JP2569060B2 - グルタミルシスティン誘導体、その製造法およびそれを有効成分とする組織グルタチオンレベル向上剤 - Google Patents

グルタミルシスティン誘導体、その製造法およびそれを有効成分とする組織グルタチオンレベル向上剤

Info

Publication number
JP2569060B2
JP2569060B2 JP62173807A JP17380787A JP2569060B2 JP 2569060 B2 JP2569060 B2 JP 2569060B2 JP 62173807 A JP62173807 A JP 62173807A JP 17380787 A JP17380787 A JP 17380787A JP 2569060 B2 JP2569060 B2 JP 2569060B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glutamyl
cysteine
following formula
cysteine derivative
same
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62173807A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6419059A (en
Inventor
篤夫 羽里
滋久 北原
晶 大津
克彦 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP62173807A priority Critical patent/JP2569060B2/ja
Publication of JPS6419059A publication Critical patent/JPS6419059A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2569060B2 publication Critical patent/JP2569060B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は新規なγ−L−グルタミル−L−システイン
誘導体およびその製造法、さらにはそれを有効成分とす
る組織グルタチオンレベル向上剤に関する。更に詳細に
は、γ−L−グルタミル−L−システインのシステイン
部のカルボン酸がエステル化された化合物、およびその
製造法、さらにはこのγ−L−グルタミル−L−システ
イン誘導体を有効成分とする組織グルタチオンレベルの
向上剤,白内障治療剤並びに肝疾患治療剤に関する。
<従来技術> グルタチオンは生体内組織に広く存在し、細胞内の主
な還元剤であり、触媒・代謝・輸送そして細胞保護に重
要な役割を演じている。特に細胞保護において、グルタ
チオンは、(1)グルタチオンパーオキシダーゼにより
活性酸素種やフリーラジカルを還元して消滅させたり、
(2)グルタチオン−S−トランスフェラーゼにより毒
物と反応し、グルタチオン抱合体として細胞外に排出す
ることにより作用を発揮し、抗酸化,解毒をはじめとし
て、放射線障害保護,温度耐性を高める等の役割をにな
っている。
したがって、組織グルタチオンが疾患や老化等により
かなり低下すると、組織は傷害を受けやすくなる。その
ような場合、組織グルタチオンを正常値まで回復させる
ことは細胞機能の回復に重要であり、また正常の場合で
も、組織グルタチオンを増加させればさらに細胞保護機
能を高めることができると考えられている。実際、グル
タチオンやいくつかのチオール化合物を変異原性物質や
癌原性物質に対する防御、さらにはそれらによって生じ
た動物肝腫瘍の縮少を目的として使用し、有効だったと
の報告もある。
しかし、問題点として、グルタチオンそのものを投与
しても、血中半減期が2〜3分と短く組織グルタチオン
上昇にあまり有効でないことがあげられる。その理由
は、グルタチオン自体は効率良く細胞に取込まれず、一
旦分解されてペプチドや構成アミノ酸の形で細胞に取込
まれて、再合成される必要があるためと考えられる。
以上の問題点を克服し、組織グルタチオン上昇能にお
いてグルタチオンよりも優秀な化合物として、2−オキ
