JP2576726B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP2576726B2 JP3244485A JP24448591A JP2576726B2 JP 2576726 B2 JP2576726 B2 JP 2576726B2 JP 3244485 A JP3244485 A JP 3244485A JP 24448591 A JP24448591 A JP 24448591A JP 2576726 B2 JP2576726 B2 JP 2576726B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に半導体装置封止用
として好適なエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂成形材料は、一般に他の熱
硬化性樹脂に比べて、電気特性、機械特性、接着性、耐
湿性等に優れており、かつ、成形時低圧でも充分な流動
性を有しており、インサート物を変形させたり、傷付け
ることがないなどの特性を保持しているため、信頼性の
高い電気絶縁材料として、IC、LSI、ダイオード、
トランジスター、抵抗器等の電子部品の封止や含浸など
に巾広く利用されている。
【0003】従来、このエポキシ樹脂成形材料の代表的
な硬化剤として、酸無水物、芳香族アミン、ノボラック
型フェノール樹脂等が挙げられ、これらのうちでも、ノ
ボラック型フェノール樹脂を硬化剤としたエポキシ樹脂
成形材料は、他の硬化剤を使用したエポキシ樹脂成形材
料に比べて、耐湿性、信頼性、成形性などの点において
最も優れ、かつ、毒性がなく安価であるという特徴を有
しているために、IC、LSI、ダイオード、トランジ
スター等の半導体装置の樹脂封止材料として広く用いら
れている。
【0004】しかしながら、ノボラック型フェノール樹
脂を硬化剤としたエポキシ樹脂成形材料は高温での電気
特性が悪いため、これを用いて動作温度が80℃以上に
なるMOS型半導体装置を封止した場合、この封止装置
は電極間にリーク電流が流れ、正常な半導体特性を示さ
なくなるとか、また、ICを樹脂封止し、高温高湿下で
の劣化試験を行なうとチップの配線に使用しているアル
ミニウム線が短時間で腐食し、断線が発生する等の欠点
を有している。
【0005】このため、エポキシ樹脂組成物を構成する
エポキシ樹脂、硬化剤は勿論のこと、その他の各種成分
についても種々検討され、硬化促進剤として有機ホスフ
ィン化合物を使用したエポキシ樹脂組成物が、他の触
媒、例えばイミダゾール、第3級アミン等を使用した場
合に比べて、高温高湿時の耐湿特性及び高温時の電気特
性が改良されるなどの理由のため、半導体封止用などの
エポキシ樹脂組成物の成分として多く使用されている
が、更に耐湿性、高温電気特性に優れたエポキシ樹脂組
成物が望まれる。
【0006】本出願人は、上記事情に鑑み、先に特公昭
63−25010号公報において、エポキシ樹脂と、硬
化剤としてフェノール樹脂と、硬化促進剤と、無機充填
剤とを含有するエポキシ樹脂組成物において、エポキシ
樹脂として有機酸の含有量が100ppm以下、塩素イ
オンの含有量が2ppm以下、加水分解性塩素の含有量
が500ppm以下、エポキシ当量が180〜230の
クレゾールノボラックエポキシ樹脂を使用し、フェノー
ル樹脂として軟化点が80〜120℃、有機酸の含有量
が100ppm以下、遊離のNa,Clが2ppm以
下、フリーのフェノールが1%以下のノボラック型フェ
ノール樹脂を使用すると共に、該エポキシ樹脂のエポキ
シ基(a)と、該フェノール樹脂のフェノール性水酸基
(b)とのモル比(a/b)を0.8〜1.5の範囲に
調整し、更に硬化促進剤として、カルボキシル基、メチ
ロール基、アルコキシ基、ヒドロキシル基から選ばれる
官能基を分子中に少なくとも1個有する第3級有機ホス
フィン化合物、具体的には下記式(I)で示される化合
物を該エポキシ樹脂と該フェノール樹脂との合計量10
0重量部当り0.4〜5重量部使用することを特徴とす
るエポキシ樹脂組成物を提案した。
【0007】
【化2】 (但し、式中R1〜R5はそれぞれ水素原子、カルボキシ
ル基、メチロール基、アルコキシ基、ヒドロキシル基の
