JP2571164B2 - シートの塗布方法及び装置 - Google Patents

シートの塗布方法及び装置

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JP2571164B2
JP2571164B2 JP3233704A JP23370491A JP2571164B2 JP 2571164 B2 JP2571164 B2 JP 2571164B2 JP 3233704 A JP3233704 A JP 3233704A JP 23370491 A JP23370491 A JP 23370491A JP 2571164 B2 JP2571164 B2 JP 2571164B2
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孝男 金子
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙などのシート状の被
印刷体にグラビアあるいはリバース方式により文字、図
柄等を塗布する際の塗布技術に係わり、特に薄塗りから
厚塗りまで広範囲に塗布できるシートの塗布方法及び装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高級印刷紙、ラベル及び成形紙な
どの被印刷体に対する地紋、文字、図柄などの印刷は全
面ベタや不連続部分状及びストライプ状に塗布するよう
にして行っている。図3はこのような場合に用いられる
公知のシート専用グラビア塗布装置の要部構成を示す正
面図である。以下、図3を参照して従来のシート専用グ
ラビア塗布方法について説明する。
【0003】搬送ベルト1によって枚葉単位に送られて
きたシート2を見当台3の前当て及び横当てによりシー
ト2をタイミングよく位置調整し、スインググリッパ4
でくわえて圧胴5の爪6でシート2をくわえかえ、版胴
8に装置したシート刷版9に計量された塗料13を転写
し、排紙胴10の爪11にくわえ排紙する。この場合、
圧胴のシートくわえ部はゴムブラケット7が取り付けて
あるため、クッションの役目をしているので、刷版9か
シートへの塗料転写は均一に行なわれるとともに、刷版
9が損傷するようなことはない。
【0004】刷版9への塗料の計量手順は、インキバッ
ト12に入れた塗料13を着肉ロール14で刷版9に供
給し、ドクターブレードで余剰塗料をかきとり、刷版9
のセル内に均一に計量する。このドクター部に塗料カス
や異物が付着しても、条痕が発生しないようにドクター
ブレードは左右に摺動しながらクリーニング機能を発揮
し、また、着肉ロール14は溶剤塗料による侵食に耐え
て、刷版9への塗料13の転写効率をよくするために耐
溶剤製のゴムロールを使用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなシートグ
ラビア装置による塗布方法では、刷版9の凹版セルに塗
料を充満させて転写計量するようにしているため、地
紋、文字や図柄を全面ベタあるいはストライブ状、不連
続状に薄塗りするには適しているが、感熱塗料や磁気塗
料のように顔料を多くして記録濃度あるいは残留磁束を
向上させるために厚塗りを行うと、白ヌケや流れムラ
(モットリング)が発生して均一面ができないという問
題があった。本発明は上記のような課題を解決するため
になされたもので、顔料の多い塗料を塗布しても白ヌケ
やムラがなく均一な塗布が可能となるシートの塗布方法
及び装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係わるシートの塗布方法は、シートグラビア
塗布装置にリバースヘッドを併設し、リバース方式で塗
布するときは圧胴にリバースヘッドを近接させるととも
に、グラビアヘッドを離して保持し、グラビア方式で塗
布するときは圧胴にグラビアヘッドを近接させるととも
に、リバースヘッドを離して保持するようにしたもので
ある。また、本発明に係わるシートの塗布装置は、シー
トグラビア塗布装置にリバースヘッドを併設し、圧胴に
対してリバースヘッドとグラビアヘッドとが交互に離
間、近接するように構成したものである。
【0007】
【作用】この発明においては、グラビア方式とリバース
方式のシートの塗布を1台の装置で行うことができるの
