JP2575968B2 - 棒鋼および線材圧延における寸法制御方法 - Google Patents

棒鋼および線材圧延における寸法制御方法

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JP2575968B2 JP3090220A JP9022091A JP2575968B2 JP 2575968 B2 JP2575968 B2 JP 2575968B2 JP 3090220 A JP3090220 A JP 3090220A JP 9022091 A JP9022091 A JP 9022091A JP 2575968 B2 JP2575968 B2 JP 2575968B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下流側の少なくとも2
スタンドを3ロ−ル圧延機で構成する棒鋼・線材の連続
圧延における寸法制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、下流側の少なくとも2スタンドを
3ロ−ル圧延機で構成する棒鋼・線材の連続圧延におけ
る寸法制御方法に関しては、以下の先行技術がある。
【0003】第1の例として、特開昭59−39401
号公報に開示されているように、3ロ−ル型圧延機とそ
の前後段の2Hi型圧延機間における材料の張力を無張
力に制御する技術がある。第2の例として、特開昭62
−230413号公報に開示されているように、圧延ロ
−ル回転数と圧延ロ−ル間隙の少なくとも一方を操作量
として、圧延材に発生する張力および圧延機列の最終ス
タンド出側に設置したプロフィル計により圧延材の断面
プロフィルを測定し、張力および最終スタンド出側寸法
を制御する技術がある。但し、特開昭59−39401
号公報には具体的なゲインの設定方法が開示されておら
ず、この技術の制御性能は不明である。また後者の技術
では、圧延機列の最終スタンド出側に設けられた寸法計
による圧延材の断面寸法の実測値に基づいてフィ−ドバ
ックする制御であり、最終スタンドから寸法計までの距
離に起因する無駄時間だけ制御動作が遅れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、下流側の少
なくとも2スタンドを3ロ−ル型圧延機で構成する棒鋼
・線材の連続圧延において、圧延機列の最終スタンド出
側における圧延材断面の高さ寸法および幅寸法を制御す
るに際し、整定時間が短かく、オフセットが零の制御性
能良好な多変数制御を行なう棒鋼・線材圧延における寸
法制御方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とする処
は、3ロ−ル型圧延機で構成する圧延機列による線材・
棒鋼の連続圧延において、圧延機列を構成する各スタン
ドにおける、圧延ロ−ル対間隙の偏差ΔSi*を ΔSi*=(Si−S0,i)/h0,i i=1,2,3,・・・,n Si :i番目のスタンドにおける圧延ロ−ル対間隙の
実測値 S0,i:i番目のスタンドにおける圧延ロ−ル対間隙の
基準値 h0,i:i番目のスタンド出側における圧延材断面の高
さ寸法基準値 とし、圧延材の前方張力の偏差Δtfj*を、 Δtfj*=(tfj−tf0,j)/kfm0,j j=1,2,3,・・・,n−1 tfj :j番目のスタンド出側における圧延材の前方張
力の実測値 tf0,j:j番目のスタンド出側における圧延材の前方張
力の基準(目標)値 kfm0,j:j番目のスタンド出側における圧延材の変形
抵抗の基準値 とし、圧延ロ−ルの回転数の偏差をΔNj*、その時間
微分量をΔNj*'、 ΔNj*=(Nj/N0,j)−1 j=1,2,3,・・・,n−1 Nj :j番目のスタンドにおける圧延ロ−ル回転数の
実測値 N0,j:j番目のスタンドにおける圧延ロ−ル回転数の
基準値 とし、圧延荷重の偏差ΔPi*を、 ΔPi*=(Pi/P0,i)−1 i=0,1,2,・・・n Pi :i番目のスタンドにおける圧延荷重の実測値 P0,i:i番目のスタンドにおける圧延荷重の基準(目
標)値 とし、各スタンド出側における圧延材断面高さ寸法の偏
差Δhi*を、 Δhi*=(hi/h0,i)−1 i=0,1,2,・・・n hi :i番目のスタンド出側における圧延材断面高さ
寸法の実測値 h0,i:i番目のスタンド出側における圧延材断面高さ
寸法の基準値 hiはゲ−ジメ−タ式hi=Hcal,i+Si+αi・Pi/M
iから求めた値 Hcal,i:i番目のスタンドにおける圧延ロ−ルのカリ
バ−(孔型)深さ Si:i番目のスタンドにおける圧延ロ−ル対間隙の実
測値 αi:i番目のスタンドにおけるスケ−ルファクタ Pi:i番目のスタンドにおける圧延荷重の実測値 Mi:i番目のスタンドにおけるミル剛性 とし、i番目のスタンドにおける圧延ロ−ル対間隙,圧
延荷重,およびi番目のスタンド出側における圧延材断
面高さ寸法のロックオン値を、それぞれSL,i,PL,i
L,i(hL,i=Hcal,i+SL,i+αi・PL,i/Mi)と
し、i番目のスタンドにおける圧延ロ−ル対間隙,圧延
荷重,およびi番目のスタンド出側における圧延材断面
