JP2571335B2 - 定流量弁 - Google Patents
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Description
を、その供給圧力の変動に拘らず、一定流量で装置へ供
給することができる定流量弁に関するものである。特
に、本発明に係る定流量弁は、例えば、給湯用温水器に
おける給水管路に設置して給湯湯温の安定化を図った
り、また、高温熱処理炉並びにエアーコンプレッサー等
の冷却水給水管路に設置して運転の安定化と節水化を図
ったり、さらには、便器等の水洗洗浄装置(ボールタッ
プ等)の給水管路に設置して節水化を図る等、幅の広い
利用を可能とするものである。
圧力は、0.3〜7.0kg/cm2とバラツキがある。この
要因としては、山や谷等の地域差、水道配設管の能力不
足、供給量に対する需要量等が考えられる。そして、例
えば、給湯用温水器には、水道水の供給圧力にバラツキ
があっても支障がないように定流量弁が備え付けられて
いる。その定流量弁の一般的な構造例として、実公平4
−10450号公報の第4図に示されるものがある。そ
のような定流量弁100を示す図10において、101
は弁箱、102は基端部室、103は弁箱本体、104
は液体入口、105は蓋、107は箱体、108は液体
出口、109は一次液圧室、111は筒状弁体、112
は二次液圧室、113は大径筒状部、115は弁開放度
調整用フランジ、117は中間部、119はオリフィ
ス、121は弁体開放方向押圧用ばねである。この定流
量弁100においては、液体入口104,104から筒
状弁体111の中間部117と弁箱101との間の一次
液圧室109内に供給された液体は、基端部室102と
筒状弁体111内の二次液圧室112内を通り、オリフ
ィス119を経て液体出口108へ順次流通する。
流量特性線図に実線で示されるように、その弁の前後に
おける差圧が1.0〜1.5kg/cm2に達しないと設定流
量(図示では20l/min)が満足されないことが実験結
果から判明している。即ち、これでは、前述した水道水
の供給圧力がそのバラツキ下限の0.3kg/cm2の地域で
は、給湯用温水器の健全な使用ができないことになり、
利用者は不満を覚えることになる。従来は、そのような
低圧側での圧力損失を改善するための手段として、弁口
径を大きくしたり、または、特公昭62−35574号
公報に示されるように、弁を二つ設けることによって、
弁部の通過孔面積を拡大して通過抵抗値を下げて対処し
ていた。
に、弁口径を大きくする手法では、弁筐体そのものが大
型となり、コスト高となってしまう。また、後者のよう
に、弁を二つ設ける手法では、弁構造が複雑になって、
コスト高となり、その割には改善の向上効果が少ない等
の問題があった。なお、図10や前記特公昭62−35
574号公報に示されるような従来の定流量弁では、そ
もそもの構成部品が多く、しかも、その部品形状が複雑
であって、部品製作の加工工数並びに組立工数が多くな
り、コスト高となり、安価な定流量弁の供給ができなか
った。このため、本来的に多くの利用分野が見込める割
には市場の拡大がままにならないところがあった。
く、例えば、水道水の供給圧力が0.3kg/cm2以下の低
圧地域における給湯用温水器等の健全な使用を可能とす
ると共に、構造を簡略化することにより、部品点数を少
なくし、部品形状も簡素化して、加工工数並びに組立工
数を大幅に改善し、低コストによる安価な定流量弁を提
供することにある。
本発明は、流体の流路に設置され、流体の圧力変動に応
じて流体の通過孔面積を可変とする弁体を備える定流量
弁において、前記弁体を、前記流体の圧力変動に応じて
伸縮動作するコイル状ばねにより形成して、このコイル
状ばねの各巻線間の隙間を、前記流体の圧力変動に応じ
て可変となる前記通過孔面積に対応させると共に、前記
コイル状ばねの各巻線間の隙間による前記通過孔面積
と、前記コイル状ばねを境にした前記流体の差圧の平方
根との積がほぼ一定になるように、前記コイル状ばねの
ばね荷重特性を非線形に設定してなることを特徴とす
る。
応じて伸縮動作し、その各巻線間の隙間による通過孔面
積が、流体の圧力変動に応じて可変となる。しかも、こ
の弁体をなすコイル状ばねのばね荷重特性は、その各巻
線間の隙間による通過孔面積と、これを境にした流体の
差圧の平方根またはコイル状ばねの変位による発生力の
平方根との積がほぼ一定になる非線形特性なので、例え
ば、水道水の供給圧力が0.3kg/cm2以下の低圧地域に
おいて、流体の通過抵抗の発生が少なく、圧力損失が非
常に少ないものとなる。
1乃至図9に基づいて説明する。先ず、図1乃至図4は
本発明の第1実施例を示すもので、この第1実施例に係
る定流量弁10の使用開始前の状態を示した図1におい
て、11は弁筐体、12は流路、13は入口、15は出
口、21は弁支持板、23は通孔、25は軸受筒体、3
1はばね受板、33はガイド軸、35は止輪、41は弁
体をなすコイル状ばねである。
して、一端に入口13を、他端に出口15を有するもの
で、入口13側の外周に設けたテーパーねじ14と出口
15側の外周に設けたテーパーねじ16により、例え
ば、図示せぬ給湯用温水器の給水管路に接続される。こ
の弁筐体11の中間部17内の出口15側には、流路1
2を直角に分断するように弁支持板21が形成されてい
る。この弁支持板21には、その円周方向に複数の通孔
23,23,…が形成されると共に、中央に出口15側
へ延びる軸受筒体25が形成されている。この軸受筒体
25内の軸受孔26は、弁支持板21の上面に開口して
いる。
えるガイド軸33が、軸受孔26内に摺動自在および回
動自在に組み付けられると共に、そのばね受板31下面
と、弁支持板21上面の弁筐体中間部17との段部22
との間には、弁体をなす円錐形状のコイル状ばね41が
介設されている。即ち、この弁体をなす円錐形状のコイ
ル状ばね41は、その小径部側をばね受板31下面に当
接し、大径部側を弁支持板21上面の段部22に当接し
て、しかも、若干圧縮された状態となっており、軸受筒
体25から出口15側へ突出するガイド軸33の端部に
形成した環状溝部34に止輪35が嵌着されている。
2を塞ぐようにしてばね受板31と弁体をなす円錐形状
のコイル状ばね41が組み付けられている。そして、流
路12内に入口13から流入する水道水の圧力、即ち、
一次側圧力P1は、ばね受板31のガイド軸33断面
と、弁体をなす円錐形状のコイル状ばね41の各巻線4
3,43,…の上面(ばね素線展開長さの上面に相当す
る)に万遍なく作用する。
のための受圧面積Aは、図2に示される粒状模様の範囲
が最大で、コイル状ばね41は、図3および図4に示さ
れるように、その動作形態は、その巻線43が大径側か
ら接触を開始して、変位量が進むにつれて順次小径側に
移行されることから、図7に割合で示されたように、後
述する通過孔面積Sにほぼ比例する形で減少する。定流
量弁40は、水圧の変化を上記のような受圧面積Aで感
知して応動するようになっている。ここで、弁体をなす
円錐形状のコイル状ばね41は、図3および図4に示さ
れるように、各巻線43,43,…が各々の大径側の内
側に順次接触するよう小径側に向かって螺旋状に形成さ
れいるため、その最大変位時には一枚の円板形状にな
る。
状態を示した縦断側面図であり、図示のように、コイル
状ばね41の小径側の巻線43,43,43,43,…
は互いに接触しておらず、その間に隙間45,45,4
5,45,…を保っている。この隙間45,45,4
5,45,…の周長総計が、この安定時の流体を制御す
る通過孔面積Sとなる。また、各巻線43,43,…の
接触部において、その接触面からの流体の漏洩は、定流
量弁としての機能が確保できる程度であることが要求さ
れる。さらに、弁支持板21は、上述のような変位時に
おける弁体をなす円錐形状のコイル状ばね41のバック
アップ機能を有する。この弁体をなす円錐形状のコイル
状ばね41を境にして流体圧力は、一次側圧力P1から
二次側圧力P2へ変化する。
の式によって表される。 Q=αSV =αS√(2g(P1−P2)/r) =αS√(2g△P/r) ・・・(1) ここで、αは係数、Sは流体の通過孔面積、gは重力の
加速度、P1は一次側圧力、P2は二次側圧力、rは流
体の比重、Vは流体速度、△P=P1−P2である。
α,g,rは係数並びに定数であることから、(1)式
を整理して、定流量を制御するための条件を探ると、 Q∝S√△P ・・・(2) このように、流量Qが一定なる条件は、通過孔面積S
と、弁体をなすコイル状ばね41を境にした差圧の平方
根(√△P)の積が一定になることである。
る△Pと弁体をなすコイル状ばね41とのバランスは下
記の式によって表される。 △PA=KL=F ・・・(3) △P=F/A Q∝S√(F/A) ・・・(4) 式中、Kはばね41のばね定数、Aは受圧面積、Lはば
ね41の変位量、Fはばね41の変位による発生力を表
す。図7は弁体をなす円錐形状のコイル状ばね41の変
位量Lに対する通過孔面積Sの変化状況を表した特性線
図であり、図示のように、密着側に向かうにしたがって
減少する右下がりの非線形特性となっている。従って、
前記(2)式を満足させるためには、コイル状ばね41
の変位荷重特性を「右上がり」となるようにすることに
よって、上述した通過孔面積Sの「右下がり」特性を補
正するようにすれば良いことが判る。
41の変位量Lに対するばね荷重Fの変化状況を表した
特性線図であり、図示のように、密着側に向かうにした
がって増加する右上がりの非線形特性となっている。即
ち、この「右上がり」特性は、本実施例のように、円錐
形状のコイル状ばね41にすることによって得ることが
できる。しかしながら、実際面においては、受圧面積A
も通過孔面積Sと同様に「右下がり」となっていること
から、ばね41の変位特性を決定するに当たっては、
(3)(4)式の関係を確保しながら、通過孔面積Sを
考慮して、実験によって確認して決定されるものであ
る。
特性と、ばね荷重Fの右上がり特性)は円錐形状のコイ
ル状ばね41をもって成し得たものであるが、図5に示
したような一般的な円筒形状のコイル状ばね51によっ
ても可能である。このような弁体をなす円筒形状のコイ
ル状ばね51の場合は、各巻線53,53,…のピッチ
を、その円筒形状の一端側で小さく、徐々に大きくして
他端側で最大になるような不等間ピッチによる構成とす
る。なお、この場合の受圧面積Aは、その円筒形状のコ
イル状ばね51のコイル中心径によって決まり、円錐形
状のものとは異なる。図中、55は巻線53,53間の
隙間である。
状のコイル状ばね41の場合においても、各巻線43,
43,…毎にピッチを変えることにより、ばね特性の非
線形カーブの度合を自由に調整することによって、さら
なる特性補正の効果を挙げて、前記(2)式に近付ける
ことが可能である。
状のコイル状ばね41を備えた定流量弁10についての
動作説明をする。図1、図3および図4において、図示
せぬ給湯用温水器の使用が開始されて、入口13に流体
の流れがあると、ばね受板31と弁体をなす円錐形状の
コイル状ばね41の上面によって構成される受圧面積A
に、その水道水の供給圧力が作用する。これによりコイ
ル状ばね41が押されて、図1の状態から図3に示され
る状態に変化する。
の大径側から密着を開始して、この密着は小径側まで進
み、一端は全閉に近い状態になるが、コイル状ばね41
自体の変位による発生力Fの反力を受けて、弁開側に押
し戻される。そして、また、受圧面積Aの作用力によっ
て弁閉側に押し戻されるような動作が繰り返されて、設
定流量値で安定する。実際には、この動作の繰り返しは
瞬時にして完了する。図3および図5はその安定状態を
示したものである。また、その安定時は、図8の特性線
図においては、その中間位置にあたる。このような安定
状態の時に、前述した(2)式が成立し、実際の流体は
前記(1)式にしたがってコントロールされて使用され
る。
は、実際には、0.3〜7.0kg/cm2とバラツキがあ
り、その問題となる低圧側(0.3kg/cm2)における定
流量弁10の状態を考察すると、前記受圧面積Aに作用
する圧力が小さいことは、弁体をなす円錐形状のコイル
状ばね41の変位量が少ないことになり、この状態は、
丁度、図1の状態に近いものであることが予測される。
この図1から明らかなように、コイル状ばね41の巻線
隙間45,45,45,45,45,…が、各巻線4
3,43,43,43,43,…に跨って充分に有り、
従って、弁部の通過孔面積Sは、その各巻線隙間45,
45,45,45,45,…とその周長の積であること
から、従来品の定流量弁とは比較にならないほど多いも
のとなる。この状況は図7に示される特性の左側に相当
する。このような低圧側での状態が、図9の特性線図に
点線で示される特性の左側に相当する。よって、流体の
通過抵抗の発生が少なく、圧力損失が非常に少ないもの
となる。
ついて説明する。この第2実施例に係る定流量弁60
は、給水管路61内に挿入して直接組み付けるタイプの
ものである。即ち、給水管路61内を直角に分断するよ
うに弁支持板71を組み込んでいる。この弁支持板71
は、前記第1実施例と同様に、複数の通孔73,73,
…、軸受筒体75、軸受孔76を有すると共に、給水管
路61内に安定させる支持筒77を一体に設けてなる。
この支持筒77は、給水管路61内の上流側に向かう段
部62に当接して、外周面の環状溝78内にOリング等
のシール部材79を組み付けて、給水管路61内と気密
的な関係にある。
板81を備えるガイド軸83を、軸受孔76内に摺動自
在および回動自在に組み付けると共に、そのばね受板8
1下面と、弁支持板71上面の支持筒77との段部72
との間に、弁体をなす円錐形状のコイル状ばね91を介
設している。なお、軸受筒体75から下流側へ突出する
ガイド軸83端部の環状溝部84に止輪85が嵌着され
ており、93は巻線、95はその間の隙間である。こう
して、給水管路61内に、その流路を塞ぐようにしてば
ね受板81と弁体をなす円錐形状のコイル状ばね91を
備える弁支持板71を直接組み付けている。この第2実
施例に係る定流量弁60によっても、前記第1実施例と
同様の機能が得られるものであり、また、前記第1実施
例と比較して、弁筐体を省略できることから、コストを
さらに低減できるという利点も得られる。
水器の給水管路に設置する定流量弁として、給湯湯温の
安定化を図ったが、本発明に係る定流量弁の用途は、こ
れに限定されるものではなく、高温熱処理炉並びにエア
ーコンプレッサー等の冷却水給水管路に設置して運転の
安定化と節水化を図ったり、さらには、便器等の水洗洗
浄装置(ボールタップ等)の給水管路に設置して節水化
を図る等、幅の広い利用が可能である。また、本発明に
係る定流量弁は、適用する機器並びに装置等の供給側に
設置する他、製品としての安価な供給が可能となれば、
機器並びに装置等の出口側に設置して使用することもで
きる。例えば、一つの例として、一般家庭において、大
型の給湯用温水器を設置して炊事場、お風呂、シャワー
等の一般給湯の他に、各部屋に熱交換器を配置して給湯
する暖房装置を利用することが多くなっている。
多数の箇所へ給湯する場合に問題になることは、各機器
並びに装置の設置の状態、即ち、給湯用温水器からの距
離、高さ、継手数等が相違することによる流体抵抗の差
から、各々への給湯流量に差が出てしまうことがある。
そこで、各給湯分配管の入口に本発明に係る定流量弁を
設けて、流量の安定化を図るようにすれば、上述のよう
な問題も改善できる。また、本発明に係る定流量弁の具
体的な配置の仕方や流量制御すべき流体の種類等も任意
であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に
変更可能であることは勿論である。
よれば、例えば、水道水の供給圧力の低圧側における圧
力損失を0.2kg/cm2以下と少なくできることから、水
道水の供給圧力が0.3kg/cm2の低圧地域であっても、
例えば、給湯用温水器の場合に、設定流量(実施例では
20l/min)を充分に供給することができる。従って、
給湯用温水器の健全な使用ができるばかりでなく、充分
な湯の使用ができることから、利用者に満足を与えるこ
とができる。また、本発明に係る定流量弁は、従来品の
弁体に代えて、コイル状ばねに定流量コントロール機能
を与えたことにより、弁の構造を簡略化できると共に、
部品も簡略化できたことから、量産化が可能となり、工
数の大幅な低減が可能である。従って、性能の良い定流
量弁を安価に広く提供することができる。
で、使用開始前の状態を示した縦断側面図である。
示した受圧面積を説明する破断平面図である。
図である。
面図である。
で、使用開始前の状態を示した縦断側面図である。
(受圧面積)特性線図である。
性線図である。
力損失を比較する圧力流量特性線図である。
側面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 流体の流路に設置され、流体の圧力変動
に応じて流体の通過孔面積を可変とする弁体を備える定
流量弁において、 前記弁体を、前記流体の圧力変動に応じて伸縮動作する
コイル状ばねにより形成して、 このコイル状ばねの各巻線間の隙間を、前記流体の圧力
変動に応じて可変となる前記通過孔面積に対応させると
共に、 前記コイル状ばねの各巻線間の隙間による前記通過孔面
積と、前記コイル状ばねを境にした前記流体の差圧の平
方根との積がほぼ一定になるように、前記コイル状ばね
のばね荷重特性を非線形に設定してなることを特徴とす
る定流量弁。
Priority Applications (1)
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JP5004838A JP2571335B2 (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | 定流量弁 |
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1993
- 1993-01-14 JP JP5004838A patent/JP2571335B2/ja not_active Expired - Fee Related
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