JP2584553B2 - チタン材の切削加工方法 - Google Patents

チタン材の切削加工方法

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JP2584553B2
JP2584553B2 JP3164206A JP16420691A JP2584553B2 JP 2584553 B2 JP2584553 B2 JP 2584553B2 JP 3164206 A JP3164206 A JP 3164206A JP 16420691 A JP16420691 A JP 16420691A JP 2584553 B2 JP2584553 B2 JP 2584553B2
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titanium material
cutting
titanium
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heat treatment
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健治 森田
英明 深井
利夫 崎山
博義 末永
吉治 木田
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JFE Engineering Corp
Showa Seiko KK
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Nippon Kokan Ltd
Showa Seiko KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、チタン材の切削加工
方法に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】チタン材
は、軽量で強度が高く、また耐熱性、耐食性にも優れて
いるため、宇宙航空用構造材料や化学工業材料から、眼
鏡、時計のフレ−ム、装飾品等の民生用品まで広い用途
を有している。しかし、チタン材は、このような優れた
特性を有していながら、鉄鋼、アルミニウム、及び銅の
ように需要が大きく伸びていないのが現状である。これ
は、チタン材が高価格であるという問題に加えて、切削
加工が困難である等、加工上の問題が多いことに起因し
ている。すなわち、チタン材は、変形抵抗が大きいため
加工されにくく、これに加えて熱伝導率が低く、体積比
熱が小さく、また高温において化学的に活性なため、工
具寿命が短い。さらに、チタン材は靭性が高いため切り
屑が連続して排出され、切り屑の処理性が悪い。このた
め、最適条件であっても、精度の良い切削を行うことが
困難であると共に、加工コストが高いという問題があ
る。この発明はかかる事情に鑑みてなされたものであっ
て、加工性が良く、工具寿命が長いチタン材の切削加工
方法を提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段及び作用】この発明は、上
記課題を解決するために、チタン材に対して450℃以
上の温度の熱処理を施してその表面に酸化皮膜を形成し
後、切削加工することを特徴とするチタン材の切削加
工方法を提供する。
【0004】本願発明者らがチタン材の切削加工性を改
善すべく種々検討を重ねた結果、切削加工性はチタン材
表層部分の特性で決定され、チタン材の表層部分に薄い
酸化スケ−ルを形成することによりチタン材の切削加工
性を改善することができることを見出した。すなわち、
チタン材自体は、変形抵抗が大きく、熱伝導率が低く、
体積比熱が小さく、また高温において化学的に活性であ
るが、チタン酸化物は脆く、しかも化学的に不活性なた
め、表層部分に酸化スケ−ルを形成させることにより、
切削されやすくなり、工具寿命を長くすることができ、
しかも切り屑を不連続に排出することが可能となる。従
って、この発明においては、チタン材に熱処理を施すこ
とにより、その表面に酸化スケ−ルを形成して、チタン
材における切削加工上の問題を解消するのである。
【0005】ここで、熱処理温度を450℃以上に限定
したのは、450℃未満では酸化スケ−ルの生成が十分
でなく、切削加工性を十分に改善することができないか
らである。酸化スケ−ルは極薄いもので十分であるが、
0.2μm以上であることが好ましい。
【0006】なお、この発明において、チタン材は、純
チタン及びチタン合金の両方を含むことを意図するもの
である。また、ここにおける切削加工は、切削方法及び
切削工具の種類を問わず適用することができる。すなわ
ち、切削方法は旋削、フライス加工、エンドミル加工、
ドリル加工、ねじ切り加工等どのようなものであっても
よいし、また切削工具は高速度鋼、超硬、コ−ティング
チップ、サ−メット、セラミックス、CBN、ダイヤモ
ンド等、通常用いられているどのような工具でも良い。
【0007】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
ここでは、チタン材として、厚さ1.27mm、外径95
mm、内径20mmの純チタン製の磁気ディスク基板用ブラ
ンク材を用いた。
【0008】このようなブランク材を、大気雰囲気中に
おいて表1に示すような条件で熱処理した後、内周及び
外周を切削加工し、その切削性を切削工具の寿命で判断
した。
【0009】切削工具としては、超硬のK−10(Co
含有量が4〜7%)及びK−20(Co含有量が5〜8
%)を用い、切削油剤として、JIS W1種1号(ユ
シロ化学製 ユシロ−ケン EC−50T)を用いた。
【0010】切削工具寿命は、1個の工具が切削できる
ブランク材の枚数で評価した。この際に工具寿命に達し
たかどうかは、ブランク材にバリの発生の有無で判断し
た。すなわち、バリが発生した段階で、工具寿命に達し
たと判断した。この際の工具寿命も合わせて表1に示し
た。
【0011】表1から明らかなように、熱処理を450
℃以上で行った実施例のブランク材については、いずれ
も1個の切削工具当りの切削可能なブランク材の枚数が
150枚以上と良好な工具寿命を示すことが確認され
た。これに対し、処理温度が450℃未満の比較例で
は、切削可能なブランク材の枚数が高々20枚程度であ
り、切削性が悪いことが確認された。特に、全く熱処理
を施さなかったものについては、1枚しか切削すること
ができず、極めて切削性が悪いことが示された。なお、
表1から明らかなように、切削性は熱処理温度のみに関
係しており、熱処理時間には影響されないことも確認さ
れた。
【0012】
【表1】
【0013】
【発明の効果】この発明によれば、加工性が良く、工具
寿命が長いチタン材の切削加工方法が提供される。
フロントページの続き (72)発明者 崎山 利夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 末永 博義 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 木田 吉治 神奈川県鎌倉市七里ガ浜東3−25−17 (56)参考文献 特開 昭52−75606(JP,A) 特開 平3−199334(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン材に対して450℃以上の温度の熱
    処理を施してその表面に酸化皮膜を形成した後、切削加
    工することを特徴とするチタン材の切削加工方法。
JP3164206A 1991-07-04 1991-07-04 チタン材の切削加工方法 Expired - Lifetime JP2584553B2 (ja)

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JP3070499B2 (ja) * 1996-11-26 2000-07-31 富士ゼロックス株式会社 微細切削方法および微細切削装置
JP5069963B2 (ja) * 2007-07-18 2012-11-07 株式会社 オノモリ 表面に二酸化チタン被膜を形成したチタン材の切削片

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