JP2573815B2 - マイコバクテリウム感染検出合成ポリペプチド - Google Patents

マイコバクテリウム感染検出合成ポリペプチド

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイコバクテリウム感染
を含む疾患の検出、診断および治療に有用な免疫原、抗
原、接種材料、抗体、方法および装置に関する。
【発明の背景】マイコバクテリウムは長い間ヒトの細菌
病原体として認められ、殊に発展途上国において破壊的
疾病を生じ続けている。世界保健機関、ビュレチン・オ
ブ・ザ・ワールド・ヘルス・オーガニゼーション (Bul
l. WHO,61,779(1983)。結核症は結核
菌 (Mycobacterium Tuberculosis) (M. tuberculosis)
の呼吸性感染により起され、現在世界中で約3千万人が
苦しみ、年間約3百万人が死亡している。
【0002】粗細菌抗原調製物が免疫診断および免疫予
防目的に使用されてきた。1881年にコッホ (Koch)
により開発されたツベルクリン試験はヒトに使用された
最初の免疫診断試験であった。ツベルクリン、複雑でし
かし十分には規定されていない組成物の結核菌(M. Tub
erculosis)濾液、は現在病原体に対する前暴露の検出に
対する遅延型皮膚過敏症(DCH)または皮膚試験抗原
として使用されている。セイバート (Seibert)ほか、ア
メリカン・レビュー・オブ・ツベルクローシス(Am. Re
v. Tuberc.) 69,585(1954)。残念ながらツ
ベルクリンの有用性はその特異性の不足により、および
活性疾患、結核菌(M. Tuberculosis)との接触による前
感作、または他のマイコバクテリウムに対する交差感受
性の間を識別する能力のないことにより制限される。
【0003】カルメット・ゲラン菌(BCG)、ウシ結
核菌 (Mycobacterium bovis) (M.bovis)の無毒性株、
は現在生ワクチンとしてヒトにおける結核に対する保護
に使用されている〔カルメット(Calmette, A.), ジャー
ナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエー
ション(J. Am. Med. Assoc.), 96, 58(193
1)〕。BCGは西欧において結核症の発生率の低下に
有効であった〔メディカル・リサーチ・カウンセル (Me
dical Research Council) , ビュレチン・オブ・ザ・ワ
ールド・ヘルス・オーガニゼーション (Bull. WH
O),46,371(1972)〕けれども、インドに
おける多くの試験で有効でないことが最近認められた
(世界保健機関、ワールド・ヘルス・オーガニゼーショ
ン・テクニカル・レポート・シリーズ(WHO Tech. R
ep. Ser.) ,651(1980)〕。現在マイコバクテ
リウム感染の検出に使用されている粗抗原調製物に関す
る基本的問題は抗原調製物がしばしば若干の異なるマイ
コバクテリウム種と陽性に反応することである。これは
もちろん、診断および適切な治療規制の選択を複雑にす
る。個々のマイコバクテリウム種に対して免疫反応を特
異的に生ずる試薬はマイコバクテリウム感染の診断およ
び管理に有益であろう。
【0004】DCH反応において規定されたポリペプチ
ド抗原を使用する利点は数多くある。例えばマイコバク
テリウム感染の場合に、ポリペプチドのアミノ酸残基配
列が結核性マイコバクテリウム種中に特異的に発現され
るタンパク質の部分に相当すれば、該ポリペプチドは結
核性マイコバクテリウム感染を特異的に検出し、それに
より現在使用されている皮膚試験抗原に関連する交差反
応性の問題を回避する有用な試薬であることができる。
さらに、ポリペプチドは化学的に合成し、皮膚試験抗原
の生成のために病原性微生物の大培養を成長させる必要
を排除することができる。ポリペプチドはまたマイコバ
クテリウム感染の検出または予防(予防接種)に使用す
ることができる。事実、ポリペプチドを含む接種材料は
ヒトにおける結核症を検出するDCHまたは皮膚試験に
おいて選択する抗原としてツベルクリンまたはPPG
(精製タンパク質誘導体)を置換することができた。
【0005】合成抗原(免疫原)の製造およびそれを予
定特異性の抗体の誘発に使用する一般的概念が記載され
たけれども、この技術の予測可能性を拒み続けている大
きい領域が残っている。これには少くとも2つの理由が
ある。第1に、合成抗原(免疫原)が必らずしもその自
然環境中の無傷タンパク質と免疫反応する抗体を誘発し
ない。第2に、自然発生免疫原例えばウイルスタンパク
質に対する宿主の自然抗体がほとんど免疫原のアミノ酸
残基配列の短かい線状部分に相当するポリペプチドと免
疫反応しない。この後者の現象は短かい線状ポリペプチ
ドが必要な二次および三次の配座構造を欠く結果である
と思われる。タンパク質に対して作られた抗体によるペ
プチドの結合に関する多くの研究がベンジャミニ (Benj
amini, E.)ほか、カレント・トピックス・イン・マイク
ロバイオロジー・アンド・イムノロジー (Current Topi
cs in Microbiology and Immunology), 58,85(1
972)、による総説に要約されている。抗体結合にお
けるペプチド構造の役割はグッドマン (Goodman, J.
W.) 、イムノケミストリー(Immunochem.),,139
(1969)、により強調されている。
【0006】抗体結合に関するペプチドの配列における
変化の効果を含む研究の多くは抗体結合部位の構造が主
要な役割を果たすことを示すと解釈された。これらの研
究における配列および構造の変化の効果は混り合い、分
離することは困難である。これらの研究の若干は結合を
行なう抗原中の構造変化により同様によく説明すること
ができる。分子水準における抗体応答には規定配列(一
次構造)および規定配座(二次および三次構造)におけ
る抗原の結合が含まれる。タンパク質抗原に対する免疫
応答は伝統的にタンパク質の一次、二次または三次構造
を指向すると解明された。この分類図式は生理的温度お
よび溶液において明確な全体構造を有するタンパク質に
対して若干の妥当性を有することができる。しかし、そ
の妥当性はより動的な構造を有するペプチド抗原に対し
ては疑わしい。
【0007】発明の概要 本発明は結核性マイコバクテリウムの抗原と免疫反応す
る抗体の生成を誘発できる合成ポリペプチドを意図す
る。該ポリペプチドは約13〜約40個のアミノ酸残基
を含み、左から右へ、アミノ末端からカルボキシ末端の
方向に書いて式: AlaLysValAsnIleLysProLeuGluAspLysIle により示されるアミノ酸残基配列を包含する。該ポリペ
プチドはアミノ末端およびカルボキシ末端の一方または
両方にシステイン(Cys)残基を含むことができる。該
ポリペプチドは、担体に結合して有効量を哺乳動物宿主
中へ導入すると結核性マイコバクテリウムの抗原と免疫
反応する抗体の生成を誘発することができる。本発明に
はまたポリペプチドの製剤に許容される塩および抗原関
連変異体が含まれる。
【0008】該ポリペプチドはまた結核性マイコバクテ
リウムの天然抗原によって誘発されたヒト抗体と免疫反
応することができる。本発明はまた少くとも1つの繰返
し単位が上記ポリペプチドである複数の結合した合成ポ
リペプチド繰返し単位を含む合成マルチマーを意図す
る。ポリペプチド繰返し単位はアミド結合により頭−尾
のように結合することができる。あるいは、合成ポリペ
プチドモノマーはアミド結合以外によって結合し、分子
内、ポリペプチド間システインジスルフィド結合の使用
により高分子マルチマーを形成することができる。他の
態様において、本発明のポリペプチドの有効量を、生理
的に許容される希釈剤中で使用して結核性マイコバクテ
リウムの抗原と免疫反応する抗体を誘発することができ
る接種材料を形成する。抗体の生成に対する使用に加え
て、本発明の接種材料はマイコバクテリウム感染に対す
る活性免疫を誘発する手段としてヒトにおけるワクチン
として用いることができる。
【0009】なお他の態様において、結核性マイコバク
テリウムに対して抗原と免疫反応することができる抗体
結合部を含む受容体が意図される。該受容体は上記合成
ポリペプチドを単独にまたは接合体として含む合成免疫
原に対して生起される。また結核性マイコバクテリウム
の抗原の存在について検定する診断装置が意図される。
該診断装置は前記受容体分子および結核性マイコバクテ
リウムの抗原と結合する部位の免疫反応を示す指示手段
を含む。さらに、体成分中の結核性マイコバクテリウム
の抗原に対する抗体分子の存在について検定する診断装
置が意図される。そのような診断装置は前記合成ポリペ
プチド及び結核性マイコバクテリウムの抗原に対する抗
体分子とのポリペプチドの免疫反応を示す指示手段を含
む。より好ましい態様において、該装置はまたポリペプ
チドを結合させる固体マトリックスからなる固体担体を
含む。免疫反応した抗体分子のアイソタイプを確認する
