JP2570776Y2 - バックライトユニット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案はエッジライト方式のバ
ックライトユニット、特に該ユニットの光源ランプ近傍
に生じるグレアの防止に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種エッジライト方式のバックライト
ユニットは透光性良好なアクリル樹脂板などからなる導
光板の端面に、光源として細長状の蛍光ランプを配設
し、端面より導入したランプ光を効率よく導光板の表面
側に導出し、導光板の上面側に配設された表示装置を下
面側より照射するものであり、薄型で、比較大面積の表
示面が略均一に照射でき、液晶表示装置のバックライト
として利用されている。

【０００３】図２はかかる液晶表示装置に使用されるバ
ックライトユニット１の一例を示す側面図であり、導光
板２の両端面に光源ランプ３、３を配置した２灯用ユニ
ットが示されている。導光板２は、例えば厚さ３ｍｍ程
度の肉厚の透光性良好なアクリル製樹脂板からなり、そ
の裏面側には、光源ランプ３よりの光を均一に表面側に
反射して導出させるために、白色ペイントのドット状反
射層４がスクリ−ン印刷により分散して被着されてい
る。さらに、導光板２の下面側には、表面にアルミ蒸着
などで反射膜が形成されたＰＥＴ樹脂シ−トからなる反
射板５が配設され、前記ドット状反射層４と共働して、
導光板２中に導入されたランプ光を均一に導光板２の上
面側に反射するよう構成されている。また、導光板２の
上面側には、乳白色の光拡散シ−ト６が配設されてお
り、上記導光板２の上方に導出されたランプ光を分散さ
せ、柔かい均一な散乱光として外部に放射する。光源ラ
ンプ３は外径４ｍｍ程度の細長の冷陰極放電管からな
り、図示しないが、その端部がソケットなどに装着され
て、導光板２の端面所定距離に対設して固定されてい
る。また、光源ランプ３の背面側周囲には、ランプ光を
有効に導光板２の端面に導入するため、両端部を上記光
拡散シ−ト６および反射板５の縁部端面上に接着された
反射性樹脂シ−トからなるランプカバ−７により被覆さ
れ、これらによりバックライトユニット１が構成されて
いる。

【０００４】かかる構成のバックライトユニット１は、
導光板２の両端面に配置された光源ランプ３、３のラン
プ光はその周囲がランプカバ−７により被覆されてお
り、有効に導光板２の中に導入される。そして、導光板
２内に導入されたランプ光は導光板２の上、下面を反射
しながら前進して行くとき、ドット状反射層４、反射板
５で適宜に反射され、導光板２の上面側に導出される。
そして、導光板２の上面側に導出されたランプ光は、導
光板２の上面に配置された光拡散シ−ト６により分散さ
れ、散乱光として放出されるのである。従って、このバ
ックライトユニット１上に配設された液晶表示装置８を
下面側より均一に照射するのである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】ところで、このような
構成のバックライトユニット１は導光板２の下面側にド
ット状反射層４が分散して配設され、導光板２の上面に
均一な照度分布の発光面９が得られるのであるが、同図
下方の照度分布に示すように、発光面９の光源ランプ３
の端面側の幅数ｍｍに亘る範囲が極端に明るく輝やいて
見える、いわゆるグレア現象を生じる欠点があった。こ
のため、従来は液晶表示装置８の表示範囲を、バックラ
イトユニット１の照射領域Ｌ、つまり発光面９の範囲か
ら、上記明るく輝やいて見えるグレアの領域Ｍを避けた
有効発光領域Ｎ内に限定して設定する必要があった。し
かしながら、近時、上記液晶表示装置８は携帯型など小
型化が要請される傾向にあり、上記バックライトユニッ
トの照射領域の有効利用が要請されていた。

【０００６】したがって、本考案は上記に鑑みなされた
ものであり、エッジライト方式のバックライトユニット
の光源ランプ近傍に生じるグレアを防止して、バックラ
イトユニットの有効発光領域Ｎを可及的に大ならしめる
バックライトユニットを得ることを目的としている。

【０００７】このため、本考案者等は上記グレアの発生
原因について鋭意検討を重ねた結果、導光板２の端面に
対設された光源ランプ３はそのランプ光が有効に導光板
２内に導入されるように、周囲を反射性のランプカバ−
７で被覆されており、このカバ−７で反射されたランプ
光が導光板２の上面に対して鋭角状に入射するものが多
くあり、これが導光板２の上面で反射することなく、導
光板２の上面に導出してされ、光拡散シ−ト６により分
散発光するために、導光板２の端縁近傍が極端に明るく
なることが判明した。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案は上記グレアの発
生原因の究明に基づきなされたものであり、エッジライ
ト方式のバックライトユニットにおいて、導光板の光源
ランプが対設される端面近傍の上面または下面の少なく
とも一方に、空気層を介して帯状の光吸収反射層を配設
したものである。前記光吸収反射層には、光吸収性の大
きい黒色又は灰色のテープが用いられ、これを反射板乃
至拡散板側に配設したものである。