ソチアゾリジン−4−カルボキシレート,γ−L−グル
タミル−L−システイン,γ−L−グルタミル−L−シ
ステイニル−グリシンエチルエステル(グルタチオンモ
ノエチルエステル)等が、ヒトリンパ腫細胞や動物を用
いた実験により知られるようになってきた(例えば、Cu
rr.Top.Cell.Regul.,26巻,383-394頁,1985年;Fed.Pro
c.,43巻,3031-3042頁,1984年)。
<発明の目的> 本発明者らはかかる点に着目し、鋭意検討をかさねた
結果、γ−L−グルタミル−L−システインモノエステ
ル誘導体が組織グルタチオンレベルの向上作用を有し、
それに起因して白内障治療作用や肝疾患治療作用等を有
していることを知見し、本発明に到達したものである。
<発明の構成および効果> すなわち、本発明は下記式[I] で表わされるγ−L−グルタミル−L−システイン誘導
体、その製造法ならびにγ−L−グルタミル−L−シス
テイン誘導体を有効成分とする組織グルタチオンレベル
向上剤、肝疾患治療剤および白内障治療剤に関する。
前記式[I]においてRはC3〜C10の直鎖状,分岐状
もしくは環状炭化水素基、または芳香族基が置換したC1
〜C5の直鎖もしくは分岐状炭化水素基を表わす。C3〜C
10の直鎖状,分岐状もしくは環状炭化水素基としては、
プロピル基,イソプロピル基,ブチル基,イソブチル
基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル
基,ノニル基,デシル基,2−プロペニル基,2−メチル−
2−プロペニル基,2−ブテニル基,2−ペンテニル基,4−
ペンテニル基,2−ヘキセニル基,シクロヘキシル基,シ
クロペンチル基等を好ましいものとして挙げることがで
きる。またフェニル基が置換したC1〜C5の直鎖もしくは
分岐状炭化水素基としては、ベンジル基,シンナミル
基,1−フェニル−2−プロピル基,3−フェニル−1−プ
ロピル基等を挙げることができる。
本発明において提供される、上記式[I]で表わされ
るγ−L−グルタミル−L−システイン誘導体の好まし
い具体例としては、下記に示した (1)γ−L−グルタミル−L−システインn−ヘキシ
ルエステル。
(2)γ−L−グルタミル−L−システインイソプロピ
ルエステル。
(3)γ−L−グルタミル−L−システイン2−メチル
−2−プロペニルエステル。
(4)γ−L−グルタミル−L−システインシクロヘキ
シルエステル。
(5)γ−L−グルタミル−L−システインベンジルエ
ステル。
などを挙げることができるが、これに限定されるもので
はない。
前記式[I]で表わされる新規なγ−L−グルタミル
−L−システイン誘導体は、下記式[II] で表わされるγ−L−グルタミル−L−システインと、
酸を含有した下記式[III] R−OH …[III] で表わされるアルコール類とを反応せしめることにより
得られる。
前記式[III]で表わされるアルコール類のRは、C3
〜C10の直鎖状,分岐状もしくは環状炭化水素基、また
はフェニル基が置換したC1〜C5の直鎖もしくは分岐状炭
化水素基を表わすが、具体例としては、前記式[I]の
Rとして例示したものと同じ基を挙げることができる。
かかるエステル化反応は、AndersonらのArch.Biochem.B
iophys.,239巻,538-548(1985)記載の方法に準じて行
われる。
反応に用いられる溶媒は、原則として前記式[III]
で示されるアルコール類を用い、その使用量は、原料に
対し2〜50倍(重量比)、好ましくは10〜30倍用いる。
用いる酸としては、塩酸,硫酸等の鉱酸を挙げることが
できるが、好ましくは塩酸であり、その使用量はエステ
ル化に使用するアルコールによって異なるが、反応系内
の濃度として約0.2N〜10N、好ましくは0.5N〜2Nの範囲
である。反応温度は−20℃〜80℃、好ましくは0℃〜40
℃の範囲で行われ、反応時間は反応するアルコールの種
類,酸の濃度,反応温度等により異なるが、30分〜2日
程度である。
反応後、反応液を減圧下留去するか又は、ヘキサンも
しくはエーテルに反応液をそそぎ、不溶物として生成物
を取出す方法により得られる。かくして得られた生成物
は、塩酸塩であり、ジエステル体を混入している。純粋
な、塩酸が遊離した目的物を得るためには、塩酸塩をア
ミン等の塩基で中和した後、イオン交換樹脂等で精製す
る方法が採用される。
本化合物は、組織グルタチオンレベルの向上作用を持
ち、そのことにより種々の細胞の賦活或いは壊死防止に
役立つものである。そして、本発明の薬剤は、(1)組
織グルタチオンレベルの低下が白内障,高血圧,動脈硬
化,糖尿病,胃潰瘍,癌,肝臓病,呼吸器疾患等各種成
人病の一因となっていることが考えられることから、こ
れら各種疾患の予防および治療に有効であり、さらに日
焼け防止,放射線傷害保護,耐熱性増大にも優れた効果
を発揮すると共に、(2)肝疾患治療剤として、肝炎,
脂肪肝,肝硬変等の肝疾患の治療および予防に有効であ
る。
本発明の化合物は、経口的に、あるいは静脈内,筋肉
内,皮下,直腸内,経皮等の非経口的に投与される。経
口投与の剤型としては、例えば錠剤,丸剤,顆粒剤,散
剤,液剤,懸濁剤,カプセル剤などが挙げられる。
錠剤の形態にするには、例えば乳糖,デンプン,結晶
セルロースなどの賦型剤;カルボキシメチルセルロー
ス,メチルセルロース,ポリビニルピロリドンなどの結
合剤;アルギン酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウムなど
の崩壊剤を用いて通常の方法により成形することができ
る。
丸剤,顆粒剤,散剤も同様に上記の賦型剤等を用いて
通常の方法によって成形することができる。
液剤,懸濁剤は、例えばトリカプリリン,トリアセチ
ンなどのグリセリンエステル類,エタノール等のアルコ
ール類などを用いて通常の方法により成形される。カプ
セル剤は、顆粒剤,散剤あるいは液剤などをゼラチンな
どのカプセルに充填することによって成形される。
静脈内,筋肉内,皮下投与の剤型としては、水性ある
いは非水性溶液剤などの形態にある注射剤がある。これ
らには例えば生理食塩水,エタノール,プロピレングリ
コールなどの溶媒、必要に応じて防腐剤,安定剤などが
用いられる。
直腸内投与のためにはゼラチンソフトカプセルなどの
通常の座剤が挙げられる。
経皮投与の剤型としては、例えば軟膏剤などが挙げら
れる。これらは通常の方法によって成形される。
本発明の化合物を組織グルタチオンの向上剤もしくは
肝疾患治療剤として用いる場合、患者の症状の程度によ
り異なるが、通常成人1日あたり20mg〜20g程度を用い
る。投与法は経口ないし非経口的に、1日1ないし4回
に分割投与することができる。
<実施例> 以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1 (i)γ−L−グルタミル−L−システイン5g(約20mm
ol)のイソプロピルアルコール(80ml)のサスペンジョ
ンを、窒素気流下0℃に氷冷し、これに塩化水素含有イ
ソプロピルアルコール(7N HCl-iProH)20mlを加え、17
時間攪拌した。塩化水素を加えた時点でサスペンジョン
は溶液となった。反応終了時には冷却用の氷はすべてと
け、反応温度は室温となっていた。この反応液を0℃に
冷却したエーテル(700ml)にそそぎ、攪拌しながら2
時間放置し、結晶を析出させた。このものを別し、γ
−L−グルタミル−L−システインイソプロピルエステ
ル塩酸塩4.8g(73%)を無色結晶として得た。
NMR(δppm,重DMSO): 1.2(d,6H,J=7Hz),2.1(m,2H),2.45(m,2H),2.8
(m,2H),3.9(m,1H),4.4(m,1H),4.95(m,1H), (ii)上記γ−L−グルタミル−L−システインイソプ
ロピルエステル塩酸塩4.5gを水80mlに溶解し、アンモニ
ア水で中和した後、水を加えて最終溶量を90mlにした。
これを水で平衡化したAG50W・アンモニウムカラム
(樹脂量5ml),AG1・アセテートカラム(樹脂量12.5m
l)に続けて通し、最後にカラム溶積分の水で洗った。
溶出液と洗液を合せ、連結乾燥してγ−L−グルタミ
ル−L−システインイソプロピルエステル3.67gを得
た。
NMR(δppm,重DMSO): 1.2(d,6H,J=7Hz),1.9(m,2H),2,2〜2.6(m,4H),2.
8(m,2H),3.3(m,1H),4.35(m,1H),4.9(m,1H). 実施例2 (i)γ−L−グルタミル−L−システイン5g(約20mm
ol)のベンジルアルコール(50ml)のサスペンジョンを
0℃に冷却し、窒素気流下、塩化水素含有ベンジルアル
コール(2.5N HCl−ベンジルアルコール)25mlを加え
た。この時サスペンジョンは溶液となった。0℃で30分
攪拌し、ついで室温で3.5時間攪拌した。反応後、反応
液を氷冷したエーテル(700ml)に加えた。この時、ア
メ状のものが沈澱した。エーテルをデカンテーションで
除き、あらたに500mlのエーテルを加え、氷冷下、2時
間攪拌し、結晶化を行った。結晶を別し、γ−L−グ
ルタミル−L−システインベンジルエステル塩酸塩5.5g
(73%)を得た。
NMR(δppm,重DMSO): 2.15(m,2H),2.5(m,2H),2.9(m,2H),3.95(m,1H),
4.55(m,1H),5.2(s,2H),7.45(br.s,5H). (ii)上記γ−L−グルタミル−L−システインベンジ
ルエステル塩酸塩5gを水90mlに溶解し、アンモニア水で
中和すると、白濁固化した。これに水330ml,エタノール
420mlを加えて固体を溶解させ、水で平衡化したAG50W・
アンモニウムカラム(樹脂量5ml),AG1・アセテートカ
ラム(樹脂量12.5ml)に続けて通し、最後にカラム溶積
分の50%エタノール水溶液で洗った。
溶出液と洗液を合せ、減圧濃縮してエタノールを除い
た後、凍結乾燥してγ−L−グルタミル−L−システイ
ンベンジルエステル3.28gを得た。
NMR(δppm,重DMSO): 1.9(m,2H),2.2〜2.6(m,4H),2.85(m,2H),3.3(m,1
H),4.5(m,1H),5.2(s,2H),7.4(br.s,5H). 実施例3 (i)γ−L−グルタミル−L−システイン5g(約20mm
ol)のn−ヘキシルアルコール(50ml)サスペンジョン
を0℃に冷却し、窒素気流下、塩化水素含有n−ヘキシ
ルアルコール(4N HCl−n−ヘキシルアルコール)20ml
を加えた。この時サスペンジョンは溶液となった。室温
にして1.5時間攪拌した。反応後トルエンを加えてロー
タリーエバポレーターで塩酸を除き、さらに真空ポンプ
減圧下、n−ヘキシルアルコールを留去した。得られた
アメ状のものをヘキサン(約100ml)で2回洗浄し、次
いでヘキサン(約500ml)を加えて攪拌し、結晶化を行
った。結晶を別し、真空ポンプで乾燥し、γ−L−グ
ルタミル−L−システイン−n−ヘキシルエステル塩酸
塩6.2g(84%)を得た。
NMR(δppm,重DMSO): 0.9(m,3H),1.0〜1.8(m,8H),2.1(m,2H),2.45(m,2
H),2.85(m,2H),3.85(m,1H),4.1(m,2H),4.45(m,
1H). (ii)上記γ−L−グルタミル−L−システイン−n−
ヘキシルエステル塩酸塩6gを水110mlに溶解し、アンモ
ニア水で中和すると、白濁し一部アメ状のものが沈澱し
た。これに水550ml,エタノール650mlを加えて溶解さ
せ、水で平衡化したAG50W・アンモニウムカラム(樹脂
量6ml),AG1・アセテートカラム(樹脂量15ml)に続け
て通し、最後にカラム溶積分の50%エタノール水溶液で
洗った。溶出液と洗液を合せ、減圧濃縮してエタノール
を除いた後、連結乾燥してγ−L−グルタミル−L−シ
ステイン−n−ヘキシルエステル4.59gを得た。
NMR(δppm,重DMSO): 0.9(m,3H),1.0〜1.8(m,8H),1.95(m,2H),2.2〜2.7
(m,4H),2.7〜3.2(m,2H),2.35(m,1H),4.1(m,2
H),4.5(m,1H). 実施例4 (i)γ−L−グルタミル−L−システイン500mg(約2
mmol)のシクロヘキシルアルコール(5ml)のサスペン
ジョンに、塩化水素含有シクロヘキシルアルコール(2.
8N HCl・シクロヘキシルアルコール)5mlを加え、室温
にて24時間攪拌した。反応後ヘキサンを加えてアメ状の
ものを沈澱させた。ヘキサンをデカンテーションで除
き、エーテルを加えて結晶化を行った。結晶を別し、
γ−L−グルタミル−L−システインシクロヘキシルエ
ステル塩酸塩550mg(75%)を得た。
NMR(δppm,重DMSO): 1.0〜2.7(m,14H),2.85(m,2H),3.4(m,1H),4.4(m,
1H),4.75(m,1H). (ii)上記で得られたものを20mlの水に溶かしアンモニ
ア水で中和した。次いでエタノール20mlを加えて、イオ
ン交換樹脂(AG50W,次いでAG1アセテート)を通し、流
出液からエタノールを減圧下留去後冷凍乾燥し、γ−L
−グルタミル−L−システインシクロヘキシルエステル
370mg(56%)を得た。
NMR(δppm,重DMSO): 1.0〜2.7(m,14H),2.7〜3.3(m,2H),3.5(m,1H),4.4
(m,1H),4.8(m,1H). 実施例5 γ−L−グルタミル−L−システイン500mg(約2mmo
l)のメタリルアルコール(5ml)のサスペンジョンに、
塩化水素含有メタリルアルコール(2N HCl−メタリルア
ルコール)5mlを0℃で加え、1時間攪拌した。ヘキサ
ンを加えて、減圧下溶媒を留去し、さらに得られたアメ
状物質をヘキサンで数回洗浄し、真空ポンプで乾燥し
た。かくしてγ−L−グルタミル−L−システインメタ
リルエステル550mg(81%)を得た。
NMR(δppm,重DMSO): 1.7(s,3H),2.1(m,2H),2.5(m,2H),2.9(m,2H),3.
9(br.s,2H),4.0(m,1H),4.4(m,1H),4.9(m,2H). 実施例6 L−ブチオニンスルホキシミンにより発症させた実験
的白内障に対する本化合物の発症防止作用 実験的白内障は、Calvinら、Science,233巻,553-555
頁(1986)の方法に準じて作製した。すなわち、ICR系
雄性マウスに4mmol/KgのL−ブチオニンスルホキシミン
を生後9日目から生後11日目まで、1日4回2時間半毎
に3日間連続皮下投与することにより白内障を発症させ
た。白内障の発症率は生後16日目に判定した。非検薬物
は生後9日目から生後11日目の3日間、1日4回L−ブ
チオニンスルホキシミン投与各1時間前に皮下投与し、
ついで生後12日目と13日目に被検薬単独を1日4回、2
時間半毎に皮下投与することにより、16日目の白内障発
症防止効果を検定した。
第1表に、各被検薬の白内障発症防止成績を示した。
なお表中の白内障発症率とは全実験動物数に占める白内
障動物の割合を、白内障眼率とは全眼数に占める白内障
眼の割合をあらわしている。
すなわち、本化合物はL−ブチオニンスルホキシミン
によって発症する実験的白内障に対して、強い発症防止
作用を有していることがわかる。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I] で表わされるγ−L−グルタミル−L−システイン誘導
    体。
  2. 【請求項2】Rがn−ヘキシル基である特許請求の範囲
    第1項記載のγ−L−グルタミル−L−システイン誘導
    体。
  3. 【請求項3】Rがイソプロピル基である特許請求の範囲
    第1項記載のγ−L−グルタミル−L−システイン誘導
    体。
  4. 【請求項4】Rが2−メチル−2−プロペニル基である
    特許請求の範囲第1項記載のγ−L−グルタミル−L−
    システイン誘導体。
  5. 【請求項5】Rがシクロヘキシル基である特許請求の範
    囲第1項記載のγ−L−グルタミル−L−システイン誘
    導体。
  6. 【請求項6】Rがベンジル基である特許請求の範囲第1
    項記載のγ−L−グルタミル−L−システイン誘導体。
  7. 【請求項7】γ−L−グルタミル−L−システイン誘導
    体が薬理学的に許容される酸と塩を形成した化合物であ
    る特許請求の範囲第1項から第6項いずれか1項記載の
    γ−L−グルタミル−L−システイン誘導体。
  8. 【請求項8】γ−L−グルタミル−L−システイン誘導
    体と塩を形成する酸が塩酸である特許請求の範囲第7項
    記載のγ−L−グルタミル−L−システイン誘導体。
  9. 【請求項9】下記式[II] で表わされるγ−L−グルタミル−L−システインと、
    酸を含有した下記式[III] R−OH …[III] で表わされるアルコール類を反応せしめることを特徴と
    する下記式[I] [式中、Rは前記定義に同一である。] で表わされるγ−L−グルタミル−L−システイン誘導
    体の製造法。
  10. 【請求項10】アルコール類に含有させる酸が塩酸であ
    る特許請求の範囲第9項記載のγ−L−グルタミル−L
    −システイン誘導体。
  11. 【請求項11】下記式[I] で表わされるγ−L−グルタミル−L−システイン誘導
    体を有効成分とする組織グルタチオンレベル向上剤。
  12. 【請求項12】下記式[I] で表わされるγ−L−グルタミル−L−システイン誘導
    体を有効成分とする白内障治療剤。
  13. 【請求項13】下記式[I] で表わされるγ−L−グルタミル−L−システイン誘導
    体を有効成分とする肝疾患治療剤。
JP62173807A 1987-07-14 1987-07-14 グルタミルシスティン誘導体、その製造法およびそれを有効成分とする組織グルタチオンレベル向上剤 Expired - Fee Related JP2569060B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62173807A JP2569060B2 (ja) 1987-07-14 1987-07-14 グルタミルシスティン誘導体、その製造法およびそれを有効成分とする組織グルタチオンレベル向上剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62173807A JP2569060B2 (ja) 1987-07-14 1987-07-14 グルタミルシスティン誘導体、その製造法およびそれを有効成分とする組織グルタチオンレベル向上剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6419059A JPS6419059A (en) 1989-01-23
JP2569060B2 true JP2569060B2 (ja) 1997-01-08

Family

ID=15967526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62173807A Expired - Fee Related JP2569060B2 (ja) 1987-07-14 1987-07-14 グルタミルシスティン誘導体、その製造法およびそれを有効成分とする組織グルタチオンレベル向上剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2569060B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5631234A (en) * 1991-04-15 1997-05-20 Teijin Limited Method for treating ischemia-reperfusion tissue injury
DE69214250T2 (de) * 1991-04-15 1997-04-30 Teijin Ltd Vorbeugungs- oder heilmittel für ischämie, durch reperfusion ausgelöste gewebestörung, arrhythmic sowie durch aktivierte freie sauerstoffradikale verursachte lungenerkrankungen
WO2009102050A1 (ja) * 2008-02-15 2009-08-20 Ajinomoto Co., Inc. 腸管免疫賦活剤
WO2009107660A1 (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 味の素株式会社 糖尿病又は肥満病の予防又は治療剤
JP4862850B2 (ja) * 2008-03-19 2012-01-25 株式会社デンソー 燃料供給装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6419059A (en) 1989-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3261123B2 (ja) ラクタムフリーのアミノ酸
EP0491708B1 (en) Isolating aminoarginine and use to block nitric oxide formation in body
AU2008357111B2 (en) A new metformin Glycinate salt for blood glucose control
JPS6361302B1 (ja)
EP0610595A2 (en) Composition of l-dopa esters
JP2003534312A (ja) 薬剤として有用な環状アミノ酸誘導体
CZ286621B6 (cs) Tromethaminová sůl (+)-(S)-2-(3-benzoylfenyl)propionové kyseliny, způsob její výroby a farmaceutický prostředek s jejím obsahem
US4426391A (en) [(Alkoxycarbonyl)oxy]alkyl esters of methyldopa
CA1101846A (en) Derivatives of 4-hydroxy-phenylglycine
WO2008061456A1 (fr) Composé folacine-metformine et sa production
JP2007056026A (ja) ジペプチド類
JP2921124B2 (ja) 酸化型グルタチオンアルキルエステル
WO1991016338A1 (en) S-(lower fatty acid)-substituted glutathione derivative
JP2569060B2 (ja) グルタミルシスティン誘導体、その製造法およびそれを有効成分とする組織グルタチオンレベル向上剤
JP2553090B2 (ja) 組織グルタチオンレベル向上剤
WO1994000417A1 (en) Zinc tranexamate compound
JPS6133816B2 (ja)
EP0255164A2 (en) A thioester and its use for preparing pharmaceutical compositions for the treatment of ischemia and reperfusion syndromes
JP2878844B2 (ja) N▲g▼−モノメチル−l−アルギニン塩酸塩誘導体および敗血性ショックの治療におけるこれらの使用
EP0451760A1 (de) Nitratoalkancarbonsäure-Derivate und Verfahren zu ihrer Herstellung
JPH05105627A (ja) 腸機能性疾患の治療に用いられる新規な医薬組成物と、その調整方法と、治療用医薬の調製方法
CN110606826A (zh) 托拉塞米钠一水合物、其晶型及组合物
EP0218356B1 (en) Phenylalanine derivatives and uses thereof
EP0623623B1 (en) 2-aminoethanesulfonic acid/zinc complex
US3947590A (en) Compositions and methods of increasing renal blood flow with gamma-glutamyl amide of dopamine

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees