JP2577170B2 - 回転翼航空機用ピッチリンク及びその自動調整装置 - Google Patents

回転翼航空機用ピッチリンク及びその自動調整装置

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JP2577170B2
JP2577170B2 JP4315389A JP31538992A JP2577170B2 JP 2577170 B2 JP2577170 B2 JP 2577170B2 JP 4315389 A JP4315389 A JP 4315389A JP 31538992 A JP31538992 A JP 31538992A JP 2577170 B2 JP2577170 B2 JP 2577170B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転翼航空機(以下ヘ
リコプタと云う)のロータブレードのピッチ角を調整す
るためのピッチリンク及びその調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘリコプタのロータブレードのピッチ角
を調整する装置として、図12に示す如く、ロータブレ
ード55のハブへの取付け端部に固定され、ピッチ軸の
回りに回動自在にハブ60に支持されたピッチハウジン
グ61の、ピッチ軸から外れた端部から突設されたピッ
チホーン62の先端部の点と、ロータの回転軸が貫通す
るスワッシュプレートの回転リング8上のこれに対応す
る点とに両端部に設けられた球面軸受を介してピッチリ
ンク63を結合し、その長さを調整することによりロー
タブレード55のピッチ角を調整するようにしたものが
知られている。
【0003】図13は、従来のピッチリンク63の一例
の構成を示す図である。ピッチリンク63は、図に示す
如く、一端に球面軸受64を有し、他端に互いに逆方向
のねじ65を有する1対のエンドリング66を、バレル
棒67の両端に夫々設けられた互いに逆方向のめねじに
螺合させて構成されており、ピッチリンクの長さ調整に
当っては、バレル棒67を廻して両端の球面軸受間の長
さを微調整し、各エンドリング66のねじ部65に螺着
されているロックナット68を締付けて夫々バレル棒6
7の端面に圧接させ、エンドリング66がバレル棒に対
して廻らないように固定するのが普通である。
【0004】さて、ヘリコプタの振動は、ロータの不釣
り合いに起因するもので、アンバランスが大きい場合、
乗客の乗り心地だけでなく、構造疲労の原因ともなる。
【0005】従来のヘリコプタの振動低減は、飛行中に
ストロボトラッカでロータブレード先端の軌跡のずれを
測定するか、又は振動センサで振動レベルを計測し、そ
のデータに基づき、チャート又は解析器で割り出された
ピッチリンク調整量だけ、着陸後ロータ回転を停止し
て、手動でピッチリンクの長さを調節し、再度飛行し
て、振動レベルを確認してなされている。
【0006】飛行条件の差異、ピッチリンク調整のバラ
ツキ等により振動レベルが要求値以下に低減するまでに
は通常5〜6回の飛行を要し、しかも不完全な調整に終
わることが多い。
【0007】近年ヘリコプタの振動に対する要求は一段
と厳しくなって来ており、ヘリコプタの振動をいかに低
減するかは今後の重要な課題の一つとなっている。従来
の方法でこの要求を満たすためには、今以上に飛行回数
が多くなり、それでもピッチリンク調整のバラツキ等の
ため、その微調整には限界がある。
【0008】ピッチリンク調整のバラツキはエンドリン
グとバレル棒のねじ結合により長さを調整するようにし
たピッチリンクの構造にも起因している。ねじ結合にお
いては、おねじとめねじの間にガタがあり、かつロック
ナットを締め付けて、各エンドリングを固定するとき、
締付けに伴うねじ面及びロックナット座面の摩擦力によ
り、エンドリングの固定位置が微量ながらずれるのでピ
ッチリンクの長さを精密に調整することが難しく、バラ
ツキが生じる。
【0009】前述の如く振動レベルを要求値以下に低減
させるまでに、5〜6回の飛行を要し、しかも不完全な
調整に終わることが多いが、これには上記ピッチリンク
調整のバラツキも大きな要因の一つになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のヘリ
コプタのピッチリンク調整の上述の問題点にかんがみ、
ピッチリンク調整を飛行中に自動的に連続的に実施する
ことにより、任意の飛行条件に対して1回の飛行でピッ
チリンクの調整を完了することができるピッチリンクの
自動調整装置と、その自動調整に適した構成を有するピ
ッチリンクとを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明のピッチリンクの1つの構成は、長さ及び剛性の等
しい4本の可撓ビームを端部で互いに固定結合して菱形
フレームを構成し、相対する1対の鋭角頂点部に上記球
面軸受を取付け、相対する1対の鈍角頂点部を左右ねじ
を有するターンバックルシャフトで螺合して連結したこ
とを特徴とする。
【0012】本発明のピッチリンクの他の構成は、両端
部の球面軸受を夫々備えた両端のロッドエンドを結ぶ軸
線上に延設され、該軸線を軸心とするねじ機構により互
いに螺合する1対の軸部材を有し、その一方の軸部材は
一方のロッドエンドに上記軸線の回りに回動自在に結合
されるとともに、歯車減速機構を介して電動モータによ
り回転駆動可能とされ、他方の軸部材は他方のロッドエ
ンドに固定的に結合されていることを特徴とする。
【0013】又、上記の課題を解決するための本発明に
よる自動調整装置は、航空機の機体振動を検知する振動
センサ、ロータ位相を検出する位相検出器、振動解析
器、FMデータ送受信器及びピッチリンク長さ調整手段
を有し、航空機の飛行中に、機体に取付けられた振動セ
ンサ及び位相検出器により夫々検出された振動及びロー
タ位相の電気信号から各ピッチリンクの調整量を振動解
析器により算出し、電気信号に変換し、FMデータ送受
信器を介してピッチリンク長さ調整手段を駆動しピッチ
リンクの長さを自動調整することを特徴とする。
【0014】
【作用】上記の本発明のピッチリンクの前者の構成によ
り、ターンバックルシャフトを回転させることにより、
菱形フレームとして構成されたピッチリンクの横方向の
幅を変化させて軸線方向の長さを調整することができる
が、ターンバックルシャフトは菱形フレームの鈍角頂点
部に螺合させて連結され、ピッチリンクの軸線は菱形フ
レームの鋭角頂点部を結ぶ直線上にあるので、ターンバ
ックルシャフトの回転による菱形フレームの横方向長さ
の変化よりも軸線方向の長さの変化は小さくなり、ピッ
チリンク長さの微調整が容易になり、又、調整用モータ
のトルクを小さくすることができる。又、ターンバック
ルシャフトのねじを小さくすることができるので、ピッ
チリンク調整のバラツキが小さくなる。
【0015】又、本発明のピッチリンクの後者の構成に
よれば、ピッチリンクの軸線上に延設され互いに螺合す
る軸部材の一方を歯車減速機構を介して電動モータによ
り回動させることにより、1対のロッドエンドの両端部
間の長さを調整することができる。上記の歯車減速機構
を遊星歯車とすることにより、作動を円滑にするととも
に歯車減速機構及び電動モータをピッチリンクの軸線上
に設けることが可能となる。又、上記1対の軸部材を直
接螺合させず、夫々のねじと螺合する2つのねじ部を有
する中間軸部材を介してねじ結合し、上記の2つのねじ
部のねじは螺旋方向が同一で、かつピッチが異なるもの
とすれば1回転につきピッチの差だけ移動するので微調
整が容易となる。
【0016】又、上記のピッチリンク自動調整装置の構
成によれば、航空機の飛行中に連続的に、飛行条件に対
してピッチリンクを最適な長さに設定できるので、1回
の飛行でピッチリンク調整が完了し、振動レベルを著し
く低減させることができる。又、整備員の技倆や調整回
数によらず、均一な振動レベルを得ることができる。ピ
ッチリンクの調整を必要としない航空機運用中には、上
記の振動センサ、振動解析器、FMデータ送受信器、ピ
ッチリンク長さ調整手段としてのモータ及びその制御器
及び回転数検出器を取外すようにすれば、これらの機器
は地上支援機材扱いとなり、高度の信頼性が要求され
ず、又、複数の航空機のピッチリンク調整に同じ一式の
機器を利用することができるので、コストを著しく低減
させることができる。
【0017】本発明の上記以外の課題及びそれを解決す
るための手段は、以下に図面を参照して詳細に記述され
る実施例の説明により明らかにされるであろう。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、図面に基づいて
詳細に説明する。
【0019】<第1実施例>この実施例のピッチリンク
9は、図3の(a),(b),(c)に示すように、長
手方向の中央部に曲げ剛性の大きい補強部を有する同じ
長さと剛性を有する4本の可撓ビーム11,12,1
3,14を端部で互いに連結固定して菱形フレームに構
成した複合材製の一体構造であり、1対の鋭角頂点部1
5及び16に夫々球面ベアリング19及び20を設けて
長い方の対角線をピッチリンク主軸とし、相対する1対
の鈍角頂点部17及び18に、互いに逆方向のねじが切
られたナット23,24を埋込み、これらに左右ねじを
両端部に有するターンバックルシャフト25の両端ねじ
部を螺合させて連結し、ターンバックルシャフト25を
回転することにより、菱形フレームを変形させて、ピッ
チリンク9の長さを変化させるようにされている。
【0020】ターンバックルシャフト25にはウォーム
ホィール33が固定的に取付けられており、ウォームホ
ィール33に噛合せてウォーム34が支持箱26に両端
を回動自在に支持されて取付けられている。ウォームの
軸35の一端にはスプラインが形成され、電動モータ3
6がウォーム軸35にスプライン結合されている。モー
タ36の回転数を検出するため、モータ軸には歯車列3
7を介して回転される回転数検知器38が設けられてい
る。
【0021】上記の構成により、電動モータ36を駆動
し、ウォーム34及びウォームホィール33からなるウ
ォームギヤ機構を介してターンバックルシャフト25が
回転されると、図6に示すように菱形フレームの短い方
の対角線が伸びたり、縮んだりし、これに伴って菱形フ
レームの長い方の対角線は縮んだり、伸びたりする。す
なわち、図6中に表示したように、菱形フレームとして
構成されたピッチリンクを横方向へ拡げると、ピッチリ
ンクの長さが短かくなる。その場合、菱形フレームの横
幅の半分をb、その変位量を△bとすれば、菱形フレー
ムの長さの半分aの変位量△aは
【0022】
【数1】
【0023】となり、菱形フレームのアスペクト比(従
横比)が大きくなる程、横幅の変化量に対するピッチリ
ンクの長さの変化量の比率は小さくなる。
【0024】したがって、菱形フレームのアスペクト比
を大きくすることにより、ピッチリンクの長さを精密に
微調整することが可能となる。
【0025】このピッチリンク9は、上述の如く、主軸
方向の荷重を支える部材が複合材製の一体構造であるた
め、主軸方向部材にガタがなく、また、上述の如くピッ
チリンクの長さ調整変化量がターンバックルシャフト2
5の回転による横幅変化量より小さいので、ターンバッ
クルシャフト25に負荷される荷重はピッチリンク主軸
上の球面ベアリング19及び20に加わる荷重より小さ
くなり、ターンバックルシャフト25のねじ径を小さく
することができる。これに伴って、ターンバックルシャ
フトの螺合部のガタも小さくなる。これらの相乗効果
より、このピッチリンクは長さを正確に微調整すること
が可能であり、従来の試行錯誤の方法で調整を行なう場
よりヘリコプタの振動低減のための飛行回数も少くて
済む。
【0026】図3に示す実施例では、さらに、菱形頂点
部15及び16には、可撓ビーム11,13及び12,
14の結合部と前記支持箱26とを夫々互いに摺動可能
に嵌合する支持棒21,27:22,28より成り、曲
げ剛性を有する支持構造で結合し、支持箱26はスナッ
プリング31,32によりターンバックルシャフト25
に位置決め保持されて、支持棒及び支持箱26は主軸上
に一直線に支持されている。したがって、球面ベアリン
グ19及び20を通ってピッチリンク9に加わる圧縮荷
重に対する座屈強度は、支持棒21,22,27及び2
8、支持箱26による支えがない場合に比して、第7図
に破線で示すような座屈モードを呈し、この支えがない
場合の実線で示す座屈モードに比して大きくなる。また
4本の可撓ビーム11,12,13,14のうち、1本
が損傷しても残る可撓ビームと支持棒21,22,2
7,28及び支持箱26で荷重を支えることができ、可
撓ビーム11,12,13,14は複合材製で、冗長性
が高く、かつ飛行中の繰返し荷重による損傷の進展が遅
いので飛行の安全性が高い。
【0027】上記の支持棒21,22と菱形フレーム及
び球面ベアリング19の結合構造を、図8を参照して説
明する。球面ベアリング19を有する上側の菱形フレー
ム頂点部15は、支持棒21が軸線上下方に延び外面が
凹曲面の芯材40と球面ベアリング19の上に複合材繊
維41を積層し、その上に複合材繊維43及び44を巻
き付けて固定する。
【0028】球面ベアリング20を保持する部材が着脱
可能に装着された下側の菱形フレームの頂点部16は、
中心にめねじ孔を有し、外面が凹曲面の芯材42の上に
複合材繊維41を積載し、その上に複合材繊維47を巻
付けて補強し、外周面におねじを設けた部材の一端に球
面ベアリング20を、反対端に支持棒22を突設したロ
ッドエンド10(図3参照)を芯材42のねじ孔に螺着
し、ロックナット39で固定する。
【0029】又、主軸に直交する対角線上にある菱形フ
レームの頂点部17及び18は、内面がねじ、外面が凹
曲面の芯材45の上に複合材繊維41を積層し、その上
に複合材繊維46を巻付けて補強する。
【0030】菱形フレームの4つの頂点部15,16,
17及び18並びに球面ベアリング19の接合部は上述
の如く複合材繊維で補強されているので、層間剥離を生
ずることがなく、損傷しにくゝ、強靱であり、また、ナ
ット23及び24の取付けも強固なものとなる。
【0031】上記の1対の芯材45及び支持箱26の孔
を貫通して、図3に示すようにターンバックルシャフト
25を、その中央がピッチリンク9の中心に位置するよ
うに保持するために、芯材45及び支持箱26の孔及び
ホィール33の中心孔にターンバックルシャフト25を
貫通させて所定の位置に支持した後ターンバックルシャ
フト25の両端から内外両面にねじを切ったナット23
及び24を螺合させて、外側ねじを芯材45の内面のね
じ穴にねじ込み接着固定し、ターンバックルシャフト両
端にロックナット29を螺着し、その脱落を防止するた
めスナップリング30をターンバックルシャフトにロッ
クナット29の外側で取付ける。これによりピッチリン
ク9の菱形フレームが過度に横方向に拡げられたり縮め
られたりすることが制限され、過度の調整によるピッチ
リンクの損傷が防止される。又、ピッチリンクの長さ調
整時以外は、ロックナット29をナット23及び24に
向って締付け固定することにより、飛行に対する安全性
を高くすることができる。
【0032】なお、ターンバックルシャフト25を支持
箱26に対して位置決めするために支持箱の貫通孔の両
側でターンバックルシャフトにスナップリング31,3
