JP2573430B2 - ポータブル型弁リーク診断装置 - Google Patents

ポータブル型弁リーク診断装置

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JP2573430B2
JP2573430B2 JP9711891A JP9711891A JP2573430B2 JP 2573430 B2 JP2573430 B2 JP 2573430B2 JP 9711891 A JP9711891 A JP 9711891A JP 9711891 A JP9711891 A JP 9711891A JP 2573430 B2 JP2573430 B2 JP 2573430B2
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康太 楠川
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Description

【発明の詳細な説明】[発明の目的]
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は現場に持ち回り可能なポ
ータブル型弁リーク診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発電プラントや化学プロセスプラント等
の各種プラントにおいては、プラントのコントロールの
ために多数の弁が配置され、流量、圧力、温度の制御や
系統分離等の用途に使用されている。
【0003】これらの弁の内、特にプラントの通常運転
中に比較的高い圧力の流体をしゃ断する用途に使用され
る弁には、リークを防止するためしゃ断性能が要求され
る。このような弁に、例えば異物の噛み込みやシート部
の欠陥等によってリークが生じると、流体が損失する
上、高圧の流体が長い間流れ続けた場合には、初期に発
見できれば異物の除去や簡単な修理等によって再び使用
できるものも使用不能になったり、修理に多大な手数を
要することになる。また、流体のリークはプラントの運
転効率を低下させ、結果的にプラントの運転コストを増
大させることになる。
【0004】ところで、従来弁のリークを早期に発見す
るものとして弁リーク診断装置が使用されている。この
弁リーク診断装置には、予め診断対象弁を選定してセン
サを取付け、オンラインで診断するオンライン型の弁リ
ーク診断装置と、持ち回り可能なポータブル型(可搬
型)のものとがある。しかし、前者のオンラインタイプ
のものは、設置コスト等を加味しているため、おのずと
対象弁が限定される。また、後者のポータブル型の弁リ
ーク診断装置は、軽量で持ち回り可能で、対象弁が限定
されていないため、どの系統の弁に対しても測定可能と
なり、汎用性があるが、常時監視ができない等の運用上
の制限がある。
【0005】図11は従来のポータブル型の診断装置の
構成例を示すものである。図11において、11はポー
タブル型の弁リーク診断装置本体であり、アンプ3、実
効値(rms:root mean square value) 回路4、A/
D変換器5およびリーク判断手段6、表示手段7を有す
る中央処理部(CPU)10とマンマシンインターフェ
ースを行うLCD8とテンキ9から構成されている。
【0006】このような弁リーク診断装置において、弁
のリークを診断するにはまず測定者が弁リーク診断装置
本体11を現場に携帯し、各弁の弁体またはその近傍の
配管にAEセンサ2を押付け、またはマグネットにより
固定する等して、AE信号を収集する。このAEセンサ
により検出されたAE信号はアンプ3により増幅され、
実効値回路4によりアナログ的に実効値に加工され、A
/D変換器5により、A/D変換される。この場合のA
/D変換速度は、単一のアナログ値(実効値)をディジ
タル値に変換するだけなので、10KHZ 程度のサンプリ
ング速度で十分である。A/D変換された信号はCPU
10へ入力され、リーク判断手段6にてリークの判定が
行われ、その結果が表示手段7によりLCD8に表示さ
れる。
【0007】次にリーク判断手段6での処理内容につい
て図12により説明する。AE信号がアンプ3、実効値
回路4、A/D変換器5を通してCPU10に入力され
