JP2576705B2 - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

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JP2576705B2
JP2576705B2 JP3070825A JP7082591A JP2576705B2 JP 2576705 B2 JP2576705 B2 JP 2576705B2 JP 3070825 A JP3070825 A JP 3070825A JP 7082591 A JP7082591 A JP 7082591A JP 2576705 B2 JP2576705 B2 JP 2576705B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通常の空気調和を行な
う制御と、より高温の風を吹き出す高温風制御とを行な
う空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の空気調和装置による高温
風制御は、例えば図4に示すような手法で行なわれてい
る。即ち、通常の暖房運転では、図4(A)に示すよう
に、温度センサによる室内熱交換器の検出温度Tが回転
数規制温度(ピークカット温度)T0に達すると、圧縮機
の回転数を最大値から漸減し、設定温度より僅かに高い
停止温度Tsに達すると圧縮機を停止する一方、高温風
運転では、図4(B)に示すように、上記回転数規制温度
をT0より高いT0'に設定するとともに、室内ファンモ
ータの回転数を微風回転数(Lタップ)にして、通常運転
よりも高温の風を微風で室内に吹き出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
空気調和装置では、高温風運転時に室内ファンモータの
回転数が微風回転数に固定されているため、室内熱交換
器の能力に余裕がある場合でも、室内熱交換器の検出温
度TがT0'に達すると圧縮機の回転数が漸減してしま
う。そのため、室内熱交換器の能力を最大限に発揮させ
ることができず、高温風が得られてもその風量が不足
し、その結果、吹き出し温風が天井に浮き上がって使用
者に到達せず、急速暖房を欲する使用者に不満感を与え
るという欠点がある。そこで、本発明の目的は、室内熱
交換器の能力に余裕がある場合、熱交換器の検出温度が
回転数規制温度に達する前に室内ファンモータの回転数
を漸増することによって、十分な量の高温風を吹き出し
て使用者の温風到達感を満たし、急速暖房を実現するこ
とができる空気調和装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の空気調和装置は、図1に例示するように、
室内熱交換器1に冷媒を供給する圧縮機3の回転数と、
上記室内熱交換器1に室内空気を貫流させる室内ファン
モータ4の回転数とを制御して、通常の空気調和を行な
う制御と、通常の空気調和を行なっている時の吹き出し
風よりも高温の風を室内に吹き出す高温風制御とを行な
うものにおいて、上記室内熱交換器1の温度を検出する
温度センサ2と、この温度センサ2による検出温度T
が、圧縮機3の通常運転時の回転数規制温度T0よりも
順次低い第1温度,第2温度,第3温度T1,T2,T3以上
か否かを夫々判別する第1,第2,第3温度判別手段6
と、上記第1温度判別手段6が肯と判別したとき計時を
開始し、上記第2温度判別手段6が否と判別したとき計
時を終了する第1タイマ手段6と、上記第2温度判別手
段6が否と判別したとき計時を開始し、上記第1温度判
別手段6が肯と判別したとき計時を終了する第2タイマ
手段6と、上記第1温度判別手段6が肯と判別したと
き、上記室内ファンモータ4の設定回転数Wを微風回転
数W0から一定値ΔW上げるとともに、上記第1タイマ
手段6が一定時間t1を計時するたびに設定回転数Wをさ
らに上記一定値ΔW上げる動作を所定回繰り返す設定回
転数増加手段6と、上記第2タイマ手段6が一定時間t2
を計時したとき、または上記第3温度判別手段6が否と
判別したとき、室内ファンモータ4の設定回転数Wを上
記微風回転数W0まで下げる設定回転数減少手段6を設
けたことを特徴とする。
【0005】
【作用】室内ファンモータ4により室内空気が貫流せし
められる室内熱交換器1の温度は、温度センサ2で検出
され、この検出温度Tが回転数規制温度T0よりも順次
低い第1,第2,第3温度T1,T2,T3以上か否かが、夫
