JP2568328B2 - 外径測定機 - Google Patents

外径測定機

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JP2568328B2 JP3194974A JP19497491A JP2568328B2 JP 2568328 B2 JP2568328 B2 JP 2568328B2 JP 3194974 A JP3194974 A JP 3194974A JP 19497491 A JP19497491 A JP 19497491A JP 2568328 B2 JP2568328 B2 JP 2568328B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば金属線、ガラス
管、光ファイバ等の外径をインラインのプロセス上で測
定する外径測定機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば金属線や光ファイバ等のように連
続的に生産される線材は、迅速な品質管理を行うため
に、製造や検査等のインラインのプロセス上で外径の測
定を実行しており、この際の測定器としては、非接触で
高速かつ高精度な測定が可能なレーザ光走査式の外径測
定機が一般に用いられている。
【0003】図6はこうしたレーザ光走査式による外径
測定機の原理構造を示している。以下、外径測定機の構
成及び測定原理について説明する。外径測定機はレーザ
光で被測定物Wを走査する光学系1と、光学系1からの
信号を復調して被測定物Wの外径に比例した信号に変換
する信号処理系2とを備えて概略構成されている。光学
系1は所定波長のレーザ光を出力するレーザ光源3、レ
ーザ光を反射ミラー4により偏向する光偏向器5、偏向
されたレーザ光を平行光にするレンズ6、偏向されたレ
ーザ光の一部を取り出すモニタ回路7、被測定物Wを走
査して通過したレーザ光を受光する受光回路8を備えて
構成されている。そして、この光学系1では、レーザ光
が光偏向器5の反射ミラー4に入射して偏向され、レン
ズ6により平行光にされて通過すると、被測定物Wの置
かれた空間をY軸方向に正弦的に走査する。被測定物W
を走査したレーザ光は、受光回路8の受光器上に集光さ
れ、光電変換によって電気信号Q1となる。また、光偏
向器5により偏向されたレーザ光の一部はモニタ回路7
によって取り出され、走査ビームの位相と振幅を検出す
るためのモニタ信号Q2,Q3に変換される。
【0004】ここで、図7は横軸を時間軸として被測定
物W上を走査するレーザ光の位置と受光信号Q1との関
係を示す。図において、走査ビームの位置をS=S0
inω0 tとし、Ra,Rbを走査空間で静止している
被測定物Wの両縁の位置とすると、受光信号Q1は走査
ビームが縁Raを通過する時刻ta1にて立下がり、縁
Rbを通過する時刻tb1では立上がる。この結果、下
記の関係が成立する。 Ra=S0 sinω0 ta1 Rb=S0 sinω0 tb1 …(1)
【0005】一方、信号処理系2は受光信号Q1に基づ
いて一定のパルス信号を出力するパルス発生器9、モニ
タ信号Q2,Q3に基づいて走査ビームの位置をシミュ
レートする参照信号V=V0 sinω0 tを発生する参
照信号発生器10、パルス信号に基づいて参照信号の電
圧を各々サンプルホールドするサンプルホールド回路1
1,12、サンプルホールドされた各々の信号を差動増
幅する差動増幅器13、増幅された信号をディジタル信
号に変換するA/D変換器14を備えて構成されてい
る。
【0006】そして、この信号処理系2では、2つのサ
ンプルホールド回路11,12が図7(a),(b)に
示すように時刻ta1及びtb1において、参照信号の
電圧Vをサンプルホールドし、図7(c)に示すように
被測定物Wの縁の位置Ra,Rbに相当する電圧Va
1,Vb1を発生する。この電圧Va1,Vb1は
(1)式から下記の式に変換され、 Va1=V0 sinω0 ta1=(V0 /S0 )Ra …(2) Vb1=V0 sinω0 tb1=(V0 /S0 )Rb …(3) これらの差電圧V D1は、V D1=Va1−Vb1=
(V0 /S0 )dとなり、被測定物Wの外径に比例す
る。この外径電圧V Dnは図7(d)に示すように1回
の走査によって検出される値が次の反対方向の走査が終
わるまでの間(π/ω0 )だけホールドされ、A/D変
換された後にCPU(図示せず)に取り込まれる。CP
Uに取り込まれたデータは、外部機器であるキーボード
から設定された平均回数、目標値、上下限値等の各種パ
ラメータに従って処理され、この処理によって得られた
測定データはディスプレイコントローラを介して例えば
LED表示される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上の原理から明らか
なように、この種の外径測定機は、被測定物によってレ
ーザ光の微小スポットが遮られることを利用した遮光形
の測定機であり、遮光によって生ずる受光回路へ入射す
る光エネルギーの変化を光電変換して検出している。こ
のときに用いる光源として、光電信号のS/Nを上げる
ためには、エネルギー密度が高く、集光性が良い、いわ
ゆる輝度の高い光源であることが望ましい。また、微小
スポットのビーム形状は、レーザ光の走査方向に沿って
対称性の良いガウス形状であると、受光回路から得られ
る方形波信号Q1の立下り、立上りの波形に高調波が重
畳せず、高精度なエッジ検出が可能となる。以上の条件
を満たすものとして、光源としてはレーザ光が広く使用
されている。
【0008】しかしながら、被測定物によってはレーザ
光のもつ高い可干渉性により、有限な受光開口で測定系
を構成していると、受光する光エネルギーが干渉縞の影
響を受けて外径変動だけを抽出することが困難になる場
合がある。例えば、光透過率の高い光ファイバでは、ビ
ーム径が有限なため、エッジによる回折光やエッジ付近
の反射光、さらにファイバ内へ屈折した光が内部反射を
繰り返し、外部へ漏れた光の一部分が前記回折光や反射
光と干渉する結果、温度変化に伴う光源の波長変化やフ
ァイバの真円度や屈折率の均一性などの影響を受け、そ
れらの変動が外径測定出力に表われるという現象が見ら
れる。図3は単一波長半導体レーザ光を光源とし、12
5μmの光ファイバを保持したとき、外気温度が0度か
ら40度の間で変化させたとき、レーザ光の発振周波数
が急にシフトする(縦モードホップ)にしたがってその
影響が外径測定出力に表われていることを示すものであ
る。この現象を取除くために、従来は周波数安定化レー
ザなどを用いる方法が提案されていたが、これによって
も前記ファイバの真円度や屈折率の均一性など、構造パ
ラメータが変化したことによる影響を取除くことができ
ない。
【0009】同じように、反射率の高い金属のまわり
に、スポット径の大きさに比べ数分の一以下の厚さで透
明体がコーティングされた金属線を被測定物としたとき
も、エッジ回折光とエッジ付近の反射光及びコーティン
グ内に屈折した光が金属線で反射して、それらの干渉に
より実際の外径変動が測定できないという問題があっ
た。
【0010】そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的は、常に安定度が高く誤差
の少ない外径測定をインラインのプロセス上で行うこと
ができる外径測定機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による外径測定機は、レーザ光により被測定
物を走査し、該走査によるレーザ光の遮蔽されるタイミ
ングの検出に基づいて前記被測定物の外径を測定する外
径測定機において、前記被測定物のエッジの回折像の強
度振幅変化がレーザ光のノイズレベル以下でなる可干渉
性の低いレーザ光源を備えたことを特徴としている。
【0012】
【作用】レーザ光源における被測定物のエッジの回折像
の強度振幅変化をノイズレベル以下とすることで、可干
渉性の低いレーザ光が光偏向器を介して被測定物に照射
され、常に安定度が高く誤差の少ない外径測定が実施さ
れる。
【0013】
【実施例】この実施例による外径測定機は、被測定物W
として例えば金属線、ガラス管、光ファイバ等の外径を
インラインのプロセス上で測定するにあたって、常に安
定度の高い測定を実現するために可干渉性の低いレーザ
光源を備えている。
【0014】さらに説明すると、このレーザ光源は図1
に示す光源からのレーザ光によって形成される被測定物
のエッジ回折像の強度振幅変化Δがレーザ光に含まれる
ノイズレベル以下で発振している。そして、このレーザ
光源は安定化していない様々な波長の光を混合してマル
チモード発振し、光偏向器を介して被測定物にレーザ光
を出射して走査を行っている。
【0015】ここで、ノイズとしては、光源にHe−N
eレーザを用いた場合、誘導放出によらない光で、レー
ザ発振しきい値付近で大きな雑音源となる自然放出光ノ
イズ、モード間のビートにより発生するビートノイズ、
放電電流によるレーザ管の放電路内でのプラズマ振動に
基づく放電電流ノイズ、共振器の機械的振動によるノイ
ズ、共振器内の塵埃によるノイズ等が挙げられ、ノイズ
レベルは光強度で数%以下である。
【0016】次に、図2は本発明による外径測定機にお
いて、可干渉性の低いレーザ光源を用い、被測定物とし
て光ファイバを固定保持した状態で、外気温度を例えば
0度から40度の間で変化させながら外径測定を行った
場合の外径測定機の出力変化を示している。一方、図3
は図2の測定系において、光源として安定化していない
単一偏光レーザを用いた場合の外径測定機の出力変化を
示している。この図2から、光源の可干渉性を低くする
ことで、外気温度が変化しても測定値の変動は僅かしか
見られず、測定値に与える影響は極めて小さく、常に安
定した外径測定が可能となることが判る。
【0017】次に、図4は本発明による可干渉性の低い
レーザ光源を用い、光ファイバが固定された状態での光
ファイバの各位置に対する測長器のデータと測定データ
との関係を示している。単一偏光レーザ光源を用いた図
5と比較すると、単一偏光レーザ光源を用いた場合に
は、光ファイバの全長に渡って外径測定機による測定デ
ータと測長器によるデータとの間の偏差が一定していな
いのに対し、本発明による可干渉性の低いレーザ光源を
用いた場合では、外径測定機による測定データと測長器
のデータとの間の偏差が光ファイバの全長に渡って一定
である。
【0018】そして、上述した外径測定機による測定デ
ータと測長器によるデータとの間の偏差は、測長器によ
り測定された値を基準にして外径測定器を校正すること
により取除くことができる。したがって、図4の外径測
定機による測定データは測長器によるデータとほぼ同一
の値を示し、本発明のレーザ光源を用いれば、極めて誤
差の小さい状態で常に安定した外径測定を行うことがで
きることは明らかである。
【0019】ところで、上述した実施例では、光偏向器
として音叉振動子を使用した場合を図示して説明した
が、従来より用いられている回転ミラーを使用したもの
でも上述した実施例と同様の効果を得ることができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の外径測定
機によれば、被測定物のエッジの回折像の強度振幅変化
がノイズレベル以下でなる可干渉性の低いレーザ光源を
備えているので、常に安定度が高く誤差の少ない外径測
定をインラインのプロセス上で行うことができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による外径測定機のレーザ光源が出力す
るレーザ光によって形成される被測定物の回折像の強度
振幅変化を示す図
【図2】本発明による外径測定機において、可干渉性の
低いレーザ光源を用い、被測定物を固定保持した状態
で、外気温度を例えば0度から40度の間で変化させな
がら外径測定を行った場合の外径測定機の出力変化を示
す図
【図3】光源として安定化していない単一偏光レーザを
用い、光ファイバを固定保持した状態で、外気温度を例
えば0度から40度の間で変化させながら外径測定を行
った場合の外径測定機の出力変化を示す図
【図4】本発明による外径測定機において、可干渉性の
低いレーザ光源を用い、光ファイバが固定された状態で
の光ファイバの軸方向に沿う各位置に対する測長器のデ
ータと外径測定機による測定データとの関係を示す図
【図5】光源として安定化していない単一偏光レーザを
用い、光ファイバが固定された状態での光ファイバの軸
方向に沿う各位置に対する測長器のデータと外径測定機
による測定データとの関係を示す図
【図6】外径測定機の測定原理を説明するための構成図
【図7】横軸を時間軸として被測定物上を走査するレー
ザ光の位置と受光信号Q1との関係を示す図
【図8】従来の外径測定機の一構成例を示す図
【符号の説明】 1 光学系 2 信号処理系 3 レーザ光源 W 被測定物 S 走査ビームの位置座標 S0 走査ビームの振幅 ω0 走査ビームの角周波数 V 参照信号の電圧 V0 参照信号の振幅 d 被測定物の外径
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−302605(JP,A) 特開 昭62−69108(JP,A) 実開 昭60−7005(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光により被測定物を走査し、該走
    査によるレーザ光の遮蔽されるタイミングの検出に基づ
    いて前記被測定物の外径を測定する外径測定機におい
    て、前記被測定物のエッジの回折像の強度振幅変化が
    ーザ光のノイズレベル以下でなる可干渉性の低いレーザ
    光源を備えたことを特徴とする外径測定機。
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