JP2561648B2 - アンテナ装置 - Google Patents
アンテナ装置Info
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- JP2561648B2 JP2561648B2 JP60011061A JP1106185A JP2561648B2 JP 2561648 B2 JP2561648 B2 JP 2561648B2 JP 60011061 A JP60011061 A JP 60011061A JP 1106185 A JP1106185 A JP 1106185A JP 2561648 B2 JP2561648 B2 JP 2561648B2
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- Japan
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- antenna
- antenna device
- element antennas
- antennas
- switch
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-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01Q—ANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
- H01Q3/00—Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system
- H01Q3/24—Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the orientation by switching energy from one active radiating element to another, e.g. for beam switching
Landscapes
- Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
- Waveguide Aerials (AREA)
Description
この発明は、複数個の素子アンテナを配列し、小型
で、かつ複数の方向に放射ビームの方向を切り換えるこ
とができるアンテナ装置に関するものである。
で、かつ複数の方向に放射ビームの方向を切り換えるこ
とができるアンテナ装置に関するものである。
第3図は、列車用無線通信に用いられる従来の列車用
屋根上アンテナ装置の概略構成図であって、同図におい
て、30,31,32,33はモノボールアンテナを素子アンテナ
とする八木アンテナ構成のユニットアンテナであり、反
射器素子を一部共有しているが、ほぼ独立した4倍のア
ンテナとなっている。34,35,36,37は各ユニットアンテ
ナの入出力端子、38は各ユニットアンテナにより構成さ
れたアンテナ装置である。 このように構成されたアンテナ装置において、図示し
ない給電回路に設けられたスイッチを用いて入出力端子
34〜37に選択的に電力を供給する。従って、ユニットア
ンテナ30〜33から放射される放射ビームの方向は、第3
図にそれぞれ矢印で示す前方,後方,左方および右方と
なる。つまり、前述したスイッチを切り換えることによ
り励起するユニットアンテナ30〜33を切り換え、アンテ
ナ装置38の放射ビームを前方,後方および左右方向に切
り換えていることになる。但し、左右方向については運
用上、左右同時に放射ビームを出す必要があるため、入
出力端子36と37は前述したスイッチによって同時に励起
されるようになっている。この結果、アンテナ装置38か
らの放射ビームは、前方,後方および左右方向の三つに
切り換えられることになる。
屋根上アンテナ装置の概略構成図であって、同図におい
て、30,31,32,33はモノボールアンテナを素子アンテナ
とする八木アンテナ構成のユニットアンテナであり、反
射器素子を一部共有しているが、ほぼ独立した4倍のア
ンテナとなっている。34,35,36,37は各ユニットアンテ
ナの入出力端子、38は各ユニットアンテナにより構成さ
れたアンテナ装置である。 このように構成されたアンテナ装置において、図示し
ない給電回路に設けられたスイッチを用いて入出力端子
34〜37に選択的に電力を供給する。従って、ユニットア
ンテナ30〜33から放射される放射ビームの方向は、第3
