JP2575348Y2 - 昇降圧型dc−dcコンバータ - Google Patents
昇降圧型dc−dcコンバータInfo
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- JP2575348Y2 JP2575348Y2 JP1993023834U JP2383493U JP2575348Y2 JP 2575348 Y2 JP2575348 Y2 JP 2575348Y2 JP 1993023834 U JP1993023834 U JP 1993023834U JP 2383493 U JP2383493 U JP 2383493U JP 2575348 Y2 JP2575348 Y2 JP 2575348Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、電力変換効率を向上さ
せた昇降圧型DC−DCコンバータに関する。
せた昇降圧型DC−DCコンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な昇降圧型DC−DCコン
バータの回路図を図4に示す。昇降圧型DC−DCコン
バータに限らず、電源回路では直流出力の整流用の素子
としては、一般にダイオードが使用され、図4において
DC−DCコンバータの直流出力の整流はダイオードD
4によって行われる。周知のように、ダイオード素子に
は整流作用を担うPN接合面あるいはショットキー障壁
面等に電位差が存在し、ダイオード素子に電流を流す
と、上述の電位差と電流の積にあたる電力がダイオード
素子によって消費される。
バータの回路図を図4に示す。昇降圧型DC−DCコン
バータに限らず、電源回路では直流出力の整流用の素子
としては、一般にダイオードが使用され、図4において
DC−DCコンバータの直流出力の整流はダイオードD
4によって行われる。周知のように、ダイオード素子に
は整流作用を担うPN接合面あるいはショットキー障壁
面等に電位差が存在し、ダイオード素子に電流を流す
と、上述の電位差と電流の積にあたる電力がダイオード
素子によって消費される。
【0003】図4に示す従来の昇降圧型DC−DCコン
バータ回路において、必要とする出力電圧VO に対して
入力電圧VINが高い場合には、このDC−DCコンバー
タは降圧動作を行う。降圧動作時のダイオードD4に流
れる電流ID は、チョークコイルL1の平滑作用によっ
て流通時間が長く、電流の瞬時値も平均化された電流と
なる。逆に、必要とする出力電圧VO に対して入力電圧
VINが低い場合には、このDC−DCコンバータは昇圧
動作を行う。昇圧動作時のダイオードD4に流れる電流
ID は、第2スイッチングトランジスタQ2がオン状態
からターンオフした時にチョークコイルL1に発生する
フライバック電圧によって流れる電流であって、降圧動
作時に比べて流通時間が短く、瞬時値も高いパルス状の
電流となる。ちなみに、図4におけるダイオードD4の
順方向電圧VF は、ショットキー障壁型のもので、0.
5〔V〕前後である。
バータ回路において、必要とする出力電圧VO に対して
入力電圧VINが高い場合には、このDC−DCコンバー
タは降圧動作を行う。降圧動作時のダイオードD4に流
れる電流ID は、チョークコイルL1の平滑作用によっ
て流通時間が長く、電流の瞬時値も平均化された電流と
なる。逆に、必要とする出力電圧VO に対して入力電圧
VINが低い場合には、このDC−DCコンバータは昇圧
動作を行う。昇圧動作時のダイオードD4に流れる電流
ID は、第2スイッチングトランジスタQ2がオン状態
からターンオフした時にチョークコイルL1に発生する
フライバック電圧によって流れる電流であって、降圧動
作時に比べて流通時間が短く、瞬時値も高いパルス状の
電流となる。ちなみに、図4におけるダイオードD4の
順方向電圧VF は、ショットキー障壁型のもので、0.
5〔V〕前後である。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】昇降圧型DC−DCコ
ンバータが各動作を行っている時、回路内を流れる電流
により回路内の各素子では何らかの電力損失が発生し、
DC−DCコンバータの電力変換効率を低下させる。直
流出力整流用の整流素子であるダイオード素子には、昇
圧、降圧の動作状態に関わらず電流が流れ、必然的に電
力損失が発生し、DC−DCコンバータの電力変換効率
を低下させることになる。そこで本考案は、特に整流素
子による損失を低減することにより電力変換効率を向上
させた昇降圧型DC−DCコンバータを得ることを目的
とする。
ンバータが各動作を行っている時、回路内を流れる電流
により回路内の各素子では何らかの電力損失が発生し、
DC−DCコンバータの電力変換効率を低下させる。直
流出力整流用の整流素子であるダイオード素子には、昇
圧、降圧の動作状態に関わらず電流が流れ、必然的に電
力損失が発生し、DC−DCコンバータの電力変換効率
を低下させることになる。そこで本考案は、特に整流素
子による損失を低減することにより電力変換効率を向上
させた昇降圧型DC−DCコンバータを得ることを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願考案は、降圧動作用
の第1スイッチングトランジスタ、昇圧動作用の第2ス
イッチングトランジスタ、フライホイールダイオード、
降圧動作時には平滑動作を行い、昇圧動作時にはフライ
バック電圧を発生させるチョークコイル、整流素子およ
び平滑コンデンサを具備する昇降圧型DC−DCコンバ
ータにおいて、前記整流素子としてMOS FETより
なるトランジスタ整流器を使用し、該第1スイッチング
トランジスタの電流出力端子に接続した該チョークコイ
ルにタップを設け、該タップに該第2スイッチングトラ
ンジスタおよび該トランジスタ整流器の電流入力端子を
接続し、該トランジスタ整流器の電流出力端子をコンバ
ータの出力端子に、制御端子を該チョークコイルの他端
にそれぞれ接続し、ここで、該トランジスタ整流器のM
OS FETに存在する寄生ダイオードの順方向は前記
タップからコンバータの出力端子側とし、該トランジス
タ整流器の電流入力端子と電流出力端子との間にショッ
トキー障壁型ダイオードを設け、該ショットキー障壁型
ダイオードの順方向を該寄生ダイオードの順方向と同じ
としたことを特徴とする、昇降圧型DC−DCコンバー
タである。
の第1スイッチングトランジスタ、昇圧動作用の第2ス
イッチングトランジスタ、フライホイールダイオード、
降圧動作時には平滑動作を行い、昇圧動作時にはフライ
バック電圧を発生させるチョークコイル、整流素子およ
び平滑コンデンサを具備する昇降圧型DC−DCコンバ
ータにおいて、前記整流素子としてMOS FETより
なるトランジスタ整流器を使用し、該第1スイッチング
トランジスタの電流出力端子に接続した該チョークコイ
ルにタップを設け、該タップに該第2スイッチングトラ
ンジスタおよび該トランジスタ整流器の電流入力端子を
接続し、該トランジスタ整流器の電流出力端子をコンバ
ータの出力端子に、制御端子を該チョークコイルの他端
にそれぞれ接続し、ここで、該トランジスタ整流器のM
OS FETに存在する寄生ダイオードの順方向は前記
タップからコンバータの出力端子側とし、該トランジス
タ整流器の電流入力端子と電流出力端子との間にショッ
トキー障壁型ダイオードを設け、該ショットキー障壁型
ダイオードの順方向を該寄生ダイオードの順方向と同じ
としたことを特徴とする、昇降圧型DC−DCコンバー
タである。
【0006】
【実施例】直流出力を整流する整流素子の損失を低減す
ることにより、昇降圧動作時の電力変換効率を向上させ
た本考案の昇降圧型DC−DCコンバータの回路図を図
1に示す。図1において、DC−DCコンバータの高電
位側の入力端子1aとアース間にラインインピーアダン
スを引き下げるためのコンデンサC1を接続し、入力端
子1aをさらにPNP型トランジスタによる第1スイッ
チングトランジスタQ1のエミッタと接続する。第1ス
イッチングトランジスタQ1のコレクタを、フライホイ
ールダイオードD1のカソード及びチョークコイルTの
一端と接続する。フライホイールダイオードD1のアノ
ードはアースと接続する。チョークコイルTにはタップ
が設けられており、そのタップをNチャネル型MOS
FETによるトランジスタ整流器Q3のソースと接続
し、チョークコイルTの他端をトランジスタ整流器Q3
のゲートと接続する。この時、トランジスタ整流器Q3
