JP2577696Y2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2577696Y2 JP1990065649U JP6564990U JP2577696Y2 JP 2577696 Y2 JP2577696 Y2 JP 2577696Y2 JP 1990065649 U JP1990065649 U JP 1990065649U JP 6564990 U JP6564990 U JP 6564990U JP 2577696 Y2 JP2577696 Y2 JP 2577696Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本願考案は液晶表示装置に関する。
【従来の技術】
コンピュータ等の電気機器の端末ディスプレイ装置と
して、ブラウン管表示装置等に代わって、液晶表示装置
が多く採用されるようになってきた。この液晶表示装置
は液晶の電気光学的性質、すなわち、電圧の印加によっ
て液晶の光学的性質が変化することを利用したものであ
り、装置を小型化できるとともに低電圧で作動し、しか
も消費電力がきわめて少ないため、小型電子機器の表示
装置に適している。 代表的な液晶表示装置の概略構成を、第4図および第
5図に示す。なお、これらの図に示す液晶表示装置は、
バックライトによって点灯パターンが表示される液晶表
示装置であり、電圧を印加したときに文字等が黒く点灯
表示されるものである。 これらの図に示す液晶表示装置1は、内面に透明導電
膜2,2によって点灯パターン3を形成した一対の透明基
板4a,4bを所定厚みの膜状封止空間5を介して平行に対
向させ、上記膜状封止空間5を囲むようにして、その周
縁部に封止帯6を設けて液晶7を封入するとともに、両
透明基板4a,4bの外面に偏光板8a,8bをそれぞれ配して構
成される。また、図示はしないが、上記両透明基板4a,4
bの内面には、上記液晶7の分子の方向を揃えるための
配向膜が形成されている。 上記液晶表示装置1に用いられる液晶7は、通常、細
長い棒状をした分子構造を有し、本例においては、各分
子がその長軸を上記透明基板4a,4bと平行に、かつ、上
記長軸方向が膜状封止空間5の厚み方向に向かうにつれ
順次ねじられてこのねじれ量の総和がたとえば90度とな
るようにして配向され(ねじれネマティック配列)、上
記膜状封止空間5に封入されている。上記膜状封止空間
5において液晶7の分子の配向方向が90度ねじられるよ
うに封入されているため、電圧を印加しない状態におい
て上記液晶7を通過する光は、その振動面が90度回転さ
せられる。一方、上記液晶7は、電圧を印加すると液晶
分子の長軸が上記電圧によって生じる電界の方向を向く
ように、すなわち、上記透明基板4a,4bに直交するよう
に回転する。このため、電圧を印加すると上記液晶分子
のねじれ構造がくずれ、液晶に入射した光は、振動面が
変化させられることなくそのまま上記液晶を通過するこ
ととなる。 上記透明基板4a,4bは、ガラス等の透明材料から形成
され、その一方の内面に透明導電膜2によって所望の点
灯パターン3が形成されており、上記一対の透明基板間
に封入される上記液晶7に上記点灯パターン3にそって
電圧を印加できるように構成されている。 上記偏光板8a,8bは、光のある特定の方向に振動する
成分のみを通過させることのできる透明板である。本例
においては、表示画面9側に第一の偏光板8aを配置する
とともに、バックライト側に第二の偏光板7bを配置し、
第4図に示すように、その偏光方向が直交するように配
置されている。 上記透明基板4a,4bの透明導電膜2,2に電圧を印加しな
い状態において、光が後方から上記液晶表示装置1に入
射すると、上記第二の偏光板8bで振動方向が揃えられた
光が、上記バックライト側の透明基板4bを通って液晶b
に入射する。上記液晶7を通過する間に、上記液晶分子
のねじれネマティック配列によって上記光はその振動面
が90度回転させられる。このため、画面9側の透明基板
4aから出た光は、上記第一の偏光板8aの偏光方向と同じ