高さ寸法のロックオン値の偏差値ΔSL,i*,ΔPL,i*,
およびΔhL,i*をそれぞれ、 とし、各スタンド出側における圧延材断面高さ寸法の偏
差Δhi*と、各スタンド出側における圧延材断面高さ寸
法のロックオン値の偏差ΔhL,i*の隔たりモニタ補償量
ΔhM,i*を加えた量Δ i*を、 モニタ補償量ΔhM,i*:圧延機列出側に設けられた圧延
材断面寸法計によって測定された圧延材断面高さ寸法お
よび幅寸法の偏差の実測値から圧延機列における各スタ
ンドでの圧下量が仕上スタンド出側における圧延材断面
高さ寸法および幅寸法に及ぼす影響係数に基づき、各ス
タンドに配分し積分して得られる値とし、各スタンドの
入側における材料の平均温度,圧延材断面高さ寸法,お
よび幅寸法それぞれの偏差ΔTmi*,ΔHi*,およびΔ
i*を とし、状態ベクトルx,出力ベクトルy,入力ベクトル
uおよび外乱wを、 ΔSref,i*:i番目スタンドにおける設定圧延ロ−ル対
間隙の目標値 ΔNref,j*:j番目スタンドにおける設定ロ−ル回転数
の目標値 として、圧延の状態方程式 k:離散時間系の時刻を表すサンプル番号(整数) を用いて、評価関数J J=Σ〔eT(k+1)Q・e(k+1)+vT(k)Rv(k)〕 k:0から無限大の範囲 Q,R:重み行列 添字T:転置行列 e(k)=r(k)−y(k) r(k)=0(目標値) v(k)=u(k)−u(k-1) 制御入力u=(Δ ref,i*,ΔNref,j*)Tにおけるスタ
ンド番号i,jは、i=0〜n,j=0〜n−1の範囲
内で任意の組合せを採りうるものとする i=0のとき、ロ−ル間隙を操作量としない j=0のとき、ロ−ル間隙を操作量としない に最小にする制御偏差および状態ベクトルフィ−ドバッ
クの最適入力によって、圧延機列における最終スタンド
(第n番スタンド)から放出される圧延材の高さ寸法お
よび幅寸法を制御する。
【0006】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、下
流側の少なくとも2スタンドを3ロ−ル型圧延機で構成
する圧延機列による棒鋼および線材の連続圧延におい
て、圧延材の変形,圧延材の負荷,及び圧延材の温度か
らなる状態方程式を用いて、圧延ロ−ル回転数とロ−ル
間隙を操作量として、対象とする圧延機列における各ス
タンド間での圧延材張力およびモニタ補償を考慮した各
スタンド出側における圧延材断面高さ寸法のゲ−ジメ−
タ方式による計算値を、最適レギュレ−タ理論に基づ
き、制御偏差および状態ベクトルのフィ−ドバックによ
って制御するようにした点によって特徴づけられる。即
ち、本発明は、特開昭62−230413号にて開示さ
れた、圧延材断面形状及び寸法の制御方法における問題
点である、仕上スタンドから圧延材断面寸法計までの距
離に起因する制御動作遅れを、仕上最終スタンドから放
出された圧延材断面寸法を測定する手段として、板圧延
分野で用いられているゲ−ジメ−タ方式による計算値に
よって代替することによって、フィ−ドバックの応答速
度を高めて解決したものである。
【0007】本発明においては、評価関数J
【0008】
【数1】 J=Σ〔eT(k+1)Q・e(k+1)+vT(k)Rv(k)〕 を最小とするような、最適制御入力u(k)が偏差e(k)及
び部分状態ベクトルxs(k)のフィ−ドバック過程で、
【0009】
【数2】 として同時に複数の入力が求まるから、制御性能の良好
な制御系を比較的容易に設計することができる。
【0010】最適制御理論に基づく制御においては、多
変数の制御量を多変数の操作量で全ての状態の中から最
適な状態に制御する。従って、圧延過程における全ての
状態を表す数学模型(状態方程式)が必要である。ま
た、最適な状態を数学的に表すために、評価関数を用い
それを最小化する制御則を解析的に求めた、この制御則
により系を操作して最適な状態となるように制御を行な
う。最適制御理論の中で代表的な制御理論である最適レ
ギュレ−タ理論では、2次形式の評価関数を用いる。こ
れは、数最模型(モデル)が線形でかつ評価関数が2次
形式のとき、制御則がフィ−ドバック制御となり、制御
量を確実に目標値へ近付ける安定した制御を実現できる
からである。
【0011】2次形式の評価関数は、制御量の偏差の2
乗に重み行列Qを乗じたものおよび、基準値からの操作
量についてある時刻の値とそれより1サンプリング時刻
前の値との差の2乗に重み行列Rを乗じたものの和をす
べての制御されている時間に亘って加算した値が最小に
なるような制御を、最適な制御とする評価関数となって
いる。この評価関数によって制御系を設計すると、全て
の時間に亘る制御量の偏差の2乗面積の和が最小となる
ような高い応答性を有し整定時間の短かい制御が、適当
な操作量で実現できる。
【0012】その際、評価関数の中に操作量の偏差の差
を入れる理由は、操作量を入れない場合には応答を速く
するために操作量が無限大になるが、実際には、設備の
制約から操作量の変化速度の大きさは有限であり、前述
のような高速の操作量の変化は不可能であるからであ
る。ここで、制御量の偏差に掛かる重み行列Qは、多変
数の操作量の中で、高い応答性を有し小さな偏差である
ことを要求される制御量であるほど、それに掛かる重み
行列Qの要素の大きさを大きくする。また、操作量の偏
差に掛かる重み行列Rは、多変数の操作量の中で、その
操作量によって制御される制御量に要求される応答速度
が高いほど、その操作量に掛かる重み行列Rの要素の大
きさを小さくする。但し、重み行列Q,Rの大きさにつ
いて、同一の物理量、例えば圧延ロ−ルの回転速度(回
転数)に掛かる要素間では、要素の大小関係は、それに
対応する制御量応答速度或いは操作量の変化速度の大小
関係に対応する。異なる物理量間では対応しない。
【0013】また、重み行列Q,Rは、コンピュ−タ・
シミュレ−ションによる制御結果が制御系の設計者にと
って満足すべき制御結果であると判断されるまで、試行
錯誤して決定される。
【0014】以下に、本発明を、その実施態様に則して
さらに詳細に説明する。圧延機駆動系の動特性として、
圧延ロ−ル対間隙制御系を一次遅れで近似し、圧延ロ−
ル回転数制御系を二次系で近似する。記号を次の表1に
示す。
【0015】
【表1】
【0016】非線形圧延モデルを、基準状態(表2)の
周りで線形化、無次元化して状態空間モデルとして表示
し、さらに制御周期Δtで離散化すると、次の状態方程
式を得る。
【0017】
【数3】 x(k+1)=Ax(k)+Bu(k)+Ew(k) ・・・(1) y(k)=Cx(k)+Fw(k) ・・・(2) 但し、状態ベクトルx,出力y,入力u,及び外乱w
は次の通りである。
【0018】
【数4】 x=(Δ i*,Δtfj*,ΔNj*,ΔNj*’)T ・・・(3) y=(Δ i*,Δtfj*)T ・・・(4) u=(Δ ref,i*,ΔNref,j*)T ・・・(5) w=(ΔTmi*,ΔHi*,ΔBi*)T ・・・(6) i=1,2,・・・,n j=1,2,・・・,n−1 n:スタンド数 k:サンプル数(整数) Δ i*:ロックオン値ΔSLi*からの偏差=ΔSi*−Δ
Li* ΔSi*=(Si−S0,i)/h0,ii :i番目の圧延機における圧延ロ−ル対間隙の実
測値 S0,i:i番目の圧延機における圧延ロ−ル対間隙の基
準値 h0,i:i番目の圧延機出側における圧延材断面の高さ
寸法の基準値 Δtfj*=(tfj−tf0,j)/kfm0,jfj :j番目の圧延機出側における圧延材の前方張力
の実測値 tf0,j:j番目の圧延機出側における圧延材の前方張力
の基準(目標)値 kfm0,j:j番目の圧延機出側における圧延材の平均変
形抵抗の基準値 ΔNj*=(Nj/N0,j)−1 Nj :j番目の圧延機における圧延ロ−ル回転数の実
測値 N0,j:j番目の圧延機における圧延ロ−ル回転数の基
準値 Δ i*:ロックオン値ΔhL,i*からの偏差=Δhi*−Δ
L,i* Δhi*:hiの基準値h0,iからの変化率=Δhi/h0,i
=(hi/h0,i)−1 hi :i番目の圧延機出側における圧延材断面高さ寸
法の実測値 (圧下方向の寸法) h0,i:i番目の圧延機出側における圧延材断面高さ寸
法の基準値 Δ ref,i*:i番目の圧延機における設定圧延ロ−ル対
間隙目標値 ΔNref,j*:j番目の圧延機における設定ロ−ル回転数
目標値 ΔTmi*:Tmiの基準(目標)値Tm0,iからの変化率=
ΔTmi/Tm0,i ΔTmi:i番目の圧延機入側における圧延材平均温度の
実測値の基準値からの偏差 Tm0,i:i番目の圧延機入側における圧延材温度の基準
値 ΔHi*:i番目の圧延機入側における圧延材断面の高さ
寸法の偏差 ΔHi*=ΔHi/H0,i=(Hi/H0,i)−1 Hi:i番目の圧延機入側における圧延材断面の高さ寸
法の実測値 H0,i:i番目の圧延機入側における圧延材断面の高さ
寸法の基準値 ΔBi*:i番目の圧延機入側における圧延材断面の幅寸
法の偏差 ΔBi*=ΔBi/ΔB0,i=(Bi/B0,i)−1 Bi:i番目の圧延機入側での圧延材断面の幅寸法の実
測値(圧下と直角な方向の寸法) B0,i:i番目の圧延機入側における圧延材断面の幅寸
法の基準値状態ベクトル、入力ベクトルにおいて一般的にはj=
1,2,・・・nとしてj=n(最終)スタンドのロー
ル回転数の偏差とその時間微分値ΔN n *,ΔN n *'も状
態ベクトルxあるいは出力ベクトルuに含めるべきであ
るが、ロール回転数を操作する場合、j=1,2,・・
・nのうちどれか1スタンドのロール回転数を固定して
基準スタンドとし、他のスタンドの回転数を相対的に操
作して張力を制御する。たとえば、棒鋼及び線材圧延の
操業においては、材料温度を一定に保つという観点か
ら、通常仕上げ圧延速度を一定にしておりこのため最終
スタンドのロール回転数を固定している。このようなこ
とから本発明の説明においては、j=n(最終)スタン
ドのロール回転数を固定している。こうした場合、j=
n(最終)スタンドのロール回転数の偏差とその時間微
分値ΔN n *,ΔN n *'は、状態ベクトルフィードバッ
ク,出力ベクトルフィードバックを行わないため、状態
ベクトル,出力ベクトルに含めない。 No.1,2スタ
ンドは2Hiミル、No.3,4スタンドは3ロ−ルミ
ルの4スタンドからなる圧延機列における表2に示す圧
延の基準状態での行列Aは13行13列、行列Bは13
