JP2580837Y2 - カード - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、クレジットカード、キャッシュカード、ID
カード、プリペイドカード（例えばテレフォンカード）
などのカード表面にロット番号、製造番号、整理番号な
どの情報を凹凸文字により記録したカードに関する。

（従来の技術） 一般にクレジットカード、キャッシュカード、IDカー
ド、プリペイドカードなどはプラスチック基材に所望の
情報を印刷した形態のカードであって、磁気情報を記録
するために磁気ストライプが設けられているものや、さ
らに大量の情報を記憶したり、処理したりするためにIC
モジュールを埋設したものなどがある。

従来は、このようなカードに凹凸文字により情報を記
録したものとしては、エンボス処理により凹凸文字（エ
ンボス文字）を形成したものがみられる。エンボス処理
によりカードに形成された凹凸文字は、カード基材の厚
みと該凹凸文字の凹凸の深さとの相違が殆どないか、或
いは無視できない程度の関係にある。

（考案が解決しようとるする課題） 上記カードの表面にエンボス処理でエンボス文字を形
成した場合、エンボス文字を形成した部分のカード表裏
何れか一方の面に印刷画像が形成されていると該印刷画
像は前記エンボス文字によって潰されてしまうので本来
の印刷画像が損なわれると言う課題がある。

そこで、本考案はカードに形成された印刷画像と凹凸
文字とが重なっても該印刷画像が損なわれていないカー
ドの提供を目的とする。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 本考案は、カード表面の保護を目的に形成されている
オーバーシート層に、オーバーシート層表面を基準とし
て凸部となる部分と凹部となる部分を形成するようにし
て凹凸文字を刻印する構成によれば、該オーバーシート
層の下層に形成された印刷画像に対し、前記凹凸文字に
よる影響が実質的に及ばないことを見出して、上記の課
題を解決したものである。

即ち、本考案は「印刷の施された基材層の上層に透明
性を有するオーバーシート層を設けたカードにおいて、
前記オーバーシート層に、オーバーシート層表面を基準
として凸部となる部分と凹部となる部分を形成し、かつ
前記凹部がカード基材層に印刷された印刷画像に達しな
い凹文字を刻印し、該凹凸文字により、カード毎に異な
る固有番号が形成されていること」を特徴とするカード
である。

（作用） オーバーシート層の厚みに比べて凹凸の深さが薄い凹
凸文字を刻印することにより、凹凸文字がオーバーシー
ト層内に形成される。

透明なオーバーシート層に凹凸文字を刻印すると、該
刻印された部分は光の通過または反射状態が他の部分と
若干異なるので、光を当てる方向または目視する方向を
調整することにより、オーバーシート層に形成された凹
凸文字の目視認識が可能となる。

また、オーバーシート層は透明であり、かつ厚みが薄
いので、刻印された凹凸文字の下層に印刷画像があって
も、この印刷画像は損なわれることなく目視認識ができ
る。

オーバーシート層はカードの厚みに比べて極めて薄い
ので、オーバーシート層内に凹凸文字を形成してもカー
ドの基材層に凹凸ができることはなく、また該凹凸文字
を形成した面と反対側の面にも何ら凹凸ができることも
ない。

（実施例） 以下、本考案の実施例に基づいてさらに詳しく説明す
る。

第１図は本考案のカードの一実施例を示す正面図、第
２図は第１図のＡ−Ａ線部分拡大断面図である。第１
図、第２図において、（１）はカード、（２）は磁気
層、（３）はICモジュール、（４）はカードの基材層に
印刷された印刷画像、（５）はオーバーシート層に形成
された凹凸文字、（６）はオーバーシート層、（７）は
カード基材層である。

本実施例ではカード（１）には情報記録媒体として、
ストライプ状の磁気記録層（２）及びICモジュール
（３）を具備した形態が示されているが、このような磁
気記録層（２）或いはICモジュール（３）は無くてもよ
い。

ここで、本実施例のカード（１）の構成について説明
する。カード（１）は芯となるカード基材層（７）の表
面に印刷によって印刷画像（４）が設けられており、こ
の印刷画像（４）の設けられている面の上層にオーバー
シート層が設けられている。

また、前記印刷層（４）及びオーバーシート層（６）
はカード基材層（７）の表裏両面に設けられている場合
もある。

前記カード基材層（７）は、乳白色（白色顔料含有）
のポリ塩化ビニルまたはポリエステル等のプラスチック
で形成されており、厚さは約0.6ミリメートル程度が一
般的である。前記印刷画像（４）の印刷層の厚みは約２
〜10μ程度である。前記オーバーシート層（６）は透明
性を有する材料、例えばポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ブチラール、酢酸セルローズまたはアクリル等のプ
ラスチックで形成されており、厚さは約0.05〜0.1ミリ
メートル程度である。

なお通常のキャッシュカードやクレジットカードにお
いては寸法規格から総合の厚さが約0.76ミリメートルに
なるように調整されている。

上記のような構成よりなるカード（１）に対して該カ
ード（１）のオーバーシート層（６）の厚みに比べて凹
凸の深さが薄く凹部が文字を成す凹凸文字で刻印するこ
とにより、第２図に図示のごとく凹凸文字（５）がオー
バーシート層内に形成される。

上記刻印を行った結果、該オーバーシート層（６）の
表面を基準にして凹部の深さ0.025ミリメートル、凹部
底部の幅0.2ミリメートル、上に突き出た凸部の高さ0.0
10〜0.025ミリメートルの凹凸文字が形成された。

このような状態で刻印された凹凸文字を目視認識され
たところ、文字情報として確実に認識することができ
た。また、この時、刻印された凹凸文字の下の印刷画像
には損傷が見られず、印刷画像の情報を目視認識するこ
とができた。

第２図に示されるように凹凸文字（５）はオーバーシ
ート層（６）内にのみ形成されているのでカードの基材
層（７）に印刷された印刷画像（４）には達することが
なく、直接的に前記凹凸文字（５）の影響により印刷画
像（４）に歪みが生ずることはない。

刻印機により直接字輪をカード基体に圧着または熱圧
着させるのでオーバーシート層（６）の凹凸文字（５）
が形成された部分の透明性は失われることがない。

なお、凹凸文字（５）の凹部の深さは刻印機の圧力や
熱圧着温度により適宜調整できる。

〔考案の効果〕

本考案のカードの構成によれば、カード表面の画像が
損なわれることがなく、また、凹凸文字の形成された面
の反対側の面に対して凹凸が形成されることがないの
で、カードのデザインに対して影響を与えることなくカ
ード毎に固有な情報を容易且つ任意に記録することがで
き、個々のカードの管理を行うことができるという効果
がある。

本考案のカードはテレホンカードに代表されるプリペ
イドカードや金融機関で用いられるキャッシュカード、
クレジットカード等、あるゆるカードの表面の情報記録
に利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のカードの一実施例を示す正面図、第２
図は第１図のＡ−Ａ線部分拡大断面図である。 １…カード、２…磁気層、３…ICモジュール、４…印刷
画像、５…凹凸文字、６…オーバーシート層、７…カー
ド基材層

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】印刷の施された基材層の上層に透明性を有
   するオーバーシート層を設けたカードにおいて、前記オ
   ーバーシート層に、オーバーシート層表面を基準として
   凸部となる部分と凹部となる部分を形成し、かつ前記凹
   部がカード基材層に印刷された印刷画像に達しない凹文
   字を刻印し、該凹凸文字により、カード毎に異なる固有
   番号が形成されていることを特徴とするカード。
2. 【請求項２】前記オーバーシート層の凹凸文字部分の少
   なくとも一部が前記基材層の印刷されている部分と重な
   っている請求項１記載のカード。