JP2582241Y2

JP2582241Y2 - バーナ

Info

Publication number: JP2582241Y2
Application number: JP1990037896U
Authority: JP
Inventors: 宗男岩内
Original assignee: Yazaki Corp
Current assignee: Yazaki Corp
Priority date: 1990-04-09
Filing date: 1990-04-09
Publication date: 1998-09-30
Anticipated expiration: 2005-04-09
Also published as: JPH03128229U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案はバーナの分野に関し、より詳しくはNOxの発
生を抑制したバーナに関する。

〔従来の技術〕

第３図は従来の気体燃料バーナの断面図である。燃料
ガス１は燃料ガス供給管２に進入し、この燃料ガス供給
管２の先端に設けられた複数の炎口３から噴出する。

また、上記炎口３に空気を供給するため、前記ガス供
給管２を囲むように配置された主枠４には、送風機５が
設けられている。この送風機５の動作により燃焼用空気
６を上記主枠４内に送風する。この燃焼用空気６は燃焼
用空気6aと燃焼用空気6b,6cに分れ大きいノズル７と、
このノズル７の周りに設けた小さいノズル８、ノズル8a
より燃焼室９内に噴出する。また主枠４の先端にあって
前記ノズル7,8,8aを囲むように円筒状の排ガス再循環ス
ロート10が設けられている。

ノズル７から噴出される燃料ガス１と燃焼用空気６に
着火することにより火炎11が形成される。

また燃焼用空気６の噴出に共いエゼクタ効果によりノ
ズル8,8aの近傍に負圧が生じ、排ガス再循環スロート10
の外側のガスが矢印12のように還流する。従って、この
還流排ガスは酸素が少いので、火炎11の温度を低下さ
せ、これにより、いわゆるサーマルNOxの発生を抑制す
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

然しながら矢印12のような排ガスの再循環を発生させ
るためには、ノズル８から噴出する空気流が十分強力で
なければならない。一例として1000mmAq程度の空気圧を
必要とするため、送風機５には高圧の送風機を必要とす
ると言う問題があった。

本考案は、前述のような課題を解決するため高圧送風
機がなくても火炎温度を低下させNOxの発生を抑制した
バーナを提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案のバーナは、前記目的を達成するために、燃料
過剰炎を生ずる１又は複数の炎口と、この炎口に並列し
て設けられ空気過剰炎を生ずる１又は複数の炎口と、こ
の２種類の炎口を囲み、先端が燃焼室内に開口された筒
状の主枠と、この主枠の外側に隙間をあけて同心状に配
置された筒状の排ガス再循環スロートとを含んでなり、
前記排ガス再循環スロートは、後端が前記主枠の先端よ
りも後端側であってかつ前記燃焼室内に位置させて開口
され、先端が前記主枠の先端よりも前記火炎の下流方向
へ向けて延在され、かつ前記２種類の炎口から生ずる火
炎を囲んで形成されてなるものである。

この場合において、排ガス再循環スロートは、アーム
を介して燃焼室の隔壁に支持させることが望ましい。

〔作用〕

本考案においては、燃料過剰炎を形成するバーナと、
空気過剰炎を形成するバーナとを並列し、先端が燃焼室
に向けて開口した筒状の主枠内に設けたので、燃料過剰
炎から生ずるCOが空気過剰炎から生ずるNOxを還元し、N
Oxの少い排ガスが生成される。

また前記主枠の開口先端部から一定の間隔をあけて、
筒状の排ガス再循環スロートを前記炎を囲むように設け
たので、この炎にもとづくエゼクタ作用により、前記排
ガス再循環スロートの内側が負圧となり、この負圧によ
って、排ガスが前記間隔から排ガス再循環スロート内側
に吸引される。この排ガスは酸素が不足であるから、火
炎の温度を降下させ、高温時に生ずるNOxを抑制する作
用がある。