で、薄塗り、厚塗り共に優れたシートの塗布を行うこと
ができる。
【0008】
【実施例】図1は本発明の一実施例によるシート塗布装
置の要部構成を示す正面図であり、グラビアヘッドを使
用せずにリバースヘッドを使用している状態を示す。ま
ず、リバース方式で塗布したシート2が版胴8と接触せ
ずに通過できるように、この版胴8を約10mm左方向
に移動して圧胴5との間に隙間を設ける。本実施例で塗
布できるシート寸法は、330〜420mm幅×500
mm長さで、塗布速度は30〜60枚/分であり、リバ
ース設備の各部材の寸法及び材質は表1、表2の通りで
ある。以下余白
【0009】
【表1】
【表2】
【0010】次に、塗料を塗布する動作を説明する。ま
ず、搬送ベルト1により枚様単位で送られてきたシート
2を見当台3の前当てと横当ての2箇所で正確に位置調
整してタイミングを取り、スインググリッパ4でシート
2をつかんで圧胴5の爪6に渡し、アプリケーターロー
ル20に計量された塗料24を転写し、排紙胴10で排
紙する。この場合、腰のない薄いシート2でも見当台3
の前当てが数多くついているために、くわえ縁が湾曲す
るようなことがなく、また、シート2の寸法幅が異なっ
ていても、くわえ爪が多くついているので幅方向の寸法
違いが生じない。従って、くわえ精度の高い正確なシー
ト2の給紙排紙が行なわれる。
【0011】リバースヘッドのドクターロール23の役
割は、シート2に転写しないアプリケーターロール20
面に付着した塗料を均一にかきとって塗料溜りに戻し、
再計量時のムラを防止することである。この場合のドク
ターロール23の周速比は、アプリケーターロール20
の1に対し1.03とやや多くすると均一に塗料をかき
とることができる。ここで、リバース方式で問題となる
のは、シート2の進行方向に直交して発生する段状のギ
ヤマークであるが、アプリケーターロール20及びメタ
リングロール21の軸受としてアンギュラ玉受軸受を使
用し、本体をさらに強く固定して上記両ロール20、2
1のショック振れを抑制し、さらに、これら両ロール2
0、21の回転数は、従来では減速機による可変機構に
よっていたが、減速機のギアの噛み合い振動が大きく影
響することから、連続して可変できるインバータ制御に
よる可変方式とすることで解決できる。
【0012】以上のように、リバース方式による印刷の
特徴は、アプリケーターロール20とメタリングロール
21とのギャップを精密に設定し、アプリケーターロー
ル20に付着した上記ギャップ以上の量の塗料を、逆回
転するメタリングロール21によってかきとり、アプリ
ケーターロール20面の塗工剤を一定厚さに保持させる
ことにある。これを実現させるには、上記両ロール2
0、21の相対的表面速度及び上記ギャップをコントロ
ールすればよい。実際の操作では、上記両ロール20、
21の回転速度はそれぞれ独立にコントロールするが、
このことは広い粘度範囲の塗料を取り扱う場合に特に重
要である。従って、ウェブの塗工に最も融通のきくコー
ターで、1〜5000cp以上もの広い粘度範囲にわた
って使用できる。
【0013】以下に、本発明に基づいて行なわれた諸元
の一例を示す。塗料は抗磁力3000エルステッドの高
抗磁力磁気塗料で、濃度は一般的に行なわれている濃度
の50%とし、被印刷体としてのシートは厚さが180
μmの白色ポリエステルフィルムを使用した。アプリケ
ーターロール20とメタリングロール21とのギャップ
は、塗布量を30g/m以上の厚塗りを目標とし、塗
布量と上記両ロール20、21のギャップの関係を把握
するため、60、110、160μmの3種類で実施す
ることとし、また、ロール速度比は、シートをくわえて
走行させる圧胴5が一般のリバース方式のバックロール
に相当するので、圧胴5をバックロールと見なし、圧胴
5の回転を1として、これに対してアプリケータロール
20を1とした。また、メタリングロール21は塗布量
や塗面を大きく変化させることから、アプリケーターロ
ール20の1に対して0.3〜0.8とした。
【0014】図2は上述のようなロール間のギャップ、
ロール速度比等の諸元を定めて行ったロール周速比率と
塗布量g/m2 との関係をそれぞれのギャップごとに得
られた結果を示す線図である。図に示すごとく、ギャッ
プが広いほど塗布量が増加し、ギャップを160μmに
設定すれば30g/m2 以上の厚塗りで塗布できる。ま
た、ロール周速比率と塗布面との関係は、13g/m2
の塗布量では0.39〜0.56の範囲のロール周速比
率で、20g/m2 以上の塗布量では0.3〜0.39
に設定すれば、条痕や粗いリング状のムラのない均一な
塗布面が得られた。
【0015】その他にも、市販されている磁気隠ぺい用
シルバー塗料(東華色素社製、濃度26.7%、粘度2
0cp)では、ロール間のギャップ50μm、メタリン
グ速度比(アップリケーターロールに対するメタリング
ロールの周速比)を0.7に調整することにより、塗布
量3〜4g/m2 の均一面が得られた。また、ロイコ染
料を使用した感熱塗料(大日本インキ社製、濃度30
%、粘度100cp)でも、ギャップ100μm、メタ
リング速度比0.65に調整することにより、塗布量5
〜6g/m2 の均一な塗布面が得られ、シートリバース
方式の有効性を見いだした。
【0016】なお、上記実施例はグラビアヘッドの版胴
8を圧胴5より離し、リバースヘッドのアプリケーター
ロール20を圧胴5に近接させて、リバース方式による
塗布装置に構成した場合について説明したが、リバース
ヘッドのアプリケーターロール20を吊上げるなどして
圧胴5より離し、グラビアヘッドの版胴8を圧胴5に近
接させる構成にすれば、従来例で示した図3と全く同一
機能のシートの塗布装置の構成になるので、この操作手
順は省略する。
【0017】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、リバ
ース方式で塗布を行うときは、グラビアヘッドを圧胴よ
り離してリバースヘッドを近接させ、また、グラビア方
式で塗布を行うときは、グラビアヘッドを圧胴より離し
て、リバースヘッドを近接させるように構成したので、
グラビア方式により0.2〜7g/m2 までの全面、不
連続部分状、ストライブ状の均一な薄塗り塗工が可能と
なり、また、リバース方式により4〜38g/m2 の全
面均一な厚塗り塗工が可能となるので、1台の装置で薄
塗り、厚塗りができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるシートの塗布装置の
要部構成を示す正面図である。
【図2】この発明の一実施例によるシートの塗布方法で
得られたロール周速比率と塗布量との関係を示す線図で
ある。
【図3】従来のグラビア塗布装置の要部構成を示す正面
図である。
【符号の説明】
2 シート 5 圧胴 8 版胴 20 アプリケーターロール

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートグラビア塗布装置に、アンギュラ
    玉受軸受を使用したアプリケーターロールとアンギュラ
    玉受軸受を使用したメタリングロールとを構成しかつア
    プリケーターロールとメタリングロールをインバータ制
    御による可変方式で回転数を制御したリバースヘッドを
    併設し、シートにリバース方式で塗料を塗布するとき
    は、上記シートが送給されてくる圧胴に上記リバースヘ
    ッドのアプリケーターロールを近接させて固定するとと
    もに、グラビアヘッドの版胴を上記圧胴より離して保持
    し、シートにグラビア方式で塗料を塗布するときは、上
    記圧胴に上記版胴を近接させて固定するとともに、上記
    リバースヘッドのアプリケーターロールを上記圧胴より
    離して保持するようにして、厚塗りと薄塗りとを切替え
    て塗布することを特徴とするシートの塗布方法。
  2. 【請求項2】 シートグラビア塗布装置に、アンギュラ
    玉受軸受を使用したアプリケーターロールとアンギュラ
    玉受軸受を使用したメタリングロールとを構成しかつア
    プリケーターロールとメタリングロールをインバータ制
    御による可変方式で回転数を制御したリバースヘッドを
    併設し、シートが送給されてくる圧胴に対して、上記リ
    バースヘッドのアプリケーターロールとグラビアヘッド
    の版胴とが交互に離間、近接するようになされたことを
    特徴とするシートの塗布装置。
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