いずれかにより構成されるが、R1〜R5の少なくとも1
個はカルボキシル基、メチロール基、アルコキシ基、ヒ
ドロキシル基から選ばれたものであり、nは1〜3の整
数である。)
【0008】かかるエポキシ樹脂組成物は、硬化特性、
高温時の電気特性、耐熱性(高ガラス転移温度Tg)、
耐湿特性に優れ、その結果、高温高湿下で長時間にわた
って放置してもアルミニウム線が腐食せず、断線も起ら
ず、しかも成型作業性に優れ、長期の保存安定性が高い
ものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が特公昭63−25010号公報で提案したエポキシ
樹脂組成物について更に検討した結果、該エポキシ樹脂
組成物で成形したICに電圧を印加した状態で高温高湿
中に放置した場合、アルミニウム配線に断線が生じるこ
とが多いという問題があることを知見し、従ってこの点
の解決が望まれた。
【0010】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
上述した特公昭63−25010号公報で提案したエポ
キシ樹脂組成物の優れた特徴を維持しながら、電圧を印
加した状態における耐湿性に劣る欠点を改良したエポキ
シ樹脂組成物及び該組成物の硬化物を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、上記特公
昭63−25010号公報提案のエポキシ樹脂組成物の
成分のうち、硬化促進剤として使用する第三級有機ホス
フィン化合物として、トリフェニルホスフィンのフェニ
ル基の2位、4位及び6位にメトキシ基が導入されたも
の、即ち下記式(1)で示される有機リン化合物を硬化
促進剤として配合し、更に無機充填剤としてシリカ粉末
を配合した場合、かかるエポキシ樹脂組成物で封止した
ICに電圧を印加した状態で高温高湿中に晒してもアル
ミニウムの配線に断線が生じ難いという顕著な効果が生
じることを知見した。
【0012】
【化3】
【0013】また、この場合、アルケニル基含有エポキ
シ樹脂又はアルケニル基含有フェノール樹脂のアルケニ
ル基に下記一般式(2) Ha1 bSiO2-(a+b)/2 …(2) (但し、式中R1は置換もしくは非置換の一価炭化水素
基を示し、a,bは0.01≦a≦1、1≦b≦3、1
≦a+b<4を満足する正数である。また、1分子中の
けい素原子の数は20〜400の整数であり、1分子中
のけい素原子に直結した水素原子の数は1以上の整数で
ある。)で表わされる有機けい素化合物のSiH基が付
加されてなる重合体であるシリコーン変性エポキシ樹脂
又はシリコーン変性フェノール樹脂を配合することによ
り、上記効果を発現しながら、なおかつ、低応力性に優
れたものにすることができることを知見し、本発明をな
すに至ったものである。
【0014】従って、本発明は、 (1)エポキシ樹脂、 (2)フェノール系硬化剤、 (3)上記式(1)で示される硬化促進剤、 (4)シリカ粉末 を必須成分として配合してなることを特徴とするエポキ
シ樹脂組成物、特に上記(1)、(2)成分として上記
のシリコーン変性エポキシ樹脂又はシリコーン変性フェ
ノール樹脂を配合したエポキシ樹脂組成物を提供する。
【0015】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明のエポキシ樹脂組成物に使用する第1必須成
分のエポキシ樹脂は、1分子中に1個以上、特に2個以
上のエポキシ基を有するものであれば特に制限はなく、
例えばビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型
エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、アラル
キル基含有エポキシ樹脂等が挙げられ、これらの1種を
単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
【0016】本発明で使用するエポキシ樹脂としては、
その中に含まれる有機酸含有量が100ppm以下、よ
り好ましくは20ppm以下、塩素イオンが2ppm以
下、より好ましくは1ppm以下、加水分解性の塩素の
含有量が500ppm以下、より好ましくは300pp
m以下であるものを用いることが好ましく、これらの条
件が1つでも満足しないと耐湿性が劣悪となる場合が生
じる。
【0017】次に、第2必須成分のフェノール系硬化剤
(フェノール樹脂)は、1分子中に2個以上のフェノー
ル性水酸基を有すればその構造に特に制限はなく、例え
ばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹
脂、ナフトール樹脂、アラルキルフェノール樹脂、トリ
フェノール樹脂等が好適に使用される。上記エポキシ樹
脂と同様に、半導体の耐湿性の点からこのフェノール樹
脂中の遊離のNa,Clを2ppm以下とすることが好
ましい。また、これに含まれるモノマーのフェノール、
即ちフリーのフェノールの量が1%を越えると、上記耐
湿性に悪影響を及ぼすほかに、この組成物で成形品を作
る時、成形品にボイド、未充填、ひけ等の欠陥が発生し
易いため、上記フリーのフェノールの量は1%以下にす
ることが好ましい。更に、フェノール樹脂製造時に残存
している微量のホルムアルデヒドのカニツァロ反応によ
って生じる蟻酸などの有機酸の量も半導体の耐湿性の点
から100ppm以下とすることが有効である。
【0018】また、フェノール樹脂は、その軟化点が8
0℃未満になるとTgが低くなり、このため耐熱性が悪
くなる場合があり、また軟化点が120℃を越えるとエ
ポキシ樹脂組成物の溶融粘度が高くなって作業性に劣る
場合があり、いずれの場合も耐湿性が悪くなるおそれが
あるため、フェノール樹脂の軟化点は80〜120℃と
することが好ましい。
【0019】なお、フェノール樹脂中のフリーのフェノ
ールの量のより好ましい範囲は0.3%以下、有機酸の
量のより好ましい範囲は30ppm以下、フェノール樹
脂の軟化点のより好ましい範囲は90〜110℃であ
り、上記範囲に調整することにより本発明の目的をより
確実に発揮することができる。
【0020】更に、本発明組成物には、シリコーン変性
フェノール樹脂及び/又はシリコーン変性エポキシ樹脂
を配合することが好ましく、これによって電圧を印加し
た状態における耐湿性がより顕著に増大し、低線膨張
率、低弾性率を有する硬化物を与える組成物を得ること
ができる。
【0021】このシリコーン変性フェノール樹脂又はシ
リコーン変性エポキシ樹脂は、アルケニル基含有エポキ
シ樹脂又はアルケニル基含有フェノール樹脂のアルケニ
ル基に下記一般式(2)で表わされる有機けい素化合物
のSiH基が付加されてなる重合体である。
【0022】 Ha1 bSiO2-(a+b)/2 …(2)
【0023】
【化4】
【0024】この場合、アルケニル基含有エポキシ樹脂
又はアルケニル基含有フェノール樹脂としては、より好
適には下記式(3)で示されるアルケニル基含有エポキ
シ樹脂又はフェノール樹脂が好適に用いられ、これと上
記式(2)で表わされる有機けい素化合物との付加重合
体が有効である。
【0025】
【化5】
【0026】またこの場合、上述のシリコーン変性エポ
キシ樹脂又はフェノール樹脂は、加水分解性塩素の含有
量が500ppm以下で、遊離のNa,Clイオンが各
々2ppm以下、有機酸含有量が100ppm以下であ
ることが好ましく、加水分解性塩素、遊離のNa,Cl
イオン、有機酸の含有量が上記値を越えると、封止した
半導体装置の耐熱性が悪くなることがある。
【0027】上記シリコーン変性エポキシ樹脂又はフェ
ノール樹脂は単独でもあるいは2種以上を混合して配合
してもよく、さらに配合量は、組成物に配合するエポキ
シ樹脂と硬化剤との合計量100部(重量部、以下同
様)当り5〜70部、特に8〜50部とすることが好ま
しい。シリコーン変性エポキシ樹脂又はフェノール樹脂
の配合量が5部より少ないと十分な低応力性を得にく
く、70部を越えると成形品の機械的強度が低下する場
合がある。
【0028】本発明においては、これらのシリコーン変
性エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を含めたエポキシ樹
脂とフェノール樹脂とを、エポキシ樹脂のエポキシ基
(a)とフェノール樹脂のフェノール性水酸基(b)と
のモル比(a/b)を0.8〜1.5、好ましくは0.
9〜1.5の範囲に調整することが好ましい。両基のモ
ル比が0.8より小さくなると組成物の硬化特性や成形
品のガラス転移温度(Tg)が悪くなって耐熱性が低下
する場合があり、一方1.5より大きくなると成形品の
ガラス転移温度や電気特性が悪くなる場合が生じる。
【0029】次に、本発明組成物は、硬化促進剤とし
て、下記一般式(1)で示される有機リン化合物を使用
する。
【0030】
【化6】
【0031】即ち、トリフェニルホスフィンの2位、4
位及び6位にメトキシ基が導入された第3級有機ホスフ
ィン化合物を硬化促進剤として使用するもので、他の化
合物、例えばメトキシ基が導入されていないトリフェニ
ルホスフィンやメトキシ基が4位だけに導入されたトリ
フェニルホスフィンでは、後述する実施例で示されるよ
うに本発明の目的を達成することができない。
【0032】この第3級有機ホスフィン化合物の配合量
は、第1成分としてのエポキシ樹脂と第2成分としての
フェノール系硬化剤(フェノール樹脂)との合計量10
0部当り0.4〜5部、より好ましくは0.8〜2部と
することが好ましく、この配合量において本発明の目的
に対し優れた効果が発揮される。しかしながら、本発明
に係る有機ホスフィン化合物の配合量が上記範囲から外
れると目的とする物性が得難い。即ち、配合量が少なす
ぎると硬化性が悪く、また多すぎると組成物の保存安定
性、高温時の電気特性、耐湿特性が悪くなる場合が生じ
る。
【0033】なお、本発明においては、上記第3級有機
ホスフィン化合物に加え、他の硬化促進剤、例えば、従
来から使用されているトリフェニルホスフィン、トリシ
クロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、メチ
ルジフェニルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホ
スフィノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタ
ンなどの有機ホスフィン化合物、1,8−ジアザビシク
ロ(5.4.0)ウンデセン−7などの第3級アミン
類、イミダゾール類などを本発明の効果を損なわない範
囲で添加して差し支えない。この場合、耐湿性の点から
特に1,8−ジアザビシクロウンデセンとの併用が好ま
しく、(1)式の化合物1部に対し0.02〜2部の割
合で併用することが好ましい。
【0034】更に、本発明の組成物には無機充填剤とし
てシリカ粉末を用いる。シリカ粉末としては溶融及び結
晶シリカが挙げられるが、得られる硬化物の線膨張係数
を小さくするため、溶融シリカを用いることがより好ま
しい。特に低線膨張でかつ組成物の溶融粘度を小さなも
のとするため、粒度分布の広い溶融シリカをエポキシ樹
脂とフェノール樹脂の合計量100部当り200〜90
0部、特に300〜700部用いることが好ましい。な
お、シリカ粉末はシランカップリング剤等で処理したも
のを用いることができる。
【0035】本発明の組成物には、更に必要によりその
目的、用途などに応じ、各種の添加剤を配合することが
できる。例えば、ワックス類、ステアリン酸などの脂肪
酸及びその金属塩等の離型剤、カーボンブラック等の顔
料、染料、難燃化剤、表面処理剤(γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン等)、老化防止剤、その他の
添加剤を配合することは差し支えない。
【0036】本発明の組成物は、上述した成分の所用量
を均一に撹拌、混合し、予め60〜95℃に加熱してあ
るロール、二ーダーなどにより混練、冷却し、粉砕する
などの方法で得ることができる。なお、成分の配合順序
に特に制限はない。
【0037】本発明のエポキシ樹脂組成物は、IC,L
SI,トランジスタ、サイリスタ、ダイオード等の半導
体装置の封止用、プリント回路板の製造などに好適に使
用される。なお、半導体装置の封止を行なう場合は、従
来より採用されている成形法、例えばトランスファ成
形、インジェクション成形、注型法などを採用して行な
うことができる。この場合、エポキシ樹脂組成物の成形
温度は150〜180℃、ポストキュアーは150〜1
80℃で2〜16時間行なうことが好ましい。
【0038】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。なお、以下の例において部は重量部を示す。
【0039】〔実施例1、比較例1,2〕 エポキシ当量196のクレゾールノボラックエポキシ樹
脂(塩素イオン1ppm、加水分解性塩素300pp
m、有機酸含有量20ppm)59.0部、軟化点10
0℃のフェノール型ノボラック樹脂(有機酸含有率10
ppm、Naイオン、Clイオン各々1ppm、フリー
のフェノール0.1%)33.0部、ブロム化フェノー
ルノボラック樹脂(日本化薬製、BREN−S)8.0
部、三酸化アンチモン10部、溶融シリカ400部、カ
ルナバワックス1部、カーボンブラック1部、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン1部、更に表1に
示した種類、量の有機リン化合物を添加した組成物を十
分に混合した後、加熱ロールで混練し、次いで冷却し、
粉砕してエポキシ樹脂組成物(実施例1、比較例1,
2)を得た。なお、エポキシ基/フェノール基の割合は
全て1.1(モル比)とした。
【0040】これらのエポキシ樹脂組成物につき、二次
転移温度Tgを測定すると共に、組成物を強制的に加湿
して吸水率0.2重量%になったときのTgを吸湿時T