手段もまた装置中に含むことができる。
【0010】他の態様において、本発明には結核性マイ
コバクテリウム抗原のアミノ酸配列に相当するアミノ酸
残基配列を有する前記合成ポリペプチドを含む宿主中の
結核性マイコバクテリウム抗原に対する細胞仲介免疫応
答性の存在を測定する診断装置が含まれる。該ポリペプ
チドは、有効量を生理的に許容される希釈剤中で宿主の
皮内に投与すると宿主中の胸腺誘導細胞の増殖を誘発す
ることができる。増殖は皮内投与の部位における紅斑
(赤さ)および硬化により示される。結核性マイコバク
テリウムに対し前に免疫処置された宿主中の胸腺誘導細
胞の増殖を誘発する方法および宿主中の結核性マイコバ
クテリウム抗原の存在を測定する方法もまた開示され
る。該方法には、後者の方法による論議したポリペプチ
ドを提供する段階および有効量のポリペプチドを生理的
に許容される希釈剤中で宿主に皮内投与する段階が含ま
れ、胸腺誘導細胞の増殖および宿主中の結核性マイコバ
クテリウム抗原の存在は皮内投与の部位における紅斑お
よび硬化により示される。本発明は若干の利点および利
益を提供する。本発明の利点の1つは合成ポリペプチド
の使用が相当する無傷タンパク質の存在の必要性を排除
することである。ポリペプチド自体が疾患から宿主を保
護するワクチンを提供することができる。従って、細菌
から有用量のウイルスタンパク質を生成させることに関
連する不純物、例えば細胞の破片および毒素は、本発明
の生成物には存在しない。
【0011】結核性マイコバクテリウムに感染されたヒ
トはマイコバクテリウムに関連する抗原に対して抗体を
生ずる。ヒトにおける結核性マイコバクテリウムおよび
抗結核性マイコバクテリウム抗体の検定に使用する伝統
的臨床技術は厄介である。さらに、細胞培養からの結核
性マイコバクテリウムの抗原を精製する現在の操作は大
量生産に容易に適応できない。本発明は現在の方法の問
題の若干を克服する合成ポリペプチド技術の使用を意図
する。比較的短かい合成ポリペプチドは天然タンパク質
上の抗原決定基を免疫的に模倣することができ、従っ
て、天然タンパク質を認識する予定特異性の抗体の生起
に使用することができる。
【0012】「免疫的に模倣する」という語は、ここに
本発明の免疫原ポリペプチドが誘発ポリペプチドに、ま
た無傷タンパク質中の同種配列に結合する抗体の生成を
誘発する意味に使用される。この現象は実験的および臨
床的の両方に使用できる。実験的には合成ポリペプチド
に対する抗体はDNA解読わく、従って臨床的に重要な
タンパク質例えばウシ結核菌(M. bovis) のBCG−a
タンパク質のアミノ酸残基配列の確立に使用できる。臨
床的には、合成ポリペプチドに対して生起される予定特
異性の抗体を診断および治療目的に使用できる。アミノ
酸残基配列が結核性マイコバクテリウム抗原のそれに実
質的に相当する比較的短かいポリペプチドが合成され
た。特定的には、本発明にはウシ結核菌(Mycobacteriu
m bovis)株BCGのBCG−aタンパク質のアミノ酸残
基配列の部分に実質的に相当するアミノ酸残基配列を有
する合成ポリペプチドが含まれる。このタンパク質はミ
ンデン (Minden) ら、インフェクション・アンド・イミ
ュニティ(Infect. Immun.), 46,519(1984)
により結核性マイコバクテリウム〔ウシ結核菌(M. bov
is) および結核菌 (M. tuberculosis)〕により特異的に
発現されるタンパク質として確認された。上記刊行物に
報告されたように、ミンデン (Minden) らはこのタンパ
ク質のアミノ末端20残基の配列を決定した(図1の第
1アミノ酸残基配列参照)。
【0013】本発明によれば、BCG−aタンパク質の
残基1〜12に相当するアミノ酸残基配列を有しカルボ
キシ末端においてシステインを有するポリペプチドが合
成され(図1の第2アミノ酸残基配列参照)、ウシ結核
菌(M. bovis) 株BCGの音波抽出物で免疫処置したモ
ルモットに対し遅延皮膚過敏症反応を誘発することが示
された。さらに、前記のように免疫処置したモルモット
においてBCG−aタンパク質の残基1〜12に相当す
るが、アミノ末端およびカルボキシ末端の両方にシステ
イン(Cys)残基を含むアミノ酸残基配列を有するポリ
ペプチドにより一層著しい遅延型皮膚過敏症反応が誘発
された(図1の第3アミノ酸残基配列参照)。これらの
結果は、このポリペプチドがヒトにおける結核性マイコ
バクテリウム感作を特異的に検出する皮膚試験に使用で
きることを示す。該ポリペプチドはまた現在使用される
遅延型皮膚過敏症抗原に関連する交差反応の問題の回避
に使用できる。本ポリペプチドはヒトにおける結核症を
検出するDCH試験において選択される抗原としてツベ
ルクリンまたはPPDを置換することができる。
【0014】A.合成ポリペプチド 1. 配 列 この研究に用いた比較的小さい合成ポリペプチド(長さ
13〜20個のアミノ酸残基)はメリフィールド (Merr
ifield) ほか、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケ
ミカル・ソサイエティ (J. Am. Chem. Soc.), 85,2
149(1963)の固相法を用いて合成した。用いた
「合成」という語はポリペプチド分子またはポリペプチ
ド繰返し単位が、生物学的方法による例えば遺伝子工学
技術によるよりもむしろ化学的方法により作られた、す
なわち化学的に合成されたことを意味する。従って、本
発明を具体化する合成ポリペプチドは天然産出タンパク
質およびそのフラグメントを含まない。従って、化学合
成ポリペプチドはまたタンパク質上のブロモシアンの作
用により製造される天然産出タンパク質の分解生成物と
は異なる。ブロックしたアミノ酸残基を連続的に追加し
て所望のポリペプチドを得る周知の固相化学合成は好ま
しい合成法であり、後により詳細に論議される。
【0015】ここに確認されるすべてのアミノ酸残基は
天然またはL−配置にある。標準ポリペプチド命名法に
一致させたアミノ酸残基の略語は次のとおりである。 記 号 アミノ酸 1文字 3文字 Y Tyr L−チロシン G Gly L−グリシン F Phe L−フエニルアラニン M Met L−メチオニン A Ala L−アラニン S Ser L−セリン I Ile L−イソロイシン L Leu L−ロイシン T Thr L−トレオニン V Val L−バリン P Pro L−プロリン K Lys L−リシン H His L−ヒスチジン Q Gln L−グルタミン E Glu L−グルタミン酸 Z Glx L−グルタミン酸 または L−グルタミン W Trp L−トリプトファン R Arg L−アルギニン D Asp L−アスパラギン酸 N Asn L−アスパラギン S Asx L−アスパラギン酸 または L−アスパラギン C Cys L−システイン
【0016】本発明は約13〜約40個のアミノ酸残基
を含み、左から右へアミノ末端からカルボキシ末端の方
向に書いて式: AlaLysValAsnIleLysProLeuGluAspLysIleC
ys により規定される配列を包含する合成ポリペプチドを意
図する。該ポリペプチドは担体に結合させて哺乳動物宿
主中へ有効量を導入すると結核性マイコバクテリウムの
抗原と免疫反応する抗体の生成を誘発することができ
る。本発明の合成ポリペプチドは、しばしば単に「ポリ
ペプチド」として、または「合成ポリペプチド」として
示される。その使用は簡潔にするためである。「抗原関
連変異体」という語は1つの抗原決定基の少くとも1部
を共有し、従って免疫交差反応性である全アミノ酸残基
配列とは異なるポリペプチドを示すために用いられてい
る。用いた「抗原決定基」という語は同一または関連の
抗原または免疫原により誘出された相当する抗体(免疫
グロブリン)分子との特異的相互作用の原因である分子
の構造成分を示す。
【0017】用いた「免疫原決定基」という語は、抗原
として用いたときに免疫原と結合する抗体結合部位(イ
ディオタイプ)を含む抗体の宿主内誘発の原因である分
子の構造成分を示す。用いた「抗原」という語は抗体が
結合するエンティティーを意味する。用いた「免疫原」
という語は宿主動物中で抗体生成を誘発するエンティテ
ィーを示す。若干の場合に抗原と免疫原は同一のエンテ
ィティーであるが、他の場合には2つのエンティティー
は異なる。例えば後記のように、ポリペプチドはモルモ
ット中の抗体の生成の誘発に使用され、従って免疫原と
して使用された。そのように誘発された抗体は、抗原と
して用いるとポリペプチドに結合する。従ってポリペプ
チドは免疫原および抗原の両方であった。抗結核性マイ
コバクテリウム抗体は、結核性マイコバクテリウム抗原
に免疫原および抗原の両方として、並びにポリペプチド
に抗原として結合する。
【0018】本発明の好ましい態様はここに記載する合
成ポリペプチド、その製剤に許容される塩、およびその
抗原関連変異体である。これらのポリペプチドはそれぞ
れ前記のように結核性マイコバクテリウムの抗原に結合
する抗体を誘発することができる。アミノ酸残基配列の
