U) 石原智男編「油圧工学」朝倉書店 石原貞夫「ピストンポンプモータの理 論と実際」コロナ社 社団法人自動車技術会編「新編自動車 工学ハンドブック」図書出版社第5版

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1、第2、第3の入出力端を有しその第
    1の入出力端と第2の入出力端との間を通過する低速側
    の機械式伝動系ならびに第1の入出力端と第3の入出力
    端との間を通過する高速側の機械式伝動系を形成する差
    動歯車機構と、この差動歯車機構の第2の入出力端に一
    方の入出力端を接続するとともに前記第3の入出力端に
    他方の入出力端を接続した無段変速機構と、スリーブの
    嵌脱により前記低速側の機械式伝動系の伝動端を入力側
    または出力側に設けた共通回転要素に接離させる低速側
    のシンクロメッシュ式動力断続機構と、スリーブの嵌脱
    により前記高速側の機械式伝動系の伝動端を前記共通回
    転要素に接離させる高速側のシンクロメッシュ式動力断
    続機構と、前記スリーブを実際に作動するまで嵌方向ま
    たはは脱方向に押圧し続けて前記動力断続機構の嵌脱状
    態を切替える切替機構とを具備してなることを特徴とす
    る無段変速装置。
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EP87117178A EP0272461B1 (en) 1986-11-21 1987-11-20 Nonstep speed change gear
US07/123,478 US5071391A (en) 1986-11-21 1987-11-20 Stepless speed changing hydrostatic transmission
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EP0469451B1 (en) * 1990-07-25 1997-02-05 CLARK-HURTH COMPONENTS S.p.A. Three-shaft gearbox particularly for industrial vehicles in general
IT1245204B (it) * 1991-03-15 1994-09-13 Fritz Carl Anton Hurth Cambio di velocita' a motori idrostatici particolarmente per macchine movimento terra
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Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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石原智男編「油圧工学」朝倉書店
石原貞夫「ピストンポンプモータの理論と実際」コロナ社
社団法人自動車技術会編「新編自動車工学ハンドブック」図書出版社第5版

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