JP2561184B2 - アイアンヘッド及びその製造方法 - Google Patents

アイアンヘッド及びその製造方法

Info

Publication number
JP2561184B2
JP2561184B2 JP3198756A JP19875691A JP2561184B2 JP 2561184 B2 JP2561184 B2 JP 2561184B2 JP 3198756 A JP3198756 A JP 3198756A JP 19875691 A JP19875691 A JP 19875691A JP 2561184 B2 JP2561184 B2 JP 2561184B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
head
iron head
insert member
mold
wax
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3198756A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0515621A (ja
Inventor
雅央 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mizuno Corp
Original Assignee
Mizuno Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mizuno Corp filed Critical Mizuno Corp
Priority to JP3198756A priority Critical patent/JP2561184B2/ja
Publication of JPH0515621A publication Critical patent/JPH0515621A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2561184B2 publication Critical patent/JP2561184B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、ゴルフクラブのロス
トワックス製のアイアンヘッド及びその製造方法の改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 従来より、ゴルフクラブ用のアイアン
ヘッドとしては、鍛造製やロストワックス製のものが
公知である。しかし、これら従来のアイアンヘッドに関
しては、打球時のボールの方向安定性や飛距離の増大を
図る等の要望から、中空ヘッドやウエイト配分をトウア
ンドヒールにしたヘッドが一般的になっており、これら
のヘッドを設計する上で見た場合には、ロストワックス
のアイアンヘッドの方が設計の自由度が高いため、
最近では、ロストワックス製のアイアンヘッドが、鍛
造製のアイアンヘッドよりも多く販売されるようになっ
てきている。又、ロストワックス製のアイアンヘッド
では、トウアンドヒールのウエイト配分を行う場合に
は、デザイン的にバックフェースの肉厚を厚くしたり、
後加工でヘッドのトウ部に重量調節用の孔を開孔し、そ
の孔に鉛やタングステン等のウエイトを挿着自在にする
手段が公知である。更に最近では、実公平2−4100
7号に開示されているように、断面略三角形状で且つ保
持ピンを一体に突設したセラミックコアを、アイアンヘ
ッドのフェース面及び背面の略全面に及ぶように配置し
ロストワックス製によりアイアンヘッド本体と一体に
形成したゴルフクラブが公知となっている。更に、特開
平2−206481号に開示されているように、比重の
大きい金属素材よりなる重心低下用金属片をアイアンヘ
ッドのソール部(底部)に配置し、ロストワックス製
法で成型後、鍛造により仕上げるアイアンヘッドも公知
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 これら従来のロスト
ワックス製のアイアンヘッド(以下、単にアイアンヘ
ッドと省略する。)においては、以下のような問題点を
有していた。即ち、前者のトウアンドヒールのウエイト
配分を行うために、バックフェースの肉厚を厚くしたア
イアンヘッドにおいては、アイアンヘッドを構成する素
材は一般にステンレス等の単一素材であるから、バック
フェースの肉厚を多少厚くしてもウエイト配分上はどう
しても限度があり、アイアンヘッドの慣性モーメントを
出来るだけ大きくして、打球したボールの方向安定性を
より確実にすると言った点において決して満足の行くも
のではなかった。
【0004】又、後者のアイアンヘッドのトウ部に重量
調節用の孔を開孔し、その孔に鉛やタングステン等のウ
エイトを挿脱自在にする手段にしても、開孔するための
後加工に手間どるほか、ウエイトを挿脱加減して、アイ
アンヘッドのバランス配分を調節するのに手間がかか
り、又どうしてもウエイト配分がトウ部側に片寄ったり