初めまたは終りにおけるダッシュは、それぞれアミノ末
端およびカルボキシ末端における基例えばHまたはOH
に対する結合、あるいはポリペプチド鎖中の合計40個
までのアミノ酸残基の1つまたはそれ以上の他のアミノ
酸残基の配列を示すことに言及される。用いた「製剤に
許容される塩」という語は製剤工業に使用されるよく知
られた方法により製造されるナトリウム、カリウム、リ
チウム、カルシウム、マグネシウムおよびアンモニウム
塩などを含む無毒性のアルカリ金属塩、アルカリ土類金
属塩およびアンモニウム塩を示す。その語にはまた本発
明の化合物と適当な有機酸または無機酸との反応により
一般に製造される無毒性酸付加塩が含まれる。代表的な
塩には塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、酢
酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、ラウリン
酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシ
ラート、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハ
ク酸塩、酒石酸塩などが含まれる。
【0019】B.マルチマー 本発明はまた少くとも1つの繰返し単位がここに記載す
るポリペプチドである複数の結合した合成ポリペプチド
繰返し単位を含む合成マルチマーを意図している。本発
明のマルチマーは単独にまたは担体に結合させて有効量
を哺乳動物宿主中へ導入すると結核性マイコバクテリウ
ムの抗原に結合する抗体の生成を誘発することができ
る。本発明の殊に好ましい合成ポリペプチドを含むマル
チマーはまた結核性マイコバクテリウムの抗原により誘
発されるヒト抗体を結合することができる。従って本発
明のマルチマーはポリペプチドと同様に免疫原であり、
ヒト抗結核性マイコバクテリウム抗体に対する抗原であ
る。これらのマルチマーは従って後記の診断法および装
置に有用である抗結核性マイコバクテリウム抗体の生成
の誘発に使用することがき、適当な診断方法および装置
に抗原として使用することができる。
【0020】全マルチマー中に約35個より少ないアミ
ノ酸残基を含むマルチマーは、典型的には免疫原として
の使用に対し担体に結合させる。合計約35個以上のア
ミノ酸残基を含むマルチマーは、典型的には担体なしで
使用される十分な免疫原である。ポリペプチドマルチマ
ーは前記固相法を用いて合成ポリペプチドモノマーを頭
−尾のように互いに結合させることにより製造すること
ができ、すなわち1つの完全なポリペプチド配列を樹脂
上に、次に1つまたはそれ以上の同一かまたは異なるポ
リペプチド配列を合成し、その後全マルチマー単位を樹
脂から開裂してここに記載するように使用することがで
きる。そのような頭−尾ポリペプチドマルチマーは好ま
しくは約2〜約4個のポリペプチド繰返し単位を含む。
あるいは、モノマーとして使用するポリペプチドのポリ
マーとしてマルチマーを製造することができる。用いた
「ポリマー」という語は、文字どおり種々の形態で、ペ
プチド結合以外により互いに結合した複数の合成ランダ
ムコポリマーポリペプチド繰返し単位を含む型のマルチ
マーと規定される。
【0021】本発明のポリマーの好例はアミノ末端およ
びカルボキシ末端の両方に付加したシステイン残基を含
む本発明のポリペプチド(ジCysポリペプチド)を用い
て合成することができる。ジCysポリペプチドは酸化操
作を用いて分子内、ポリペプチド間システインジスルフ
ィド結合により互いに結合させて免疫原性抗原性ポリマ
ーを形成することができる。そのように調製されたポリ
マーは複数の本発明の合成ポリペプチドを繰返し単位と
して含む。これらの繰返し単位は前記の酸化されたシス
テイン(シスチン)残基により互いに結合している。ポ
リペプチドを担体に結合させるため、またはポリマーを
製造するための本発明のポリペプチド中の1つまたは2
つの末端Cysの存在が本発明のポリペプチド繰返し単位
のアミノ酸配列を改変すると解すべきではない。
【0022】C.接種材料 他の観点において本発明のポリペプチドを製剤に許容さ
れる希釈剤中に使用し、有効量を投与したときに結核性
マイコバクテリウムの抗原と免疫反応する抗体を誘発す
ることができる接種材料またはワクチンを形成させる。
「接種材料」という語はその文字通り種々の形態で本発
明のポリペプチドを結核性マイコバクテリウムに対する
抗体の製造に用いる活性成分として含む組成物を記載す
るために使用されている。ポリペプチドを抗体の誘発に
使用するとき、ポリペプチドは単独に、担体と結合させ
て、またはマルチマーとして使用することができるが、
しかし表現を容易にするために以下にこれらの代替が常
に示されているとは限らないことを理解すべきである。
約35個未満のアミノ酸残基を含むポリペプチドには抗
体の生成を誘発するために担体を用いることが好まし
い。担体に結合または連結したポリペプチドは抗体を調
製する場合に例示的に使用される。接種材料を用いて結
核性マイコバクテリウムの抗原を検出する診断検定に使
用する抗体を生成させることができる。
【0023】「ワクチン」という語はその文字通り種々
の形態において、本発明のポリペプチドを宿主哺乳動物
中の活性免疫の誘発に使用する活性成分として含む型の
接種材料を記載するために使用されている。活性免疫に
は抗体の生成が含まれるので、従ってワクチンまたは接
種材料は等しい成分を含むことができるが、しかしその
用法は異なる。多くの場合に動物において使用できるア
ジュバントの多くがヒトにおいて使用できないのでワク
チンと接種材料との成分は異なる。この接種材料または
ワクチンは有効量の本発明のポリペプチドをマルチマー
例えば酸化されたポリペプチド末端システイン残基によ
り互いに結合した個々のポリペプチドのポリマーとし
て、または担体に結合した接合体として含む。しかし、
表現を容易にするために本発明の種々の態様のポリペプ
チドおよびその文字どおり種々の形態が「ポリペプチ
ド」という語により総括的に示されている。
【0024】単位用量当りのポリペプチドの有効量はよ
く知られているように、とりわけ接種動物の種、動物の
体重および選ばれる接種用法に依存する。接種材料およ
びワクチンは、典型的には接種(用量)当り約100μ
g 〜約500mgのポリペプチド濃度を含む。上記量のポ
リペプチドは担体を用いるときに担体の重量を含まない
ポリペプチドの重量を示す。特定の好例接種材料は後に
担体プラスポリペプチド(接合体)の重量で示して記載
される。「単位量」という語は動物に対する1回の投薬
に適する物理的に分離された単位を示し、各単位は所要
希釈剤、すなわち担体、またはビヒクルに関連して所望
の治療効果を生ずるように計算された予定量の活性物質
を含む。本発明の新規な単位量に対する仕様は、明細書
に詳細に記載されるように、(a)活性物質の特有の特
性および達成させる個々の治療効果、および(b)動物
における治療用にそのような活性物質を配合する技術に
固有の制限により指令され、それらに直接依存し、これ
らは本発明の特徴である。
【0025】接種材料は、典型的には乾燥固体ポリペプ
チド接合体またはポリペプチドポリマーからポリペプチ
ド接合体またはポリペプチドポリマーを生理的に許容
(容認)される希釈剤例えば水、食塩水またはリン酸塩
緩衝食塩水中に懸濁することにより製造される。接種材
料はまたアジュバントを含むことができる。アジュバン
ト例えば完全フロイントアジュバント(CFA)、不完
全フロイントアジュバント(IFA)およびミョウバン
はよく知られた物質であり若干の出所から市販されてい
る。
【0026】D.受容体 本発明のポリペプチドに対して生起(誘発)された抗体
および実質的な全抗体、並びにそのような抗体から調製
された抗体結合部位は本発明のなお他の態様を構成す
る。これらの分子は本明細書に受容体として総括的に示
される。受容体は哺乳動物宿主例えばマウス、モルモッ
ト、ウサギ、ウマなど中に前記接種材料を用いる免疫処
置により生起される。適当な単クローン性受容体、典型
的には全抗体、はまたニマン (Niman)ほか、プロシーデ
ィング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミイ・オブ・サ
イエンス(Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A.),80,4
949(1983)により記載されたハイブリドーマ技
術を使用して調製することができ、その記載は参照によ
りここに加入される。簡単に記載すれば、単クローン性
受容体を生ずるハイブリドーマを形成するために骨髄腫
または他の無限継続細胞系を、本発明のポリペプチドで
高度免疫処置した哺乳動物の脾臓から得られるリンパ球
と融合させる。
【0027】骨髄腫細胞系がリンパ球と同種であること
が好ましい。典型的には株BALB/cのマウスが好ま
しい哺乳動物である。本発明における使用に適する適当
なマウス骨髄腫にはヒポキサンチン−アミノプテリン−
チミジン−感受性(HAT)細胞系P3×63−Ag 8.