2を取付け、又、ウォームホィール33をターンバック
ルシャフト25に位置決め固定するため、ウォームホィ
ールの中心孔とターンバックルシャフトとをキー等によ
り固定する。
【0033】前述の如く、ピッチリンク9の下端に設け
られたロッドエンド10は、芯材42の内面ねじに螺合
し、ロックナット39で固定可能となっているので、あ
らかじめ設定されたターンバックルシャフト25の回転
によるピッチリンク長さ調整範囲、例えば飛行安全に影
響を及ぼさないロッドエンドのねじ2山以下の長さを越
えて、ピッチリンクの長さを調整する必要がある場合
は、半回転を最小単位として、ロッドエンド10を回転
させて粗く調整し、その後ターンバックルシャフト25
を回転させて精密に調整する。
【0034】ロッドエンド10は、ねじ結合であり、回
転できるので、上下の球面ベアリング19及び20の取
付角度を適正に位置決めできるとともに、容易に交換す
ることが可能であるから、ロッドエンド10を球面ベア
リングの摩耗損傷の激しい側に位置させることにより、
運用性が向上する。
【0035】以上説明した実施例の如く、電動モータ等
遠隔制御が可能な駆動手段により長さの調整が可能なピ
ッチリンクを使用しそのピッチリンクの長さを自動調整
するための自動調整装置の一例を次に説明する。
【0036】この自動調整装置は、航空機の機体振動を
検知する振動センサ、ロータ位相を検出する位相検出
器、振動解析器、FMデータ送受信器、ピッチリンク長
さ調整手段を主要構成要素としている。
【0037】図1及び図2に示すようにヘリコプタの機
体内に振動センサ1を取り付け、スワッシュプレートの
静止リング2に位相検出器3を取り付け、それぞれで検
出した振動及びロータ位相の電気信号から各ピッチリン
ク9の調整量を算出する振動解析器4をヘリコプタの機
体内に置き、FMデータ送信器5をスワッシュプレート
の静止リング2に取り付ける。FMデータ受信器6及び
FMデータ受信器6から電気信号を受けてその電気信号
に応じた量だけ電動モータ36を駆動する自動制御回路
を有するモータ制御器7をスワッシュプレートの回転リ
ング8に取り付ける。
【0038】図4に示すように振動センサ1、位相検出
器3及びFMデータ送信器5をそれぞれ振動解析器4に
電気的に接続し、またFMデータ受信器6、電動モータ
36及び回転数検出器38をそれぞれモータ制御器7に
電気的に接続する。
【0039】振動センサ1及び位相検出器3で検出した
電気信号から各ピッチリンクの調整量を振動解析器4に
より算出し、それを電気信号に変換してFMデータ送信
器5に送り、FMデータ送信器5でFM電波に変換す
る。このFM電波をFMデータ受信器6で受け、再度電
気信号に変換してモータ制御器7に入力する。回転数検
出器38及びモータ制御器7で構成する自動制御回路に
より入力信号に応じた量だけ電動モータ36を駆動し、
例えば図3に示すピッチリンク9のターンバックルシャ
フト25を回転させ、ピッチリンク9の長さを自動的
に、かつ精密に調節する。
【0040】ヘリコプタの上下方向振動は、特にロータ
ブレード55の揚力の不釣り合いに起因しており、ピッ
チリンク9の長さを調節することにより増減されるの
で、振動センサ1及び位相検出器3で検出した機体振動
の波形及びその位相から最も大きく影響を及ぼしている
ロータブレードを割り出し、そのロータブレードのピッ
チリンクの長さを本発明の自動調整装置を使用して少量
づつ伸縮させて、対応する振動レベルを振動センサ1で
検出し、それらのデータから図5に示すように最も振動
レベルが小さくなるピッチリンクの長さを振動解析器で
算出して、その長さに調節する。他のすべてのピッチリ
ンクについても同様に振動レベルが最も小さくなるピッ
チリンクの長さを算出して、ピッチリンクの長さを調節
する。これを数回繰り返して、機体振動を低減させる。
これに必要な調整ステップ等の制御則を振動解析器に記
憶させておいて、この制御則により最も機体振動が小さ
くなるように飛行中にそれぞれのピッチリンクの長さを
自動的に調節する。
【0041】本発明の調整装置により飛行中にピッチリ
ンク9の長さが調節でき、しかも事前に設定した制御則
に従って自動制御で連続的にピッチリンク9の長さを調
節できるので、任意の飛行条件に対してピッチリンクを
最適な長さに調節して、振動レベルを著しく低下するこ
とができる。すなわち1回の飛行の中でピッチリンクが
最適な長さにまで自動的に微調整されるので、整備員の
技倆の差に影響されず、かつ均一な振動レベルが得られ
ると共に大巾なコスト低減及びスケジュールの短縮を実
現できる。
【0042】<第2実施例>図9に示すように、ピッチ
リンク9のウォーム軸35のスプライン48にスプライ
ン結合により連結している電動モータ36及び1対の歯
車37を介して電動モータ36の軸に連結している回転
数検出器38を一体化してモジュールユニットとし、振
動調整完了後、電動モータ36、歯車37及び回転数検
出器38から成るモジュールユニット50をスプライン
49で外し、代わりにウォーム軸35のスプライン48
に嵌合するスプライン49を有する蓋51を取り付け
る。これにより、ウォーム34の回転が固定され、ピッ
チリンクの長さは完全にロックされ、飛行の安全性が向
上する。
【0043】機能部品である電動モータ36及び回転数
検出器38は、ピッチリンクの長さ調整を要するときに
のみピッチリンク9に取り付け、それ以外の通常の運用
時には取り外されるので、航空機装備品に要求される高
度の信頼性要求は適用されず、地上支援機材扱いとな
り、システム開発コストが小さく、かつ開発期間が短か
くて済む。また上記に伴ってピッチリンク自動調整装置
の機能部品である振動センサ1、振動解析器4、FMデ
ータ送受信器5,6及びモータ制御器7も振動調整を必
要としない通常の運用時には取り外されるので、同様に
高度の信頼性が要求されず、地上支援機材扱いになるこ
とから、複数の機体を運用している場合も、本調整装置
は一式で良いので、さらにコストが低減する。
【0044】<第3実施例>ピッチリンクを菱形フレー
ムとして構成し、その横方向の対角線をターンバックル
シャフトにより伸縮させてピッチリンクの長さを調整す
るようにしたピッチリンクは、自動調整装置だけでな
く、従来の試行錯誤による手動調整のピッチリンクにも
利用可能であり、小さな力でバラツキの小さい手動によ
る調整を行なうことができる。これに適したピッチリン
クの構成例を第3実施例、第4実施例として以下に説明
する。
【0045】図10に示す第3実施例では、ターンバッ
クルシャフト25にホィール33を取り付け、このホィ
ール33を噛み合わせて、スプラインを有するウォーム
軸35にウォーム34を取り付けて固定し、かつウォー
ム軸35のスプラインに嵌合するスプライン49を有す
る蓋51が支持箱26に着脱可能に固定されている。ピ
ッチリンクの長さ調整は、蓋51を取り外し、ウォーム
軸35のスプラインに嵌合するスプライン49を有する
ハンドル52を取り付けて手で回転させ、ウォーム34
及びホィール33で構成されるウォームギヤ減速機構を
介してターンバックルシャフト25を駆動して行う。
【0046】調整完了後は、ハンドル52を取り外し、
ウォーム軸35のスプラインにスプライン結合させて蓋
51を支持箱26に再び取り付けて固定する。
【0047】上記のウォーム34及びホィール33で構
成されるウォームギヤ減速機構により、小さな力でピッ
チリンクの精密な調整が可能であり、かつターンバック
ルシャフト25の自転が防止され、調整完了後は、蓋5
1を取り付けることによって、ウォーム34の回転が固
定され、完全なロック機構が形成されるので、飛行の安
全性が高い。
【0048】<第4実施例> 図11に示すようにこの実施例では、ターンバックルシ
ャフトの回転にウォームギヤ減速機構を用いずターンバ
ックルシャフト25の両端に六角穴53が設けられてお
り、ピッチリンク長さ調整時には、ロックナット29を
スナップリング30に接するまでゆるめ、ターンバック
ルシャフト25の両端の六角穴53に六角レンチ54を
嵌合させて、六角レンチ54にてターバックルシャフ
ト25を必要量だけ回転してピッチリンク長さを調節す
る。調節完了後、ロックナット29を再度締め付けて固
定する。
【0049】<第5実施例>次に、航空機の振動レベル
をさらに低減させることのできるピッチリンク長さの自
動調整の例を第5の実施例として説明する。ホバリング
及び高速飛行時のピッチリンク調整量からロータブレー
ド55のトリムタブ56(図1参照)の調整量を算出
し、トリムタブ56の角度を調整して、ピッチリンク9
の長さを再度調節することにより振動レベルをさらに低
減させる。
【0050】次に、ピッチリンク両端部のロッドエンド
を結ぶ軸線上に延設され、この軸受を軸心とするねじ機
構により互いに螺合する1対の軸部材を有し、その一方
の軸部材を電動モータにより歯車減速機構を介して回転
駆動させることにより、ピッチリンクの長さを調整する
ようにした構成を有する3つの実施例を第6、第7、第
8実施例として説明する。
【0051】<第6実施例>図14は第6実施例の構成
を示す図である。この実施例のピッチリンクは、図14
に示すように、内面にスプラインを有するガイドチュー
ブ(外筒)74のスプライン73に、チューブの両端部
内面に夫々めねじ及び下端部外周面にスプライン73を
有するナットチューブ(内筒)72をスプライン結合さ
せ、ナットチューブ72の下端部のめねじ76に、外周
におねじ76を有し、歯車78を結合させたジャッキス
クリュー75のおねじ76を螺合し、歯車78に歯車減
速機構79を介して回転数検出器付き電動モータ80を
連結し、ナットチューブ72の他方のめねじ84にロッ
ドエンド70を螺合してロックナット71で固定する。
ボールベアリング77及び81にてジャッキスクリュー
75をガイドチューブ74及びサポート82に回転自在
に支持し、サポート82にロッドエンド83を結合す
る。
【0052】電動モータ80を駆動し、歯車減速機構7
9を介して、ジャッキスクリュー75を回転させ、ナッ
トチューブ72を主軸方向に直動させて、ピッチリンク
の長さを伸縮させる。
【0053】<第7実施例>図15に示すようにチュー
ブ両端部内面に夫々めねじ76及び84を有し、下端部
外周面にスプライン73を有するナットチューブ(内
筒)72を、内面にスプラインを有する筒状ガイドチュ
ーブ74にスプライン73で嵌合する。
【0054】外周におねじ76を有し、遊星歯車減速機
構85のキャリヤ86を固定したジャッキスクリュー7
5のおねじ76をナットチューブ72の下端部のめねじ
76に螺合する。
【0055】遊星歯車減速機構85を介して回転数検出
器付き電動モータ80を主軸上に同軸に連結する。
【0056】ナットチューブ72の他方のめねじ84に
ロッドエンド70を螺合させてロックナット71で固定
する。ボールベアリング77及び81で支持し、ガイド
チューブ74、リングギヤ86、電動モータ88及びロ
ッドエンド83を積み重ねて固定する。
【0057】電動モータ88を駆動し、遊星歯車減速機
構85を介して、ジャッキスクリュー75を回転させ、
ナットチューブ72を主軸方向に直動させて、ピッチリ
ンクの長さを伸縮させる。
【0058】<第8実施例>外周面及び内面に夫々螺旋
方向が同一で、かつピッチの異なる2組のねじ93及び
91を有し、片方の端部内面にスプライン95を有する
ナットチューブ92を、内面にめねじ93を有するサポ
ートチューブ94に螺合する。
【0059】一端にスプライン95を有する遊星歯車減
速機構97のキャリヤ98をナットチューブ92のスプ
ライン95に嵌合させ、遊星歯車減速機構97を介して
電動モータ99を連結する。ボールベアリング103を
介してキャリヤ98をサポートチューブ94に支持す
る。
【0060】軸部外周面におねじ91を有し、かつ先端
部内周面にスプライン96を有するロッドエンド90を
ナットチューブ92のめねじ91に螺合する。
【0061】片方の先端外周面にスプライン96を有
し、かつ他端にフランジを有するシャフト100をロッ
ドエンド101に固定し、キャリヤ98の中心を貫通し
て、スプライン96を嵌合させ、ロッドエンド90が回
転しないように支える。
【0062】サポートチューブ94、遊星歯車減速機構
のリングギヤ102、電動モータ99及びロッドエンド
101を積み重ねて固定する。
【0063】電動モータ99を駆動し、遊星歯車減速機
構を介してキャリヤ98を回転させ、スプライン95で
連結しているナットチューブ92を回転させる。
【0064】サポートチューブ94とロッドエンド90
との間は、シャフト100を介してスプライン96で回
転が拘束されており、ナットチューブ92とサポートチ
ューブ94はねじ93で螺合しているので、ナットチュ
ーブ92を回転させると、主軸上を直動し、さらにナッ
トチューブ92は、ロッドエンド90とねじ91で螺合
しているのでロッドエンド90は、ナットチューブ92
に対してねじ91の進み角分直動する。
【0065】ねじ93とねじ91は、螺旋方向が同一で
あるので、ナットチューブ92がサポートチューブ94
より突出する方向にナットチューブ92を回転させる
と、ねじ91によりロッドエンド90は、ナットチュー
ブ92の中へ引き込まれる方向に直動する。
【0066】2組のねじ93と91は螺旋方向は同じで
あるがピッチが異なっているので、ナットチューブ1回
転当りの動きの合計は2組のねじ93と91のピッチ差
分である。すなわちナットチューブ92を回転させる
と、その1回転につき、ねじ93とねじ91のピッチ差
分だけピッチリンクの長さが伸縮する。
【0067】従ってねじ93とねじ91のピッチの差を
小さくすれば、ピッチリンクの長さをより微量に調節す
ることができる。
【0068】大型ヘリコプタのピッチリンク荷重は大き
く、かつピッチリンクのガタが機体振動に及ぼす影響の
度合は、小型ヘリコプタよりも小さい。
【0069】すなわち大型ヘリコプタの自動調整のため
のピッチリンクは、歯車減速機構を使用して駆動力を増
幅した第6〜8の実施例が適している。
【0070】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、ピッチ
リンクは4本の可撓ビームを端部で互いに固定結合して
菱形フレームとして構成されているのでガタがなく、対
向する1対の鋭角頂点を結ぶ対角線をピッチリンクの軸
とし、ターンバックルシャフトで、横方向の対角線長さ
を伸縮させることによりピッチリンク長さを調整するよ
うにしたので微調整が可能である。
【0071】請求項2の発明によれば、ピッチリンクを
構成する菱形フレームの1対の鋭角頂点を曲げ剛性を有
し伸縮自在な棒状支持部材で連結したので、ピッチリン
クの圧縮荷重に対する座屈強度が高く、可撓ビームの1
本が損傷しても残る可撓ビームとこの支持部材とで荷重
を支持することができ、飛行の安全性が高い。
【0072】請求項3,4の発明によればピッチリンク
は複合材製であり、一体的に構成されているので、飛行
中の繰返し荷重による損傷の進展が遅く、冗長性が高い
ので、飛行の安全性が高い。
【0073】請求項5及び9の発明によれば、少くとも
一方の球面軸受は菱形フレームに螺着されているので、
これを回すことによりピッチリンク長さの粗調整が可能
であり、菱形を変形させることによる調整量を少くする
ことができ、過度の変形によるピッチリンクの損傷を防
止することができる。
【0074】請求項6の発明によればピッチリンク長さ
を調整するターンバックルシャフトはウォームギヤ減速
機構を介して回転されるので、ターンバックルシャフト
が自りでに回転することはなく、又小さな力で精密に調
整することができる。
【0075】請求項8の発明によれば、振動調整完了
後、電動モータを取外しウォーム軸端のスプラインに嵌
合するスプラインが固定された蓋を取付けることによ
り、ウォーム軸は確実にロックされ安全性が増す。
【0076】請求項10、11及び12の発明によれば
荷重の大きい大型ヘリコプタのピッチリンクの自動調整
を円滑に行なうことができる。
【0077】請求項13の発明によれば、飛行中にピッ
チリンク長さの調整を自動制御により連続的に行なうこ
とができるので、任意の飛行条件に対してピッチリンク
を最適の長さに、1回の飛行で設定でき、大幅なコスト
低減とスケジュールの短縮を実現することができる。
【0078】請求項7及び14の発明によれば、振動調
整完了後、電動モータ、回転検出器振動センサ、振
動解析器、FM送受信器等の機能部材は、ピッチリンク
及び航空機から取外されるので、これらの部品は地上支
援機材扱いとなり、航空機装備品に要求される高度の信
頼性は要求されないことから、システム開発のコスト及
び所要期間を大幅に減縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2とともに本発明のピッチリンク自動調整装
置システム構成を示す斜視図である。
【図2】図1中のIIの部分を拡大して示し、図1ととも
に本発明のピッチリンク自動調整装置システム構成を示
す斜視図である。
【図3】本発明のピッチリンクの第1実施例の構成を示
す、(a)は縦断面図、(b)は一部断面を示す側面
図、(c)は横断面図である。
【図4】本発明のピッチリンク自動調整装置の制御ブロ
ック図である。
【図5】ピッチリンク長さの相対差と機体振動レベルと
の相関を示す曲線図である。
【図6】本発明のピッチリンク調整の原理を説明する説
明図である。
【図7】本発明のピッチリンクの軸線に沿った支えがあ
る場合とない場合の座屈モードを対比して示す説明図で
ある。
【図8】本発明のピッチリンクの複合材積層状態を示す
(a)は縦断面図、(b)は側面図である。
【図9】本発明のピッチリンクの第2実施例を説明する
説明図である。
【図10】本発明のピッチリンクの第3実施例の(a)
は縦断面図、(b)は一部断面を含む側面図、(c)は
横断面図である。
【図11】本発明のピッチリンクの第4実施例の(a)
は縦断面図、(b)は一部断面を含む側面図、(c)は
横断面図である。
【図12】ピッチリンクの取付け方を説明する斜視図で
ある。
【図13】従来のピッチリンクの一例の構成を示す一部
断面を示す正面図である。
【図14】本発明のピッチリンクの第6実施例の縦断面
図である。
【図15】本発明のピッチリンクの第7実施例の縦断面
図である。
【図16】本発明のピッチリンクの第8実施例の縦断面
図である。
【符号の説明】
1 振動センサ 2 スワッシュプレート静止リング 3 位相検出器 4 振動解析器 5 FMデータ送信器 6 FMデータ受信器 7 モータ制御器 8 スワッシュプレート回転リング 9 ピッチリンク 10 ロッドエンド 11,12,13,14 可撓ビーム 15,16,17,18 菱形頂点部 19,20 球面ベアリング 21,22,27,28 支持棒 23,24 ナット 25 ターンバックルシャフト 26 支持箱 29 ロックナット 30,31,32 スナップリング 33 ウォームホィール 34 ウォーム 35 ウォームの軸 36 電動モータ 37 歯車 38 回転検出器 40,42,45 芯材 41,43,44,46,47 複合材繊維 48,49 スプライン 50 モジュールユニット 51 蓋 52 ハンドル 53 六角孔 54 六角レンチ64, 69 球面ベアリング 70,83,90,101 ロッドエンド 72 ナットチューブ(軸部材) 75 ジャッキスクリュー(軸部材) 79 歯車減速機構 85 遊星歯車減速機構 80,88 電動モータ 92 ナットチューブ(中間軸部材)
フロントページの続き (56)参考文献 米国特許4498842(US,A) 国際公開91/5697(WO,A)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転翼航空機の回転翼ブレードのハブへ
    の取付端部のピッチ軸から外れた一点と、スワッシュプ
    レートの回転リング上の一点とに両端部に設けた球面軸
    受を介して結合され、長さを調整することによりブレー
    ドのピッチ角を調整するピッチリンクにおいて、 長さ及び剛性の等しい4本の可撓ビームを端部で互いに
    固定結合して菱形フレームを構成し、相対する1対の鋭
    角頂点部に上記球面軸受を取付け、相対する1対の鈍角
    頂点部を左右ねじを有するターンバックルシャフトで螺
    合して連結したことを特徴とするピッチリンク。
  2. 【請求項2】 上下の球面軸受と上記のターンバックル
    シャフトとがピッチリンクの軸線方向に互いに摺動可能
    な部材を結合して成り曲げ剛性を有する棒状支持部材で
    結合されていることを特徴とする請求項1に記載のピッ
    チリンク。
  3. 【請求項3】 ピッチリンクが複合材で作られているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のピッチリンク。
  4. 【請求項4】 上記2つの球面軸受の一方が複合材繊維
    を巻き付けて菱形フレームに固定されていることを特徴
    とする請求項1に記載のピッチリンク。
  5. 【請求項5】 上記2つの球面軸受の少くとも一方を保
    持する部材は内面にめねじが切られ、外面に複合材繊維
    を積層し、その上に複合材繊維を巻付けて補強されてい
    る臼形芯材の上記のめねじに着脱可能に螺合されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のピッチリンク。
  6. 【請求項6】 上記のターンバックルシャフトの伝動手
    段としてウォームギヤ減速機構が設けられていることを
    特徴とする請求項1に記載のピッチリンク。
  7. 【請求項7】 上記のターンバックルシャフトを回転駆
    動させる電動モータが前記のウォームギヤ減速機構のウ
    ォーム軸に着脱自在にスプライン結合されることを特徴
    とする請求項6に記載のピッチリンク。
  8. 【請求項8】 上記の電動モータを取外した場合、代り
    にウォーム軸のスプラインに嵌合するスプラインを有す
    る蓋を取付けてウォームの回転を固定するようにしたこ
    とを特徴とする請求項7に記載のピッチリンク。
  9. 【請求項9】 上記のターンバックルシャフトによるピ
    ッチリンク長さ調整量の最大値がピッチリンク下端に設
    けられた球面軸受螺着ねじ2山分以下で、これを越える
    調整は、ピッチリンク下端の球面軸受を回転させて行な
    うことを特徴とする請求項5に記載のピッチリンク。
  10. 【請求項10】 回転翼航空機の回転翼ブレードのハブ
    への取付端部のピッチ軸から外れた一点と、スワッシュ
    プレートの回転リング上の一点とに両端部に設けた球面
    軸受を介して結合され、長さを調整することによりブレ
    ードのピッチ角を調整するピッチリンクにおいて、 上記両端部の球面軸受を夫々備えた両端のロッドエンド
    を結ぶ軸線上に延設され、該軸線を軸心とするねじ機構
    により互いに螺合する1対の軸部材を有し、その一方の
    軸部材は一方のロッドエンドに上記軸線の回りに回動自
    在に結合されるとともに、歯車減速機構を介して電動モ
    ータにより回転駆動可能とされ、他方の軸部材は他方の
    ロッドエンドに固定的に結合されていることを特徴とす
    るピッチリンク。
  11. 【請求項11】 上記の歯車減速機構が遊星歯車である
    ことを特徴とする請求項10に記載のピッチリンク。
  12. 【請求項12】 上記の1対の軸部材は直接的には互い
    に螺合せず、夫々のねじと螺合する2つのねじ部を有す
    る中間軸部材を介してねじ結合され、上記の2つのねじ
    部のねじは螺旋方向が同一で、かつピッチが異なること
    を特徴とする請求項10に記載のピッチリンク。
  13. 【請求項13】 回転翼航空機の回転翼ブレードのハブ
    への取付端部のピッチ軸から外れた一点と、スワッシュ
    プレートの回転リング上の一点とに両端部に設けられた
    球面軸受を介して結合されたピッチリンクの長さを調整
    することによりブレードのピッチ角を調整するようにし
    たピッチリンク長さ自動調整装置において、 該自動調整装置は、航空機の機体振動を検知する振動セ
    ンサ、ロータ位相を検出する位相検出器、振動解析器、
    FMデータ送受信器及びピッチリンク長さ調整手段を有
    し、 航空機の飛行中に、機体に取付けられた振動センサ及び
    位相検出器により夫々検出された振動及びロータ位相の
    電気信号から各ピッチリンクの調整量を振動解析器によ
    り算出し、電気信号に変換し、FMデータ送受信器を介
    してピッチリンク長さ調整手段を駆動しピッチリンクの
    長さを自動調整することを特徴とするピッチリンク調整
    装置。
  14. 【請求項14】 ピッチリンクの調整を必要としない航
    空機運用中には、上記の振動センサ、振動解析器、FM
    データ送受信器、ピッチリンク長さ調整手段としてのモ
    ータ及びその制御器及び回転検出器を取外すことを特徴
    とする請求項13に記載のピッチリンク調整装置。
  15. 【請求項15】 ホバリング及び高速飛行時のピッチリ
    ンク調整量からトリムタブの調整量を算出することを特
    徴とする請求項13に記載のピッチリンク調整装置。
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