方向の振動面を有する光となり、上記第一の偏光板7aを
通過することができる。 一方、第5図に示すように、上記透明導電膜2,2に電
圧を印加すると、電圧が印加される点灯パターン3に対
応する部分の液晶分子は、その長軸が電界方向を向くよ
うに回転し、上記液晶分子のねじれ構造はなくなる。こ
のため、上記透明導電膜2,2によって形成された点灯パ
ターン3を通過する光はその振動面が回転させられない
まま、第一の偏光板8aに到達する。ところが、上記第一
の偏光板8aは、その偏光方向が上記第二の偏光板8bの偏
光方向と直交するように配置されているため、光は第一
の偏光板8aを通過することができず、上記第一の偏光板
8aの外側の表示画面9が、上記透明導電膜2のパターン
3に対応して黒く点灯表示される。
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記液晶表示装置1において、画面9にお
いて鮮明で均一な点灯表示を得るためには、上記透明基
板4a,4bの全面にわたって膜状封止空間5の厚み、すな
わち液晶7の厚みを一定にする必要がある。このため、
上記両透明基板4a,4bの間に形成される膜状封止空間5
を囲むようにしてその周縁部に一定厚みの封止帯6を形
成し、上記一対の透明基板4a,4bを一定の厚みを有する
上記膜状封止空間5を隔てて対向させている。また、第
5図に示すように、上記封止帯6は上記膜状封止空間の
厚みを一定に保持するため比較的硬質の樹脂で形成さ
れ、その内部には、上記膜状封止空間5の厚みを所定の
厚みに設定するためにガラスで形成されたスペーサ10が
混入され、上記膜状封止空間5の厚みの均一化がはから
れている。また、図示はしないが、かかる封止帯6のみ
ならず、膜状封止空間5の液晶中にも、膜状封止空間5
の厚みに対応した直径をもつガラスもしくは樹脂で形成
したスペーサが適当量混入されている。上記膜状封止空
間5の厚みは、実際には非常に小さいため、上記のよう
なスペーサが混入されていても、表示の品質にはほとん
ど悪影響を及ぼすことがないのである。 ところが、上記膜状封止空間5に封入される液晶7
は、上記透明基板4a,4bおよび封止帯6より熱膨脹係数
が大きく、液晶7の温度が上昇すると、上記液晶7が膨
脹しようとして上記液晶7を挟む透明基板4a,4bを互い
に離間する方向に押圧する。一方、透明基板4a,4bの周
縁部においては、上記封止帯6およびスペーサ10によっ
て、上記透明基板間の隙間が一定に保持されるため、上
記透明基板4a,4bの中央部に変形が集中し、第6図にお
いて仮想線で示すように、透明基板4a,4bの中央部が外
方へ膨出変形する。 一方、液晶7の温度が低下すると、液晶7が収縮する
ため、第7図において仮想線で示すように、上記とは逆
に、透明基板4a,4bの中央部が、周縁部に比べて窪むん
でしまう。 上述のように、液晶7を封入する膜状封止空間5の厚
みがその中央部と周縁部とで異なると、上記液晶表示装
置1に入射する光は、同じ液晶表示装置内で異なる厚み
を有する液晶を通過することとなり、液晶画面に色むら
等が発生する原因となる。 本願考案は上述した事情のもとで考え出されたもので
あって、上記従来の問題を解決し、液晶表示装置の温度
が変化しても、液晶を封入している膜状封止空間の周縁
部と中央部とにおける厚みに差異が生じるのを防止し、
液晶画面に色むら等が発生するのを防止することのでき
る液晶表示装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願考案では、次の技術的
手段を講じている。 すなわち、本願考案は、内面に透明導電膜を形成した
一対の透明基板を膜状封止空間を解して平行に対向さ
せ、この膜状封止空間の周縁部に封止帯を設けて液晶を
封入するとともに、上記膜状封止空間に封入された液晶
中にスペーサを混入させてなる液晶表示装置において、 上記封止帯を、柔軟性ある材料によって形成するとと
もに、上記スペーサを液晶の熱膨張係数とほぼ対応した
熱膨張係数をもつものとしたことを特徴とする。
【考案の作用および効果】
本願考案に係る液晶表示装置においては、液晶を封入
するために膜状封止空間を囲むようにしてその周縁部に
設けられる封止帯を柔軟性ある材料によって形成する。 本願考案における上記封止帯は、液晶表示装置の使用
温度範囲内で柔軟性を保つことができる材料で形成され
ている。このため、液晶の温度が上昇し、液晶の圧力が
増加して、透明基板が離間する方向に押圧された場合に
おいても、上記封止帯が上記透明基板の周縁部において
上記透明基板の離間動を規制することはない。すなわ
ち、上記封止帯は、上記透明基板に作用する押圧力にし
たがって、膜状封止空間の厚みが増加する方向に容易に
弾性変形することができ、透明基板の周縁部に規制力を
ほとんど与えない。しかも、一対の透明基板間の膜状封
止空間の全域に分散して混入されるスペーサを液晶の膨
張係数とほぼ対応した膨張係数をもつものとしているの
で、液晶の温度が上がった場合に、透明基板の表示領域
全域に均等な圧力を与えることができる。この結果、上
記両透明基板は、その平面度および平行度を保持しつつ
互いに離間する方向に相対移動することができ、従来の
ように、透明基板の中央部が外側に膨出させられ、中央
部の膜状封止空間の厚みが周縁部に比べて増加するとい
ったことはほとんどない。 一方、液晶の温度が低下して、液晶が収縮しようとし
て膜状封止空間内の圧力が低下しても、上記両透明基板
が平面度および平行度を保持しつつ互いに近接するよう
に、上記封止帯が弾性変形し、しかも、液晶中のスペー
サも液晶の熱収縮と同程度に収縮するので、透明基板の
中央部が窪んで、上記透明基板の間に形成される膜状封
止空間の厚みが、その中央部と周縁部とで異なることは
ほとんどない。 上述したように、本願考案においては、液晶表示装置
の温度が変化した場合でも、上記透明基板の平面度およ
び平行度が保持され、膜状封止空間の厚み、すなわち液
晶の厚みが画面全体にわたって均一に保たれる結果、画
面の点灯パターンが乱れたり、色むらが生じたりするこ
とはなくなる。
【実施例の説明】
以下、本願考案の実施例を第1図ないし第3図に基づ
いて具体的に説明する。なお、従来例と同様の部材に
は、同一の符号を付してある。 本願考案に係る液晶表示装置11は、第1図に示すよう
に、内面に透明導電膜2を形成した一対の透明基板4a,4
bを所定厚みの膜状封止空間5を介して平行に対向さ
せ、上記膜状封止空間5を囲むようにしてその周縁部に
封止帯12を設け、上記膜状封止空間5に液晶7を封入す
るとともに、両透明基板4a,4bの外面に偏光板8a,8bを配
して大略構成される。また、上記膜状封止空間5の液晶
中には膜状封止空間5の厚みに対応した直径をもつ繊維
状またはボール状のスペーサ(図に表れず)が適当量混
入されている。 上記液晶表示装置11の基本的構成は、第4図および第
5図において示される液晶表示装置と同じであり、ま
た、封止帯を除く上記液晶表示装置各部の詳細な構造お
よび機能等も第4図および第5図に示す液晶表示装置と
同様であるためその説明は省略する。 さて、本願考案に係る液晶表示装置11においては、第
1図に示すように、上記膜状封止空間5の周縁部に設け
られる封止帯12が、柔軟性ある材料によって形成される
とともに、上記スペーサとして、上記液晶の膨張係数と
対応した膨張係数をもつものが用いられている。 上記封止帯12は、上記透明基板4a,4bを所定の間隔を
あけて保持するとともに、通常の使用温度範囲内で柔軟
性を有し、液晶7の膨脹、収縮に応じて透明基板4a,4b
の間で弾性変形することができる。 すなわち、液晶7の温度が上昇し、液晶7の圧力が増
加して、透明基板4a,4bが離間する方向に押圧された場
合においても、上記封止帯12が、上記透明基板4a,4bの
周縁部において上記透明基板4a,4bの離間動を規制する
ことはない。このため、第2図における仮想線で示すよ
うに、上記封止帯12は、上記透明基板4a,4bに作用する
押圧力にしたがって、膜状封止空間5の厚みが増加する
方向に容易に弾性変形させられる。この場合、上記膜状
封止空間5の液晶中に混入されるスペーサの膨張係数が
液晶の膨張係数とほぼ対応しているので、上記膜状封止
空間の厚みが、その平面方向領域の全域において均等に
増大させられる。したがって、上記両透明基板4a,4b
は、その平面度および平行度を保持しつつ互いに離間す
る方向に相対移動することができ、従来のように、透明
基板4a,4bの中央部が部分的に外側に膨出させられ、膜
状封止空間5の中央部の厚みが増加するといったことは
ほとんどなくなる。 一方、液晶7の温度が低下して、液晶が収縮する場合
においても、第3図において仮想線で示すように、上記
封止帯12が弾性変形し、しかも上記液晶中のスペーサも
液晶の熱収縮と同程度に収縮して上記両透明基板4a,4b
が平面度および平行度を保持しつつ互いに近接すること
ができるため、上記透明基板4a,4bの中央部が窪み、膜
状封止空間5の中央部の厚みが減少するいったこともほ
とんどなくなる。 通常の使用温度範囲内において上記液晶の膨脹、収縮
に対応するために、上記封止帯12は、−40℃ないし90℃
の範囲において、伸び率200パーセント以上の樹脂材料
を用いることが好ましい。また、紫外線硬化樹脂(UV樹
脂)を用いるのが好ましい。 上述したように、本実施例においては、液晶7の温度
が変化した場合でも、上記透明基板4a,4bの平面度およ
び平行度が保持され、膜状封止空間5の厚みが、ほぼ全
体にわたって均一に保たれる結果、液晶7の厚みを均一
に保持することが可能となり、表示画面の点灯パターン
が乱れたり、画面の色むらが生じたりすることはなくな
る。 本願発明の範囲は上述の実施例に限定されることはな
い。実施例においては、光が液晶表示装置を透過する透
過型の液晶表示装置11に本願発明を適用したが、一方に
反射型の偏光板を備える反射型の液晶表示板において
も、同様に適用することができる。また、本実施例は、
光が遮断されることにより点灯表示を得る液晶表示装置
に本願発明を適用したが、光が画面から出射されること
により点灯表示を得る液晶表示装置に本願発明を適用す
ることもできる。また、実施例においては、ねじれネマ
ティック構造を有する液晶を封入した液晶表示装置に本
願発明を適用したが、他の種類の液晶を封止した液晶表
示装置に本願発明を適用することができる。 また実施例においては、柔軟性ある紫外線硬化樹脂材
料によって封止帯を形成したが、柔軟性を有する他の材
料を採用することもできる。また、実施例においてはシ
ール内にスペーサを設けなかったが、弾性変形しうる樹
脂性スペーサを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願発明に係る液晶表示装置の一実施例の断面
図、第2図および第3図は本願考案の作用を表すための
模式断面図、第4図は一般的な液晶表示装置の分解斜視
図、第5図は従来例の断面図、第6図および第7図は従
来例の作用を説明する図面である。 2……透明導電膜、4……透明基板、5……膜状封止空
間、6……液晶、8……偏光板、11……液晶表示装置、
12……封止帯。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−226123(JP,A) 特開 平2−87120(JP,A) 特開 昭62−83719(JP,A) 特開 昭60−249119(JP,A) 実開 平2−1730(JP,U) 実開 昭59−77128(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】内面に透明導電膜を形成した一対の透明基
    板を膜状封止空間を介して平行に対向させ、この膜状封
    止空間の周縁部に封止帯を設けて液晶を封入するととも
    に、上記膜状封止空間に封入された液晶中にスペーサを
    混入させてなる液晶表示装置において、 上記封止帯を、柔軟性ある材料によって形成するととも
    に、上記スペーサを液晶の熱膨張係数とほぼ対応した熱
    膨張係数をもつものとしたことを特徴とする、液晶表示
    装置。
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