行7列、行列Cは7行13列である。行列E,Fの値は
次に述べる制御系の設計には不要である。また、行列の
要素の中で、Dや−は、JIS FORTRANの倍数
精度実数型算術式の文法で規定されている記号である。
例えば、xDyはx×(10のy乗)を表す倍精度実数
型の定数である。
【0019】
【表2】
【0020】線材および棒鋼の連続圧延においては、圧
延機列の最終スタンドから放出される圧延材断面の高さ
寸法と幅寸法を目標値制御する必要がある。
【0021】特開昭62−230413号公報で開示さ
れた制御系によって、圧延機列の最終スタンド出側にお
ける圧延材断面の高さ寸法および幅寸法を制御する場
合、最終スタンド出側に設けられた圧延材断面測定用の
寸法計からのフィ−ドバック制御を行なうと、最終スタ
ンドから寸法計までの圧延材走行時間だけ時間遅れが生
じる。
【0022】そこで、本発明においては、最終数スタン
ドの出側における圧延材断面の高さ寸法を、圧延荷重と
圧延ロ−ル対間隙の変化から計算されるゲ−ジメ−タ方
式による算出によって測定し、これをロック・オン値と
して制御を行なう。このようにして時間遅れが解決され
る。
【0023】一方、最終数スタンド出側における圧延材
断面の高さ寸法のみを制御すると、スタンド間における
圧延材の張力が変化して圧延材断面の幅寸法が殆ど制御
されない。この問題を併せ解決するためには、最終数ス
タンド間における圧延材の張力も同時に制御する多変数
制御を行なう必要がある。その際、圧延機出側における
圧延材断面の高さ寸法を制御するスタンドを最終2スタ
ンドとすると、最終スタンド出側における圧延材断面の
幅寸法は、目標値からオフセットを生じる。圧延機出側
における圧延材断面の高さ寸法を制御するスタンドを最
終4スタンド以上とすると、最終スタンド出側における
圧延材断面の幅寸法の目標値からのオフセットを殆ど零
に制御することができる。
【0024】このように、制御量も操作量も多変数の複
雑な制御系では、変数相互の影響を考慮した線形圧延モ
デルを用いて、二次形式の評価関数が最小となるような
最適レギュレ−タ理論に基づく制御系を構成することに
よって、すべての制御量を高い応答性の下に肌理細かく
制御することができる。
【0025】本発明においては、最適レギュレ−タ理論
を適用して離散時間最適制御系を設計している。即ち、
外乱wがステップ状であると仮定すると、評価関数
【0026】
【数5】 J=Σ〔eT(k+1)Q・e(k+1)+vT(k)R・v(k)〕 (k=0〜無限大) ・・・(7) を最小にする制御入力u(k)は、
【0027】
【数6】 u(k)=−F1e(k-1)−F2[e(k)−e(k-1)] −F3[xs(k)−xs(k-1)]+u(k-1) ・・・(8) で与えられる。
【0028】本発明においては、離散時間制御系の設計
において求めた最適ゲインの値がそのままディジタルの
プロセス・コンピュ−タにおける離散時間で使用でき
る。なお、連続時間制御の設計において求めた最適ゲイ
ンを用いても、ディジタル・コンピュ−タで離散時間制
御する場合に、ゲインを適当に変換すれば、離散時間制
御系の設計において求めたゲインと同様に最適制御を実
現できる。圧延制御システムの最適化を図るためには、
最適であることを定量的に判定する尺度が必要である。
その場合、制御システムに課せられた要求から、評価関
数として制御量である圧延機出側における圧延材断面の
高さ寸法のロック・オン値からの変化率Δi *と圧延材
の前方張力tfiの目標値からの変化率Δtfi*の偏差の
2乗(面積=絶対値)を一般化したe(k+1)に関す
る二次形式を、前記第(7)式の右辺第1項に用いること
が適切である。しかし、評価関数がこの項のみでは、操
作量u(k)即ち設定圧延ロ−ル対間隙目標値Δref,i *
(k)と設定ロ−ル回転数目標値ΔNref,j*(k)の加速度v
(k)=u(k)−u(k-1)をいくらでも大きく与えた方が良
いということになって現実的でなくなる。そこで、制御
に要するコスト或いはv(k)の大きさに対する制約条件
を評価関数に織り込まなければならない。従って、v
(k)に関する二次形式を前記第(2)式の右辺第2項に導入
する。この場合、制御のすべての時間に亘る制御量(出
力ベクトル)であるi番目のスタンド出側における圧延
材断面の高さ寸法hiのロック・オン値hL,iからの変化
率ΔL,i *とi番目のスタンドにおける圧延材の前方張
力tfjの基準(目標)値からの変化率Δtfj*の目標値
からの偏差の2乗面積に重み行列Qを掛けたものと、操
作量(入力ベクトル)であるi番目のスタンドにおける
設定圧延ロ−ル対間隙目標値Sref,iのロック・オン値
L,iからの変化率Δref,i *と、j番目のスタンドに
おける設定圧延ロ−ル回転数目標値Nref,jの基準値N
0,jからの変化率ΔNref,j*の時刻kと1サンプリング
周期前の時刻k−1における値の差の2乗面積に重み行
列Rを掛けたものの和が最小となるようにする。即ち、
有限の大きさの操作量(制御入力)で、制御(出力ベク
トル)の偏差が短時間で目標値に整定する最適制御であ
り、重み行列Q,Rは、コンピュ−タ・シミュレ−ショ
ンによって望ましい制御成績とすべく試行錯誤によって
決定される。
【0029】前記第(7),(8)式において、制御偏差e,
部分状態ベクトルxsおよび制御入力(操作量)uの一
階差分vは、
【0030】
【数7】 e(k)=r(k)−y(k) (r(k)=0:目標値) ・・・(9) xs(k)=(ΔNj*,ΔNj*’)T ・・・(10) v(k)=u(k)−u(k-1) ・・・(11) で定義され、最適ゲイン行列F=〔F1:F2:F3
は、次のリカッチ方程式から求まる。
【0031】
【数8】 F=((R+GTPG)の−1乗)GTPΦ ・・・(12) P=ΦTPΦ−ΦTPG(R+GTPG)GTPΦ+HTQH ・・・(13) 但し、行列Φ,G及びHは、第(1),(2)式で示される
システムのエラ−システム
【0032】
【数9】 X(k+1)=ΦX(k)+Gv(k) ・・・(14) e(k)=HX(k) ・・・(15) X(k)=[eT(k-1),eT(k)−eT(k-1),xsT(k)−xsT(k-1)]T ・・・(16) の係数行列であり、行列A〜Cから求められる。添字T
は転置行列を示す。なおここでは、離散時間系の最適制
御を導出したが、圧延の状態方程式(1),(2)を連続時間
系で与えれば、同様の方法で連続時間系の最適制御を構
成できる。
【0033】ここで、評価関数である第(7)式と前記第
(8)〜(16)式の関係を説明すると、最適レギュレ−タ
は、通常、状態ベクトル・フィ−ドバックで構成され
る。本発明においては、圧延機出側における圧延材断面
の高さ寸法の偏差即ち、出力べクトルを制御する必要が
ある。また、圧延機間における圧延材張力の偏差は状態
ベクトルでありかつ、出力べクトルでもある。従って、
これらの出力ベクトルのフィ−ドバック制御が実現され
るように、もとのシステム(1),(2)式における圧延機出
側における圧延材断面の高さ寸法の偏差および圧延機間
における圧延材張力の偏差の出力ベクトルが、新しいシ
ステム式においては状態ベクトルとなるように、システ
ム式を変更する必要がある。
【0034】即ち、圧延機出側における圧延材断面の高
さ寸法の偏差および圧延機間における圧延材張力の偏差
の出力ベクトルの比例・積分制御およびミル駆動系の二
次系近似式のシステム式を構成する圧延ロ−ル回転数と
その時間微分からなる部分状態ベクトルのフィ−ドバッ
ク比例制御を構成すればよい。そのためには、(1),(2)
式におけるエラ−(出力ベクトルの0からの偏差に−符
号を付したもの)とエラ−の差分および部分状態ベクト
ルの差分を第(16)式のように新しいシステム式(14),(1
5)における状態ベクトルとすればよい。ここで、第(1
4),(15)式における係数Φ,G及びHは、もとのシステ
ム式(1),(2)から行列A〜Cより求められる。
【0035】このとき、評価関数第(7)式を最小にする
制御入力u(k)は、最適レギュレ−タ理論より第(8)式で
与えられる。ここで、制御偏差e(k),部分状態ベクト
ルxs(k)及び一階差分v(k)は、第(9)〜(11)式で定義
され、最適ゲイン行列(12),(13)式のリカッチ方程式よ
り求まる。
【0036】評価関数第(7)式を最小にする最適制御則
を適用することにより、図1に示すような棒鋼・線材圧
延における最適制御系を構成する。
【0037】
【実施例】図1に、本発明を実施するときの圧延制御シ
ステムを示す。ここで、4スタンドの中、上流側のN
o.1,No.2スタンドは2Hi型の圧延機、下流側
のNo.3,No.4スタンドは3ロ−ル型の圧延機で
ある。制御用計算機6は、圧延材の前方張力tfiの目標
値からの変化率Δtfi*、圧延ロ−ル回転数の偏差ΔNj
*とその微分値ΔNj*'と、i番目のスタンドにおける圧
延ロ−ル対間隙のロック・オン値からの偏差Δi *、圧
延荷重のロック・オン値からの偏差Δi *、寸法計5に
よる仕上スタンド出側における圧延材断面高さ寸法のロ
ック・オン値からの偏差Δh4*、寸法計5による仕上ス
タンド出側における圧延材断面幅寸法のロック・オン値
からの偏差Δb4*をサンプルし、各スタンド出側におけ
る圧延材断面高さ寸法のゲ−ジメ−タ方式による計算値
Δi *を求め、第(8)式で与えられる最適制御入力u(k)
を計算し、各スタンドにおける圧延ロ−ル対間隙の設定
値ΔSref,i*、圧延ロ−ル回転数設定値ΔNref,i*をそ
れぞれ圧延ロ−ル対間隙制御系、圧延ロ−ル回転数制御
系へ向けて出力する。ここで、各スタンド出側における
圧延材断面高さ寸法のゲ−ジメ−タ方式による計算値Δ
i *は、
【0038】
【数10】 Δi *=Δi *+αi・ΔPi*/Mi*+ΔhM,i* ・・・(17) によって計算される。Mi*は、無次元ミル定数(Mi*=
0,i・Mi/P0,i)、αiはスケ−ル・ファクタであ
る。第(17)式の右辺、第1項〜第2項は、それ自体公知
のゲ−ジメ−タ方式による計算式であり、第3項のΔh
M,i*は、絶対的寸法精度を与えるためのモニタ補償であ
る。
【0039】モニタ補償ΔhM,i*は、次の手順で得られ
る。寸法計5による最終(仕上)スタンド出側における
圧延材断面の高さ寸法の偏差Δh4*、幅寸法の偏差Δb
4*のサンプル値から、リ−ダ・スタンドおよび仕上スタ
ンド(この実施例ではNo.3,No.4スタンド)の
出側における圧延材断面の高さ寸法のモニタ修正量Δh
x,3*およびΔhx,4*を、
【0040】
【数11】 Δhx,3*=(K2・Δh4*−Δb4*)/K1 ・・・(18) Δhx,4*=Δh4* ・・・(19) によって計算する。但し、係数K1,K2は、影響係数を
用いて、
【0041】
【数12】 K1=(∂Δb4*/∂ΔS3*)・((∂Δh3*/∂ΔS3*)の−1乗) ・・・(20) K2=(∂Δb4*/∂ΔS4*)・((∂Δh4*/∂ΔS4*)の−1乗) ・・・(21) で与えられる。
【0042】次に、モニタ補償量ΔhM,i*(k)は、リ−
ダスタンド、仕上スタンド出側における圧延材断面の高
さ寸法のモニタ修正量hx,3*およびΔhx,4*を積分し
て、
【0043】
【数13】 ΔhM,i*(k)=0 (i=1,2の時) ΔhM,i*(k)=ΔhM,i*(k-1)+1/T・KM,i・Δhx,i*(k) (i=3,4の時) ・・・(22) によって求められる。Tiは、No.1スタンドから最
終(仕上)スタンド出側の寸法計までの材料(圧延材)
走行時間(秒)であり、KM,iはモニタ補償積分ゲイン
である。第(12),(13)式における重み行列Q,R及び第
(22)式におけるモニタ補償ゲインKM,iは、コンピュ−
タ・シミュレ−ションを繰返し、試行錯誤的に決定し
た。
【0044】No.1,2スタンドが2Hiミル、N
o.3,4スタンドが3ロ−ルミルから構成される4ス
タンド・ミルで、No.1スタンド入側における材料平
均温度が偏差ΔTm,i*=−0.182だけステップ状に変化
した場合について検討した。制御なしの場合のステップ
応答を、図4及び図5に示す。これらの図から明らかな
ように、最終(仕上)スタンド出側における圧延材断面
の高さ寸法および幅寸法それぞれの偏差Δh4*,Δb4*
が大きく変動している。図4及び図5に示す結果の前提
となっている上記No.1スタンド入側における材料平
均温度の偏差は、材料先端がNo.1スタンドに到達し
てから4,5秒間経過した時刻におけるものである。
【0045】制御ありの場合のステップ応答を図6,図
7,図8及び図9に示す。これらの結果は、No.1ス
タンド入側における材料平均温度,材料断面高さ寸法,
幅寸法が、それぞれ偏差ΔTM,1*だけステップ状に変化
した時の、制御あり(スタンド間での圧延材断面の高さ
寸法および幅寸法の偏差Δh4*,Δb4*ならびに各スタ
ンドにおける圧延材の前方張力の偏差Δtfj*,圧延ロ
−ル回転数の偏差ΔNj*,圧延ロ−ル対間隙の偏差ΔS
j*のステップ応答を示している。このとき、モニタ補償
は行なわず、第(17)式におけるΔhM,i*を零と置いてい
る。重み行列Q,Rは、
【0046】
【数14】 Q=diag(1,1,1,1,0.1,0.1,0.1) ・・・(23) R=diag(10,10,10,10,1,1.2,1.5) ・・・(24) である。図6〜図9から明らかなように、制御ありの場
合は、最終スタンド出側における圧延材断面の高さ寸法
および幅寸法の偏差ならびに各スタンドにおける圧延材
の前方張力の偏差が小さくなっており、精密な圧延制御
が可能となっている。
【0047】次に、モニタ補償の有効性を検証するため
に、材料温度と材料断面寸法の外乱が、材料先端からΔ
m,1*=−0.091、ΔH1*=ΔB1*=0.033だけ付加され
ている場合について検討した。
【0048】図10,図11及び図12に、モニタ補償
なしの場合の、最終スタンド出側における圧延材断面の
高さ寸法および幅寸法の偏差Δh4*,Δb4*ならびに各
スタンドにおける圧延材の前方張力の偏差Δtfj*の応
答を示す。ゲ−ジメ−タ方式による圧延材断面の高さ寸
法の計算値(ロック・オン値)が基準状態からずれてい
るために、最終スタンド出側における圧延材断面の高さ
寸法および幅寸法にオフセットが生じている。図10〜
図12に示す結果の前提となっている上記No.1スタ
ンド入側における材料平均温度,材料断面の高さ寸法お
よび幅寸法それぞれの偏差は、材料先端がNo.1スタ
ンドに到達してから1.0秒を経過した時刻におけるも
のである。
【0049】図13,図14及び図15に、モニタ制御
あり(スタンド間での圧延材の張力制+全スタンドでの
AGC)の場合の、最終スタンド出側における圧延材断
面の高さ寸法および幅寸法の偏差Δh4*,Δb4*ならび
に各スタンドにおける圧延材の前方張力の偏差Δtfj*
の応答結果を示す。このとき、モニタ補償ゲインは、K
M,3=KM,4=0.05とおいた。図13〜図15から明らか
なように、モニタ制御ありの場合は、最終スタンド出側
における圧延材断面の高さ寸法および幅寸法にオフセッ
トが生じていない。
【0050】ここで実施例の制御系をまとめて説明す
る。に張力制御+ゲ−ジメ−タAGC+モニタAGC補
償の制御系全体の詳細を、図2と図3に分割して示す。
各スタンド出側における圧延材断面の高さ寸法の偏差Δ
i*は、ゲ−ジメ−タ方式による計算式(17)によって求
まる。第(17)式の右辺第1項及び第2項は、それ自体公
知のゲ−ジメ−タ式である。
【0051】ゲ−ジメ−タ制御は、一般に、圧延機出側
における圧延材断面の高さ寸法のロックオン値からの偏
差を0にする偏差制御であるが、精密圧延を実現するた
めには、圧延製品断面の高さ寸法および幅寸法を目標値
に制御する絶対値制御が必要となる。そこで、張力制御
とゲ−ジメ−タ方式による計算式(17)によって求まる各
スタンド出側における圧延材断面の高さ寸法の制御にお
いて、絶対値制御を実現することを考える。ここでは、
4スタンドからなる圧延機列による圧延を例に採って説
明する。圧延製品断面の高さ寸法および幅寸法の目標値
からの偏差をΔh4*(k)およびΔb4*(k)とすると、ゲ−
ジメ−タ方式による計算式(17)によって求まる各スタン
ド出側における圧延材断面の高さ寸法の制御を絶対値制
御とするには、仕上げ前(リ−ダ)スタンドおよび仕上
スタンドにおける圧延材断面の高さ寸法を示す第(17)式
の第3項のモニタ補償量ΔhM,3*(k),ΔhM,4*(k)を、
以下の手順で計算する。
【0052】圧延機出側に設けられた寸法計によって測
定された圧延製品断面の高さ寸法および幅寸法の目標値
からの偏差のサンプル値Δh4*(k)およびΔb4*(k)から
モニタ修正量ΔhX,3*(k)及びΔhX,4*(k)を第(18),(1
9)式によって計算する。ここでk1は、圧延機間におけ
る圧延材張力を制御したときの、リ−ダスタンド出側に
おける圧延材断面の高さ寸法のゲ−ジメ−タ方式による
計算値が圧延製品断面の幅寸法に及ぼす影響係数であ
り、リ−ダ・スタンドにおける圧延ロ−ル対間隙が圧延
製品断面の幅寸法に及ぼす影響係数をリ−ダ・スタンド
出側における圧延材断面の高さ寸法に与える影響係数で
除した商として、第(20)式で示される。k1は、コンピ
ュ−タ・シミュレ−ション或は実測によって求められ
る。k2は、圧延機間における圧延材張力を制御したと
きの、仕上スタンド出側における圧延材断面の高さ寸法
のゲ−ジメ−タ方式による計算値が圧延製品断面の幅寸
法に及ぼす影響係数であり、仕上スタンドにおける圧延
ロ−ル対間隙が圧延製品断面の幅寸法に及ぼす影響係数
を仕上スタンドにおける圧延ロ−ル対間隙が仕上スタン
ド出側における圧延材断面の高さ寸法に与える影響係数
で除した商として、第(21)式で示される。k2は、コン
ピュ−タ・シミュレ−ション或は実測によって求められ
る。
【0053】モニタ補償量ΔhM,3(k),ΔhM,4(k)は、
各々第(18),(19)式によって計算されるモニタ修正量Δ
x,3(k),Δhx,4(k)に積分ゲインを掛けて積分した第
(22)式から求められる。ここで、圧延荷重と圧延ロ−ル
間間隙から求められる圧延材断面の高さ寸法のゲ−ジメ
−タ方式による計算値による制御のように、比例制御が
作用すると、最終スタンドから寸法計までの圧延材走行
時間だけ遅れが生じるから、圧延製品断面の高さ寸法お
よび幅寸法が目標値から大きくずれてしまう危険性があ
る。そこでこの実施例においては、モニタ修正量を積分
することにより、圧延製品断面の高さ寸法および幅寸法
が目標値に整定するようにしている。
【0054】なお、上記実施例では、ル−パレス連続圧
延について示したが、スタンド間にル−パがある場合に
ついてもル−パ高さと圧延材張力の関係式を用いて状態
方程式を構成すれば、上記実施例と同様の方法で寸法制
御が可能である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による最適
レギュレ−タ制御は、以下のように制御性能が優れてい
ることが実施例から明らかになった。
【0056】(1)張力制御および各スタンド出側ゲ−
ジメ−タ計算高さ制御は整定時間が短く、オフセットを
零に制御可能である。
【0057】(2)仕上スタンド出側高さ及び出側幅
は、オフセットを零に制御可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の圧延制御システムの構成を示すブロ
ック図である。
【図2】 実施例の制御系の一部分を詳細に示すブロッ
ク図である。
【図3】 実施例の制御系の残りの部分を詳細に示すブ
ロック図である。
【図4】 制御なしの場合のステップ応答を示すグラフ
である。
【図5】 制御なしの場合のステップ応答を示すグラフ
である。
【図6】 制御ありの場合のステップ応答を示すグラフ
である。
【図7】 制御ありの場合のステップ応答を示すグラフ
である。
【図8】 制御ありの場合のステップ応答を示すグラフ
である。
【図9】 制御ありの場合のステップ応答を示すグラフ
である。
【図10】 モニタ補償なしの場合のステップ応答を示
すグラフである。
【図11】 モニタ補償なしの場合のステップ応答を示
すグラフである。
【図12】 モニタ補償なしの場合のステップ応答を示
すグラフである。
【図13】 モニタ制御ありの場合のステップ応答を示
すグラフである。
【図14】 モニタ制御ありの場合のステップ応答を示
すグラフである。
【図15】 モニタ制御ありの場合のステップ応答を示
すグラフである。
【符号の説明】
1:2Hi型圧延機の水平ロ−ル 2:2Hi型圧延
機の垂直ロ−ル 3,4:3ロ−ル型圧延機のロ−ル 5:寸法計 6:制御用計算機 7:材料

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下流側の少なくとも2スタンドを3ロ−
    ル型圧延機で構成する圧延機列による棒鋼および線材の
    連続圧延において、 圧延機列を構成する各スタンドにおける、 圧延ロ−ル対間隙の偏差ΔSi*を ΔSi*=(Si−S0,i)/h0,i i=1,2,3,・・・,n Si :i番目のスタンドにおける圧延ロ−ル対間隙の
    実測値 S0,i:i番目のスタンドにおける圧延ロ−ル対間隙の
    基準値 h0,i:i番目のスタンド出側における圧延材断面の高
    さ寸法基準値 とし、圧延材の前方張力の偏差Δtfj*を、 Δtfj*=(tfj−tf0,j)/kfm0,j j=1,2,3,・・・,n−1 tfj :j番目のスタンド出側における圧延材の前方張
    力の実測値 tf0,j:j番目のスタンド出側における圧延材の前方張
    力の基準(目標)値 kfm0,j:j番目のスタンド出側における圧延材の変形
    抵抗の基準値 とし、圧延ロ−ルの回転数の偏差をΔNj*、その時間
    微分量をΔNj*'、 ΔNj*=(Nj/N0,j)−1 j=1,2,3,・・・,n−1 Nj :j番目のスタンドにおける圧延ロ−ル回転数の
    実測値 N0,j:j番目のスタンドにおける圧延ロ−ル回転数の
    基準値 とし、圧延荷重の偏差ΔPi*を、 ΔPi*=(Pi/P0,i)−1 i=0,1,2,・・・n Pi :i番目のスタンドにおける圧延荷重の実測値 P0,i:i番目のスタンドにおける圧延荷重の基準(目
    標)値 とし、各スタンド出側における圧延材断面高さ寸法の偏
    差Δhi*を、 Δhi*=(hi/h0,i)−1 i=0,1,2,・・・n hi :i番目のスタンド出側における圧延材断面高さ
    寸法の実測値 h0,i:i番目のスタンド出側における圧延材断面高さ
    寸法の基準値 hiはゲ−ジメ−タ式hi=Hcal,i+Si+αi・Pi/M
    iから求めた値 Hcal,i:i番目のスタンドにおける圧延ロ−ルのカリ
    バ−(孔型)深さ Si:i番目のスタンドにおける圧延ロ−ル対間隙の実
    測値 αi:i番目のスタンドにおけるスケ−ルファクタ Pi:i番目のスタンドにおける圧延荷重の実測値 Mi:i番目のスタンドにおけるミル剛性 とし、i番目のスタンドにおける圧延ロ−ル対間隙,圧
    延荷重,およびi番目のスタンド出側における圧延材断
    面高さ寸法のロックオン値を、それぞれSL,i,PL,i
    L,i(hL,i=Hcal,i+SL,i+αi・PL,i/Mi)と
    し、i番目のスタンドにおける圧延ロ−ル対間隙,圧延
    荷重,およびi番目のスタンド出側における圧延材断面
    高さ寸法のロックオン値の偏差値ΔSL,i*,ΔPL,i*,
    およびΔhL,i*をそれぞれ、 とし、各スタンド出側における圧延材断面高さ寸法の偏
    差Δhi*と、各スタンド出側における圧延材断面高さ寸
    法のロックオン値の偏差ΔhL,i*の隔たりモニタ補償量
    ΔhM,i*を加えた量Δ i*を、 モニタ補償量ΔhM,i*:圧延機列出側に設けられた圧延
    材断面寸法計によって測定された圧延材断面高さ寸法お
    よび幅寸法の偏差の実測値から圧延機列における各スタ
    ンドでの圧下量が仕上スタンド出側における圧延材断面
    高さ寸法および幅寸法に及ぼす影響係数に基づき、各ス
    タンドに配分し積分して得られる値とし、各スタンドの
    入側における材料の平均温度,圧延材断面高さ寸法,お
    よび幅寸法それぞれの偏差ΔTmi*,ΔHi*,およびΔ
    i*を とし、状態ベクトルx,出力ベクトルy,入力ベクトル
    uおよび外乱wを、 ΔSref,i*:i番目スタンドにおける設定圧延ロ−ル対
    間隙の目標値 ΔNref,j*:j番目スタンドにおける設定ロ−ル回転数
    の目標値 として、圧延の状態方程式 k:離散時間系の時刻を表すサンプル番号(整数) を用いて、評価関数J J=Σ〔eT(k+1)Q・e(k+1)+vT(k)Rv(k)〕 k:0から無限大の範囲 Q,R:重み行列 添字T:転置行列 e(k)=r(k)−y(k) r(k)=0(目標値) v(k)=u(k)−u(k-1) 制御入力u=(Δ ref,i*,ΔNref,j*)Tにおけるスタ
    ンド番号i,jは、i=0〜n,j=0〜n−1の範囲
    内で任意の組合せを採りうるものとする i=0のとき、ロ−ル間隙を操作量としない j=0のとき、ロ−ル間隙を操作量としない に最小にする制御偏差および状態ベクトルフィ−ドバッ
    クの最適入力によって、圧延機列における最終スタンド
    (第n番スタンド)から放出される圧延材の高さ寸法お
    よび幅寸法を制御するようにしたことを特徴とする、棒
    鋼および線材圧延における寸法制御方法。
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