ると、このAE信号の実効値をリークのない状態のとき
の基準AE信号の実効値(rmso)と比較し、リーク
の判定を行う。この場合、各弁の基準信号はプラントの
試運転時等のリークのない状態において、弁リーク診断
装置本体11を用いて各弁につき予め測定しておき、基
準実効値データベース90へ保存しておく。
【0008】したがって、リーク判断手段6が起動され
ると、まずステップ901 で各弁に対応した基準値を基準
データベース90より読込み、ステップ902 で測定値
(rms)と基準値(rmso)との差Kを求め、ステ
ップ903 でこのKの値からリークの有無の判定を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のポー
タブル型弁リーク診断装置によれば、任意の弁について
予め基準値を測定して登録しておくことにより、現場で
リークの判定を行うことができる。
【0010】しかし、リークの判定は実効値(rms
値)のみで、評価をしているため、リークがある場合と
リークがない場合とでは現れるAE信号の差が明確に判
断できない場合がある。例えば、図13に示すようにリ
ークにより高周波域のみが上昇した場合には高周波域で
信号レベルが上がるため、生波形には乱れが生じるが、
実効値(rms)のみでは図14に示すように明確な差
が現れず、リークが実際には発生しているにもかかわら
ず、リークの検知ができないことがある。
【0011】従って、弁からリークが発生していないと
の判断でそのまま運転を継続すると、弁のシート部の損
傷の拡大、ひいては大きなプラント損失につながる危険
性がある。
【0012】また、リークが進行し、前述の実効値(r
ms)にリークがある場合とない場合の差が十分大きく
ならないとリークの判定がされないため、検知精度が非
常に悪いものである。
【0013】本発明の目的は、どのような弁に対しても
現場で正確にリークの判定を行うことができる信頼性の
高いポータブル型弁リーク診断装置を提供するにある。 [発明の構成]
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、弁体またはその近傍に設けられるAEセンサ
と、このAEセンサにより検出されたリーク信号を高速
でサンプリングしてアナログ信号をディジタル信号に変
換する高速A/D変換器と、この高速A/D変換器で変
換されたディジタル信号を処理するデータ処理部と、こ
のデータ処理部で処理された結果を表示する表示器とを
備え、このデータ処理部は前記A/D変換器の出力信号
を周波数分析する周波数分析処理手段、この周波数分析
処理手段で分析された周波数分析波形の周波数帯の分割
数と各帯域のスペクトラムのオーバオール値に付加する
重み係数を保存したデータベースを有し、このデータベ
ースから分割数と重み係数を検索して前記周波数分析波
形の各帯域毎のオーバオール値を算出し、その各オーバ
オール値に各重み係数を付加することにより、実測トー
タルのオーバオール値をマトリックス計算により算出す
るマトリックス計算手段、このマトリックス計算手段に
より求められた前記実測トータルオーバオール値と基準
トータルオーバオール値とを比較してリークの有無を判
定するリーク判断手段およびこのリーク判断手段で判定
された結果を前記表示器に表示する表示手段から構成し
たものである。
【0015】
【作用】このような構成のポータブル型弁リーク診断装
置にあっては、AEセンサにより検出されたリーク信号
は高速のA/D変換器により高速にディジタル値に変換
され、このディジタル値に変換された生波形信号は周波
数分析処理手段により周波数分析される。この周波数分
析された周波数分析波形に対し、マトリックス計算手段
により周波数帯が適当に分割し、各分割された周波数帯
のAEオーバオール値に重み付けを行い、トータルの
ーバオール値を算出する。そして、リーク判断手段によ
りマトリックス計算手段により算出されたトータルオー
バオール値を用いてリークの判定を行い、その結果を表
示手段により表示しているので、周波数分析波形に対し
て分割数と重みを設定しておくことにより、各周波数帯
域のAEオーバオール値に重みを付けてトータルオーバ
オール値を算出することにより、いかなる弁に対しても