のMOS FETに存在する寄生ダイオードD2は、チ
ョークコイルTのタップから高電位側の出力端子2aの
方向が順方向となるようにしてある。
ることにより、昇降圧動作時の電力変換効率を向上させ
た本考案の昇降圧型DC−DCコンバータの回路図を図
1に示す。図1において、DC−DCコンバータの高電
位側の入力端子1aとアース間にラインインピーアダン
スを引き下げるためのコンデンサC1を接続し、入力端
子1aをさらにPNP型トランジスタによる第1スイッ
チングトランジスタQ1のエミッタと接続する。第1ス
イッチングトランジスタQ1のコレクタを、フライホイ
ールダイオードD1のカソード及びチョークコイルTの
一端と接続する。フライホイールダイオードD1のアノ
ードはアースと接続する。チョークコイルTにはタップ
が設けられており、そのタップをNチャネル型MOS
FETによるトランジスタ整流器Q3のソースと接続
し、チョークコイルTの他端をトランジスタ整流器Q3
のゲートと接続する。この時、トランジスタ整流器Q3
のMOS FETに存在する寄生ダイオードD2は、チ
ョークコイルTのタップから高電位側の出力端子2aの
方向が順方向となるようにしてある。
【0007】チョークコイルTのタップを、さらにNP
N型トランジスタによる第2スイッチングトランジスタ
Q2のコレクタと接続し、第2スイッチングトランジス
タQ2のエミッタをアースと接続する。トランジスタ整
流器Q3のドレインをDC−DCコンバータの高電位側
の出力端子2aと接続し、出力端子2aとアース間に平
滑コンデンサC2を接続する。第1スイッチングトラン
ジスタQ1と第2スイッチングトランジスタQ2のベー
スにはPWM制御回路3が接続され、PWM制御回路3
にはDC−DCコンバータの高電位側の入力端子1a及
び出力端子2aより、それぞれ入力電圧VIN及び出力電
圧VO が入力される。DC−DCコンバータの低電位側
の入力端子1b及び出力端子2bは共通接続され、さら
にアース及びPWM制御回路3に接続される。
N型トランジスタによる第2スイッチングトランジスタ
Q2のコレクタと接続し、第2スイッチングトランジス
タQ2のエミッタをアースと接続する。トランジスタ整
流器Q3のドレインをDC−DCコンバータの高電位側
の出力端子2aと接続し、出力端子2aとアース間に平
滑コンデンサC2を接続する。第1スイッチングトラン
ジスタQ1と第2スイッチングトランジスタQ2のベー
スにはPWM制御回路3が接続され、PWM制御回路3
にはDC−DCコンバータの高電位側の入力端子1a及
び出力端子2aより、それぞれ入力電圧VIN及び出力電
圧VO が入力される。DC−DCコンバータの低電位側
の入力端子1b及び出力端子2bは共通接続され、さら
にアース及びPWM制御回路3に接続される。
【0008】以上のような回路構成とした本考案の昇降
圧型DC−DCコンバータの動作を、図1に示す回路中
の各点の昇圧動作時における電流・電圧波形を示した図
2を参照しながら以下に説明する。必要とする出力電圧
VO に対して入力電圧VINが低い場合、第1スイッチン
グトランジスタQ1はデューティ100%オン状態とな
り、第2スイッチングトランジスタQ2はスイッチング
動作を行うようにPWM制御回路3から信号が出力さ
れ、DC−DCコンバータは昇圧動作を行う。先ず、第
2スイッチングトランジスタQ2がオン状態にある時に
は、第2スイッチングトランジスタQ2のコレクタに電
流IC が流入し、これによりチョークコイルTの第1ス
イッチングトランジスタQ1側の一端からタップ方向に
電流IT が流れる。この電流IC と電流IT は時間に比
例して増加し、電流IT によってチョークコイルTにエ
ネルギーが蓄積される。また、この時には、チョークコ
イルTに発生する起電圧によりトランジスタ整流器Q3
のソース、ゲート間は逆バイアスとなるため、トランジ
スタ整流器Q3はオフ状態となる。
圧型DC−DCコンバータの動作を、図1に示す回路中
の各点の昇圧動作時における電流・電圧波形を示した図
2を参照しながら以下に説明する。必要とする出力電圧
VO に対して入力電圧VINが低い場合、第1スイッチン
グトランジスタQ1はデューティ100%オン状態とな
り、第2スイッチングトランジスタQ2はスイッチング
動作を行うようにPWM制御回路3から信号が出力さ
れ、DC−DCコンバータは昇圧動作を行う。先ず、第
2スイッチングトランジスタQ2がオン状態にある時に
は、第2スイッチングトランジスタQ2のコレクタに電
流IC が流入し、これによりチョークコイルTの第1ス
イッチングトランジスタQ1側の一端からタップ方向に