々第1,第2,第3温度判別手段6によって判別される。
第1タイマ手段6は、上記第1温度判別手段6が肯と判
別したとき計時を開始し、上記第2温度判別手段6が否
と判別すると計時を終了する。一方、設定回転数増加手
段6は、上記第1温度判別手段6が肯と判別したとき、
室内熱交換器1の能力にまだ余裕があるとして、室内フ
ァンモータ4の設定回転数Wを微風回転数W0から一定
値ΔW上げるとともに、上記第1タイマ6が一定時間t1
を計時するたびに設定回転数Wをさらに上記一定値ΔW
上げる動作を所定回繰り返す。室内ファンモータ4の回
転数が増加すると、室内熱交換器1から室内空気により
多くの熱が奪われ、室内熱交換器1の温度は低下する
が、この温度Tが第2温度T2以上である限り、設定回
転数Wは一定時間t1ごとに一定値ΔWづつ所定回だけ上
げられる。従って、室内熱交換器1の能力に余裕がある
限り、吹き出し温風の風量が増えるので、吹き出し温風
は、浮き上がることなく使用者に到達し、使用者の温風
到達感を満たし、急速暖房が実現される。
【0006】一方、室内ファンモータ4の設定回転数W
の増加により、室内熱交換器1の温度Tが上記第2温度
2未満になれば、設定回転数増加手段6による設定回
転数Wの漸増は停止して、室内熱交換器1の能力と均衡
した風量の温風が使用者に向けて吹き出されるととも
に、第2温度判別手段6が否と判別するから、第2タイ
マ手段6が計時を開始する。そして、室内熱交換器1の
温度Tが第1温度T1に達しないまま第2タイマ手段6
が一定時間t2を計時したとき、または室内熱交換器1の
温度Tがさらに低下して第3温度判別手段6が否と判別
したとき、室内熱交換器1の能力に余裕がないので、設
定回転数減少手段6は、室内ファンモータ4の設定回転
数Wをもとの微風回転数W0まで下げる。従って、室内
熱交換器1の能力に余裕がない場合は、従来どおり少風
量の温風が使用者に向けて吹き出される。
【0007】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例により詳細に説
明する。図1は、空気調和装置の制御回路の一例を示す
概略ブロック図である。この制御回路は、室内熱交換器
1の温度を検出する温度センサ2と、上記室内熱交換器
1に冷媒を供給する圧縮機3と、上記室内熱交換器1に
室内空気を貫流させる室内ファンモータ4と、室温の設
定や高温風制御モードの設定を行なうリモコン(リモー
トコントローラ)5と、設定室温と温度センサ2による
検出温度との偏差に応じて圧縮機3の回転数を制御する
とともに、第1,第2,第3温度判別手段、第1,第2タ
イマ手段、設定回転数増加手段および設定回転数減少手
段として後述する高温風制御を行なうマイコン(マイク
ロコンピュータ)6で構成される。
【0008】上記マイコン6は、第1,第2,第3温度判
別手段として、温度センサ2による検出温度Tが、図2
に示すように、圧縮機3の通常運転時の回転数規制温度
(ピークカット温度)T0よりも順次低い第1温度T1,第
2温度T2,第3温度T3以上か否かを夫々判別する(図3
のS4,S23、S9、S15,S20参照)。また、第
1タイマ手段として、上記検出温度Tが第1温度T1
上と判別したとき(図3のS4参照)第1タイマによる計
時を開始し(図3のS5参照)、上記検出温度Tが第2温
度T2未満と判別したとき(図3のS9参照)第1タイマ
による計時を終了するとともに(図3のS18参照)、第
2タイマ手段として、上記検出温度Tが第2温度T2
満と判別したとき(図3のS9参照)第2タイマによる
計時を開始し、上記検出温度Tが第1温度T1以上と判
別したとき(図3のS23参照)第2タイマによる計時
を終了する(図3のS24参照)。上記マイコン6は、設
定回転数増加手段として、上記検出温度Tが第1温度T
1以上と判別したとき(図3のS4参照)、室内ファンモ
ータ4の設定回転数Wを微風回転数W0から一定値ΔW
だけ上げるとともに(図3のS6参照)、上記第1タイマ
が一定時間t1を計時するたびに(図3のS11参照)設定
回転数Wをさらに上記一定値ΔWだけ上げる動作(図3
のS6参照)を2回(図3のS8参照)繰り返す(図2(A)
参照)。また、設定回転数減少手段として、上記第2タ
イマが一定時間t2を計時したとき(図3のS21参照)、
または上記検出温度Tが第3温度T3未満と判別したと
き(図3のS20参照)、室内ファンモータ4の設定回転
数Wを上記微風回転数W0まで下げる(図3のS2参照)