この作用に加え、アームを介して排ガス再循環スロー
ト１を燃焼室の隔壁に設けるようにすれば、バーナの着
脱を容易にする。

〔実施例〕

以下図面に基づいて本考案を説明する。第１図は本考
案の一実施例を示すバーナの断面図である。燃料ガス供
給管２はその先端に円錐台状の空洞から成る噴出頭2aが
設けられ、この噴出頭2aには複数の炎口3,3aが開孔して
いる。この炎口3aの端面には円筒状の隔壁24が設けられ
ている。一方燃料ガス供給管２の外側を囲む筒状の主枠
４の一端には送風機５が設けられ、この主枠４の反対側
は主枠4aの如く開口し、ほぼ中央部の外側にはこの主枠
４を燃焼室９の隔壁13に取付けるためのバーナフランジ
15が固定されている。また前記主枠４と前記噴口頭2aの
間には、一端が燃料ガス供給管２に設けられ他端が円錐
状に広がって燃焼室９に向けて開口した副枠30が設けら
れ、この副枠20の中央部には前記噴口頭2aと平列する隔
壁23が設けられている。この隔壁23の前記複数の炎口３
と対向する部分には燃料ガス1a,1cが吹抜けできる孔が
設けてある。また副枠20にはこの副枠20によって囲まれ
た副空22に連通する複数の空気孔21,21aと、燃焼室９に
向けて開口した円錐面にも複数の空気孔21b,21cとが開
孔している。

更に主枠4aの周囲に一定の間隔を開けて筒状の排ガス
再循環スロートが延在し、その先端は火炎11b,11cに接
する迄に延びている。この排ガス再循環スロート10aは
図示しない部材を介して主枠4aに固定したり、アーム25
を介して燃焼室９の隔壁13に取りつけられている。

次にこの動作を説明する。燃料ガス１は燃料ガス供給
管２に進入し、この燃料ガス供給管２の先端に設けた噴
出頭2a内に進入する。この噴出頭2aの表面に設けた炎口
３、3aよりそれぞれ燃料ガス1a,1cが燃料室９内に噴出
する。

一方主枠４の左上角には送風機５が設けられている。
この送風機から送出された燃焼用空気６が主枠４と副枠
20の間に送風される。この副枠20には外周にそって複数
の空気孔21,21a,21b,21c…が開孔している。そこで、上
記燃焼用空気６は２分され、一方は燃焼用空気6d,6dの
ように副枠20と燃料ガス供給管２によって囲まれた副空
22内に進入して炎口３の近傍に至り燃料ガス1aと合流し
て空気過剰の混合ガスとなる。

上記燃焼用空気６の他方は、燃焼用空気6e,6eのよう
に末広状の副枠20に開孔した空気孔21b,21cから噴出
し、燃料ガス1cと合流して混合ガスとなる。また燃焼用
空気6fと直接、燃焼室９に噴出して燃料ガス1a,1cと合
流して混合ガスとなる。

燃料ガス供給管２の先端に設けた噴出頭2aと隔壁23の
間には炎口3aを囲む円筒形の隔壁24が設けられている。
従って、燃料ガス1cは隔壁24を出てから初めて燃焼用空
気6eと合流するから空気量の少い混合ガスを生成する。

主枠４にはバーナフランジ15が設けられボルトによっ
て燃焼室９を構成する隔壁13に固定されバーナの着脱を
容易にしている。

主枠4aの右端の外周に添って円筒形の排ガス再循環ス
ロート10aがアーム25を介して隔壁13に固定されてい
る。

前述のように濃淡２種類の混合ガスに着火すれば、CO
を含む燃料過剰炎11bと、NOxを含む空気過剰炎11cを生
成するが全体としては燃料ガス１と燃焼用空気６はバラ
ンスし、NOxはCOによって還元されNOxの発生は低減され
る。

この火炎11b,11cの発生に共い、この火炎による排ガ
ス温度は1000℃に達し、その容積は数倍となる。従って
ガスの膨張による流速は主枠4aと排ガス再循環スロート
10aで囲まれた部分に、エゼクタ作用による十分な負圧
を生じ矢印12,12aの如き排ガスの再循環流を生ずる。こ
の排ガスの成分は酸素不足のものであるから、火炎11a,
11c内に混入して燃焼温度を降下させ、NOxの発生を抑制
する。その結果、従来のバーナによれば、排ガス中に70
〜100ppmあったNOxを、本実施例によれば60ppm以下にす
ることが出来る。