図にそれぞれ矢印で示す前方,後方,左方および右方と
なる。つまり、前述したスイッチを切り換えることによ
り励起するユニットアンテナ30〜33を切り換え、アンテ
ナ装置38の放射ビームを前方,後方および左右方向に切
り換えていることになる。但し、左右方向については運
用上、左右同時に放射ビームを出す必要があるため、入
出力端子36と37は前述したスイッチによって同時に励起
されるようになっている。この結果、アンテナ装置38か
らの放射ビームは、前方,後方および左右方向の三つに
切り換えられることになる。
上記の様な従来のアンテナ装置では、アンテナ装置38
の前方向,後方向および左右方向に放射ビームを選択的
に切り換える様にするため、基本的に4台のユニットア
ンテナ30〜33を用いており、この結果、必然的にアンテ
ナ装置38の全体としての占有面積が大きくなる。また、
運用上は、一つの時刻において一つのビーム状態があれ
ば良いために、常に1台のみのユニットアンテナが動作
し、残りの3台のユニットアンテナはただ無駄に置かれ
た状態になっているなどの問題点があった。 また、上述した従来のアンテナ装置においては、給電
回路のスイッチを用いてユニットアンテナ30〜33を切り
換えることにより、アンテナ装置からの放射ビーム方向
を切り換えているために、停電等の異常時にスイッチの
駆動電流が切れると正しく動作しなくなることから、放
射ビームの方向が列車無線基地局の方向とは異なる方向
に固定されてしまい、これに伴って予備電源により無線
回線がバックアップされていても不通になる問題点を有
している。 この発明は、かかる問題点を解決するためになされた
もので、複数個の素子アンテナを水平面上に配列して設
け、複数個のスイッチを用いることにより、常に各素子
アンテナのすべてを動作させると共に、複数の方向に放
射ビームの方向を切り換えられる様にし、これにより、
アンテナの占有面積を小形化できる様にしたアンテナ装
置を得ることを目的とするものである。 また、停電等の異常時においても無線回線が不通とな
らず、通常時と同様な通信が行えるアンテナ装置を目的
することを目的とするものである。
の前方向,後方向および左右方向に放射ビームを選択的
に切り換える様にするため、基本的に4台のユニットア
ンテナ30〜33を用いており、この結果、必然的にアンテ
ナ装置38の全体としての占有面積が大きくなる。また、
運用上は、一つの時刻において一つのビーム状態があれ
ば良いために、常に1台のみのユニットアンテナが動作
し、残りの3台のユニットアンテナはただ無駄に置かれ
た状態になっているなどの問題点があった。 また、上述した従来のアンテナ装置においては、給電
回路のスイッチを用いてユニットアンテナ30〜33を切り
換えることにより、アンテナ装置からの放射ビーム方向
を切り換えているために、停電等の異常時にスイッチの
駆動電流が切れると正しく動作しなくなることから、放
射ビームの方向が列車無線基地局の方向とは異なる方向
に固定されてしまい、これに伴って予備電源により無線
回線がバックアップされていても不通になる問題点を有
している。 この発明は、かかる問題点を解決するためになされた
もので、複数個の素子アンテナを水平面上に配列して設
け、複数個のスイッチを用いることにより、常に各素子
アンテナのすべてを動作させると共に、複数の方向に放
射ビームの方向を切り換えられる様にし、これにより、
アンテナの占有面積を小形化できる様にしたアンテナ装
置を得ることを目的とするものである。 また、停電等の異常時においても無線回線が不通とな
らず、通常時と同様な通信が行えるアンテナ装置を目的
することを目的とするものである。
この発明に係るアンテナ装置は、複数個の素子アンテ
ナを水平面上に配列して設け、各素子アンテナに給電す
る給電回路に、複数個の固定移相器とスイッチと分配器
を設けることによって、常に各素子アンテナのすべてを
動作させ、スイッチにより複数の方向に放射ビームの方
向を切り換えられる様に構成するものである。 また、停電等の異常時に各スイッチを特定方向に固定
することにより、無指向性となるように一部の素子アン
テナのみを動作させるものである。
ナを水平面上に配列して設け、各素子アンテナに給電す
る給電回路に、複数個の固定移相器とスイッチと分配器
を設けることによって、常に各素子アンテナのすべてを
動作させ、スイッチにより複数の方向に放射ビームの方
向を切り換えられる様に構成するものである。 また、停電等の異常時に各スイッチを特定方向に固定
することにより、無指向性となるように一部の素子アン
