JP2582165Y2 - 浴槽のアームレスト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、浴槽の内壁面に取付
けられるアームレストの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】従来、図１０に示すよう
に、浴槽５１の内壁面には、平板状のアームレスト５２
と、グリップ５３が別個に取付けられており、入浴時に
アームレスト５２上に腕を置いてリラックスした状態で
入浴することができ、また体を浴槽内で立ち上がらせる
場合等に、前記グリップ５３を手で握り体を支えること
ができるように構成されている。しかし、従来の浴槽に
おいてはアームレスト５２とグリップ５３を別々に取付
ける必要があり、またアームレスト５２とグリップ５３
との取付位置を、適切な間隔に設定して取付ける必要が
あり、取付作業等が面倒であり、浴槽のコストが増大し
てしまうとともに、浴槽内が繁雑化してしまうという問
題点があった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本考案は上記従来の問題
点に鑑み案出したものであって、取付けが容易で、かつ
スッキリとした外観形状とし得る浴槽を提供せんことを
目的とし、その第１の要旨は、浴槽の内壁面に取り付け
られ入浴時等に腕を置くことのできる平板状のアームレ
ストであって、該アームレストには、手で握ることので
きるグリップ部が一体形成されていることである。ま
た、第２の要旨は、浴槽の内壁面に取付けられ入浴時等
に腕を置くことのできる平板状のアームレストであっ
て、該アームレストの上部には、石鹸等を載置可能な水
平状の載置部が一体形成されていることである。

【０００４】

【作用】前記第１の要旨において、平板状のアームレス
トにはグリップ部が一体形成されているため、従来のよ
うにグリップを別体で取付ける必要がなく、取付作業が
良好化し、またアームレストとグリップ部が一体化した
スッキリとした外観形状を呈することとなり、しかもア
ームレストとグリップ部とを最適な位置関係で設置する
ことができる。また、第２の要旨において、平板状のア
ームレストの上部に一体で載置部を形成したため、この
載置部上に石鹸を良好に置くことができ、また石鹸の代
わりに缶ビール，缶ジュース等をも置くことができて浴
槽の機能を向上させることができる。

【０００５】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、第１実施例のアームレストの斜視構成図
であり、アームレスト１は、入浴時に腕を載せることの
できる平板状に形成されたアームレスト部２の先端に２
個のグリップ孔３ａ，３ａが所定間隔でそれぞれ貫通状
に形成され、このグリップ孔３ａ，３ａ間でグリップ部
３が形成されており、またアームレスト部２の長手方向
に沿ってくの字状に差込片４が一体形成されたものとな
っており、このアームレスト１は前記アームレスト部２
が図２に示すように、浴槽５の内壁面５ａに傾斜状に取
付けられるものであり、例えば図３に示すように、浴槽
５の対向する内壁面にそれぞれ下方へ傾斜した袋状凹部
５ｂ，５ｂを形成させておき、この各袋状凹部５ｂ，５
ｂ内に前記アームレスト１の差込片４を差し込むことに
より、アームレスト１を着脱可能に浴槽５の内壁面５
ａ，５ａにワンタッチで取付けることができるものであ
り、差込片４が前記袋状凹部５ｂ内に弾着できるような
寸法設定にしておけば、強固な取付状態を確保すること
ができ、袋状凹部５ｂ内への水の侵入をも良好に防ぐこ
とができる。

【０００６】このようなアームレスト１の取付状態にお
いて、浴槽５内で入浴する時に、アームレスト１上に腕
を置きリラックスした姿勢で入浴を楽しむことができ、
また体を起こす時にはグリップ孔３ａ，３ａ内に指を入
れてグリップ部３を握ることにより体を支持させて良好
に浴槽５内で立ち上がる等することができ、老人等にお
いても浴槽５内で安定して体をグリップ部３で支持させ
て、安全な入浴を行うことができる。

【０００７】本例におけるアームレスト１は、アームレ
スト部２に一体状にグリップ部３が形成されたものであ
るため、従来のように別体のグリップを設置する必要が
なく、しかも取付状態はスッキリとした外観形状を呈す
るものである。また、手の長さ等に関係なく良好にグリ
ップ部３を握ることができ、アームレスト部２と一体で
グリップ部３を最適な位置に設置することができる。な
お、アームレスト部２は幅５０mm以上が望ましく、長さ
は３００mm以上が望ましい。

【０００８】次に、図４はアームレストの変形例を示す
ものであり、図４においては、アームレスト１のアーム
レスト部２の上端のグリップ部３を変形させたものであ
り、グリップ部３は内側が開口した凹み状のグリップ凹
溝３ｂで形成されており、このグリップ凹溝３ｂ内に手
を入れることにより、アームレスト部２の上部を手で握
ることができ、体を良好に支持することができるもので
ある。その他の構成は図１のものと同様である。このよ
うなグリップ凹溝３ｂを形成させておけば、よりスッキ
リとしたアームレスト１となり、製作も容易となる。

【０００９】次に、図５は異なる変形例を示し、図５の
アームレスト１は、アームレスト部２を、ほぼ水平状を
なす水平部２ａと、この水平部２ａから上方に傾斜する
傾斜部２ｂを有する段状に形成したものであり、傾斜部
２ｂの上端に一対のグリップ孔３ａ，３ａを形成してグ
リップ部３を連続状に一体形成したものである。このよ
うな形状のアームレスト１では、水平部２ａをほぼ水平
状態に取付ければ、傾斜部２ｂが上傾して良好に入浴時
に腕を置くことのできる傾斜面が形成されることとな
り、水平部２ａまたは傾斜部２ｂに体勢に応じてそれぞ
れ腕を置くことができるものとなる。

【００１０】次に、図６は異なる変形例であり、アーム
レスト部２を水平部２ａと傾斜部２ｂで形成するととも
に、グリップ部３を一対のグリップ凹溝３ｂ，３ｂで形
成したものであり、グリップ凹溝３ｂ，３ｂ内にそれぞ
れ指を入れて、良好にグリップ部３を握ることができる
ものである。

【００１１】また、図７の変形例は、図６のグリップ凹
溝３ｂ，３ｂに代えて正方形状のグリップ孔３ａを貫通
形成し、グリップ部３を形成したものであり、このグリ
ップ孔３ａ内に手を入れて良好に入浴時等に体を支持さ
せることができるものである。

【００１２】次に、図８は第２実施例のアームレストの
取付状態を示し、アームレスト１は、アームレスト部２
が水平部２ａと傾斜部２ｂで形成されており、この傾斜
部２ｂの上端部位に一対のグリップ孔３ａ，３ａが穿設
形成されたものであり、グリップ孔３ａ，３ａ内に指を
入れて握ることができるように構成されており、さらに
傾斜部２ｂの上端に水平状の載置部６を一体形成したも
のであり、この載置部６は浴槽５のフランジ面５ｃとほ
ぼ面一状に取付けられるものであり、載置部６には上方
が開放された収納凹部６ａが形成されており、さらに収
納凹部６ａの中央部には下方側へ貫通する水抜孔６ｂが
形成されたものとなっている。

【００１３】前記載置部６をフランジ面５ｃと面一状に
してアームレスト１を浴槽５の内壁面５ａに取付ける
と、アームレスト部２の水平部２ａまたは傾斜部２ｂ上
に腕を置いてリラックスした入浴状態を得ることができ
るとともに、体を起こす場合等にはグリップ孔３ａを介
しグリップ部３を手で握り良好に体を起こすことがで
き、また載置部６の収納凹部６ａ内には石鹸を入れてお
くことができ、入浴時等に石鹸を即使用することがで
き、使用機能が向上する。また、水抜孔６ｂを介し石鹸
液等は下方へ流下されるものである。さらに、この載置
部６には缶ビールとか缶ジュース等をも載置することが
でき、種々の物を載置部６上に載置して有効利用するこ
とができる。

【００１４】なお、図９はアームレスト１の浴槽５の内
壁面５ａへの取付状態の側面断面構成図であり、図９の
アームレスト１は載置部６から下傾状に傾斜する傾斜部
２ｂのみで構成されたアームレスト部２を有するもので
ある。

【００１５】

【考案の効果】本考案は、浴槽の内壁面に取り付けられ
入浴時等に腕を置くことのできる平板状のアームレスト
であって、該アームレストには、手で握ることのできる
グリップ部が一体形成されていることにより、従来のよ
うな別体のグリップ部を設置する必要がなく、取付けが
容易となり、スッキリとした外観形状を呈するととも
に、アームレストとグリップ部との位置関係を最適の位
置関係として設置することができる効果を有する。ま
た、浴槽の内壁面に取付けられ入浴時等に腕を置くこと
のできる平板状のアームレストであって、該アームレス
トの上部には、石鹸等を載置可能な水平状の載置部が一
体形成されていることにより、載置部上に石鹸等を載置
させておくことができ、浴槽周辺の機能がより向上する
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例のアームレストの斜視構成図であ
る。

【図２】図１のアームレストを浴槽内壁面に取付けた状
態の断面構成図である。

【図３】図１のアームレストの取付状態の断面構成図で
ある。

【図４】アームレストの変更例を示す斜視図である。

【図５】アームレストの変更例を示す斜視図である。

【図６】アームレストの変更例を示す斜視図である。

【図７】アームレストの変更例を示す斜視図である。

【図８】第２実施例のアームレストの取付状態の斜視構
成図である。

【図９】第２実施例のアームレストの取付状態の断面構
成図である。

【図１０】従来のアームレストとグリップの取付状態の
斜視構成図である。

【符号の説明】

１ アームレスト ２ アームレスト部 ２ａ 水平部 ２ｂ 傾斜部 ３ グリップ部 ３ａ グリップ孔 ３ｂ グリップ凹溝 ４ 差込片 ５ 浴槽 ５ａ 内壁面 ５ｂ 袋状凹部 ５ｃ フランジ面 ６ 載置部 ６ａ 収納凹部 ６ｂ 水抜孔

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽の内壁面に取り付けられ入浴時等に
   腕を置くことのできる平板状のアームレストであって、
   該アームレストには、手で握ることのできるグリップ部
   が一体形成されていることを特徴とする浴槽のアームレ
   スト。
2. 【請求項２】 浴槽の内壁面に取付けられ入浴時等に腕
   を置くことのできる平板状のアームレストであって、該
   アームレストの上部には、石鹸等を載置可能な水平状の
   載置部が一体形成されていることを特徴とする浴槽のア
   ームレスト。