JP2571422B2 - 磁歪式トルクセンサ - Google Patents

磁歪式トルクセンサ

Info

Publication number
JP2571422B2
JP2571422B2 JP63216085A JP21608588A JP2571422B2 JP 2571422 B2 JP2571422 B2 JP 2571422B2 JP 63216085 A JP63216085 A JP 63216085A JP 21608588 A JP21608588 A JP 21608588A JP 2571422 B2 JP2571422 B2 JP 2571422B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetostrictive
rotating shaft
torque
torque sensor
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63216085A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0262926A (ja
Inventor
茂夫 吉村
連信郎 石野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP63216085A priority Critical patent/JP2571422B2/ja
Publication of JPH0262926A publication Critical patent/JPH0262926A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2571422B2 publication Critical patent/JP2571422B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、回転軸に加わるトルクを、その軸表面に形
成された磁歪部の透磁率の変化として非接触検出する磁
歪式トルクセンサに関する。
〔従来の技術〕
電動機、工作機械、自動車等における回転駆動系の回
転軸に加わるトルクを非接触検出するセンサとして、回
転軸の適所に、軸方向に対し傾斜する方向を磁化容易軸
とする磁気異方性をもたせた磁歪部を形成し、これに励
磁・検出回路を配置して、磁歪部に交番磁界を印加する
と共に、回転軸にトルクが加わることにより磁歪部に生
じる透磁率の変化を電気量として検出するようにした磁
歪式トルクセンサが広く使用されている。
上記磁歪式トルクセンサの構成部分である回転軸の磁
歪部としては、回転軸自身の表面に磁気異方性をもたせ
たもの、および回転軸の表面に磁歪材料を固着して磁気
異方性をもたせたものとがある。前者の例として、回転
軸表面に、レーザ等により軸心方向に対して傾斜する方
向(軸心に対し±45゜方向)に帯状の焼入れ部を形成し
て焼入れ部と非焼入れ部の硬度差に因る透磁率の差を生
じさせることにより、帯状焼入れ部の傾斜方向を磁化容
易軸とする磁気異方性を付与したものが知られており、
また後者の代表例としては、磁気歪み定数の大きい金属
のアモルファス磁性薄帯を回転軸の表面に接着剤で接合
し、その薄帯に形状磁気異方性をもたせたものが知られ
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
アモルファス磁性薄帯を磁歪材料として回転軸表面に
接着したトルクセンサは、軸材の磁気特性とは無関係
に、その薄帯の磁歪効果による良好なトルク検出感度が
得られるが、その反面、軸と薄帯との熱膨張係数の差に
よる熱応力の発生、軸表面に対する薄帯の接着力の環境
温度による変化、および接着剤の経年劣化等に起因して
トルク検出々力の零点変動が生じ、また検出感度も低下
していくという問題がある。他方、回転軸表面の磁歪効
果を利用したトルクセンサは、そのような問題とは無縁
であるが、トルク検出感度が低いという問題がある。
本発明は、上記の欠点を解消し、検出感度が高く、か
つ安定性にすぐれた磁歪式トルクセンサを提供しようと
するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、少なくとも表層が磁歪材料からなる回転軸
の表面に、軸心方向に対し傾斜する方向を磁化容易軸と
する磁気異方性を有する磁歪部が設けられ、その磁歪部
に磁界を印加するための励磁回路と、磁歪部に生じる透
磁率の変化を検出するための検出回路が軸近傍に配置さ
れている磁歪式トルクセンサにおいて、 前記回転軸の磁歪部は、互いに平行で軸周方向に略等
間隔である複数条の螺旋溝を有し、その螺旋溝のなす帯
状谷部の表面と、隣り合う螺旋溝同士間の山部頂面と
が、高低相異なる炭素濃度を有していることを特徴とし
ている。
本発明の磁歪式トルクセンサについて、実施例を示す
図面を参照して説明すると、第1図において、(1)は
回転軸、(2)は回転軸表面に形成された螺旋溝(3)
を有する磁歪部、(5)は磁歪部(2)に磁界を印加す
るための励磁巻線、(6)は磁歪部(2)に生じる透磁
率の変化を検出する検出巻線である。励磁巻線(5)と
検出巻線(6)とはケーシング(7)に内装されて回転
軸(1)に回転対称に配置されている。なお、図は、2
つの磁歪部(2)(2)を設け、各磁歪部の透磁率の変
化を差動的に取出すようにした差動型構造の例であり、
従って2つの磁歪部(2)と(2)のそれぞれに付与さ
れる磁化容易軸は、軸方向に対する傾斜角度が同一で、
向きは互いに逆である。
回転軸(1)の表面に磁歪部(2)が形成される本発
明のトルクセンサにおける該回転軸は、少なくともその
表面が磁歪効果を有する金属材料からなる。その軸材料
は特に限定されないが、磁気歪み定数の大きいNi含有合
金、例えばJIS G 4103のニッケル・クロム・モリブデン
鋼(SNCM 415,同420,同625,同815等)であるのが好まし
い。
回転軸表面の磁歪部(2)の螺旋溝(3)は、例えば
ローレット加工や転造加工等の公知の溝加工法により形
成される。螺旋溝(3)の軸方向に対する傾斜角度は、
回転軸の印加トルクにより生じる主応力の方向(軸心方
向に対し、±45゜)に略一致させることが望ましい。こ
れにより、トルクの印加による磁歪部(2)(2)の透
磁率の変化を最も効果的に取出すことができる。
螺旋溝(3)の溝形状は、例えば溝幅約1mm、溝深さ
約1mm、溝長さ約10mmとしてよい。また、トルク検出々
力の回転対称性を確保するために、隣り合う螺旋溝同士
(3)(3)の軸周方向の間隔は略一定であるのがよ
い。その螺旋溝の軸周方向のピッチは、例えば2mmであ
る。
上記螺旋溝(3)の帯状谷部の表面と、隣り合う螺旋
溝同士間の帯状山部(4)の頂面は、高低相異なる炭素
濃度が与えられている。その炭素濃度の差は、例えば0.
6〜0.7%であってよい。この磁歪部(2)の谷部(3)
と山部(4)の炭素量の濃淡のパターンは、浸炭処理に
より形成することができる。すなわち、螺旋溝の山部
(4)頂面に選択的にマスキング(銅めっき、または浸
炭防止塗剤の塗膜)を設けて浸炭処理を行うことによ
り、山部の表面を低炭素濃度(軸材の炭素濃度とほぼ同
じ)とし、谷部(3)の表面に浸炭による高炭素濃度を
付与することができる。その浸炭処理は、軸材を、加熱
下に固体浸炭剤(木炭と炭酸バリウムの混合物等)、液
体浸炭剤(青化カリ溶液等)、またはガス浸炭剤(一酸
化炭素、プロパンガス雰囲気等)と接触させる公知の一
般的方法により達成することができる。
なお、軸材は、疲労強度の向上等の材質改善を目的と
する浸炭焼入れ処理が施されることが多いので、その浸
炭焼入れ処理に際して、磁歪部に上記のように部分的に
浸炭防止マスキングを施しておけば、軸材の材質改善の
ための浸炭焼入れと、磁歪部(2)の螺旋溝の凹凸パタ
ーンに対応する炭素濃度の濃淡パターンの形成を同時に
達成することができる。殊に、浸炭処理につづいて焼入
れを行うことは、磁歪部(2)の山部(4)と谷部
(3)との炭素濃度の差に基づく残留応力が効果的に導
入され、その応力効果として磁歪部に付与される磁気異
方性が増強される点で好ましいことである。また、この
場合溝の谷部(4)が浸炭焼入れされることになるの
で、回転軸へのトルク印加時の溝の谷部への応力集中作
用に対し疲労強度が高められることにもなり好都合であ
る。
回転軸の磁歪部(2,2)に近接配置される励磁・検出
回路は公知のそれと同じ構成であってよい。第2図は、
前記差動型トルクセンサにおける励磁・検出回路の例を
示している。(8)は、磁歪部(2,2)に交番磁界を印
加するための励磁巻線(5)に接続された高周波数電源
である。検出巻線(6)と(6)とは、対応する2つの
磁歪部(2)と(2)との透磁率を差動的に取出すため
に互いに逆極性に接続されており、その端子に同期整流
器(9)が接続されている。この検出巻線(6)および
(6)のそれぞれに励磁巻線(5)と間の相互誘導によ
る誘起電圧が生じ、その誘起電圧の差が同期整流器
(9)により直流電圧として出力される。
この励磁・検出回路を有するトルクセンサにおいて、
回転軸(1)にトルクが印加されていない状態では、2
つの磁歪部(2)と(2)の透磁率は相等しいので、一
方の検出巻線(6)に生じる誘起電圧と、他方の検出巻
線(6)に生じる誘起電圧とは互いに打ち消し合い、従
って出力は現れない。回転軸(1)にトルク(T)が印
加されると、2つの磁歪部(2)と(2)の一方には張
力が、他方には圧縮力がそれぞれ選択的に作用すること
により、一方の磁歪部の透磁率は増加し、他方の磁歪部
のそれは減少する。この透磁率の差動的な変化により、
一方の検出巻線(6)の誘起電圧は増加し、他方の検出
巻線(6)の誘起電圧は減少する。その差が同期整流器
(9)により直流電圧として出力され、その出力値の大
きさから印加トルクの大きさを、また出力値の正負の符
号からトルクの印加方向を読みとることができる。な
お、上記の励磁・検出回路の構成は一例であって、これ
に限定されるものではなく、例えば、開磁路鉄心入り巻
線(磁気ヘッド)により磁歪部の励磁とその透磁率の変
化を検出する構成としてもよい。また磁歪部を2個所に
設ける差動構成に代え、1個所にのみ磁歪部を成形して
その磁歪部の透磁率の変化から、回転軸の印加トルクの
大きさと印加方向の正負を検出する励磁・検出回路を用
いることも無論可能である。
〔作用〕
本発明の磁歪式トルクセンサにおける回転軸表面の磁
歪部は、螺旋溝の形状効果として生じる螺旋溝傾斜方向
を磁化容易軸とする磁気異方性(形状磁気異方性)と、
その螺旋溝の帯状谷部と帯状山部との凹凸パターンに対
応した炭素量の濃淡のパターンに因る螺旋溝傾斜方向を
磁化容易軸とする磁気異方性との重畳効果により、大き
な磁気異方性が付与され高感度のトルク検出が可能であ
る。しかも、これらの磁気異方性は極めて安定している
ので、繰返し作用応力による影響をうけにくく、経年変
化も少ない。
〔実施例〕
〔I〕回転軸の磁歪部の形成 ニッケル・クロム・モリブデン鋼からなる軸材の表面
に、磁歪部としてローレット加工により複数条の互いに
平行な螺旋溝を形成し、その溝の谷部頂面にのみ浸炭防
止膜を施し、ついでその軸材を浸炭焼入れ処理に付し
た。軸材は、JIS G 4103に規定されているSNCM 420(C:
0.15%、Si:0.20%、Mn:0.50%、Ni:4.12%、Cr:0.82
%、Mo:0.22%、残部Fe)であり、浸炭処理は、プロパ
ンガスを浸炭剤とし、950℃に5時間保持するガス浸炭
法により行い、浸炭後、同温度から140℃の油浴中に20
分間浸漬して焼入れを行った。
螺旋溝:溝幅1mm、溝深さ1mm、溝長さ10mm、 溝ピッチ:2mm 螺旋溝傾斜角度:軸心方向に対し±45゜ 浸炭部炭素濃度:0.8% 非浸炭部(谷部)炭素濃度:0.15% 〔II〕トルクセンサの構成 上記軸材を回転軸として第2図に示すように、励磁・
検出回路を配置してトルクセンサを構成した。これをト
ルクセンサAとする。
他方、比較例として、回転軸表面に螺旋溝(溝形状・
パターンは前記トルクセンサAのそれと同一)を形成し
たのち、溝の山部および谷部の全表面に浸炭焼入れ処理
を施したうえ、前記とおなじように第2図に示す励磁・
検出回路を配置した。これをトルクセンサBとする。
更に、他の比較例として、回転軸表面の螺旋溝の形成
を省略し、その平坦な軸周面に上記トルクセンサAの回
転軸の炭素濃度の濃淡パターンと同一の濃淡パターンを
浸炭焼入れ処理により形成したうえ、上記と同じように
第2図に示す励磁・検出回路を配置した。これをトルク
センサCとする。
上記各供試トルクセンサA、B、Cによるトルク検出
特性を第3図に示す。図中、a、bおよびcはそれぞれ
トルクセンサA、BおよびCの検出特性である。この試
験結果から明らかなように、発明例のトルクセンサA
は、トルクセンサBおよびCに比べて検出感度が高く、
高精度のトルク検出が可能である。これはトルクセンサ
Aにおける回転軸に螺旋溝の形状効果と炭素濃度差の効
果として、トルクセンサBおよびCに比べてより大きな
磁気異方性が付与されていることによるものである。
なお、上記トルクセンサAについては、軸表面剪断応
力15kg f/mm2のトルク印加を107回反復した後にも、そ
のトルク検出特性は使用開始当初と殆ど変化がないこと
も確認されている。
〔発明の効果〕
本発明のトルクセンサは、回転軸表面に、形状効果と
しての磁気異方性と、炭素含有量の濃淡パターンに因る
磁気異方性とが重畳された磁歪部を有しているので、検
出感度が高く、しかもその磁気異方性が極めて安定して
いるので繰返し作用応力による磁歪部の磁気特性の変化
が少なく、長期に亘って高精度のトルク検出が可能であ
り、回転駆動系の制御における高い信頼性を保証するも
のである。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例を示す部分断面図、第2図は本
発明トルクセンサの励磁・検出回路の例を示す図、第3
図はトルク検出特性を示す図である。 1:回転軸、2:磁歪部、3:螺旋溝(谷部)、4:山部、5:励
磁巻線、6:検出巻線。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表層が磁歪材料からなる回転軸
    の表面に、軸方向に対し傾斜する方向を磁化容易軸とす
    る磁気異方性を有する磁歪部が設けられ、その磁歪部に
    磁界を印加するための励磁回路と、回転軸にトルクが印
    加されることにより生じる磁歪部の透磁率の変化を検出
    するための検出回路とが軸近傍に配置されている磁歪式
    トルクセンサにおいて、 前記回転軸の磁歪部は、互いに平行で軸周方向に略等間
    隔である複数条の螺旋溝を有し、その螺旋溝のなす帯状
    谷部の表面と、隣り合う螺旋溝同士間の山部頂面とが、
    高低相異なる炭素濃度を有していることを特徴とする磁
    歪式トルクセンサ。
JP63216085A 1988-08-30 1988-08-30 磁歪式トルクセンサ Expired - Lifetime JP2571422B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63216085A JP2571422B2 (ja) 1988-08-30 1988-08-30 磁歪式トルクセンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63216085A JP2571422B2 (ja) 1988-08-30 1988-08-30 磁歪式トルクセンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0262926A JPH0262926A (ja) 1990-03-02
JP2571422B2 true JP2571422B2 (ja) 1997-01-16

Family

ID=16683015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63216085A Expired - Lifetime JP2571422B2 (ja) 1988-08-30 1988-08-30 磁歪式トルクセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2571422B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2765334B2 (ja) * 1992-02-03 1998-06-11 日産自動車株式会社 トルク検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0262926A (ja) 1990-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4933580A (en) Magneto-strictive torque sensor
US4964308A (en) Magnetostrictive device for measuring torsional torque
JP3139714B2 (ja) カラーのない円周方向磁化トルク変換器及びそれを用いたトルク測定方法
EP0270122A2 (en) Magnetoelastic torque transducer
EP0525551A2 (en) Circularly magnetized non-contact torque sensor and method for measuring torque using same
WO1995033982A1 (en) Circularly magnetized non-contact torque sensor and method for measuring torque using same
ES2339328T3 (es) Un detector de par de torsion.
JPH01189971A (ja) トルクセンサ
JPS589034A (ja) アモルフアス磁性薄帯によるトルクセンサ
US4840073A (en) Torque detecting device
JP2571422B2 (ja) 磁歪式トルクセンサ
JPS62113037A (ja) トルクセンサ
JPS63297545A (ja) トルクセンサ用被測定軸
JP2611819B2 (ja) 磁歪式トルクセンサ用回転軸の調質処理方法
JPH0242419B2 (ja)
EP0868659B1 (en) Torque transducer
JPH06105193B2 (ja) トルクセンサ
JP2936657B2 (ja) 熱処理硬化層深さの測定方法
JPH0298640A (ja) 磁歪式トルクセンサ
JP2615661B2 (ja) トルクセンサ
JP2002107240A (ja) トルク伝達軸およびそれを用いたトルクセンサ
JP2002107241A (ja) トルク伝達軸およびそれを用いたトルクセンサ
JPH03282337A (ja) トルクセンサ
JPH0290030A (ja) トルク検出装置
JP2974554B2 (ja) 磁歪測定軸