リーク時の波形の特徴を踏まえたリークの判定を行うこ
とが可能となり、信頼性のある精度の高いリークの判定
を行うことができる。
【0016】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明によるポータブル型弁リーク診断装
置の構成例を示すブロック図であり、図11と同一部分
には同一符号を付してその説明を省略する。図1におい
て、12はAEセンサ2により検出され、アンプ3によ
り増幅されたアナログ信号を高速にディジタル信号に変
換する高速A/D変換器である。また、13はこの高速
A/D変換器12により変換されたディジタル信号が入
力され、そのディジタル生波形信号を処理してリークの
判定を行い、その結果をLCD8に表示するCPUであ
る。
【0017】このCPU13は、周波数分析処理手段1
4、マトリックス計算手段15、リーク判断手段16お
よび表示手段17から構成されている。次にこのように
構成されたポータブル型弁リーク診断装置の作用を述べ
る。
【0018】測定者が図1に示す弁リーク診断装置本体
20を現場に携帯し、プラント等に設けられている各弁
の弁体またはその近傍の配管にAEセンサ2を押付ける
か、またはマグネットにより固定する等してAE信号を
収集する。このAEセンサ2で検出されたAE信号はア
ンプ3により増幅され、そのアナログ信号を高速A/D
変換器12により高速にディジタル信号に変換される。
この高速A/D変換器12で変換されたディジタル信号
はCPU13に取込まれ、周波数分析処理手段14によ
り周波数分析(高速フーリエ変換[FFT])が行われ
る。この場合、周波数分析処理手段14で周波数分析を
行う際、生波形を再現する必要があるが、一般的に分析
周波数の2.56倍でサンプリングすれば生波形が再現(サ
ンプリング定理)できるので、A/D変換器12におい
てはAE信号の分析周波数(0〜1MHZ)の2.56倍以上の
速度でA/D変換を行えば良いことになる。
【0019】この周波数分析処理手段14で周波数分析
された信号はマトリックス計算手段15に入力され、こ
こでマトリックス計算が行われる。ここで、マトリック
ス計算手段15の作用を図2に示す処理ルーチンにより
説明する。
【0020】マトリックス計算手段15では、まずステ
ップ201 で各弁の識別番号である弁番号および周波数分
析処理手段14で周波数分析されたFFT波形データ40
0 点を入力する。この場合、弁番号は測定対象の各弁固
有に付けられた機器番号であり、測定者は各弁の測定に
際し、テンキ9よりインプットする。また、A/D変換
器12でのサンプリング数は1024点であり、これに対し
周波数分析処理手段14でFFT分析を行った結果は40
0 点となっている。
【0021】次にステップ202 で弁番号をキーにして分
割数および重みをデータベース18よりサーチする。こ
のデータベース18は図3に示すように弁番号に対し分
割数と重みを対応させたものである。
【0022】ここで、リーク時のFFT波形について説
明する。各弁につき、リーク時のFFT波形は種々の特
徴を示す。例えばある弁は800KHZ〜1000kHZ のAEレベ
ルが顕著に上昇する。また、ある弁は0〜100 kHZ の周
波数成分はBGN(背景音)であるので、リーク判定時
はこの部分のAE周波数成分を除いて考えた方が良い。
このように各弁によりリーク時のFFT波形は種々の特
徴を示している。
【0023】データベース18に保存した分割数と重み
を用いてFFT波形の任意の周波数帯のAE信号成分を
除くことも、大きく引き出すこともでき、このことはリ
ーク波形の特徴を十分考慮したリーク判定につながる。
【0024】分割数はAE信号のFFT波形の横軸に対
する分割数を表し、図4に分割数2の場合、図5に分割
数5の場合を示す。図4の場合は、分析周波数範囲を帯
域1(0 〜500KHZ) 、帯域2(500 〜1000KHZ)の2つの
部分に等分に分割している。
【0025】一方、図5の場合は分析周波数範囲を帯域
1(0 〜200KHZ) 、帯域2(200 〜400KHZ) 、帯域3
(400 〜600KHZ) 、帯域4(600 〜800KHZ) 、帯域5
(800 〜1000KHZ)の5つの部分に分割している。
【0026】図3の重み係数は既述した各帯域のAEレ
ベルのオーバオール値に付ける重み係数である。オーバ
オール値としてはFFT波形のAEレベルの2乗和の平
方根で表される。
【0027】
【数1】
【0028】例えば弁番号1002は分割数が2(図3参
照)で、帯域1に対する重み係数が1、帯域2について
の重み係数が2であることを示す。この重み係数により
各帯域のAEFFT波形のオーバオール値に重み付けす
ることができる。
【0029】図3の構成を持つデータベース18の分割
数と重み係数は、各弁のリーク時のリーク信号の特徴に
従い、予め測定者が計測に先立ち設定しておくものとす
る。弁のリーク信号の特徴が実験、文献等により予め把
握できる場合にはそれに従い設定する。例えばある弁が
リークすると、600KHZ〜800KHZの部分のAEレベルが他
の帯域に比べ大幅に上昇することが分かっている場合
は、600KHZ〜800KHZの部分に着目し、リークの判定を行
えば良いことから、600KHZ〜800KHZの帯域の重み係数を
他の帯域の係数に比べて大きくするように、分割数と重
み係数を設定しておけば良い。また、リーク信号の特徴
が把握できていない弁については、まず各帯域の重み係
数を全て1にしておき、弁リーク診断装置本体によりリ
ーク時のFFT波形の特徴を確認してから重みを変更す
れば良い。データベース18の内容の変更、追加が容易
に行えることは言うまでもない。
【0030】以上がデータベース18の説明である。こ
のようにマトリックス計算手段15は、分割数と重みを
サーチした後、ステップ203 にすすみ入力FFT波形デ
ータの各帯域別オーバオール値を算出する。各帯域別
ーバオール値はサーチした分割数に従い、(1)式より
算出する。次にステップ204 でマトリックス計算により
入力信号のトータルオーバオール値を算出する。
【0031】以下、弁番号1003を測定した場合を例に取
りステップ204 の処理を説明する。ステップ204 ではス
テップ203 で求めた帯域別オーバオール値とステップ20
2 でサーチした重み係数を用いてトータルオーバオール
値を算出する。弁番号1003の場合、帯域は図5のように
分割される。ステップ203 で求めた入力FFT波形のF
FT波形のオーバオール値を次ぎのように表現する。
【0032】 帯域1のオーバオール値……a1 (mv) 帯域2のオーバオール値……a2 (mv) 帯域3のオーバオール値……a3 (mv) 帯域4のオーバオール値……a4 (mv) 帯域5のオーバオール値……a5 (mv) また、各帯域に付ける重み係数は図3より弁番号1003の
場合は、帯域1よりそれぞれ1,0,2,1,0となっ
ている。オーバオール値と重み係数をマトリックスの形
で表現すると次のようになる。
【0033】
【数2】 このマトリックスによりトータルのオーバオール値(O
A)を算出する。AE信号は(dB)表示をするため、
実際には次式となる。
【0034】
【数3】
【0035】このようにしてトータルオーバオール値
算出する。このトータルオーバオール値は、予め把握で
きている各弁のリーク時の特徴を考慮したリークを判定
するためのAE信号レベルとなる。
【0036】以上がマトリックス計算手段15の処理内
容である。次に図1のリーク判断手段16の作用を図6
に示す処理手順を用いて説明する。まず、ステップ601
でマトリックス計算手段で求めた入力信号のFFT波形
から算出した実測トータルオーバオール値(OA)を入
力する。次にステップ602で基準トータルオーバオール
データベース19より基準トータルオーバオール値
読込む。
【0037】図7は基準トータルオーバオール値データ
ベース19の構成を示すものである。データベース19
は弁番号に対し、その弁の基準トータルオーバオール値
を対応させたものである。基準トータルオーバオール値
は、弁にリークのない状態(例えばプラント試運転時、
定期点検後等)のFFT信号を用いて各弁に対し図3に
示す分割数と重み係数を用いて既に説明したマトリック
ス計算手段の処理ステップ203,204 と同様の処理により
求めてあるものとする。すなわち、測定者は本弁リーク
診断装置本体を試運転時等弁にリークのない状態のとき
に現場に携帯し、各弁についてFFT波形を収集して既
述した各弁の基準トータルオーバオール値を算出し、デ
ータベース19に保存しておく。
【0038】さて、ここで図3の構成を持つ分割数/重
みデータベース18の内容の変更方法について説明す
る。前述したように試運転時等の弁にリークのない状態
において、基準トータルオーバオール値を算出する際に
は、既に分割数/重みデータベース18の分割数と重み
は保存されていなければならない。
【0039】この分割数と重みの設定は基準データ計測
に先立ち行う必要があるが、始めて計測する弁について
はリーク時の波形の特徴が不明であり、例えば重みは全
て1にしておく等の仮処置をしておく。そして、本弁リ
ーク診断装置によりリーク波形を確認(実際のリークで
はなく、例えば弁の微開試験等でも良い)した時点で、
重みの変更を行えば良いことになる。
【0040】この重み変更につき弁番号1006の場合を例
に説明する。暫定的に重みを全て1にした場合のデータ
ベース8の内容を図8に示す。リークを確認した場合に
は表示手段17によりLCD8へリーク波形を基準波形
と共に表示し、重みの変更を行う。この場合のLCD8
の画面例を図9に示す。測定者は図9に示すLCD画面
により、弁番号1006のリーク時の波形の特徴を視覚的に
捉らえることができる。すなわち、リークすると750KHZ
以上の成分の上昇が顕著であり、250KHZ以下ではBGN
(バックグランドノイズ)と思われ、リークなし時の波
形と殆ど変わらない。
【0041】従って、リーク判定時にリークの特徴を盛
込むため、4分割の重みは例えば0,1,1,2のよう
に変更すれば良い。このようにすることにより、750KHZ
以上の成分を大きく引き出すことができ、リーク判定の
精度が向上する。
【0042】具体的には図9の画面において、カーソル
キーによりカーソルを変更点に合わせてテンキより数値
を入力すればよい。このようにして弁番号1006に対応す
る重みが変更できる。同様にして分割数の変更も可能で
ある。変更後のデータベース18の構成を図10に示
す。
【0043】このようにステップ602 では弁番号に対応
した基準トータルオーバオール値をサーチし、基準トー
タルオーバオール値KOAを読込む。実測トータルオー
バオール値(OA)および基準トータルオーバオール値
(KOA)は、mvの単位であるため、ステップ603 でd
Bに変換してリーク判定時の比較を容易にしている。
【0044】dBの変換後は 実測トータルオーバオール値;dOA 基準トータルオーバオール値;dKOA と表す。
【0045】ステップ604 ではdOAとdKOAとの差
Kを求め、このKの値によりステップ605 にてリークの
有無を判定する。このKの値に対し、幾つかのしきい値
を求めておき、Kの値により段階的にリークの有無の評
価を行う。例えば「リーク無し」、「リーク有り」等の
評価を行う。
【0046】以上がリーク判断手段16の処理内容であ
る。次に図1の表示手段17について説明する。この表
示手段17ではリーク判断手段16で判定したリークの
有無の結果を始め、A/D変換した生波形データ、周波
数解析したFFT結果、実測トータルオーバオール値
基準トータルオーバオール値等をLCD8に表示する。
【0047】このような構成のポータブル型弁リーク診
断装置においては、測定者が装置本体を現場へ携帯して
各弁のAE信号を収集することにより、その場で診断装
置本体により精度の良いリーク判定の表示が可能とな
る。
【0048】また、いかなるタイプの弁についても、F
FTに対して分割数と重みを設定しておくことにより、
各周波数帯域のAEオーバオール値に重みを付けてトー
タルオーバオール値を算出することにより、各弁のリー
ク時の波形の特徴を踏まえたリークの判定が行え、信頼
性のある精度の高いリークの判定を行うことができる。
すなわち、各周波数帯の重みにより、その部分のAE
ーバオール値を除く(重み0の場合)ことも、大きく引
き出す(重み係数を大きくする)ことも自由自在に行う
ことが可能となり、リーク波形の特徴を十分考慮したリ
ーク判定を行うことができる。
【0049】さらに、リーク波形の特徴がまだ捉らえら
れていない弁については本診断装置により実際のリーク
時のFFT波形を把握したした上で、分割数、重みの変
更を行えば良い。この場合、データベース18の分割
数、重み係数の変更、追加は自由に行えることは言うま
でもない。
【0050】尚、上記実施例では分割数/重みデータベ
ース18における分割数は等分分割として説明したが、
この分割方法についてはlog 分割、任意分割(各周波数
帯の周波数の始点と終点を指示)等自由に行えることは
勿論可能である。この場合、データベース18を分割方
法に対応したデータベース構成に設計しておけば良いこ
とは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、どの
ような弁に対しても現場で正確にリークの判定を行うこ
とが可能となり、弁の損傷を早期に予防でき、ひいては
弁りーくによるプラント効率の低下を未然に防止するこ
とができる信頼性の高いポータブル型弁リーク診断装置
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるポータブル型弁リーク診断装置の
一実施例を示すブロック図。
【図2】同実施例におけるマトリックス計算手段の処理
手順を示すフローチャート。
【図3】同じくマトリックス計算手段で用いられる分割
数/重みデータベースの構成図。
【図4】同実施例において、周波数分析処理手段で解析
された分割数2の場合のFFT波形図。
【図5】同じく周波数分析処理手段で解析された分割数
5の場合のFFT波形図。
【図6】同実施例におけるリーク判断手段の処理手順を
示すフローチャート。
【図7】同じくリーク判断手段で用いられる基準トータ
オーバオール値データベースの構成図。
【図8】図3において、重み変更を行う場合の分割数/
重みデータベースの構成図。
【図9】同じく重み変更を行う場合のLCD画面説明
図。
【図10】同じく重み変更後の分割数/重みデータベー
スの構成図。
【図11】従来のポータブル型弁リーク診断装置の構成
を示すブロック図。
【図12】同じくリーク判断手段の処理手順を示すフロ
ーチャート。
【図13】従来装置において、リーク有りとリーク無し
を比較したFFT波形図。
【図14】同じくリーク有りとリーク無しの場合のrm
s値の説明図。
【符号の説明】
1……弁、2……AEセンサ、3……アンプ、8……L
CD、9……テンキ、12……高速A/D変換器、13
……中央処理装置、14……周波数分析処理手段、15
……マトリックス計算手段、16……リーク判断手段、
17……表示手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体またはその近傍に設けられるAEセ
    ンサと、このAEセンサにより検出されたリーク信号を
    高速でサンプリングしてアナログ信号をディジタル信号
    に変換する高速A/D変換器と、この高速A/D変換器
    で変換されたディジタル信号を処理するデータ処理部
    と、このデータ処理部で処理された結果を表示する表示
    器とを備え、このデータ処理部は前記A/D変換器の出
    力信号を周波数分析する周波数分析処理手段、この周波
    数分析処理手段で分析された周波数分析波形の周波数帯
    の分割数と各帯域のスペクトラムのオーバオール値に付
    加する重み係数を保存したデータベースを有し、このデ
    ータベースから分割数と重み係数を検索して前記周波数
    分析波形の各帯域毎のオーバオール値を算出し、その各
    オーバオール値に各重み係数を付加することにより、実
    測トータルのオーバオール値をマトリックス計算により
    算出するマトリックス計算手段、このマトリックス計算
    手段により求められた前記実測トータルオーバオール値
    と基準トータルオーバオール値とを比較してリークの有
    無を判定するリーク判断手段およびこのリーク判断手段
    で判定された結果を前記表示器に表示する表示手段から
    構成したことを特徴とするポータブル型弁リーク診断装
    置。
JP9711891A 1991-04-26 1991-04-26 ポータブル型弁リーク診断装置 Expired - Lifetime JP2573430B2 (ja)

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