JP2567420Y2 - ファイバーウイックを有するヒートパイプ - Google Patents

ファイバーウイックを有するヒートパイプ

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JP2567420Y2
JP2567420Y2 JP1991101422U JP10142291U JP2567420Y2 JP 2567420 Y2 JP2567420 Y2 JP 2567420Y2 JP 1991101422 U JP1991101422 U JP 1991101422U JP 10142291 U JP10142291 U JP 10142291U JP 2567420 Y2 JP2567420 Y2 JP 2567420Y2
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heat pipe
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heat
wick
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祐士 斎藤
昭太郎 吉田
正孝 望月
耕一 益子
伸一 杉原
雅彦 伊藤
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案はヒートパイプに関し、
特に線径の細いファイバーを素材としたウイックを有す
るヒートパイプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のようにヒートパイプは、脱気した
密閉管に水やフロンあるいはアルコールなどの目的とす
る温度範囲で蒸発および凝縮する流体を封入したもので
あり、その一端部を加熱するとともに他方の端部を冷却
することにより、封入した作動流体が蒸発して冷却側の
端部に流れた後に凝縮し、このような蒸発および凝縮を
伴う作動流体の循環流動によって熱を輸送する。また放
熱して凝縮した作動流体を蒸発部に還流させる必要があ
るので、一般的なヒートパイプでは、毛細管圧力を生じ
させるウイックを密閉管の内部に設けている。
【0003】このウイックとして、密閉管の内面に刻み
込んだ細溝や金属メッシュ、あるいは多孔質焼結体等が
知られている。これらはいずれも蒸発部でのメニスカス
の低下によって毛細管圧力を生じさせて作動液を凝縮部
から蒸発部に還流させるものであるが、実効毛細管半径
が充分には小さくならないので、得られる毛細管圧力が
低く、その結果、作動流体を還流させ得る距離が短く、
また溝ウイックや焼結体ウイックでは可撓性を得られな
いなどの不都合があった。
【0004】そこで本出願人は、カーボンファイバーを
ウイックに用いたヒートパイプを特公昭61−4139
8号によって提案した。これはカーボンファイバーを密
閉管の内部に、その軸線方向および螺旋方向に沿わせて
配置したものであり、カーボンファイバーが数μmない
し数十μmの径の極細線であることにより、実効毛細管
半径が小さくなって高い毛細管圧力を得ることができ、
したがって作動液の還流距離が長くなり、もしくは還流
高さが高くなるので、実質的な熱輸送距離を長くするこ
とができる。またこのようなヒートパイプでは、カーボ
ンファイバーに可撓性があり、かつ高強度であることに
より、可撓性のあるヒートパイプとすることができる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで毛細管圧力は
上述したように、実効毛細管半径が小さいほど高くなる
が、メニスカスの周辺部分での接触角にも関連して変化
する。そしてこの接触角は、液体とこれが接触する管壁
との所謂ぬれ性によって大きく影響を受け、ぬれ性に優
れているほど接触角が小さくなる。しかるに前述したカ
ーボンファイバーは実効毛細管半径を小さくすることが
できるが、水とのぬれ性が悪く、換言すれば撥水性があ
るので、水の接触角が大きくなる。したがって水を作動
流体としたヒートパイプにカーボンファイバーウイック
を使用した場合には、カーボンファイバーが極細線であ
ることの利点を生かしきれず、必ずしも毛細管圧力を充
分には高め得ない問題があった。
【0006】この考案は上記の事情を背景としてなされ
たもので、カーボンファイバーの特性を充分に生かして
高い毛細管圧力を得ることのできるヒートパイプを提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この考案は、上記の目的
を達成するために、脱気した密閉管に封入した作動流体
を、密閉管の蒸発部に与えた熱によって蒸発させるとと
もに、その蒸気を密閉管の凝縮部において放熱させて凝
縮させることにより熱輸送を行うヒートパイプにおい
て、前記密閉管の内部のうち前記蒸発部と凝縮部との間
に、多数本のカーボンファイバーを長手方向に揃えて集
合させてなるウイックが、その密閉管の内壁面に沿わせ
てかつ前記蒸発部と凝縮部とを結んだ状態で配設される
とともに、密閉管の内壁面に向けて押圧する押え具によ
って固定され、かつ各カーボンファイバーのうち少なく
とも前記蒸発部に位置する部分の外周面に酸化第二銅か
らなる被膜が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0008】
【作用】この考案のヒートパイプにおいては、放熱して
凝縮した作動流体はカーボンファイバーを複数本束ねて
なるウイックを介して蒸発部に還流する。そのカーボン
ファイバーは酸化第二銅からなる被膜を形成したもので
あって、作動流体とのぬれ性に優れている。したがって
前記ウイックにおいては、カーボンファイバーの線径が
細いことによって実効毛細管半径が小さくなり、かつ作
動流体とのぬれ性が優れていることによって作動流体の
接触角が小さくなるので、ウイックで生じる毛細管圧力
が高くなり、ひいては熱輸送の可能な距離が長く、また
作動流体を還流させ得る高さが高くなる。また、カーボ
ンファイバーは、多数本を長手方向に集合させた状態で
凝縮部と蒸発部とを結ぶ方向に配設されているから、ウ
イック内での液相作動流体の移動がスムースに行われ、
この点からも作動流体に対する還流能力が向上する。
【0009】
【実施例】つぎにこの考案の実施例を図面を参照して説
明する。図1ないし図3はこの考案の実施例を示す図で
あって、密閉管1の内部には真空脱気した後に、作動流
体として水が封入されており、その密閉管1の内面には
多数本のカーボンファイバー2を束ねてなるウイック3
が設けられている。このカーボンファイバー2は、線径
が数μmないし数十μm程度の細いものであって、その
外周面には、図1に拡大して模式的に示すように酸化第
二銅(Cu O)からなる被膜4が形成されている。この
カーボンファイバー2は密閉管1の内面に添わせてかつ
互いに密着して配置されるとともに、その内側に配置し
た螺旋状の押え具5により密閉管1の内面に向けて押え
つけられて固定されている。
【0010】上記のヒートパイプも従来一般のヒートパ
イプと同様に、その長手方向の一端部に熱を与えてここ
を蒸発部6とするとともに、他方の端部から熱を奪って
ここを凝縮部7とすることにより動作する。すなわち蒸
発部6においては、外部からの入熱によって作動流体が
蒸発し、その蒸気が凝縮部7に流れた後に放熱して凝縮
し、その結果、作動流体がその蒸発潜熱として熱を輸送
する。凝縮した作動流体はウイック3に浸透し、これに
対して蒸発部6においては、ウイック3の内周面側から
作動流体の蒸発が生じてメニスカスが低下するから、ウ
イック3では毛細管圧力によるポンプ作用が生じ、作動
液は凝縮部7から蒸発部6に還流する。
【0011】その場合、蒸発部6においては、ウイック
3を形成しているカーボンファイバー2の線径が極めて
細いことにより、各カーボンファイバー2同士の間にお
けるメニスカスでの実効毛細管半径が小さくなり、これ
に加え、各カーボンファイバー2の外周面には酸化第二
銅の被膜4が形成されて作動流体とのぬれ性が良好で、
作動流体の接触角が小さくなっているから、ウイック3
において発生する毛細管圧力が高くなる。したがって上
述したヒートパイプでは、作動液の還流距離が長い場合
であっても、作動液を蒸発部に対して充分に還流させる
ことができ、その結果、熱輸送距離の長いヒートパイプ
とすることができる。また発生する毛細管圧力が高いこ
とにより、作動流体を重力に抗してある程度高い位置ま
で上昇させることができるので、上述したヒートパイプ
は、高い位置から低い位置へ熱を輸送する所謂トップヒ
ートモードでの使用が可能になる。なお、長手方向に集
合させた多数本のカーボンファイバー2が、蒸発部6と
凝縮部7との間を結ぶ方向、すなわち、作動流体の還流
方向に沿って配設されているから、ウイック3内を移動
する作動流体に対する流動抵抗が小さく、この点からも
高い還流能力を得ることができる。
【0012】なお、この考案においては、カーボンフア
イバーを単に束ねて密閉管の内面に所謂縦添えしてもよ
いが、これに替えてカーボンファイバーを密閉管の内面
に螺旋状に添わせて配置してもよい。
【0013】またこの考案では、作動流体は水に限定さ
れず、フロンなどの他の凝縮性の流体であってもよい。
【0014】
【考案の効果】以上の説明から明らかなようにこの考案
のヒートパイプによれば、実効毛細管半径を小さくする
ことのできるカーボンファイバーの作動流体とのぬれ性
を改善して毛細管圧力を高くすることができるので、熱
輸送距離を長くし、また高低差の大きいトップヒートモ
ードでの熱輸送を行うことのできるヒートパイプを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例でウイックを形成するカー
ボンファイバーの拡大断面図である。
【図2】この考案の一実施例を示す一部破断した斜視図
である。
【図3】その断面図である。
【符号の説明】
1…密閉管、 2…カーボンファイバー、 3…ウイッ
ク、 4…被膜、 6…蒸発部、 7…凝縮部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 益子 耕一 東京都江東区木場一丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)考案者 杉原 伸一 東京都江東区木場一丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)考案者 伊藤 雅彦 東京都江東区木場一丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−280582(JP,A)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱気した密閉管に封入した作動流体を、
    密閉管の蒸発部に与えた熱によって蒸発させるととも
    に、その蒸気を密閉管の凝縮部において放熱させて凝縮
    させることにより熱輸送を行うヒートパイプにおいて、 前記密閉管の内部のうち前記蒸発部と凝縮部との間に、
    多数本のカーボンファイバーを長手方向に揃えて集合さ
    せてなるウイックが、その密閉管の内壁面に沿わせてか
    つ前記蒸発部と凝縮部とを結んだ状態で配設されるとと
    もに、密閉管の内壁面に向けて押圧する押え具によって
    固定され、かつ各カーボンファイバーのうち少なくとも
    前記蒸発部に位置する部分の外周面に酸化第二銅からな
    る被膜が形成されていることを特徴とするファイバーウ
    イックを有するヒートパイプ。
JP1991101422U 1991-11-13 1991-11-13 ファイバーウイックを有するヒートパイプ Expired - Lifetime JP2567420Y2 (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP5844843B2 (ja) * 2014-04-28 2016-01-20 株式会社フジクラ 扁平型ヒートパイプの製造方法
WO2019176948A1 (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 株式会社フジクラ 扁平型ヒートパイプ

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