JP2565887B2 - カラ−受像管装置 - Google Patents

カラ−受像管装置

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JP2565887B2 JP62048735A JP4873587A JP2565887B2 JP 2565887 B2 JP2565887 B2 JP 2565887B2 JP 62048735 A JP62048735 A JP 62048735A JP 4873587 A JP4873587 A JP 4873587A JP 2565887 B2 JP2565887 B2 JP 2565887B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明はシャドウ・マスク型カラー受像管装置に係わ
り、特に複数の電子銃部から放射させる電子ビームで蛍
光面を小表示領域に分割して偏向走査するカラー受像管
装置の構造に関するものである。
(従来の技術) 現在、民生用カラーテレビ受像器用として大形で高解
像度の画像を再生できる唯一のデバイスであるカラー受
像管の開発が盛んに行われ、同時に、再生画像の大形化
に伴い、元来ブラウン管の構造面での欠点であった奥行
き方向の全長の増大が特に問題にされる様になった。一
方、全長の短縮化を試みたブラウン管は古くから数々の
方式が考案、試作されており、現在も尚盛んに開発が進
められている。しかし、大形で解像度、輝度等の再生画
像品位が従来のブラウン管品位と同程度若しくはこれ以
上である様な短全長(扁平)なブラウン管は未だ実現さ
れていない。
ブラウン管の扁平化を試みた例としては実開昭59−14
4749号公報に提案されている陰極線管或いは実開昭60−
102864号公報に提案されている扁平型カラー陰極線管の
様に電子銃を蛍光面の面方向にほぼ延長する位置に設け
ることで蛍光面と垂直方向の全長を短縮する方式がある
が、これらの方式では通常のブラウン管では本来何ら構
造物の無い位置に電子銃を配置することになるので、こ
の電子銃の配置された方向の全長が大幅に増大し、使用
用途は大きく制約を受け、民生用カラーテレビ用として
は実用上問題がある。また、この方式では蛍光面に対し
て電子ビームが常に斜めに入射するので、蛍光面での電
子ビームのスポット形状が幾何学的に長伸化し、高解度
化を実現する為に電子ビームスポットを縮小化する際に
は極めて不利となる。また扁平位置によって偏向ヨーク
から蛍光面までの距離が大きくなるので、電子銃を設計
する際、その電子光学的倍率の設定が困難となると共に
蛍光面のラスター歪(台形歪)を補正する為の偏向ヨー
クの設計、駆動回路の設計も極めて困難なものとなる。
上述した問題を解決する方式として特開昭61−256551
号公報に提案されているカラー受像管では通常のカラー
受像管の様に蛍光面と略垂直な位置に電子銃を配置し、
更にこの電子銃を複数個並列配置し、蛍光面上の表示画
像を複数の小表示領域に分割して表示することで、小形
のカラー受像管と同等の高解像度、高輝度の画像を得る
と共に大形のカラー受像管においても小形の受像管並の
全長に抑え、扁平化を実現するものである。しかし、こ
の方式では小形のカラー受像管以上の扁平化を望むこと
は極めて困難であると共に、電子銃を内在するネックが
複数個あることによる真空外囲器形状(構造)の複雑化
は避け難い。また、この方式により扁平化を実現する為
に極めて多数のネックを設けることは実用上問題であ
る。
上述した方式の欠点は偏向ヨークを真空外囲器外に装
着することによる弊害であるので、その観点から判断す
ると、特開昭59−146137号公報に提案されている平板型
画像表示装置が前記決点を解決する方式と考えられる。
この方式は蛍光面上の全体画像を水平方向に、320分割
垂直方向に15分割し、全体として4800の分割合成画像と
して表示される。またこの方式では線順次方式による駆
動と偏向走査による駆動(アドレッシング)を同時に行
い、電子源には線陰極が用いられている。線陰極はヒー
ター電力を軽減する為には望ましい手段であり、小形の
蛍光表示管等では一般的に用いられている有効な手段で
あるが、大形のカラー受像管に適用するには線陰極の振
動によるたわみを防ぎ且つフィラメントの発熱量が外部
材に漏れない様に固定するのが極めて困難となる。また
線陰極から大形画像を十分な輝度で表示するだけの電流
のエミッションを得ることも困難である。またこの方式
におけるカラー切換は1本電子ビームを微小偏向するこ
とで所定の色の蛍光体を発生させる、いわゆるクロマト
ロン方式と類似した方法が用いられている為、蛍光面上
での電子ビームスポット径を極めて小さくし、所定の色
以外の蛍光体を発光させない様にする必要がある。また
カラー切換の為の微小偏向も極めて精度良く行う必要が
あり、特に大形の場合この条件を満足する様に設計或い
は製造することは実用上困難である。またこの方式は全
体の画像を極めて多くの小領域に分割して動作させるの
で、例えば隣接する偏向電極間の距離は殆んどなく、偏
向電極に支持材或いは補強材を挿入することは極めて困
難である。
(発明が解決しようとする問題点) 上述した様に現在提案されている数々の方式のカラー
受像管装置において十分な扁平化が可能で高輝度、高解
像度の画像を再生できるものは少なく、ある程度の画像
品位を得られても、製造が極めて困難なものが殆んどあ
る。また再生画像の大形化にも対応できる方式は全くな
い。そこで本発明は以下の事項を満足することを目的と
するものである。
画像の大形化にも対応できる。
製造が容易である。
高輝度、高解像度表示が可能である。
十分な扁平化が可能である。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 本発明は、真空外囲器とこの外囲器内に配設される蛍
光面およびこの蛍光面に電子ビームを照射する電子銃部
と、該電子ビームの入射角に応じて前記蛍光面に配設さ
れた所定の蛍光体を選択発光せしめるシャドウ・マスク
と、前記電子ビームが前記蛍光面の所定表示領域に射突
するよう電子ビームをその照射方向に対して水平方向お
よび垂直方向に偏向する偏向装置を備えたカラー受像管
装置を対象とするものである。
前記真空外囲器は略平坦で映像を表示する前面パネル
と、この前面パネルと略平行に離間した略平坦な後面パ
ネルを有する。前記電子銃は前記蛍光面に対向して電子
ビームを発生制御、加速、集束する複数の電極を持つ複
数の小電子銃部に分離して配置され、該複数の小電子銃
部はそれぞれ実質的に複数本の電子ビームを放射する。
前記蛍光面には複数種の蛍光体を1グループとした蛍光
体が連続して被着され前記小電子銃部に1対1に対応し
て実質的に複数の小表示領域に分割されている。この複
数の小表示領域の総数は50〜300の個の範囲内にあり、
前記シャドウ・マスクは前記複数の小電子銃部に1対1
に対応して前記複数の小表示領域の総数と同数の小有効
領域に分割された色選択電極である。各小有効領域には
所定のピッチで多数のビーム通過孔を有しており、且つ
隣接する小有効領域間には電子ビームを通過させない非
有効領域が配置され、前記非有効領域は開口を有しない
か前記小有効領域内にあるビーム通過孔ピッチより大き
いピッチの開口を有している。前記偏向装置は前記シャ
ドウ・マスクと前記電子銃部間に配置された一対の電極
板であり、この電極板は小電子銃部に対応して水平方向
に複数列、垂直方向に複数行配置され、前記小電子銃部
からの照射電子ビームを静電的に偏向する電場を発生す
るため電子ビーム軌道を挟むように外囲器内に対向配置
されている。前記一対の電極板の対向間隔は電子銃部か
ら遠ざかるにつれて拡がっている形状をなす。
(作 用) 上述した手段により、真空外囲器の形状は極めて単純
なものにすることができ、外囲器の成形性が大幅に向上
し製造も極めて容易になる。また全体画像を複数の小領
域に分割して偏向走査を行うことで再生画像品位は小形
のカラー受像管と同等の高品位に保つことができると同
時に扁平化も実現できる。またシャドウ・マスクによる
色選択を行うことで電子ビームのスポット形状により色
ズレ等を起こすことなく、最も単純な構造で安定して色
選択を行うことができる。また一本の電子ビームを複数
段階に小偏向し、実質的に3本の電子ビームとすること
で小電子銃部の構造が大幅に簡易化でき、横型スリーブ
の陰極ヒータを用いることでヒーター電力を低減でき
る。
また蛍光面とシャドウ・マスク間に後段加速空間を形
成することで偏向装置の偏向感度を向上させることがで
き、同時、再生画像の輝度も向上できる。また偏向装置
として静電偏向板を用いることで内部構造物を簡単化で
きると共に組立ての作業性が向上する。偏向板の形状を
蛍光面側に開した形状にすることで偏向感度を向上させ
ることができる。
(実施例) 以下、本発明を実施例により詳細に説明する。第1図
は本発明のカラー受像管装置の要部構成図であり、第2
図は第1図の水平方向の断面図(一部電子ビーム軌道を
含む)である。
このカラー受像管装置(1)は後方から前方に向って
順に真空外囲器(2)を形成する後面パネル(3)、陰
極・ヒーターユニット(4)、第1格子(5)、第2格
子(6)、補助偏向装置(7)、垂直偏向装置(8)、
水平偏向装置(9)、シャドウ・マスク(10)、蛍光面
(11)、前面パネル(12)とから構成されている。
陰極・ヒーターユニット(4)は一本の電子ビームを
発生させる為の1個の酸化物陰極と、この陰極を加熱す
る為のヒーターを有している。第1格子(5)及び第2
格子(6)は前記陰極・ヒーターユニット(4)と同数
の電子ビーム通過孔を有する平板状電極であり、第1格
子(5)の板厚が0.25mm、穴径が0.6mm、第2格子
(6)の板厚が0.5mm、穴径が1.0mmである。補助偏向装
置(7)はそれぞれ対向する2枚の電極板から成り、水
平方向に約34mmピッチで12列並列配設されており、対向
間隔は約2mm、電子ビームの進行方向の電極板の長さは5
mmである。偏向装置は垂直方向の偏向を行う垂直偏向装
置(8)と水平偏向装置(9)とから構成されており、
垂直偏向装置(8)はそれぞれ2枚の電極板から成り垂
直方向に約34mmピッチで9行並列配設されており、電子
ビームの軌道を挟む様に蛍光面(11)側に開いた形状を
成し、ヒーター・カソードユニット(4)に最も近く、
電極間隔が狭い部分が1mm、蛍光面(11)に最も近く電
極間隔が広い部分が約20mmであり、電子ビームの進行方
向の電極板の長さは19mmであり、水平偏向装置(9)は
それぞれ2枚の電極板から成り水平偏向に約34mmピッチ
で12列並列配設されており、電子ビームの軌道を挟む様
に蛍光面(11)側に開いた形状を成し、ヒーター・カソ
ードユニット(4)に最も近く、電極間隔が狭い部分が
2mm、蛍光面(11)に最も近く電極間隔が広い部分が約2
0mmであり、電子ビームの進行方向の電極板の長さは19m
mである。
本実施例において電子銃部は垂直方向に9個、水平方
向に12個の小電子銃部に分割されて配置されており、こ
の小電子銃部はそれぞれ前記陰極・ヒーターユニット
(4)と第1格子(5)、第2格子(6)とから構成さ
れている。
第3図はシャドウ・マスク(10)の構造を示す平面図
である。シャドウ・マスク(10)は前記蛍光面(11)に
約10mmの間隔で対設され、所定のピッチで多数のアパー
チャ(ビーム通過孔)(13)を有している色選択電極で
あり、このシャドウ・マスク(10)は第3図の様に小電
子銃部から放射される電子ビームに対して色選択電極と
して働く小有効領域(14)と電子ビームが放射されるこ
となく色選択電極として働かない非有効領域(15)に分
けられ、この非有効領域(15)には電子ビームを通過さ
せるアパーチャ(13)が設けられていない。蛍光面(1
1)は(水平方向の大きさが406.4mmで垂直方向の大きさ
が304.8mmであり)赤、緑、青3本の蛍光体ストライプ
を1グループとし、メタルバックされた多数の蛍光体か
ら構成されており、前記小電子銃部に1対1に対応して
実質的に垂直方向に9個、水平方向に12個の(一辺の長
さが33.9mmの正方形)小表示領域に分割されており、小
表示領域の総数は108である(分割数108個)。
以下本発明の実施例の動作原理について説明する。陰
極・ヒーターユニット(4)のヒーターにより加熱され
た酸化物陰極から放出された1本の電子ビーム(16)は
陰極に印加される電位により制御され、略0ボルトの電
位に保たれた第1格子(5)の開孔を通過する。更に略
500ボルトの電位に保たれた第2格子(6)の開孔を通
過し、この際に加速、集束される。第2格子(6)を通
過した電子ビーム(16)は補助偏向装置(7)に入射
し、ここで赤、緑、青の所定の蛍光体を発光させるた
め、シャドウ・マスク(10)に電子ビーム(16)が所定
の角度で入射する様に3段階に小偏向され、補助偏向装
置(7)を通過後は実質的に3本の電子ビーム(16−
R),(16−G),(16−B)となる。補助偏向装置
(7)を通過した電子ビーム(16)は垂直偏向装置
(8)に入射し、蛍光面(11)の所定の小表示領域分だ
け垂直偏向させる。更に垂直偏向装置(8)を通過後の
電子ビーム(16)は水平偏向装置(9)に入射し、蛍光
面(11)の所定の小表示領域分だけ水平偏向される。
水平偏向装置(9)を通過した実質的に3本の電子ビ
ーム(16−R),(16−G),(16−B)は略1キロボ
ルトの電位に保たれたシャドウ・マスク(10)のアパー
チャ(13)を通過し、この通過時に3本の電子ビーム
(16−R),(16−G),(16−B)の入射角に応じ
て、3色の所定の蛍光体を衝撃発光すべく、色選択が行
われる。シャドウ・マスク(10)を通過後の電子ビーム
(16)は略5キロボルトの電位に保たれた蛍光面(11)
と略1キロボルトの電位に保たれたシャドウ・マスク
(10)の空間で後段加速され、蛍光面に到達するまでに
相当量の運動エネルギーを得、衝撃時には極めて明るく
蛍光体を発光させる。また、電子ビーム(16)がこの後
段加速空間を通過する時、偏向装置(8),(9)の偏
向量が大きい程、電子ビーム(16)を蛍光面(11)上の
小表示領域の中心方向に向う力をより強く受ける。この
為蛍光面(11)上での偏向量は偏向装置(8),(9)
での実際の偏向量、即ち、シャドウ・マスク(10)上で
の偏向量より小さくなる。この為本実施例では蛍光面
(11)上の小表示領域と偏向装置(8),(9)での偏
向によって発生するラスターの大きさを完全に一致する
様に垂直及び水平の偏向量を設定している。本実施例の
シャドウ・マスク(10)には実際の動作時に電子ビーム
が放射されず色選択電極として不要な部分にはアパーチ
ャ(ビーム通過孔)(13)が設けられていない。この為
蛍光面(11)上の隣接する小表示領域間でラスターが重
複し、蛍光面(11)上にこの重複部分が輝度の高い線と
して現われるのを防止できる。またシャドウ・マスク
(10)にアパーチャ(13)を有しない部分(15)を設け
ることでシャドウマスク曲率を成形する為のプレス成形
性も向上する。更にこの非有効領域(5)に補助用部材
を配設することでシャドウ・マスク(10)の機械的強度
を高められると共にシャドウ・マスクの曲率成形精度を
向上させることができる。
本発明では第2図の如く補助偏向装置(7)で複数段
階の小偏向を行い、小偏向を受けない時を含めると偏向
装置(8),(9)に入射する時には実質的に3本の電
子ビーム(16−R),(16−G),(16−B)が存在す
ることと同等となる。これら実質的に3本の電子ビーム
はそれぞれ所定の角度でシャドウ・マスク(10)に入射
するため選択され、入射角度に応じた位置に設けられた
蛍光面(11)上の蛍光体を衝撃し、これを発光させる。
このら実質的に3本の電子ビームは偏向装置(8),
(9)により蛍光面(11)上の所定の小領域に偏向走査
される。このとき、偏向装置(8),(9)に入射前の
実質的に3本の電子ビームの間隔Sgは補助偏向装置
(7)による小偏向の程度によって決定され、従って任
意に小さくすることができる。実際には3本の電子ビー
ムの間隔Sgを小さくしすぎるとシャドウ・マスク方式の
カラー受像管の基本原理からシャドウ・マスク(10)と
蛍光面(11)間の距離qを極めて大きくしなければなら
ないので実用範囲において間隔Sgは決定される。また偏
向装置(8),(9)に入射前の電子ビーム間隔Sgが小
さいと水平偏向装置(9)を構成する2枚の電極板の間
隔を狭く設定することが可能となり、水平偏向装置
(9)における偏向感度を向上させることができ、更に
蛍光面(11)における実質的に3本の電子ビームのコン
バーゼンスのズレを小さくする効果もある。第2図にお
いて本実施例のカラー受像管では偏向走査時のある微小
時間において3段階に小偏向された実質的に3本の電子
ビーム(16−R),(16−G),(16−B)は蛍光面
(11)上においてかなり離れた位置に到達しておりこれ
では、3本の電子銃を有する従来管において特に、水平
方向のコンバーゼンスが著しくずれたものと同じであ
り、実用に耐えない。また、1水平偏向期間中にシャド
ウ・マスク(10)のアパーチャ(13)に応じて次々に小
偏向を行ない、色切換を行なうことは小偏向用切換周波
数が大きくなりすぎて実用上問題である。そこで本実施
例では補助偏向装置(7)での小偏向の周期と1水平偏
向走査周期を実質的に同一とし、小偏向用周波数が大き
くなりすぎることを防止している。これにより本実施例
では水平偏向の周波数を通常のカラー受像管の実質的に
3倍に設定し、赤、緑、青の映像信号を一時記憶装置に
記憶させ、赤、緑、青の映像信号を順次、電子銃部に印
加し、電子ビームの制御を行い、カラー画像の再生を行
っている。また、前述した様に実質的に3本の電子ビー
ム(16)が蛍光面(11)上において水平方向にかなり離
れた位置に到達するといった本実施例特有の水平方向の
コンバーゼンスずれに対しては各映像信号を電子銃に印
加する際に、各色映像信号毎に所定の時間差をもって周
期される様遅延装置を設ければ、水平方向のコンバーゼ
ンスずれをなくすことができる。
第4図は本実施例で用いた陰極・ヒーターユニット
(4)の構成図である。陰極・ヒーターユニット(4)
はフィラメントヒーター(17)を内在するカソードスリ
ーブ(18)とカソードスリーブ上に塗布された酸化物陰
極材料(19)とカソードスリーブを支持固定するカソー
ドベース(20)とヒーターに連結されているヒーターサ
ポート(21)から構成されている。ヒーターサポート
(21)よりフィラメントヒーター(17)に流れる電流に
より加熱されたカソードスリーブ(18)はカソードスリ
ーブ上に塗布された酸化物陰極材料(19)を加熱しカソ
ードスリーブ(18)の電位により制御され熱電子を放出
する。
本実施例の陰極・ヒーターユニット(4)はカソード
スリーブ(18)を横型のスリーブとすることで、カソー
ドの全長を短縮し更にカソードスリーブ(18)の中央部
近傍に陰極を設けることでヒーターの熱効率を高めヒー
ター電力の大幅削減を実現するものである。
従って、本陰極・ヒーターユニット(4)の横幅は約
5mm必要であり、従来の縦型スリードの横幅に比べて約
2倍であるが全長は約1/2に短縮することができる特徴
をもつ。またこのカソードヒーターユニットを3本の電
子銃を一体化構成した通常のカラー受像管の電子銃を用
いた場合、隣接するヒーター間の距離が著しく狭くなる
ので実用上問題となる。しかし、本発明においては一本
の電子ビームを用いてカラー表示を行うのでカソードヒ
ーターユニットの横幅の増大は構造上の障害とはならな
い。
本実施例のヒーター・カソードユニット(4)は従来
のカソード1個当りの消費電力が0.63ワットに対して0.
32ワットであり約1/2の消費電力である。
第5図は特開昭61−256551号公報のカラー受像管と本
発明のカラー受像管のヒーター電力を比較した図であ
る。特開昭61−256551号公報のカラー受像管装置は通常
のカラー受像管装置の様に蛍光面と略垂直な位置に電子
銃を配置しこの電子銃を内在するネックの外側近傍に偏
向ヨークを装着したものであり、この電子銃には3本の
電子ビームを放射する3個のカソード及びヒーターを有
している。
第4図から明らかな様に特開昭61−256551号公報の様
に3個の従来のタイプのヒーターカソードを用いた場合
は本実施例の場合と比べて、分割数に対するヒーターの
消費電力の増加が著しく大きく、全体の表示画像をより
多くの小表示領域に小分割する場合、本実施例の方が明
らかに有利となる。
一般にヒーターを加熱する為の電流は電圧が略5〜8
ボルトの交流が加えられており通常のカラー受像管の場
合、その電流は0.3A程度であり、ヒーターの消費電力は
2ワット程度である。一方、ヒーターに流せる最大電流
は、この電流を供給できる電源の容量に関係するが、6
ボルト程度の交流をヒーターに印加した場合、その電流
は17A程度が実用範囲内の最大電流とされている。即ち
ヒーターの消費電力は100ワット以下にする必要があ
り、本発明においてもヒーターの総消費電力を100ワッ
ト以下になる様に全体の表示画像の最大分割数を選ばな
ければならない。従って本発明の場合第5図より分割数
が略300分割以下の時にこの条件を満足する。また特開
昭61−256551号公報のカラー受像管では分割数が略50以
下の時に、この条件を満足する。
また、本発明においてその分割数を極めて小さい数
(例えば50以下)に設定すると、カラー受像管の奥行き
方向の全長があまり短縮されないので実用範囲内で分割
数の下限を設定する必要がある。
また、ヒーターの消費電力が100ワットの時の特開昭6
1−256551号公報のカラー受像管装置(分割数が略50と
した場合)と本実施例で分割数が略50の場合を比較する
と、本実施例の様に蛍光面の所定の大きさの偏向を行う
為に垂直及び水平偏向別に静電偏向を行う方式は一般に
特開昭61−256551号公報で用いられている様な偏向ヨー
クによる電磁偏向に比べて容易ではない。例えば電磁偏
向の場合、本実施例の様に低速電子ビーム(加速電圧が
10KV以下)を偏向するのは偏向手段(偏向ヨーク)の構
造或いは駆動回路の面からも簡単で90度〜110度の偏向
も簡単に実現できる。一方本実施例の様に静電偏向を用
いた場合、蛍光面とシャドウ・マスク間で後段加速を行
っても広角の偏向は困難であり、60度程度の偏向を行う
場合でも偏向電圧は1KV近く必要となり、駆動回路の構
成が極めて困難となる。従って電子ビームの偏向角を大
きくし、その分だけカラー受像管装置の扁平化(全長の
短縮化)を図る方法は本実施例では特開昭61−256551号
公報のカラー受像管装置より不利であり、本発明の効果
を十分発揮する為には分割数を特開昭61−256551号公報
のカラー受像管ではヒーター電力の実用範囲内での制約
で実現不可能な50以上にすべきである。
上述した本発明により大形で製造が容易なカラー受像
管装置が実現でき、その表示画像は解像度、コンバーゼ
ンスが従来のカラー受像管並に極めて良好で、表示画像
輝度は従来の大形のカラー受像管装置に比べて特に高く
すべて小電子銃部を同時に動作させた場合10倍程度の輝
度を得ることが可能である。また同時にカラー受像管装
置の扁平化が実現でき、奥行きを100m以下に短縮するこ
とができる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば真空外囲器内にすべての
構造物を封止することで真空外囲器の形状を極めて単純
なものにすることができ外囲器の成形化が大幅に向上
し、製造が極めて容易となる。また外囲器の成形精度が
再生画像品位に影響を与えることはなく、内部構造物の
組立て精度のみで画像品位が決まるので特にファンネル
側(後面パネル側)の外囲器の成形が精度的に楽にな
る。また全体の表示画像を複数の小表示領域に分割して
偏向走査を行うことで画像品位を小形のカラー受像管装
置並の解像度コンバーゼンス品位に保つことができ、従
来の大形のカラー受像管装置に比べて極めて高品化な画
像再生が可能となる。更に表示輝度を従来のカラー受像
管に対して10倍程度に向上させることも可能である。ま
たカラー切換を行う為にシャドウ・マスクを用いること
で電子ビームのスポット径が経年的に劣化(拡大化)し
た場合でも安定して色切換(色選択)を行うことができ
ると同時に特開昭59−146137号公報で提案されている平
板型画像表示装置には不可欠なカラー切換の為の複雑で
高精度な駆動回路を必要としなくなり、全体画像を分割
表示するカラー受像管にシャドウ・マスクを用いる効果
は極めて大きい。
またシャドウ・マスク方式のカラー受像管装置の原理
を満足する為に一本の電子ビームを複数段階に小偏向し
て実質的に3本の電子ビームとする方法は偏向による電
子ビームスポット形状の変形を軽減することが可能とな
るばかりでなく、陰極の数を1/3にでき、且つ横型スリ
ーブの陰極・ヒーターユニットを用いることが可能とな
り、その波及効果は極めて大きい。即ち、分割表示形の
カラー受像管装置ではヒーター電力の制約から分割数が
制限されるが、一本の電子ビームでカラー表示を行う場
合、その制約が3倍に緩和され、更に、その横形スリー
ブにより2倍に緩和され、全体として分割数が6倍に緩
和できる(ヒーター電力を1/6にできる)効果がある。
また、一本の電子ビームによるカラー表示により小電子
銃部の構造が3本の電子ビームによる方法と比べて極め
て簡単なものにでき、更に水平偏向の偏向電圧を低げる
効果もある。
また、蛍光面とシャドウ・マスク間の後段加速空間を
設け、更に静電偏向板の形状を電子ビームの軌道に沿っ
たものにすることで偏向感度を向上させ、偏向電圧を下
げる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すカラー受像管装置の要
部構成図、第2図は第1図の水平方向の断面図、第3図
は本実施例に用いたシャドウ・マスクの構造を示す平面
図、第4図は本実施例に用いた陰極・ヒーターユニット
の構成図、第5図は特開昭61−256551号公報のカラー受
像管装置と本発明のカラー受像管装置のヒーター電力と
分割数の関係を示した図である。 1……カラー受像管 2……真空外囲器 4……陰極・ヒーターユニット 7……補助偏向装置 8……垂直偏向装置 9……水平偏向装置 10……シャドウ・マスク 14……小有効領域 15……非有効領域

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空外囲器とこの外囲器内に配設される蛍
    光面およびこの蛍光面に電子ビームを照射する電子銃部
    と、該電子ビームの入射角に応じて前記蛍光面に配設さ
    れた所定の蛍光体を選択発光せしめるシャドウ・マスク
    と、前記電子ビームが前記蛍光面の所定表示領域に射突
    するよう電子ビームをその照射方向に対して水平方向お
    よび垂直方向に偏向する偏向装置を備えたカラー受像管
    装置において、 前記真空外囲器は略平坦で映像を表示する前面パネル
    と、この前面パネルと略平行に離間した略平坦な後面パ
    ネルを有し、前記電子銃は前記蛍光面に対向して前記電
    子ビームを発生制御、加速、集束する複数の電極を持つ
    複数の小電子銃部に分離して配置され、該複数の小電子
    銃部はそれぞれ実質的に複数本の電子ビームを放射し、
    前記蛍光面には複数種の蛍光体を1グループとした蛍光
    体が連続して被着され前記小電子銃部は1対1に対応し
    て実質的に複数の小表示領域に分割されており、この複
    数の小表示領域の総数は50〜300の範囲内にあり、前記
    複数の小電子銃部は前記複数の小表示領域ごとに独立し
    て設けられ、前記シャドウ・マスクは前記複数の小電子
    銃部に1対1に対応して前記複数の小表示領域の総数と
    同数の小有効領域に分割された色選択電極であり、各小
    有効領域には所定のピッチで多数のビーム通過孔を有し
    ており、且つ隣接する小有効領域間には電子ビームを通
    過させない非有効領域が配置され、前記非有効領域は開
    口を有しないか前記小有効領域内にあるビーム通過孔ピ
    ッチより大きいピッチの開口を有し、前記偏向装置は前
    記シャドウ・マスクと前記電子銃部間に配置された一対
    の電極板であり、この電極板は小電子銃部に対応して水
    平方向に複数列、垂直方向に複数行配置され、前記小電
    子銃部からの照射電子ビームを静電的に偏向する電場を
    発生するため電子ビーム軌道を挟むように外囲器内に対
    向配置されており、前記一対の電極板の対向間隔は電子
    銃部から遠ざかるにつれて拡がっている形状をなすこと
    を特徴とするカラー受像管装置。
  2. 【請求項2】前記複数の小電子銃はそれぞれ一本の電子
    ビームを照射し、この電子ビームを水平方向に小偏向し
    て実質的に複数本の電子ビームとする補助偏向装置を有
    し、この補助偏向装置が小電子銃部に対応して水平方向
    に複数列配置され、該補助偏向装置は前記偏向装置と前
    記電子銃部間に電子ビームの軌道を挟むように外囲器内
    に対向配置された一対の電極板であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載のカラー受像管装置。
  3. 【請求項3】前記蛍光面と前記シャドウ・マスクを電気
    的に絶縁し該蛍光面の電位を該シャドウ・マスクの電位
    より高くすることで該蛍光面とシャドウ・マスク間に後
    段加速空間を形成することを特徴とする特許請求の範囲
    第1項及び第2項記載のカラー受像管装置。
  4. 【請求項4】前記電子銃を構成する少なくとも1個の電
    極は隣接する小電子銃の電極と同一面上に形成された平
    板状電極であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    乃至第3項記載のカラー受像管装置。
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