JP2566030B2 - セラミック製タービンロータ - Google Patents
セラミック製タービンロータInfo
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- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
Description
するセラミック製タービンロータに関する。
ンロータは、従来耐熱性に優れた金属により構成されて
いたが、近年では耐熱性が優れると同時に軽量であるセ
ラミックが使用される場合がある。ところがセラミック
は、軽量であるためターボチャージャとしての回転応答
性の向上を達成できるものの、耐衝撃強度が低く脆いた
め、排出ガス中に含まれる、エンジン内で発生した金属
片や酸化スケールなどの異物が翼部に衝突することで、
亀裂が生じたり、破損に至る場合がある。
ルタービンロータのように、回転軸1と一体に設けた翼
部3の先端に、多孔質のアルミナやジルコニアなどのセ
ラミック材を、異物に対する緩衝被膜5として溶射によ
って形成したものがある(実願昭59−135168号参照)。
翼部先端に金属を含浸させた多孔質層を形成したもの
(特開昭63−29001号公報)、同金属被膜層を形成した
もの(特開昭62−603号公報)、タービンロータをセラ
ミック繊維を含むセラミック成形体とし、翼部先端の繊
維配向方向を翼部の放射方向として強度向上を図ったた
もの(特開昭61−291702号公報)、翼部先端を湾曲させ
て、異物に対する逃げ角を大きくしたもの(実開昭63−
92001号公報)などがある。
膜したものは、異物の衝突により被膜層自身が破壊され
ることで、衝突エネルギを吸収する構成であるため、異
物衝突による被膜の破片が2次的な異物となって翼部に
衝突したり、複数回の異物衝突により被膜が剥離、脱落
してしまい、緩衝効果の耐久性、信頼性が低いという問
題がある。
属被膜が剥離する虞があり、タービンロータとしての耐
久性が充分ではない。
射出成形時に抵抗が少いように翼部先端に向かって流れ
るセラミック繊維が、翼部の先端部位では放射方向と直
交する方向に配列するので、このままでは先端部位が脆
く、したがってこの先端部位を成形後研削除去するとい
う煩雑な作業が必要となる。
での異物に対する逃げ角が大きくなり、異物衝突による
衝撃力が緩和されるものの、異物は依然として衝撃強度
の低いセラミック材に衝突するので、亀裂などの発生は
避けられないものとなっている。
記従来の問題点を解消し、異物に対する耐衝撃強度を向
上させることを目的としている。
対して放射状に配置される複数の翼部を有し、この翼部
の燃焼ガス流入側の正圧面部を、正圧面部と反対側の負
圧面部より熱膨張係数の小さい材料で形成したものであ
る。
おける燃焼ガス流入側の正圧面部は、負圧面部に比べて
熱膨張量が少ないものとなる。このため、正圧面部には
内部応力として引張応力が作用し、一方負圧面部には内
部応力として圧縮応力が作用する。内部応力として圧縮
応力が作用した場合には、引張応力が作用した場合に比
べて異物衝突による耐衝撃強度が向上する。異物は通常
燃焼ガス流入側の正圧面部と反対側の負圧面部に衝突す
るので、この負圧面部が強化されることで翼部の亀裂、
破損が防止される。
き説明する。
いる。第2図は自動車用エンジンのターボチャージャに
おけるセラミック製タービンロータ7周辺の断面図であ
る。タービンロータ7は回転軸としてのロータ軸9と翼
部11とが一体成形されたもので、タービンハウジング13
内に収納される。タービンハウジング13により、エンジ
ンから排出される燃焼ガスの通路となるスクロール部15
が形成される。スクロール部15を燃焼ガスが第2図中で
紙面表側から裏側に向けて通過することで、タービンロ
ータ7は第1図中で右方向に回転する。タービンロータ
7の背面側(第2図中で右側)には、高温の燃焼ガスを
遮断するヒートインシュレータ17が設けられている。
して燃焼ガスを導入するインデューサ部19において、燃
焼ガス圧を直接受ける燃焼ガス流入側の正圧面部19a
に、タービンロータ7を構成する材料の熱膨張係数β7
より小さい熱膨張係数β21を有するチップ材21を一体化
して設けてある。これにより、燃焼ガス流入側の正圧面
部19aは、正圧面部19aと反対側の負圧面部19bより熱膨
張係数の小さい材料で形成されることになる。チップ材
21は薄板状に形成され、その厚さはインデューサ部19に
おける翼部11の厚さのほぼ半分である。
のようにして行う。タービンロータ7本体及びチップ材
21について、それぞれのセラミック原料に熱可塑性樹脂
などを添加して放出成形機にて成形し、これら成形体を
脱脂炉中に入れて樹脂抜きを行い、その後両者相互をコ
ールド静水圧プレスで一体化する。一体化した成形体
は、焼結後仕上げ加工を行う。また、タービンロータ7
本体を焼結後、チップ材21をプラズマコーティングによ
り一体化してもよい。
は、インデューサ部19の正圧面部19aと負圧面部19bとの
間には熱膨張差があるために、高温作動領域にてインデ
ューサ部19には正圧面部19aと負圧面部19bとが相互に引
張り合って熱応力が内部応力として作用する。すなわ
ち、熱膨張係数の小さい正圧面部19a側には引張応力
が、熱膨張係数の大きい負圧面部19b側には圧縮応力が
それぞれ作用する。
度は、第3図に示すように、引張応力が作用するよりも
圧縮応力が作用するほうが高いものとなる。これによ
り、燃料ガス中に含まれる金属片や酸化スケールなどの
異物mが衝突する側の負圧面部19bの耐衝撃強度が高く
なり、異物mが翼部11に衝突することによる亀裂及び破
損が防止される。
ップ材21には引張応力が作用することから、両者の熱膨
張係数の差Δβ=β7−β21を、あまり大きく取り過ぎ
ると、チップ材21が内部応力で破損する恐れがある。こ
のため熱膨張係数の差Δβは、タービンロータ7の作動
温度T,両者のヤング率E及び材料強度σなどを勘案して
決定する必要がある。通常タービンロータ7は窒化珪
素,サイアロン,炭化珪素などで作られるため、E=2.
6〜4.5×104[kg/mm2]、σ=40〜100[kg/mm2]程度で
あるから、T=800〜1400[℃]とすると、Δβ≦0.5×
10-6[1/℃]程度が望ましい。
実施例は、インデューサ部19の負圧面部19b側に、ター
ビンロータ7本体の熱膨張係数β7より大きい熱膨張係
数β23を有するチップ材23を、前記第1の実施例におけ
るチップ材19と同様に一体化したものである。これによ
り、燃焼ガス流入側の正圧面部19aは、正圧面部19aと反
対側の負圧面部19bより熱膨張係数の小さい材料で形成
されることになる。チップ材23は薄板状に形成され、そ
の厚さはインデューサ部19における翼部11の厚さのほぼ
半分である。
部応力として圧縮応力が作用するため、異物mによる耐
衝撃強度が向上し、翼部11の亀裂及び破損が防止され
る。
したが、軸流タービンにこの発明を適用しても同様の効
果が得られる。
焼ガス流入側の正圧面部を、正圧面部と反対側の負圧面
部より熱膨張係数の小さい材料で形成したため、燃焼ガ
ス中の異物が衝突する熱膨張係数の大きい材料からなる
負圧面部には、高温時にて内部応力として圧縮応力が作
用することになり、この圧縮応力が作用する負圧面部の
耐衝撃強度が向上し、翼部の亀裂及び破損を防止するこ
とができる。
線断面図、第2図はタービンロータ回りの断面図、第3
図は内部応力が作用している状態での耐粒子衝突強度を
示すグラフ、第4図はこの発明の第2の実施例を示す断
面図、第5図は従来例によるタービンロータの一部を示
す斜視図である。 7……タービンロータ 9……ロータ軸(回転軸) 11……翼部 19a……正圧面部 19b……負圧面部 21、23……チップ材 m……異物
Claims (1)
- 【請求項1】回転軸に対して放射状に配置される複数の
翼部を有し、この翼部に対して燃焼ガスが導入されて回
転するセラミック製タービンロータにおいて、前記翼部
の燃焼ガス流入側の正圧面部を、正圧面部と反対側の負
圧面部より熱膨張係数の小さい材料で形成したことを特
徴とするセラミック製タービンロータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2024383A JP2566030B2 (ja) | 1990-02-05 | 1990-02-05 | セラミック製タービンロータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2024383A JP2566030B2 (ja) | 1990-02-05 | 1990-02-05 | セラミック製タービンロータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03229903A JPH03229903A (ja) | 1991-10-11 |
JP2566030B2 true JP2566030B2 (ja) | 1996-12-25 |
Family
ID=12136662
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2024383A Expired - Fee Related JP2566030B2 (ja) | 1990-02-05 | 1990-02-05 | セラミック製タービンロータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2566030B2 (ja) |
-
1990
- 1990-02-05 JP JP2024383A patent/JP2566030B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03229903A (ja) | 1991-10-11 |
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