ようになっている(図2(B)参照)。
【0009】上記マイコン6の暖房時の動作を、図3を
参照しつつ次に述べる。マイコン6は、まずステップS
1でリモコン5(図1参照)により高温風制御モードが設
定されているか否かを判別し、否ならステップS17の
通常制御を実行する一方、肯ならステップS2で室内フ
ァンモータ4の回転数Wを微風回転数W0に設定し、次
いでステップS3で繰り返し回数Nを零に初期化する。
マイコン6は、温度センサ2で検出される室内熱交換器
1の温度Tが、圧縮機3の回転数規制温度T0よりも低
い一定温度T1,T2,T3(T1≧T2≧T3)以上か否かを常
時判別する。いま、検出温度Tが図2(A)の時刻Paに
おいてT1を超えると、マイコン6は、ステップS4で
1以上と判別し、比較的高温ゆえ室内熱交換器1の能
力にまだ余裕があるとして、ステップS5で第1タイマ
の計時を開始し、ステップS6で室内ファンモータ4の
設定回転数Wを一定値ΔWだけ上げて(W0+ΔW)と
し、ステップS7で繰り返し回数Nを1増やす。
【0010】室内ファンモータ4の回転数が増加する
と、室内熱交換器1から室内空気により多くの熱が奪わ
れて、室内熱交換器1の温度上昇は鈍るが、第1タイマ
がt1時間の計時を終えた図2(A)の時刻Pbでも、検出
温度Tは依然T2以上である。そこで、マイコン6は、
ステップS8,S9,S10,S11,S12と進んで、ス
テップS5に戻り、第1タイマに零から再び計時を開始
させ、ステップS6で設定回転数Wをさらに一定値ΔW
だけ上げて(W0+2×ΔW)とし、ステップS7で繰り
返し回数Nを2とする。従って、室内ファンモータ4の
回転数はさらに増加する。さらに、第1タイマがt1時間
の計時を終えた図2(A)の時刻Pcでも、検出温度Tは
依然T2以上である。そこで、設定回転数Wは上述と同
様のループで(W0+3×ΔW)となり、繰り返し回数N
は3となって、処理はステップS8からS14,S15
に移る。そして、ステップS14でリモコン5により高
温風制御モードが解除されれば、ステップS17の通常
制御に移行し、ステップ15で検出温度Tが比較的低温
の第3温度T3未満になれば(図2(B)参照)、室内熱交
換器1の能力に余裕がないとして、室内ファンモータ4
の設定回転数Wを微風回転数W0に下げるステップS2
の処理に戻ることになる。
【0011】従って、室内熱交換器1の能力に余裕があ
る限り、室内ファンモータ4の回転数は、最大(W0+3
ΔW)まで増加し、吹き出し温風の風量が増加するの
で、吹き出される温風は、従来の微風の場合のように浮
き上がることなく使用者に到達し、使用者の温風到達感
を満たし、急速暖房が実現されることになる。
【0012】一方、図2(B)に示すように、時刻Paに
おける設定回転数Wの(W0+ΔW)への増加により、室
内熱交換器1の検出温度Tが時刻Pbにおいて第2温度
2未満になったとする。すると、マイコン6は、ステ
ップS8でNが1なのでステップS9に進み、ここで肯
と判別し、ステップS18で第1タイマをリセットし、
ステップS19で第2タイマによる計時を開始する。そ
して、図2(B)の時刻Pdで示すように、室内熱交換器
1の検出温度Tが第1温度Tに達しないまま第2タイ
マがt2時間の計時を終えたとき、室内熱交換器の能力に
余裕がないとして、ステップS21からS22に進んで
第2タイマをリセットした後、ステップS1,S2に戻
り、室内ファンモータの設定回転数Wをもとの微風回転
数W0まで下げる。また、図2(B)の時刻Pcで示すよう
に、検出温度Tがさらに低下して第3温度T3未満にな
れば、同じく能力に余裕がないとして、ステップS20
からS22,S1,S2と進んで同じ処理を行なう。な
お、室内熱交換器の能力に余裕ができてその検出温度T
が第1温度T1以上になれば、ステップS23で肯と判
別され、S24で第2タイマがリセットされ、ステップ
S1〜S4を経てステップS6で設定回転数Wの漸増処
理が行なわれる。従って、室内熱交換器1の能力に余裕
がなくなった場合は、室内ファンモータ4の回転数Wが
自動的に微風回転数W0に制御され、従来どおりの微風
量の温風が使用者に向けて吹き出されることになる。
【0013】このように、本発明では、室内熱交換器1
の能力に余裕ある場合は、圧縮機3の回転数規制温度
(ピークカット温度)T0の少し手前の第1温度T1で、室
内ファンモータ4の回転数Wを微風回転数W0からΔW