653(ATCC CRL1580)およびSp 2/0
−Ag 14(ATCC CRL1581)が含まれる。
脾細胞は典型的には骨髄腫細胞と、ポリエチレングリコ
ール例えばPEG1500またはPEG6000を用い
て融合させる。融合したハイブリッドはそのHATに対
する感受性により選択される。本発明の受容体分子を生
ずるハイブリドーマは、後に物質および方法のセクショ
ンに記載する酵素結合抗体免疫吸着検定(ELISA)
を用いて確認される。単クローン性受容体はハイブリド
ーマ上澄みから得る必要があるだけでなく、また一般に
所望のハイブリドーマを導入された哺乳動物の腹水液か
ら一層濃厚な形態で得ることができる。腹水液を用いる
単クローン性抗体の生成はよく知られており、それ以上
ここでは扱わない。
【0028】本発明の受容体は、それが生起されたポリ
ペプチドに結合し、また本発明のポリペプチドが免疫的
に模倣する相当する結核性マイコバクテリウム抗原決定
基に結合する。従って、本発明のポリペプチドは免疫原
および抗原の両方であることができる。本発明の受容体
は、それが無傷結核性マイコバクテリウム抗原分子のエ
ピトープに比較して比較的少いエピトープを有する免疫
原に対して生起されるので、天然産出多クローン性抗体
に比較してオリゴマー性であると説明することができ
る。従って、本発明の受容体はポリペプチドのエピトー
プに結合するが、結核性マイコバクテリウム抗原に対し
て生じた天然産出抗体は結核性マイコバクテリウム抗原
分子全体のエピトープに結合する。
【0029】E.診断検定装置および方法 ポリペプチド、抗体および前記ポリペプチドに対して生
起された抗体結合部位(受容体)、並びに本発明の方法
はまた診断試験例えば免疫検定に使用することができ
る。そのような診断技術には例えば、酵素免疫検定、酵
素多重免疫検定技術(EMIT)、酵素結合免疫吸着検
定(ELISA)、放射免疫検定(RIA)、蛍光免疫
検定、単独または二重抗体技術、および受容体または抗
原を若干の検出可能なタグまたは指示手段で標識する他
の技術が含まれる。一般にマギオ (Maggio) 、酵素免疫
検定(Enzyme Immunoassay)、CRCプレス(CRC Pre
ss,Cleveland, Ohio),(1981);ゴルドマン (Gol
dman, M.)蛍光抗体法(Fluorescent Antibody Method
s)、アカデミック・プレス(Academic Press, New York,
N. Y.) (1980)を参照されたい。そのような検定
法およびこれらの方法の実施に有用な装置の特定の例は
次に記載される。
【0030】1.結核性マイコバクテリウムに対する検
定 体試料中の結核性マイコバクテリウムの抗原の存在を検
定する方法もまたここに意図される。一般法において、
検定する体試料を提供し、本発明の合成ポリペプチドに
対して生起した抗体結合部位を含む受容体分子と混合す
る。混合物を受容体分子が体試料中に存在する結核性マ
イコバクテリウムの抗原と免疫反応する十分な予定時間
維持する。次いでその免疫反応の量を測定して結核性マ
イコバクテリウム抗原が検定体試料中に存在したかまた
はしなかったかを測定する。体試料のアリコート中に存
在する結核性マイコバクテリウム抗原の検出に有用であ
る本発明の1観点を具体化するキット形態の例示診断装
置には本発明の受容体分子例えば本発明のポリペプチド
に対して生起された抗体、実質的な全抗体、または抗体
結合部位例えばFabおよびF(ab')2抗体部分が1パッケ
ージ中で含まれる。この装置はまた、受容体と抗原との
間の免疫反応の存在を示す指示手段を含む。
【0031】典型的な指示手段には放射性同位元素例え
125Iおよび 131I、酵素例えばアルカリ性ホスファ
ターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−D−ガラク
トシダーゼおよびグルコースオキシダーゼ、並びに蛍光
色素染料例えばフルオレセインおよびローダミンが含ま
れる。指示手段は本発明の受容体に直接結合させること
ができる。指示手段はまた別の分子に、例えば第2抗体
に、抗体結合部位に、または本発明の受容体と反応(結
合)するスタヒロコッカス・アウレウス (Staphylococc
us aureus) (S. aureus)プロテインAに結合させること
ができる。そのような別分子指示手段の特定例は 125
標識スタヒロコッカス・アウレウス (S.aureus)プロテ
インAである。指示手段は免疫反応生成物の検出を可能
になし、本発明の受容体に直接結合しないときには受容
体とは別にパッケージされる。体細胞例えばアセトン固
定末梢血液リンパ球(PBL)塗抹と混合すると受容体
分子は結核性マイコバクテリウム抗原と免疫反応して免
疫反応物を形成し、従って、存在する指示手段が免疫反
応生成物の形成を示す。
【0032】結核性マイコバクテリウム抗原に対する診
断方法の1態様は増幅試薬を含む免疫蛍光検定である。
そのような検定ではPBL塗抹は平坦顕微鏡スライドに
アセトン固定される。本発明により生起された、例えば
ウサギまたはモルモット中に生起された抗体のアリコー
ト、一般に約100μg 〜約500μg 、を周知技術を
用いてスライドに接触させる。本発明の非免疫反応抗体
を洗浄した後、望むならばスライド上の非特異性結合部
位を典型的にはタンパク質例えばウシ血清アルブミン
(BSA)でブロックする。次いで第2試薬(増幅試
薬)例えば補体、または抗免疫グロブリン抗体、例えば
モルモット補体を試験スライド上でインキュベートする
ことができる。この第2のインキュベーション後、未反
応の増幅試薬を洗浄により除去し、検定スライド上の初
めにあげた抗体に結合したもののみを残す。第3の試薬
(指示手段)例えば抗体例えばヤギ抗モルモット補体を
次いで試験スライド上でインキュベートする。第3試薬
は蛍光色素染料例えばフルオレセインイソチオシアネー
ト(FITC)、ローダミンBイソチオシアネート(R
ITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート
(TRITC)、4,4′−ジイソチオシアノスチルベ
ン−2,2′−ジスルホン酸(DIDC)などに、よく
知られているように結合させることにより標識する。
【0033】この第3のインキュベーション後に未反応
第3試薬を洗浄し、試験スライド上の補体に結合したF
ITC標識ヤギ抗モルモット補体抗体を残す。FITC
標識第3試薬の存在を蛍光顕微鏡を用いて検出し、それ
によりマイコバクテリウム感染の存在を示すことができ
る。上記検定法の実施に有用な好ましい診断装置は、好
ましくはキット形態で、個々のパッケージ中に、(a)
結核性マイコバクテリウム抗原と免疫反応する本発明の
受容体(抗体)、(b)受容体と反応する第2の増幅試
薬例えば補体例えばモルモット補体、抗免疫グロブリン
抗体またはスタヒロコッカス・アウレウス (S. aureus)
プロテインA、および(c)増幅手段に直接結合できる
か、または増幅試薬と反応する別の分子例えば抗体また
は抗体部分であることができる指示手段、を含む。指示
手段は受容体分子と結核性マイコバクテリウム抗原との
免疫反応を増幅試薬の仲介により示す。
【0034】ここに記載した診断装置の受容体分子およ
び別の指示手段、並びに前記増幅試薬は溶液で、液体分
散体として、または実質的な乾燥粉末として例えば凍結
乾燥形態で提供することができる。指示手段が増幅試薬
とは別の分子である場合に、指示手段を別にパッケージ
することが好ましい。指示手段が酵素である場合に、酵
素の基質もまた装置の別のパッケージ中で与えることが
できる。固体支持体例えば前記顕微鏡スライド、1種ま
たはそれ以上の緩衝液およびアセトンもまたこの診断検
出装置中に個々のパッケージ要素として包含することが
できる。診断装置に関してここに論議したパッケージは
診断装置中に普通に使用されるものである。そのような
パッケージにはガラスおよびプラスチック(例えばポリ
エチレン、ポリプロピレンおよびポリカーボネート)ボ
トル、バイアル、プラスチックおよびプラスチック−箔
積層封筒などが含まれる。全、無傷生物活性抗体の使用
は多くの診断装置例えば前記免疫蛍光検定に必須ではな
い。むしろ抗体分子の免疫活性、イディオタイプ含有、
抗原結合および認識受容体部位、すなわち抗体結合部位
のみを用いることができる。そのような抗体結合部位の
例は、よく知られているように、パパインおよびペプシ
ンを用いるタンパク質加水分解によりそれぞれ製造され
るFabおよびF(ab')2抗体部分として知られているもの
である。
【0035】2.抗結核性マイコバクテリウムの抗体に
対する検定 本発明の他の診断方法は体試料中の抗結核性マイコバク
テリウム抗体(例えば抗BCG−a抗体)を検出するE
LISAである。ここに、本発明のポリペプチドは抗原
として使用され、好ましくは固体マトリックス、例えば
ファルマシア・ファイン・ケミカルズ (Pharmacia Fine
Chemicals, Piscataway, New Jersey)から商標セファ
デックス(SEPHADEX)のもとで入手できる架橋デキストラ
ン、アガロース、ガラスのビーズ、ポリ塩化ビニル、ポ
リスチレン、架橋アクリルアミド、ニトロセルロース、
あるいはマイクロタイタープレートのウエルに結合(吸
着)または他の方法で結合して固体支持体を形成させ
る。ポリペプチドは検定する提供体試料と混合される。
混合物は体試料中に存在する抗結核性マイコバクテリウ