gとして測定した。また、以下のA〜Cの諸試験を行な
った。以上の結果を表1に併記する。 A.体積抵抗率の測定 成形温度160℃、成形圧力70kg/cm2、成形時
間2分の条件で成形して直径9cm、厚さ2mmの円板
を作り、これを180℃で4時間ポストキュアーしたテ
ストピースについて、150℃の加熱時における値をJ
IS−K6911に準じて測定した。 B.耐湿特性の測定 上記Aと同様にして得たテストピースを120℃の水蒸
気中に500時間保持した後、JIS−K6911に準
じて誘電正接(1kHz)を測定した。 C.アルミニウム腐食テスト チップにアルミニウム配線を行なっている14ピンIC
をトランスファー成形機にて100個成形し、成形品を
180℃、4時間ポストキュアーし、その後20Vの電
圧を印加した状態で130℃85%RHの試験槽中に1
00時間放置し、アルミニウム配線の断線を検出して不
良判定を行なった(n=20)。
【0041】
【表1】
【0042】
【化7】
【0043】〔実施例2、比較例3,4〕 下記に示すエポキシ樹脂I 42.3部、ブロム化フェ
ノールノボラックエポキシ樹脂(日本化薬製、BREN
−S)8部、トリフェノールメタン(フェノール当量:
94)28.7部、下記に示すシリコーン変性エポキシ
樹脂I 21部、表2に示した有機リン化合物、溶融シ
リカ(比表面積1.0m/g、平均粒径30μmで7
5μm以上の粗粒0.1%の球状シリカと、比表面積
3.2m/g、平均粒径8μmで75μm以上の粗粒
0.1%の破砕シリカと、比表面積10m/g)平均
粒径1.0μmの球状シリカとを70:20:10部の
割合で混合したもの100部をγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン0.60部で表面処理したもの)
600部、Sb8部、カーボンブラック1.5
部、カルナバワックス1部及びγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン3部を十分に混合した後、加熱ロ
ールで混練し、次いで冷却し、粉砕してエポキシ樹脂組
成物を得た。なお、エポキシ基/フェノール基の割合は
全て1.0(モル比)とした。
【0044】
【化8】
【0045】これらの組成物につき、実施例1と同様に
二次転移温度Tg、吸湿時Tg、体積抵抗率、耐湿特
性、アルミニウム腐食テストを行なった。結果を表2に
併記する。
【0046】
【表2】
【0047】表1及び表2の結果より、従来より使用さ
れている触媒であるトリフェニルホスフィンを用いた場
合(両表において比較例2,4)、初期のTgが低いば
かりでなく、吸湿時のTgが大幅に低下してしまい、耐
熱性が悪い。また、本発明範囲外のトリス(4−メトキ
シフェニル)ホスフィンを用いた場合(両表において比
較例1,3)、バイアスを印加したアルミニウム腐食性
において、不良が非常に発生し易い。
【0048】これに対して、式(1)で示される有機リ
ン化合物を配合した本発明の組成物(実施例)は、高い
ガラス転移温度を有し、しかも吸湿時のTgの低下がな
く、かつ優れた電気特性を有し、バイアスを印加したア
ルミニウム腐食テストにおいて優れた耐腐食性を有して
いることが確認された。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のエポキシ
樹脂組成物は、上述した構成としたことにより、耐湿
性、耐熱性(高ガラス転移温度)、高温電気特性に優
れ、特に電圧を印加した状態における耐湿性に優れ、半
導体装置封止用等として好適に用いることができるもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/53 NLB C08K 5/53 NLB C08L 63/00 NKB C08L 63/00 NKB H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 富吉 和俊 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 戸塚 賢一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平3−239718(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)エポキシ樹脂、 (2)フェノール系硬化剤、 (3)下記一般式(1)で示される硬化促進剤、 【化1】 (4)シリカ粉末 を必須成分として配合してなることを特徴とするエポキ
    シ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 アルケニル基含有エポキシ樹脂又はアル
    ケニル基含有フェノール樹脂のアルケニル基に下記一般
    式(2) (但し、式中Rは置換もしくは非置換の一価炭化水素
    基を示し、a,bは0.01≦a≦1、1≦b≦3、1
    ≦a+b<4を満足する正数である。また、1分子中の
    けい素原子の数は20〜400の整数であり、1分子中
    のけい素原子に直結した水素原子の数は1以上の整数で
    ある。)で表わされる有機けい素化合物のSiH基が付
    加されてなる重合体であるシリコーン変性エポキシ樹脂
    又はシリコーン変性フェノール樹脂が配合された請求項
    1記載のエポキシ樹脂組成物。
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