電流IT が流れる。この電流IC と電流IT は時間に比
例して増加し、電流IT によってチョークコイルTにエ
ネルギーが蓄積される。また、この時には、チョークコ
イルTに発生する起電圧によりトランジスタ整流器Q3
のソース、ゲート間は逆バイアスとなるため、トランジ
スタ整流器Q3はオフ状態となる。
【0009】次に、第2スイッチングトランジスタQ2
がターンオフすると、チョークコイルTには、第2スイ
ッチングトランジスタQ2がオン状態の時に蓄えられた
エネルギーによりフライバック電圧が発生する。このチ
ョークコイルTのフライバック電圧により、トランジス
タ整流器Q3のソース、ゲート間は正バイアス状態とな
り、トランジスタ整流器Q3はオン状態に移行する。そ
して、第2スイッチングトランジスタQ2がオフ状態に
ある時には、トランジスタ整流器Q3は、チョークコイ
ルTに発生したフライバック電圧によりオン状態を維持
し続ける。従って、第2スイッチングトランジスタQ2
がオフ状態の期間には、チョークコイルTに蓄積されて
いたエネルギーは、オン状態のトランジスタ整流器Q3
と出力端子2aを介して負荷に供給されることになり、
チョークコイルTのタップには電流IT が流れ、電流I
T と同等の電流ID がトランジスタ整流器Q3のソー
ス、ドレイン端子に流れる。この電流IT と電流I
D は、チョークコイルTの蓄積されたエネルギーの放出
により時間に比例して減少する傾向を示す。やがて第2
スイッチングトランジスタQ2はターンオンし、前記し
た動作を繰り返すことになる。
がターンオフすると、チョークコイルTには、第2スイ
ッチングトランジスタQ2がオン状態の時に蓄えられた
エネルギーによりフライバック電圧が発生する。このチ
ョークコイルTのフライバック電圧により、トランジス
タ整流器Q3のソース、ゲート間は正バイアス状態とな
り、トランジスタ整流器Q3はオン状態に移行する。そ
して、第2スイッチングトランジスタQ2がオフ状態に
ある時には、トランジスタ整流器Q3は、チョークコイ
ルTに発生したフライバック電圧によりオン状態を維持
し続ける。従って、第2スイッチングトランジスタQ2
がオフ状態の期間には、チョークコイルTに蓄積されて
いたエネルギーは、オン状態のトランジスタ整流器Q3
と出力端子2aを介して負荷に供給されることになり、
チョークコイルTのタップには電流IT が流れ、電流I
T と同等の電流ID がトランジスタ整流器Q3のソー
ス、ドレイン端子に流れる。この電流IT と電流I
D は、チョークコイルTの蓄積されたエネルギーの放出
により時間に比例して減少する傾向を示す。やがて第2
スイッチングトランジスタQ2はターンオンし、前記し
た動作を繰り返すことになる。
【0010】今度は、必要とする出力電圧VO に対して
入力電圧VINが高い場合、第1スイチングトランジスタ
Q1がスイッチング動作を行い、第2スイッチングトラ
ンジスタQ2をデューティ100%オフ状態とするよう
にPWM制御回路3から信号が出力され、DC−DCコ
ンバータは降圧動作を行う。第1スイッチングトランジ
スタQ1がオン状態にある時には、トランジスタ整流器
Q3はオフ状態にあるが、電流が第1スイッチングトラ
ンジスタQ1のコレクタより、チョークコイルT及びト
ランジスタ整流器Q3のMOS FETに存在する寄生
ダイオードD2を介して出力端子2aに流れ、出力電圧
VO を発生させる。第1スイッチングトランジスタQ1
がオフ状態にある時には、トランジスタ整流器Q3はチ
ョークコイルTによりオン状態にあり、チョークコイル
Tに発生したフライバック電圧により、オン状態のトラ
ンジスタ整流器Q3を介してチョークコイルTより出力
端子2aに電流が流れ、出力電圧VO を発生させる。
入力電圧VINが高い場合、第1スイチングトランジスタ
Q1がスイッチング動作を行い、第2スイッチングトラ
ンジスタQ2をデューティ100%オフ状態とするよう
にPWM制御回路3から信号が出力され、DC−DCコ
ンバータは降圧動作を行う。第1スイッチングトランジ
スタQ1がオン状態にある時には、トランジスタ整流器
Q3はオフ状態にあるが、電流が第1スイッチングトラ
ンジスタQ1のコレクタより、チョークコイルT及びト
ランジスタ整流器Q3のMOS FETに存在する寄生
ダイオードD2を介して出力端子2aに流れ、出力電圧
VO を発生させる。第1スイッチングトランジスタQ1
がオフ状態にある時には、トランジスタ整流器Q3はチ
ョークコイルTによりオン状態にあり、チョークコイル
Tに発生したフライバック電圧により、オン状態のトラ
ンジスタ整流器Q3を介してチョークコイルTより出力
端子2aに電流が流れ、出力電圧VO を発生させる。
【0011】ここで、トランジスタ整流器Q3がオン状
態にある時のトランジスタ整流器Q3によるDC−DC
コンバータの損失電力は、トランジスタ整流器Q3のゲ
ート駆動電力とトランジスタ整流器Q3のオン時抵抗と
電流の二乗の積によるものを合成した電力となる。ま
た、トランジスタ整流器Q3がオフ状態で、トランジス
タ整流器Q3の寄生ダイオードD2に電流が流れる時の
トランジスタ整流器Q3による損失電力は、寄生ダイオ
ードD2の順方向電圧と電流の積によるものになる。ト
ランジスタ整流器Q3のオフ状態における電力損失は、
ダイオード素子を整流素子として使用した場合と大差無
いが、トランジスタ整流器Q3のオン状態における電力
損失は、ダイオード素子を整流素子として使用した場合
に比べて、はるかに小さくできることになる。
態にある時のトランジスタ整流器Q3によるDC−DC
コンバータの損失電力は、トランジスタ整流器Q3のゲ
ート駆動電力とトランジスタ整流器Q3のオン時抵抗と
電流の二乗の積によるものを合成した電力となる。ま
た、トランジスタ整流器Q3がオフ状態で、トランジス
タ整流器Q3の寄生ダイオードD2に電流が流れる時の
トランジスタ整流器Q3による損失電力は、寄生ダイオ
ードD2の順方向電圧と電流の積によるものになる。ト
ランジスタ整流器Q3のオフ状態における電力損失は、
ダイオード素子を整流素子として使用した場合と大差無
いが、トランジスタ整流器Q3のオン状態における電力
損失は、ダイオード素子を整流素子として使用した場合
に比べて、はるかに小さくできることになる。
【0012】トランジスタ整流器Q3に存在する寄生ダ
イオードD2の順方向電圧は、PN接合によるダイオー
ド素子と同等であるため、寄生ダイオードD2に電流が
流れる時の電力損失は、整流素子としてダイオード素子
を使用した場合に比べて低減できていない。むしろ、整
流素子としてショットキー障壁型ダイオードを使用した
場合より、電力損失が大きくなってしまう。そこで、図
3に示すように、順方向電圧の低い、ショットキー障壁
型のダイオードD3を、トランジスタ整流器Q3のソー
ス、ドレイン間に設ける。この時、ダイオードD3の順
方向は寄生ダイオードD2の順方向と同じ方向とする。
これにより、トランジスタ整流器Q3のオフ状態におけ
る電力損失を、トランジスタ整流器Q3を単独で使用す
る場合に比べて低く抑えることができる。
イオードD2の順方向電圧は、PN接合によるダイオー
ド素子と同等であるため、寄生ダイオードD2に電流が
流れる時の電力損失は、整流素子としてダイオード素子
を使用した場合に比べて低減できていない。むしろ、整
流素子としてショットキー障壁型ダイオードを使用した
場合より、電力損失が大きくなってしまう。そこで、図
3に示すように、順方向電圧の低い、ショットキー障壁
型のダイオードD3を、トランジスタ整流器Q3のソー
ス、ドレイン間に設ける。この時、ダイオードD3の順
方向は寄生ダイオードD2の順方向と同じ方向とする。
これにより、トランジスタ整流器Q3のオフ状態におけ
る電力損失を、トランジスタ整流器Q3を単独で使用す
る場合に比べて低く抑えることができる。
【0013】
【考案の効果】以上に述べたように、本考案は、昇降圧
型DC−DCコンバータの直流出力整流用の整流素子と
して、MOS FETよりなるトランジスタ整流器を使
用したものである。これにより、この昇降圧型DC−D
Cコンバータが昇降圧動作を行う時の整流素子における
電力損失を大幅に低減することができる。また、トラン
ジスタ整流器のMOS FETに存在する寄生ダイオー
ドに対して、順方向が同じで、かつ、並列接続となるよ
うにショットキー障壁型のダイオードを設けることも合
わせると、さらに昇降圧型DC−DCコンバータの整流
素子の電力損失も低減させることができる。ちなみに、
試験回路においては、整流素子にダイオード素子を使用
した回路に対して、本考案によるトランジスタ整流器を
使用した回路においては、電力変換効率が、昇圧動作時
で約7%、降圧動作時で約2%向上し、電力変換効率の
高い昇降圧型DC−DCコンバータを得ることができ
た。
型DC−DCコンバータの直流出力整流用の整流素子と
して、MOS FETよりなるトランジスタ整流器を使
用したものである。これにより、この昇降圧型DC−D
Cコンバータが昇降圧動作を行う時の整流素子における
電力損失を大幅に低減することができる。また、トラン
ジスタ整流器のMOS FETに存在する寄生ダイオー
ドに対して、順方向が同じで、かつ、並列接続となるよ
うにショットキー障壁型のダイオードを設けることも合
わせると、さらに昇降圧型DC−DCコンバータの整流
素子の電力損失も低減させることができる。ちなみに、
試験回路においては、整流素子にダイオード素子を使用
した回路に対して、本考案によるトランジスタ整流器を
使用した回路においては、電力変換効率が、昇圧動作時
で約7%、降圧動作時で約2%向上し、電力変換効率の
高い昇降圧型DC−DCコンバータを得ることができ
た。
【図1】 本考案の昇降圧型DC−DCコンバータの一
実施例の回路図。
実施例の回路図。
【図2】 図1に示す回路の各点における電流・電圧の
波形図。
波形図。
【図3】 トランジスタ整流器にショットキー障壁型の
ダイオードを併設した整流素子。
ダイオードを併設した整流素子。
【図4】 従来の昇降圧型DC−DCコンバータの回路
図。
図。
1a、1b 入力端子 2a、2b 出力端子 3 PWM制御回路 Q1 第1スイッチングトランジスタ Q2 第2スイッチングトランジスタ Q3 トランジスタ整流器 T タップを有するチョークコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03M 3/00 - 3/44
Claims (1)
- 【請求項1】 降圧動作用の第1スイッチングトランジ
スタ、昇圧動作用の第2スイッチングトランジスタ、フ
ライホイールダイオード、降圧動作時には平滑動作を行
い、昇圧動作時にはフライバック電圧を発生させるチョ
ークコイル、整流素子および平滑コンデンサを具備する
昇降圧型DC−DCコンバータにおいて、前記整流素子
としてMOS FETよりなるトランジスタ整流器を使
用し、該第1スイッチングトランジスタの電流出力端子
に接続した該チョークコイルにタップを設け、該タップ
に該第2スイッチングトランジスタおよび該トランジス
タ整流器の電流入力端子を接続し、該トランジスタ整流
器の電流出力端子をコンバータの出力端子に、制御端子
を該チョークコイルの他端にそれぞれ接続し、ここで、
該トランジスタ整流器のMOS FETに存在する寄生
ダイオードの順方向は前記タップからコンバータの出力
端子側とし、該トランジスタ整流器の電流入力端子と電
流出力端子との間にショットキー障壁型ダイオードを設
け、該ショットキー障壁型ダイオードの順方向を該寄生
ダイオードの順方向と同じとしたことを特徴とする、昇
降圧型DC−DCコンバータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993023834U JP2575348Y2 (ja) | 1993-04-09 | 1993-04-09 | 昇降圧型dc−dcコンバータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993023834U JP2575348Y2 (ja) | 1993-04-09 | 1993-04-09 | 昇降圧型dc−dcコンバータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0677486U JPH0677486U (ja) | 1994-10-28 |
JP2575348Y2 true JP2575348Y2 (ja) | 1998-06-25 |
Family
ID=12121426
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993023834U Expired - Fee Related JP2575348Y2 (ja) | 1993-04-09 | 1993-04-09 | 昇降圧型dc−dcコンバータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2575348Y2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0458084U (ja) * | 1990-09-25 | 1992-05-19 | ||
JPH04156269A (ja) * | 1990-10-17 | 1992-05-28 | Tdk Corp | Dc―dcコンバータ |
-
1993
- 1993-04-09 JP JP1993023834U patent/JP2575348Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0677486U (ja) | 1994-10-28 |
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