ム抗体に対するポリペプチドとの免疫反応に十分な予定
時間維持する。次いでその免疫反応の存在を、指示手段
で検定体試料中の抗結核性マイコバクテリウム抗体の存
在を示させて測定する。
【0036】上記方法を用いるELISAの好例はポリ
スチレンまたはポリ塩化ビニルで作られた12または9
6ウエルマイクロタイタープレートのウエルを含む固体
マトリックス上に吸着された本発明のポリペプチドを含
む固体支持体を用いる。その後マイクロタイターウエル
壁上の非特異性結合部位をタンパク質例えばウシ血清ア
ルブミン(BSA)でブロックする。未結合ポリペプチ
ドおよびBSAを例えば洗浄によりマイクロタイターウ
エルから除去する。体試料アリコート例えばヒト血清、
血液または血漿を上記ポリペプチド結合固体支持体と混
合して固体および液体の相を含む混合物を形成させる。
固−液相混合物を体試料中の抗結核性マイコバクテリウ
ム抗体に対するポリペプチド抗原との免疫反応に十分な
時間維持する。その後固体および液体の相を分離する。
【0037】次に初めにあげた抗体と反応する第2の標
識した指示手段を含む抗体、抗体結合部位またはスタヒ
ロコッカス・アウレウス (S. aureus)プロテインAの溶
液を固相と混合し、他の固体液体相混合物を形成させ
る。第2抗体の好例は初めにあげた抗体がヒト体試料で
ある場合にペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ヒトIg 抗体で
ある。他の有用な酵素標識にはアルカリ性ホスファター
ゼ、β−D−ガラクトシダーゼおよびグルコースオキシ
ダーゼが含まれる。固相と第2標識抗体溶液とから形成
された混合物は、初めにあげた抗体と指示試剤との間の
反応物の形成、例えば2抗体間の免疫反応、に十分な予
定時間(例えば30分)維持(インキュベート)する。
その後固体および液体の相を分離する。上記第2抗体は
またこの種の免疫グロブリン(例えばIg G、Ig M、
Ig E、Ig AまたはIg D)の1つのみに対し特異性
で、それと免疫反応することができる。そのような抗体
は体試料中に存在する抗結核性マイコバクテリウム抗体
の免疫グロブリン種を確認する能力を提供することがで
きる。さらに、第2の抗体または抗体結合部位は2つの
型の免疫グロブリンL鎖(例えばκおよびλ)の1つの
みと特異的で、それと免疫反応することができる。これ
らの抗体は体試料中に存在する免疫グロブリン分子のア
イソタイプを確認する能力を提供することができる。
【0038】その後酵素標識に対する基質例えばペルオ
キシダーゼに対する過酸化水素およびアルカリ性ホスフ
ァターゼに対する発色染料前駆物質例えばo−フェニレ
ンジアミン、またはリン酸p−ニトロフェニルを含む溶
液を固相と混合する。次いで予め選定した波長(例えば
それぞれ490nmまたは405nm)における光学濃度を
予定時間(例えば60分)経過後に測定し、対照の光学
濃度と比較して抗結核性マイコバクテリウム抗体が体試
料中に存在したかどうかを決定することができる。
【0039】本発明の他の態様には、固体マトリックス
例えばポリスチレン12ウエルマイクロタイターストリ
ップおよび固体マトリックスに吸着(結合)または他の
方法で結合して固体マトリックスを形成した本発明のポ
リペプチドからなる固体支持体を含むキット形態の診断
装置が含まれる。この装置はまた好ましくは結合指示手
段を有する別にパッケージした抗ヒトIg 抗体例えばペ
ルオキシダーゼ標識ヤギ抗ヒトIg 抗体を含み、また結
合標識手段に対する基質例えば過酸化水素および着色染
料前駆物質例えばo−フェニレンジアミンをさらに個々
のパッケージ中で含むことができる。過酸化水素はそれ
が比較的不安定であるため、典型的にはキット中に含ま
れず、典型的には最終使用者により供給される。この装
置を用いる検定に有用な緩衝塩もまた乾燥または液体形
態で1つまたはそれ以上の個々のパッケージ中で含まれ
ることができる。ヒト抗結核性マイコバクテリウム抗体
および抗結核性マイコバクテリウム抗体を含まないヒト
抗体(正常ヒト抗体)を含む個々のパッケージもまたそ
れぞれ陽性および陰性対照として含めることができる。
体試料例えば血清中の抗結核性マイコバクテリウム抗体
の存在に対する検定は上記方法を用いてこの診断装置で
行なうことができる。
【0040】II. 方法および物質 A.ポリペプチドの合成 本発明のポリペプチドはメリフィールド (Merrifield)
ほか、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・
ソサイアティ (J. Am. Chem. Soc.),85,2149
(1963)およびホーテン (Houghten) ほか、インタ
ナショナル・ジャーナル・オブ・ペプチド・アンド・プ
ロテイン・リサーチ(Int. J. Pept. Prot.Res.),
,311(1980)に記載された固相法により化学
的に合成した。ポリペプチド合成の固相法はベックマン
・インスツルメント社(Beckman Instrument Co., Berk
eley, CA) から市販されるベックマン・モデル990B
ポリペプチド・シンセサイザーを用いて行なった。接種
材料中に用いた35個未満の残基を有するポリペプチド
には、システイン残基をカルボキシ末端またはアミノ末
端とカルボキシ末端の両方に付加させ、後記タンパク質
担体への結合を援助した。全ポリペプチドの組成はアミ
ノ酸分析により確認した。
【0041】前記固相法による本発明のポリペプチドの
製造において、アミノ酸残基をカルボキシ末端残基のエ
ステル結合により樹脂(固相)へ結合させる。ポリペプ
チドをCys残基により担体に結合させ、または末端Cys
残基により重合させるときにそのCys残基を樹脂にエス
テル結合させるカルボキシ末端残基として用いることが
便利である。各付加アミノ酸のα−アミノ基は、典型的
にはアミノ酸を成長ポリペプチド鎖中ヘ付加させる前に
t−ブトキシカルボニル(t−BOC)により保護す
る。次に、t−BOC基は成長ポリペプチド鎖に次のア
ミノ酸を付加させる前に除去する。 反応性アミノ酸側鎖もまたポリペプチドの合成中保護さ
れる。通常の側鎖保護基は次のように:チロシンに対し
O−(p−ブロモベンジルオキシカルボニル);トレオ
ニン、セリン、アスパラギン酸およびグルタミン酸に対
しO−ベンジル;システインに対しS−メトキシベンジ
ル、ヒスチジンに対しジニトロフェニル;リシンに対し
2−クロロベンゾキシカルボニルおよびアルギニンに対
しトシルを、残留アミノ酸残基に対して使用した。
【0042】保護アミノ酸を適当な溶媒から再結晶する
と、薄層クロマトグラフィーにより単一スポットを示し
た。カップリングは典型的には初期N末端アミノ酸のミ
リ当量よりともに10倍モル過剰の保護アミノ酸および
ジシクロへキシルカルボジイミドを用いて行なった。両
試薬の2モル過剰もまた使用できる。アスパラギンには
等モル量のN−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾールを保護
アミノ酸に加え、ジメチルホルムアミドを溶媒として用
いた。全カップリング反応はギシン (Gisin),アナリチ
カ・シミカ・アクタ(Anal. Chem. Acta.)58,248
(1972)のピクリン酸試験により99%以上完全で
あった。所望のポリペプチドの製造後、生じた保護ポリ
ペプチド(約1g)をアニソール2mlで処理し、無水フ
ッ化水素約20mlを反応容器中へドライアイス温度で凝
縮させた。生じた混合物を約4℃で約1時間かくはんし
て保護基を開裂させ、ポリペプチドを樹脂から離した。
フッ化水素を4℃の温度でN2 流で蒸発させた後、残留
物を無水ジエチルエーテルで3回抽出してアニソールを
除き、残留物を真空で乾燥した。
【0043】真空乾燥した物質を5%水性酢酸(50ml
で3回)抽出して遊離ポリペプチドを樹脂から分離す
る。抽出物含有溶液を凍結乾燥するとモノマーの未酸化
ポリペプチドが得られる。生じた合成ポリペプチドを酵
素結合抗体免疫吸着検定(ELISA)に用いて抗結核
性マイコバクテリウム抗体を検出できる。合成ポリペプ
チドはまた、後記のように、通常それを担体に結合させ
て接合体を形成させ、次いで接合体の有効量を生理的に
許容される希釈剤中に分散させることにより接種材料を
製造するのに用いることができる。
【0044】本発明の合成マルチマーは1つのポリペプ
チドのカルボキシ末端残基と第2のポリペプチドのアミ
ノ末端残基との間のアミド結合により互いに端−端(頭
−尾)結合した複数の本発明のポリペプチドの固相合成
により製造できることもまた認めるべきである。そのよ
うな合成マルチマーは、好ましくは単一長ポリペプチド
マルチマーとして合成されるが、しかしまた、それらの
個々の合成後に、水中でカルボジイミド試薬例えば1−
(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボ
ジイミド塩酸塩を用いて互いに結合させる個々のポリペ
プチドとして製造することができる。単一ポリペプチド
鎖として製造されたマルチマー中に含まれるアミノ酸残
基の全数は好ましくは約50個未満であり、本発明の約
8個までのポリペプチドを、単一ポリペプチドとして合
成される単一の頭−尾マルチマー鎖に結合させることが
できる。合成頭−尾マルチマーは、より好ましくは本発
明の、合計約40個未満のアミノ酸残基の結合した合成
ランダムコポリマーポリペプチドの2〜約4ブロックを
含む。
