JP2566123Y2 - 自動二輪車用ヒータ内蔵グリップ - Google Patents

自動二輪車用ヒータ内蔵グリップ

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JP2566123Y2
JP2566123Y2 JP1989051630U JP5163089U JP2566123Y2 JP 2566123 Y2 JP2566123 Y2 JP 2566123Y2 JP 1989051630 U JP1989051630 U JP 1989051630U JP 5163089 U JP5163089 U JP 5163089U JP 2566123 Y2 JP2566123 Y2 JP 2566123Y2
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heater
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一成 古井
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株式会社 小糸製作所
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はヒータ回路を構成するフレキシブルプリント
配線板(以下、これをFPCヒータという)を内蔵する原
動機付自転車または自動二輪車(以下、これらを自動二
輪車という)用のヒータ内蔵グリップに関する。
〔従来技術〕
FPCは、導箔パターンをベースフィルムとオーバーレ
イフィルムとで積層一体化した構造で、可撓性及び耐久
性に富むことから最近では自動二輪車用のグリップヒー
タ回路として注目されている。そしてゴム製又は合成樹
脂製のグリップ本体内にFPCヒータを内蔵した種々のFPC
ヒータ内蔵グリップの提案がなされている。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかし自動二輪車の右側のハンドルでは、スロットル
操作のためのスロットルパイプ(一般に合成樹脂製)が
金属製のハンドルパイプに回動自在に組み付けられてお
り、FPCヒータを内蔵するグリップ本体はこのスロット
ルパイプの嵌合一体化される。一方、左側のハンドルで
はスロットルパイプがなく、FPCヒータを内蔵するグリ
ップ本体が金属製のハンドルパイプに直接嵌合一体化さ
れている。このため左側のグリップでは断熱材として作
用するスロットルパイプがないため、右側のグリップに
比べて断熱性に劣り、グリップの保温性が右側のグリッ
プの比べて悪いという問題があった。また左右のグリッ
プ内のFPCヒータの発熱量を左側のグリップの望ましい
発熱量に一致させると右手側が熱すぎるという問題もあ
った。
本考案は前記従来技術の問題点に鑑みなされたもの
で、その目的は左右のハンドルにおけるグリップ本体の
放熱量の差を考慮してグリップ本体に内蔵されるFPCヒ
ータの発熱量に差を設けたFPCヒータ内蔵グリップを提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するために、本考案に係る自動二輪車
用ヒータ内蔵グリップにおいては、ハンドル右側ではハ
ンドルパイプに回動自在に組み付けられるスロットルパ
イプにグリップ本体が嵌合一体化され、一方ハンドル左
側ではハンドルパイプにグリップ本体が直接嵌合一体化
され、左右のグリップ本体内にはそれぞれフレキシブル
プリント配線板よりなる同一構造のヒータ回路が埋設さ
れた自動二輪車用ヒータ内蔵グリップにおいて、前記フ
レキシブルプリント配線板には発熱量の小さい第1のヒ
ータ回路と発熱量の大きい第2のヒータ回路とが一体に
形成されるとともに、グリップ本体の開口端外側面に一
体に形成されたフレキシブルプリント配線板側コネクタ
ーには前記第1のヒータ回路の接続端子および第2のヒ
ータ回路の接続端子が設けられており、右側のグリップ
本体では第1のヒータ回路側の接続端子に、一方左側の
グリップ本体では第2のヒータ回路側の接続端子に、電
源側コネクターの接続端子がそれぞれ接続され、 接続された前記両コネクターは、電源側コネクターか
ら延びる通電用リード線導出用のコード挿通孔が設けら
れ、グリップ本体の開口端部外周に組付けられたコネク
タ収容ボックス内に収納された構造で、 前記コネクタ収容ボックスは、 周方向中央部に前面の開口するコネクタ収容部および
このコネクタ収容部から半径方向外方に延びるコード挿
通用半円筒部が形成され、グリップ本体のコネクタ形成
側に組み付けられる略C字型の上枠と、 前記上枠の前面に係合してコネクタ収容部を閉塞しか
つコード挿通用半円筒部と協働してコード挿通孔を構成
するカバーが一体に形成され、グリップ本体のコネクタ
非形成側に組み付けられる略C字型のカバー付き下枠
と、 前記上枠と下枠の付き合わせ部に介装され、上枠と下
枠をグリップ本体の外周に緊締する締結ねじとから構成
し、 前記カバーには、コード挿通用半円筒部に係合するコ
ード押さえを形成するとともに、コード押さえの両側に
は、コード挿通用半円筒部の両側に形成された垂直延出
壁と上下方向にスライド係合し、下側程カバーに接近し
て延在するスライド傾斜面をもつフックを突設して、締
結ねじの締め付けに比例して、コード押さえのコード挿
通用半円筒部との係合量が増加するように構成したもの
である。
〔作用〕
左側のグリップ本体内のFPCヒータでは、右側のグリ
ップ本体内のFPCヒータに比べて発熱長が大きくされて
おり、右側グリップよりも断熱性、保温性が劣ることに
伴うグリップ本体の温度低下をFPCヒータの発熱量によ
って補う。
FPCヒータおよびFPCヒータ側コネクタの構造はハンド
ル左側と右側とで共通し、左右のグリップ本体に組み込
むFPCヒータおよびFPCヒータ側コネクター内に設ける接
触端子を共通化できる。
フレキシブル配線板側コネクターおよび電源側コネク
ターは、コネクター収容ボックス内に収容されて、保護
されている。またコネクター収容ボックスのコード挿通
孔から導出する通電用リード線は、コード挿通孔におい
て挟持されているため、通電用リード線に作用する外力
はコネクターまで伝達されない。
上枠を下枠のカバーに沿って下方にスライドさせるこ
とで、グリップ本体の外周に上枠と下枠を組付けるが、
上枠と下枠を組付ける際に、上枠側の垂直延出壁が下枠
のフックのスライド傾斜面に沿ってスライドし、これに
伴って、コード押さえとコード挿通用半円筒部で構成さ
れるコード挿通孔が狭められて通電用リード線が挟持さ
れる。さらに締結ねじの締結に伴って、コード押さえに
よる通電用リード線の押圧力、即ち、コード挿通用半円
筒部とコード押さえによる通電用リード線の挟持力が増
す。
また、上枠と下枠を組み付ける際に、通電用リード線
はコード挿通部に押されて下方に移動する。従って、通
電用リード線は、コネクター収容ボックスのコネクター
収容部内でわずかにたるんだ状態となっており、それだ
け通電用リード線を介してコネクターに伝達される力が
軽減される。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図〜第7図は自動二輪車における右手用のヒータ
内蔵グリップ、即ちスロットルグリップを示すもので、
第1図はスロットルグリップの斜視図、第2図はその分
解斜視図、第3図はコネクター収容ケースであるジャン
クションボックス構成部材の要部斜視図、第4図はジャ
ンクションボックス構成部材である上枠と下枠側カバー
との係合を説明する説明図、第5図はスロットルグリッ
プの縦断面図、第6図はその横断面図(第5図に示す線
VI−VIに沿う断面図)、第7図はスロットルグリップに
内蔵されるFPCヒータと電源側コネクターとを示す図、
第8図及び第9図は左手用のヒータ内蔵グリップを示す
もので、第8図は左手用グリップの縦断面図、第9図は
左手用グリップに内蔵されるFPCヒータと電源側コネク
ターとを示す図である。
第1図,第2図,第5図及び第6図において、符号11
はコルク入りのゴム製内筒体、符号12はコルクの入って
いないゴム製内筒体で、これらの内外筒体11,12間にFPC
ヒータ20が介装されて右手用のヒータ内蔵グリップ10が
構成されている。そしてこのヒータ内蔵グリップ10は合
成樹脂製のスロットルパイプ4の外周に嵌合一体化さ
れ、スロットルパイプ4はハンドルパイプ2に回動自在
に組付けられている。なお、第5図に示されるように、
符号5はハンドルパイプ2の外周にねじ締結により挟持
されて、ハンドルパイプ2に一体化されたスロットルパ
イプケーシングで、スロットルパイプ4のスロットルワ
イヤ連結部4aはこのケーシング5内に回動自在に収容さ
れている。また符号8はグリップ10に隣接して配置され
た化粧カバーである。一方、左手用のヒータ内蔵グリッ
プ10Aは、第8図に示されており、内外筒体11,12間にFP
Cヒータ20が介装され、スロットルパイプ4を介するこ
となく直接ハンドルパイプ2に嵌合一体化されている。
符号12bは化粧カバー8に嵌挿されたグリップ側係合突
起で、グリップ10Aとハンドルパイプ2を一体化するた
めのものである。
FPCヒータ20を構成するFPCの基本的構造は、銅箔パタ
ーンをベースフイルムとオーバーレイフイルムで挟み込
んだ従来公知の積層構造(図示せず)である。そして内
筒体11と外筒体12の間にFPCヒータ20を埋め込んでグリ
ップとして一体化する方法としては、半加硫状態の内筒
体11の外周にFPCヒータ20を巻装し、この内筒体11を覆
うようにして半加硫状態の外筒体12を形成し、硬化させ
てグリップとして一体化させる。このFPCヒータ内蔵グ
リップの製造方法については、実願昭62−150228号に詳
しく説明されており、その詳細な説明は省略する。
なお符号12aは、金型パーティングラインPLに沿って
形成されているバリ部である。外筒体12の成形の際に
は、第6図矢印に示す方向に外筒体構成ゴム材料が引っ
張られるが、グリップ内のFPCヒータ20はパーティング
ラインPLと交差しない位置に埋め込まれており、FPCヒ
ータ20には、このバリ部12aが形成されることに伴う引
張応力の影響が及ばず、FPCヒータ20に不測の応力が生
じないようになっている。即ち、FPCヒータ20がパーテ
ィングラインPLと交差するように埋め込まれている場合
には、バリ部12aが形成されることに伴って、第6図矢
印に示すような引張力が生じ、バリ部12a近傍のFPCヒー
タ領域がバリ部12a側に引っ張られて、この領域が浮き
上がったり、屈曲したりすることがあって、このためFP
Cヒータが断線するおそれがあるが、本実施例では、FPC
ヒータ20がパーティングラインPLと交差しないためこの
ような不具合がない。
またFPCヒータ20は、第7図及び第9図に示されるよ
うに、それぞれ銅箔スットリップが蛇行状に形成された
2つのヒータ回路20Aと20Bとが一体に形成された構造
で、ヒータ回路20Aのみから構成される第2のヒータ回
路である高発熱量回路と、ヒータ回路20Aと20Bとが直列
接続されて構成される第1のヒータ回路である低発熱量
回路とからなる。FPCヒータ20の一側縁部には導電路が
グリップ外に導出される電源接続用導出部21が形成され
ている。この導出部21は、銅箔が表面に露出する3個の
ランドR1、R2、R3と、それぞれのランドに突設された端
子T1〜T3とから構成され、端子T1〜T3は後述するヒータ
回路側コネクター50の一部を構成している。符号21a
(第5図参照)は端子T1〜T3をランドR1〜R3に固定する
ためのハンダ溶接部である。そしてこの導出部21に電源
であるバッテリ24から延びる通電用のリード線65が後述
する電源側コネクター60を介して接続されるようになっ
ている。そして端子T1,T3間に通電されると高発熱量回
路に電流が流れ、端子T1,T3間に通電されるとヒータ回
路20A,20Bが直列接続された低発熱量回路に電流が流れ
るようになっている。即ち、電源側コネクター60のFPC
ヒータ側端子T1〜T3との電気的接続態様によって発熱量
を大又は小とすることができる。なお符号22は通電用ス
イッチ、符号24はバッテリーである。そして高発熱量回
路と定発熱量回路の発熱量の差は断熱材として作用する
合成樹脂製のスロットルパイプ4の有無を考慮した大き
さとなっている。
即ち、右手用のグリップ10では、ハンドルパイプ2と
の間にスロットルパイプ4があるためそれだけ断熱性、
保温性がよい。一方左手用グリップ10Aは、第8図に示
されるようにハンドルパイプ2に直接嵌合されており、
右手用グリップ10に比べて断熱性、保温性が悪い。そこ
で右手用のグリップ10は低発熱量回路に通電され、左手
用のグリップ10Aは高発熱量回路に通電されるようにコ
ネクター接続されており、左手用グリップ側の保温性、
断熱性の悪さを、左手用グリップ側のFPCヒータの発熱
量を右手用グリップのFPCヒータの発熱量よりも高める
ことによって補い、このようにして左右のグリップ10,1
0Aの保温状態が略同一に保たれるようになっている。
ヒータ内蔵グリップ10のハンドル側の端部には、コネ
クター収容部である硬質プラスチック製のジャンクショ
ンボックス30が組み付けられて、グリップ10に一体化さ
れている。ジャンクションボックス30が組付けられるグ
リップ端部13は、第2図に示されるように、フランジ14
によりグリップ領域10aと分離されており、グリップ端
部下側面は円筒形で、端部上側面には段差のあるヒータ
回路側の突出コネクター50が一体に形成されている。突
出コネクター50は、第5図に示されるように、凹部52が
上方に開口する矩形状とされ、凹部52内には、FPCヒー
タ20側の端子T1〜T3が突出している。符号54は凹部52形
成壁外周面に突設されたフックで、電源側コネクター60
との係合を確保するためのものである。
一方、ヒータ側コネクター50に係合接続される電源側
コネクター60は、凹部52内に挿着可能な突出部62を有
し、この突出部62の先端には、ヒータ側端子T1〜T3をそ
れぞれ受け入れる3個の端子挿着口63(63a〜63c)(第
7図参照)が形成されている。そして端子挿着口63aと6
3cには、ヒータ側端子T1,T3をそれぞれ受け入れるター
ミナル端子64が収容されており、各ターミナル端子64に
は通電用リード線65が接続されている。しかし端子挿着
口63bにはターミナル端子64が収容されていない。従っ
て右手用のヒータ内蔵グリップ10のFPCヒータ20では、
ヒータ回路20Aと20Bが直列接続された低発熱量回路に通
電されてグリップ10を緩めるようになっている。
また左手用グリップでは、第9図に示されるように、
電源側コネクター60の端子挿着口63b,63cにヒータ側端
子T2,T1をそれぞれ受け入れるターミナル端子64が収容
されているが、端子挿着口63aにはターミナル端子64が
収容されていない。従って左手用のヒータ内蔵グリップ
10AのFPCヒータ20では、ヒータ回路20Aのみからなる高
発熱量回路に通電されてグリップ10Aを緩めるようにな
っている。なお符号61はヒータ側コネクター50の凹部52
形成壁外周と係合するフランジ部で、符号66は通電用リ
ード線65が挿通されたチューブである。そして、電源側
コネクター60のヒータ側コネクター50への着脱は、コネ
クターフランジ部61を摘んで、突出部62を第5図矢印方
向に凹部52内に挿し込み、あるいは逆方向に引き抜くこ
とにより、ワンタッチで簡単に行うことができる。
なおFPCヒータ20を構成する各ヒータ回路20A,20Bの各
銅箔ストリップは、グリップ軸方向(第7図左右方向)
に延在するような回路パターンに形成されている。その
ためグリップ円周方向(第7図上下方向)にFPCヒータ2
0を曲げ易く、ヒータ内蔵グリップの製造において、前
記した内筒体11の外周にFPCヒータ20を巻装する作業が
容易となっている。
またFPCヒータ20には、第7図に示されるように、周
方向端縁部には丸孔26が形成され、また軸線方向端部に
は周方向に適宜間隔をおいて複数個の長孔28が形成され
ており、これらの孔26、28を介して前記内筒体11と外筒
体12とが溶着されている。
また長孔28は周方向に長く形成されており、FPCヒー
タ20をグリップ内に埋設する際に、即ち、FPCヒータ20
を内筒体11の外周に巻装する場合に、FPCヒータ20の変
形や浮き上がなく、巻装作業がスムーズとなる。
ジャンクションボックス30は、第1図および第2図に
示されるように、半円形状の上枠32とカバー付下枠36と
から構成されている。
上枠32は断面U字形状とされて、コード挿通孔33に連
通するコネクター収容部32aが形成されている。このコ
ネクター収容部32aの底面にはグリップ端部13の付根部
上側面に係合する切欠部32bが形成されている。上枠32
の上端部には、コード挿通孔33に連なる上方への矩形状
突出部34が形成され、この突出部34のコネクター収容部
32aの底面に対向する壁面がコード挿通孔33に沿って延
出形成されている。そしてこの延出壁34aは、後述する
下枠36のカバー38に形成されているフック部材39と係合
して、コード挿通孔33内において挿通用リード線65をク
ランプするとともに、上枠32とカバー38とを嵌合締結す
るようになっている。また切欠部32bを取り囲む二股状
の脚部32dの下端部には、締結ねじ70螺合用のねじ孔32e
が形成されている。
一方、がバー付下枠36は、断面U字形状の下枠領域
に、平面形状のカバー38が一体化された構造で、グリッ
プ端部13下側面に組み付けられると同時に、カバー38が
上枠32のコネクター収容部32aを塞ぐようになってい
る。下枠36の凹部36aの底面には、グリップ端部13の下
側面側と係合する切欠部36bが形成され、この切欠部36b
はカバー38に形成された切欠部38bに連なっている。切
欠部38bはグリップ端部13の水平巾狭段部13aと係合す
る。また切欠部36b周縁部中央位置には尖頭突起37が突
出形成されている。この突起37は、ジャンクションボッ
クス30の一部である下枠36のグリップ端部への組み付け
時に、端部外周面に圧入し、グリップ10とジャンクショ
ンボックス30との一体化を確保するものである。即ち、
グリップ10とジャンクションボックス30とは、一対のコ
ーナ部13bと突起係合部13cとの三点においてグリップ周
方向に支持されており、突起37がない場合に比べてグリ
ップ側に作用する荷重は均一に分散され、従ってFPCヒ
ータ20に偏った応力が作用するという不具合がない。な
お符号36dは上枠脚部32dに対向する下枠脚部で、締結ネ
ジ70の挿通孔36eが形成されている。
カバー38は上枠32と略同様の外形とされ、上枠上方突
出部34に対応するカバー38の上方突出部領域38aの裏面
には、第3図に示されるように、上枠32のコード挿通孔
33にちょうど嵌る係合部39aと、コード挿通孔33近傍の
延出壁34aに係合する一対のフック部材39が突出形成さ
れている。フック部材39のカバー38側の側面は、カバー
38の壁面に対し、下方に行く程接近する方向に傾斜して
いる。このためこのフック部材39を上枠側の延出壁34a
に係合させて、カバー38と上枠32とを上下方向に接近す
る方向にスライドさせると、即ち、締結ねじ70によって
上枠32と下枠36とをねじ締結すると、締結量に比例して
上枠側の延出壁34aがフック部材39の傾斜面39bに沿って
下降し、これに伴ってコード挿通孔33と下枠のカバー側
係合部39a間が狭められて、チューブ66のクランプ力が
強められる。したがってチューブ66にジャンクションボ
ックス外方に引き出す方向の力が作用しても、コネクタ
ー60にはこの負荷が伝達されないようになっている。
次にジャンクションボックス30のグリップ端部13への
組み付け手順、および通電用リード線65とFPCヒータ20
との接続手順を説明する。
予めハンドルにカバー付下枠36を通した状態としてお
き、ハンドルにヒータ内蔵グリップを組み付ける。そし
てグリップ端部13に開口部が係合するようにカバー付下
枠36を組み付ける。次に電源側コネクター60をヒータ側
コネクター50に係合接続するとともに、下枠36をグリッ
プ端部13に組み付ける。さらに上枠側延出壁34aを下枠
カバーのフック部材39に係合させて、下枠のカバー38と
上枠32とを嵌合する。この状態で締結ネジ70によって上
枠32とカバー付下枠36とをグリップ端部13上下方向に狭
み付けるようにして締結し、ジャンクションボックス30
をグリップ端部13に取り付け固定する。このねじ締結に
伴って、上枠側の延出壁34aが下枠カバー側のフック部
材39の傾斜面39bに沿ってスライドし、コード挿通孔33
が狭めれるので、チューブ66はこのコード挿通孔位置に
おいてクランプされる。
また第7図及び第8図は左手用のヒータ内蔵グリップ
を示す図であるが、右手用のヒータ内蔵グリップと同一
部分については同一の符号を付してその重複した説明は
省略する。
このように本実施例では、右手用グリップ10のFPCヒ
ータよりも左手用グリップ10AのFPCのヒータの発熱量を
放熱量の差相当だけ大きくして、左右のグリップが略同
一の加温状態に維持されるようになっているので、ドラ
イバーの左右の手は略均一に緩められる。
また右手用グリップ10、左手用グリップ10Aに内蔵さ
れるFPCヒータ20は高発熱量回路と低発熱量回路とが一
体化された構造で、コネクター接続部を代えるだけで発
熱量を変えることができるので、左手用グリップと右手
用グリップとに同一構造のFPCヒータ20を使用すること
ができる。またヒータ側コネクター50は右手用、左手用
について同一構造で、電源側コネクター50のターミナル
端子64の収容位置のみを変えることによって区別できる
ので、量産性に優れ、またコネクターの接続時に左右間
違うこともない。
また通電用リード線65とFPCヒータの電源接続用導出
部21とが、ジャンクションボックス30内においてコネク
ター接続されているので、FPC20が風雨に晒されること
も、引っぱられて破損することもない。
またジャンクションボックス30は、上下の枠32,36を
ネジ締結して、グリップ端部13に組み付けた非常にコン
パクトなものであり、グリップ操作上邪魔になることは
ない。
また通電用リード線65を交換する際には、ネジ締結を
外して上枠32を上方に分離するだけで簡単に分解でき、
下枠36はハンドルに挿通状態なため、勝手に落下する不
具合もない。またコード交換には、グリップヒータをハ
ンドルから取り外すことなく、電源側コネクター60をヒ
ータ回路側コネクター50から引き抜いて新たなものと取
り替えるだけでよく、コード交換や点検、修理等に便利
である。
さらにグリップの回動操作時には、コードが外方に引
張られるが、この外力はまずコード挿通孔33のクランプ
部で確実に受け止められるので、FPCヒータ20側に外力
が伝達されず、FPCヒータ20が断線することはない。
〔考案の効果〕
以上の説明から明らかなように、本考案に係る自動二
輪車用ヒータ内蔵グリップにおいては、左側グリップ本
体内のFPCヒータでは、右側のグリップ本体内のFPCヒー
タに比べて発熱量が大きくされて、右側グリップよりも
断熱性、保温性の劣ることに伴うグリップ本体の温度低
下をFPCヒータの発熱量によって補うようになってい
る。しかして左右のグリップは略均一の加温状態とされ
ており、左手側のみが冷たいとか、右手側が熱すぎる等
という不具合が一掃される。
また、ハンドル左側用と右側用とでFPCヒータ等を共
通化したので、FPCヒータを左右で異ならしめた場合に
比べて、構成部品点数が減って、FPCヒータの組み付け
作業が簡単となるとともに、左側用と右側用とでFPCヒ
ータの組み付けを誤るおそれも一切ない。
また、通電用リード線とフレキシブルプリント配線板
とを接続するコネクターは、コネクタ収容ボックス内に
収容され、コネクタ収容ボックスから導出する通電用リ
ード線は、コード挿通孔において挟持されるとともに、
コネクタ収容ボックス内においてわずかに弛んだ状態に
収容されているため、コネクターに直接外力が作用しな
いことは勿論、通電用リード線を介してもコネクターに
外力が伝達されず、通電用リード線とコネクターとFPC
ヒータ間の接続部周辺の耐久性が保証される。
また、上枠を下枠のカバーに沿ってスライドさせて、
上枠と下枠をグリップ本体に組付け、締結ねじを締め付
けることで、グリップ本体にコネクター収容ボックスを
組付け一体化できるので、コネクター収容ボックスの装
着脱は容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例である右手用のヒータ内蔵グ
リップの斜視図、第2図はその分解斜視図、第3図はコ
ネクター収容部であるジャンクションボックスの一構成
部材の要部斜視図、第4図はジャンクションボックス構
成部材である上枠と下枠側カバーとの係合を説明する説
明図、第5図はスロットルグリップの縦断面図、第6図
はその横断面図、第7図はスロットルグリップに内蔵さ
れるFPCヒータと電源用コネクターとの接続部を示す平
面図、第8図は左手用のヒータ内蔵グリップの縦断面
図、第9図はそのFPCヒータと電源側コネクターとの接
続部を示す平面図である。 2…ハンドルパイプ、4…スロットルパイプ、10,10A…
ヒータ内蔵グリップ、11…内筒体、12…外筒体、20…FP
Cヒータ、20A,20B…ヒータ回路、21…FPCヒータの電源
接続用導出部、50…ヒータ回路側コネクター、60…電源
側コネクター、64…ターミナル端子、65…通電用リード
線、T1〜T3…端子。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハンドル右側ではハンドルパイプに回動自
    在に組み付けられるスロットルパイプにグリップ本体が
    嵌合一体化され、一方ハンドル左側ではハンドルパイプ
    にグリップ本体が直接嵌合一体化され、左右のグリップ
    本体内にはそれぞれフレキシブルプリント配線板よりな
    る同一構造のヒータ回路が埋設された自動二輪車用ヒー
    タ内蔵グリップにおいて、前記フレキシブルプリント配
    線板には発熱量の小さい第1のヒータ回路と発熱量の大
    きい第2のヒータ回路とが一体に形成されるとともに、
    グリップ本体の開口端外側面に一体に形成されたフレキ
    シブルプリント配線板側コネクターには前記第1のヒー
    タ回路の接続端子および第2のヒータ回路の接続端子が
    設けられており、右側のグリップ本体では第1のヒータ
    回路側の接続端子に、一方左側のグリップ本体では第2
    のヒータ回路側の接続端子に、電源側コネクターの接続
    端子がそれぞれ接続され、 接続された前記両コネクターは、電源側コネクターから
    延びる通電用リード線導出用のコード挿通孔が設けら
    れ、グリップ本体の開口端部外周に組付けられたコネク
    タ収容ボックス内に収納された構造で、 前記コネクタ収容ボックスは、 周方向中央部に前面の開口するコネクタ収容部およびこ
    のコネクタ収容部から半径方向外方に延びるコード挿通
    用半円筒部が形成され、グリップ本体のコネクタ形成側
    に組み付けられる略C字型の上枠と、 前記上枠の前面に係合してコネクタ収容部を閉塞しかつ
    コード挿通用半円筒部と協働してコード挿通孔を構成す
    るカバーが一体に形成され、グリップ本体のコネクタ非
    形成側に組み付けられる略C字型のカバー付き下枠と、 前記上枠と下枠の付き合わせ部に介装され、上枠と下枠
    をグリップ本体の外周に緊締する締結ねじとから構成さ
    れ、 前記カバーには、コード挿通用半円筒部に係合するコー
    ド押さえが形成されるとともに、コード押さえの両側に
    は、コード挿通用半円筒部の両側に形成された垂直延出
    壁と上下方向にスライド係合し、下側程カバーに接近し
    て延在するスライド傾斜面をもつフックが突設されて、
    締結ねじの締め付けに比例して、コード押さえのコード
    挿通用半円筒部との係合量が増加することを特徴とする
    自動二輪車用ヒータ内蔵グリップ。
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