JP2569380C - - Google Patents

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JP2569380C
JP2569380C JP2569380C JP 2569380 C JP2569380 C JP 2569380C JP 2569380 C JP2569380 C JP 2569380C
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polymer
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fibers
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カワサキ ケミカル ホールデイング カンパニー,インコーポレイティド
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【発明の詳細な説明】 本発明は繊維強化成形品に関する。 ガラス繊維のトウまたはロービングを低粘度の熱硬化性樹脂の浴に通して引い
て、繊維を含浸することによって、繊維強化構造物を製造する方法は、知られて
いる。この構造物は、しばしば加熱により硬化される。このような方法は引出成
形法として知られている。このような方法は少なくとも10年間知られているが
、熱硬化性樹脂含浸構造物の製造に商業的にいかなる程度にも使用されているわ
けでもない。この理由は、粘稠な溶融樹脂中に通して引くとき、繊維をぬらすの
が困難であるからである。得られる製品は、ぬれに劣る結果、許容されない性質
を有する。 繊維をぬらし、これによって連続繊維、たとえば、ガラス繊維に固有の非常に
高いレベルの物理 的性質を最大限に使用する基礎を提供する、特定の方法の効率は、この方法が理
論的に達成しうる曲げ弾性率に到達する曲げ弾性率を有する製品を提供する程度
を測定することによって、評価できる。 理論的に達成しうる曲げ弾性率は、次の混合物の簡単なルールを用いて計算す
る: EL=Vff+Vmm ここでELは組成物の縦方向のモジュラスであり、 Vfは繊維の体積分率であり、 Efは繊維の曲げ弾性率であり、 Vmはマトリックスポリマーの体積分率であり、 そして Emはマトリックスポリマーの曲げ弾性率である。 連続ロービングの含浸に普通の高分子量の熱可塑性ポリマーの溶融物を使用す
ると、高いレベルの曲げ弾性率を得ることができない。たとえば、米国特許3,
993,726号は、連続したロービングを高圧下にクロスヘッド押出機中で含
浸し、ダイを通してロービングを引き、そしてロービングを 冷却および成形してボイドを含まない成形品にする改良された方法を開示してい
る。ポリプロピレンを用いて得られた製品は、実施例1において、73重量%の
ガラス繊維の含量について、わずかに約6GN/m2、すなわち、理論的に達成でき
る値の20%、の曲げ弾性率を有することが示されている。 理論的に達成できるレベルに近づく曲げ弾性率のレベルを有する材料を製造で
きることが、今回発見された。 したがって、連続法によって製造され、そして構造物の縦方向に延びる強化用
フィラメントを構造物の少なくとも30容量%含有し、そしてASTMD790-80に従
って測定した構造物の曲げ弾性率が理論的に達成できる曲げ弾性率の少なくとも
70%、好ましくは少なくとも80%であることを特徴とする、熱可塑性ポリマー
と強化用フィラメントからなる繊維強化構造物が提供される。これらの構造物の
層間剪断強さは、10MN/m2より大、好ましくは20MN/m2より大である。この発
明にお ける使用に好ましい熱可塑性ポリマーは、融点が少なくとも150℃である結晶
軍ポリマーおよびガラス転移点が少なくとも25℃である非結晶質ポリマーであ
る。最適な剛性のためには、熱可塑性ポリマーは曲げ弾性率が少なくとも1GN/m
2、好ましくは少なくとも1.5GN/m2であるべきである。 上記繊維強化構造物は、連続した整列されたフィラメントを良好にぬらすこと
ができる種々の方法によって製造できる。これらの方法の1つにおいて、溶融粘
度が30Ns/m2より小さく、好ましくは1〜10Ns/m2である熱可塑性ポリマーの溶
融物中を通して、複数の連続フィラメントを引いて、フィラメントを溶融したポ
リマーでぬらすことからなり、フィラメントは引く方向に整列されていることを
特徴とする、繊維強化組成物の製造法が提供される。必要に応じて、含浸された
フィラメントを固めて繊維強化ポリマー構造物にすることができる。熱可塑性物
質の粘度は剪断速度とともに変化し、低い剪断速度におけるほぼ一定 の値から減少する。本願の場合、低い剪断速度における粘度を用いる(通常ニュ
ートン粘度を用いる)。これは直径1mm、長さ8mmのダイを用いる毛管粘度計を
用いて便利に測定され、溶融粘度は103〜104N/m2の範囲の剪断応力において測定
する。 驚ろくべきことには、このようなポリマーは、満足すべき物理的性質を達成す
るために熱可塑性ポリマーの分野において通常適当であると考えられているより
も、分子量が低いという事実にかかわらず、強化された組成物は例外的にすぐれ
た物理的性質を有する。こうして強化された熱硬化性ポリマー組成物を引出成形
法により製造するとき、含浸浴中の熱硬化性プレポリマーの粘度は繊維を良好に
ぬらすためには典型的には1Ns/m2より小である。この低い粘度を使用できる理
由は、プレポリマーを引き続いて熱硬化法により固体の形態に変えることにある
。これと対照的に、熱硬化性ポリマーは通常完全に重合した固体材料であり、そ
して熱可塑性ポリマーを加熱して溶融することによってのみ液体の形態で得られ
る。しかしなが ら、許容しうる物理的性質を有する普通の高分子量ポリマーの溶融粘度は、通常
100Ns/m2を超える。このように高い粘度の溶融物を用いる引出成形法で、繊
維の適切なぬれを得ることは不可能である。溶融物の温度を上げることにより、
溶融粘度をある程度低下することができるが、熱可塑性ポリマーの分解温度以下
において可能な粘度の低下は通常不十分である。 十分に低い溶融粘度を与えるのに十分に低い分子量を熱可塑性ポリマーを使用
して、引出成形法において繊維を適切にぬらすと、高い粘度の製品が得られる。 したがって、また溶融粘度が30Ns/m2より小さく、好ましくは1〜10Ns/m2
の間である熱可塑性ポリマーの溶融物を通して、複数の連続フィラメントを引い
て、フィラメントを溶融ポリマーでぬらすことによって得られ、フィラメントは
引く方向に整列されていることを特徴とする、繊維強化熱可塑性組成物が提供さ
れる。製造された繊維強化構造物は、ボイド含量が15%より小、好 ましくは5%より小であるべきである。なお、ボイド含量は、下記の実施例1に
おいて説明するように、次の関係式によって求められるぬれの程度: (ここで、M0は強化用フィラメントが熱可塑性ポリマーで完全にぬれた試料
の単位長さ当たりの質量であり、M1はガラス繊維等の強化用フィラメントの単
位長さ当たりの質量であり、そしてM2は評価すべき試料の単位長さ当たりの質
量である)を100%から減ずることによって得られる値であり、したがって、
製造された繊維強化構造物においてボイド含量が15%よりも小であるというこ
とは、ぬれの程度が85%以上であることを意味する。 「連続繊維」または「複数の連続フィラメント」という用語は、採用する処理
条件下で、この方法を実施不能とする頻度で破断せずに、溶融ポリマー中を引っ
張るのに十分な長さのロービングまたはトウを形成するために十分な長さを繊維
が有する、繊維製品を意味する。適当な材料は、ガラス繊維、炭素繊維、ジュー
トおよび高いモジュラスの合成ポリマーの繊維である。後者の場合において、ポ
リマーの繊維は、この方法を乱す破断を起こさないでポリマーの溶融物中を引っ
張ることができるのに十分な強さを有するという条件を満足することが重要であ
る。破断せずに含浸系を通して引っ張られるのに十分な強度を有するためには、
繊維製品の連続繊維の大部分は、繊維製品が連続繊維の大部分を整列させて、溶
融ポリマー中を通して引っ張られるように、1つの方向に横たわるべきである。
不規則に配置された連続繊維から構成されたマットのような繊維製品は、繊維の
少なくとも50容量%が引く方向に整列されている繊 維構造物の部分を形成しないかぎり、本発明における使用に不適当である。 連続繊維は、溶融ポリマー中を通して引かれるのに十分な一体性をもついかな
る形態であることもできるが、便利には、実質的にすべての繊維が束の長さに沿
って整列されている、個々の繊維またはフィラメントの束(以後“ロービング”
と呼ぶ)から成る。いかなる数のこのようなロービングを使用することもできる
。商業的に入手できるガラスロービングの場合において、各ロービングは800
0本以上までの連続なガラスフィラメントから成ることができる。6000本以
上までの炭素繊維を含有する炭素繊維を、使用することができる。ロービングか
ら織ったクロスも、本発明における使用に適する。連続フィラメントは普通の表
面サイズ剤、とくに繊維とマトリックスポリマーとの間の結合を最大にするよう
に考えられたサイズ剤、を有することができる。 本発明の使用により可能な高いレベルの曲げ弾性率を達成するためには、連続
フィラメントの表面のできるだけ多くが溶融ポリマーでぬれることが必要である
。こうして、繊維が複数のフィラメントから成るとき、繊維を構成する個々のフ
ィラメントの表面は最適の効果を得るためにはぬれなくてはならない。フィラメ
ントを表面サイズ剤、すなわち定着剤で処理するとき、サイズ剤が介在するため
、ポリマーは繊維またはフィラメントの表面と直接に接触しないであろう。しか
しながら、繊維とサイズ剤との間およびサイズ剤とポリマーとの間にすぐれた接
着が達成されるかぎり、本発明の製品は高い曲げ弾性率を有し、そしてサイズ剤
は、一般に、得られる性質を高めるであろう。 上記した方法において用いられる熱可塑性ポリマーは、溶融物が30Ns/m2
り小、好ましくは10Ns/m2より小の粘度をもつかぎり、溶融して凝集性の塊を
形成するいかなるポリマーであることもできる。強化された組成物において許容
しうる物理的性質を達成するためには、溶融粘度は1 Ns/m2を越えることが好ましい。示したように、要求された溶融粘度の範囲のポ
リマーの選択は、主としてポリマーの分子量に従う。適当なポリマーの例は、熱
可塑性ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリオキシメチレン、ポリプ
ロピレン、ポリアリーレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド/ポリスチレ
ンブレンド、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンである。種
々の他の熱可塑性ポリマーを本発明の方法に使用できるが、ポリエチレンのよう
なポリマーはこのような高い強度の組成物を与えないであろう。 ロービングの繊維を含浸する方法において、適切なぬれを生成するために適当
な溶融粘度のポリマーを使用することに加えて、ロービング中への溶融物の浸透
を最大にすることが必要である。これは、ロービングを個々の構成繊維に、たと
えば、ロービングが溶融ポリマー中へ入る前にロービングへ静電荷を加えるか、
あるいは好ましくはロービングが溶融ポリマー中に存在する間ロービング を広げて構成フィラメントに分離することによって、できるかぎり分離すること
によってなすことができる。これはロービングを張力下に少なくとも1つ、好ま
しくはいくつかの、スプレダー表面の上に通すことによって便利に達成される。
分離され、ポリマーで含浸された繊維に、たとえば、含浸されたロービングを溶
融物からダイを通して引くことによって前記の分離された繊維を固めることによ
って、それ以上の仕事を加えると、ぬれはさらに増大する。このダイは含浸ロー
ビングに望むプロフィルを有することができ、あるいはポリマーがまだ流動性で
ある間含浸ロービングを追加のサイジングダイに通過させることができる。驚ろ
くべきことには、このダイを冷却して満足すべきサイジングおよびダイの滑らか
な通過を達成すると、有利である。含浸ロービングが浴から平らなシートの形で
出るとき、このシートを一対のローラーの間に通すことによって、それ以上の仕
事を加えることができる。 ロービングを含浸浴中に通して引っ張ることが できる速度は、個々の繊維は適切にぬれるべきであるという要求条件に依存する
。これは、大きい程度に、溶融ポリマーの浴を経る通路の長さ、とくにロービン
グが浴中で受ける機械的広げ作用の程度に依存するであろう。本発明の方法にお
いて達成できる速度は、熱硬化性物質の引出成形法において達成できる速度に匹
敵する。なぜなら、引出成形法は含浸工程後に必要な化学反応を完成するために
要する時間によって制限を受けるからである。 好ましい実施態様において、ロービングを分離するためにロービングをその上
で引くスプレダー表面は、ロービングの含浸に使用すべき特定のポリマーの融点
以上の温度にスプレダー表面を加熱するための外部の熱入力を有する。この手段
により、スプレダー表面の局所区域のポリマーの溶融粘度は、含浸浴の大部分に
おけるポリマーよりもかなり低い値に維持されうる。この方法の利点は、ポリマ
ーの非常に小さい比率を比較的高い温度に上昇し、これによって浴中のポリマー
の主要比率 が分解する危険を最小にして、低い含浸粘度を得ることができるということにあ
る。その結果、浴中のポリマー供給物は連続的に補充されるため、所定の処理期
間中、あるポリマーはほとんど制限されない期間にわたって浴中に残留すること
があるという事実から生ずる問題が大きく軽減される。こうして、処理期間の開
始時に存在するポリマーのあるものは処理期間の終了時になお存在することがあ
る。浴中のこの長い滞留時間にかかわらず、このようなポリマーは、浴中のポリ
マーの全体が浴を通じて低粘度を得るために高温に暴露される場合よりも、きび
しさに劣る熱履歴を受けるであろう。 局所加熱法のそれ以上の利点は、熱安定性に劣るポリマーを使用できるという
ことである。さらに、低い全熱履歴から生ずる低い劣化は低い粘度の溶融物の生
成に高い温度を局所的に使用可能とするので、分子量の高いポリマーを使用でき
る。 含浸浴へのポリマーの供給物は、外部加熱要素により、あるいは内部に配置さ
れた加熱されたス プレダー表面により、浴中で溶融されるポリマー粉末の形であることができ、あ
るいは別法として浴に溶融ポリマーを、たとえば、晋通のスクリュー押出機で供
給することができる。浴が加熱されたスプレダー表面を備えるとき、押出機から
送られるポリマー溶融物はできるだけ低い温度にして熱分解を最小にすべきであ
る。溶融された供給物の使用は、開始が容易であり、温度制御にすぐれ、そして
とくに非常に薄い構造物を製造するとき種種の処理問題を生ずる未溶融のポリマ
ー塊が回避される、という利点を有する。 含浸された繊維生成物は、生成物を固める手段、たとえばサイジングダイに通
して引くことができる。このダイの温度は、この方法に有意の効果を有すること
がわかった。熱いダイを使用してダイ中の摩擦を最小にしかつ固化を促進すべき
であることが予測されるであろうが、使用するポリマーの融点以上の温度に保持
されたダイは、生成物がダイを通して引かれるとき、並はずれた粘着スリップの
挙動を生ずることがわかった。冷却された ダイを使用すること、そしてダイに入る引出成形された邪分の表面温度がポリマ
ーの軟化温度よりも20℃より高くない温度にあることを確保することが好まし
いことを発見した。「軟化温度」とは、ポリマーを焼結できる最低温度を意味す
る。これは含浸浴とダイとの間の通路においてレースに空気を吹付けることによ
り、および/またはダイを含浸浴から隔置することにより、達成できる。引出成
形された部分が熱し過ぎると、ポリマーは生成物がダイに入るとき絞り出される
。これはダイへの入口に付着物を残し、この付着物は蓄積し、そして引出成形さ
れた部分がダイを通過するとき、その部分に筋をつけることがある。引出成形さ
れた部分はポリマーの軟化点より低い温度に冷却すべきではない。なぜなら、生
成物をサイジングダイで成形することは困難であり過ぎるからである。 繊維強化生成物の寸法は、必要に応じて変えることができる。薄いシートは、
繊維が連続した関係でバンドを形成するように、ある数のロービングをスプレダ
ー表面の上に通すことによって、前 記ロービングの繊維を分離することによって、製造することができる。繊維を固
めるためにダイを使用したとき、構造物はサイジングダイの断面の形をとるであ
ろう。これは任意の要求される厚さ、たとえば0.25mm〜50mmの厚さまたは
プロフィル、の物品を形成できる。固める手段が少なくとも1対の回転ローラー
から形成されたニップからなるとき、0.05mm以下の厚さを有するシートを製
造できる。 繊維強化構造物を製造するほかの方法において、使用する熱可塑性ポリマーが
30Ns/m2を有意に超える溶融粘度を有するときでさえ、満足すべきぬれを達成
できることがわかった。 したがって、複数の連続フィラメントに張力を加えかつそれを整列させて連続
フィラメントのバンドを形成し、このバンドを加熱されたスプレダー表面の上に
、バンドとスプレダー表面との間にニップを形成するようにして通し、熱可塑性
ポリマーの供給をニップにおいて維持することからなり、スプレダー表面の温度
は、連続フィラメント がその上を引かれるとき、連続フィラメントをぬらすことができる粘度のポリマ
ー溶融物を形成するのに十分に高いことを特徴とする、繊維強化組成物の製造法
が提供される。ニップの先端におけるポリマー溶融物は30Ns/m2より小さい粘
度をもつことが好ましいが、スプレダー表面へ供給すべきフィラメントへの高い
逆張力は、ニップ区域におけるポリマーの含浸が好適であることを保証し、その
結果30Ns/m2より有意に高い粘度においてよく含浸されたバンドの製造を可能
とする。こうして、この方法は熱可塑性ポリマーの引出成形法において使用でき
るポリマーの分子量を最大とする手段を提供する。 この方法の1つの実施態様において、連続フィラメントは、ロールまたはリー
ルから一連のスプレダー表面、たとえばロッドの表面上へ引取ることによって、
最も適当に張力を加えられ、そして整列される。これにより、フィラメントの束
はできるだけ遠くに、かなりの張力下に個々のフィラメントに広げられることが
できる。これらのフィ ラメントは、加熱されたスプレダー表面の上を通るとき、案内されて連続フィラ
メントのバンドを形成する。スプレダー表面の形状およびフィラメントとスプレ
ダー表面との接触角度は、バンドと加熱されたスプレダー表面との間にニップを
形成するようなものである。熱可塑性ポリマーの粉末をニップへ供給し、そして
加熱されたスプレダー表面は熱可塑性ポリマーを溶融するのに十分な温度に維持
する。溶融物は、バントが加熱されたスプレダー表面の上を通るとき、バンドの
繊維を含浸させかつぬらす。 この方法は、少なくとも1つの追加の加熱されたスプレダー表面を準備し、こ
の表面とともに少なくとも部分的に含浸された繊維のバンドで第2のニップを形
成し、このニップによってポリマーの追加の供給物を繊維のバンド中に含浸でき
るようにすることにより、変更することができる。部分的に含浸されたバンドの
いずれの表面を用いて、ニップの作用面を形成することもできる。 強化された構造物中のポリマーの量は、バンド に加える張力およびバンドが加熱スプレダー表面と接触する通路の長さによって
大きくコントロールされる。こうして、バンドが高い張力下にありかつスプレダ
ー表面と実質的な面積で接触しており、その結果バンドがスプレダー表面に対し
て強く押しつけられるとき、強化構造物のポリマー含量は低い張力/短かい接触
通路の条件下よりも少ないであろう。 含浸を改良するかあるいは表面仕上げを改良するために使用する、加熱された
スプレダー表面および使用するとき引き続く加熱または冷却された表面、好まし
くは円筒形のバーまたはローラーの形である。たとえば、第1の含浸表面は自由
に回転するローラーであることができ、このローラーはバンドによりバンドの速
度で回転させられ、その結果溶融物による含浸またはサイジング前の繊維の摩耗
を最小に減少するようにすることができる。第1ロールが繊維の動く方向に繊維
の速度までにおいて回転する(自由にあるいは駆動されて)とき、バンド上に解
放された繊維が蓄積され るとき、それらの繊維は糸を経て運ばれることが観察された。この自己清浄作用
は、バンドを分割させうる第1ロールにおける繊維の蓄積を防ぐ上で、とくに有
効である。バンドが多少の溶融ポリマーを取り上げた後、好ましくはバンドの他
方の側面上に追加の浴融ポリマーが第2の自由に回転可能な加熱された表面によ
り供給された後、繊維は摩耗を受ける傾向が非常に少なく、そして繊維のぬれを
改良するための処理に付されることができる。こうして、ポリマー含有バンドは
、バンドの移動方向と反対方向に駆動される少なくとも1つのローラーの上を通
過させて、バンドへの局所的仕事の入力を増加しかつぬれを最大にすることがで
きる。一般に、ぬれの程度およびこの方法の速度は、仕事の入力が存在する表面
の数を増加することにより増加できる。 溶融ポリマーのバッチの使用を必要とする方法に比べて、繊維のバンドを使用
してニップを形成する方法がすぐれているほかの点は、分解の危険を減少するこ
とにある。こうして、繊維のバンド とスプレダー表面との間のニップ中に存在するポリマーは比較的少量であるため
、大量のポリマーを長期間高温に保持しなくてよい。ポリマーがニップへ供給さ
れる位置にスクレーパーブレードを設置して、処理の間に蓄積しかつ熱分解を受
けることがある過剰のポリマーを徐去することができる。 前述の方法の生成物を薄い強化されたシートとして必要とするとき、ニップに
おける含浸により製造された生成物を、加熱または冷却された追加のローラーの
上または間に通過することによってさらに処理して、含浸を改艮し、あるいはシ
ートの表面仕上げを改良することができる。薄いシートは、その一方の側面が他
方の側面よりも多いポリマーを含有するとき、カールする傾向がある。これは、
ローラー系における最後のローラーに近接して調整可能な加熱されたスクレーパ
ーを配置して、シートの表面上の過剰のポリマーを除去することによって、避け
ることができる。スクレーパーバーは、ポリマーの融点をちょうど超える温 度であるべきである。たとえば、含浸ゾーンにおいて約380℃の温度に到達す
るポリエーテルエーテルケトンの場合において、スクレーパーバーの温度は約3
50℃であるべきである。 次いで含浸されたバンドは、最終製品の意図する形状および目的に依存して、
さらに処理することができる。含浸されたバンド中の分離されたフィラメントは
、たとえば、ダイに通して一緒に引いて、含浸されたバンドよりもかなり大きい
プロフィルとすることができる。制限された量の成形をこのようなダイにおいて
実施して、成形されたプロフィルを得ることができる。 前述の方法の含浸された生成物は、連続な生成物を必要とする成形加工法にお
ける継続使用のためロールに巻くか、あるいは継続する成形加工のための長さに
細かく切ることができる。連続長さは、たとえば、熱軟化した生成物をフォーア
ーのまわりに巻くことにより、あるいは、たとえば、生成物のテープまたはスト
リップからマットを織製することにより、物品の製作に使用できる。含 浸生成物は、整列された繊維が3mmから100mmまでの長さを有するペレットま
たは粒体に細断することができる。これらは普通の成形法または押出法に便用で
きる。 ガラス繊維を使用するとき、本発明の生成物の繊維含量は生成物の少なくとも
50重量%であって、生成物の物理的性質を最高にすべきである。繊維含量の上
限は、ロービングの個々の繊維をぬらすのに要するポリマーの量によって決定さ
れる。一般に、20重量%より少ないポリマーを用いてすぐれたぬれを達成する
ことは困難であるが、きわめてすぐれた結果は本発明の方法に従い30重量%の
ポリマーを繊維強化組成物に混入することによって得ることができる。 バンドと加熱スプレダー表面とによって形成されたニップにおいて運続ロービ
ングのバンドを含浸する方法によって形成された、本発明の生成物は、通常含浸
系を材料のバンドまたはシートとして引っ張られるであろう。これにより、多く
の用途に有用な中間体が得られる。薄いバンドまたは シート、すなわち0.5mmより小さくかつ0.05mmより大きい厚さのものはとく
に有用でありかつ融通性がある。 テープはタビー織(tabby)または朱子織(satin)(これらの用語は織物分野
で使用されており、そして百科辞典ブリタニカの“Weaving(織物)”の項に記
載されている)を用いて織製した物品を形成するのにとくに有用である。朱子織
は、この明細書の実施例に示すように、とくにすぐれた製品を与える。例外的に
高い性能の織物は、本発明に従って製造されかつ幅が厚さの少なくとも10倍で
あるテープを用いて得られる。1つの重要な用途は薄い強化されたシートとして
である。このシートは、強化されたシートのある数のプライから、各層の強化材
を層の平面において選択された方向に配置させて、層のポリマーを融合てせるの
に十分な温度において層を圧縮することによって、強化された物品を形成するた
めに使用する。層は融合工程の間またはその後に型内で成形できる平らなシート
として使用することがで き、あるいは層は成形マンドレルに巻くかまたはその上で成形し、次いで融合工
程後、マンドレルの形状を有する物品を得ることができる。 強化用フィラメントを成形マンドレル上に巻き、そしてフィラメントの層の間
にポリマーフィルムの層を介在させ、引き続いてポリマーフィルムを融合するこ
とによって、強化された成形品を製造することは、たとえば、英国特許第1,485,
586号明細書に、開示されているように、すでに知られている。本発明は、この
ような方法よりもすぐれている。主要な利点は、高いコストの予備形成したポリ
マーの使用の回避、バンドの張力によりポリマーの含量をコントロールすること
ができるので、種々の厚さのフィルムを用意することの回避、および本発明の方
法の連続的性質から誘導される利点である。 本発明の引出成形品は、適当な寸法に細断して、ポリマー材料から成形した成
形品を選択的に強化するとき、同様に適する。この方法において、本発明による
生成物から成る少なくとも1つの予備 形成された要累を型内に配置して、仕上げた成形品の選択部分を強化し、そして
ポリマー材料をその場の強化材のまわりに成形して造形品を形成する。 本発明は繊維の強化材を成形品中に配置させて、成形品が使用時に受ける応力
に関して最大の効果を得ることができるばかりでなく、またこのような高い強度
の物品を別の方法で製造するとき直面する加工の問題を克服する。とくに、この
方法は、溶融粘度が100Ns/m2以上である普通の熱可塑性ポリマーを使用して
高い生産性の射出成形法により、このような強化物品を製造するために用いるこ
とができる。 ある用途において、予備形成した要素を、それが可撓性である温度において使
用し、その結果、たとえば加熱軟化された予備形成要素を型のインサートに巻き
つけることによって、それを型内にいっそう容易に配置できるようにすることは
、有利であろう。 用いる成形法は、成形品を型内でポリマー材料 から形成するいかなる方法であることもできる。ポリマー材料は、型に、射出成
形法におけるように、溶融物として、あるいは、圧縮成形法におけるように、粉
末として、導入する熱可塑性材料であることができる。「圧縮成形法」という語
には、溶融せずにポリマー粉末を圧縮し、引き続いてこの「生の」成形品を型外
で焼結する方法を包含する。型内で成形された熱可塑性ポリマー材料は、型内に
、たとえば、熱または化学的活性化剤もしくは開始剤の作用下に、完全に重合す
るまで保持される、モノマーまたは部分的に重合した媒質を導入することによっ
て、誘導することもできる。 予備形成したインサートのまわりに成形されるポリマーは、予備形成インサー
トを含浸するために使用したポリマーと同一であるか、あるいはそれと少なくと
も相溶性であることが好ましい。 前述の方法から得られた含浸生成物は、強化用繊維が少なくとも3mm、好まし
くは少なくとも10mmの長さを有するペレットまたは粒体に細断すると、特別の
実用性を見いだす。これらの生成 物は、射出成形のような普通の成形加工法に使用することができ、そしてペレッ
トの形において先行技術の生成物よりもすぐれる。なぜならば、ペレット中の繊
維の長さは、先行技術の生成物を使用するときよりも、非常に大きい程度に保持
されるからである。このより大きい繊維長さの保持は、前述の方法の使用から生
ずるポリマーによるすぐれたぬれのおかげで、本発明の生成物中の個々の強化用
フィラメントへ付与される保護が大きい結果であると信じられる。 本発明のこの面は、とくに重要である。なぜなら、これは強化された物品を融
通性のある作業、たとえば、射出成形において形成させることができ、射出成形
はスクリュー押出法を用いて供給材料を溶融しかつ均一にし、繊維長さは驚ろく
ほどに高度に保持され、結局物理的性質が向上するからである。こうして、本発
明の生成物は、スクリュー押出しを用いる成形加工法から成形品を得ることを可
能とし、この成形品は長さが少なくとも3mmの繊維を少なくとも50重量%、好
ましくは 少なくとも70重量%含有する。これは商業的に入手できる強化された製品から
普通に得られるよりもかなり長い。短かい長さ、すなわち2〜100mmの本発明の
強化生成物を溶融しかつ均質にすることによって、成形品を形成する別の方法は
、カレンダー加工による。たとえば、シート製品はこの方法で製造できる。 射出成形に適する生成物は、直接使用するか、あるいは他の熱可塑性生成物の
ペレットと配合することができる。これらの他の生成物は、分子量が高い以外同
じポリマーであることができ、あるいは異なるポリマーの存在が組成物の性質の
全体のバランスに悪影響を及ぼさないかぎり、異なるポリマーであることができ
る。他の生成物は充填されないポリマーであることができ、あるいは粒状または
繊維状の充填材を含有できる。常法で製造された強化成形用粉末、すなわち長さ
が約0.25mmまでの強化用繊維を含む成形用粉末、を含有する材料とのブレンドは
、とくに適する。なぜなら、短かい強化用繊維が本発明の生成物から存在する 長い繊維ほど効果的に寄与しないが、ブレンドの全体の強化用繊維の含量を高く
保持できるからである。 連続引出成形物の細断された形態は、同時係属英国特許出願第8101822
号に記載される供給原料としてまた非常に有用である。前記英国特許出願の方法
において、繊維強化成形品は、少なくとも5mmの長さの繊維の担体として硬化可
能な流体を含む組成物を、ダイに通し、これによって、押出物がダイを去るとき
、繊維を緩和させて押出物を膨張して、繊維が不規則に分散している解放繊維構
造物を形成し、そして担体が流動状態にある間、製造された多孔質構造物を圧縮
して成形品にすることによって、製造される。 「硬化可能な」という語は、流体をそれが繊維を押出しのとき生ずる不規則な
配向で保持するような形態に「固化」できることを意味する。こうして、たとえ
ば、硬化可能な流体は、溶融状態で押出し、次いでそれが凍結するまで冷却する
ことによって固化する溶融した熱可塑性材料であるこ とができる。 好ましくは、膨張した押出物は、多孔質押出物を成形品に圧縮する手段を有す
る型チャンバー中へ、直接押出し、そして押出し物を圧縮して成形品にした後、
押出物は固化させるか、あるいは固化する。 この方法で形成した押出し物は不規則に分散した繊維を含有するので、成形品
中の繊維の配向そのものは圧縮の結果生じうるものである。 この方法は高い繊維の配合量、すなわち30容量%の繊維において使用できる
。繊維の破断はほとんど起こらないので、製品のすべての方向において測定して
、例外的に高い強度を有する成形品を得ることができる。 本発明の引出成形された生成物を少なくとも5mm、好ましくは10mmの長さに
細断することによって得られたペレットは、好ましい。上限は、生成物を溶融す
る押出機へ供給する材料において直面する問題の程度によって決定される。少な
くとも50mmまでの長さを用いることができるが、長 い長さでは破断する繊維の量が増加するので、長い繊維長さの利点は、部分的に
そこなわれる。 ロービングの適切なぬれを達成するために、比較的低い分子量のポリマー、た
とえば、30Ns/m2以下、好ましくは10Ns/m2以下の溶融粘度のポリマーを使用
することが必要であり、そしてこのような生成物がこのような高いレベルの物理
的性質をもつことは驚ろくべきことであるが、本発明は組成物中のポリマーの分
子量を既知の方法により増加する継続する処理工程を排除しない。このような技
術は、縮合ポリマーの場合における固相重合、橋かけ剤の使用または照射技術を
包含する。橋かけ剤を使用して分子量を増加する場合において、これらを組成物
中に均質に混合することが必要である。これは、それらが含浸の間すでに存在す
る場合にのみ実施可能であるが、このような場合において、ぬらす工程の完了前
に活性化されないように注意しなくてはならない。 次の実施例を参照して、本発明及び関連発明をさらに説明する。 実施例1 テレフタル酸の20重量%がイソフタル酸で置換されており、そして表1に記
載する固有粘度値を有する、ポリエテレンテレフメレートのコポリマーを使用し
て、ほぼ290℃の温度の浴中でポリマー溶融物を調製した。16000本の個
々のフィラメントを含有するガラスのロービングを、溶融したポリマー中を通し
て、浴中に配置された1つのスプレダーの上を、浴中の30秒の滞留時間を与え
る30cm/分の速度で、引いた。含浸されたロービングを浴の壁中の直径3mmの
ダイを通して引き、次いで冷却した。 溶融物の粘度とポリマー供給原料および強化された組成物中の固有粘度を、測
定した。繊維のぬれの程度とボイド含量を、含浸された生成物の完全にぬれた長
さの重量を、未知のぬれの程度の生成物の同じ長さと比較することによって評価
した。完全にぬれた対照材料は、完全に透明な生成物が得られるように、低い粘
度の溶融物を非常に遅い速度で引出成形することによって得る。こうして 完全にぬれた標準を、透明でありかつぬれに好適なパラメーターを最適にする条
件下で製造した、試料であるとする。表に記載したぬれの程度の値は、次の関係
式から導びく:ここでM0は透明な試料の単位長さ当りの質量であり、M1はガラスの単位長さ当り
の質量であり、そしてM2は評価すべき試料の単位長さ当りの質量である。ボイド
含量は、ぬれの百分率を100%から減ずることによって得る。 生成物の強さは、64mmのスパンを横切って配置した3mmのロッドの試料を曲
げて破壊するのに要する力を測定することによって評価した。 得られた結果を表1に記載する。 実施例2 0.45dl/g の固有粘度を有する実施例1において使用したポリマーを、ある
範囲の溶融物温度および引っ張り通過速度にわたって評価した。得られた結果を
、下記の表2に記載する。 実施例3 280℃において6Ns/m2の溶融粘度を有するPETホモポリマーを、実施例1に
記載するように、直径17μmのフィラメントから構成されたガラス繊維を28
0℃で使用して、単一スプレダー棒および30cm/分の組速度を用いて、引出成
形して、直径ほぼ3mmの引出成形棒を得た。生成物のガラス含量は、浴へ供給す
るロービング中のストランドの数を変えることによって変えた。曲げ弾性率およ
び破壊時の力を、64mmのスパンを用いてガラス含量の関数として決定した。 (各場合において5回の測定、カッコの数字は標準偏差を示す) これらの結果は、区域50〜65重量%のガラスにおける弾性率および強度の
近似プラトーを示す。 実施例4 普通の等級のポリプロピレンは、100Ns/m2 を超える低い剪断速度における粘度を有し、そして引出成形により好適に加工さ
れない。たとえば、“Propathene”HF11、すなわちポリプロピレンホモポリマー
の溶融粘度は、低い剪断速度において280℃で約3000Ns/m2または、23
0℃で約10000Ns/m2である。引出成形に適当なポリマーを作るために、“P
ropathene”HF11を0.1%のステアリン酸カルシウム、0.1%の“Irganox”1
010および0.5%の“Luperco”101XL(“Luperco”101XLは炭酸カルシウムと
ともに分散した有機過酸化物である)と配合して、分解が起こるようにした。こ
の配合物を、30cm/分で単一スプレダーを使用して230℃および290℃の
温度において引出成形した。230℃(溶融粘度30Ns/m2)において、ぬれは
劣っていた。290℃(溶融粘度17Ns/m2)において、ぬれは適度であった。 実施例5 相対粘度が0.3である“Victrex”ポリエーテルスルホンの試料を、実施例3に
おいて使用した ガラス繊維とともに405℃、21cm/分において単一スプレダーバーを用いて
引出成形形して(30Ns/m2の溶融粘度)適度にぬれた押出物を得た。これより
低い温度において、粘度が高いとき、試料はぬれに劣っていた。 実施例6 ロービングのぬれは、スプレダーバーの数により明りょうに影響を受け、そし
て同じ作業条件のもとで、線速度の増加はスプレダーの数の増加により任意のぬ
れの程度について実施できる。 実施例3において使用するガラス繊維を、280℃でPETホモポリマーを使用し、
単一スプレダーおよび20cm/分の速度を用いて引出成形して、完全にぬれた生
成物(透明)を得た。これらの条件下の浴中の滞留時間は、約30秒であった。
3つのスプレダーを使用すると、直線速度を120cm/分に増加して透明なよく
ぬれた引出成形物を得ることができた。これらの条件下の滞留時間は、約10秒
であった。 実施例7 ある数のポリマーを実施例1の一般手順に従い使用して、16000本のフィ
ラメントを含有するガラスロービングから引出成形部分を製造した。ロービング
は溶融ポリマーを通して1つのスプレダーバーの上を通して15cm/分の速度で
引いて、各場合約65重量%のガラスを含有する生成物を得た。使用したポリマ
ー、用いた溶融温度、それらの粘度における溶融粘度および得られた性質を表4
に詳しく記載する。 ポリエテレンテレフタレートの場合において、引く速度を釣15cm/分以上に
増加して、物理的性質へのボイド含量の影響を検直した。下記の表5に、製造し
た直径3mmのロッドについて測定した性質を記録する。これらが示すように、約
5%より少ないボイド含量は、すぐれた性質を与える。 実施例8 炭素繊維で強化されたポリエーテルケトンの試料を、6000本の個々のフィ
ラメントを含有する炭素繊維のテープを溶融したポリエーテルケトンの浴中を通
して400℃の温度および25cm/分の速度で引くことによって製造した。80
GM/M2の曲げ弾性率、1200MN/m2の破断応力および70MN/m2の層間剪断応力を有
する生成物が得られた。 実施例9 この実施例は、引出成形物の機械的性質が繊維の体積分率および樹脂の種類と
ともにどのように変わるかを明らかにする。試料を固定した体積濃度で比較した
。ポリプロピレンに基づく複合体の低い曲げ強さは、剛性に劣る樹脂の圧縮モー
ドにおいて破壊する傾向に反映する。ポリプロピレン樹脂は約1GN/m2のモジュ
ラスを有するが、ポリエチレンテレフタレートは約2GN/m2のモジュラスを有す
る。引出成形物は、実施例1の一般手順に従い、好ましい粘度レベル、約3Ns/m
2の樹脂 を用いて製造した。 この実施例が示すように、高い圧縮強さを必要とする用途に、高いモジュラスの
樹脂が明らかにすぐれる。 実施例10 PET中の64重量%のガラスの試料を引出成形 して、幅6mm×厚さ1.4mmのテープを形成した。このテープを再溶融し、直径4
5mmのフオーマー上に張力下に巻き、フォーマー上で固め、次いで放冷した。冷
却後、フォーマーを抜き取ってフィラメントの巻物の管を得た。4mmまでの変化
する厚さの管を、このようにして巻いて形成した。 実施例11 64重量%のガラスを含有するPETに基づく直径3mmの一軸方向に配向した引
出成形した試料を、再溶融し、そして繊維がらせん形になるように、撚った。こ
れらの撚ったロッドを曲げ試験し、そして剛性破壊力および破損までの合計仕事
を測定した。破損の合計仕事は、破損までの力変形曲線の下の面積として決定し
、そして便宜上、ここで撚ってない対照試料の下の面積の関数として表わす。 11°において、剛性および破壊力のわずかに10%の減少が存在し、一方破損
までの合計仕事は30%増加して、性質のバランスを改良することが認められる
。23°において、剛性および強さの両方は約60%減少し、そして破損の仕事
は60%増加するだけである。これにより、最適な撚りは11°程度であること
が示される。 熱可塑性材料の引出成形物は、後成形を容易に行うことができるため、このエ
ネルギー吸収機構の利点が得られるので、熱硬化性引出成形物より も適当である。 実施例12 PET中に50容量%のガラス繊維を含有する直径3mmの引出成形物を、280
℃で溶融し、次いで一緒に編組した。この編組した生成物は、一軸方向に整列し
た材料よりも剛性に劣るが、衝撃破損の試験において、より多くのエネルギーを
吸収した。 実施例13 PET中に50容量%(64重量%)のガラス繊維を含む材料から形成した、ほ
ぼ1.4mmの厚さ、6mmの幅の平らなテープを、解放タビー織(open tabby weave
)で一緒に織った。その織物の4層を一緒に積み重ね、280℃で圧縮成形して
3mmの厚さのシートにした。このシートは、次の性質を有した: 曲げ弾性率(最大)*15GN/m2 衝撃エネルギー…初期7 J …破損25J *多少低い値は、織物の自然の配向に対して45° の角度において期待されるであろう。 実施例14 種々の引出収形物の試料を普通の射出成形物の型内に配置し、そして相溶性ポ
リマーをそれらのまわりに成形した。成形物は、増大した剛性および強さを有し
た。 熱可塑性引出成形物は、強化材のまわりに成形すべきポリマーと完全に相溶し
うるポリマーを用いて製作できるので、この方法で成形品を強化するためにこと
に適する。 実施例15 PET中に65重量%のガラス繊維を含む材料を1cmの長さに細断し、そしてPET
中に30重量%の短かいガラス繊維を含有する常法で配合された材料で、50/
50基準で希釈した。この混合物を、標準の技術を用いて射出成形して、ASTMバ
ーを製造し、そしてPET中に50重量%のガラス繊維を含有する常法で配合した
材料と、性質を比較した。 成形品の灰化部分を検査すると、長繊維の大部分は成形作業を通じて保持される
ことが明らかにされた。この予期されない性質は、細断された引出成形された材
料中の低いボイド含量または繊維のポリマーによる高度のぬれから生ずるものと
信じられる。 実施例16 60重量%のガラス繊維を含有するPETおよび60重量%の炭素繊維を含有す
るPEEKを含む引出成形した種々の試料を、1cmの長さに切り、そ して英国特許出願第8101822号に記載されている方法に従い、成形した。
前記英国出願の方法において、膨張した強化材料を短かい長さ、好ましくは長さ
ゼロのダイに通す押出しにより製造し、引き続いて圧縮成形して、60重量%の
長い繊維を含有する三次元の成形品を製造する。 引出成形された材料は、得られた高いレベルのぬれが繊維を効果的に保護し、
そして繊維の破断を生ずる繊維間の摩耗を減少するので、この応用にことに適す
る。 実施例17 実施例1の手順に従い、280℃で3Ns/m2の溶融粘度を有するPETを使用し、
ほぼ厚さ1.4mm×幅6mmの冷却されたサイジングダイで約0.2m/分の線速度で形
成されたテープを製造した。 すべての商用ガラス繊維が、熱可塑性物質を用いる引出成形に理想的であると
いうわけではない。最も重要な差は、使用するサイズ系にある。いくつかの商業
的に入手できる等級を、結晶化度の効果の研究と一緒に比較した。製造されたと
き、引 出成形物は非結晶質であったが、それらは150℃に加熱することによって容易
に結晶化した。次の表において、異なるガラスのすべての試料を、64重量%の
ガラス繊維の同じ重量分率で比較する。 高い剛性を与える結晶形は多くの用途に好ましいが、層間の剪断応力(LISS)の
高い値、好ましくは20MN/m2より大き値を保持することが重要である。実施例18 高性能の複合材料は、高温における使用を可能とするためにしばしば必要とさ
れる。PET中に実施例17において使用したガラスEの64重量%を含む材料を
使用すると、結晶質の引出成形材料について高温において次の性質が測定された
実施例19 熱水は、複合材料がその性質の保待を要求される攻撃的環境である。実施例1
7において使用したガラス繊維Eの64重量%に基づく試料をPETとともに引出
成形し、そして95℃の水浴中に変化する時間浸漬した。試料は非結晶質および
結晶質の両方を試験した。性質は時間とともに劣化し、層間剪断強さ(ILSS)は
最も敏感な性質であった。 いくつかの他のガラス系において、層間剪断強さは、4時間の暴露後10MN/m
2より小に劣化した。 実施例20 耐疲れ性は、複合材料の使用性質のうちの重要なファクターである。よくぬれ
た引出成形物の試料を、PET中に実施例17において使用したガラス繊維Eの6
4重量%を含む材料に基づいて製造した。ある試料を曲げ試験して、23°にお
いて応力/歪の関係を研究した。 試料は1%の歪において直線の弾性限界を有した。 試料は、3点の曲げにおいて70mmのスパンを用いて1サイクル/2秒の速度
で、曲げた。サイクル数を、誘発すべき有意の損傷(引出成形物の白化により判
断した)について記録した。 試料に0.1%の歪において歪を加え、そして試料の性質を異なる履歴後評価し
た。 圧縮および引張の両方における疲れ履歴の間張力下にあった表面を有する試料を
評価する試験を、含めた。これらの2つのモードにおいて差は、観察されなかっ
た。 引出成形物の性質は、この疲れ履歴によって影響を受けなかった。 実施例21 ほぼ1.4mmの厚さ×6mmの幅のテープの試料を、PET中に実施例17において使
用したガラス繊維を含む材料に基づいて製造した。ガラス含量を変 え、そしてすべての場合において、引出成形物は透明であった。 実施例22 高い線速度は、経済的生産に高度に望ましい。PET中に実施例17において使
用したガラス繊維Dの69重量%を含有する引出成形物を、5つのスプレダーバ
ーを含有する溶融浴を通して引出成形物を引くことによって形成した。よくぬれ
た引出成形物が次の速度において得られ、そしてそれらの性質を曲げにおいて測
定した。 実施例23 PET中に実施例17において使用したガラス繊維Eを含む材料から、280℃
において単一のスプレダーを用いて、引出成形物を製作した。樹脂の粘度を変え
た。非常に低い粘度の樹脂を用いると、引出成形物を6mmの幅×1.4mmの厚さに
圧縮する成形段階において、多少の樹脂が引出成形物から絞り出された。線速度
は、0.2m/分に固定した。引出成形物は、非結晶質および結晶質の両方の形態
において、曲げ試験した。結晶形態は、試料を短時間150℃に加熱することに
よって得た。 非常に低い粘度の試料は、非結晶質の状態で有用な性質を与えたが、結晶化す
ると、性質は劣化した。 高い粘度において、ガラスはぬれに劣った(それゆえ低い樹脂濃度を与えた)
実施例24 実施例17において使用したガラス繊維Eのテープを、単一のスプレダーの上
で引出成形して(280℃において3Ns/m2の溶融粘度をもつPET中で)よくぬれ
た、6mmの幅であるが、異なる量のガラスを混入することにより、厚さを異なら
せた、テープを得た。試験した試料は、非結晶質であった。 実施例25 直径が異なるガラス繊維を、PETと一緒に引出成形した。非結晶質で試験した
試料は、次の性質を有した。 実施例26 350℃で8Ns/m2の溶融粘度を有するポリエーテルスルホンを用いて、実施
例17において使用したガラス繊維Eを、単一のスプレダー系を使用し、0.2m
/分の線速度において、含浸した。次の性質が得られた。 実施例27 380℃で30Ns/m2の溶融粘度を有するPEEKを使用して、炭素繊維を単一スプレ
ダーの引出成形装置において0.2m/分で含浸した。60重量%の炭素繊維を含有
する直径3mmのロッドを、形成した。実施例28 この実施例では、本発明による繊維強化成形品について記載する。 普通のガラス充填PET(固有粘度0.75のPETと押出配合することにより製造した
、短繊維配合材料)からブレンドをつくり、そして10mmの引出成形物に細断した
(実施例3に従って製造した)。これらのブレンドを射出成形して、厚さ1.5mm
×幅10mmの長方形の側面のゲートから充填して、 直径114mm、厚さ3mmのディスクを形成した。これらの試料は計装落錘衝撃試
験において衝撃に暴露し、そして破損エネルギーを記録した。 すべての試料は、同様な容易さで型に充填された。なぜなら、引出成形物を製
造するために使用したポリマーは短繊維の配合物の製造に使用したポリマーより
も低い分子量であり、そしてこの低分子量のポリマーは長繊維による流れの抵抗
の増大を相殺したからである。 結果は、もろさに寄与することが通常期待され るポリマーの低分子量にかかわらず、長繊維充填材料の破損エネルギーの増大を
明りょうに示す。ことに、試験No.2およびNo.4および繊維の同一の合計重量
%を比較すべきである。 さらに、短繊維の成形物は衝撃を受けたとき裂けて、鋭いプラスチック片を飛
びちらせるが、重量分率の半分より大が長繊維であるとき、成形物は安全な方法
で破壊し、すべての破壊片は主要部分へ結合して残ったことが、認められた。 試験後成形物を灰化すると、長いガラス繊維の多くはそのもとの長さの大部分
を保持したことが明らかにされた。成形物中のもとの長さの繊維の50重量%よ
りかなり多くは、3mmより大きい長さであった。 試料をまた曲げ弾性率、異方性比、アイゾッド衝撃強さ、および成形物中のポ
リマーの固有粘度(IV)について評価した。下表の値は、短かい繊維の生成物に
関して、減少した異方性およびすぐれたノッチ付衝撃強さを示す。 実施例29 各々が6000本の個々のフィラメントを含有する連続炭素繊維(コートラン
ド社から供給され、XASと表示される炭素繊維)の14のテープを、25cm/分
の速度で一系列の静止ガイドバーの上を引いて、約100ポンド(45.4kg)の強
力を有する約50mmの幅のバンドを形成した。繊維を案内して隣接関係にしたと
き、それらを直径12.5mmの単一の固定した加熱された円筒形バーの上において引
いた。このバーの温度を約380℃に維持した。この温度で20Ns/m2の溶融粘
度をもつポリエーテルエーテルケトンの粉末を、炭素繊維のバンドと固定ローラ
ーとの間に形成されたニップへ供給した。粉末は急速に溶融してニップ中に溶融
物のプールを形成し、この溶融物はローラーの上を通る繊維のバンドを含浸した
。この構造物を、それ以上のポリマーを加えないで、5つの追加の加熱されたバ
ーの上と下に通した。58容量%の炭素繊維を含有しかつ厚さが0.125mmである
、炭素繊維強化シートを製造した。この生成物は、 次の性質を有することがわかった。 曲げ弾性率 130GN/m2 曲げ強さ 1400MN/m2 層間剪断強さ 90MN/m2 実施例30 実施例29の手順に従い、360℃において3Ns/m2の溶融粘度を有するポリ
エーテルスルホンを使用して、40容量%の炭素繊維を含有する強化された生成
物を製造した。ローラーの温度は、約360℃に維持した。この生反物は、80
GN/m2の曲げ弾性季および700MN/m2の曲げ強さを有した。 実施例31 果施例29の手順に従い、360℃で800Ns/m2の粘度を有する商業的に入手で
きるポリエーテルスルホンPES 200P(インペリアル、ケミカカル、インダストリ
ーズPLSから入手できる)を用いた。ローラー温度は約360℃に維持し、そし
て44容量%の炭素繊維を含有する生成物が製造された。生成物は、次の性質を
再した。 曲げ弾性率 60GN/m2 曲げ強さ 500MN/m2 層間剪断強さ 25MN/m2 実施例32 実施例29の一般手順に従い、連続炭素繊維(“Courtaulds”XAS,6Kトウ)
の14テープおよび370℃で30Ns/m2の溶融粘度を有するポリエーテルエー
テルケトンを用いて、製造した。装置において、各直径が12.5mmである5本の円
筒形バーを380℃に加熱した。14のテープを張力下に引いて幅50mmのバン
ドを形成し、このバンドを、縦軸を水平にした最初の2本のバーにより形成した
調整可能なニップ中に通した。このバンドを引き続いて、縦軸を同様に水平にし
た3本の追加の加熱されたバーの下と上に通した。最初の2本のバーを使用して
ニップを形成し、これによってポリマーをバンドの両側に供給できるようにした
。ポリマーのこぼれを防ぐために、2枚の保持用全属シートを2本の加熱された
バーに接触させかつバーの長さに沿って配置して、供給ト ラフを形成した。最初の2本の加熱されたバーを通過するバンドの両側に、ポリ
マーの粉末を供給した。粉末は急速に溶融して、バンドの両側と各加熱バーとの
間に形成された2つのニップにおいて溶融物のプールを形成した。最初の2本の
バーの間のギャップを調整して、引っ張り速度が0.5m/分であるとき、炭素繊
維がポリマーで被覆され、そして生ずる含浸されたテープがほぼ60重量%の炭
素繊維と40重量%のポリマーを含有するようにした。繊維含量の調整は、いく
つかの方法で達成できることがわかった。 1. ニップのギャップを変える、 2. 予備張力を変える、 3. ニップへのフィラメントの供給本数を変える、 4. 粉末の供給速度を変える、 5. ニップにおけるバーの温度を変える(この実施例において使用した樹脂で
は、好ましい温度範囲は、分解のため、400℃以下であり、そして結晶化の開
始のため360℃ 以上であった)、 6. 引っ張り速度を変える。 このように形成したテープは、よくぬれるように見え、そして約0.1mmの厚さで
あった。 実施例33 実施例32に記載するテープを150mmの長さに切り、そしてマッチドダイ圧
縮成形器具内に重ねた。この器具を、普通の実験室用プレス内で、380℃に加
熱し、そして成形物が2〜5×106N/m2の圧力を受けるように圧縮した。この
成形物を10分間その圧力に保持し(型および試料が平衡温度に到達するまで、
その時間の半分を要した)、次いでプレスからの取り出し前に加圧下に150℃
に冷却した。冷却段階はほぼ20分を要した。型を周囲温度に冷却し、次いで成
形物を取り出した。 厚さが0.5mm(4プライ)〜4mm(38プライ)の範囲である成形物を、この
ようにして形成した。成形作業中、少量のポリマーをフラッシュとして型から絞
り出し、その結果成形物はもとのテープ 中の60重量%に比べて62重量%の炭素繊維を含有した。 次いで成形物をダイヤモンドのウエハーのこぎりで切断して、曲げ技術による
機械的試験に適当な試料を形成した。次の結果が得られた。 試 料 (カッコ内の数字は標準偏差を示す) 実施例34 実施例32と同じ装置を用い、テープのある部分において供給を少なくし、他
の部分において供給を多くすることによって、いくつかのぬれに劣るテープを製
造した。テープの全体の繊維含量は実施例4と同一であるが、多くの解放された
繊維はテープの表面上に現われ、他の区域は樹脂に富 んでいた。 1つのテープのぬれに劣る区域が次のテープの樹脂に富んだ区域に隣接して配
置されるように注意して、これらのテープを実施例33に記載するように積み重
ね、成形した。成形物を視的に検査すると、実質的にぬれない区域が残り、そし
て解放された繊維は表面から容易に引くことができた。これらの成形物の機械的
性質は実施例33において認められた性質に劣っており、そしてとくに層間剪断
強さは変化し、そして10MN/m2の低い値(よくぬれた試料についての81に比
べて)は共通であった。 この実施例が示すように、繊維のぬれは主として含浸段階において主として起
こり、二次の成形段階で起こらない。しかしながら、圧力を高くしかつ滞留時間
を長くすると、ある程度のぬれを達成できるであろうと、信じられる。 実施例35 実施例29において形成したテープを裂いてほぼ15mmの幅のテープを形成し
、そしてこれらの テープをタビー織(百科辞典ブリカニカの織物の項に記載されている)で織って
、ほぼ150mm平方のシートを形成した。 実施例36 実施例35に記載した単一の織ったシートを実施例33に記載するように圧縮
成形したが、ただし成形は側壁を拘束しないでアルミニウムシートの間で単に実
施した。成形物は厚さ0.2mmの平らなシートであった。 それ以上の実験において、実施例7に記載するような5枚の織ったシートを、
各層がその上と下の層に対して±45°で配向するように、一緒に層状に積ねた
。この積重ねを、側壁を拘束しないで、圧縮成形して厚さ1mmのシートを形成し
た。直径135mmのディスクをこのシートから切り、そしてこのディスクの剛性
および強さをCJフーリー(Hooley)およびSターナー(Turner)が記載する技
術(Mechanical Testing of Plastics,Institute of Mechanical Engineers,J
une/July 1979,Automotive Engineer)に従い、ディスク曲げ試験および自動化された落錘衝撃試験を用いて
測定した。 板の曲げ剛性は50GN/m2の最大値および36GN/m2の最小値を有した。 シートの耐衝撃性は、次のとおりであった: 初期エネルギー 1.7(0.3)J 破損エネルギー 6.6(1.1)J (カッコ内は標準偏差である) 最大の剛性の線に沿って切った平行の側面を有する試料を、普通の曲げ試験に
おいて測定して、次の結果を得た。 曲げ弾性率 51GN/m2 曲げ強さ 700GN/m2 実施例37 直径135mmおよび厚さ1mmのディスクを実施例36の手順に従って製造し、
そしてこのディスクの表面にわたって均一に分散した3Jの19回の衝撃に付し
た。これらの衝撃は多少の剥離を起こしたが、損傷した成形物は凝着性を維持し
た。 次いで損傷したディスクを再成形し、次いで実 施例36に記載し、次の結果を得た。 (カッコ内は標準偏差である) 結果に有意差が存在しない。 この実施例が示すように、部分的損傷後、性質は完全に再生する。 実施例38 実施例37におけるように製造した損傷したディスクは、計装落錘衝撃試験を
用いる5回の衝撃で破壊した。損傷は衝撃子の断面より非常に大きくはない区域
に局在化し、そしてすべての破壊した部分は成形物の本体に結合したままであっ
た。 次いでこの破壊した成形物を再成形し、そして新らしい衝撃が前に破壊された
スポットに向けられるように注意して、衝撃試験を実施し、次の結 果が得られた。 初期エネルギー 1.8(0.4)J 破損エネルギー 4.6(0.8)J (カッコ内は標準偏差である) 実施例33および34の結果と比較することにより、これは最も悪い起こりうる
場合において、もとの強さのほぼ70%を記録できることを示す。 実施例39 実施例36に従って製造した直径135mm、厚さほぼ1mmのディスクを、38
0℃に加熱し、次いで直径200mmの常温半球型の雌型の半分内に配置した。こ
の型の雄型の半分を手で下にプレスし、100mmの曲率半径を有する半球の部分
を形成した。直径約100mmまでの部分(一部分を形成する球の中心から約60
°の立体角が張る)は二重の曲率によく合致するが、この区域の外部に多少のく
ねりが起こった。 実施例40 幅5mmのテープから5枚の朱子織(百科辞典ブリタニカの織物の項に記載され
ている)を用いて 織ったシートを製造した。乾燥状態において、この織物は二重にわん曲した表面
にきわめてすぐれた構成を与え、織物中に孔を形成したかった。5層の準等方性
のシートを製造し、そして実施例36に記載するように成形した。この1mmの厚さ
のシートを次いで380℃に加熱し、次のものを含む種々の常温表面に対して成
形した: 1. 直角、 2. 25mmの曲率半径を有する円筒形表面、 3. 15mmの曲率半径を有する球形表面。 1および2の場合において、すぐれた合致が得られた。二重の曲率について、球
の中心から張る60°の立体角まですぐれた合致が得られた(これは実施例39
の実験に類似するが、シートの厚さに関してきつい曲率半径においてである)。 最も大きい構造物はおだやかな二重曲率のみを要するが、きつい曲率に対して
は狭い織りを必要として、とくに朱子織において、織物工業の一般的経験に従い
広いタビー織よりも好ましい。 実施例41 幅2mm、厚さ0.1mmのテープから1枚の40mm平方の材料を織った(タビー織
)。この材料のシートの成形適性を、実施例35に記載する広いテープの織物の
それと比較した。狭いテープは形状変化に容易に適合できた。これらの2種類の
織物から形成した成形シートは、性質が表面的に類似して見えた。 普通の織物技術を使用するため、狭いテープが実際に用いられると思われる。 実施例42 実施例32において形成したテープを積ねて、各層が異なる配向をもつ多層複
合材料を形成する試みをした。テープは、形成したばかりのとき、室温において
「粘着性」ではないので、層は配置および成形作業の間互いに関して動く傾向を
もっていたので、繊維は最終成形物において設計した立体配置に配向しなかった
。この間題は、はんだごてで層を一緒に局所的に粘着することによって、部分的
に克服された。このように形成するとき、シートは側壁を拘束して、繊維が側方
に流れかつ 設計した配向のパターンを乱すのを防いで、成形しなくてはならなかった。 これと対照的に、織ったシートは取り扱いが便利でありかつ容易であり、そし
てインターロックする組織自体が繊維の横方向の動きを防ぐので、側壁を拘束し
ないで成形できた。側壁を拘束しないで好ましいシートを形成できる能力は、二
重バンドのプレスのような方法による連続シートの製作を考えるとき、ことに有
利である。 実施例43 実施例35に従う織ったシートを重ね、成形して、各層がその上と下の層に対
して±45°で存在する、異なる厚さのシートを形成した。これらのシートの衝
撃挙動を、計装落錘衝撃試験により決定した。 実施例44 実施例44の手順に従い、ポリエーテルスルホン“Victrex”200Pおよび炭素
繊維(CourtauldsXAS,N.サイズ)からテープを製造した。このポリマーは35
0℃で800Ns/m2、そして400℃で100Ns/m2の溶融粘度を有した。スプレ
ダーを約370〜380℃にコントロールし、そして引っ張り速度は0.2m/分
であった。この樹脂の高い粘度のため、テープは実施例32に記載するものほど
よくぬれなかった。樹脂含量をわずかに増加させて、最終テープが50重量%の
炭素繊維と50重量%の樹脂を含有するようにした。 試料を実施例33に記載するように形成して、次の性質を有する一軸方向に配
向したシートを形成した: 曲げ弾性率 60 GN/m2 曲げ強さ 500 MN/m2 横方向の曲げ強さ 20 MN/m2 層間剪断強さ 26 MN/m2 次いでテープを実施例35および36に従って織り、重ね、そして成形して、次
の性質を有する、ほぼ1mmの厚さのシートを形成した: 曲げ剛性(最大) 24 GN/m2 曲げ剛性(最小) 21 GN/m2 衝撃エネルギー(初期) 2.9(0.3)J 衝撃エネルギー(破損) 7.1(0.3)J (カッコ内は標準偏差である) 破壊したシートを再成形し、そしてもとの衝撃損傷と同じスポットにおいて試料
が衝撃されるように注意して、再試験した。 再成形したシートの曲げ剛性はもとのシートのそれより10%低かったが、衝
撃抵抗はもとの値 の60%に減少した。 実施例45 350℃で8Ns/m2の溶融粘度を有するポリエーテルスルホンを使用して、炭
素繊維のテープを含浸した。前記の炭素繊維は、溶液サイジング法により5重量
%のポリエーテルスルホンで前もってサイジングされていた。この試料は、それ
を350℃に加熱された4つのスプレダーの上を0.2m/分の速度で引くことに
よって、含浸した。最終の複合材料は、47重量%の炭素繊維を含有した。試料
を実施例30に従って成形し、そして試験して、次の結果を得た: 曲げ弾性率 85 GN/m2 曲げ強さ 680 MN/m2 層間剪断強さ 50 MN/m2 この試料は実施例44において使用したものよりも低い分子量のポリマーから製
造したが、複合材料の性質はすぐれていることが認められる。 実施例46 ガラスのロービングをポリエチレンテレフタレー ト(270℃で3Ns/m2の溶融粘度)で、実施例32に記載する手順に従うが、
280〜300℃のバーを用いて、含浸した。80重量%までガラス繊維を満足
に混入して、すぐれたぬれを与えることができた。60重量%のガラスにおいて
、5m/分の線速度は0.1mmの厚さのテープについて容易に達成された。実施例47 ガラスのロービングを270℃で10Ms/m2の溶融粘度のポリプロピレンで、
実施例32と同じ装置を使用するが、ただしバーを270℃に維持して、含浸し
た。50重量%のガラス繊維において、非常によくぬれた0.1mmの厚さのテープ
が得られ、これはポリプロピレンから作った管および他の部分を上包みするため
にことに有用であった。 実施例48 ヒドロキシナフトエ酸、テレフタル酸およびヒドロキノンの残基を含有し、そ
して320℃で溶融粘度が7Ns/m2である、熱互変ポリエステルで、炭素繊維(
“Celion”6Kおよび3Kのトウ)を 含浸した。装置は実施例32に記載するものと同一であったが、ただしバーを3
20℃に維持した。62重量%の炭素繊維を含有する0.1mmの厚さめテープは、
すぐれた外観を有した。 実施例49 過剰の樹脂を含むある材料を含めて、実施例32〜38から製造した種々のスク
ラップ材料片を破壊し、そして普通のスクリュー押出機へ供給し、そして配合し
て粒体を形成した。粒体は0.25mmまでの厚さの炭素繊維を含有した。これらの粒
体を、普通の成形技術に従い、充填PEEKについて標準の作業条件下に、射出成形
した。成形物は次の性質を有し、これらの性質を、普通の配合作業により製造し
た、最良の入手可能な商用等級の炭素繊維充填PEEKの性質と比較する: この実施例から明らかなように、本発明の生成物を普通の加工法用の生成物に
変えることができ、この生成物は限在の技術によって得ることができる生成物よ
りもいくつかの点ですぐれる。また、シートの製造、積層、フィラメントの巻き
取りなどの種々の長繊維作業からのスクラップを再生して、高い性能の材料にす
ることができる。再生可能性の特性は、炭素繊維のような高価な原料を用いて作
業するとき、大きい経済的意味をもつ。 実施例50 実施例29の方法に従って作業するときのロービング中の最適の張力を、60
00本のフィラメントを含有する個々のロービングにおいて、含浸前および引っ
張り段階において張力を測定することによって、決定した(14のロービングを
実施例29において使用し、そして作業の張力は実際には下記の値の14倍であ
ろう)。下記の値は、特定のロービング、ポリマーの種類および使用した装置に
ついて、最小の作業張力(ケース1)および最大の作業張力(ケース2)である
と判断し た。ケース1の値より小さい張力値を用いると、製造されたテープ中に繊維の不
整列と裂けが存在した。ケース2の値よりも大きい張力値を用いると、繊維の摩
耗が観察され、そして解放された繊維がバンド上に蓄積した。異なる条件(ロー
ビング、ポリマーの種類など)の組について、得られる値は異なるが、容易に最
適化して、すぐれた品質の生成物を得ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.溶融物引出成形法で製造された構造物を細断したものであり、熱可塑性ポ
    リマーと強化用フィラメントとを含み、3mm〜100mmの長さを有しており、か
    つ前記フィラメントがペレットに関してその長手方向に延在している繊維強化ペ
    レットを少なくとも30重量%含有している組成物を溶融及び均質化処理する工
    程を包含する方法で形成された繊維強化成形品において、 該成形品が、強化用の前記フィラメントをランダムに分散せる個々のフィラメ
    ントの形で含有しており、かつ前記組成物中のもとのペレット内に存在したフィ
    ラメントの少なくとも50重量%が、少なくとも3mmの長さを有するフィラメン
    トの形で含まれていること、そして 前記繊維強化ペレットにおいて、個々のフィラメントが、前記フィラメントを
    整列させて連続フィラメントのバンドを形成し、該バンドを少なくとも1つのス
    プレダー表面の上を張力下に引くことによって前記バンドとスプレダー表面との
    間に形成されたニップのところで、前記フィラメントに前記熱可塑性ポリマーの
    溶融物を含浸せしめることからなる溶融物引出成形法において前記熱可塑性ポリ
    マーによって実質的にぬらされておりかつそのフィラメントのぬれの程度が、次
    の関係式: (ここで、M0は強化用フィラメントが熱可塑性ポリマーで完全にぬれた試料
    の単位長さ当たりの質量であり、M1は強化用フィラメントの単位長さ当たりの
    質量であり、そしてM2は評価すべき試料の単位長さ当たりの質量である)で表
    した場合、85%以上であり、そして前記フィラメントをぬらす前記熱可塑性ポ り小さい溶融粘度を有していること、を特徴とする繊維強化成形品。 2.前記繊維強化ペレットが少なくとも30容量%の強化用フィラメントを含
    有している、特許請求の範囲第1項に記載の繊維強化成形品。 3.前記繊維強化ペレットが、3mm〜100mmの長さを有しており、かつ熱可
    塑性ポリマーと、少なくとも30容量%の平行に整列された強化用フィラメント
    とを含むペレットからなる、特許請求の範囲第2項に記載の繊維強化成形品。

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