【0045】B.ポリマーの製造 本発明のポリペプチドを互いに連結して複数のポリペプ
チド繰返し単位を含む抗原性および(または)免疫原性
ポリマー(合成マルチマー)を形成することができる。
そのようなポリマーは典型的には高い免疫原性および抗
原性の利点を有する。さらに、ポリマー免疫原を用いる
ときに典型的には担体が必要でない。異なるポリペプチ
ドモノマーを用いてポリマーを作る場合に若干の結核性
マイコバクテリウム抗原決定基に対する抗体と免疫反応
する能力が得られる。なお他の利点は接種材料中に用い
たときのそのようなポリマーの、結核性マイコバクテリ
ウム抗原の若干の抗原決定基と免疫反応する抗体を誘発
する能力である。
【0046】本発明のポリマーは上記のようにポリペプ
チドを合成し、アミノ末端およびカルボキシ末端の両方
にシステイン残基を含めて「ジCys末端」ポリペプチド
を形成させることにより製造することができる。合成
後、典型的な研究室製造においてジCysポリペプチド
(システイン残基を非酸化形態で含む)10mgを0.1モ
ル(M)炭酸水素アンモニウム緩衝液250mlに溶解す
る。次いで生じた溶液を空気中で約18時間、またはエ
ルマン (Ellman) 試験により遊離メルカプタンが検出さ
れなくなるまで、穏やかにかくはんすることにより溶解
したジCys末端ポリペプチドを空気酸化する。〔エルマ
ン (Ellman) アルチーブス・オブ・バイオケミストリー
・アンド・バイオフィジックス(Arch. Biochem. Bioph
ys.),82,70(1959)参照〕。ランダムコポリ
マーポリペプチド繰返し単位を含む。そのようなポリマ
ーは典型的には頭−尾のように、並びに頭−頭および尾
−尾のように互いに結合したそれらのポリペプチド繰返
し単位を含み、すなわち2つのポリペプチド繰返し単位
のアミノ末端は、両ポリペプチド末端の結合基が同一で
あるので2つのカルボキシル末端と同様に単一シスチン
残基を通して互いに結合できる。
【0047】C.担体に対するカップリング 合成ポリペプチドがリウ(Liu) ほか、バイオケミスト
リー(Biochem.) 80,690(1979)に記載され
た方法により、担体としてのキーホールリンペットヘモ
シアニンにカップリングさせた。簡単に記載すると、担
体4ミリグラム(mg)をm−マレイミドベンゾイル−N
−ヒドロキシスクシンイミドエステル0.51mgで活性化
し、次にポリペプチド5mgとアミノ末端またはカルボキ
シ末端のシステインにより反応させて約10〜約35重
量%のポリペプチドを含む接合体を与えた。1個または
それ以上の他のアミノ酸残基を合成ポリペプチドのアミ
ノ末端またはカルボキシ末端に付加させて担体に対する
ポリペプチドの結合を援助することができる。前記のよ
うに、合成ポリペプチドのアミノ末端またはカルボキシ
末端に付加したシステイン残基はジスルフィド結合によ
るポリマーの形成に殊に有用であると認められた。しか
し、接合体の製造によく知られた他の方法もまた使用す
ることができる。他の結合操作の好適にはマイクル(Mic
hael) 付加反応生成物、ジアルデヒド例えばグルタルア
ルデヒドの使用、クリプステイン(Klipstein)ほか、ジ
ャーナル・オブ・インフェクシアス・ディシーシス (J.
Infect. Dis.),147,318(1983)など、あ
るいは合成マルチマーを形成する複数のポリペプチドの
相互の結合について前に記載したように、担体に対する
アミド結合を生ずるための水溶性カルボジイミドの使用
のようなカルボジイミド技術の使用が含まれる。
【0048】有用な担体はよく知られ、一般にはタンパ
ク質自体である。そのような担体の好例はキーホールリ
ンペットヘモシアニン(KLH)、エデスチン、サイロ
グロブリン、アルブミン例えばウシ血清アルブミン(B
SA)またはヒト血清アルブミン(HSA)、赤血球例
えばヒツジ赤血球(SRBC)、破傷風トキソイド、コ
レラトキソイド並びにポリアミノ酸例えばポリ(D−リ
シン;D−グルタミン酸)などである。またよく知られ
ているように、合成ポリペプチドをその担体に中間結合
基により結合させることがしばしば有利である。上記の
ようにグルタルアルデヒドは結合基の1つである。しか
し、システインを用いたときに中間結合基は好ましくは
ここに用いたようにm−マレイミドベンゾイル N−ヒ
ドロキシスクシンイミド(MBS)である。
【0049】さらにMBSはリウ(Liu)ほか、前掲、
により開示されたようにエステル−アミド交換反応によ
り担体に初めに付加させることができる。その後、付加
の後にブロックしたメルカプト基例えばチオール酢酸
(CH3COSH)をマレイミド二重結合を横切って付加させる
ことができる。アシル保護基の開裂後、ジスルフィド結
合を脱ブロック結合基メルカプタンと合成ポリペプチド
の付加システイン残基のメルカプタンとの間に形成させ
る。担体の選択は免疫原の決定基部分よりも一層免疫原
の最終用法に依存し、また本発明に特定的に含まれない
基準に基く。例えば接種材料が動物に使用されるなら
ば、個々の動物に不適当な反応を生じない担体を選ぶべ
きである。
【0050】D.ELISA 抗ポリペプチド抗体結合および抑制研究は下記のように
酵素結合抗体免疫吸着検定(ELISA)により準備す
ることができる。簡単に記載すると、マイクロタイター
ウエル(コスター (Costar, #3590,Cambridge ,
MA)〕に、ポリペプチドを10μg 毎ml(μg /ml)
の濃度で含むBBS(10ミリモル(mM)ホウ酸ナトリウ
ム( pH8.3)、150mM NaCl〕100μl を加えること
により、抗原として個々のポリペプチドで被覆する。ウ
エルと抗原含有溶液との間の接触は予定時間、典型的に
は15分間、20℃で維持して抗原被覆固相を形成させ
る。固体および液体の相を分離し、ウエルをBBSで3
回洗浄する。非特異的結合部位は、各ウエル中に1%ウ
シ血清アルブミン(BSA)200μl を混合して他の
固体液体相混合物を形成し、その固体液体相混合物を3
0分間20℃で維持することによりブロックする。相を
分離し、過剰の非結合BSAをBBSで3回洗浄するこ
とにより除去する。
【0051】ウサギ(またはモルモット)およびヒト血
清(体試料アリコート)は、BBS中に1:20に希釈
した血清100μl を毎ウエルに添加し、固体/液体相
組成物を形成することにより抗ポリペプチド活性につい
て検定する。希釈血清と抗原被覆固体相との間の接触を
予定時間例えば1時間、20℃で維持して免疫反応物を
形成させる。固体および液体の相を分離し、固体相、す
なわち抗原被覆免疫反応物含有ウエル、を次にBBSで
3回洗浄する。吸着ポリペプチドと免疫反応するヒト血
清中の抗体はアルカリ性ホスファターゼ接合ヤギ抗ヒト
Ig 抗体〔タゴ(Tago, Burlington, CA) 〕を含む指示
手段を用いて検出することができる。吸着ポリペプチド
と免疫反応するウサギ血清中の抗体はアルカリ性ホスフ
ァターゼ接合ヤギ抗ウサギIg 抗体(キルケガード・ア
ンド・ペリ・ラボラトリーズ社(Kirkegard & Perry La
boratories, Inc., Gaithersburg, MD)〕を含む指示手
段を用いて検出することができる。どの場合も、BBS
中に1:300に希釈した指示抗体100μl を毎ウエ
ルに加えてさらに固体−液体相組成物を形成する。この
固体液体相組成物を固相に結合したヒト抗体と指示手段
との間の反応生成物の形成に予定した時間、1時間、2
0℃で維持する。相を分離し、固相をBBSで3時間洗
浄する。
【0052】ポリペプチド特異性抗体に結合したアルカ
リ性ホスファターゼ接合抗体はリン酸p−ニトロフェニ
ルのp−ニトロフェノールへの酵素加水分解を分光測光
的に測定することにより検出することができる。簡単に
記載すると、リン酸p−ニトロフェニル〔2mM塩化マグ
ネシウム( pH9.8)、50mM炭酸ナトリウム中1mg/
ml〕100μl を各ウエルに加える。酵素反応を1時間
進行させ、次いで405nmにおける光学密度をフロー・
ラボラトリーズ (Flow Laboratories, Inglewood, CA)
から入手できるタイターテク(TITERTEK)分光
光度計中で測定する。
【0053】E.免疫処置 本発明の受容体分子は哺乳動物に前記ポリペプチドおよ
び(または)マルチマーを含む接種材料で免疫処置する
ことによりそれに生じた全抗体を包含する。ポリペプチ
ドおよびマルチマーはともに単独の、または担体タンパ
ク質例えばキーホールリンペットヘモシアニン(KL
H)に接合した接種材料中に含めて用いることができ
る。しかし、ポリペプチドは好ましくは接合体として使
用され、マルチマーは好ましくは単独で使用される。完
全フロイントアジュバント(CFA)中に接合体1.0mg
を含む接種材料でウサギを免疫処置し、1月後に不完全
フロイントアジュバント(IFA)中の接合体1.0mgで
追加刺激することができる。各免疫処置は背臀部上の1
皮下注射から構成した。追加刺激後1月および2月に採
血した。次いで免疫活性抗体を含む血清をよく知られて
いる方法により採血から生成させた。これらの抗体は1
種またはそれ以上の本発明のポリペプチドおよび結核性
マイコバクテリウム抗原決定基と免疫反応した。従っ
て、それを装置に用いてマイコバクテリウム感染の存在
を決定することができる。
【0054】個々の接種材料はCFAまたはIFAで次
のように調製される:毎接種に所望量のポリペプチドを
与える量の接合体(例えば1mg)をPBS(約0.5ml)
に pH7.2で溶解する。次いで水と油状物質との比が
1:1であった接合体、水およびアジュバントを含む接
種材料を得るために等容積のCFAまたはIFAを接合
体に混合する。その後混合物を均質化して接種材料を与
える。そのように調製した接種材料の容積は典型的には
1ml以上であり、若干の接合体、PBSおよびアジュバ
ントが乳化中に失われることができる。回収できる実質
的にすべての乳濁液を注射器中に入れ、次いで前記のよ
うにウサギに導入する。ウサギに導入する接種材料の量
は、乳化段階前に存在したものの少くとも約90%であ
るべきである。上記接種材料保存溶液は、本発明の接種
材料の例示である。ここに示したように、それを用いて
結核性マイコバクテリウム抗原と免疫反応する受容体分
子を生成させることができる。
【0055】F.遅延型過敏症反応(皮膚反応試験) 前記の診断装置および検定は試験管内検定に基く。検定
の特定の段階を生体内で行なうことができるけれども、
真の免疫応答は組織培養で測定される。しかし本発明は
またT細胞応答の生体内測定を含む診断装置に適用でき
る。そのような装置の1例は遅延型皮膚過敏症(DC
H)反応、または皮膚反応試験として一層普通に知られ
たものである。DCH反応は前に所与抗原に暴露(感
作)した個体中でのみ生ずることができる。抗原に対す
る個体の最初の暴露は可視変化を生じないが、しかし個
体の免疫状態は、その抗原に対する新たな暴露に対して
過敏症を生ずるように改変される。従って抗原(好まし
くは緩衝食塩溶液中)の皮内または皮下注射で特徴的な
皮膚障害−最初の抗原暴露後に生じない障害−が注射部
位に生ずる。第2(または攻撃)抗原接種材料に対する
応答が典型的には24〜48時間遅れるので反応は遅延
型過敏症として示される。
【0056】ヒトにおいて、感作抗原に対する暴露は疾
患の原因である微生物〔例えば結核菌(Mycobacterium
Tuberculosis) からのツベルクリン、サルモネラ・チフ
ィ(Salmonella typhi)からのチホイジンおよびブルセラ
・アボルタス(Brucella abortus)からのアボルチン〕と
の接触で起り、感作は長期感染の結果として生ずる。動
物において、感作は水、食塩水またはアジュバント中に
乳化した抗原の接種により達成することができる。ヒト
および動物の両方において、過敏症は生理的に許容され
る希釈剤、例えば食塩溶液中に溶解した抗原の皮膚(皮
内または皮下)中の注射により生体内で試験される。D
CHは、通常抗原に対して生じた抗体の量の決定または
測定よりも一層鋭敏な診断検定である。例えば、単に少
量のタンパク質(数百μg )がマウスのDCH感作に必
要であるが、抗体生成の誘発にはより大きい用量が必要
である。
【0057】本発明のポリペプチドが、本発明のポリペ
プチドによる免疫処置(感作)後のモルモットT細胞の
増殖を刺激するので、皮膚反応試験を攻撃抗原として1
種またはそれ以上の本合成ポリペプチドを用いて開発し
た。詳しくは、遅延型皮膚過敏症反応が本発明の合成ポ
リペプチドをウシ結核菌(Mycobacterium bovis)BCG
感作および結核菌(Mycobacterium tuberculosis)株B
37Rv感作モルモットに皮内投与したときに認められ
た。ここに記載した細菌はスクリップス・クリニック・
アンド・リサーチ・ファウンデーション(Scripps Clin
ic and Research Foundation) の培養コレクションから
入手し、ミンデン(Minden)ほか、サイエンス(Science),
176,57(1972)およびミンデン(Minden)ほ
か、インフェクション・アンド・イミュニティ(Infect.
Immun.),,574(1972)に記載されたように
成長させた、それらの刊行物は参照によりここに示され
る。
【0058】詳しくは、熱不活性化BCG含有またはH
37Rv含有細胞音波処理物で約6週前に免疫処置した
モルモットが合成ポリペプチド約250μg の皮内感染
で遅延型皮膚過敏症(DCH)反応を示した。ポリペプ
チドは典型的には0.005%のツイーン20を含むリン
酸塩緩衝食塩水( pH7.0)約100μl 中で投与し
た。従来の実施において、DCH反応は抗原の注射後2
4〜48時間に探索される。抗体の皮内注射後24〜4
8時間に生ずる炎症性浸潤物(主に単核細胞からなる)
および付随浮腫が皮膚の硬化を生ずる。紅斑の共存領域
もまた生ずることができる。この硬化の直径は皮膚過敏
症の指数であり、約5mmまたはそれ以上の直径の硬化が
陽性DCH反応の一般に許容される基準である。本発明
のポリペプチドは注射部位周囲に直径少くとも10mmの
紅斑領域および硬化を誘出した。非免疫処置動物はポリ
ペプチドの皮内注射でDCH反応を示さなかった。非結
核性マイコバクテリウムの細胞抽出物で免疫処置した動
物はポリペプチドに対し辺縁DCH(約5mm未満の紅斑
および硬化)を示した。最も顕著なDCH反応を誘出し
たポリペプチドはアミノ末端およびカルボキシ末端にお
けるシステイン残基により重合された。図1の3行に示
されるジCysポリペプチド参照。そのポリペプチドを用
いたDCH試験の結果を表1に示す。
【0059】
【表1】 表 1 動物の免疫処置に用いた音波処理物1 ポリペプチド3250μg PPD5に対する に対するDCH2反応 DCH 反応 ウシ結核菌(M. bovis) 株BCG 7/74 7/7 結核菌(M. Tuberculosis) 株H37Rv 4/4 4/4 マイコバクテリウム・フォーチュタイム 0/4 4/4 (M. fortuitum) カンサシイ 0/3 3/3 (M. kansasii) マイコバクテリウム・イントラセルラーレ 2/4 4/4 (M. intracellulare) ポリペプチド(ジCys末端)(注3参照) 5/5 0/5非免疫処置動物 0/5 0/5
【0060】1.ミンデン(Minden)ほか、インフェクショ
ン・アンド・イミュニティ(Infect. Immun.),4,5
19(1984)に記載のように調製して免疫処置し
た、その刊行物は参照によりここに示される。 2.遅延型皮膚過敏症 3.アミノ酸残基配列 −CysAlaLysValAsnIleLysProLeuGluAspLys
IleCys を有するポリペプチド(図1の3行に示されるポリペプ
チド)250μg を、ツイーン20(ICIアメリカス
社(ICI Americas Inc., Wilmington, D) 約0.005%
を含むリン酸塩緩衝食塩水( pH7.0)約100μl に
溶解した。 4.各列中の初めの数字は陽性DCH反応の数を示し、2
番目の数字は試験の全数を示す。 5.コノート・ラボラトリーズ社(Connaught Laboratori
es LTD., Willowdale,Canada) から入手したPPD(精
製タンパク質誘導体)を約250ツベルクリン単位に等
しい100μl 量で投与した。
【0061】表1について説明するとウシ結核菌(M. b
ovis) 株BCGまたは結核菌(M.Tuberculosis) 株H3
7Rv株の細胞音波処理物で免疫処置したモルモットは
ポリペプチドおよびPPD(精製タンパク質誘導体)に
対し強いDCH反応を生じた。非結核性マイコバクテリ
ウム〔マイコバクテリウム・フォーチュイタム(M. fort
uitum)、マイコバクテリウム・カンサシイ(M. kansasi
i) 、およびマイコバクテリウム・イントラセルラーレ
(M. intracellulare) 〕で免疫処置した動物はポリペプ
チドに対して反応しなかった(それぞれ表1参照)が、
しかしPPDに対して強いDCH反応を示した。ジCys
末端ポリペプチドで免疫処置した動物はポリペプチドに
対してDCH反応を示したが、しかしPPDには示さな
かった。非免疫処置正常動物はポリペプチドまたはPP
Dに対してDCH反応を生じなかった。
【0062】本ポリペプチドの免疫原性もまたポリペプ
チドを抗体の誘出に用いて調べた。特異性および結合特
性は生じた抗体をここに記載したように酵素結合抗体免
疫吸着検定(ELISA)で測定した。強い抗ポリペプ
チド応答がポリペプチド(図1の2行に示される)をタ
ンパク質担体(キーホールリンペットヘモシアニン)に
カップリングさせ、不完全フロイントアジュバントとと
もにウサギに注射した。ポリペプチドに対して生じた抗
血清の力価はポリスチレンマイクロタイタープレートの
各ウエル中にポリペプチド1μg を固定化し、次いで結
合したポリペプチドを系列希釈の抗血清と反応させるこ
とにより測定した。抗体力価はELISAで50%の最
大結合を生ずる抗体の希釈の逆数として示される。抗血
清は1250〜2500の抗ポリペプチド力価を有し
た。
【0063】ポリペプチド誘出抗体の種々のマイコバク
テリウム種の抽出物との反応性を、「S抗原」調製物を
ポリスチレンマイクロタイタープレートのウエル中に固
定化したELISAで測定した。(「S抗原」は、参照
によりここに示されるミンデン(Minden)ほか、インフェ
クション・アンド・イミュニティ(Infect. Immun.),
,519(1984)に記載されたように、音波処理
により分裂させた細菌懸濁液を100,000×gで遠心
分離した後の上澄み画分中に存在する抗原である)。
【0064】BCG−aタンパク質の残基1〜12に相
当するアミノ酸残基配列を有しカルボキシ末端にシステ
インを有するポリペプチドの場合に、抗ポリペプチド抗
体はポリペプチド(力価=1250)、精製BCG−a
タンパク質(1250)並びにウシ結核菌(M. bovis)
株BCG(675)および結核菌(M. Tuberculosis)株
H37Rv(675)の可溶性音波処理抽出物と強く反
応した。マイコバクテリウム・フォーチュイタム(M. fo
rtuitum)(50)、マイコバクテリウム・カンサシイ
(M. kansasii) (25)およびマイコバクテリウム・イ
ントラセルラーレ(M. intracellulare) (25)の音波
処理抽出物に対して単に辺縁結合が認められた。この種
の辺縁結合はまた免疫前ウサギ血清でみられ、ウサギ抗
体がこれらのマイコバクテリウムに非特異的に付着する
ことができることを示唆した。大腸菌(E. coli)、リス
テリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、
サルモネラ・エピデルミス(Salmonella epidermis)、サ
ルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)ま
たはシュードモナス・スプ( Pseudomonas sp) の「S抗
原」に対して結合がなかった(力価10未満)。これら
のデータは該ポリペプチドが主に結核性マイコバクテリ
ウム種中に発現された免疫原エピトープを含むことを示
す。
【0065】ポリペプチドの抗原性を2つの方法で測定
した。第1に体液抗体との反応性を測定するために、ポ
リペプチドをマイクロタイタープレートのウエル上に固
定化し、種々の抗体調製物と反応させた。BCG−aタ
ンパク質の残基1〜12に相当するアミノ酸残基配列を
有しカルボキシ末端にシステインを有するポリペプチド
の場合に、ポリペプチド(力価=1250)、BCG−
aタンパク質(625)およびウシ結核菌(M. bovis)
BCGの全音波処理抽出物(625)を指向する抗体に
よりポリペプチドに対しかなりの結合があった。マイコ
バクテリウム・カンサシイ(M. kansasii) (25)およ
びマイコバクテリウム・フォーチュイタム(M. fortuitu
m)(5)の抽出物により誘出された抗体により単に辺縁
結合があった。大腸菌(E. coli)、リステリア・モノサ
イトゲネス(L. molnocytogenes)、サルモネラ・エピデ
ルミス(S. epidermis)、サルモネラ・チフィムリウム
(S.typhimurium)またはシュードモナス・スプ(Pseudomo
nas sp)の抽出物により誘出された抗血清に対して検出
可能な結合がなかった。再びデータは、このエピトープ
が主に結核性種によって発現され、あるとしても試験し
た2つの非定型株〔マイコバクテリウム・カンサシイ
(M. kansasii) およびマイコバクテリウム・フォーチュ
イタム (M. fortuitum) 〕には貧弱であることを示唆す
る。
【0066】DCH反応の結果は本発明の合成ポリペプ
チドを結核性マイコバクテリウム抗原に対する細胞仲介
免疫応答の存在に対する生体内診断装置に使用できるこ
とを示す。前記ポリペプチドの安全性および有効性が動
物研究において示されるので該ポリペプチドを結核性マ
イコバクテリウムワクチンの受容体に対してヒト皮膚反
応試験における攻撃抗原として使用することができる。
該ポリペプチドは前記のように合成し、高速液体クロマ
トグラフィー(HPLC)技術により精製し、滅菌し、
発熱物質試験される。ヒト結核性マイコバクテリウムワ
クチン受容体のT細胞増殖応答がポリペプチド特異性に
関連して完全に変動できるので、ワクチン受容体および
非接種対照として作用させる個体を一連のポリペプチド
で攻撃する。速度論および最適抗原用量は動物研究の結
果を指針として使用してワクチン受容体群中に決定する
ことができる。
【0067】長期感染固体もまた合成ポリペプチドを皮
膚反応試験のための抗原として用いて結核性マイコバク
テリウム特異性T細胞感作について調べることができ
る。各事例において、攻撃抗原は個々のポリペプチドの
生理的に許容される溶液中で(約1ml )前腕手掌表面
中に皮内注射により投与される。25または27ゲージ
針の使用は通常抗原の皮下投与よりもむしろ皮内投与を
保証する。皮下注射は組織中で抗原の希釈を生ずること
がき、疑陰性試験を生ずることができる。次いで注射部
位を紅斑(皮膚の赤らみ)および硬化(膨化)について
攻撃後4時間、24時間および48時間に観察する。前
記は本発明の例示として意図され、限定ではない。多く
の変更および変形を本発明の新規な概念の真の精神およ
び範囲から逸脱することなく行なうことができる。本明
細書に例示した特定のポリペプチド、抗体、その組成物
および使用に関して何ら限定が意図されず、または限定
を推論すべきでないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミンデン (Minden) ほか、インフェクション・
アンド・イミュニティ(Infect.Immun.),46,519
(1984)により決定されたウシ結核菌(M. bovis)
のBCG−aタンパク質のアミノ末端部の20個のアミ
ノ酸残基を示す。BCG−aタンパク質の初めの12個
のアミノ酸残基を含む合成ポリペプチドもまた示され
る。第1の例において合成ポリペプチドはカルボキシ末
端にシステイン残基を包含する。第2の例において、合
成ポリペプチドはアミノ末端およびカルボキシ末端の両
方にシステイン残基を包含する。
フロントページの続き (72)発明者 ミンデン パーシー アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92037ラ ジョラ ヴィア ポサダ 2877 (72)発明者 ホーテン リチャード エイ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92075ソラナ ビーチ フォード アベ ニュー 558

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成免疫原に対して生起された抗体結合
    部位を含む受容体分子であって、合成免疫原が、左から
    右へアミノ末端からカルボキシ末端の方向に書いて式: AlaLysValAsnI leLysProLeu
    GluAspLysIleCys、又はCysAlaL
    ysValAsnI leLysProLeuGluA
    spLysI leCysにより示される13又は14
    アミノ酸からなるポリペプチドであり、前記受容体が結
    核性マイコバクテリウムの抗原と免疫反応する受容体分
    子。
  2. 【請求項2】 結核性マイコバクテリウムの存在につい
    て検定するキット形態の診断装置であって、 (a)左から右へアミノ末端からカルボキシ末端の方向
    に書いて式: AlaLysValAsnI leLysProLeu
    GluAspLysIleCys、又はCysAlaL
    ysValAsnI leLysProLeuGluA
    spLysI leCysにより示される13又は14
    アミノ酸からなるポリペプチドに対して生起された受容
    体分子、および (b)前記受容体分子と、結核性マイコバクテリウムの
    抗原との免疫反応を示す指示手段、 を含む診断装置。
  3. 【請求項3】 全抗体が前記受容体分子である、請求項
    2記載の診断装置。
  4. 【請求項4】 受容体分子が溶液または液体形態で前記
    指示手段とは別のパッケージ中で提供される、請求項2
    記載の診断装置。
  5. 【請求項5】 受容体分子が凍結乾燥形態で別のパッケ
    ージ中で提供される、請求項2記載の診断装置。
  6. 【請求項6】 受容体分子が指示手段で標識されてい
    る、請求項2記載の診断装置。
  7. 【請求項7】 指示手段が増幅試薬と免疫反応する標識
    抗体である、請求項2記載の診断装置。
  8. 【請求項8】 標識抗体が蛍光色素染料で標識されてい
    る、請求項7記載の診断装置。
  9. 【請求項9】 標識抗体が蛍光性イソチオシアネートで
    標識されている、請求項7記載の診断装置。
  10. 【請求項10】 標識抗体が酵素で標識されている、請
    求項7記載の診断装置。
  11. 【請求項11】 体試料中の結核性マイコバクテリウム
    の抗原の存在を検定する方法であって、 (a)検定する体試料を提供する段階、 (b)左から右へアミノ末端からカルボキシ末端の方向
    に書いて式: AlaLysValAsnI leLysProLeu
    GluAspLysIleCys、又はCysAlaL
    ysValAsnI leLysProLeuGluA
    spLysI leCysにより示される13又は14
    アミノ酸からなるポリペプチドに対して生起された抗原
    結合部位を含む受容体分子を混合する段階、 (c)前記ポリペプチドは担体に結合させて有効量を啼
    乳動物宿主中へ導入すると前記体試料中に存在する結核
    性マイコバクテリウムの抗原と免疫反応する抗体の生成
    を誘発できる、 および (d)前記免疫反応の量を測定する段階、 を含む方法。
  12. 【請求項12】 体試料が、リンパ球および腫瘍組織か
    らなる群から選ばれる、請求項11記載の方法。
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