JP2581675Y2 - マットベース組立体 - Google Patents

マットベース組立体

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JP2581675Y2
JP2581675Y2 JP1993024285U JP2428593U JP2581675Y2 JP 2581675 Y2 JP2581675 Y2 JP 2581675Y2 JP 1993024285 U JP1993024285 U JP 1993024285U JP 2428593 U JP2428593 U JP 2428593U JP 2581675 Y2 JP2581675 Y2 JP 2581675Y2
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勇二 永浜
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、レンタル用の靴拭き用
マットベース組立体に関するもので、より詳細には三次
元織物を使用したマットベース組立体に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】商店、事務所、一般家庭
の玄関、入り口等に敷設して使用されるダストコントロ
ール用マット(靴拭きマット)には、大別してセパレー
トマットと一体化マットとの二種類がある。これらのマ
ットは、一般にレンタルシステムで運用されており、一
定期間を限って需要家に貸与された後回収され、洗浄、
再生を行った後、再度需要家に供給される。
【0003】これらのマットの内、セパレートマットで
は、構成上下敷きとなるベースとマット本体(原布)と
が機械的に分離されており、レンタルサービス業務で
は、原布のみを取り外して、回収、配送等を行い、また
洗浄再生に際しても、マット本体(原布)のみを洗浄、
再生する。一方、一体化マットでは、構成上、下敷きと
なるベースとマット本体(原布)とが機械的に一体化さ
れており、レンタルサービス業務では、一体化されたも
のを全体として、回収、配送し、また洗浄再生に際して
も、全体を洗浄、再生しなければならない。
【0004】このため、レンタル用セパレートマットで
は、ゴムベースは一度敷設すれば半永久的に使用される
ため、マット本体(原布)のみを製造すればよく、低コ
ストで多品種のマットを製造可能であり、イニシャルコ
ストも低く済むこと、サービス業務においても、低重量
でしかも嵩ばらないため、回収、持ち運び、移送、貯蔵
等が容易で、流通コストも低くて済むこと、及び洗浄、
再生に際しても、マット本体(原布)のみを洗浄するた
め、洗浄機が低負荷で容易に安価に洗浄できること等の
メリットがある。
【0005】一方、セパレートマットでは、マットとゴ
ムベースとの間に何らかの接着機構を設けなければなら
ないため、マット(原布)/ゴムベースの接着力低下に
より位置ずれ、マットのめくれ等が発生し、外観が不良
となったり、歩行時の安全性が損なわれるという傾向が
ある。またマット(原布)/ゴムベースをぴったりとし
かもフラットにセットする必要があり、取付作業時の作
業効率が悪いという問題もある。
【0006】セパレートマットと、一体化マットとを比
較すると、セパレートマットの上記デメリットは、マッ
トとゴムベースとが一体化されるため、メリットとなっ
ているが、この一体化により、セパレートマットのメリ
ットの点が全て一体化マットではデメリットとなってい
ることが了解されよう。
【0007】この様なセパレートマットとして使用する
目的で数々の考案がある。例えば、実公昭49−160
6号、実公昭63−18496号、特願昭55−117
041号、実公昭63−117462号各公報等々が知
られている。
【0008】セパレートマットにおいて、原布とゴムの
接着には、特公昭59−7450号公報に見られるとお
り、一般的には面ファスナー等による物理的、部分的接
着が主に用いられてきた。詳細には原布サイドに面ファ
スナーのメス(ループ部)を設置し、ベースサイドに面
ファスナーのオス(フック乃至カット部)を設置する。
しかしながら、上記の面ファスナー係止方式では、ダス
トコントロール用マットとしてくり返し洗浄再生加工を
行う事により、面ファスナーの係止強度低下を避ける事
ができない。また面ファスナーは、マット面に対し部分
的に設置する事が多く、一般的には四スミ及び辺の中央
に用いられる。
【0009】また、辺の非係止部が、靴等で踏まれるこ
とにより、シワ等が発生しやすく、安全性(歩行)の点
で問題となる事もあり、また外観も見苦しい状態とな
る。これの対策として、面ファスナーを辺全体に用いる
と、マット原布とファスナー部の収縮の違いからくり返
し洗浄加工によりマットは波うち状態となる。更にま
た、マット全体の外観として、係止部は面ファスナーの
オス+メスの厚みがプラスされ、外観が見苦しく、また
ドア等の開閉時にひっかかる等の問題が発生する場合が
ある。工程的には、原布製造後、面ファスナーを縫い付
ける必要があり、縫製費用が必要である。
【0010】従って、本考案の目的は、マットとこれを
支持するベースとから成るレンタル用のセパレート型の
靴拭きマットであって、マットとベースとの係合による
固定が、マットの靴底からのダスト払拭除去性やダスト
保持性を阻害することなしに、マット全面にわたって行
われ上記セパレートマットのディメリットを解消した靴
拭き用マットベース組立体を提供するにある。
【0011】本考案の他の目的は、マットが靴底で反復
して踏まれた場合にも、マットが雨で濡れた場合にも、
マットの払拭用表面が常に一定の高さに保たれていて、
優れたダスト払拭除去作用やダスト保持性が得られる靴
拭き用マットベース組立体を提供するにある。
【0012】
【問題点を解決するための手段】本考案のレンタル用の
靴拭き用マットベース組立体は、マットとこれを支持す
るプラスチック或いはエラストマー製のベースとから成
るが、本考案では、前記ベースをシートとシート上面に
間隔をおいて一体に設けられた多数の突起部とから構成
し、一方前記マットは密に織成された下部組織と、メッ
シュ状に或いは密に織成された上部組織と、下部組織及
び上部組織を連結し且つ両者に交織されている中間部組
織とから成る三次元織物で構成し、この三次元織物の下
部組織に多数の弁を形成し、しかもベースの突起部を弁
を通して織物中に嵌挿することによりマットのベースへ
の固定が行われるようにする。
【0013】
【作用】本考案では、マットとして三次元織物を使用す
る。この三次元織物は、(i)密に織成された下部組織
と、(ii)メッシュ状に或いは密に織成された上部組織
と、(iii)下部組織及び上部組織を連結し且つ両者に
交織されている中間部組織とから成っている。
【0014】下部組織は、ベースでマットが支持される
面であり、密に織成されていて強度が大であり、寸法安
定性も大である。上部組織は、使用時にマット上面とな
るものであり、靴底面と接触して、ダスト除去のための
払拭作用を行うものである。中間部組織は、下部組織と
上部組織とを一体にしかも機械的に強固に結合されたも
のに保つと共に、上部組織を下部組織に対して一定の高
さに保つものである。
【0015】一方、ベースはシートとシート上面に間隔
をおいて一体に設けられた多数の突起部とから成ってお
り、ベースのシートは床面に敷設されるものであり、一
方多数の突起部はマットとベースとを係合させ、マット
を固定させるものである。
【0016】本考案では、三次元織物の下部組織に多数
の弁を形成させ、ベースの突起部がこの弁を通して織物
中に嵌挿されるようにする。この構成により、マットと
ベースとが上記弁及び突起部を介して、マット全面にわ
たって緊密に係止され、マットの固定が全面にわたって
確実に行われ、使用中におけるマットの位置ずれが有効
に防止されるものである。しかも、三次元織物の上部組
織は下部組織から一定の高さに保持されるので、ベース
の突起部が弁を介して織物中に挿入されている状態にお
いても、上部組織が突起部先端よりも上方に位置してい
て、靴底面等と有効に接触して、優れたダスト払拭除去
性及びダスト保持性が得られる。
【0017】また、マットが靴底で反復して踏まれ、或
いはマットが雨で濡れた場合にも、下部組織に対して、
上部組織が常に一定の高さに保たれるので、優れたダス
ト払拭除去作用やダスト保持性が得られる。
【0018】更に、セパレートマットでありながら、マ
ットのベースへの取付けや取外しが容易で、交換の作業
性にも優れているという利点がある。
【0019】
【実施例】本考案のマットベース組立体の一例を示す図
1(側断面図)及び図2(マットの一部を剥して示す斜
視図)において、この組立体は、三次元織物から成るマ
ット1と、プラスチック或いはエラストマー製のベース
2とから成る。三次元織物1は、下部組織3、上部組織
4及び両者を連結する中間部組織5から成っている。一
方ベース2は、平板状のシート6とシートの上面全面に
わたって所定間隔で設けられた多数の突起7とから成っ
ている。
【0020】三次元織物1の下部組織3には、ベース2
の突起7に対応して、切目刻設による弁8が多数設けら
れており、この弁8に突起7が挿入されて、マット1の
ベース2への固定が行われている。
【0021】三次元織物の一例を示す図3(斜視図)に
おいて、この三次元織物1は上部組織4がメッシュ状に
織成されており、上部組織4には開口がある。この具体
例では、メッシュ網は六角形であり中間部組織5は六角
形のセル(ハネカム)を形成している。
【0022】三次元織物の他の例を示す図4(上部組織
部の一部を切取った形で示す斜視図)において、この三
次元織物1は、上部組織4が密に織成されており、下部
組織3と同様の組織となっているが、中間部組織5は、
図3の場合と同様に例えば六角形のセルを形成してい
る。
【0023】三次元織物1の中間部組織5は、下部組織
3と上部組織4とを連結するものであり、しかも中間部
組織5を構成する糸条は下部組織3及び上部組織4に交
織されるものであるが、これらの立体構造を高強度に維
持し且つ靴等で踏まれて圧縮力が作用したときにも、こ
れに耐えしかも反発弾性及び復元性を高度なものとする
ために、腰の強い高強度繊維から成ることが好ましい。
【0024】このために、本考案では中間部組織を構成
する繊維として、単糸繊度が5乃至500デニールのモ
ノフィル(テグスに似たモノフィラメント)を使用す
る。このモノフィルは、強度及び圧縮弾性の点で、ナイ
ロン6,ナイロン6,6等のポリアミド繊維及びポリエ
ステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等
から成っていることが望ましい。
【0025】下部組織3はマットとなる三次元織物1の
全体を支えるものであると共に、機械的にもベースの突
起7と係合して位置ずれを防ぐものであり、しかも弁8
と成る切目が刻設されるものであるから、強度的にも丈
夫であり、更に洗浄による再生を反復した場合にも、ほ
つれやラン(伝線)に対して耐性のある構造となってい
なければならない。
【0026】一般に、下部組織3は、マルチフィラメン
ト糸或いは紡績糸から成る経方向のチェーン編みと、前
記モノフィルから成る緯方向の編みとから成っており、
しかもこの緯方向の編みが経方向の編みに絡んでこれら
を連結する編み構造となっている。
【0027】上部組織4は、靴底等に接するマット面と
なるもので、一般にメッシュ状に或いは密に織成されて
いる。メッシュ状上部組織において、マルチフィラメン
ト糸或いは紡績糸から成る経方向のチェーン編みが相互
に分岐し且つ合流して六角形の編ストランドを形成して
いる。上部組織4のチェーン編みに対しても中間部組織
4のモノフィルが緯方向に絡んだ編構造となっている。
【0028】この具体例において、下部組織3における
経方向のチェーン編みと、上部組織4における経方向の
チェーン編みとは互いに独立であり、両者は上下間に中
間組織5のモノフィルによってのみ連結されている。
【0029】中間組織のモノフィルは、上部組織の編み
ストランドの輪郭に沿って上下方向に延びており、しか
も各モノフィルは上下方向にほぼ平行に引き揃えられて
いる。かくして、中間組織5を構成するモノフィルは上
部組織4の経方向のチェーン編みと絡んだ後、中間組織
5を通り、下部組織3の経方向チェーン編みと絡みつつ
緯方向編みを形成し、再び中間組織5を通って、上記編
み組織を反復していることが了解されるべきである。
【0030】上部組織4における編みストランド間に
は、編み目開口があり、この編み目開口を介して、下部
組織3が露出していることが了解されよう。
【0031】図3に示したものは、上部組織がメッシュ
状に編成されたものであり、本考案の目的に特に好適な
ものであるが、本考案において、図4に示す通り上部組
織4も下部組織3と同様に密に織成されていてもよい。
【0032】本考案に用いる三次元織物は、それ自体公
知のものであり、一般に経方向の複数本の筬(フロン
ト)と緯方向の筬(バック)を使用して、ラッセル編み
により織成される。
【0033】下部組織用及び上部組織用の糸条として
は、木綿繊維、レーヨン繊維、ポリビニルアルコール繊
維、アクリル繊維、ナイロン繊維、その他の合成繊維の
一種或いは二種以上からなる紡績糸やマルチフィラメン
ト糸を用いることができる。これらの糸条は一般に、ト
ータルで20乃至1600デニールの繊度を有するのが
よい。
【0034】三次元織物は、上下組織間の高さが、一般
に2mm乃至30mm、特に5mm乃至15mmの範囲
にあるのがよく、また上部組織がメッシュである場合に
は、その開口寸法は平均値で0.1mm乃至5mm、特
に1mm乃至3mmの範囲にあるのが適当である。織成
の他の条件は、特に制限を受けないが、マットとしての
腰、形態保持性、耐久性の点から中間部組織におけるセ
ル寸法(セル間の横方向寸法)は1〜15mmとするの
がよい。
【0035】一方、ベースとしては、軟質塩化ビニル樹
脂組成物、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン
−ジエンゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリブ
タジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタ
ジエンゴム、ポリウレタン等から成るものが使用され、
シートの厚みは一般に0.2mm乃至8mmで、突起部
の高さは、三次元織物の高さ(厚み)よりも小さく、一
般に3mm乃至10mmの範囲にあるものが適してい
る。また、面積当たりの突起の密度は、10cm平方当
たり50乃至 10000個の範囲にあるのが適当である。
【0036】本考案のマットベース組立体は、玄関、入
り口等に敷設して、靴底等との摺擦によりこれらに付着
するダストをマット上に吸着し、保持する作用を行う。
マットによるダスト吸着・保持作用を一層高めるため
に、マットにダスト吸着性液体を塗布乃至含浸させるこ
とができる。このようなダスト吸着性液体としては、例
えば流動パラフィン、スピンドル油、アルキルベンゼン
油、ジエステル油、ひまし油等の鉱物油、合成油或いは
植物油系の油剤類や、特公昭53−10194号及び特
公昭53−37471号公報に記載されている水性ダス
ト吸着剤を挙げることができる。
【0037】
【考案の効果】本考案によれば、下部組織、上部組織及
び中間部組織から成る三次元織物をマットとして使用
し、このマットの下部組織に弁を形成させ、この弁を介
してベースの突起部とを係合させたことによりマット全
面にわたって両者が緊密に係止され、マットの固定が全
面にわたって確実に行われ、使用中におけるマットの位
置ずれが有効に防止されるものである。しかも、三次元
織物の上部組織は下部組織から一定の高さに保持される
ので、ベースの突起部が弁を介して織物中に挿入されて
いる状態においても、上部組織が突起部先端よりも上方
に位置していて、靴底面等と有効に接触して、優れたダ
スト払拭除去性及びダスト保持性が得られる。
【0038】また、マットが靴底で反復して踏まれ、或
いはマットが雨で濡れた場合にも、下部組織に対して、
上部組織が常に一定の高さに保たれるので、優れたダス
ト払拭除去作用やダスト保持性が得られる。
【0039】更に、セパレートマットでありながら、マ
ットのベースへの取付けや取外しが容易で、交換の作業
性にも優れているという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のマットベース組立体の一例を示す側断
面図である。
【図2】図1のマットベース組立体におけるマットの一
部を剥して示す斜視図である。
【図3】三次元織物の一例の構造を示す斜視図である。
【図4】三次元織物の他の例を示す斜視図であって、上
部組織の一部を切欠いて示す。
【符号の説明】
1 三次元織物 2 ベース 3 下部組織 4 上部組織 5 中間部組織 6 シート 7 突起 8 弁 9 経方向の編み 10 モノフィル 11 経方向のチェーン編み 12 編みストランド 13 編み目開口

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マットとこれを支持するプラスチック或
    いはエラストマー製のベースとから成る靴拭き用マット
    ベース組立体において、前記ベースはシートとシート上
    面に間隔をおいて一体に設けられた多数の突起部とから
    成り、前記マットは密に織成された下部組織と、メッシ
    ュ状或いは密に織成された上部組織と、下部組織及び上
    部組織を連結し且つ両者に交織されている中間部組織と
    から成る三次元織物であると共に下部組織には多数の弁
    が形成されており、且つ前記突起部が弁を通して織物中
    に嵌挿されることによりマットのベースへの固定が行わ
    れていることを特徴とするレンタル用の靴拭き用マット
    ベース組立体。
JP1993024285U 1993-05-11 1993-05-11 マットベース組立体 Expired - Fee Related JP2581675Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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