テナのみを動作させるものである。
この発明のアンテナ装置においては、複数個の素子ア
ンテナに給電する給電回路に、複数個の固定移相器とス
イッチと分配器を設けることによって、常に各素子アン
テナのすべてを動作させると共に、複数の方向に放射ビ
ームの方向を切り換えられる様にしたから、アンテナの
占有面積を小形化することが可能となる。 また、停電等の異常時において、地導体板と平行な平
面内で互いに直交する四方向に指向する四つ葉形ビーム
となることから、無指向性に近いものとなって列車無線
基地局の方向をとわずに無線通信が行なえるものであ
る。
ンテナに給電する給電回路に、複数個の固定移相器とス
イッチと分配器を設けることによって、常に各素子アン
テナのすべてを動作させると共に、複数の方向に放射ビ
ームの方向を切り換えられる様にしたから、アンテナの
占有面積を小形化することが可能となる。 また、停電等の異常時において、地導体板と平行な平
面内で互いに直交する四方向に指向する四つ葉形ビーム
となることから、無指向性に近いものとなって列車無線
基地局の方向をとわずに無線通信が行なえるものであ
る。
第1図はこの発明によるアンテナ装置の一実施例を示
す構成図であって、1はアンテナ装置の基台を兼ねた地
導体板である。2,3,4,5,6,7は地導体板1に平行な平面
内に設けられた円形導体板による素子アンテナであっ
て、3行2列の形で配列されることによってアレーアン
テナを構成している。d1,d2は素子アンテナの配列間隔
であって、アンテナ装置からの通常時の各放射ビームに
必要なアンテナ利得,ビーム幅および放射パターンの前
後比から決定されるものであり、この実施例では波長λ
に対してd1λ/2,d2λ/3に設定されている。 第2図は第1図に示すアンテナ装置に接続される給電
回路の概略構成図であって、8は2分配器、9は3分配
器、10は給電回路への入出力端子である。11〜22はそれ
ぞれ単極双投形のスイッチであって、電源が切状態では
A側,入状態ではB側に位置するようになっている。23
〜29は固定移相器であって、長さの異なる同軸ケーブル
が用いられている。また、第1図に示すアンテナ装置に
おける素子アンテナ2〜7の配列間隔d1,d2が決められ
ると、アンテナ装置から放射される各放射ビーム(通常
時に使用する前方,後方および左右方向に指向するビー
ムと、異常時に使用する前後左右に指向する四つ葉形ビ
ーム)を形成するために各素子アンテナ2〜7に与える
べき励振位相量が決まることになる。そして、この必要
な励振位相量から、固定移相器23〜29がそれぞれ必要と
する位相変化量が決定される。すなわち、各固定移相器
23〜29の同軸ケーブルの長さが決まることになる。実施
例では固定移相器23,24,25,27は180°,固定移相器26,2
9は−120°,固定移相器28は+120°の位相変化量とな
るように設定されている。 このように構成されたアンテナ装置において、第2図
に示すスイッチ11〜22の接続切り換え端子AとBの切り
換えを選ぶことにより、通常時はアンテナ装置の全素子
アンテナ2〜7を動作させると共に、放射ビームの方向
を第1図における前方,後方あるいは左右方向に切り換
えることができる。すなわち、スイッチ11,13,15,17,18
をA側に接続するとともに、スイッチ12,14,16,19,20,2
1,22をB側に接続すると、放射ビームは前方方向に放射
される。この理由については以下のとおりである。この
場合、素子アンテナ2又は3の設定位相は0°であり、
素子アンテナ4又は5の設定位相は120°であるが、素
子アンテナ2と素子アンテナ4との間はλ/3離れている
ので、素子アンテナ4又は5から放射されるビームが前
方に進み素子アンテナ2又は3に到達したときの位相は
120°遅れるので120°(設定位相)−120°(位相遅
れ)=0となり、素子アンテナ2又は3からのビームの
位相と一致する。同様に素子アンテナ6又は7の設定位
相は−120°であるが、素子アンテナ2又は3と素子ア
ンテナ4又は5との間は2λ/3離れているので、素子ア
ンテナ6又は7から放射されるビームが前方に進み素子
アンテナ2又は3に到達したときの位相は240°遅れる
ので−120°−240°=−360°(0°と等価)となり、
素子アンテナ2又は3からのビームの位相と一致する。
従って、すべての波が強め合ったビームが前方へ放射さ
れる。一方素子アンテナ2又は3のビームが素子アンテ
ナ6又は7に到達したときの位相は240°遅れるので0
°−240°=−240°となる。また、素子アンテナ4又は
5からのビームが素子アンテナ6又は7に到達したとき
の位相は120°遅れるので120°−120°=0°となる。
また、素子アンテナ6または7からのビームの設定位相
は−120°である。従って、素子アンテナ2〜素子アン
テナ7からのビームをベクトル的に合成した波は相互に
打ち消し合い、後方方向には放射されない。また左右の
方向についても素子アンテナ2または3からのビームの
設定位相は0°、素子アンテナ4または5からのビーム
の設定位相は120°、素子アンテナ6または7からのビ
ームの設定位相は−120°なので、素子アンテナ2〜素
子アンテナ7をベクトル的に合成した波は互いに打ち消
し合い、左右の方向には放射されない。スイッチ11,13,
15,21,22をA側に接続するとともに、スイッチ12,14,1
6,17〜20をB側に接続すると同様にして後方方向のみに
放射され、更にスイッチ12,14,16,17〜22をA側に接続
するとともに、スイッチ11,13,15をB側に接続すれば左
右方向に放射するように切り換わる。 上述した説明から明らかな様に、第1図に示す6個の
素子アンテナ2〜7は、どの様な状態でも常にすべての
各素子アンテナ2〜7が有効に動作している。さらに、
第1図に示すアンテナ装置1は、第3図に示す従来のア
ンテナ装置38と比べる時、各放射ビームに必要な利得と
かビーム幅の条件が同一であるために、第1図に示すア
ンテナ装置1のアンテナ開口面積は、第3図に示す各ユ
ニットアンテナ30〜33の1台分のみに相当し、これによ
り明らかに、アンテナの占有面積は従来装置に比べて基
本的には1/4になる。第3図に示すアンテナ装置38が各
ユニットアンテナ30〜33間で無給電の反射器素子(図示
しない)を共有している点を考えても、第1図に示すア
ンテナ装置1のアンテナの占有面積は従来装置の1/2程
度に小さくなる。 なお、上記実施例では、各スイッチ11〜22としては、
電圧制御により機械的に動作する同軸スイッチを用いて
説明したが、電気的スイッチとして、例えばダイオード
スイッチなどを用いても良い。 また、上記実施例において、2分配器8,3分配器9な
どの分配器としては、寸法,重量の軽減の点から、プリ
ント基板に構成したストリップ線路で構成されるラット
レス回路,ブランチライン形カプラあるいはウイルキン
ソン形分配器などのいわゆるハイブリッド形分配回路を
用いることもでき、さらには、このハイブリッド形分配
回路の代わりにティー分岐の様なリアクティブ形分配回
路を用いることもできる。 また、上記実施例において、各素子アンテナ2〜7の
配列面の上方に、この配列面と適当な間隔において誘電
体レドームを設け、アンテナ装置1を保護する様にして
も良い。 また、上記実施例において、各素子アンテナ2〜7と
して、高さの条件がゆるい時は、モノポールアンテナな
どの水平面内での無指向性アンテナを用いることもでき
る。さらに、上記実施例で用いた2×3素子アレーアン
テナの代わりに、必要な利得やビーム幅などの要求条件
に応じて、素子アンテナの数や配列形状を変えることも
可能である。 また、停電等の異常時、すなわち全スイッチの電源が
切状態のときには全スイッチ11〜22はA側に接続される
ことから素子アンテナ2に設定位相0°、素子アンテナ
5に設定位相180°、素子アンテナ6に設定位相0°が
設定され、素子アンテナ3、4、7はオープンとなる。
前方方向では素子アンテナ5が前方に進み、素子アンテ
ナ3に到達したときの位相は180°−120°=60°とな
る。また、素子アンテナ6が前方に進み素子アンテナ2
に到達したときの位相は−240°となる。従って、これ
らを合成した前方方向の波は素子アンテナ2から放射さ
れたビームと等しくなる。後方についてもほぼ同様であ
る。左右方向については素子アンテナ5と素子アンテナ
4との間はλ/2離れているので素子アンテナ5からの放
射ビームが右方に進み素子アンテナ4に到達すると位相
は180°(設定位相)−180°(位相遅れ)=0°とな
る。従って、右方では素子アンテナ2からのビームの位
相と素子アンテナ52からのビームの位相と素子アンテナ
6からのビームの位相とがすべて一致するので互いに強
め合った波が放射される。同様にして左方では上記3つ
のビームの位相が一致するので互いに強め合った波が放
射される。以上より前後左右の四つの方向に指向する四
つ葉形ビームを得ることができる。但し、入出力端10に
無線周波数信号を供給する無線機は別の予備電源により
駆動されている。 従って、このように構成されたアンテナ装置において
は、停電時等の異常時に全スイッチの電源が切状態にな
ると、ほぼ無指向性に近い状態となっていかなる方向の
基地局に対しても通信が行えることになる。 また、固定移相器23〜29としては、長さの異なる同軸
ケーブルの代わりに、プリント基板上にエッチング加工
により製作した長さの異なるストリップ線路を用いるこ
ともできる。 更に、上記説明では、素子アンテナ2〜7を3行2列
に配列した6素子アレーアンテナを用いた場合について
述べたが、必要なアンテナ利得,ビーム幅,通常時に指
向するビーム方向,異常時の放射ビームの形状などの条
件を満たすために、素子アンテナ数および素子アンテナ
の配列を変えても良いことは言うまでもない。
す構成図であって、1はアンテナ装置の基台を兼ねた地
導体板である。2,3,4,5,6,7は地導体板1に平行な平面
内に設けられた円形導体板による素子アンテナであっ
て、3行2列の形で配列されることによってアレーアン
テナを構成している。d1,d2は素子アンテナの配列間隔
であって、アンテナ装置からの通常時の各放射ビームに
必要なアンテナ利得,ビーム幅および放射パターンの前
後比から決定されるものであり、この実施例では波長λ
に対してd1λ/2,d2λ/3に設定されている。 第2図は第1図に示すアンテナ装置に接続される給電
回路の概略構成図であって、8は2分配器、9は3分配
器、10は給電回路への入出力端子である。11〜22はそれ
ぞれ単極双投形のスイッチであって、電源が切状態では
A側,入状態ではB側に位置するようになっている。23
〜29は固定移相器であって、長さの異なる同軸ケーブル
が用いられている。また、第1図に示すアンテナ装置に
おける素子アンテナ2〜7の配列間隔d1,d2が決められ
ると、アンテナ装置から放射される各放射ビーム(通常
時に使用する前方,後方および左右方向に指向するビー
ムと、異常時に使用する前後左右に指向する四つ葉形ビ
ーム)を形成するために各素子アンテナ2〜7に与える
べき励振位相量が決まることになる。そして、この必要
な励振位相量から、固定移相器23〜29がそれぞれ必要と
する位相変化量が決定される。すなわち、各固定移相器
23〜29の同軸ケーブルの長さが決まることになる。実施
例では固定移相器23,24,25,27は180°,固定移相器26,2
9は−120°,固定移相器28は+120°の位相変化量とな
るように設定されている。 このように構成されたアンテナ装置において、第2図
に示すスイッチ11〜22の接続切り換え端子AとBの切り
換えを選ぶことにより、通常時はアンテナ装置の全素子
アンテナ2〜7を動作させると共に、放射ビームの方向
を第1図における前方,後方あるいは左右方向に切り換
えることができる。すなわち、スイッチ11,13,15,17,18
をA側に接続するとともに、スイッチ12,14,16,19,20,2
1,22をB側に接続すると、放射ビームは前方方向に放射
される。この理由については以下のとおりである。この
場合、素子アンテナ2又は3の設定位相は0°であり、
素子アンテナ4又は5の設定位相は120°であるが、素
子アンテナ2と素子アンテナ4との間はλ/3離れている
ので、素子アンテナ4又は5から放射されるビームが前
方に進み素子アンテナ2又は3に到達したときの位相は
120°遅れるので120°(設定位相)−120°(位相遅
れ)=0となり、素子アンテナ2又は3からのビームの
位相と一致する。同様に素子アンテナ6又は7の設定位
相は−120°であるが、素子アンテナ2又は3と素子ア
ンテナ4又は5との間は2λ/3離れているので、素子ア
ンテナ6又は7から放射されるビームが前方に進み素子
アンテナ2又は3に到達したときの位相は240°遅れる
ので−120°−240°=−360°(0°と等価)となり、
素子アンテナ2又は3からのビームの位相と一致する。
従って、すべての波が強め合ったビームが前方へ放射さ
れる。一方素子アンテナ2又は3のビームが素子アンテ
ナ6又は7に到達したときの位相は240°遅れるので0
°−240°=−240°となる。また、素子アンテナ4又は
5からのビームが素子アンテナ6又は7に到達したとき
の位相は120°遅れるので120°−120°=0°となる。
また、素子アンテナ6または7からのビームの設定位相
は−120°である。従って、素子アンテナ2〜素子アン
テナ7からのビームをベクトル的に合成した波は相互に
打ち消し合い、後方方向には放射されない。また左右の
方向についても素子アンテナ2または3からのビームの
設定位相は0°、素子アンテナ4または5からのビーム
の設定位相は120°、素子アンテナ6または7からのビ
ームの設定位相は−120°なので、素子アンテナ2〜素
子アンテナ7をベクトル的に合成した波は互いに打ち消
し合い、左右の方向には放射されない。スイッチ11,13,
15,21,22をA側に接続するとともに、スイッチ12,14,1
6,17〜20をB側に接続すると同様にして後方方向のみに
放射され、更にスイッチ12,14,16,17〜22をA側に接続
するとともに、スイッチ11,13,15をB側に接続すれば左
右方向に放射するように切り換わる。 上述した説明から明らかな様に、第1図に示す6個の
素子アンテナ2〜7は、どの様な状態でも常にすべての
各素子アンテナ2〜7が有効に動作している。さらに、
第1図に示すアンテナ装置1は、第3図に示す従来のア
ンテナ装置38と比べる時、各放射ビームに必要な利得と
かビーム幅の条件が同一であるために、第1図に示すア
ンテナ装置1のアンテナ開口面積は、第3図に示す各ユ
ニットアンテナ30〜33の1台分のみに相当し、これによ
り明らかに、アンテナの占有面積は従来装置に比べて基
本的には1/4になる。第3図に示すアンテナ装置38が各
ユニットアンテナ30〜33間で無給電の反射器素子(図示
しない)を共有している点を考えても、第1図に示すア
ンテナ装置1のアンテナの占有面積は従来装置の1/2程
度に小さくなる。 なお、上記実施例では、各スイッチ11〜22としては、
電圧制御により機械的に動作する同軸スイッチを用いて
説明したが、電気的スイッチとして、例えばダイオード
スイッチなどを用いても良い。 また、上記実施例において、2分配器8,3分配器9な
どの分配器としては、寸法,重量の軽減の点から、プリ
ント基板に構成したストリップ線路で構成されるラット
レス回路,ブランチライン形カプラあるいはウイルキン
ソン形分配器などのいわゆるハイブリッド形分配回路を
用いることもでき、さらには、このハイブリッド形分配
回路の代わりにティー分岐の様なリアクティブ形分配回
路を用いることもできる。 また、上記実施例において、各素子アンテナ2〜7の
配列面の上方に、この配列面と適当な間隔において誘電
体レドームを設け、アンテナ装置1を保護する様にして
も良い。 また、上記実施例において、各素子アンテナ2〜7と
して、高さの条件がゆるい時は、モノポールアンテナな
どの水平面内での無指向性アンテナを用いることもでき
る。さらに、上記実施例で用いた2×3素子アレーアン
テナの代わりに、必要な利得やビーム幅などの要求条件
に応じて、素子アンテナの数や配列形状を変えることも
可能である。 また、停電等の異常時、すなわち全スイッチの電源が
切状態のときには全スイッチ11〜22はA側に接続される
ことから素子アンテナ2に設定位相0°、素子アンテナ
5に設定位相180°、素子アンテナ6に設定位相0°が
設定され、素子アンテナ3、4、7はオープンとなる。
前方方向では素子アンテナ5が前方に進み、素子アンテ
ナ3に到達したときの位相は180°−120°=60°とな
る。また、素子アンテナ6が前方に進み素子アンテナ2
に到達したときの位相は−240°となる。従って、これ
らを合成した前方方向の波は素子アンテナ2から放射さ
れたビームと等しくなる。後方についてもほぼ同様であ
る。左右方向については素子アンテナ5と素子アンテナ
4との間はλ/2離れているので素子アンテナ5からの放
射ビームが右方に進み素子アンテナ4に到達すると位相
は180°(設定位相)−180°(位相遅れ)=0°とな
る。従って、右方では素子アンテナ2からのビームの位
相と素子アンテナ52からのビームの位相と素子アンテナ
6からのビームの位相とがすべて一致するので互いに強
め合った波が放射される。同様にして左方では上記3つ
のビームの位相が一致するので互いに強め合った波が放
射される。以上より前後左右の四つの方向に指向する四
つ葉形ビームを得ることができる。但し、入出力端10に
無線周波数信号を供給する無線機は別の予備電源により
駆動されている。 従って、このように構成されたアンテナ装置において
は、停電時等の異常時に全スイッチの電源が切状態にな
ると、ほぼ無指向性に近い状態となっていかなる方向の
基地局に対しても通信が行えることになる。 また、固定移相器23〜29としては、長さの異なる同軸
ケーブルの代わりに、プリント基板上にエッチング加工
により製作した長さの異なるストリップ線路を用いるこ
ともできる。 更に、上記説明では、素子アンテナ2〜7を3行2列
に配列した6素子アレーアンテナを用いた場合について
述べたが、必要なアンテナ利得,ビーム幅,通常時に指
向するビーム方向,異常時の放射ビームの形状などの条
件を満たすために、素子アンテナ数および素子アンテナ
の配列を変えても良いことは言うまでもない。
この発明は以上説明したとおり、アンテナ装置におい
て、複数個の素子アンテナを水平面上に配列して設け、
複数個の固定移相器とスイッチと分配器を設けることに
よって、常に各素子アンテナのすべてを動作させ、スイ
ッチにより複数の方向に放射ビームの方向を切り換えら
れる様にしたので、この種の従来のアンテナ装置に比べ
て、アンテナの占有面積を小さくでき、水平面内での放
射ビームの方向を効率良く、かつ自由に切り換えること
ができるという優れた効果を奏するものである。 また、異常時には一部の素子アンテナを動作させて上
記平面内で無指向性に近いビーム、すなわち、互いに直
交する四つの方向に指向する四つ葉形ビームを得るもの
であることから、無線回線の不通を防ぐことができる優
れた効果を有する。
て、複数個の素子アンテナを水平面上に配列して設け、
複数個の固定移相器とスイッチと分配器を設けることに
よって、常に各素子アンテナのすべてを動作させ、スイ
ッチにより複数の方向に放射ビームの方向を切り換えら
れる様にしたので、この種の従来のアンテナ装置に比べ
て、アンテナの占有面積を小さくでき、水平面内での放
射ビームの方向を効率良く、かつ自由に切り換えること
ができるという優れた効果を奏するものである。 また、異常時には一部の素子アンテナを動作させて上
記平面内で無指向性に近いビーム、すなわち、互いに直
交する四つの方向に指向する四つ葉形ビームを得るもの
であることから、無線回線の不通を防ぐことができる優
れた効果を有する。
第1図はこの発明によるアンテナ装置の一実施例を示す
構成図、第2図は第1図のアンテナ装置に接続される給
電回路の概略構成図、第3図は従来の列車用屋根上アン
テナ装置の概略構成図である。 1は地導体板、2,3,4,5,6,7は素子アンテナ、8は2分
配器、9は3分配器、10は入出力端子、11〜22はスイッ
チ、23〜29は固定移相器。 なお、図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
構成図、第2図は第1図のアンテナ装置に接続される給
電回路の概略構成図、第3図は従来の列車用屋根上アン
テナ装置の概略構成図である。 1は地導体板、2,3,4,5,6,7は素子アンテナ、8は2分
配器、9は3分配器、10は入出力端子、11〜22はスイッ
チ、23〜29は固定移相器。 なお、図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沼崎 正 神奈川県鎌倉市上町屋325番地 三菱電 機株式会社情報電子研究所内 (72)発明者 小西 善彦 神奈川県鎌倉市上町屋325番地 三菱電 機株式会社情報電子研究所内 (72)発明者 古野 孝允 神奈川県鎌倉市上町屋325番地 三菱電 機株式会社鎌倉製作所内 (72)発明者 茶谷 嘉之 神奈川県鎌倉市上町屋325番地 三菱電 機株式会社鎌倉製作所内
Claims (5)
- 【請求項1】複数個の素子アンテナを配列して成るアン
テナ装置において、前記素子アンテナを地導体板と、こ
の地導体板に平行に設けられた導体板とによって構成す
ることにより前記地導体板に平行な平面内でほぼ無指向
性とするとともに、複数個の前記導体板を同一の平面上
に配列し、かつ各素子アンテナに信号を給電する給電回
路として複数個の固定移相器とこの固定移相器を選択す
るスイッチと分配器を接続し、 通常時は全素子アンテナに信号を給電し、所定の方向に
指向する放射ビームが得られるように平面上の前記素子
アンテナの配列によって決まる位相変化量を有する固定
移相器を、前記スイッチにより選択し、 前記全スイッチの駆動電流が切れる異常時には一部の素
子アンテナに信号を給電し、前記平面内で互いに直交す
る四方面に指向する四つの葉形ビームが得られるように
平面上の前記素子アンテナの配列によって決まる位相変
化量を有する固定移相器を、前記スイッチにより選択す
ることを特徴とするアンテナ装置。 - 【請求項2】スイッチとして、単極双投形の同軸スイッ
チを用いたことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
のアンテナ装置。 - 【請求項3】固定移相器として、長さの異なる同軸ケー
ブルを用いたことを特徴とする特許請求の範囲第1項記
載のアンテナ装置。 - 【請求項4】分配器として、プリント基板上にエッチン
グ加工により作られたストリップ線路で構成されたハイ
ブリッド回路を用いたことを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載のアンテナ装置。 - 【請求項5】分配器として、プリント基板上にエッチン
グ加工によって作られたストリップ線路によって構成さ
れるリアクティブ形分配回路を用いたことを特徴とする
特許請求の範囲第1項記載のアンテナ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60011061A JP2561648B2 (ja) | 1985-01-25 | 1985-01-25 | アンテナ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60011061A JP2561648B2 (ja) | 1985-01-25 | 1985-01-25 | アンテナ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61171203A JPS61171203A (ja) | 1986-08-01 |
JP2561648B2 true JP2561648B2 (ja) | 1996-12-11 |
Family
ID=11767488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60011061A Expired - Lifetime JP2561648B2 (ja) | 1985-01-25 | 1985-01-25 | アンテナ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2561648B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004120130A (ja) * | 2002-09-24 | 2004-04-15 | Hitachi Kokusai Electric Inc | グランド板付アンテナ及びグランド板付アレーアンテナ |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0630406B2 (ja) * | 1985-11-13 | 1994-04-20 | 財団法人鉄道総合技術研究所 | 移動体搭載用アンテナ装置 |
JPS6425211U (ja) * | 1987-08-04 | 1989-02-13 | ||
EP1832895B1 (en) * | 2001-10-19 | 2010-02-17 | Bea S.A. | Method of detecting movements around automatic doors |
JP2013156054A (ja) * | 2012-01-27 | 2013-08-15 | Toshiba Corp | アンテナ装置、モジュール制御方法及び二次監視レーダ装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5866401A (ja) * | 1981-10-15 | 1983-04-20 | Mitsubishi Electric Corp | 電子走査アンテナ |
-
1985
- 1985-01-25 JP JP60011061A patent/JP2561648B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5866401A (ja) * | 1981-10-15 | 1983-04-20 | Mitsubishi Electric Corp | 電子走査アンテナ |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004120130A (ja) * | 2002-09-24 | 2004-04-15 | Hitachi Kokusai Electric Inc | グランド板付アンテナ及びグランド板付アレーアンテナ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61171203A (ja) | 1986-08-01 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |