JP2561116B2 - 養毛剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、養毛剤に関し、特に頭髪を養毛、育毛、発
毛を促進する外用塗着の養毛剤に関する。

従来の技術 諸国において、頭髪の脱毛に悩んでいる人は多い。従
来から、育毛剤や養毛剤に関して多数の出願がなされ、
また商品が販売されてきた。しかし、脱毛症で悩んでい
る人にとって、未だ十分満足するものは見当たらない。

発明が解決しようとする課題 いろいろと調査、研究の結果、円形脱毛症や全禿症の
人は内臓が弱く、また貧血症は養毛しにくく、栄養が足
らないと髪の毛が抜けるということが分かった。そのた
め脾胃を強化し、経路を緩め、頭部への血行をよくする
とともに、頭部脱毛部で血液が停滞するのを除去するこ
とが重要である。

課題を解決するための手段 本発明は上記のような点に鑑みたもので、上記の課題
を解決するために、頭部の禿部や薄毛部の血行状態を改
良するために、毛根部を刺激し、生毛作用を促進する斑
猫、乾姜を含む温裏薬と、血流の留滞を除去して血液の
流れを阻滞させない桃仁、紅花、 丹参を含む 血虚を補充し滋養する当帰を含む補血薬と、気血陰陽の
不足を補い虚を補養して補血薬の佐薬となる人参、黄耆
を含む補気薬と、腎陽を盛んにし腎精を補養する補骨
脂、骨砕補を含む補陽薬と、表散風塞し去湿する羌活の
解表薬や消炎解毒し頭皮部の脂肪分を分解除去する蜂房
を含む清熱薬を含有することを特徴とする養毛剤を提供
するにある。

作 用 本発明によれば、頭部の禿部や薄毛部に本養毛剤を塗
着すると、含有している斑猫、乾姜の温裏薬によって毛
根部を刺激するとともに生毛作用を促進し、桃仁、紅
花、 丹参の によって頭部に血流が留滞するのを防いで血行を良く
し、当帰の補血薬によって血虚を補充して補血をはか
り、また人参、黄耆の補気薬によって栄養を吸収して虚
を補養して補気し、補骨脂、骨砕補の補陽薬によって腎
陽を盛んにし腎精を補養し、さらに羌活の解表薬によっ
て表散風塞して止痛するとともに、蜂房の清熱薬によっ
て頭皮部を消炎解毒し脂肪分を分解除去して薬液の浸透
をよくでき、頭部の充血状態を持続して頭髪の養毛、育
毛、発毛を促進することができる。

実施例 以下、本発明を実施例にもとづいて説明する。

養毛剤は、毛根部を刺激し、生毛作用を促進する斑
猫、乾姜を含む温裏薬と、血流の留滞を除去して血液の
流れを阻滞させない桃仁、紅花、 丹参を含む 血虚を補充し滋養する当帰を含む補血薬と、気血陰陽の
不足を補い虚を補養して補血薬の佐薬となる人参、黄耆
を含む補気薬と、腎陽を盛んにし腎精を補養する補骨
脂、骨砕補を含む補陽薬と、表散風塞し去湿する羌活の
解表薬や消炎解毒し頭皮部の脂肪分を分解除去する蜂房
を含む清熱薬の粉末や、細切れ、顆粒、チンキ等をエチ
ルアルコールの薬用アルコールに浸漬し、１〜４日間に
わたって適宜にかくはんし、濾過して精製している。

上記温裏薬の斑猫は皮膚への刺激性を有するとともに
生毛作用を有し、乾姜は脾胃の虚塞を除き、経路を温め
る作用を有し、この斑猫と乾姜との組み合わせによって
毛根部を刺激し、脾と胃を温め、助陽散塞の効能を発揮
するようにしている。

また、 の桃仁は活血して経血を通じ、頑固な血液の留滞を取り
去る作用を有し、紅花は和血、調血、養血の効能を有
し、この温通作用がすぐれた紅花と苦泄作用により がすぐれた桃仁との配合によって相須の作用を生じし
め、 の効能を十分に発揮するようにしている。

は活血行気、去風止痛の効能を有し、上記桃仁、紅花と
組み合わせることによって一層活血して頑固な を消散できるようにしている。丹参は活血調経の効能を
有し、血熱があって のある場合に特に有効に作用する。

また、補血薬の当帰は補血活血の効能を有し、血によ
る疾病の要薬である。特に下記する補気薬と配合して養
血作用を生じしめ、 と配合して活血作用を生じ、温裏薬と配合して両者の作
用を一層助長するようにし、これらの配合薬の円滑な作
用を効果的に促進するようにしている。

補気薬の人参は益気し津血を生じさせ、気虚を補う主
要薬で、 の活血による気虚を補って血虚をなおすようにしてい
る。黄耆も補気し、気虚を治療する要薬で、人参が体の
表面側から作用を及ぼすのに対し、黄耆は体の内面側か
ら作用を及ぼし、両者の配合によって相須の効果を発揮
できるようにしている。

補陽薬の補骨脂は補腎助陽の効能を有し、また腎精と
髄液を充填して腎精を補養する効能を有する菟絲子を配
合して相須の働きを生じるようにしている。骨砕補は温
腎助陽、活血止痛の効能を有し、特に温めて血の をめぐらし、痛みを止めるのに有効な働きを生じるもの
である。

解表薬の羌活は表散風塞、去湿止痛の効能を有し、 との配合によって風邪、気滞、 を除いて止痛するようにしている。

清熱薬の蜂房は消炎解毒の効能を有し、蜂房中に含ま
れる揮発油によって頭皮部の脂肪分を分解除去して、薬
液の浸透をよくできて治療できる。また、芳香性健胃の
効能を有し、頭皮を刺激して新陳代謝機能を亢進させ、
血行をよくできる川椒を配合している。

上記した各薬剤は、たとえば、温裏薬の斑猫を0.5〜
１％（チンキ）、乾姜を５〜10％、 の桃仁を７〜15％、紅花を７〜15％、丹参を10〜20％、 を７〜15％、、補血薬の当帰を８〜15％、補気薬の人参
を13〜20％、黄耆を12〜20％、補陽薬の補骨脂を１〜３
％、骨砕補を５〜７％、菟絲子を５〜７％、解表薬の羌
活を５〜７％、清熱薬の蜂房を２〜３％（チンキ）、川
椒を５〜７％の重量比の割合で、それぞれ粉末や、細切
れ、顆粒材を適宜に配合し、重量比としてほぼ３〜10倍
（好ましくは５〜６倍）の60〜95％の薬用アルコールに
適宜かくはんしながら１〜４日間浸漬し、濾過して精製
するものである。

上記養毛チンキ剤の使用によれば、薄毛の人では１〜
２週間位で発毛するとともに抜け毛が著しく減少し、毛
髪が太くするなどの効果を生じ、また円形脱毛症の人で
は２〜３週間から１〜２ケ月で発毛しはじめ、抜け毛も
少なくなって有効である。特に、蜂房が頭皮部の脂肪を
分解除去して脂肪で毛孔を塞ぐのを防止できるため、脂
性脱毛型に有効なものである。

なお、上記実施例に平肝熄風薬の天麻を５〜７％添加
すると、血虚で肝風が内動して生じる頭痛を治療できて
有益であり、また温裏薬の炮附子や温裏薬に属すると解
せられる辣椒（とうがらしチンキ）を数％等適宜量配合
して、頭皮を刺激して養毛、育毛、発毛の効果を高める
ようにできるものである。

以上の実施例では、いずれも生薬の粉末、細切れ、顆
粒、チンキを薬用エチルアルコールの有機溶媒に浸漬し
て有効成分を抽出するようにしたが、公知のメタノー
ル、イソプロパノール、エチレングリコールなどの有機
溶媒やこれらの混合溶液、またはこれらの含水有機溶媒
で抽出することもできるものである。

発明の効果 以上のように本発明にあっては、頭部の禿部、脱毛部
の毛根部を刺激し、脾胃を温めて活発化し、また血液の
留滞を解消して血行をよくして頭部の充血状態を持続
し、血液循環を良好にして頭髪の養毛、育毛、発毛を有
効に促進することができるとともに、頭皮部の脂肪分を
分解除去できて、特に脂性脱毛症に有効なものである。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】頭部の禿部や薄毛部の血行状態を改良する
   ために、毛根部を刺激し、生毛作用を促進する斑猫、乾
   姜を含む温裏薬と、血流の留滞を除去して血液の流れを
   阻滞させない桃仁、紅花、 丹参を含む と、血虚を補充し滋養する当帰を含む補血薬と、気血陰
   陽の不足を補い虚を補養して補血薬の佐薬となる人参、
   黄耆を含む補気薬と、腎陽を盛んにし腎精を補養する補
   骨脂、骨砕補を含む補陽薬と、表散風塞し去湿する羌活
   の解表薬や消炎解毒し頭皮部の脂肪分を分解除去する蜂
   房を含む清熱薬を含有することを特徴とする養毛剤。