JP2562262B2 - 出産用ベッド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は出産用ベッドに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】本発明の出産用ベッドは、基台と、主フ
レームと、マットレス部分により覆われた産婦支持面と
を有している。産婦支持面は、シートパネルと、シート
パネルの一方の側に対して枢動可能に接続された頭部パ
ネルと、シートパネルの他方の端縁に対して上下動させ
または取り外すことができる足載せ部分とを有する。

【０００３】出産用ベッドは、子供の出産に関するいく
つかの機能を発揮するために十分に適している。出産用
ベッドは、産婦に安楽感を与えるように設計され、かつ
産婦の陣痛を促進する能力を最大限に高めるように設計
され、かつ分娩過程および分娩後の処置を行うときに産
婦および婦人科医を助けるように設計されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、慣用
のマットレスよりも上記の機能に良好に寄与するこのよ
うな出産用ベッド用のマットレスを提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のこの目的は、フ
ォームプライ（発泡体層）の間に挟まれ、選択的に膨張
させることのできる空気袋が内部に挿入されたフォーム
（発泡体）マットレスを提供することにより達成され
る。さらに詳しく述べると、本発明は少なくとも一つの
腰用空気袋と、好ましくは、それに加えて、膨張させる
ことのできる上側の背中用空気袋とを設け、これらの空
気袋をそれらの周囲にわたってフォームマットレスに接
着固定することを企図したものである。各空気袋の境界
部分が約５．１ｃｍ（２インチ）の幅を有し、該約５．
１ｃｍの余剰幅部分がフォームマットレスに接着固定さ
れることが好ましい。本発明のこの特徴による利点は、
産婦が空気袋の上に横たわっている状態で膨張させたと
きに、空気袋が横方向に均一に膨張することである。こ
れは、境界部分においてフォームマットレスに接着固定
されずに単にマットレス中に挿入されて成る従来の空気
袋と対照的である。従来の空気袋は、産婦により押され
ていない領域において先づ膨張し、従って産婦の側部に
おいて不快な膨らみを生ずる傾向があり、空気袋は膨張
過程が継続するにつれて産婦の下で漸次空気により膨張
する。

【０００６】本発明の目的は、さらに、シートパネルを
横切って空気袋を設けることにより達成され、この空気
袋は米国特許第４６２４８７７号明細書に記載された形
式であり、かつ空気不透過性のシーツ材料により包囲さ
れたフォームコアからなっていることが好ましい。この
空気袋の機能は、会陰切開、治療および出産のために産
婦の身体により接近し易くするためにベッドのシート部
分を膨張させてそれを十分堅くすることである。

【０００７】

【実施例】本発明の目的および特徴は、添付図面につい
て記載した以下の詳細な説明からさらに容易に明らかに
なろう。図１について述べると、基台１１および主フレ
ーム１２を有する出産用ベッド１０を示してある。主フ
レーム１２上には、産婦支持部材１５が装着されてい
る。産婦支持部材１５は、シートパネル１６と、該シー
トパネルの一端縁において符号１８で示した箇所で主フ
レーム１２にヒンジ結合された頭部パネル１７とを含
む。足載せ台１９が、該足載せ台を図１に示した位置か
ら下降させまたはその全体を取り外すことを可能にする
構造で主フレーム１２に接続されている。

【０００８】身体支持パネル１６，１７，１９は、頭側
マットレス部分２０および足載せ台マットレス部分２１
で覆われている。本発明は頭側マットレス部分２０のみ
を扱うものである。図２について述べると、マットレス
２０は符号２５で示した柔軟なポリウレタン製フォーム
スラブ（発泡体スラブ）である慣用のフォームマットレ
スで主として形成されている。フォームスラブ２５は、
頭部パネルおよびシートパネル用の二つの部分２６，２
７から成っている。マットレススラブ２５は部分２６，
２７を互いに分ける切欠き部分３０を有する。発泡体の
部分２６，２７は、クリーニングまたは交換のために取
り外すことができるように、ジッパーを有する布製マッ
トレスカバー２８で包まれている。

【０００９】発泡体の部分２６は、産婦がマットレス上
に横たわっているときに感ずる柔軟性を増大するため
に、その上面に横方向のスロット２９を形成することが
好ましい。発泡体の部分２６の中央部は切欠き部分３０
からマットレス部分の頭側端部と隣接した線３２まで符
号３１で示すように分割されている。分割部３１によ
り、各々が約５．１ｃｍ（２インチ）の厚さを有する上
側プライ３５と下側プライ３６が形成される。二つのプ
ライ３５，３６の間に腰用空気袋３７と背中用空気袋３
８が挿入されている。各空気袋３７，３８は、それを膨
張させるためのチューブ４０を有する。各チューブ４０
は、図２に示すように、二つのプライ３５，３６の間か
ら切欠き部分３０まで延び、そしてマットレス外に横方
向に延び、チューブの膨らみを制御する好適な装置を有
するポンプと接続されている。これらの制御装置は図１
に示すように肘掛けパネル４２に装着されている。

【００１０】各空気袋３７，３８は、図４に示すように
構成され、発泡体の部分２６に取り付けられている。空
気袋それ自体は、下側空気不透過性プライ（層）４５と
上側空気不透過性プライ４６とで形成されている。上側
プライ４６は空気袋の全周に沿って延びる約５．１ｃｍ
（２インチ）の幅の境界部分（余剰幅部分）４７を有す
る。プライ４５，４６の向かい合う面はウレタン接着剤
でコーティングされている。下側プライ４５は、誘電加
熱接着または抵抗加熱接着により、下側プライ４５の端
部幅部分６．４ｍｍ（１／４インチ）〜１３ｍｍ（１／
２インチ）（端縁から測った値）に沿って上側プライ４
６に接着されている。

【００１１】このようにして形成された空気袋は発泡体
の部分２６の下側プライ３６上の適切な位置に挿入され
る。ウレタン接着剤を露出させた状態の境界部分４７
が、加熱によりフォームプライ３６に接合固定される。
境界部分４７をフォームスラブ２５にこのように固定す
ることにより、空気袋を膨張させたときに、膨らみが空
気袋の横方向の寸法にわたって均一に起こり、従って産
婦が一方の側で気泡が発生し、そして他方の側で気泡が
発生し、その後完全に膨張するような空気袋の偏よった
膨らみに全く気づかないですむことを保証することがで
きる。

【００１２】下側空気袋３７は産婦の腰部領域用であ
り、そして上側空気袋３８は産婦の背中用であって、陣
痛時に産婦が所望の前傾位置まで前傾することを助ける
ためのものである。

【００１３】フォームスラブ２５のシート部分２７は、
フォーム（発泡体）を切断することにより形成された空
所５０を有している。空所５０は、頂部プライ５１を形
成するフォーム厚さ２．５４ｃｍ（１インチ）、および
底部プライ５２を形成するフォーム厚さ２．５４ｃｍ
（１インチ）を残して、厚さ約５．１ｃｍ（２インチ）
になされている。その記載を本明細書に援用する米国特
許第４６２４８７７号明細書により構成された厚さ５．
１ｃｍ（２インチ）の空気袋５５が空所５０の中に挿入
される。空所５０は薄いＶ字形のフォームストラップ
（帯状発泡体）５６により密閉される。空気袋５５に連
結されたチューブ５７もまた、空気袋３７，３８のチュ
ーブと同様な態様で、好適な制御装置を介してポンプに
連結されている。

【００１４】空気袋５５は、空気不透過性のカバー５９
で包囲されたフォームコア（発泡体芯材）５８を有す
る。空気袋を膨張させていないときには、空気袋５５な
らびにマットレスプライ５１，５２は産婦を安楽な状態
で支持する。しかしながら、出産時および会陰切開術を
うけた後に産婦の会陰部を縫合する過程においては、産
婦人科医は通常陰門を最大限に露出可能にするために産
婦を非常に硬いシート上に横たわらせることを好み、従
って、この目的のために、空気袋５５が膨張せしめられ
る。

【００１５】手術に際して、産婦または付き添いの看護
婦はサイドガード上の制御装置を使用して空気袋３７，
３８，５５を選択的に膨張させる。空気袋、すなわち、
腰用空気袋３７は、主として、産婦に快適さを与えるた
めにふくらまされる。空気袋を膨張させる工程により、
空気がポンプにより空気袋の中に漸次送入され、空気袋
は、完全に、膨張するまでの間、一方の側で膨張しまた
は他方の側で膨張するようなことはなく、全体として均
一にふくらむ。

【００１６】空気袋３８は、膨張させると、産婦の背中
上部を押して産婦が陣痛中に所望の傾斜姿勢になるよう
に助ける。空気袋３８は、空気袋３７と同様に、産婦の
安楽感を高めるように均一に膨張する。

【００１７】シートパネル１６上に配置されたマットレ
ス部分は、産婦に快適さを与えるために、通常、かなり
柔軟であり、そして産婦の臀部は頂部プライ５１、底部
プライ５２および空気袋５５それ自体内のフォーム５８
により構成されたフォームの中に若干沈下する。しかし
ながら、産婦人科医または外科医が出産のためまたは赤
んぼの出生後の治療のために、産婦の解剖学的組織をよ
り大きく露出させることを必要とするときには、空気袋
５５が膨張せしめられ、それにより産婦の臀部に対して
十分堅い支持台が得られる。

【００１８】本発明の一般的な原理の上記の公開および
好ましい一実例に関する上記の説明から、当業者は本発
明の種々の変型、変更を容易に思いつくであろう。従っ
て、本発明の出願人は、これらの変型、変更が特許請求
の範囲およびそれらに相当する部分によってのみ制限さ
れることを所望する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る出産用ベッドの斜視図。

【図２】本発明の図解用斜視図。

【図３】マットレスを示す分解斜視図。

【図４】図２の４−４線に沿う裁断横断面図。

【符号の説明】

１０ 出産用ベッド １１ 基台 １２ 主フレーム １５ 産婦支持部材 １６ シートパネル １７ 頭部パネル １９ 足載せ台 ２０ 頭部マットレス部分 ２１ 足載せ台マットレス部分 ２５ フォームスラブ ２６ 頭部パネル用フォーム部分 ２７ シートパネル用フォーム部分 ３０ 切欠き部 ３５ 上側プライ ３６ 下側プライ ３７ 腰用空気袋 ３８ 背中用空気袋 ４０ チューブ ４５ 下側プライ ４６ 上側プライ ４７ 境界部分 ５０ 空所 ５１ 頂部プライ ５２ 底部プライ ５５ 空気袋 ５７ チューブ

フロントページの続き (72)発明者 リチャード エル．ボーダーズ アメリカ合衆国オハイオ州シンシナテ ィ，トレモント レーン 1590 (56)参考文献 実開 昭62−113756（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−75767（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−1430（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台（１１）と、 該基台（１１）上に装架された主フレーム（１２）と、 該主フレーム上に装架された身体支持パネル（１６、１
   ７）であって、シートパネル（１６）、該シートパネル
   に枢動可能に接続された頭部パネル（１７）、および前
   記シートパネル（１６）に対して可動に接続された足載
   せ台（１９）とを含む該身体支持パネル（１６、１７）
   と、 前記シートパネル（１６）および前記頭部パネル（１
   ７）を覆う発泡体スラブ（２５）と、 前記発泡体スラブ内に配設され、膨らんだ時に前記発泡
   体スラブ（２５）のシート部分（２７）を堅くする、膨
   張可能なシート用空気袋（５５）と、 前記発泡体スラブ（２５）内に配設された膨張可能な腰
   用空気袋（３７）と、 前記発泡体スラブ（２５）内に配設された膨張可能な背
   中用空気袋（３８）と、 全ての前記空気袋（５５、３７、３８）を選択的に膨張
   されるための装置とを有し、 前記頭部パネル（１７）上の前記空気袋が、前記発泡体
   スラブ（２５）に対して完全に接合される余剰幅部分
   （４７）を、その全周辺に沿って有する可撓製プラスチ
   ック製空気袋（３７、３８）を含む出産用ベッド 。