づつ漸増させて、できる限り風量を増大させているの
で、図4(B)の従来例のように温度T0'で圧縮機3の回
転数を減じる必要がなく、余裕ある暖房能力を増量した
吹き出し風に与えることができ、十分な量の高温風の吹
き出しで使用者の温風到達感を満たし、急速暖房を実現
することができる。なお、上記実施例では、マイコン6
による室内ファンモータの設定回転数Wの漸増処理の回
数Nを3としたが、この回数Nがこれに限られないのは
いうまでもない。
【0014】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
空気調和装置は、室内熱交換器の温度を温度センサで検
出し、検出された温度が圧縮機の回転数規制温度よりも
順次低い第1,第2,第3温度以上か否かを夫々第1,第
2,第3温度判別手段で判別し、第1タイマ手段によ
り、第1温度判別手段が肯と判別してから第2温度判別
手段が否と判別するまで計時を行ない、第2タイマによ
り、第2温度判別手段が否と判別してから第1温度判別
手段が肯と判別するまで計時を行なうとともに、設定回
転数増加手段により、第1温度判別手段が肯と判別した
とき、室内ファンモータの設定回転数を微風回転数から
一定値上げ、かつ第1タイマ手段が一定時間を計時する
たびに設定回転数をさらに上記一定値上げる動作を所定
回繰り返す一方、設定回転数減少手段により、第2タイ
マ手段が一定時間を計時したとき、または第3温度判別
手段が否と判別したとき、室内ファンモータの設定回転
数を上記微風回転数まで下げるようにしているので、室
内熱交換器の能力に余裕がある場合、できる限り多量の
温風を吹き出し、この温風を浮き上がらせることなく使
用者に到達させて、使用者の温風到達感を満足させ、急
速暖房を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の空気調和装置の制御回路の一例を示
す概略ブロック図である。
【図2】 図1の室内熱交換器の温度変化の一例を示す
図である。
【図3】 図1のマイコンによる制御の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図4】 従来の高温風制御の手法を示す図である。
【符号の説明】
1…室内熱交換器、2…温度センサ、3…圧縮機、4…
室内ファンモータ、5…リモコン、6…マイコン。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内熱交換器(1)に冷媒を供給する圧縮
    機(3)の回転数と、上記室内熱交換器(1)に室内空気を
    貫流させる室内ファンモータ(4)の回転数とを制御し
    て、通常の空気調和を行なう制御と、通常の空気調和を
    行なっている時の吹き出し風よりも高温の風を室内に吹
    き出す高温風制御とを行なう空気調和装置において、上
    記室内熱交換器(1)の温度を検出する温度センサ(2)
    と、この温度センサ(2)による検出温度(T)が、圧縮機
    (3)の通常運転時の回転数規制温度(T0)よりも順次低
    い第1温度,第2温度,第3温度(T1,T2,T3)以上か否
    かを夫々判別する第1,第2,第3温度判別手段(6)と、
    上記第1温度判別手段(6)が肯と判別したとき計時を開
    始し、上記第2温度判別手段(6)が否と判別したとき計
    時を終了する第1タイマ手段(6)と、上記第2温度判別
    手段(6)が否と判別したとき計時を開始し、上記第1温
    度判別手段が肯と判別したとき計時を終了する第2タイ
    マ手段(6)と、上記第1温度判別手段(6)が肯と判別し
    たとき、上記室内ファンモータ(4)の設定回転数(W)を
    微風回転数(W0)から一定値(ΔW)上げるとともに、上
    記第1タイマ手段(6)が一定時間(t1)を計時するたびに
    設定回転数(W)をさらに上記一定値(ΔW)上げる動作を
    所定回繰り返す設定回転数増加手段(6)と、上記第2タ
    イマ手段(6)が一定時間(t2)を計時したとき、または上
    記第3温度判別手段(6)が否と判別したとき、室内ファ
    ンモータ(4)の設定回転数(W)を上記微風回転数(W0)
    まで下げる設定回転数減少手段(6)を設けたことを特徴
    とする空気調和装置。
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