【０００９】

【作用】上記構成のバックライトユニットは、光源ラン
プが対設される導光板の端面近傍の上面または下面の少
なくとも一方に、ランプ光源に沿って空気層を介して光
吸収反射層が帯状に配設されているから、ランプカバ−
によって反射され、導光板の上面に対して鋭角状に入射
され導光板の上面側に導出されていたランプ光は、この
光吸収反射層により吸収され、外部に導出される事はな
い。この場合、上記光吸収反射層は導光板の表面に直接
被着せず、反射板乃至拡散板側に配設して導光板との界
面に空気層を形成して導光板表面を反射性に保ったか
ら、導光板の上面側に入射するランプ光はかなりの部分
が適格に反射され、上記光吸収反射層でのランプ光の吸
収が限定される。従って、導光板内へ導入されたランプ
光の反射が確保され、バックライトユニットの表面輝度
を低下させることもない。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面を参照して説
明する。図１は本考案に係る液晶表示装置に使用するバ
ックライトユニット１１の側面図であり、前記２のバッ
クライトユニット１と同様に、導光板２の両端側に光源
ランプ３、３を配置した２灯用のユニットに適用したも
のである。このバックライトユニット１１において、上
記バックライトユニット１と相違する点は、導光板２の
光源ランプ３、３が対設された端面近傍の導光板２の上
下面部の光拡散シ−ト６および反射板５上には、帯状の
光吸収反射層１２、１３が夫々添設された点のみで、そ
のたは同様の構成であり、簡単のため、同じ機能部品は
同一参照符号を付し、その説明は省略する。

【００１１】光吸収反射層１２、１３は導光板２の板厚
と略等しい２〜３ｍｍ程度の幅員で、光吸収性の大きい
黒色又は灰色のテ−プが用いられ、このテ−プを光拡散
シ−ト６および反射板５の端面内方に沿って帯状に貼付
したものである。

【００１２】かかる構成のバックライトユニット１１は
光源ランプ３のカバ−７で反射したランプ光Ｌ１は、矢
印図示するように、導光板２の上面に対して鋭角状に入
射するものが多くあるが、これらのランプ光Ｌ１は、か
なりの部分が有効に光吸収反射層１２に吸収され、その
まま導光板２面より導出されて光拡散シ−ト６により分
散されることはない。従って、この部分におけるランプ
光の極端な放出が防止され、明るく輝やいて見えるグレ
ア現象がなくなる。

【００１３】ここで、上記光吸収反射層１２、１３は光
拡散シ−ト６および反射板５側に形成し、この部分の導
光板２の外表面上をランプ光に対して反射性に形成する
ことが重要である。本考案者らの実験によれば、光吸収
反射層１２、１３を導光板２の表面に直接貼付して形成
したものはこの部分でランプ光のかなりの部分が吸収さ
れ、上記グレア現象が防止できるものの、バックライト
ユニットの表面輝度を極端に低下してしまうことが確認
された。しかしながら、光吸収反射層１２、１３を光拡
散シ−ト６や反射板５側に形成したものは、表面照度を
さほど低下させることなく、グレア現象を防止すること
ができる。これは、光吸収反射層１２、１３を光拡散シ
−ト６や反射板５側に形成したものは、導光板２の外表
面の界面に空気層ができ、この部分が光の反射層となっ
て、例えば、鋭角に入射するランプ光Ｌ３が再度導光板
２の内方に適度に反射し、表面輝度の低下を招くことが
なくなるためと考えられる。

【００１４】尚、本考案は上記実施例において、導光板
２の端面近傍に添設する光吸収反射層１２、１３は光拡
散シ−ト６および反射板５の両側に配設したが、何れか
一方のみに配設してもよく、また導光板２の端面に配置
させる光源ランプは一端側のみに配置する一灯形のバッ
クライトユニットに適用し、同様の効果を奏することは
言うまでもない。

【００１５】

【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
導光板の光源ランプが対設される端面近傍の上面または
下面の少なくとも一方に、空気層を介して帯状の光吸収
反射層を配設したから、導光板の外表面の界面に空気層
ができ、この部分が光の反射層となって、例えば鋭角に
入射するランプ光を再度導光板の内方に適度に反射する
ため、表面輝度の低下を招くことなく、導光板の表面に
直接貼付した場合のように、ランプ光の大半が光吸収反
射層で吸収されてしまうことはなく、表面輝度を極端に
低下させずに導光板端部におけるグレア現象を防止する
ことができる等の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の照度分布付きのバックライトユニット
の側面図である。

【図２】従来の照度分布付きのバックライトユニットの
側面図である。

【符号の説明】

２ 導光板 ３ 光源ランプ ５ 反射板 ６ 光拡散シ−ト １２、１３ 光吸収反射層

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 導光板の端面に光源ランプを配設し、導
   光板端面より導入したランプ光を導光板の下面に配置し
   た反射板で反射して導光板の表面側に導出し、導出光を
   光拡散シートで拡散するようにしたバックライトユニッ
   トにおいて、前記導光板の光源ランプが対設される端面
   近傍の上面または下面の少なくとも一方に、空気層を介
   して帯状の光吸収反射層を配設したことを特徴とするバ
   ックライトユニット。
2. 【請求項２】 光吸収反射層は光吸収性の大きい黒色又
   は灰色のテ−プ帯で構成され、これを反射板乃至拡散板
   に配設して形成したことを特徴とする請求項１記載のバ
   ックライトユニット。