前述の実施例においては、筒状の排ガス再循環スロー
ト10aがアーム25を介して燃焼室の隔壁13に固定されて
いる。この結果、修理点検作業時にバーナフランジを取
りはずすだけでバーナを燃焼炉の隔壁から抜取ることが
出来るという利点がある。しかしながら上記スロートは
主枠4a部、或いはその他に取付けてもよい。

排ガス再循環スロート10aを直接主枠4a部に固定して
も燃焼効果には関係しないが、バーナフランジ15が大型
になったり、保守作業中に主枠4aとの固定部が破損した
りするためアーム25を介して固定する。

なお、排ガス再循環スロート10aの形状は、末広形、
円筒形のいずれであっても良く、またその直径は主枠4a
と同径から第１図で示した割合の任意の値を実験によっ
て選ぶようにする。

その結果、高圧の送風機を用いることなく火炎のエネ
ルギーだけで排ガス再循環を誘起させ、つまりエゼクタ
ー作用をおこさせ、この循環ガスの作用によってバーナ
の燃焼温度を低下させNOxの発生を抑制したものであ
る。

第２図は本考案に係る他の実施例の断面図である。図
において、第１図と同一符号は同一又は相当部分である
ので説明を省略し、簡単にその構成から説明する。燃料
ガス供給管２の先端には間隔をあけてバッフル板30が設
けられている。このバッフル板30に接近してイグニッシ
ョンロッド31が設けられている。

次にこの動作を説明するが火炎11と火炎11aとが共に
同一空気比の火炎である点において、前記第１図と異っ
ている。この火炎11,11aと共にNOxを発生するが、排ガ
ス再循環スロート10aをこのようなバーナに適応しても
排ガスによって火炎温度を低減し、NOxの発生を抑制す
る作用効果を示すものである。

またアーム25を介して排ガス再循環スロートを燃焼室
の隔壁13に設けたので主枠４を簡単に着脱して点検等の
保守を容易にする。またバーナフランジ15部を取付寸法
を小形にする効果がある。

前記の実施例においては、気体燃料のバーナのNOxの
低減について述べたが、流体燃料を用いたノズルから発
生する火炎の外周を囲むように筒状の排ガス再循環スロ
ートを設けても同様の作用効果を示すものである。

〔考案の効果〕

前述のように本考案においては、燃料過剰炎からなる
炎口と、空気過剰炎から成る炎口を並列して一体となし
たので、空気過剰炎から発生するNOxが、燃料過剰炎か
ら発生するCOによって還元されて結果的にNOxの発生を
抑制する。これに加えて、排ガス再循環スロートとこの
バーナの燃焼のエネルギーによってエゼクター作用を誘
起させたので、高圧送風機がなくても、火炎の温度を降
下させているから、NOxの発生をさらに抑制する効果が
ある。

また他の考案においては、排ガス再循環スロートをア
ームを介して燃焼室の隔壁に取付けるようにしたので、
主枠部分だけの着脱が簡単にできるから、軽量小型にな
り、保守を一層容易にする効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る一実施例の断面図、第２図は本考
案の他の実施例の断面図、第３図は従来のバーナの断面
図である。１…燃料ガス、２…燃料ガス供給管、３…炎口、４…主
枠、５…送風機、９…燃焼室、10a…排ガス再循環スロ
ート、11b…燃料過剰炎、11c…空気過剰炎、15…バーナ
フランジ、20…副枠、21…空気孔、22…副空、23…隔
壁、24…隔壁、25…アーム。また各図において同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】燃料過剰炎を生ずる１又は複数の炎口と、
この炎口に並列して設けられ空気過剰炎を生ずる１又は
複数の炎口と、この２種類の炎口を囲み、先端が燃焼室
内に開口された筒状の主枠と、この主枠の外側に隙間を
あけて同心状に配置された筒状の排ガス再循環スロート
とを含んでなり、前記排ガス再循環スロートは、後端が前記主枠の先端よ
りも後端側であってかつ前記燃焼室内に位置させて開口
され、先端が前記主枠の先端よりも前記火炎の下流方向
へ向けて延在され、かつ前記２種類の炎口から生ずる火
炎を囲んで形成されてなるバーナ。
【請求項２】前記排ガス再循環スロートは、アームを介
して前記燃焼室の隔壁に支持されていることを特徴とす
る請求項１に記載のバーナ。