するため、ヘッド自体のバランスが狂い易くなると言っ
た欠点を有していた。
【0005】又、実公平2−41007号に開示されて
いる断面略三角形状で、且つ保持ピンを一体に突設した
セラミックコアをアイアンヘッドのフェース面及び背面
の略全面に及ぶように配置して、ロストワックス製法
より金属製のヘッド本体と一体に形成したアイアンヘッ
ドにおいては、セラミックコアが略アイアンヘッドの中
央部に配置され、金属の外殻により被包される形態にな
るため、ウェイト配分はヘッド周辺部になり、スィート
スポットは拡がるが、ウェイト配分的には低重心のヘッ
ドを供給することが出来難く、特にセラミックコアとし
て、アルミナやジルコニアを使用した場合には、ヘッド
の外殻を構成する金属よりも密度が小さいためヘッド自
体の重心位置がソール部から高い位置になるため、打球
時のボールの飛び出し角度が低くなる傾向があって、ボ
ールが揚がり難く、初心者には扱い難いと言った欠点を
有していた。更に、セラミックコアとして、アルミナや
ジルコニアを使用しているため、金属製のヘッド本体と
線膨張係数が異なるため、セラミックコアと金属製のヘ
ッド本体との間に間隙が生じ強度的に低下して破損した
り、打球時の変音の原因になる等の問題点を有してい
た。
【0006】更に、特開平2−206481号に開示さ
れているアイアンヘドは、比重の大きい金属素材より
なる重心低下用金属片をアイアンヘッドのソール部(底
部)に配置し、ロストワックス製で成型後、鍛造によ
り仕上げるアイアンヘッドにおいては、ロストワックス
により重心低下用金属片をアイアンヘッド本体の金
属中に取り込む形態でヘッドが形成されるが、使用する
重心低下用金属片の素材と、ヘッド本体の素材の線膨張
係数が合致し難いため、どうしても両者の間に間隙が生
じ、その状態で鍛造型により鍛造すれば内部に間隙を残
したままアイアンヘッドに仕上がることになり、打球時
に変音が発生したり、ヘッド自体の強度にも影響が出る
等の問題があった。又、重心低下用金属片を介在した上
で鍛造するため、重心低下用金属片の位置が不安定にな
り、ヘッド自体のウェイト配分も微妙に変化するため、
設計通りのアイアンヘッドを供給することが難しいと言
った問題点をも有していた。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明は、これら従来
のロストワックス製のアイアンヘッドの欠点に鑑み、
アイアンヘッドにトウアンドヒールのウエイト配分や、
ウエイト配分をソール部に設定した低重心アイアンヘッ
ドを供給すると共に、設計の自由度の高い、ゴルファー
にとって扱い易いアイアンヘッドを供給することを目的
になされたものである。即ち、本発明のゴルフに使用す
るロストワックス製のアイアンヘッドにおいて、該ア
イアンヘッドのソール部近傍に、トウ部及びヒール部乃
至ホーゼル部に質量部を形成すると共に、該トウ部及び
ヒール部乃至ホーゼル部相互をリブで連結形成し、前記
ホーゼル部は、トウ部とヒール部を結ぶ軸線に対し下方
に突出して形成し、且つヒール部とホーゼル部に相当す
る部位とは、支柱により連結形成した構造を有する超硬
合金やこれらと同効質の燒結体よりなるインサート部材
を配置し、該インサート部材をスチールやステンレスス
チールの金属よりなるヘッド本体と一体化したことを特
徴とするアイアンヘッドである。
【0008】このようにヒール部とホーゼル部を支柱で
連結して形成することにより、打球時の衝撃強度が著し
く向上し、耐久性が増大する。その他、本発明に係るイ
ンサート部材のトウ部とヒール部近傍の両方か乃至はど
ちらか一方に質量部を形成すると共に、該質量部の少な
くとも一部がアイアンヘッドのフェース部に表出するよ
うに形成することも可能である。又、本発明に係るイン
サート部材のホーゼル部の中心軸線上には、ロストワッ
クス製法ヘッド成形用型内で保持作用する保持用ピンを
係止するための凹部乃至凸部を上下方向に形成したり、
上下方向のどちらか一方に形成することも出来るもので
ある。又、本発明に係るインサート部材のトウ部には、
ロストワックス製法ヘッド成形用型内で保持作用する保
持用ピンを係止するための凹部乃至凸部を形成しておく
ことも出来るものである。
【0009】なお、これらインサート部材を保持するた
めに、保持用ピンによりアイアンヘッドに形成される保
持用ピン孔に、タングステンや鉛の粉末を充填すること
も出来るものである。又、本発明のアイアンヘッドに使
用するインサート部材のトウ部及びヒール部乃至トウ部
とヒール部近傍に形成する質量部の形状としては、円柱
形状や半月形状やパイプ形状に形成することも可能であ
り、その形状を種々変化させることにより、アイアンヘ
ッドにおけるウエイト配分を微妙に変化させることが可
能となる。
【0010】又、本発明に係る前記超硬合金やこれらと
同効質の燒結体よりなるインサート部材、タングステ
ン・カーバイド、タングステン・カーバイド−コバル
ト、タングステン・カーバイド−コバルト−ニッケル−
クロム、タングステン・カーバイド−ニッケル−クロ
ム、タンタル・カーバイドよりなり、ヘッド本体を形成
する金属よりも大きな密度の素材で構成することが望ま
しい。なお、本発明に係るインサート部材においては、
線膨張係数が、ヘッド本体を構成する金属素材に略似通
ったものを使用することが望ましい。更に、本発明に係
るアイアンヘッドにおいては、インサート部材を介在さ
せたロストワックス型内に、溶融金属を流し込んで鋳造
するため、高熱による熱履歴に対する衝撃強度の大きい
素材を使用することが望ましい。
【0011】次に、本発明に関するロストワックス製
のアイアンヘッドの製造方法においては、トウ部及びヒ
ール部乃至ホーゼル部に適宜質量部及びロストワックス
製法ヘッド成形用型内での保持用ピンを係止するための
凹部乃至凸部を形成すると共に、トウ部とヒール部乃至
ホーゼル部をリブにより連結形成したインサート部材を
形成し、該インサート部材をロストワックス製法ヘッド
成形用型内のソール部近傍に、保持用ピン等により保持
し、次にロストワックス製法ヘッド成形用型内の空間部
にワックスを注入した後、ロストワックス製法ヘッド成
形用型内より取り出してアイアンヘッド形状のワックス
ヘッド型を形成し、該ワックスヘッド型をツリー状に組
み立て、耐火乳液(スラリー)に浸漬し、更に耐火砂を
被覆し乾燥後、加熱してワックスを溶出してロストワッ
クス型(鋳型)を形成し、更に該ロストワックス型を高
温で焼成予熱して溶融金属を型内に流し込んで鋳造後、
該ロストワックス型を破砕してアイアンヘッドを取り出
した後、湯口等を切除し、仕上げ加工を施してアイアン
ヘッドを形成したことを特徴とするアイアンヘッドの製
造方法である。
【0012】なお、本発明に係るアイアンヘッドの製造
方法においては、インサート部材をロストワックス製法
ヘッド成形用型内のソール部近傍に、保持用ピン等によ
り保持する場合には該保持用ピンの内、トウ部やヒール
部に配置する保持用ピンは、アンダーカットになるた
め、カセット方式にして、金型に着脱自在に設置出来る
ようにすることが望ましい。一方、ホーゼル部の保持用
ピンに関しては、その先端部をインサート部材のホーゼ
ル部に嵌合すると共に、もう一方の端部には、スプリン
グを介在配置することにより、保持用ピンを可変式に出
来るため、インサート部材の保持が容易に出来るもので
ある。又、ソール部に関しては、スライドコア等を使用
することにより、クラブのナンバー表示や商標等を表示
する場合にも金型の組み込み工程が簡略化出来るもので
ある。
【0013】
【作用】 以上のように本発明のロストワックス製
アイアンヘッドにおいては、アイアンヘッドのソール部
近傍に、トウ部及びヒール部乃至ホーゼル部に質量部を
形成すると共に、これらトウ部とヒール部乃至ホーゼル
部はリブにより互いに連結形成したインサート部材を形
成し、該インサート部材をヘッドのソール部近傍に配置
しているため、出来上がったアイアンヘッド自体は既に
ウエイト配分が、トウアンドヒールの構成になるため、
アイアンヘッド自体の慣性モーメントが大きくなり、ス
イートスポットも拡大し、打球時の方向安定性が良好と
なる。更に、本発明に係るインサート部材のトウ部とヒ
ール部近傍の両方か、乃至はどちらか一方に質量部を形
成すると共に、該質量部の少なくとも一部がアイアンヘ
ッドのフェース部に表出させて形成することも出来るた
め、ウエイト配分をトウアンドヒールにすることも出来
ると共に、これらフェース部に表出した質量部がアドレ
スの際に打球の目標方向を見定める上で極めて有効に作
用するものである。
【0014】又、前記インサート部材をアイアンヘッド
のソール部近傍に配置し、金属のヘッド本体と一体化し
た構成であると共に、インサート部材自体をヘッド本体
を構成する金属素材の密度より大きい密度の素材で形成
することにより、出来上がったアイアンヘッド自体が既
にウエイト配分上、低重心のアイアンヘッドとなるた
め、打球時にボールが揚がり易くなり、初心者にとって
は、打ち易いアイアンヘッドを供給することが出来るも
のである。なお、本発明に係るインサート部材において
は、ヒール部とホーゼル部を支柱により連結補強して形
成しているため、打球時の衝撃強度が著しく向上し、折
損したり、クラックが生じることもなく耐久性が増大す
る。
【0015】又、本発明に係るインサート部材の質量部
の形状を円柱形状や半月形状やパイプ形状その他任意形
状に形成することが可能であるため、形状を種々変化さ
せることにより、出来上がったロストワックス製のア
イアンヘッドにおけるウエイト配分を微妙に変化させる
ことが出来るものである。
【0016】更に、本発明に係るインサート部材を介在
させたロストワックス製のアイアンヘッドの製造方法
においては、インサート部材を構成する素材の線膨張係
数がヘッド本体を構成する金属素材の線膨張係数と略似
通ったものを使用するため、従来のアルミナやジルコニ
アを使用したセラミックコアを介在させたアイアンヘッ
ドと異なり、成形後にインサート部材とヘッド本体を構
成する金属素材との境界部分に間隙が生じることはな
く、したがって、強度が低下したり、打球時に変音が生
じると言ったことはなくなり、生産性の良好なロストワ
ックス製のアイアンヘッドを供給出来るものである。
【0017】又、本発明のアイアンヘッドの製造方法に
おいて、インサート部材としてタングステンカーバイド
等の燒結体を使用するため、製造工程上ロストワックス
型(鋳型)を形成し、該ロストワックス型を高温で焼成
予熱した後、溶融金属を型内に流し込んでアイアンヘッ
ドを鋳造する際に受ける高温の熱履歴に対しても、前記
インサート部材の耐衝撃強度が大きいため、インサート
部材自体が欠けたりクラックが生じると言ったことがな
く、ロストワックス製法によるアイアンヘッドの生産効
率が著しく向上するものである。その他、本発明による
アイアンヘッドの製造方法においては、ロストワックス
製法ヘッド成型用型で、保持用ピン等がアンダーカット
になる部分では、カセット方式にして、金型に着脱自在
に設置出来るようにしたため、インサート部材を金型内
にセットしやすくなると共に、ホーゼル部の保持用ピン
に関しては、その先端部は、インサート部材のホーゼル
部部位に嵌合すると共に、もう一方の端部には、スプリ
ングを介在配置することにより、保持用ピンの長さや圧
力を可変式に出来るため、インサート部材の保持が容易
に出来るものである。又、ソール部に関しては、スライ
ドコア等を使用することにより、クラブのナンバー表示
や商標等を表示する場合にも金型の組み込み工程が簡略
化出来て、作業効率が向上するものである
【0018】
【実施例】 本発明に係るロストワックス製のアイア
ンヘッド及びその製造方法に関する実施例を図面に基づ
いて説明すれば、以下のようになる。先ず、第1図乃至
4図に示すように、ゴルフに使用するロストワックス製
のアイアンヘッドにおいて、該アイアンヘッド
ソール部2近傍に、トウ部3及びヒール部4乃至ホーゼ
ル部5に質量部6を形成すると共に、該トウ部3及びヒ
ール部4乃至ホーゼル部5相互をリブ7で連結形成し
前記ホーゼル部5は、トウ部3とヒール部4を結ぶ軸線
に対し下方に突出して形成し、且つヒール部4とホーゼ
ル部5に相当する部位とは、支柱5cにより連結形成し
た構造を有する超硬合金やこれらと同効質の燒結体より
なるインサート部材8を配置し、該インサート部材8を
スチールやステンレススチールの金属よりなるヘッド本
体9と一体化したことを特徴とするアイアンヘッドであ
る。
【0019】又、第5図乃至6図に示すように、本発明
に係る前記超硬合金やこれらと同効質の燒結体よりなる
前記構成のインサート部材8の、トウ部3やヒール部4
近傍の両方か、乃至はどちらか一方に、質量部6を形成
すると共に、該質量部6の少なくとも一部をアイアンヘ
ッドのフェース部1aに表出させることも可能である。
更に、本発明に係る前記超硬合金やこれらと同効質の燒
結体よりなるインサート部材8のホーゼル部5の中心
線上には、ロストワックス製法ヘッド成形用型内で保持
作用する保持用ピン11を係止するための凹部5a乃至
凸部5bを任意数形成することも可能である。又、前記
超硬合金やこれらと同効質の燒結体よりなるインサート
部材8のトウ部3には、ワックスヘッド成形用型10内
での保持用ピン11を係止するための凹部3a乃至凸部
を形成してもよい。
【0020】又、本発明に係る前記超硬合金やこれらと
同効質の燒結体よりなるインサート部材8のトウ部3や
ヒール部4乃至トウ部3やヒール部4近傍に設ける質量
部6の形状としては、円柱形状や半月形状やパイプ形状
その他適宜の形状に形成することが出来る。なお、本発
明に係る前記超硬合金やこれらと同効質の燒結体よりな
るインサート部材8としては、タングステン・カーバイ
ド、タングステン・カーバイド−コバルト、タングステ
ン・カーバイド−コバルト−ニッケル−クロム、タング
ステン・カーバイド−ニッケル−クロム、タンタル・カ
ーバイドよりなり、ヘッド本体9を形成する金属の密度
よりも大きな密度の素材を使用することが望ましい。
【0021】次に、第7図乃至第9図に示すように、本
発明に係るロストワックス製法のアイアンヘッドの製造
方法について説明すれば、トウ部3及びヒール部4乃至
ホーゼル部5に、質量部6乃至ロストワックス製法ヘッ
ド成形用型10内での保持用ピン11を係止するための
凹部3a・6a乃至凸部を形成すると共に、トウ部3と
ヒール部4乃至ホーゼル部5の相互をリブ7により連結
した超硬合金やこれらと同効質の燒結体よりなるインサ
ート部材8を形成し、該インサート部材8をロストワッ
クス製法ヘッド成形用型10内のソール部12近傍に、
トウ部13、ヒール部14、ホーゼル部15に相当する
箇所に保持用ピン11により係止し、次にロストワック
製法ヘッド成形用型10内とインサート部材8とによ
り形成された空間部16にワックス17を注入した後、
ロストワックス製法ヘッド成形用型10内より取り出し
て、アイアンヘッド形状を有するワックスヘッド型18
を形成し、該ワックスヘッド型18をツリー状に組み立
て耐火乳液(スラリー)に浸漬し、更に耐火砂を被覆し
乾燥後、加熱してワックスを溶出してロストワックス型
(鋳型)19を形成し、更に該ロストワックス型19を
高温で焼成予熱して溶融金属を湯口20より型内に流し
込んで鋳造後、該ロストワックス型を破砕してアイアン
ヘッドを取り出した後、湯口20等を切除し、仕上げ加
工を施してアイアンヘッドを形成したことを特徴とす
るアイアンヘッドの製造方法である。
【0022】なお、本発明に係るロストワックス製
アイアンヘッドの製造方法においては、前記超硬合金や
これらと同効質の燒結体よりなるインサート部材8が、
ヘッド本体9を形成する金属の密度よりも大きな密度の
素材で、且つ線膨張係数が略似通った素材例えば一例と
して、タングステン・カーバイド、タングステン・カー
バイド−コバルト、タングステン・カーバイド−コバル
ト−ニッケル−クロム、タングステン・カーバイド−ニ
ッケル−クロム、タンタル・カーバイドから構成されて
いることが望ましい。又、これらの素材を使用してイン
サート部材を成形する場合には、射出成形等の手段を用
いて成形することが成形精度及び強度を向上する上で望
ましい。
【0023】又、これらのインサート部材の一例として
は、以下のような物性値を有するものが望ましい。即
ち、ビッカース硬度が約HV1200、抗折力が約28
0Kg/mm、抗張力が約170Kg/mm、衝撃
値が約0.64Kg−m、圧縮強度が約438Kg/m
、ヤング率が約5.4×10Kg/mm、線膨
張係数が20℃〜200℃で約5.7×10−6/℃で
あり、室温〜800℃で約6.1×10−6/℃、熱伝
導率が室温〜400℃で0.17cal/cm・s・℃
である素材を使用することが望ましい。一方参考までに
ステンレススチールの物性値を示すと以下のようにな
る。線膨張係数が25℃で約17.0×10−6/℃で
あり、熱伝導率が0℃で0.18cal/cm・s・℃
である。
【0024】なお、本発明に係るアイアンヘッドの製造
方法においては、第7図に示すように、インサート部材
8をワックス成形用型10内のソール部近傍に、保持用
ピン11等により保持する場合には該保持用ピン11の
内、トウ部13やヒール部14に配置する保持用ピン1
1はアンダーカットになるため、カセット方式型11
a、11bにして、金型に着脱自在に設置することが可
能となる。一方、ホーゼル部15の保持用ピン11に関
しては、その先端部は、インサート部材8のホーゼル部
5に嵌合すると共に、もう一方の端部には、スプリング
11cを介在配置することにより、保持用ピン11を可
変式に出来るため、インサート部材8の保持が容易に出
来るものである。又、ソール部に関しては、スライドコ
ア11d等を使用することにより、クラブのナンバー表
示や商標等を表示する場合にも金型の組み込み工程が簡
略化出来るものである。
【0025】
【発明の効果】 以上のように本発明に係るアイアンヘ
ッドにおいては、アイアンヘッドのソール部近傍に、ト
ウ部及びヒール部乃至ホーゼル部に質量部を形成し、こ
れらトウ部とヒール部乃至ホーゼル部の相互をリブによ
り連結形成したインサート部材を配置しているため、出
来上がったアイアンヘッド自体は既にウエイト配分が、
トウアンドヒールの構成になっているため、アイアンヘ
ッド自体の慣性モーメントが大きくなり、スイートスポ
ットも拡大するため、打球時の方向安定性が良好とな
る。その他、本発明に係るアイアンヘッドにおいては、
インサート部材のトウ部とヒール部近傍の両方か、乃至
はどちらか一方に質量部を形成すると共に、該質量部の
少なくとも一部がアイアンヘッドのフェース部に表出す
るように形成すると、ウエイト配分をトウアンドヒール
に出来ると共に、フェース部に表出した質量部がアドレ
スの際に打球の目標方向を定める上で極めて有効に作用
し、打球のぶれをも防止出来る。又、本発明に係るアイ
アンヘッドにおいては、インサート部材のヒール部とホ
ーゼル部を支柱にて連結補強しているため、打球時の衝
撃強度が著しく向上すると共に、折損やクラックを防止
し、耐久性が増大する。
【0026】又、本発明に係るアイアンヘッドにおいて
は、インサート部材をアイアンヘッドのソール部近傍に
配置し、任意金属のヘッド本体と一体化した構成である
と共に、インサート部材自体をヘッド本体を構成する金
属素材の密度より大きい密度の素材で形成することによ
り、出来上がったアイアンヘッド自体は既にウエイト配
分が、低重心のアイアンヘッドとなるため、打球時にボ
ールが揚がり易い、初心者にとっては、打ち易いアイア
ンヘッドを提供出来る。
【0027】又、本発明に係るアイアンヘッドのインサ
ート部材の質量部の形状を円柱形状や半月形状やパイプ
形状その他任意形状に形成しておくことが可能であるた
め、形状を種々変化させることにより、ウエイト配分を
微妙に変化させることが可能となり、ゴルファーの好み
に合ったアイアンヘッドを提供出来る。
【0028】更に、本発明に係るインサート部材を介在
させたロストワックス製のアイアンヘッドの製造方法
においては、インサート部材を構成する素材の線膨張係
数がヘッド本体を構成する金属素材の線膨張係数と略似
通ったものを使用するため、従来のアルミナやジルコニ
アを使用したセラミックコアを介在させたアイアンヘッ
ドと異なり、成形後にインサート部材とヘッド本体を構
成する金属素材との境界部分に間隙が生じることもない
から、強度が低下したり、打球時に変音が生じることも
ないから、生産性の良好なロストワックス製のアイア
ンヘッドを提供出来る。
【0029】又、本発明に係るアイアンヘッドの製造方
法においては、インサート部材としてタングステンカー
バイド等の超硬合金やこれらと同効質の燒結体を使用す
るため、製造工程上ロストワックス型(鋳型)を形成
し、該ロストワックス型を高温で焼成予熱した後、溶融
金属を型内に流し込んでアイアンヘッドを鋳造する際に
受ける高温の熱履歴に対しても、前記インサート部材の
耐衝撃強度が大きいため、インサート部材自体が欠けた
りクラックが生じると言ったことがなく、ロストワック
ス製法によるアイアンヘッドの生産効率が著しく向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1図は、本発明に係るアイアンヘッドにイ
ンサート部材を配置した状態を示す透視斜視図である。
【図2】 第2図は、本発明に係るアイアンヘッドに使
用するインサート部材を示す斜視図である。
【図3】 第3図は、本発明に係るアイアンヘッドに使
用するインサート部材のその他の実施例を示す斜視図で
ある。
【図4】 第4図は、本発明に係るアイアンヘッドに使
用するインサート部材のその他の実施例を示す斜視図で
ある。
【図5】 第5図は、本発明に係るアイアンヘッドにイ
ンサート部材のその他実施例のものを配置した状態を示
す透視斜視図である。
【図6】 第6図は、本発明に係るアイアンヘッドに使
用するインサート部材のその他の実施例を示す斜視図で
ある。
【図7】 第7図は、本発明に係るアイアンヘッドの製
造方法の一工程に関する金型の断面を示す要部断面図で
ある。
【図8】 第8図は、本発明に係るアイアンヘッドの製
造方法の一工程に関するワックス型を示す斜視図であ
る。
【図9】 第9図は、本発明に係るアイアンヘッドの製
造方法の一工程に関するロストワックス型の部分断面を
示す斜視図である。
【符号の説明】 アイアンヘッド 1a フェース部 2 ソール部 3 トウ部 3a 凹部 4 ヒール部 5 ホーゼル部 5a 凹部 5b 凸部 5c 支柱 6 質量部 6a 凹部 7 リブ 8 インサート部材 9 ヘッド本体 10 ロストワックス製法ヘッド成形用型 11 保持用ピン 12 ソール部 13 トウ部 14 ヒール部 15 ホーゼル部 16 空間部 17 ワックス 18 ワックスヘッド型 19 ロストワックス型(鋳型) 20 湯口

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴルフに使用するロストワックス製
    アイアンヘッドにおいて、該アイアンヘッドのソール部
    近傍に、トウ部及びヒール部乃至ホーゼル部に質量部を
    形成すると共に、該トウ部及びヒール部乃至ホーゼル部
    相互をリブで連結形成し、前記ホーゼル部は、トウ部と
    ヒール部を結ぶ軸線に対し下方に突出して形成し、且つ
    ヒール部とホーゼル部に相当する部位とは、支柱により
    連結形成した構造を有する超硬合金やこれらと同効質
    燒結体よりなるインサート部材を配置し、該インサート
    部材をスチールやステンレススチールの金属よりなるヘ
    ッド本体と一体化したことを特徴とするアイアンヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記超硬合金やこれらと同効質の燒結体
    よりなるインサート部材のトウ部とヒール部近傍の両方
    か乃至はどちらか一方に質量部を形成すると共に、該質
    量部の少なくとも一部がアイアンヘッドのフェース部に
    表出するように形成されていることを特徴とする請求項
    記載のアイアンヘッド。
  3. 【請求項3】 前記超硬合金やこれらと同効質の燒結体
    よりなるインサート部材のホーゼル部の中心軸線上に
    は、ロストワックス製法ヘッド成形用型内での保持用ピ
    ンを係止するための凹部乃至凸部が形成されていること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載のアイアンヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 前記超硬合金やこれらと同効質の燒結体
    よりなるインサート部材のトウ部には、ロストワックス
    製法ヘッド成形用型内での保持用ピンを係止するための
    凹部乃至凸部が形成されていることを特徴とする請求項
    1、請求項2、又は請求項3記載のアイアンヘッド。
  5. 【請求項5】 前記超硬合金やこれらと同効質の燒結体
    よりなるインサート部材のトウ部及びヒール部乃至ホー
    ゼル部やトウ部乃至ヒール部近傍に形成された質量部の
    形状が円柱形状、半月形状、パイプ形状に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、
    は請求項4記載のアイアンヘッド。
  6. 【請求項6】 前記超硬合金やこれらと同効質の燒結体
    よりなるインサート部材、タングステン・カーバイ
    ド、タングステン・カーバイド−コバルト、タングステ
    ン・カーバイド−コバルト−ニッケル−クロム、タング
    ステン・カーバイド−ニッケル−クロム、タンタル・カ
    ーバイドよりなり、ヘッド本体を形成する金属の密度よ
    りも大きな密度の素材で構成されていることを特徴とす
    る請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、又は請求
    項5記載のアイアンヘッド。
  7. 【請求項7】 ゴルフに使用するロストワックス製
    アイアンヘッドの製造方法において、トウ部及びヒール
    部乃至ホーゼル部に、質量部乃至ロストワックス製法
    ッド成形用型内での保持用ピンを係止するための凹部乃
    至凸部を形成すると共に、トウ部とヒール部乃至ホーゼ
    ル部の相互をリブにより連結形成した超硬合金やこれら
    と同効質の燒結体よりなるインサート部材をロストワッ
    クス製法ヘッド成形用型内のソール部近傍に、トウ部、
    ヒール部、ホーゼル部に相当する箇所に保持用ピンによ
    り保持し、次にロストワックス製法ヘッド成形用型内と
    インサート部材とにより形成された空間部にワックスを
    注入した後、ロストワックス製法ヘッド成形用型内より
    取り出して、アイアンヘッド形状を有するワックスヘッ
    ド型を形成し、該ワックスヘッド型をツリー状に組み立
    て耐火乳液(スラリー)に浸漬し、更に耐火砂を被覆し
    乾燥後、加熱してワックスを溶出してロストワックス型
    (鋳型)を形成し、更に該ロストワックス型を高温で焼
    成予熱して溶融金属を型内に流し込んで鋳造後、該ロス
    トワックス型を破砕してアイアンヘッドを取り出した
    後、湯口等を切除し、仕上げ加工を施してアイアンヘッ
    ドを形成したことを特徴とするアイアンヘッドの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記超硬合金やこれらと同効質の燒結体
    よりなるインサート部材が、ヘッド本体を形成する金属
    の密度よりも大きな素材で且つ線膨張係数が略似通った
    素材で構成されていることを特徴とする請求項7記載の
    アイアンヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記超硬合金やこれらと同効質の燒結体
    よりなるインサート部材、タングステン・カーバイ
    ド、タングステン・カーバイド−コバルト、タングステ
    ン・カーバイド−コバルト−ニッケル−クロム、タング
    ステン・カーバイド−ニッケル−クロム、タンタル・カ
    ーバイドより構成されていることを特徴とする請求項
    7、又は請求項8記載のアイアンヘッドの製造方法。
JP3198756A 1991-07-11 1991-07-11 アイアンヘッド及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2561184B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3198756A JP2561184B2 (ja) 1991-07-11 1991-07-11 アイアンヘッド及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3198756A JP2561184B2 (ja) 1991-07-11 1991-07-11 アイアンヘッド及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0515621A JPH0515621A (ja) 1993-01-26
JP2561184B2 true JP2561184B2 (ja) 1996-12-04

Family

ID=16396439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3198756A Expired - Fee Related JP2561184B2 (ja) 1991-07-11 1991-07-11 アイアンヘッド及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2561184B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5572249B1 (ja) * 2013-07-30 2014-08-13 ダンロップスポーツ株式会社 アイアン型ゴルフクラブヘッド

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5429355A (en) * 1991-08-09 1995-07-04 Callaway Golf Company Golf club head to shaft connection

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5714363A (en) * 1980-06-25 1982-01-25 Thompson Stanley C Method of adjusting weight of golf iron
JPH067876B2 (ja) * 1984-05-15 1994-02-02 マルマンゴルフ株式会社 ゴルフクラブの金属ヘッド
JPS6442071U (ja) * 1987-09-08 1989-03-14
JPH0241007U (ja) * 1988-09-09 1990-03-20
JPH02206481A (ja) * 1989-02-04 1990-08-16 Matsuo Kogyo Kk 低重心ゴルフアイアンクラブヘッド及びその製造法
JPH02150807U (ja) * 1989-05-22 1990-12-27

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5572249B1 (ja) * 2013-07-30 2014-08-13 ダンロップスポーツ株式会社 アイアン型ゴルフクラブヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0515621A (ja) 1993-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5401021A (en) Set of golf club irons with enlarged faces
US6997818B2 (en) Golf clubhead and method of manufacturing the same
US6508722B1 (en) Golf club head and improved casting method therefor
US10888917B2 (en) Co-forged golf club head and method of manufacture
US20210069558A1 (en) Golf club heads
US9616304B2 (en) Co-forged golf club head and method of manufacture
US7815523B2 (en) Variable density golf club
US5873791A (en) Oversize metal wood with power shaft
US7803065B2 (en) Golf club head
CN100425306C (zh) 高尔夫球杆
US4762322A (en) Golf club
US20190175997A1 (en) Co-forged golf club head and method of manufacture
WO2007092780A2 (en) Golf club head with metal injection molded sole
JP2024040278A (ja) ゴルフクラブヘッド
US11918867B2 (en) Co-forged golf club head and method of manufacture
JP2561184B2 (ja) アイアンヘッド及びその製造方法
US20240042289A1 (en) Co-forged golf club head and method of manufacture
JPH067876B2 (ja) ゴルフクラブの金属ヘッド
JP4852821B2 (ja) ゴルフクラブヘッド及びその製造方法
WO2001008757A2 (en) Enlarged wood-type head
US20240157205A1 (en) Co-forged golf club head and method of manufacture
JP2002239039A (ja) ゴルフクラブヘッド
JPH0412772A (ja) 繊維強化金属製のゴルフクラブヘッド
CN108970046A (zh) 一种高尔夫球杆整体锻造铁头及其制造方法
JP2002177421A (ja) ゴルフクラブヘッドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees